JP6580444B2 - 簡易消臭率測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、消臭加工された繊維布等の消臭率測定対象物質のための簡易消臭率測定方法に関する。
従来、消臭加工された繊維布が例えばアンモニアに及ぼす消臭率を測定する消臭率測定方法として、特許文献1に記載の如く、ガス検知管を用いる方法がある。
この方法は、テドラーバッグに試料布を入れ、一定濃度のアンモニアガスを該バッグに一定量注入後、バッグ内の試料布がアンモニアガスをどれだけ吸収するかについて、一定時間(通常2時間)経過後のバッグ内の残存アンモニアガス濃度をガス検知管で測定し、試料布によるアンモニアの消臭率を測定するものである。
特開2014-40682号公報
しかしながら、特許文献1に記載の従来技術には以下の問題点がある。
(1)バッグ内の試料布がアンモニアガスを吸収し終えるまで、ガス検知管による残存アンモニアガス濃度の測定ができないため、長い測定時間が必要になる。
(2)アンモニアガスの濃度、注入量を管理する設備や、温度、湿度(20℃、65%)が管理された試験室を必要とし、そのような設備や試験室があるところ以外では、消臭率の測定に困難があった。
本発明の課題は、消臭率測定対象物質がある臭気成分に及ぼす消臭率を短時間、低コスト、かつ簡易に測定することにある。
請求項1に係る発明は、消臭率の測定対象となる物質のための簡易消臭率測定方法であって、消臭率がそれぞれ既知とされている物質を基準物質とし、2つの基準物質を一定重量分用意し、この基準物質のそれぞれにある臭気成分からなる一定濃度の溶液を一定量だけ滴下し、この基準物質のそれぞれを同一容量の各バッグに入れ、一定時間後における各バッグ内の各残存臭気ガス濃度を測定し、上記2つの基準物質のそれぞれに対して得られた測定結果を用いて、各基準物質に対する当該臭気成分についての残存臭気ガス濃度と消臭率との検量線を作成し、消臭率が未知である物質を試料物質とし、この試料物質を上記基準物質と同一重量分用意し、この試料物質に上記臭気成分からなる上記と同一濃度の溶液を上記と同一量だけ滴下し、当該試料物質を上記と同一容量のバッグに入れ、上記基準物質におけると同一の一定時間後における当該バッグ内の残存臭気ガス濃度を測定し、上記検量線においてこの残存臭気ガス濃度の測定値に対応する消臭率を、当該試料物質の消臭率として推定するようにしたものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において更に、前記検量線が、残存臭気ガス濃度(yi)の対数値(log yi)とその消臭率(xi)とを直交座標系にプロットした片対数グラフにて表示されてなるようにしたものである。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明において更に、前記基準物質と試料物質とが同一品種の繊維布であるようにしたものである。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれかに係る発明において更に、前記消臭率の推定が、異なる消臭加工を施された複数の試料物質のそれぞれに対してなされるようにしたものである。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかに係る発明において更に、前記残存臭気ガス濃度の測定がガス検知管を用いてなされるようにしたものである。
本発明者は、繊維布等の消臭率測定対象物質について鋭意研究の結果、消臭成分に対する消臭率測定対象物質の残存臭気ガス濃度と消臭率との間に一定の相関関係があることを知見し、本発明に至った。
