JP6580508B2 - 加飾フィルム用粘着剤組成物、加飾フィルム及び加飾成形品 - Google Patents
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Description
<1> (メタ)アクリル系重合体100質量部と、架橋剤0.01質量部〜10質量部と、軟化点が130℃〜180℃である粘着付与樹脂10質量部〜30質量部と、
を含み、前記(メタ)アクリル系重合体は、アルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を全構成単位に対して80質量%以上有し、かつカルボキシ基を有する単量体に由来する構成単位を全構成単位に対して0.01質量%〜10質量%有し、前記(メタ)アクリル系重合体における前記架橋剤と反応性を有する官能基を有さない単量体に由来する構成単位全体の溶解度パラメーターが10.1〜10.4である、加飾フィルム用粘着剤組成物。
<2> 前記(メタ)アクリル系重合体は、前記カルボキシ基を有する単量体に由来する構成単位を全構成単位に対して0.7質量%〜5質量%有する、<1>に記載の加飾フィルム用粘着剤組成物。
<3> 前記(メタ)アクリル系重合体のガラス転移温度は、−30℃以上−10℃以下である、<1>又は<2>に記載の加飾フィルム用粘着剤組成物。
<4> 前記(メタ)アクリル系重合体は、メチルアクリレートに由来する構成単位を全構成単位に対して35質量%〜80質量%含む、<1>〜<3>のいずれか一つに記載の加飾フィルム用粘着剤組成物。
<5> 前記粘着付与樹脂は、テルペン樹脂及びロジン樹脂の少なくとも一方である、<1>〜<4>のいずれか一つに記載の加飾フィルム用粘着剤組成物。
<6> 前記粘着付与樹脂の溶解度パラメーターは、8.5〜9.2である<1>〜<5>のいずれか一つに記載の加飾フィルム用粘着剤組成物。
<7> <1>〜<6>のいずれか一つに記載の加飾フィルム用粘着剤組成物から形成された粘着剤層と、基材と、を有する加飾フィルム。
<8> 成形体と、前記成形体上に配置された<7>に記載の加飾フィルムと、を含む加飾成形品。
更に(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタクリルの少なくとも一方を意味し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタアクリレートの少なくとも一方を意味する。
更に加飾フィルム用粘着剤組成物とは、(メタ)アクリル系重合体と架橋剤との架橋反応が終了する前の組成物であって、例えば、液状、ペースト状又は粉末状の組成物を意味する。
更に粘着剤層とは、(メタ)アクリル系重合体と架橋剤とが実質的に架橋した後の層であって、例えば、固形状又はゲル状の層を意味する。
本発明における加飾フィルム用粘着剤組成物(以下、単に「粘着剤組成物」ともいう)は、(メタ)アクリル系重合体100質量部と、架橋剤0.01質量部〜10質量部と、軟化点が130℃〜180℃である粘着付与樹脂10質量部〜30質量部と、を含み、前記(メタ)アクリル系重合体は、アルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を全構成単位に対して80質量%以上有し、かつカルボキシ基を有する単量体に由来する構成単位を全構成単位に対して0.01質量%〜10質量%有し、前記(メタ)アクリル系重合体における前記架橋剤と反応性を有する官能基を有さない単量体に由来する構成単位全体の溶解度パラメーターが10.1〜10.4である。
SP値=[ΣEcohM1/(ΣVM1×4.182)]1/2×XM1/100+[ΣEcohM2/(ΣVM2×4.182)]1/2×XM2/100+・・・[ΣEcohMn/(ΣVMn×4.182)]1/2×XMn/100 式(1)
ΣEcohM1、M2・・・Mn : M1、M2・・・Mnの凝集エネルギー密度
ΣVM1、M2・・・Mn : M1、M2・・・Mnのモル容積
XM1、M2・・・Mn : 架橋剤と反応性を有する官能基を有さない単量体に由来する全構成単位に対する、M1、M2・・・Mnの含有率(質量%)
