以下、本発明の実施の形態に係るゲームプログラムおよびゲームシステムについて、図面を参照しつつ説明する。
[ゲーム概要]
以下の説明では、家庭用ゲーム装置において実行されるサバイバルホラーゲームを例として説明する。本実施形態に係るサバイバルホラーゲームは、仮想のゲーム空間内でプレイヤキャラクタを操作して、他のキャラクタ(後述する死霊キャラクタ)と戦ったり、他のキャラクタから逃げたりしながら、アイテムを探索したり、所定のイベントを攻略したりすることにより進行する。
本実施形態におけるゲームは、プレイヤがプレイヤキャラクタを操作して、所定の目標が設定されたシナリオ(ゲーム本編)を進行させるものである。このシナリオは、複数のステージで構成され、複数のステージを順に進めることによってゲームが進行するように構成されてもよい。なお、本明細書および特許請求の範囲において、「ステージ」とは、ゲーム本編の区切りを意味する。例えばストーリーの進行度や行動場所に応じて区切られる「チャプター」、ゲーム回数に応じて区切られる「ラウンド」など、ゲームの内容に応じた区切りを含む。また、これだけに限られず、例えばゲーム本編の一部分をロードするためのローディングから次の一部分をロードするためのローディングまでの間の区間といったゲームの内容に応じていない区切りも含まれる。
本実施形態におけるゲームは、複数のプレイヤに対応する複数のプレイヤキャラクタが、同じ仮想ゲーム空間で行動可能な態様とすることもできる。この場合、一のプレイヤにおけるゲーム本編または各ステージの開始前や所定の位置または所定のタイミングで、一のプレイヤが行おうとしているステージと同じステージまたは一のプレイヤのプレイヤキャラクタの位置を含む所定の領域内でプレイ中またはプレイ開始前である他のプレイヤとセッションを形成するためのマッチング処理(いわゆる乱入処理)が自動的に行われる。
ゲーム本編を構成するステージには、プレイヤキャラクタの進行を妨げる他のキャラクタが登場する。各プレイヤは、プレイヤキャラクタを操作して他のキャラクタを攻撃したり、敵キャラクタから逃げたりしながらシナリオを進行させる。
本ゲームにおいて、プレイヤキャラクタには、属性が付与される。属性には、第1の属性と第2の属性とが含まれる。ゲーム開始時において、プレイヤキャラクタには、第1の属性が付与され、所定の第1のパラメータ(例えば恐怖パラメータと称する)の数値が予め設定された第1のしきい値に到達した場合に、プレイヤキャラクタの属性が第1の属性から第2の属性に変化する。例えば、第1の属性は、人間に設定され、第2の属性は、死霊(またはゾンビ等)に設定される。すなわち、本ゲームにおいては、第1の属性である人間の状態を維持しながらゲームを進めつつ、第2の属性である死霊になった場合には、所定の制限期間内に第1の属性(人間)に戻るための行動(後述)を行うようなゲーム性を有している。
このように、本実施の形態におけるプレイヤキャラクタは、何れの属性であってもゲームの進行(移動、攻撃等)を行うことができる状態にあると言える。すなわち、本実施の形態における属性は、プレイヤキャラクタがとり得る、ゲームの進行を行うことができる複数の状態の1つを示すものと定義できる。したがって、本実施の形態における属性には、所定の操作を行って通常の状態に戻らない限りゲームの進行を行うことができない態様、例えば、敵キャラクタに束縛された際に指定された所定の操作を行うと敵キャラクタから解放されるが、所定の操作に失敗すると大ダメージを受けるまたはゲームオーバーとなるような態様、体力値が残り少なくなったグロッキー状態において、所定の操作を行うことで体力値の回復を早めてグロッキー状態から通常の状態に復帰するような態様等は含まれない。
本実施の形態において、第1のパラメータの数値は、所定の条件を満たすと、第1のしきい値に近づいていく。これに対して、プレイヤは後述する所定の連続的な操作を行うことにより、第1のパラメータの数値を第1のしきい値から遠ざけることができる。すなわち、所定の連続的な操作を行うことにより、プレイヤキャラクタに第1の属性が付与された状態を継続することができる。本ゲームにおいては所定の連続的な操作が恐怖を抑えるための操作ということになる。本実施の形態においては、第1のパラメータの数値は0から増加して第1のしきい値に近づく。第1のパラメータは、コンピュータまたは後述するように他のプレイヤによって動作制御される死霊キャラクタに脅かされることにより増加してもよいし、壁が倒れる、または叫び声が聞こえる等の視覚的演出効果または聴覚的演出効果によっても増加してもよい。さらに、第1のパラメータは、所定のエリアでは連続的に上昇する(そこにいるだけでパニックを起こすエリアを設定する)こととしてもよい。
プレイヤキャラクタの属性が第2の属性である場合、死霊キャラクタとして他のプレイヤが操作するキャラクタのうち第1の属性であるキャラクタに対して攻撃したり脅かしたりする行動を行うことで、当該他のプレイヤのキャラクタの第1のパラメータを第1のしきい値に近付けさせることができる。そして、この際、上記行動を行うことにより、プレイヤの所定の第2のパラメータ(例えば行動パラメータと称する)の数値が第2のしきい値に近づく側に積算される。例えば、第2のパラメータの数値は、0から行動に応じて定められる値だけ増加して第2のしきい値に近づく。そして、第2のパラメータの数値が第2のしきい値に到達した場合に、プレイヤキャラクタの属性が第2の属性から第1の属性に変化(人間に復帰)する。
また、プレイヤキャラクタの属性が第2の属性である場合、所定の操作(後述)を行うことにより、ゲームを同期している他のプレイヤに対して自分のプレイヤキャラクタの属性を第1の属性に偽装することも可能である。これにより、より戦略的なゲーム性を創出することができる。
さらに、プレイヤキャラクタの属性が第2の属性である場合、所定の第3のパラメータ(例えば体力パラメータと称する)の数値が予め設定された第3のしきい値に到達した場合に、ゲームオーバーとなる。例えば第3のパラメータは、所定の数値から減少して第3のしきい値である0になった場合にゲームオーバーとなる。本実施の形態において、第3のパラメータは、時間の経過または記プレイヤキャラクタの所定の行動により第3のしきい値に近づいていく。すなわち、プレイヤキャラクタの属性が第2の属性に変化してから、第3のパラメータによって定められる所定の制限期間内に第1の属性に復帰できないと、ゲームオーバーとなる。また、第3のパラメータは、他のプレイヤが操作する第1の属性のキャラクタに攻撃されることでも第3のしきい値に近づく。
