JP6576867B2 - 経編地及び衣類 - Google Patents
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Description
例えば、縁部を折り返して縫合する方法や、他の生地を縫い付ける方法があるが、これらの方法では、生地の厚みが増すため、着用感が損なわれたり、外観が損なわれたりといった問題があった。
そこで、単位経編地間を連結糸で連結しておき、抜き糸を抜き去って連結糸による連結を解くことで、縁始末不要な縁部を形成する技術も知られている。
しかし、この技術は、縁部の位置が予め決まっている場合であって、しかも直線状の縁部の場合にしか適用できない。
また、非弾性糸がプレーンコード組織であり、弾性糸が非弾性糸と同行するデンビ組織またはプレーンコード組織である伸縮性の経編地も提案されている(特許文献3など参照)。
さらに、非弾性糸と弾性糸を編糸とする伸縮性経編地であって、これら非弾性糸と弾性糸とはいずれもアトラス組織で且つ同行する組織とし、縦・横・斜め方向のいずれの方向の裁断縁も、裁断状態のままで縁始末不要な縁が形成される構成としていることを特徴とする経編地も提案されている(特許文献4など参照)。
加えて、1×1編み組織を採用した特許文献1,2に記載の技術においては、縦方向の伸縮性が十分に得られ難く、ランが生じ易いという難点もある。
プレーンコード組織を採用した特許文献3に記載の技術においては、縦方向の伸縮性が得られ、ランも生じ難いが、横方向の伸縮性が十分に得られ難いという難点がある。
アトラス組織を採用した特許文献4に記載の技術においては、縦、横方向の伸縮バランスは良好であるが、上述の編成し難い、目面を綺麗にし難いという点においては、未だ改善の余地があることに変わりはない。
すなわち、本発明にかかる経編地は、縁始末不要な特定編地部分を備える経編地であって、前記特定編地部分が、各々同行するフルセット分の非弾性糸から構成される第1の非弾性糸編成部分と、前記第1の非弾性糸編成部分における非弾性糸と逆行するフルセット分の非弾性糸から構成される第2の非弾性糸編成部分と、前記第1の非弾性糸編成部分における非弾性糸と同行するフルセット分の弾性糸から構成される第1の弾性糸編成部分と、前記第1の非弾性糸編成部分における非弾性糸と逆行するフルセット分の弾性糸から構成される第2の弾性糸編成部分とを少なくとも備え、前記特定編地部分における前記各編成部分がアトラス組織で構成されているアトラス編地部分であり、当該アトラス編地部分において、前記各編成糸が、4〜12コースを繰り返し単位とし、各繰り返し単位において3〜5ウェールの範囲で左右に振られているものである。
本発明にかかる経編地は、また、縁始末不要な特定編地部分を備える経編地であって、前記特定編地部分が、各々同行するフルセット分の非弾性糸から構成される第1の非弾性糸編成部分と、前記第1の非弾性糸編成部分における非弾性糸と逆行するフルセット分の非弾性糸から構成される第2の非弾性糸編成部分と、前記第1の非弾性糸編成部分における非弾性糸と同行するフルセット分の弾性糸から構成される第1の弾性糸編成部分と、前記第1の非弾性糸編成部分における非弾性糸と逆行するフルセット分の弾性糸から構成される第2の弾性糸編成部分とを少なくとも備え、前記特定編地部分における前記各編成部分が、アトラス組織と鎖編組織とを組み合せた変形アトラス組織から構成されている変形アトラス編地部分である。
本発明にかかる衣類は、上記本発明にかかる経編地からなる。
さらに、特にアトラス組織を利用する場合において、伸縮バランスに優れ、プレーンな経編地及びこれを用いた衣類の提供が可能である。また、アトラス組織と鎖編組織とを組み合せた編成組織を利用する場合においては、さらに通気性に優れた経編地及びこれを用いた衣類の提供が可能である。