従って、消臭率がそれぞれ既知とされている2つの基準物質に対して得られた各残存臭気ガス濃度の測定結果を用いて、残存臭気ガス濃度と消臭率との検量線を作成すれば、消臭率が未知である試料物質に対して得られる残存臭気ガス濃度の測定値をこの検量線に当てはめることで、この残存臭気ガス濃度の測定値に対応する消臭率を一義的に推定できる。
しかも、臭気成分を一定濃度の溶液の状態で一定量だけ基準物質と試料物質のそれぞれに滴下して臭気成分をそれらの物質に迅速に吸収させること、及び上述の検量線を用いることにより、試料物質の当該臭気成分に及ぼす消臭率を短時間、低コスト、かつ簡易に測定できる。
図1は残存アンモニアガス濃度と消臭率との相関関係を表示した線形グラフである。 図2は残存アンモニアガス濃度と消臭率との相関関係を表示した片対数グラフである。 図3は残存アンモニアガス濃度と残存臭気率との相関関係を表示した線形グラフである。 図4は残存アンモニアガス濃度と残存臭気率との相関関係を表示した片対数グラフである。 図5は残存アルデヒドガス濃度と消臭率との相関関係を表示した線形グラフである。 図6は残存アルデヒドガス濃度と消臭率との相関関係を表示した片対数グラフである。 図7は残存ジアセチルガス濃度と消臭率との相関関係を表示した線形グラフである。 図8は残存ジアセチルガス濃度と消臭率との相関関係を表示した片対数グラフである。
本発明は、消臭率の測定対象となる物質のための簡易消臭率測定方法である。ここで、本発明が適用される消臭率測定対象物質としては、天然繊維布、合成繊維布、織物、編物、衣料品、糸、綿、粉、不織布、合成樹脂等からなるビーズ状物質、木質等からなる板状物質等、各種態様の物質を挙げることができる。
以下、本発明の消臭率測定対象物質の代表例を繊維布として説明する。同一品種の繊維布であって、異なる消臭加工が施された複数の繊維布が消臭率測定対象物質として用意される。
本発明の消臭率測定対象物質としての繊維布により消臭される臭気成分としては、アンモニア、アセトアルデヒド、ジアセチル、酢酸、ピリジン、トリメチルアミン、メチルメルカプタン等を挙げることができる。
本発明の簡易消臭率測定方法に用いられる試験器具は以下の通りである。
(1)バッグ
消臭率が既知とされている基準布(基準物質)、消臭率が未知である試料布(試料物質)が入るバッグであり、例えばアズワン株式会社のテドラーバッグを採用できる。
(2)ガス検知管、ガス吸引器
繊維布を入れたバッグ内の一定時間後における残存臭気ガス濃度を測定するガス検知管であり、細いガラス管の中に一定量の検知剤が充填されている。検知管の両端を折り取り、その一端にガス吸引器を取付け、その他端をバッグのゴム管口に差し込み、バッグ内の残存臭気ガスをガス吸引器の吸引力によってガス検知管に吸引する。ガス検知管内の検知剤が残存臭気ガスとの化学反応によって変色し、その変色層の長さは吸引ガスの吸引とともに長くなる。ガス吸引管における変色層の長さと残存臭気ガス濃度との相関関係から、ガス検知管に予め印刷された目盛により残存臭気ガス濃度が測定できる。
ガス検知管としては株式会社ガステックのガス検知管を採用でき、ガス吸引器としては株式会社ガステックの気体採取器を採用できる。
本発明の簡易消臭率測定方法は以下の通りになされる。
(1)消臭率がそれぞれ既知とされている同一品種の繊維布を基準布とし、2つの基準布A、Bを一定重量分用意する。例えば消臭未加工の繊維布を基準布Aとし、消臭加工(b)が施された繊維布を基準布Bとする。基準布A、Bの消臭率xa、xbは、予め、例えば一般財団法人ボーケン品質評価機構(公的機関)により測定されて既知とされる。
(2)上述(1)の基準布A、Bのそれぞれに、ある臭気成分例えばアンモニアの一定濃度の溶液(水溶液)を一定量だけ滴下する。この基準布A、Bのそれぞれを同一容量の各バッグに入れ、一定時間後(例えば2分後)における各バッグ内の各残存臭気ガス濃度ya、ybをガス検知管及びガス吸引器により測定する。