M1、M2・・・Mn : 架橋剤と反応性を有する官能基を有さない単量体の種類
前述のΣEcoh及びΣVは、「SP値基礎・応用と計算方法」の67ページに記載されている各構造の凝集エネルギー密度Ecohと各構造のモル容積(V)をもとに、同一の構成単位ごとに計算される値である。
本発明で用いる(メタ)アクリル系重合体は、アルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を全構成単位に対して80質量%以上有し、かつカルボキシ基を有する単量体に由来する構成単位を全構成単位に対して0.01質量%〜10質量%有する。さらに、(メタ)アクリル系重合体における架橋剤と反応性を有する官能基を有さない単量体に由来する構成単位全体の溶解度パラメーターは10.1〜10.4である。
本発明で用いる(メタ)アクリル系重合体がカルボキシ基を有する単量体に由来する構成単位を全構成単位に対して0.01質量%以上有するため、粘着剤層が柔らかくなりすぎず、加熱、冷却時の加飾シートの収縮を抑制でき、外観に優れる傾向がある。
例えば、(メタ)アクリル系重合体の構成単位を適宜変更することで、架橋剤と反応性を有する官能基を有さない単量体に由来する構成単位全体の溶解度パラメーターを調整できる。より具体的には、(メタ)アクリル系重合体にて架橋剤と反応性を有する官能基を有さない単量体に由来する構成単位の種類や、当該構成単位を2種以上含むときの含有比を適宜変更することで、架橋剤と反応性を有する官能基を有さない単量体に由来する構成単位全体の溶解度パラメーターを調整できる。
ここで、「架橋剤と反応性を有する官能基を有さない単量体に由来する構成単位全体」とは、言い換えると、架橋剤と反応性を有する官能基を有する構成単位を除いた全ての構成単位を意味する。
(重量平均分子量(Mw)の測定方法)
下記(1)〜(3)に従って測定する。
(1)(メタ)アクリル系重合体の溶液を剥離紙に塗布し、100℃で1分間乾燥し、フィルム状の(メタ)アクリル系重合体を得る。
(2)前記(1)で得られたフィルム状の(メタ)アクリル系重合体をテトラヒドロフランにて固形分0.2%になるように溶解させる。
(3)下記条件にて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、標準ポリスチレン換算値として、(メタ)アクリル系重合体の重量平均分子量(Mw)を測定する。
(条件)
GPC:HLC−8220 GPC〔東ソー株式会社製〕
カラム:TSK−GEL GMHXL〔東ソー株式会社製〕4本使用
移動相溶媒:テトラヒドロフラン
流速:0.6ml/min
カラム温度:40℃
式中、Tg1、Tg2、・・・・・及びTgnは、単量体1、単量体2、・・・・・及び単量体nそれぞれの単独重合体の絶対温度(K)で表されるガラス転移温度である。m1、m2、・・・・・及びmnは、それぞれの単量体のモル分率である。
なお、絶対温度(K)から273を引くことで絶対温度(K)をセルシウス温度(℃)に換算可能であり、セルシウス温度(℃)に273を足すことでセルシウス温度(℃)を絶対温度(K)に換算可能である。
本発明における粘着剤組成物は、(メタ)アクリル系重合体100質量部に対して0.01質量部〜10質量部の架橋剤を含む。
本発明における粘着剤組成物は、(メタ)アクリル系重合体100質量部に対して、軟化点が130℃〜180℃である粘着付与樹脂10質量部〜30質量部含む。
なお、粘着付与樹脂の軟化点は、環球法により測定できる。
本発明における粘着剤組成物は、(メタ)アクリル系重合体、架橋剤及び粘着付与樹脂の他に、必要に応じて、架橋触媒、シランカップリング剤、有機溶媒、耐候性安定剤、可塑剤、軟化剤、剥離助剤、染料、顔料、無機充填剤、界面活性剤、酸化防止剤、金属腐食防止剤、紫外線吸収剤やヒンダードアミン系化合物に代表される光安定剤などを適宜含有してもよい。
本発明における加飾フィルム用粘着剤組成物は、加飾フィルムを被着体に貼着するために用いるものである。
加飾フィルムを被着体に貼着する方法としては、例えば、真空成形法や圧空成形法が挙げられる。これらの中でも、加飾フィルムを被着体に貼着する方法としては、真空成形法が好ましい。