本発明の経編地における非弾性糸としては、従来公知のものを使用することができる。具体的には、例えば、ナイロン、ポリエステルなどの合成繊維、レーヨン、アセテートなどの再生繊維、綿、絹などの天然繊維などからなるものを、経編地の用途や要求性能に合わせて適宜に選択して使用することができる。複数の繊維材料を組み合わせた複合糸も使用できる。通常、非弾性糸は伸び率100%未満である。
非弾性糸としては、1種の非弾性糸を用いても良いし、複数種の非弾性糸を組み合わせて用いても良い。
本発明の経編地における弾性糸としては、従来公知のものを使用することができる。具体的には、例えば、ポリウレタン繊維などの弾性繊維からなるものなどが使用できる。弾性糸に非弾性糸を被覆した被覆弾性糸や、非弾性繊維と弾性繊維とを組み合わせた複合糸なども使用できる。通常、伸び率150%以上、好ましくは200%以上である。
弾性糸としては、1種の弾性糸を用いても良いし、複数種の弾性糸を組み合わせて用いても良い。
本発明の経編地は、縁始末不要な特定編地部分を備える。
特定編地部分は、各々同行するフルセット分の非弾性糸から構成される第1の非弾性糸編成部分と、前記第1の非弾性糸編成部分における非弾性糸と逆行するフルセット分の非弾性糸から構成される第2の非弾性糸編成部分と、前記第1の非弾性糸編成部分における非弾性糸と同行するフルセット分の弾性糸から構成される第1の弾性糸編成部分と、前記第1の非弾性糸編成部分における非弾性糸と逆行するフルセット分の弾性糸から構成される第2の弾性糸編成部分とを少なくとも備える。
好ましくは、4〜12コースを繰り返し単位とし、各繰り返し単位において3〜5ウェールの範囲で左右に振られているものであり、より好ましくは、4コースを繰り返し単位とし、各繰り返し単位において3ウェールの範囲で左右に振られているものである。このような条件を満たすものにおいて、伸縮性、解れの生じ難さといった効果が特に良好に発揮されるものとなる。
前記変形アトラス組織を利用することで、アトラス組織を利用する場合と同様に、伸縮バランスに優れ、プレーンな経編地を提供することができるだけでなく、これに加えて、通気性にも優れた経編地となる。
好ましくは、6〜12コースを繰り返し単位とし、各繰り返し単位において3〜5ウェールの範囲で左右に振られているものであり、より好ましくは、6コースを繰り返し単位とし、各繰り返し単位において3ウェールの範囲で左右に振られているものである。このような条件を満たすものにおいて、伸縮性、解れの生じ難さといった効果が特に良好に発揮されるものとなる。
本発明の経編地は、上述のとおり、特定編地部分を備えるものであるが、特定編地部分以外の編地部分をも備えるものであってもよい。
特定編地部分と、特定編地部分以外の編地部分とを含む経編地は、例えば、ジャカード機構を備えた筬(ジャカード筬)を備えるジャカード編成装置により容易に形成することができる。
基本組織とこの基本組織から変化させてなる変化組織とを含むジャカード編成組織を採用することにより、柄や模様を有する経編地や、部分的に緊迫力の異なる経編地とすることができる。
ジャカード筬の全体作動は、パターンホイールや電子制御装置(EL機)などを用いて、一定数のコース毎に繰り返すパターン制御を行なうことができる。
ジャカードカードを使用せずに、電子的な記憶情報に基づく電子制御で、ジャカード筬の作動制御を行なうこともできる。この場合、コンピュータに入力された編成組織あるいは柄組織に関するデータから、ジャカード筬の各ゲージ位置における作動条件を演算し、その結果をジャカード筬の作動制御命令として出力することができる。
ジャカード編成装置に備えられたジャカード筬は、それぞれが通常のジャカード筬と同様のジャカード機構を備えていて、ゲージ位置毎の作用・非作用を制御できる。
本発明にかかる経編地を編成するに際しては、通常の編成装置および編成方法が適用できる。
経編機としては、特に限定されず、例えば、トリコット編機、ラッセル編機などが使用でき、また、ジャカード編成組織を編成する場合には、ジャカード機構を備えたジャカード編機が使用できる。
編成後は、セット加工や精練処理、染色処理等の、通常の経編地に行われている処理を施すことができる。
