JP6580984B2 - 遅延噴射式エアゾール製品 - Google Patents
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Description
本発明の一実施形態(第1の実施形態)の遅延噴射式エアゾール製品(以下、単にエアゾール製品1ともいう)について詳細に説明する。図1は、本実施形態のエアゾール製品1の模式的な部分断面図である。本実施形態のエアゾール製品1は、内容物が充填され、容器本体2Bとエアゾールバルブ3とを備えるエアゾール容器2と、エアゾールバルブ3に取り付けられる噴射部材4とを主に備える。以下、それぞれの構成について説明する。なお、エアゾール製品1は、後述する吸液体6の性質および配置場所に特徴を有する。そのため、以下に示される他の構成は、いずれも例示であり、適宜設計変更を行うことができる。
エアゾール容器2は、内容物を加圧・密封状態で充填するための耐圧容器である。エアゾール容器2は、容器本体2Bと、容器本体2Bに取り付けられるエアゾールバルブ3とを備える。
容器本体2Bは、汎用の形状であってよい。本実施形態の容器本体2Bは、上部に開口を有する有底筒状の容器本体を用いている。容器本体2Bは、内容物が勢いよく噴射される場合に重心が安定するように、比較的扁平な形状である。開口は、内容物を充填するための充填口である。容器本体2Bの開口には、後述するエアゾールバルブ3が取り付けられる。
エアゾールバルブ3は、容器本体2Bの開口を閉止するための部材である。また、エアゾールバルブ3は、開口に取り付けられるマウンティングカップ31と、マウンティングカップ31の中央内部に支持される弁機構(図示せず)とを有する。マウンティングカップ31の上面は、後述する吸液体6が配置される凹部32が形成されている。弁機構は、マウンティングカップ31の中央内部に支持される有底筒状のハウジングを有する。ハウジング内部には、容器本体2Bの内外を連通するステム孔を有するステム33と、ステム孔の周囲に取り付けられるステムラバーと、ステム33とステムラバーとを上方向へ付勢するスプリングとが設けられている。ステム33とステムラバーとは、常時はスプリングにより上方へ付勢されており、ステムラバーによってステム孔がシールされている。ステム33の上端には、噴射ノズル41が取り付けられている。
噴射部材4は、操作されることによりエアゾールバルブ3を開放し、エアゾールバルブ3を経て取り込まれた内容物を噴射するための部材である。噴射部材4は、噴射ノズル41と、カバー部材45と、吸液体6とを主に備える。
噴射ノズル41は、エアゾールバルブ3に取り付けられる部材であり、操作されることにより、エアゾールバルブ3を開放して内容物を噴射する噴射状態と、エアゾールバルブ3を閉止して内容物を噴射しない非噴射状態とを切り替えるための部材である。噴射ノズル41は、エアゾールバルブ3に取り付けられる基端部41rと、先端に噴射孔3hが形成された円筒状のノズル部41nとを有する。また、噴射ノズル41は、ノズル部41nよりも大径で略円筒状のノズル基部42と、ノズル基部42の外周面に形成された周状のフランジ部43とからなる。ノズル基部42の内部には、エアゾールバルブ3のステム33から取り込まれる内容物が通過する内部通路44が形成されている。
カバー部材45は、エアゾール容器2の上部に取り付けられる部材であり、取り付けられた状態において、吸液体6を収容し、噴射ノズル41を覆い、これらを保護する。カバー部材45は、エアゾール容器2の上部に取り付けられる略円筒状の側周部46と、側周部46の内周面において、径方向の内側に向かって延設された天面部47とを備える。
吸液体6は、略円筒状であり、吸液性を有し、吸液することにより軟質化(変形)する性質を有する。これにより、吸液後の吸液体6は、吸液前と比較して、体積が減少する部材である。吸液体6は、マウンティングカップ31の上面に形成された凹部32に嵌め込まれている。また、吸液体6は、ノズル基部42のうち、フランジ部43の形成された位置よりも下方の周囲を覆うよう配置されている。これにより、吸液体6は、エアゾール容器2と直接接触するとともに、フランジ部43の下面とも直接接触している。
次に、エアゾール製品1を使用する際に、噴射ノズル41が非噴射状態から噴射状態に切り替えられる際の操作について、図1および図2を参照して説明する。図2は、噴射ノズル41が噴射状態に変位されたエアゾール製品1の模式的な部分断面図である。