本ゲームでは、ゲーム終了のための所定の終了条件が設定され、当該終了条件が成立した際に、プレイヤキャラクタの属性が第1の属性であるプレイヤが生き残り、ゲームクリアとなる。終了条件は、例えばゲーム開始からの予め定められた時間が経過することである。例えば夜から始まって夜が明ければ終了する。また、これに加えてまたはこれに代えて、終了条件は、ゲーム開始時にマッチングされた複数のプレイヤキャラクタのうち第1の属性のプレイヤキャラクタが仮想ゲーム空間の所定の領域に到達することであってもよい。
以上のように、本ゲームは、第2の属性のキャラクタが第1の属性のキャラクタを脅かすことで当該脅かされたキャラクタの属性を第2の属性に変化させようとするのに対し、如何にして終了条件が成立する際に第1の属性の状態で生き残れるかを競うゲーム性を有している。
[ハードウェア構成]
上述したゲームを実現するゲーム装置の構成について説明する。本実施形態におけるゲームシステムは、下記ゲーム装置2と、当該ゲーム装置2に接続されるモニタ19、スピーカ22およびコントローラ24などの外部装置とで構成され、下記ディスク型記憶媒体30から読み込んだゲームプログラム30aおよびゲームデータ30bに基づいてゲームを行い得るものである。ただし、以下では、説明を簡単にするため、単にゲーム装置2と称する場合がある。
図1は、本実施形態におけるゲーム装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。図1に示すように、ゲーム装置2は、他のゲーム装置2およびサーバ装置3との間で、インターネットまたはLANなどの通信ネットワークNWを介して互いに通信可能である。このゲーム装置2は、その動作を制御するコンピュータであるCPU10を備え、このCPU10にはバス11を介してディスクドライブ12、メモリカードスロット13、プログラム記憶部を成すHDD14、ROM15およびRAM16が接続されている。
また、CPU10には、バス11を介してグラフィック処理部17、オーディオ合成部20、無線通信制御部23およびネットワークインタフェース25が接続されている。
このうちグラフィック処理部17は、CPU10の指示にしたがってゲーム空間や各キャラクタなどを含むゲーム画像を描画する。また、グラフィック処理部17にはビデオ変換部18を介して外部のモニタ19が接続されており、グラフィック処理部17にて描画されたゲーム画像はビデオ変換部18において動画形式に変換され、モニタ19にて表示されるようになっている。
オーディオ合成部20は、CPU10の指示に従ってデジタルのゲーム音声を再生および合成する。また、オーディオ合成部20にはオーディオ変換部21を介して外部のスピーカ22が接続されている。したがって、オーディオ合成部20にて再生および合成されたゲーム音声は、オーディオ変換部21にてアナログ形式にデコードされ、更にスピーカ22から外部へ出力されるようになっている。
さらに、オーディオ合成部20は、ゲーム装置2に接続されるヘッドセットやコントローラ24等に設けられたマイク26から入力されるプレイヤの音声等がオーディオ変換部21にてデジタル形式にコードされたデータを取得可能である。オーディオ合成部20は、取得したデータをCPU10に入力情報として伝えることができる。
無線通信制御部23は、2.4GHz帯の無線通信モジュールを有し、ゲーム装置2に付属するコントローラ24との間で無線により接続され、データの送受信が可能となっている。ユーザは、このコントローラ24に設けられたボタン等の操作子(後述)を操作することにより、ゲーム装置2へ信号を入力することができ、モニタ19に表示されるプレイヤキャラクタの動作を制御可能になっている。また、ネットワークインタフェース25は、インターネットまたはLANなどの通信ネットワークNWに対してゲーム装置2を接続するものであり、他のゲーム装置2またはサーバ装置3との間で通信可能である。そして、ゲーム装置2を、通信ネットワークNWを介して他のゲーム装置2と接続し、互いにデータを送受信することにより、同一のゲーム空間内で同期して複数のプレイヤキャラクタを表示させることができる。
図2は、図1に示すゲーム装置2のコントローラ24を示す外観図である。コントローラ24は、略コ字形をしており、遊技者が両翼部のハンドル201L,201Rを左右両手で把持して操作する。コントローラ24の左右上面には操作ボタン群210,220、アナログスティック212,222が設けられており、コントローラ24の右前面にはR1ボタン211、左前面にはL1ボタン221がそれぞれ設けられている。操作ボタン群210およびアナログスティック212は遊技者の右手親指で操作され、操作ボタン群220およびアナログスティック222は遊技者の左手親指で操作される。また、R1ボタン211、L1ボタン221は、それぞれ遊技者の右手人指し指、左手人指し指で操作される。
さらに、コントローラ24は、操作ボタン群210と操作ボタン群220との間にタッチパッド230を備えている。タッチパッド230は、横長の長方形状を成しており、周知のように、ユーザがタッチパッド230の表面に指先等を接触または近接させることで、接触または近接点(入力点)の位置情報(座標)を、後述のCPU(図3のCPU10)へ出力するものである。さらに、タッチパッド230は、全体を押し込むことで操作ボタンとしても機能する。
[ゲーム装置の機能的構成]
図3は、図1に示すゲーム装置2の機能的な構成を示すブロック図である。図1に示すようにゲーム装置2は、CPU10、HDD14、ROM15、RAM16、グラフィック処理部17、ビデオ変換部18、オーディオ合成部20、オーディオ変換部21、ネットワークインタフェース25などを含む制御部4を備えたコンピュータとして動作する。そして、図3に示すように、ゲーム装置2の制御部4は、本発明のゲームプログラム30aを実行することで、ゲーム制御手段41、キャラクタ属性制御手段42、パラメータ制御手段43、報知手段44、通信手段45などの機能を発揮する。