本発明は、上述した粘着剤組成物から形成された粘着剤層を有する粘着シートであってもよい。本発明における粘着シートは、基材を有しない無基材タイプの粘着シートでもよく、基材の少なくとも片面に粘着剤層を有する有基材タイプの粘着シートでもよい。
有基材タイプの粘着シートとしては、前述の粘着剤組成物から形成された粘着剤層と、基材と、を少なくとも有する加飾フィルムが例示できる。加飾フィルムにおける基材としては、例えば、熱可塑性樹脂から形成される樹脂層であってもよく、中でもアクリル系樹脂を含んでなることが好ましい。アクリル系樹脂を用いて形成された基材は、加飾成形品を真空成形法により製造する際に要求される、展延性、折曲性、及び形状追従性などの真空成形加工性に優れている。
また、加飾フィルムにおける基材は、透明であってもよいし、半透明であってもよいし、不透明であってもよい。
200μmである。基材層の厚さが上記範囲内であれば、加飾成形品を真空成形法により
製造する際に、加工成形性、形状追従性、及び取扱い性が良好となる。
加飾成形品は、真空成形法や圧空成形法(好ましくは真空成形法)により、成形体上に本発明における加飾フィルムを貼り合せることで形成される。つまり、加飾成形品は、成形体と、成形体上に配置された加飾フィルムと、を含むものであり、より具体的には、成形体、粘着剤層、必要に応じて装飾層、及び基材層がこの順に積層されたものである。
<製造例1>
攪拌機、還流冷却器、逐次滴下装置及び温度計を備えた反応器内に、n−ブチルアクリレート(BA)49質量部、メチルアクリレート(MA)50質量部、アクリル酸(AA)1質量部からなる単量体混合物のうち25質量%、酢酸エチル(EAc)45質量部及び重合開始剤アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.015質量部を加えて加熱し、還流温度で20分間重合を行った。次いで還流温度条件下で単量体混合物の残量75質量%と、EAc30質量部及びAIBN0.15質量部からなる重合開始剤溶液とを約90分にわたって逐次滴下し、更に60分後EAc25質量部及びAIBN0.30質量部を60分にわたって逐次滴下し、更に120分間重合反応を行った。反応終了後、反応混合物をメチルエチルケトンにて希釈し、固形分が約35質量%の(メタ)アクリル系重合体の溶液を得た。
得られた(メタ)アクリル系重合体は、ガラス転移温度(Tg)−23℃、重量平均分子量(Mw)60万であった。表1に製造例1における単量体組成を示す。
以下の表1に示す単量体組成としたこと以外は、前述の製造例1と同様にして、(メタ)アクリル系重合体の溶液を得た。
製造例2〜9、12〜16にて製造した(メタ)アクリル系重合体の単量体組成を表1に示す。なお、表1における2EHAは、2−エチルヘキシルアクリレートを指し、VACは、酢酸ビニルを指す。
攪拌機、還流冷却器、逐次滴下装置及び温度計を備えた反応器内に、n−ブチルアクリレート(BA)49質量部、メチルアクリレート(MA)50質量部、アクリル酸(AA)1質量部からなる単量体混合物のうち25質量%、酢酸エチル(EAc)35質量部、トルエン10質量部及び重合開始剤アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.025質量部を加えて加熱し、還流温度で20分間重合を行った。次いで還流温度条件下で単量体混合物の残量75質量%と、EAc30質量部及びAIBN0.15質量部からなる重合開始剤溶液とを約90分にわたって逐次滴下し、更に60分後EAc25質量部及びAIBN0.30質量部を60分にわたって逐次滴下し、更に120分間重合反応を行った。反応終了後、反応混合物をメチルエチルケトンにて希釈し、固形分が約35質量%の(メタ)アクリル系重合体の溶液を得た。
得られた(メタ)アクリル系重合体は、ガラス転移温度(Tg)−23℃、重量平均分子量(Mw)30万であった。表1に製造例10における単量体組成を示す。