(3)上記(2)で2つの基準布A、Bのそれぞれに対して得られた測定結果を用いて、各基準布A、Bに対する当該アンモニアについての残存臭気ガス濃度ya、ybと消臭率xa、xbとの検量線を作成する。
ここで、直交座標系において、上述の残存臭気ガス濃度(yi)をy軸にとり、消臭率(xi)を横軸にとると、残存臭気ガス濃度y(ppm)と消臭率x(%)は相関関係式y=aebxに近似することが判明した。
検量線は、残存臭気ガス濃度(yi)の対数値(log yi)とその消臭率(xi)とを直交座標系にプロットした片対数グラフにて直線として表示される。
(4)次に、消臭率が未知であり、基準布A、Bと同一品種の繊維布を試料布とし、複数の試料布C、D、E、Fを、前記(1)の基準布A、Bにおけると同一重量分用意する。例えば消臭未加工の繊維布を試料布Cとし、消臭加工(d)が施された繊維布を試料布Dとし、消臭加工(e)が施された繊維布を試料布Eとし、消臭加工(f)が施された繊維布を試料布Fとする。
(5)上記(4)の試料布C、D、E、Fのそれぞれに、前記(2)と同じ臭気成分のアンモニアを前記(2)と同一濃度の溶液(水溶液)の状態で前記(2)と同一量だけ滴下する。この試料布C、D、E、Fのそれぞれを前記(2)におけると同一容量の各バッグに入れ、前記(2)におけると同一の一定時間後(例えば2分後)における各バッグ内の各残存臭気ガス濃度yc、yd、ye、yfをガス検知管及びガス吸引器により測定する。
(6)前記(3)で作成した検量線において、上記(5)の各残存臭気ガス濃度の測定値yc、yd、ye、yfに対応する消臭率xc、xd、xe、xfを、各試料布C、D、E、Fの消臭率として推定する。
尚、上記(3)で検量線を作成し、又は上記(6)で検量線を用いるに際しては、消臭率と残存臭気ガス濃度の測定誤差の影響を排除するため、公的機関で測定した消臭率95%以上の測定値は検量線上での対応する推定値を一律上限95%とし、残存臭気ガス濃度の0.5ppm以下の測定値は検量線上への当てはめ値を一律下限0.5ppmとする。
従って、本発明によれば以下の作用効果を奏する。
(請求項1)
(a)臭気成分を一定濃度の溶液の状態で一定量だけ基準物質と試料物質のそれぞれに滴下して臭気成分をそれらの物質に迅速に吸収させること、及び上述の検量線を用いることにより、試料物質の当該臭気成分に及ぼす消臭率を短時間、低コスト、かつ簡易に測定できる。
(請求項2)
(b)検量線が、残存臭気ガス濃度(yi)の対数値(log yi)とその消臭率(xi)とを直交座標系にプロットした片対数グラフにて表示されることにより、残存臭気ガス濃度と消臭率の相関関係を直線化して表示できる。
(請求項3)
(c)異なる消臭加工を施された複数の試料物質のそれぞれに対して消臭率の推定を行なうことで、各消臭加工の消臭効果を簡易に比較できる。
(請求項4)
(d)基準物質と試料物質を同一品種の繊維布とするとき、同一品質の繊維布に施した消臭加工の消臭効果を簡易に測定できる。
(請求項5)
(e)ガス検知管を用いることにより、残存臭気ガス濃度を簡易に測定できる。
以下、本発明の実施例について具体的に説明する。
(実施例1)
実施例1は、消臭率測定対象物質を綿布とし、臭気成分をアンモニアとし、綿布がアンモニアに及ぼす消臭効果(消臭率)を測定したものである。
(1)試験器具
i.アンモニア水溶液
0.20〜0.30%濃度のアンモニア水を、1滴(0.041g)の滴下型試薬容器(キャップ付き10mL容量)に保管した。この試薬容器から滴下される2滴(0.082g)分のアンモニア重量は、164乃至246μg/2滴になる。
ii.試験体(基準布と試料布)