このうち、ゲーム制御手段41は、プレイヤによる該コンピュータの操作に応じ、該プレイヤに対応するプレイヤキャラクタを仮想ゲーム空間にて行動させ、ゲームを進行させる。さらに、ゲーム制御手段41は、複数のプレイヤが参加可能なゲームの仮想ゲーム空間を生成する。この際、ゲーム制御手段41は、キャラクタが動作する仮想のゲーム空間および当該ゲーム空間内で動作する各キャラクタを生成し、モニタ19に表示させる。例えば、ゲーム制御手段41は、プレイヤキャラクタの移動に伴って、ゲームデータ30bに含まれるオブジェクトおよびテクスチャなどのデータを読み出し、三次元の仮想ゲーム空間を生成する。さらに、ゲーム制御手段41は、ゲーム装置2のモニタ19に仮想ゲーム空間を表示するために、生成した仮想ゲーム空間を所定の仮想カメラで撮影したときの二次元画像を生成する。そして、ゲーム制御手段41は、プレイヤによるコントローラ24の操作やゲームの進行状況に応じて、仮想ゲーム空間におけるプレイヤキャラクタの動作を制御する。さらに、ゲーム制御手段41は、プレイヤキャラクタに対して仮想ゲーム空間にて行動するノンプレイヤキャラクタの動作を制御する。本実施形態において、ノンプレイヤキャラクタには、プレイヤキャラクタを脅かしたり、プレイヤキャラクタに対して攻撃を行ったりする死霊キャラクタが含まれる。ゲーム制御手段41は、プレイヤキャラクタが第1の属性である場合に、第2の属性のキャラクタに対して所定の攻撃を実行可能に制御する。
キャラクタ属性制御手段42は、プレイヤキャラクタに付与される属性を制御する。前述の通り、プレイヤキャラクタに付与される属性には、第1の属性(人間)と第2の属性(死霊)とが含まれる。キャラクタ属性制御手段42は、第1のパラメータの数値が予め設定された第1のしきい値に到達した場合に、プレイヤキャラクタの属性を第1の属性から第2の属性に変化させる。さらに、キャラクタ属性制御手段42は、第2のパラメータの数値が予め設定された第2のしきい値に到達した場合に、プレイヤキャラクタの属性を第2の属性から第1の属性に変化させる。
パラメータ制御手段43は、本ゲームに設定される各パラメータの数値を制御する。例えば、パラメータ制御手段43は、プレイヤキャラクタが第1の属性である場合に、所定の連続的な操作を行うことにより、第1のパラメータの数値が第1のしきい値に近づくことを抑制するように第1のパラメータの数値を制御する。
報知手段44は、第1のパラメータの数値変化がゲーム画面上で分かるように報知する。さらに、報知手段44は、第2のパラメータおよび第3のパラメータの数値変化がゲーム画面上で分かるように報知する。報知態様は特に限定されないが、例えば、ゲーム画面上に各パラメータの数値に基づくゲージを表示(後述)してもよいし、各パラメータの数値に基づいて段階的にゲーム画面上に表示される所定のランプを点滅させたり、段階的に音声で報知したりしてもよい。
通信手段45は、ゲームに参加する他のプレイヤにより操作される他のコンピュータとの間で、ゲームを同期して進行させるべくデータの送受信を行う。なお、複数のゲーム装置2のコンピュータ同士で通信を行う際、各コンピュータが所定のサーバに接続し、当該サーバにおいてゲーム進行を管理するオンラインゲームとして構成されてもよいし、各コンピュータからの所定のマッチングサーバへのリクエストに応じてマッチングサーバが複数のコンピュータをマッチングし、マッチングされた複数のコンピュータ同士で相互通信を行ってゲームを進行するP2P(ピアツーピア)方式の通信ゲームとして構成されてもよい。
一例として、P2P通信方式のゲームにおいて、一のプレイヤ(第1プレイヤ)のコンピュータ(第1コンピュータ)と他のプレイヤ(第2プレイヤ)のコンピュータ(第2コンピュータ)との間のマッチング処理を説明する。以下、第1プレイヤが操作するプレイヤキャラクタを第1キャラクタとし、第2プレイヤが操作するプレイヤキャラクタを第2キャラクタとする。
第1コンピュータの通信手段45は、所定のタイミングにおいて、マッチングサーバにセッション作成要求信号を送信する。所定のタイミングは、例えば、第1プレイヤがゲームを開始する場合、第1キャラクタが仮想ゲーム空間の所定の領域に位置した場合、または第1プレイヤがゲームを開始してから所定の期間が経過した場合等、種々設定可能である。マッチングサーバは、セッション作成要求信号に基づいて、第1キャラクタの仮想ゲーム空間における現在位置(ゲーム開始時においては該当するステージの開始位置)が含まれる所定の領域内に位置している第2キャラクタを検索する。そして、第1コンピュータの通信手段45は、第2コンピュータの通信手段45と通信を行い、何れかのコンピュータまたはマッチングサーバ上にセッションを形成し、第2コンピュータからP2P通信に必要な情報(例えば第2プレイヤのゲームデータ、キャラクタデータなど)を取り込む。その後、通信手段45は、セッションに参加するプレイヤのコンピュータ同士でP2P通信を行い、ゲームを同期する。
セッションが確立された後は、セッションに参加している他のプレイヤ(第2プレイヤ)が操作するプレイヤキャラクタ(第2キャラクタ)は、第2プレイヤのコンピュータ(第2コンピュータ)のゲーム制御手段41により制御され、当該制御情報が通信手段45を通じて第1コンピュータに送られ、当該第1コンピュータが当該制御情報に基づいて同一のゲーム空間内で第2プレイヤに対応するキャラクタを動作させる。これにより、第1キャラクタと第2キャラクタとを第1コンピュータ上の同じ仮想ゲーム空間で動作させるオンラインプレイが可能となる。なお、本ゲームにおいてはオンラインプレイと、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタ以外のキャラクタがすべてプレイヤのコンピュータの制御部4が制御するノンプレイヤキャラクタとなるオフラインプレイとを切り換え可能に構成してもよい。
なお、第1キャラクタの位置と第2キャラクタの位置とが異なる領域に位置することになった場合には、各コンピュータは、自動的に同期を解除し、セッションを解消する。本実施の形態においては、他のコンピュータとのマッチングおよび同期の解除が自動で行われ、マッチングが成立したことおよび同期が解除されたことは、プレイヤには報知しない。これにより、プレイヤに、他のプレイヤが操作するプレイヤキャラクタをノンプレイヤキャラクタのように感じさせることができる。
[ゲームの制御の具体例]
以下、本実施の形態におけるゲームの制御の流れおよび各制御における具体的な態様について説明する。図4は本実施形態におけるゲームの制御の流れを例示するフローチャートである。図4に示すように、上述したようなマッチング等を行い、ゲームが開始される(ステップS1)と、ゲーム制御手段41は、プレイヤキャラクタの属性として第1の属性を設定する(ステップS2)。ゲーム制御手段41は、プレイヤキャラクタの情報として、第1の属性に応じた各パラメータ(移動速度、行動可能な動作、攻撃力等)を設定し、仮想ゲーム空間に配置させ、ゲーム画面にプレイヤキャラクタを表示させる。なお、プレイヤキャラクタは、複数の外見(人種、性別等の相違)、複数の能力(射撃が得意、走るのが速い等)といった複数の要素から選択可能としてもよい。また、パラメータ制御手段43は、第1のパラメータの数値VP1を初期値V1iに初期化する(ステップS3)。
