JP6579901B2 - 繊維処理剤及び天然由来精油付繊維製品 - Google Patents
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以下に本発明を詳述する。
上記精油は、天然由来のものであれば特に限定されず、例えば、オレンジ、グレープフルーツ、シトロネラ、ベルガモット、マンダリン、ライム、リツェアクベバ、レモン、レモングラス等の柑橘系の精油や、アンジェリカ、キャロットシード、クラリセージ、タイム、バジル、フェンネル、ペパーミント、マージョラム、ローズマリー等のハーブ系の精油や、カモミール、ジャスミン、ゼラニウム、ネロリ、ヘリクリサム、ラベンダー、リンデン、ローズ等の花系の精油や、イランイラン、サンダルウッド、パチュリー、パルマローザ、ベチバー等のエキゾチック系の精油や、エレミ、ガルバナム、ファー、フランキンセンス、ベンゾイン、ミルラ等の樹脂系の精油や、アニス、カルダモン、クローブ、コリアンダー、シナモン、ジンジャー、ブラックペッパー、ローレル等のシナモン系の精油や、サイプレス、シダーウッド、ジュニパー、パイン、プチグレン、マートル、ユーカリ、ローズウッド等の樹木系の精油等が挙げられる。
なかでも、柑橘系やハーブ系の精油は、リモネン、1,8−シネオール、ミルセン、ピネン、サビネン、リナロール、ゲラニオール、シトロネロール等のテルペノイド類又はその類縁の化合物を含有するが、特に揮発性が高く、短時間で香りが気散してしまうことが知られている。本発明の繊維処理剤を用いれば、このようなテルペノイド類又はその類縁の化合物を含有する精油であっても、比較的長時間にわたって香りを楽しめることから特に好適である。
なお、本明細書においてテルペノイド類の類縁の化合物とは、上記テルペノイド類の誘導体であって、炭化水素類、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、オキシド類、エステル類、ラクトン類、カルボン酸類を意味する。
上記揮発防止剤は、上記精油揮発防止効果を発揮するものであれば特に限定されないが、例えば、安息香酸エステル等の従来から揮発防止剤として知られている化合物のほか、エチレングリコール等の多価アルコールや、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、Tween20、Tween40、Tween60、Tween80等の界面活性剤が挙げられる。なかでも、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルは、上記テルペノイド類を含有する精油と組み合わせたときに、特に高い精油揮発防止効果を発揮できることから好適である。
このような天然由来精油付繊維製品は、長時間にわたって天然由来の精油の香りを楽しめる一方、洗濯によって容易に該精油を除去することができる。これは、上記揮発防止剤を併用することにより精油の揮発が抑制されて、より長時間精油が残留する一方、精油が繊維製品に化学的に結合されていないことから、洗濯によって容易に精油を除去できるためと考えられる。従って、いったん精油を繊維製品に処理しても、日によっては香りを抑えたり、日毎に違う香りを楽しんだりすることもできる。
繊維製品と、該繊維製品に付着した天然由来の精油及び揮発防止剤とからなる天然由来精油付繊維製品もまた、本発明の1つである。
なお、上記繊維製品は、例えば、繊維製品を構成する分子に、カルボキシル基、アミノ基、スルホン基、水酸基、リン酸基、エポキシ基、エーテル残基等の極性基又はこれらの基を有する基等の親水基を結合させた、親水化処理が施されたものであってもよい。親水化処理が施された繊維製品では、更に長時間にわたって精油の香りを楽しむことができる。
(1)繊維処理剤の調製
表1に示した配合に従い、精油(オレンジスイート、生活の木社製、リモネン含有量95.56%)、揮発防止剤及び精製水を混合して、繊維処理剤1〜6を得た。
0.5gの綿布(カルボキシル基量0.05mmol/g)に対して、繊維処理剤1〜6を150μL塗布して、天然由来精油付繊維製品を得た。