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、逐次滴下装置及び温度計を備えた反応器内に、n−ブチルアクリレート(BA)49質量部、メチルアクリレート(MA)50質量部、アクリル酸(AA) 1質量部、酢酸エチル(EAc)150質量部を入れ、反応器内の空気を窒素ガスで置換した。その後、撹拌下、窒素雰囲気中で、反応容器の内容物温度を70℃に昇温させた。その後、EAc35質量部にAIBN0.04質量部を溶解させた溶液を4時間かけて逐次滴下し、更に2時間反応させた。反応終了後、反応混合物をメチルエチルケトンで希釈し、固形分が約20質量%の(メタ)アクリル系重合体の溶液を得た。
得られた(メタ)アクリル系重合体は、ガラス転移温度(Tg)−23℃、重量平均分子量(Mw)は120万であった。表1に製造例11における単量体組成を示す。
攪拌機、還流冷却器、逐次滴下装置及び温度計を備えた反応器内に、n−ブチルアクリレート(BA)3質量部、メチルアクリレート(MA)96質量部、アクリル酸(AA)1質量部からなる単量体混合物のうち25質量%、酢酸エチル(EAc)60質量部及び重合開始剤アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.015質量部を加えて加熱し、還流温度で20分間重合を行った。次いで還流温度条件下で単量体混合物の残量75質量%と、EAc30質量部及びAIBN0.15質量部からなる重合開始剤溶液とを約90分にわたって逐次滴下し、更に60分後EAc25質量部及びAIBN0.30質量部を60分にわたって逐次滴下し、更に120分間重合反応を行った。反応終了後、反応混合物をメチルエチルケトンにて希釈し、固形分が約35質量%の(メタ)アクリル系重合体の溶液を得た。
得られた(メタ)アクリル系重合体は、ガラス転移温度(Tg)5℃、重量平均分子量(Mw)60万であった。表1に製造例17における単量体組成を示す。
前述のように、(メタ)アクリル系重合体における架橋剤と反応性を有する官能基を有さない単量体に由来する構成単位全体の溶解度パラメーター(SP値)は、以下の式(1)に基づき算出される。
SP値=[ΣEcohM1/(ΣVM1×4.182)]1/2×XM1/100+[ΣEcohM2/(ΣVM2×4.182)]1/2×XM2/100+・・・[ΣEcohMn/(ΣVMn×4.182)]1/2×XMn/100 式(1)
ΣEcohM1、M2・・・Mn : M1、M2・・・Mnの凝集エネルギー密度
ΣVM1、M2・・・Mn : M1、M2・・・Mnのモル容積
XM1、M2・・・Mn : 架橋剤と反応性を有する官能基を有さない単量体に由来する全構成単位に対する、M1、M2・・・Mnの含有率(質量%)
M1、M2・・・Mn : 架橋剤と反応性を有する官能基を有さない単量体の種類
前述のΣEcoh及びΣVは、「SP値基礎・応用と計算方法」の67ページに記載されている各構造の凝集エネルギー密度Ecohと各構造のモル容積(V)をもとに、同一の構成単位ごとに計算される値である。
BAに由来する構成単位の構造式は以下の通りである。
BAに由来する構成単位のΣEcoh=4710×1+4940×4+18000×1+3430×1=45900
BAに由来する構成単位は、CH3、CH2、COO及びCHの各構造を有し、各構造のモル容積は、それぞれ33.5[cm3/mol]、16.1[cm3/mol]、18.0[cm3/mol]及び−1.0[cm3/mol]である。したがって、BAに由来する構成単位のΣVは以下のように算出される。
BAに由来する構成単位のΣV=33.5×1+16.1×4+18.0×1+(−1.0)×1=114.9
MAに由来する構成単位の構造式は以下の通りである。
MAに由来する構成単位のΣEcoh=4710×1+4940×1+18000×1+3430×1=31080
MAに由来する構成単位は、CH3、CH2、COO及びCHの各構造を有する。したがって、MAに由来する構成単位のΣVは以下のように算出される。
MAに由来する構成単位のΣV=33.5×1+16.1×1+18.0×1+(−1.0)×1=66.6
SP値=[45900/(114.9×4.182)]1/2×49.5/100+[31080/(66.6×4.182)]1/2×50.5/100=10.17≒10.2
(実施例1)