図5は本実施の形態においてプレイヤキャラクタが第1の属性である場合のゲーム画面およびゲーム中におけるコントローラ24の操作の一例を示す図である。図5に示すように、ゲーム画面Wには、仮想ゲーム空間内に存在する第1の属性(人間の状態)のプレイヤキャラクタP、死霊キャラクタEおよび種々のオブジェクト等が表示される。マッチングにより同じ仮想ゲーム空間内に他のプレイヤキャラクタが存在する場合には当該他のプレイヤキャラクタもゲーム画面Wに表示される。仮想ゲーム空間には、武器等の所定のアイテムが配置され、プレイヤキャラクタPはこれを拾うことにより、使用することが可能となる。
プレイヤキャラクタPが第1の属性である場合、ゲーム画面Wには、報知手段44として、第1のパラメータの数値VP1を示す第1のゲージG1が表示されている。第1のパラメータの現在の数値VP1がレベルP1で示されている。第1のパラメータに設定される第1のしきい値Vth1がレベルPM(すなわち、第1のゲージG1の上限)として示されている。
プレイヤはコントローラ24を操作してプレイヤキャラクタPを行動させる。例えば操作ボタン群220を用いてプレイヤキャラクタPを移動させ、操作ボタン群210を用いてアイテムを使用したり、攻撃を行ったりする。
ゲーム制御手段41は、プレイヤキャラクタPが死霊キャラクタEに攻撃された場合に、攻撃を受けた身体部位によって当該身体部位を欠損させることとしてもよい。この場合、ゲーム制御手段41は、欠損した身体部位に応じて、プレイヤキャラクタPの所定の行動を制限または特定の行動を実行可能に制御してもよい。欠損部位の有無、数等によってゲーム終了時の達成度が変化してもよい。
ゲーム制御手段41は、所定のタイミングごとに自動的にゲーム状況を所定のメモリにデータ保存するオートセーブを行う。オートセーブを行うタイミングは、例えば、所定の期間経過時、仮想ゲーム空間の所定の領域を通過したとき、プレイヤキャラクタの身体部位に欠損が生じたとき等が含まれる。
ここで、パラメータ制御手段43は、所定の条件を満たすと、第1のパラメータが第1のしきい値に近づくように制御する(ステップS4)。さらに、パラメータ制御手段43は、プレイヤが所定の連続的な操作を行うことにより、第1のパラメータが第1のしきい値に近づくのを抑制するように制御する。本実施の形態において、所定の連続的な操作(以下、第1の操作と称する場合がある)は、コントローラ24のタッチパッド230へのスライド入力操作である。すなわち、図5に示すように、所定の条件を満たすと(例えばプレイヤキャラクタがパニックを起こすと)、第1のゲージG1の現在レベルP1がA1方向に徐々に上がり、プレイヤがタッチパッド230上を指で上下または左右にスライドする操作を連続して行うと第1のゲージG1の現在レベルP1がA2方向に下がる(第1のパラメータの数値が減少する)。
第1のゲージG1の現在レベルP1のA1方向の上昇は、所定のエリアにおいては時間経過に応じて行われてもよいし、それに加えてまたはそれに代えて、死霊キャラクタEが現れること(死霊キャラクタEに脅かされること)によって上昇してもよい。さらに、死霊キャラクタEがプレイヤキャラクタPに向かってきたり、攻撃してきたり、死霊キャラクタEの攻撃が命中したりすることにより第1のゲージG1の現在レベルP1の単位時間当たりの上昇量を増やしてもよい。さらに、ゲーム制御手段41は、壁が倒れる等のオブジェクトの移動または変形による視覚的演出効果や、叫び声が聞こえる等の聴覚的演出効果を行い、パラメータ制御手段43は、これらの演出によっても第1のパラメータの数値を増やす(第1のゲージG1の現在レベルP1を上昇させる)ように制御してもよい。ゲーム制御手段41は、プレイヤキャラクタの第1のパラメータの数値が増えるときに、当該プレイヤキャラクタの表情を引きつらせたり、当該プレイヤキャラクタに頭を抱えさせたり、当該プレイヤキャラクタを震えさせたりする等のプレイヤキャラクタに対するパニック状態の演出を行ってもよい。
このように、緊張感または恐怖感を第1のパラメータとして数値化し、プレイヤに所定の連続的な操作を行わせて、この数値を抑制させるように操作させることにより、プレイヤの緊張感または恐怖感がプレイヤの操作するプレイヤキャラクタに反映されるような演出を行うことができる。したがって、単なる視覚的または聴覚的な演出とは別に、プレイヤに緊張感または恐怖感をより一層実感させる演出を行うことができる。
なお、ゲーム制御手段41は、第1のパラメータの単位時間あたりの上昇量が所定値より大きい場合、プレイヤキャラクタPを所定期間、自動的に行動させるよう制御してもよい。例えば、ゲーム制御手段41は、プレイヤキャラクタPを蹲らせたり、叫ばせたり、ランダムな方向に走らせたりしてもよい。このような自動的な行動時には、プレイヤからの操作を受け付けないこととしてもよい。これにより、第1のパラメータの上昇量が大きい場合に、プレイヤキャラクタを大きいパニック状態にする演出を行うことができる。
パラメータ制御手段43は、第1の操作以外の所定の操作(以下、第2の操作と称する)を行っている間は、第1の操作に基づく第1のパラメータの数値変化を生じさせない(第1の操作は受け付けない)こととしてもよい。例えば、第2の操作には、アイテムの使用や攻撃等を行う操作ボタン群210の操作が含まれる。この場合、パラメータ制御手段43は、プレイヤが操作ボタン群210の操作を行いつつ、タッチパッド230のスライド操作を行っても、第1のパラメータの数値を増加させる。つまり、プレイヤキャラクタPは、プレイヤが第1の操作を行っている間はパニック状態を抑えることができるが、他の行動を行う際にはパニック状態であるという演出を行うことができる。これにより、プレイヤはプレイヤキャラクタにパニック状態のまま攻撃等を行わせるか、移動以外の行動をとらせない代わりにパニック状態を抑えるかの二者択一を迫られることになる。したがって、プレイヤに緊張感または恐怖感を与えるゲーム性を創出することができる。