10cm×20cmサイズの綿36/1フライスを用意し、この綿布を電子天秤で3.40乃至3.43gになるようにカットした。
iii.ガス検知管
アンモニア用検知管(株式会社ガステック製)を、型式3L 1〜30ppm用10本/箱、型式3La 5〜100ppm用10本/箱用意した。
iv.バッグ
テドラーバッグ1つ口キャップ付き1L(アズワン株式会社製)を用意し、口に3cm長のゴム管を装着した。バッグの口から遠い方の短辺を鋏で切って切れ目を設け、切れ目の片側面に1/2接着テープを貼り付ける。
v.ガス吸引器
ガス吸引器として、気体採取器GV-100S(株式会社ガステック製)を用意した。
(2)試験方法
i.試験体(基準布及び試料布)を4つ折りにし、その中央に、前述の所定濃度に調整されて試薬容器に保管されているアンモニア水を、3乃至4cmの間隔で2滴滴下する。アンモニア水が試験体に染み込むことを確認後、滴下面が内側になるように折り返す。
ii.アンモニア水の滴下20秒後に、試験体をテドラーバッグの開封されている切れ目から素早く奥側に入れ、その後切れ目を接着テープで塞ぐ。
iii.試験体をテドラーバッグに入れてから2分後、テドラーバッグのゴム管口にアンモニア用ガス検知管を差し込み、ガス吸引器を用いてテドラーバッグ内の残存アンモニアガスをガス検知管に所定の時間(30ppm用ガス検知管で45秒、100ppm用ガス検知管で30秒)吸引する。
iv.ガス検知管における変色層の長さから、残存アンモニアガス濃度目盛を読み取って記録する。
v.上記i乃至ivの試験体が未消臭加工の基準布A、消臭加工済の基準布Bの場合
基準布A、Bの消臭率は一般財団法人ボーケン品質評価機構により測定されて既知(A:38%、B:99%)とされている。
ここで、検量線の作成に際しては、前述の通り、一般財団法人ボーケン品質評価機構により測定された基準布Bの消臭率の測定値(B:99%)は、測定誤差の影響を排除するため、B:95%として扱うものとする。また、上記viで測定した残存アンモニアガス濃度の測定値は一律下限0.5ppmとして扱う。
基準布A、Bの上記ivで取得した残存アンモニアガス濃度(A:90ppm、B:0.5ppm)と、それらの既知の消臭率(A:38%、B:95%)を直交座標系の線形グラフ(縦軸にアンモニアガス濃度(ppm)、横軸に消臭率(%))、又は片対数グラフ(縦軸にアンモニアガス濃度(ppm)、横軸に消臭率(%)、縦軸の目盛は対数目盛)にプロットし、プロットされた2点A(90ppm、38%)、B(0.5ppm、95%)に基づく検量線を作成する。
vi.上記i乃至ivの試験体が未消臭加工の試料布C、消臭加工済の試料布D、E、Fの場合
試料布C、D、E、Fの上記ivで取得した残存アンモニアガス濃度(C:100ppm、D:20ppm、E:5ppm、F:0.5ppm)を、上記vで作成した検量線上にプロットし、それらの残存アンモニアガス濃度に対応する消臭率(C:36%、D:55%、E:70%、F:95%)を読取り、その読取値を各試料布C、D、E、Fの消臭率として推定する。
表1は、実施例1における基準布A、B、試料布C、D、E、Fの残存アンモニアガス濃度yi(ppm)、及び消臭率xi(%)である。
表1の基準布A、B、試料布C、D、E、Fについて、それらの消臭率(xi)と残存臭気ガス濃度(yi)の相関関係(y=2869.2e-9.11x)をグラフ化したものが図1の線形グラフと図2の片対数グラフである。図2の片対数グラフによれば、残存臭気ガス濃度と消臭率の相関関係が直線化され、基準布A、Bの消臭率(xa,xb)と残存臭気ガス濃度(ya,yb)の2組の実測点(xa=38%,ya=90ppm)、(xb=95%,yb=0.5ppm)があれば直ちにその検量線を作成できることが認められる。