製造例1にて製造した(メタ)アクリル系重合体の溶液(固形分として100質量部)と、架橋剤としてイソシアネート化合物であるコロネートL(東ソー株式会社製、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとのアダクト体、有効成分として2.0質量部)と、粘着付与樹脂としてテルペンフェノール樹脂であるYSポリスターT−145(ヤスハラケミカル株式会社製、軟化点145℃、SP値8.80、有効成分として10質量部)と、を十分に攪拌混合して粘着剤組成物を得た。
実施例1にて調製した粘着剤組成物の組成を表1に示す。
イソシアネート:コロネートL(東ソー株式会社製、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとのアダクト体)
エポキシ:TETRAD−X(三菱ガス化学株式会社製、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−ベンゼンジ(メタンアミン))
T−100:YSポリスターT−100(ヤスハラケミカル株式会社製、軟化点100℃、SP値8.80であるテルペンフェノール樹脂)
T−130:YSポリスターT−130(ヤスハラケミカル株式会社製、軟化点130℃、SP値8.80であるテルペンフェノール樹脂)
T−145:YSポリスターT−145(ヤスハラケミカル株式会社製、軟化点145℃、SP値8.80であるテルペンフェノール樹脂)
T−160:YSポリスターT−160(ヤスハラケミカル株式会社製、軟化点160℃、SP値8.80であるテルペンフェノール樹脂)
160:ネオトール160(ハリマ化成株式会社製、軟化点160℃、SP値8.66である重合ロジンペンタエステル系樹脂)
実施例2〜20では、以下の表1に示す粘着剤組成物の組成としたこと以外は、実施例1と同様にして、粘着剤組成物を調製した。
なお、表1に示す配合量は、固形分換算値、又は有効成分換算値である。
比較例1〜10では、以下の表1に示す粘着剤組成物の組成としたこと以外は、実施例1と同様にして、粘着剤組成物を調製した。
詳細には、比較例1、2では、(メタ)アクリル系重合体100質量部に対して粘着付与樹脂の配合量が、それぞれ10質量部未満、30質量部超であった。
また、比較例3では、粘着付与樹脂の軟化点が130℃未満であった。
比較例4、5では、(メタ)アクリル系重合体におけるカルボキシ基を有する単量体に由来する構成単位が全構成単位に対してそれぞれ0.01質量%未満、10質量%超であった。
比較例6では、アルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位が全構成単位に対して80質量%未満であった。
比較例7、8では、(メタ)アクリル系重合体における架橋剤と反応性を有する官能基を有さない単量体に由来する構成単位全体の溶解度パラメーターがそれぞれ10.1未満、10.4超であった。
比較例9、10では、(メタ)アクリル系重合体100質量部に対して架橋剤の配合量が、それぞれ0.01質量部未満、10質量部超であった。
なお、配合量は、固形分換算値、又は有効成分換算値である。
実施例1〜20、比較例1〜10にて得た粘着剤組成物を用い、以下のようにして試験用フィルムを作製した。
まず、粘着剤組成物を、片面に離型処理が施されているポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ100μm)の離型処理面上に、乾燥後の厚さが約40μmとなるように流涎塗布し、100℃で2分間乾燥した。次いで、PETフィルムのもう一方の面に加圧ニップロールを通して塩化ビニルフィルム(厚さ150μm)を圧着して貼り合せた後、23℃50%RHの条件下で7日間養生を行い、試験用フィルム(PETフィルム/粘着剤層/塩化ビニルフィルム)を作製した。
作製した試験用フィルムを25mm×150mmにカットした後、PETフィルムを剥離し、被着体である厚さ2mmのABS板に2kgローラーで一往復し貼り合せた。次いで、110℃の乾燥機に1時間投入後、23℃50%RHの条件下で30分間放置したのち、剥離速度300mm/分、180°剥離における加熱、冷却後の粘着力を測定した。下記評価基準に従って粘着力を評価した。評価結果がA〜Cであれば実用上問題ないが、B以上が好ましく、Aがより好ましい。粘着力測定の結果を表1に示す。