なお、ゲーム制御手段41は、第1の操作(タッチパッド230へのスライド操作)と同時に行われる他の所定の操作(以下、第3の操作と称する)を受け付けてもよい。すなわち、パラメータ制御手段43は、第3の操作と並行して第1の操作が行われた場合にも第1のパラメータの数値を抑制するように制御してもよい。例えば、第3の操作には、プレイヤキャラクタPの移動を行う操作ボタン群220の操作が含まれる。この場合、第1のパラメータの数値の増加を抑制する操作を行いながら、プレイヤキャラクタPを移動させる操作を行うことができる。
また、パラメータ制御手段43は、第1の属性であるプレイヤキャラクタPの死霊キャラクタ(第2の属性のキャラクタ)Eに対する攻撃が的中した場合に、プレイヤキャラクタPの第1のパラメータの数値が第1のしきい値に近づくことを抑制する。すなわち、死霊キャラクタEへの攻撃が的中すれば、タッチパッド230へのスライド操作を行わなくても第1のゲージG1の現在レベルP1を下げることができる。攻撃の的中により死霊キャラクタEが怯んだ隙に、プレイヤキャラクタPを移動させることにより、死霊キャラクタEから逃げることが可能となる。また、プレイヤキャラクタPが強力な武器を所持している場合には、第1のパラメータの数値の上昇量が所持していない場合に比べて小さくなることとしてもよい。さらに、プレイヤキャラクタPの近くに第1の属性である他のキャラクタ(後述するキャラクタOP)が存在する場合には、第1のパラメータの数値の上昇量が他のキャラクタOPが存在しない場合に比べて小さくなることとしてもよい。これらにより、強力な武器を所持すること、または、仲間がいることによる安心感を演出することができる。
なお、本ゲームにおいて、プレイヤキャラクタPが行う攻撃はなるべく単純化することが好ましい。攻撃に関する要素(エイムの有無、武器の種類、攻撃方法等)を複雑化すると、緊張感および恐怖感の演出効果が低くなる場合があるからである。例えば、ゲーム制御手段41は、死霊キャラクタEとの距離に応じて攻撃手段を自動選択してもよい。この場合、ゲーム制御手段41は、プレイヤの操作に応じて、プレイヤキャラクタPを、遠距離武器のみを所持している場合には遠い距離の死霊キャラクタEに対しては当該遠距離武器により攻撃し、近い距離の死霊キャラクタEに対しては例えば素手による打撃攻撃を行ってもよい。また、近距離武器のみを所持している場合には近い距離の死霊キャラクタEに対しては当該近距離武器により攻撃し、遠い距離の死霊キャラクタEに対しては例えば攻撃のアクションのみを行うこととしてもよい。隠し要素として所定の条件を満たせば、特殊な攻撃手段による攻撃を行うことができるように設定されてもよい。
キャラクタ属性制御手段42は、第1のパラメータの数値VP1が予め設定された第1のしきい値Vth1に到達したか否かを判定する(ステップS5)。本実施の形態では、第1のパラメータの数値VP1が第1のしきい値Vth1以上となったか否かを判定する。第1のパラメータの数値VP1が第1のしきい値Vth1に到達した場合(ステップS5でYes)、プレイヤキャラクタPの属性を第1の属性から第2の属性に変化させる(ステップS6)。すなわち、第1のゲージG1の現在レベルP1が上限であるレベルPMに達すると、プレイヤキャラクタPの属性が第2の属性に変更される。この際、パラメータ制御手段43は、第2のパラメータの数値VP2を初期値V2iに初期化し(ステップS7)、第3のパラメータの数値VP3を初期値V3iに初期化する(ステップS8)。
ゲーム制御手段41は、プレイヤキャラクタの情報として、第2の属性に応じた各パラメータ(移動速度、行動可能な動作、攻撃力等)を設定し、仮想ゲーム空間に配置させ、プレイヤキャラクタが第1の属性および第2の属性の何れであるのかを外見で判別可能なようにプレイヤキャラクタを表示する。図6は本実施の形態においてプレイヤキャラクタが第2の属性である場合のゲーム画面の一例を示す図である。図6に示すように、第2の属性となったことを示す死霊の姿のプレイヤキャラクタEPがゲーム画面Wに表示される。
さらに、ゲーム画面Wには、第1の属性である他のキャラクタOPおよび種々のオブジェクト等が表示される。プレイヤキャラクタEPが第2の属性である場合、ゲーム画面Wには、報知手段44として、第2のパラメータの数値VP2を示す第2のゲージG2と、第3のパラメータの数値VP3を示す第3のゲージG3が表示されている。第2のパラメータの現在の数値VP2がレベルP2で示され、第3のパラメータの現在の数値VP3がレベルP3で示されている。第2のパラメータに設定される第2のしきい値Vth2がレベルPM2(すなわち、第2のゲージG2の上限)として示され、第3のパラメータに設定される第3のしきい値Vth3がレベルPM3(すなわち、第3のゲージG3の下限)として示されている。なお、他のキャラクタOPは、マッチングにより同じ仮想ゲーム空間内に存在する他のプレイヤキャラクタであってもよいし、ゲーム制御手段41が行動を制御するノンプレイヤキャラクタであってもよい。また、プレイヤキャラクタEPの近くに第2の属性のプレイヤキャラクタおよび第2の属性のノンプレイヤキャラクタがいる場合、それらのキャラクタもゲーム画面W上に表示される。
ゲーム制御手段41は、第2の属性のプレイヤキャラクタEPの情報として変化前の(第1の属性時の)プレイヤキャラクタPの情報を引き継ぐように制御する。例えば、第1の属性のプレイヤキャラクタPにおいて返り血を浴びている場合には第2の属性のプレイヤキャラクタEPにおいても返り血を浴びている表現を残したり、当該返り血を浴びた部分を変色させたりする。また、例えば第1の属性のプレイヤキャラクタPにおいて身体部位が欠損していた場合、第2の属性のプレイヤキャラクタEPにおいて当該欠損していた身体部位を引き続き欠損させたり、当該欠損部位のみ他の部位とは異なる態様に変形させたりしてもよい。また、第2の属性のプレイヤキャラクタEPにおいて、欠損部位に特定のアイテム(武器等)を取り付け可能としてもよい。
パラメータ制御手段43は、第3のパラメータの数値VP3が徐々に第3のしきい値Vth3に近づくように制御する(ステップS9)。すなわち、ゲーム画面W上では、第3のゲージG3の現在レベルP3がC方向に徐々に下がっていく。第3のパラメータの数値VP3の変化(減少)は、時間経過によって生じてもよいし、プレイヤキャラクタの所定の行動(移動する、攻撃する等)毎に生じてもよい。また、アイテム等を使用することによって第3のパラメータの数値VP3が回復する(第3のしきい値Vth3から遠ざかる方向に変化する)こととしてもよい。さらに、パラメータ制御手段43は、第1の属性である他のキャラクタOPから攻撃を受けた場合に、第3のパラメータの数値VP3を第3のしきい値Vth3に近付けるように制御してもよい。