尚、基準布A、B、試料布C、D、E、Fの消臭率(xi)は、(100%−消臭率)=残存臭気率の関係式によって残存臭気率(ri)に換算できる。従って、各基準布A、B、試料布C、D、E、Fについて、消臭率の測定結果を示した表1に対し、その消臭率を残存臭気率に換算して示したものは表2の通りになる。また、各基準布A、B、試料布C、D、E、Fの残存臭気率(ri)と残存臭気ガス濃度(yi)の相関関係をグラフ化したものが、図3の線形グラフと図4の片対数グラフである。図4の片対数グラフによれば、残存臭気ガス濃度と残存臭気率の相関関係が直線化され、基準布A、Bの残存臭気率(ra,rb)と残存臭気ガス濃度(ya,yb)の2組の実測点があれば直ちにその検量線を作成できることが認められる。
Figure 0006580444
Figure 0006580444
(実施例2)
実施例2は、消臭率測定対象物質を綿布とし、臭気成分をアセトアルデヒドとし、綿布がアセトアルデヒドに及ぼす消臭効果(消臭率)を測定したものである。
(1)試験器具
i.アセトアルデヒド水溶液
0.03〜0.05%濃度のアセトアルデヒド水(90%アセトアルデヒド試薬から調整)を、1滴(0.041g)の滴下型試薬容器(キャップ付き10mL容量)に保管した。この試薬容器から滴下される2滴(0.081g)分のアセトアルデヒド重量は、25乃至41μg/2滴になる。
ii.試験体(基準布と試料布)
10cm×20cmサイズの綿36/1フライスを用意し、この綿布を電子天秤で3.40乃至3.43gになるようにカットした。
iii.ガス検知管
アセトアルデヒド用検知管(株式会社ガステック製)を、型式92M 5〜100ppm用10本/箱、型式92L 1〜20ppm用10本/箱用意した。
iv.バッグ
テドラーバッグ1つ口キャップ付き1L(アズワン株式会社製)を用意し、口に3cm長のゴム管を装着した。バッグの口から遠い方の短辺を鋏で切って切れ目を設け、切れ目の片側面に1/2接着テープを貼り付ける。
v.ガス吸引器
ガス吸引器として、気体採取器GV-100S(株式会社ガステック製)を用意した。
(2)試験方法
i.試験体(基準布及び試料布)を4つ折りにし、その中央に、前述の所定濃度に調整されて試薬容器に保管されているアセトアルデヒド水を、3乃至4cmの間隔で2滴滴下する。アセトアルデヒド水が試験体に染み込むことを確認後、滴下面が内側になるように折り返す。
ii.アセトアルデヒド水の滴下20秒後に、試験体をテドラーバッグの開封されている切れ目から素早く奥側に入れ、その後切れ目を接着テープで塞ぐ。
iii.試験体をテドラーバッグに入れてから20分室温に放置後(25乃至30℃)、テドラーバッグのゴム管口にアセトアルデヒド用ガス検知管を差し込み、ガス吸引器を用いてテドラーバッグ内の残存アセトアルデヒドガスをガス検知管に所定の時間(20ppm用ガス検知管で2分、100ppm用ガス検知管で1分)吸引する(アセトアルデヒドの沸点20.2℃)。
iv.ガス検知管における変色層の長さから、残存アセトアルデヒドガス濃度目盛を読み取って記録する。
v.上記i乃至ivの試験体が未消臭加工の基準布A、消臭加工済の基準布Bの場合
基準布A、Bの消臭率は一般財団法人ボーケン品質評価機構により測定されて既知とされている。
基準布A、Bの上記ivで取得した残存アセトアルデヒドガス濃度と、それらの既知の消臭率を直交座標系の線形グラフ(縦軸にアセトアルデヒドガス濃度(ppm)、横軸に消臭率(%))、又は片対数グラフ(縦軸にアセトアルデヒドガス濃度(ppm)、横軸に消臭率(%)、縦軸の目盛は対数目盛)にプロットし、プロットされた2点A、Bに基づく検量線を作成する。
vi.上記i乃至ivの試験体が消臭加工済の試料布C、D、E、Fの場合