本発明の一実施形態(第2の実施形態)のエアゾール製品1aが、図面を参照して説明される。図3は、本実施形態のエアゾール製品1aの模式的な部分断面図である。本実施形態のエアゾール製品1aは、エアゾールバルブ3aおよび噴射部材4aの形状が異なる以外は、第1の実施形態において上記したエアゾール製品1(図1参照)と同様である。そのため、同様の構成には同様の符号が付され、説明は、適宜省略される。
本実施形態のエアゾールバルブ3aは、従来公知のティルト式のエアゾールバルブである。すなわち、エアゾールバルブ3aは、ステム33が鉛直方向に位置している場合にはステム孔(図示せず)が閉止された非噴射状態となり、ステム33が鉛直方向から所定の角度だけ傾倒されることによりステム孔が開放された噴射状態となるよう構成されている。ステム33の先端には、噴射ノズル41aが取り付けられている。
噴射部材4aは、噴射ノズル41aと、カバー部材45aと、吸液体6と、スプリング5(弾性部材の一例)とを備える。
噴射ノズル41aは、エアゾールバルブ3aのステム33に取り付けられる略円筒状の部材であり、操作されることにより、エアゾールバルブ3aを開放して内容物を噴射する噴射状態と、エアゾールバルブ3aを閉止して内容物を噴射しない非噴射状態とを切り替えるための部材である。噴射ノズル41aは、略円筒状であり、エアゾールバルブ3aに取り付けられる基端部41sと、先端に噴射孔3hが形成されたノズル部41oとを有する。噴射ノズル41aの内部には、エアゾールバルブ3aのステム33から取り込まれる内容物が通過する内部通路が形成されている。
カバー部材45aは、エアゾール容器2の上部に取り付けられる部材であり、取り付けられた状態において、吸液体6を収容し、噴射ノズル41aを覆い、これらを保護する。カバー部材45aは、エアゾール容器2の上部に取り付けられる略円筒状の側周部46aと、側周部46aの上端に取り付けられた天面部47aと、側周部46aの内周面において、径方向の内側に向かって延設された周状の中間壁49とを備える。
図4は、吸液体6の模式的な斜視図である。吸液体6は、平面視が略C字状である柱状の部材である。吸液体6は、吸液性を有し、吸液することにより軟質化する性質を有する。これにより、吸液後の吸液体6は、吸液前と比較して、体積が減少する部材である。吸液体6は、マウンティングカップ31の上面に形成された凹部32に嵌め込まれている。また、吸液体6は、噴射ノズル41aとカバー部材45aの側周部46aの内周面との間に配置されている。これにより、吸液体6は、エアゾール容器2と直接接触するとともに、噴射部材4aが傾倒される際に噴射部材4aとも直接接触し得る。
スプリング5(弾性部材の一例)は、噴射状態において噴射ノズル41aを付勢して傾倒するための部材である。スプリング5は、カバー部材45aの中間壁45wに保持され、側周部41aに取り付けられる一端と、噴射ノズル41aを付勢する他端とを有する。図5は、非噴射時におけるスプリング5の状態を説明するための模式的な平面図である。図3および図5に示されるように、スプリング5は、非噴射状態において、圧縮状態で保持されており、他端は、非噴射状態において、挿通部48の外周面を押圧している。
次に、エアゾール製品1aを使用する際に、噴射ノズル41aが非噴射状態から噴射状態に切り替えられる際の操作について、図3および図6を参照して説明する。図6は、噴射ノズル41aが噴射状態に変位されたエアゾール製品1aの模式的な部分断面図である。
本発明の一実施形態(第3の実施形態)のエアゾール製品1bが、図面を参照して説明される。図7は、本実施形態のエアゾール製品1bの模式的な部分断面図である。本実施形態のエアゾール製品1bは、噴射部材4bの形状が異なる以外は、第1の実施形態において上記したエアゾール製品1(図1参照)と同様である。そのため、同様の構成には同様の符号が付され、説明は、適宜省略される。
噴射部材4bは、噴射ノズル41bと、カバー部材45bと、吸液体6bとを備える。
噴射ノズル41bは、エアゾールバルブ3bに取り付けられる部材であり、操作されることにより、エアゾールバルブ3bを開放して内容物を噴射する噴射状態と、エアゾールバルブ3bを閉止して内容物を噴射しない非噴射状態とを切り替えるための部材である。噴射ノズル41bは、エアゾールバルブ3bに取り付けられる基端部41tと、先端に噴射孔3hが形成されたノズル部41pとを有する。また、噴射ノズル41bは、略円筒状のノズル基部42bと、ノズル基部42bの外周面に形成された周状のフランジ部43bとからなる。ノズル基部42bの内部には、エアゾールバルブ3bのステム33から取り込まれる内容物が通過する内部通路が形成されている。