A:30N/25mm以上
B:15N/25mm〜30N/25mm未満
C:10N/25mm〜15N/25mm未満
D:10N/25mm未満
作製した試験用フィルムを25mm×150mmにカットし110℃の乾燥機に1時間投入した。次いで、試験用フィルムを乾燥機から取り出し、25℃50%RHの条件で30分放置した後、PETフィルムを剥離した。試験用フィルムの粘着剤層のタックを、株式会社レスカ製タッキング試験機(モデルTAC−1000)を用いて、プローブサイズ5φ、接触時間0.1秒、押し込み荷重が200gf、25℃50%RHの条件で加熱、冷却後のタックを測定した。下記評価基準に従ってタックを評価した。評価結果がA〜Cであれば実用上問題ないが、B以上が好ましく、Aがより好ましい。タック評価の結果を表1に示す。
A:100gf/5φ未満
B:100gf/5φ〜200gf/5φ未満
C:200gf/5φ〜400gf/5φ未満
D:400gf/5φ以上
作製した試験用フィルムを50mm×75mmにカットした後、PETフィルムを剥離し、被着体である厚さ2mmのABS板に2kgローラーで一往復し仮貼りを行った。次いで、110℃の乾燥機に1時間投入後、乾燥機から取出し、塩化ビニルフィルム面の外観を目視で確認した。下記評価基準に従って外観を評価した。外観評価の結果を表1に示す。
A:シワ、発泡が見られず、外観に問題なし
B:一部でシワ、発泡が発生
C:全面にシワ、発泡が発生
実施例1〜20では、粘着力の評価結果及びタックの評価結果がそれぞれC以上であり、加熱、冷却後にて、低タックと高粘着力との両立を図ることができた。
一方、比較例1〜10では、粘着力の評価結果及びタックの評価結果の一方がDであり、加熱、冷却後にて、低タックと高粘着力との両立を図ることができなかった。
Claims (8)
- (メタ)アクリル系重合体100質量部と、
架橋剤0.01質量部〜10質量部と、
軟化点が130℃〜180℃である粘着付与樹脂10質量部〜30質量部と、
を含み、
前記(メタ)アクリル系重合体は、アルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を全構成単位に対して80質量%以上有し、かつカルボキシ基を有する単量体に由来する構成単位を全構成単位に対して0.01質量%〜10質量%有し、
前記(メタ)アクリル系重合体における前記架橋剤と反応性を有する官能基を有さない単量体に由来する構成単位全体の溶解度パラメーターが10.1〜10.4である、加飾フィルム用粘着剤組成物。 - 前記(メタ)アクリル系重合体は、前記カルボキシ基を有する単量体に由来する構成単位を全構成単位に対して0.7質量%〜5質量%有する、請求項1に記載の加飾フィルム用粘着剤組成物。
- 前記(メタ)アクリル系重合体のガラス転移温度は、−30℃以上−10℃以下である、請求項1又は請求項2に記載の加飾フィルム用粘着剤組成物。
- 前記(メタ)アクリル系重合体は、メチルアクリレートに由来する構成単位を全構成単位に対して35質量%〜80質量%含む、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の加飾フィルム用粘着剤組成物。
- 前記粘着付与樹脂は、テルペン樹脂及びロジン樹脂の少なくとも一方である、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の加飾フィルム用粘着剤組成物。
- 前記粘着付与樹脂の溶解度パラメーターは、8.5〜9.2である請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の加飾フィルム用粘着剤組成物。
- 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の加飾フィルム用粘着剤組成物から形成された粘着剤層と、基材と、を有する加飾フィルム。
- 成形体と、前記成形体上に配置された請求項7に記載の加飾フィルムと、を含む加飾成形品。
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