試料布C、D、E、Fの上記ivで取得した残存アセトアルデヒドガス濃度を、上記vで作成した検量線上にプロットし、それらの残存アセトアルデヒドガス濃度に対応する消臭率を読取り、その読取値を各試料布C、D、E、Fの消臭率として推定する。
表3は、実施例2における基準布A、B、試料布C、D、E、Fの残存アセトアルデヒドガス濃度yi(ppm)、及び消臭率xi(%)である。
表3の基準布A、B、試料布C、D、E、Fについて、それらの消臭率(xi)と残存臭気ガス濃度(yi)の相関関係(y=93.184e-5.503x)をグラフ化したものが図5の線形グラフと図6の片対数グラフである。図6の片対数グラフによれば、残存臭気ガス濃度と消臭率の相関関係が直線化され、基準布A、Bの消臭率(xa,xb)と残存臭気ガス濃度(ya,yb)の2組の実測点(xa=8%,ya=60ppm)、(xb=95%,yb=0.5ppm)があれば直ちにその検量線を作成できることが認められる。
Figure 0006580444
(実施例3)
実施例3は、消臭率測定対象物質を綿布とし、臭気成分をジアセチルとし、綿布がジアセチルに及ぼす消臭効果(消臭率)を測定したものである。
(1)試験器具
i.ジアセチル溶液
0.2%濃度のジアセチル/エタノール溶液を2段階で調整して作成する。1段階目では、エタノール(99%濃度)9.9mlにジアセチル(99%濃度)0.1mlを溶解し、1.0%のジアセチル/エタノール溶液を作成する。2段階目でエタノール(99%濃度)8.0mlにジアセチル(1.0%濃度)2.0mlを溶解し、0.2%のジアセチル/エタノール溶液を作成する。
0.2%濃度のジアセチル/エタノール溶液を、1滴(0.041g)の滴下型試薬容器(キャップ付き10mL容量)に保管した。この試薬容器から滴下される2滴(0.081g)分のジアセチル重量は、328μg/2滴になる。
ii.試験体(基準布と試料布)
10cm×20cmサイズの綿36/1フライスを用意し、この綿布を電子天秤で3.40乃至3.43gになるようにカットした。
iii.ガス検知管
アセトアルデヒド用ガス検知管(ジアセチル測定用)を、型式92M 5〜100ppm用10本/箱、型式92L 1〜20ppm用10本/箱、用意した。
iv.バッグ
テドラーバッグ1つ口キャップ付き1L(アズワン株式会社製)を用意し、口に3cm長のゴム管を装着した。バッグの口から遠い方の短辺を鋏で切って切れ目を設け、切れ目の片側面に1/2接着テープを貼り付ける。
v.ガス吸引器
ガス吸引器として、気体採取器GV-100S(株式会社ガステック製)を用意した。
(2)試験方法
i.試験体(基準布及び試料布)を4つ折りにし、その中央に、前述の所定濃度に調整されて試薬容器に保管されているジアセチル/エタノール溶液を、3乃至4cmの間隔で4滴滴下する。ジアセチル溶液が試験体に染み込むことを確認後、滴下面が内側になるように折り返す。
ii.ジアセチル溶液の滴下20秒後に、試験体をテドラーバッグの開封されている切れ目から素早く奥側に入れ、その後切れ目を接着テープで塞ぐ。
iii.試験体をテドラーバッグに入れてから20分室温に放置後(25乃至30℃)、テドラーバッグのゴム管口にアセトアルデヒド用ガス検知管を差し込み、ガス吸引器を用いてテドラーバッグ内の残存ジアセチルガスをガス検知管に所定の時間で3回(20ppm用ガス検知管で2分×3回、100ppm用ガス検知管で1分×3回)吸引する(ジアセチルの沸点88℃)。
iv.ガス検知管における変色層の長さから、残存ジアセチルガス濃度目盛を読み取って記録する。
v.上記i乃至ivの試験体が未消臭加工の基準布A、消臭加工済の基準布Bの場合
基準布A、Bの消臭率は一般財団法人ボーケン品質評価機構により測定されて既知とされている。