カバー部材45bは、エアゾール容器2の上部に取り付けられる部材であり、取り付けられた状態において、噴射ノズル41bを覆い、保護する。カバー部材45bは、エアゾール容器2の上部に取り付けられる略円筒状の側周部46bと、側周部46bの上端において、径方向の内側に向かって延設された天面部47bとを備える。
吸液体6bは、略円筒状であり、吸液性を有し、吸液することにより徐々に膨張する性質を有する。これにより、吸液後の吸液体6bは、吸液前と比較して、体積が増加する部材である。吸液体6bは、フランジ部43bの外周壁43wと、ノズル基部42bの外周面と、フランジ部43bとにより画定される空間に配置されている。配置された状態において、吸液体6bの上面は、天面部47bの裏面と接触するか、近接している。なお、吸収体6bは上記空間に収容され得る形状であればよいため、粒状でもよい。
次に、エアゾール製品1bを使用する際に、噴射ノズル41bが非噴射状態から噴射状態に切り替えられる際の操作について、図7および図8を参照して説明する。図8は、噴射ノズル41bが噴射状態に変位されたエアゾール製品1bの模式的な部分断面図である。
2 エアゾール容器
2B 容器本体
3、3a、3b エアゾールバルブ
3h 噴射孔
31 マウンティングカップ
32 凹部
33 ステム
4、4a、4b 噴射部材
41、41a、41b 噴射ノズル
41n、41o、41p ノズル部
41r、41s、41t 基端部
42、42b ノズル基部
43、43b フランジ部
43w 外周壁
44 内部通路
45、45a、45b カバー部材
45w 中間壁
46、46a、46b 側周部
47、47a、47b 天面部
47h 注液孔
47p 挿通孔
48 挿通部
49 中間壁
5 スプリング
6、6b 吸液体
Claims (5)
- 容器本体、および、前記容器本体に取り付けられるエアゾールバルブを備え、かつ、内容物が充填されるエアゾール容器と、前記エアゾールバルブに取り付けられる噴射部材とを有し、
前記噴射部材は、
前記エアゾールバルブを開放して前記内容物を噴射する噴射状態と、前記エアゾールバルブを閉止して前記内容物を噴射しない非噴射状態とを切り替えるための噴射ノズルと、
吸液性を有する吸液体とを有し、
前記吸液体は、前記エアゾール容器および前記噴射ノズルのうち少なくともいずれか一方に接触するように配置されており、吸液することにより変形して、前記噴射ノズルの前記非噴射状態から前記噴射状態への状態変化を許容する、遅延噴射式エアゾール製品。 - 前記噴射部材は、前記噴射ノズルを覆うカバー部材をさらに備え、
前記カバー部材は、前記吸液体に液体を注ぐための注液孔が形成されている、請求項1記載の遅延噴射式エアゾール製品。 - 前記噴射ノズルに取り付けられる弾性部材をさらに有し、
前記吸液体は、
吸液することにより体積が減少する性質を有し、
前記噴射ノズルと前記エアゾール容器との間に配置されており、
前記弾性部材は、前記吸液体が吸液することにより体積が減少すると、前記噴射ノズルを付勢して、前記非噴射状態から前記噴射状態へ状態変化させる、請求項1または2記載の遅延噴射式エアゾール製品。 - 前記噴射部材は、前記噴射ノズルを覆うカバー部材と、前記噴射ノズルを付勢するための弾性部材とをさらに有し、
前記吸液体は、
吸液することにより体積が減少する性質を有し、
前記噴射ノズルと前記カバー部材との間に配置されており、
前記弾性部材は、
前記カバー部材に取り付けられる一端と、前記噴射ノズルを付勢する他端とを有し、前記非噴射状態において、圧縮状態で保持されており、
前記吸液体が吸液することにより体積が減少すると、前記他端によって前記噴射ノズルを付勢して前記吸液体側に傾けて、前記非噴射状態から前記噴射状態へ状態変化させる、請求項1記載の遅延噴射式エアゾール製品。 - 前記噴射部材は、前記噴射ノズルを覆うカバー部材をさらに備え、
前記カバー部材は、前記噴射ノズルが挿通される挿通孔が形成された天面部を有し、
前記吸液体は、
吸液することにより膨張する性質を有し、
前記天面部と前記噴射ノズルとの間に配置されており、
吸液することにより体積が膨張すると、前記天面部と前記噴射ノズルとに当接しつつ前記噴射ノズルを付勢して、前記非噴射状態から前記噴射状態へ状態変化させる、請求項1記載の遅延噴射式エアゾール製品。
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JP2015254792A JP6580984B2 (ja) | 2015-12-25 | 2015-12-25 | 遅延噴射式エアゾール製品 |
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