得られた天然由来精油付繊維製品を、塗布してから0分後、30分後、90分後及び24時間後に回収し、メタノール20mLを用いて精油を抽出し、ガスクロマトグラフィー法により精油の含有量を測定した。塗布してから0分後の精油の含有量を100として、30分後、90分後及び24時間後における精油残留率(%)を算出した。結果を表2に示した。
綿布に代えて親水化処理綿布(カルボキシル基量0.50mmol/g)を用いた以外は上記綿布の場合と同様にして、天然由来精油付繊維製品を得て、塗布してから30分後、90分後及び24時間後における精油残留率(%)を算出した。結果を表3に示した。
実験例1で用いた綿布又は親水化処理綿布0.5gに対して、実験例1で調製した繊維処理剤4を150μL塗布して、天然由来精油付繊維製品を得た。
得られた天然由来精油付繊維製品を、塗布してから0分後に、通常の家庭用洗濯機(パナソニック社製、NA−F50B5)を用いて、洗剤(花王社製、アタック)を0.67g/Lの濃度となるように加えた水を用い、浴比1:30の条件で洗濯した。
洗濯後の綿布について、メタノール20mLを用いて精油を抽出し、ガスクロマトグラフィー法により精油の含有量を測定した。洗濯前(塗布してから0分後)の精油の含有量を100として、洗濯後における精油残留率(%)を算出した。結果を表4に示した。
綿布、ポリエステル布、アセテート布、及び、綿/ポリエステル混合布0.5gに対して、実験例1で調製した繊維処理剤4を150μL塗布して、天然由来精油付繊維製品を得た。
得られた天然由来精油付繊維製品を、塗布してから0分後、30分後、60分後、及び、120分後に回収し、メタノール20mLを用いて精油を抽出し、ガスクロマトグラフィー法により精油の含有量を測定した。塗布してから0分後の精油の含有量を100として、30分後、60分後、及び、120分後における精油残留率(%)を算出した。
また、得られた天然由来精油付繊維製品を、塗布してから0分後に、通常の家庭用洗濯機(パナソニック社製、NA−F50B5)を用いて、洗剤(花王社製、アタック)を0.67g/Lの濃度となるように加えた水を用い、浴比1:30の条件で洗濯した。洗濯後の綿布について、メタノール20mLを用いて精油を抽出し、ガスクロマトグラフィー法により精油の含有量を測定した。洗濯前(塗布してから0分後)の精油の含有量を100として、洗濯後における精油残留率(%)を算出した。
結果を表5に示した。
精油としてオレンジスイートに代えてローズマリー・カンファ(生活の木社製、1,8−シネオール含有量21.0%)を用いた以外は、実験例1における繊維処理剤4と同じ配合にて繊維処理剤7を得た。
綿布0.5gに対して、繊維処理剤7を150μL塗布して、天然由来精油付繊維製品を得た。
得られた天然由来精油付繊維製品を、塗布してから0分後、30分後、90分後、及び、120分後に回収し、メタノール20mLを用いて精油を抽出し、ガスクロマトグラフィー法により精油の含有量を測定した。塗布してから0分後の精油の含有量を100として、30分後、90分後、及び、120分後における精油残留率(%)を算出した。
また、得られた天然由来精油付繊維製品を、塗布してから0分後に、通常の家庭用洗濯機(パナソニック社製、NA−F50B5)を用いて、洗剤(花王社製、アタック)を0.67g/Lの濃度となるように加えた水を用い、浴比1:30の条件で洗濯した。洗濯後の綿布について、メタノール20mLを用いて精油を抽出し、ガスクロマトグラフィー法により精油の含有量を測定した。洗濯前(塗布してから0分後)の精油の含有量を100として、洗濯後における精油残留率(%)を算出した。
結果を表6に示した。
Claims (3)
- 天然由来の精油と、揮発防止剤とを含有し、前記揮発防止剤は、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルであることを特徴とする繊維処理剤。
- 天然由来の精油は、テルペノイド類又はその類縁の化合物を含有する精油であることを特徴とする請求項1記載の繊維処理剤。
- 繊維製品と、該繊維製品に付着した天然由来の精油及び揮発防止剤とからなり、前記揮発防止剤は、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルであることを特徴とする天然由来精油付繊維製品。
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