プレイヤは、第2の属性であるプレイヤキャラクタEPについても同様に、コントローラ24を操作して行動させる。例えば操作ボタン群220を用いてプレイヤキャラクタPを移動させ、操作ボタン群210を用いてアイテムを使用したり、攻撃を行ったりする。
第2の属性であるプレイヤキャラクタEPにおける攻撃方法は、第1の属性であるプレイヤキャラクタPとは異なるように設定してもよい。例えば第1の属性であるプレイヤキャラクタPは、斧、ショットガン、チェーンソー等の武器または道具を用いた攻撃が可能である。第2の属性であるプレイヤキャラクタEPは、これらの武器または道具は使えず、殴打または噛みつき等より原始的な攻撃を行うこととしてもよい。さらに、第2の属性であるプレイヤキャラクタEPは、本棚等の重量物のオブジェクトを倒したり、投げたりすることを可能としてもよい。また、第2の属性であるプレイヤキャラクタEPは、自らの肉体の一部を投げる等、死霊特有の攻撃態様をとり得ることとしてもよい。
さらに、第2の属性であるプレイヤキャラクタEPは、第1の属性であるプレイヤキャラクタPとは異なる移動態様をとり得るとしてもよい。例えば、第2の属性であるプレイヤキャラクタEPは、瞬間移動や飛行等の高速移動を可能としてもよい。
ゲーム制御手段41は、プレイヤキャラクタEPが第2の属性である場合に、第1の属性である他のキャラクタOPに対して第1のパラメータの数値を第1のしきい値に近付ける所定の行動を実行可能に制御する。例えば、第2の属性であるプレイヤキャラクタEPは、プレイヤによるコントローラ24の操作に基づいて、第1の属性の他のキャラクタOPに対して脅かす、叫ぶ、攻撃する等の所定の行動を行うことができる。これにより、複数のプレイヤがそれぞれ第1の属性であるプレイヤキャラクタを操作しながら共に行動していた場合であっても、そのうちの1人のプレイヤが操作するプレイヤキャラクタが第2の属性に変化すると、当該第2の属性に変化したプレイヤキャラクタから残りの第1の属性のプレイヤキャラクタは襲われ得るというゲーム性が生まれる。
なお、プレイヤキャラクタEPが第1の属性の他のキャラクタOPを脅かす態様としては、例えば、プレイヤキャラクタEPが第1の属性である他のキャラクタOPの視界に入るように移動するだけでもよいし、脅かすための動作を行うための所定の操作子を操作することとしてもよい。さらに、マイク26に向かってプレイヤが叫ぶことにより第1の属性の他のキャラクタOPを脅かして、第1の属性の他のキャラクタOPの第1のパラメータの数値を第1のしきい値に近付けることができるようにしてもよい。なお、第1の属性の他のキャラクタOPが他のプレイヤが操作するキャラクタである場合、プレイヤによる実際の叫び声を、他のキャラクタOPが操作するプレイヤのコンピュータで再生することとしてもよい。
第1の属性である他のキャラクタOPが、当該他のキャラクタOPの視界の範囲内でプレイヤキャラクタEPに脅かされた、または叫ばれた場合や、プレイヤキャラクタEPの攻撃が他のキャラクタOPに命中した場合、パラメータ制御手段43は、当該他のキャラクタOPの第1のパラメータの数値を第1のしきい値Vth1に近付ける(本実施の形態においては数値を増加させる)。また、第2の属性のプレイヤキャラクタEPが高速移動により、第1の属性である他のキャラクタOPの周囲の所定領域内に進入した場合には、当該他のキャラクタOPの第1のパラメータの数値の変化量(増加量)を大きくしてもよい。
パラメータ制御手段43は、プレイヤキャラクタEPが第1の属性の他のキャラクタOPに対して上記の行動を成功させたか否か(例えばキャラクタOPを脅かしたか否か)を判定する(ステップS10)。成功させたと判定した場合(ステップS10でYes)、パラメータ制御手段43は、上記行動に起因して所定の第2のパラメータの数値VP2が所定の第2のしきい値Vth2に近づくように制御する(ステップS11)。本実施の形態において、パラメータ制御手段43は、第2のパラメータの数値VP2に上記行動に起因した数値PFを加算する。すなわち、図6に示すように、プレイヤが第1の属性の他のキャラクタOPに対して上記行動を成功させると第2のゲージG2の現在レベルP2がB方向に上がっていく(第2のパラメータの数値VP2が増加する)。第2のパラメータの数値の変化量(増加量)PFは、行動の内容に応じて異なることとしてもよい。
キャラクタ属性制御手段42は、第2のパラメータの数値VP2が第2のしきい値Vth2に到達したか否かを判定する(ステップS12)。本実施の形態では、第2のパラメータの数値VP2が第2のしきい値Vth2以上となったか否かを判定する。第2のパラメータの数値VP2が第2のしきい値Vth2に到達したと判定された場合(ステップS12でYes)、キャラクタ属性制御手段42は、プレイヤキャラクタの属性を第2の属性から第1の属性に変化させる(ステップS2)。すなわち、第2のゲージG2の現在レベルP2が上限であるレベルPM2に達すると、プレイヤキャラクタEPの属性が第1の属性に変更される。この結果、プレイヤキャラクタEPの外見も第1の属性に応じた人間の姿(図5におけるプレイヤキャラクタP)に戻される。
第1の属性の他のキャラクタOPを脅かさなかった場合(ステップS10でNo)または第2のパラメータの数値VP2が第2のしきい値Vth2に到達しなかった場合(ステップS12でNo)、ゲーム制御手段41は、第3のパラメータの数値VP3が予め設定された第3のしきい値Vth3に到達したか否かを判定する(ステップS13)。本実施の形態では、第3のパラメータの数値VP3が第3のしきい値Vth3以下となったか否かを判定する。第3のパラメータの数値VP3が第3のしきい値Vth3に到達したと判定された場合(ステップS13でYes)、ゲーム制御手段41は、当該プレイヤのゲームをゲームオーバーとなるように制御する(ステップS14)。第3のパラメータの数値VP3が第3のしきい値Vth3に到達していないと判定された場合(ステップS13でNo)、ゲーム制御手段41は、ゲームを続行し、ステップS9以降を繰り返す。