例えば、2.54cm(1インチ)当たり28ゲージ以下であっても、比較的高密度な編成が可能である。ただし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、2.54cm(1インチ)当たり32〜40ゲージ程度であってもよい。
また、時間としては、30秒〜2分であることが好ましく、30秒〜1分であることが好ましい。このような条件での熱処理によって、解れの防止効果が良好に向上する。
以下に、図1を参照しつつ、好ましい編成例を示す。
図1に示す編成例において、筬GB1に糸通しされた非弾性糸11による編成組織は、10/12/23/21//の繰り返し単位からなる。非弾性糸11はフルセットで糸通しされている。
この非弾性糸11による編成組織は、本発明にいう第1の非弾性糸編成部分を形成している。
すなわち、この非弾性糸12による編成組織は、本発明にいう第2の非弾性糸編成部分を形成している。
すなわち、この弾性糸21による編成組織は、本発明にいう第1の弾性糸編成部分を形成している。
すなわち、この弾性糸22による編成組織は、本発明にいう第2の弾性糸編成部分を形成している。
本発明の経編地は、上記編成例以外にも種々の編成例が適用可能である。
例えば、図2に示す編成組織図は、図1に示す編成組織図において、閉じ目・開き目を逆にしたものであるが(その他は図1に示す編成組織図と同様)、このように、閉じ目・開き目が異なる編成例を採用することもできる。
図2に示す編成組織図に基づく経編地は、図1に示す編成組織図に基づく経編地と比較すると、表面性状に若干の差があり、より凹凸感を有するものとなる。従って、経編地の触り心地にも差がある。
1繰り返し単位におけるコース数や、各繰り返し単位における振り幅も種々変更でき、さらには、鎖編を組み合わせるなどしてもよく、従って、多数の編成例が採用でき、本発明の適用可能性は広範にわたる。
いずれも、図1、図2に示す編成例と同様、第1の非弾性糸編成部分は、筬GB1にフルセットで糸通しされた非弾性糸11による編成組織から形成される。
また、第2の非弾性糸編成部分は、筬GB3にフルセットで糸通しされた非弾性糸12による編成組織から形成される。
また、第1の弾性糸編成部分は、筬GB2にフルセットで糸通しされた弾性糸21による編成組織から形成される。
また、第2の弾性糸編成部分は、筬GB4にフルセットで糸通しされた弾性糸22による編成組織から形成される。
図3(a)の編成例によれば、特に目面が綺麗な経編地を提供することができる。
図3(b)の編成例によれば、高密度な経編地を提供することができる。
また、筬GB2に糸通しされた非弾性糸11bによる編成組織も、10/12/23/21//の繰り返し単位からなる。非弾性糸11bもハーフセットで糸通しされている。
すなわち、非弾性糸11aによる編成組織と、非弾性糸11bによる編成組織とにより、各々同行するフルセット分の非弾性糸から構成される第1の非弾性糸編成部分が形成されている。
すなわち、この非弾性糸12による編成組織は、本発明にいう第2の非弾性糸編成部分を形成している。
すなわち、この弾性糸21による編成組織は、本発明にいう第1の弾性糸編成部分を形成している。
すなわち、この弾性糸22による編成組織は、本発明にいう第2の弾性糸編成部分を形成している。
図4に示す編成例においては、第1の非弾性糸編成部分が複数の編成組織(非弾性糸11aによる編成組織と、非弾性糸11bによる編成組織)で形成されたものであり、非弾性糸11aと非弾性糸11bとで異なる種類の非弾性糸を用いることも可能である。
これにより、例えば、第1の非弾性糸編成部分において、非弾性糸の種類の違いによる柄の生成なども可能となる。
なお、同様にして、第2の非弾性糸編成部分、第1の弾性糸編成部分、第2の弾性糸編成部分も、複数の編成組織で形成することが可能である。
この非弾性糸11による編成組織が、本発明にいう第1の非弾性糸編成部分を形成している。