基準布A、Bの上記ivで取得した残存ジアセチルガス濃度と、それらの既知の消臭率を直交座標系の線形グラフ(縦軸にジアセチルガス濃度(ppm)、横軸に消臭率(%))、又は片対数グラフ(縦軸にジアセチルガス濃度(ppm)、横軸に消臭率(%)、縦軸の目盛は対数目盛)にプロットし、プロットされた2点A、Bに基づく検量線を作成する。
vi.上記i乃至ivの試験体が消臭加工済の試料布C、Dの場合
試料布C、Dの上記ivで取得した残存ジアセチルガス濃度を、上記vで作成した検量線上にプロットし、それらの残存ジアセチルガス濃度に対応する消臭率を読取り、その読取値を各試料布C、Dの消臭率として推定する。
表4は、実施例3における基準布A、B、試料布C、Dの残存ジアセチルガス濃度yi(ppm)、及び消臭率xi(%)である。
表4の基準布A、B、試料布C、Dについて、それらの消臭率(xi)と残存臭気ガス濃度(yi)の相関関係(y=148.11e-3.765x)をグラフ化したものが図7の線形グラフと図8の片対数グラフである。図8の片対数グラフによれば、残存臭気ガス濃度と消臭率の相関関係が直線化され、基準布A、Bの消臭率(xa,xb)と残存臭気ガス濃度(ya,yb)の2組の実測点(xa=24%,ya=60ppm)、(xb=89%,yb=5ppm)があれば直ちにその検量線を作成できることが認められる。
Figure 0006580444
実施例1乃至3によれば、本発明の簡易消臭率測定方法によって、綿布等の消臭率測定対象物質の各臭気成分に対する消臭率を5分以内に、誤差±10%以下の測定精度で測定できることを認めた。尚、アンモニア水等の臭気成分溶液を綿布等の消臭率測定対象物質に滴下する滴下量の誤差として、1滴0.041gに対し±0.004g(10%)の誤差が考えられる。
本発明によれば、消臭率測定対象物質がある臭気成分に及ぼす消臭率を短時間、低コスト、かつ簡易に測定することができる。

Claims (5)

  1. 消臭率の測定対象となる物質のための簡易消臭率測定方法であって、
    消臭率がそれぞれ既知とされている物質を基準物質とし、
    2つの基準物質を一定重量分用意し、
    この基準物質のそれぞれにある臭気成分からなる一定濃度の溶液を一定量だけ滴下し、
    この基準物質のそれぞれを同一容量の各バッグに入れ、
    一定時間後における各バッグ内の各残存臭気ガス濃度を測定し、
    上記2つの基準物質のそれぞれに対して得られた測定結果を用いて、各基準物質に対する当該臭気成分についての残存臭気ガス濃度と消臭率との検量線を作成し、
    消臭率が未知である物質を試料物質とし、
    この試料物質を上記基準物質と同一重量分用意し、
    この試料物質に上記臭気成分からなる上記と同一濃度の溶液を上記と同一量だけ滴下し、
    当該試料物質を上記と同一容量のバッグに入れ、
    上記基準物質におけると同一の一定時間後における当該バッグ内の残存臭気ガス濃度を測定し、
    上記検量線においてこの残存臭気ガス濃度の測定値に対応する消臭率を、当該試料物質の消臭率として推定する簡易消臭率測定方法。
  2. 前記検量線が、残存臭気ガス濃度(yi)の対数値(log yi)とその消臭率(xi)とを直交座標系にプロットした片対数グラフにて表示されてなる請求項1に記載の簡易消臭率測定方法。
  3. 前記基準物質と試料物質とが同一品種の繊維布である請求項1又は2に記載の簡易消臭率測定方法。
  4. 前記消臭率の推定が、異なる消臭加工を施された複数の試料物質のそれぞれに対してなされる請求項1乃至3のいずれかに記載の簡易消臭率測定方法。
  5. 前記残存臭気ガス濃度の測定がガス検知管を用いてなされる請求項1乃至4のいずれかに記載の簡易消臭率測定方法。
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