ゲーム制御手段41は、所定のタイミングでゲーム終了のための終了条件を満たしているか否かを判定し、当該終了条件を満たしていると判定した場合に、ゲームを終了させる。ゲーム終了時において所定の達成条件を満たしているプレイヤキャラクタを操作するプレイヤがゲームの成功者(勝利者)となり、ゲーム制御手段41は、当該成功者のコンピュータのゲーム画面Wにゲームの成功を報知する等の成功処理を行う。成功処理は、ゲームの終了条件成立時のプレイヤの行動(脱出方法、所持しているアイテム、プレイヤキャラクタのダメージ等)に応じて異なるマルチエンディングとしてもよい。一度ゲームを成功したプレイヤは、再度最初からゲームを行う周回プレイを行うことも可能である。ゲームの成功者には次回以降のゲームで使用可能なアイテムや武器等が与えられることとしてもよい。また、次回以降のゲームで異なるマップや異なる条件でのゲームを行うことが可能になるようにしてもよい。さらに、オンラインプレイにおいて、終了条件を満たした場合に、同時に成功者となったプレイヤの数、終了条件を満たすためのプレイヤの行動(脱出方法等)に応じて次回以降のゲームのマップや条件が異なることとしてもよい。
このように、本実施の形態によれば、第2の属性となったプレイヤキャラクタEPは、第3のパラメータの数値VP3が第3のしきい値Vth3になるまでに(例えば体力値が0になるまでに)、第1の属性である他のキャラクタOPを脅かして第2のパラメータの数値VP2を第2のしきい値Vth2に到達させるゲーム性が提供される。特に、第1の属性である他のキャラクタOPが他のプレイヤが操作する他のプレイヤキャラクタである場合、複数のプレイヤ間で脅かす側の立場(第2の属性)と逃げる側の立場(第1の属性)とが互いに入れ替わりながらゲームが進行する。したがって、各キャラクタの行動に不規則性が生まれ、より緊張感または恐怖感を生じさせるゲーム性とすることができる。
さらに、本実施の形態において、ゲーム制御手段41は、プレイヤキャラクタが第2の属性である場合に、所定の操作が行われることにより、第1の属性であるキャラクタに対してプレイヤキャラクタEPの外見を第1の属性に偽装可能に制御してもよい。
図7は本実施の形態において第2の属性のプレイヤキャラクタが第1の属性に偽装している場合のゲーム画面およびゲーム中におけるコントローラ24の操作の一例を示す図である。図7に示すように、ゲーム画面Wには、図6で示すのと同様に、第2の属性において数値変化する第2のパラメータおよび第3のパラメータをそれぞれ示す第2のゲージG2および第3のゲージG3が表示されている。その上で、図7には第1の属性である人間の外観を有するプレイヤキャラクタEP’が表示されている。
本実施の形態において属性を偽装するための所定の操作は、コントローラ24のタッチパッド230へのスライド入力操作である。すなわち、図7に示すように、プレイヤがタッチパッド230上を指で上下または左右にスライドする操作を連続して行うとそれに応じた期間、プレイヤキャラクタの外観が死霊EPから人間EP’に偽装される。スライド操作を止めると、所定の期間経過後、再びプレイヤキャラクタの外観が人間EP’から死霊EPに戻る。さらに、人間EP’への偽装中に、タッチパッド230を押し込むボタン操作を行うことにより、瞬時に死霊EPへと復帰することができる。
ゲーム制御手段41は、プレイヤキャラクタの外観が第1の属性である人間EP’に偽装されている間、プレイヤキャラクタの能力は第1の属性である場合に準ずるものとなる。例えば、第1の属性のプレイヤキャラクタPは、同じ第1の属性である他のキャラクタOPに攻撃したり脅かしたりすることはできないこととしてもよい。この場合、第2のパラメータの数値VP2を変化させるために、第1の属性である他のキャラクタOPを攻撃したり脅かしたりするためには、偽装を解除してから当該行動を行う必要が生じる。
第2の属性であるプレイヤキャラクタEPが第1の属性である人間EP’に偽装することにより、第1の属性である他のキャラクタOPを操作する他のプレイヤに対してだまし討ちを可能にする。さらに、第1の属性であるプレイヤキャラクタPを操作しているプレイヤは、第1の属性である他のキャラクタOPを見かけても、そのキャラクタOPが本当に第1の属性のキャラクタなのか警戒する必要性が生じる。さらに、プレイヤキャラクタPの近くに第1の属性の他のキャラクタOPが存在する場合に、プレイヤキャラクタPの第1のパラメータの数値の上昇量が小さくなる態様においては、当該他のキャラクタOPが偽装であっても、プレイヤキャラクタPの第1のパラメータの数値の上昇量が小さくなることとしてもよい。すなわち、第1のパラメータの数値の変化量を見ても他のキャラクタOPが偽装なのかどうかプレイヤキャラクタPを操作するプレイヤには判別できないようにしてもよい。これに対し、偽装の場合にはプレイヤキャラクタPの第1のパラメータの数値の上昇量が小さくならないこととしてもよい。このように、属性を偽装可能とするゲーム性を採用することにより、オンラインプレイにおいてプレイヤ同士の単なる追いかけっこになって、緊張感または恐怖感が損なわれるのを防止することができる。また、第2の属性となったプレイヤキャラクタEPを操作するプレイヤにとっても、どのようなタイミングで他のキャラクタOPを脅かし、自らが第1の属性に戻るかということを考えながら戦略的にゲームを進めることができる。
ゲーム制御手段41は、第2の属性であるプレイヤキャラクタを操作するプレイヤのゲーム画面Wには、外見が第1の属性である他のキャラクタが、属性を偽装したキャラクタであるかどうかを判別できるように表示する。一方、第1の属性であるプレイヤキャラクタを操作するプレイヤのゲーム画面Wには、外見が第1の属性である他のキャラクタが、属性を偽装したキャラクタであるかどうかは判別できないように表示する。例えば、第2の属性であるプレイヤキャラクタを操作するプレイヤのゲーム画面Wには、図7に示すように、外見を第1の属性に偽装したキャラクタには、偽装を示すマークMが表示される。このマークMは、図7に示すように、プレイヤが自ら偽装している場合だけでなく、他のプレイヤが操作するキャラクタの外見が第1の属性に偽装されている場合にも、同様に表示される。一方、このマークMは、第1の属性である他のキャラクタOPを操作するプレイヤのゲーム画面Wには表示されない。
これによれば、同じ第2の属性であるキャラクタを操作するプレイヤ同士は、協力して第1の属性であるキャラクタを脅かしたり攻撃したりすることが可能となる。したがって、ゲーム性をより多様化させることができる。
なお、偽装であるかどうかを判別する表示態様は、図7に示すマークMに限られない。例えば、偽装しているキャラクタは、同じ第2の属性であるキャラクタを操作するプレイヤのゲーム画面Wに全体が発光する等の視覚的変化を与えて表示されることとしてもよい。また、例えば、ゲーム画面W上に別途偽装しているキャラクタがいる旨の表示(例えばアイコン等による表示)を行ってもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更、修正が可能である。
例えば、上記実施の形態では、所定の連続的な操作である第1の操作が、コントローラ24のタッチパッド230へのスライド入力操作である場合について説明したが、これに限られない。例えば、アナログスティック212,222の何れかを所定の方向に連続的に操作する(例えば左右、上下、右回転、または左回転させる)こととしてもよい。操作ボタン群210、R1ボタン211、およびL1ボタン221のうちの少なくとも1つの所定のボタンを連続操作(連打)することとしてもよい。
また、上記実施の形態では、第1のパラメータの数値変化をゲーム画面W上で報知するための報知手段44の態様として第1のゲージG1を表示することとしたが、これに限られない。例えば、数値自体をゲーム画面W上に表示することとしてもよい。また、ゲーム画面Wに表示されるプレイヤキャラクタPの外見や能力を第1のパラメータの数値変化に応じて変化させることとしてもよい。この場合、例えば、プレイヤキャラクタPの色を第1のパラメータの数値VP1に応じて変化させたり、第1のパラメータの数値VP1が第1のしきい値Vth1に近づくほどプレイヤキャラクタPの外見を死霊キャラクタE(第2の属性のプレイヤキャラクタEP)に近付けたりしてもよい。これに合わせて、プレイヤキャラクタPの移動速度を遅くしたり、攻撃力等の能力を変化させたりしてもよい。また、第1のパラメータの数値変化に応じてゲーム画面W全体の明るさや色を変化させたり、ピントをぼやけさせる等の視覚効果付与し、その付与範囲を第1のパラメータの数値変化に応じて変化させたりしてもよい。
第2のパラメータの数値変化や第3のパラメータの数値変化に応じた報知態様についても同様である。例えば第2のパラメータの数値VP2が第2のしきい値Vth2に近づくほどプレイヤキャラクタEPの外見を第1の属性(人間)のプレイヤキャラクタPに近付けたり、第3のパラメータの数値VP3が第3のしきい値Vth3に近づくほどプレイヤキャラクタEPの体が腐り落ちたり、移動速度が遅くなったりしてもよい。さらに、これらのパラメータの数値VP1,VP2,VP3の変化を報知しない態様としてもよい。
上記実施の形態では、プレイヤキャラクタに付与される属性が第1の属性と第2の属性との何れかをとり得る態様のゲームについて説明したが、設定によって何れかの属性のみに限定したゲームが実行可能に構成されてもよい。例えば、無料版では第2の属性であるプレイヤキャラクタEPのみ操作可能(第1の属性である他のキャラクタOPを脅かすゲームのみ実行可能)であり、有料版(完全版)では第1の属性および第2の属性を何れもとり得るプレイヤキャラクタを操作可能としてもよい。この場合、オンラインプレイのマッチングにおいて無料版のプレイヤと有料版のプレイヤとのマッチングを可能としてもよい。第2の属性のみでのゲームを体験版として位置付けつつ、完全版であるゲームにおいてもマッチングの機会を多くすることができる。
上記実施の形態では、第1の属性および第2の属性におけるキャラクタの外見(顔等)は、ゲームデータ30bに予め記録されており、当該ゲームデータ30bをロードすることにより各キャラクタをゲーム画面W上に表示する。これについて、第2の属性のプレイヤキャラクタEPの顔としてプレイヤが撮影した自分の顔写真を加工したものを使用可能としてもよい。例えば、上記ゲームにおいて、死霊の顔を作成するモードが組み込まれる。当該モードにおいて、制御部4は、プレイヤが撮影したカメラの画像を取得する。さらに、制御部4は、当該画像から人物の顔部分を特定し、特定した人物の顔部分に所定の加工を行う。そして、制御部4は、当該加工後の画像を第2の属性におけるプレイヤキャラクタEPの顔データとしてゲームデータ30bに記録する。制御部4は、取得した元の画像は削除する。顔部分への加工は、人物の特定が不可能な程度に行われる。これにより、オリジナルのプレイヤキャラクタEPを手軽かつ匿名性を保持しつつ作製することができる。
上記ゲームにおいて取得できるアイテムとして、第1の属性において利用可能(または取得可能)なアイテムまたは実行可能な攻撃態様と第2の属性において利用可能(または取得可能)なアイテムまたは実行可能な攻撃態様とで異ならせることとしてもよい。例えば、第1の属性においては、監視カメラ、爆弾、ギロチン等知能的なアイテムを利用可能または取得可能としてもよい。監視カメラは、設置箇所から離れた場所にプレイヤキャラクタを移動させた上で当該設置箇所を見ることができる。これにより、他のキャラクタの場所や当該他のキャラクタが死霊キャラクタEであるかどうかを予め知ることができる。爆弾は、設置箇所から離れた場所にプレイヤキャラクタを移動させた上で爆発させることにより、設置箇所にきた他のキャラクタ(死霊キャラクタE)を攻撃することができる。また、踏むと爆発する地雷を設置可能としてもよい。ギロチンは、設置箇所から離れた場所にプレイヤキャラクタを移動させた上で設置箇所に他のキャラクタが通過することにより作動させ、他のキャラクタを攻撃することができる。ギロチンは自分が通過しても作動することとしてもよい。
第2の属性であるプレイヤキャラクタEPが利用可能もしくは取得可能なアイテムまたは実行可能な攻撃態様には、例えば、動物の死骸、目玉、吐しゃ物、血しぶき等が含まれてもよい。動物の死骸は設置することにより、当該設置箇所に通り掛かった第1の属性のキャラクタを脅かすことができる。この場合、第2の属性のプレイヤキャラクタEPは、動物の死骸の設置箇所の近くにいなくても、第1の属性のキャラクタが通り掛かった時点で、第1の属性のキャラクタの第1のパラメータの数値を変化させるとともに、設置したプレイヤキャラクタEPの第2のパラメータの数値を変化させる。また、動物の死骸を障害物としても使用可能である。さらに、動物の死骸の中に第2の属性であるプレイヤキャラクタEPが隠れることができるとしてもよい。目玉、吐しゃ物、血しぶきは、それぞれ第1の属性の他のキャラクタへ投げつけたりすることによる攻撃方法の1つとして設定される。これらのアイテムは、仮想ゲーム空間内で取得できる通常のアイテムとは別に、課金したプレイヤに対してのみ与えられる特別なアイテムとしてもよい。
また、上記実施形態では据え置き型のゲーム装置について説明したが、携帯型のゲーム装置、携帯電話機、およびパーソナルコンピュータなどのコンピュータについても、本発明を好適に適用することができる。