すなわち、この非弾性糸12による編成組織は、本発明にいう第2の非弾性糸編成部分を形成している。
すなわち、この弾性糸21による編成組織は、本発明にいう第1の弾性糸編成部分を形成している。
すなわち、この弾性糸22による編成組織は、本発明にいう第2の弾性糸編成部分を形成している。
これにより、特定編地部分の他に、ジャカード柄組織を含む経編地を提供することができるのである。
なお、図6(a)では、参考のため、図5に示す基本組織を点線で示している。
この変化組織を採用すれば、厚地部分を形成することができる。
なお、図6(b)では、参考のため、図5に示す基本組織を点線で示している。
この変化組織を採用すれば、穴地部分を形成することができる。
そして、筬GB3にフルセットで糸通しされた弾性糸21による編成組織も、上記ジャカード編成組織(基本組織)と同様の繰り返し単位からなる。
他方、これらと逆行するように、筬GB2にフルセットで糸通しされた非弾性糸12による編成組織と、筬GB4にフルセットで糸通しされた弾性糸22による編成組織は、23/23/21/10/10/12//の繰り返し単位からなる。
従って、図7に示す編成例は、本発明にいう特定編地部分を構成するものである。
なお、図8(a)では、参考のため、図7に示す基本組織を点線で示している。
この変化組織を採用すれば、厚地部分を形成することができる。
なお、図8(b)では、参考のため、図7に示す基本組織を点線で示している。
この変化組織を採用すれば、穴地部分を形成することができる。
また、筬GB2に糸通しされた非弾性糸11bによる編成組織も、10/10/12/23/23/21//の繰り返し単位からなる。非弾性糸11bもハーフセットで糸通しされている。
すなわち、非弾性糸11aによるジャカード編成組織と、非弾性糸11bによる編成組織とにより、各々同行するフルセット分の非弾性糸から構成される第1の非弾性糸編成部分が形成されている。
筬GB3に糸通しされた非弾性糸12bによる編成組織も、23/23/21/10/10/12//の繰り返し単位からなる。非弾性糸12bもハーフセットで糸通しされている。
これらの非弾性糸12a,12bは、第1の非弾性糸編成部分における非弾性糸11a,11bと逆行している。
すなわち、非弾性糸12aによるジャカード編成組織と、非弾性糸12bによる編成組織とにより、第1の非弾性糸編成部分における非弾性糸と逆行するフルセット分の非弾性糸から構成される第2の非弾性糸編成部分が形成されている。
すなわち、この弾性糸21による編成組織は、本発明にいう第1の弾性糸編成部分を形成している。
すなわち、この弾性糸22による編成組織は、本発明にいう第2の弾性糸編成部分を形成している。
従って、図9に示す編成例は、本発明にいう特定編地部分を構成するものである。
また、非弾性糸12aによる変化組織は、34/23/21/10/21/23//の繰り返し単位からなる。
なお、図10(a)では、参考のため、図9に示す基本組織を点線で示している。
これらの変化組織を採用すれば、厚地部分を形成することができる。
また、非弾性糸12aによる変化組織は、23/23/32/21/21/12//の繰り返し単位からなる。
なお、図10(b)では、参考のため、図9に示す基本組織を点線で示している。
これらの変化組織を採用すれば、穴地部分を形成することができる。
本発明にかかる経編地は、例えば、ファンデーションやインナーウェア、スポーツウェア、アウターウェアなどの衣類やカーテンなどに好適に利用できる。
本発明にかかる経編地を他の生地に縫い付けて衣類を作製することもできる。この場合、例えば、本発明にかかる経編地の一端のみを他の生地に縫い付ける(他端は縫い付けない)ような使用態様も可能である。本発明の経編地によれば、縁始末がなくても解れが生じ難いので、縫い付けを行わない他端においても、解れを生じてしまう懸念が殆どないからである。
図1に示す編成組織で編成された経編地(経編地幅140cm、61ウェール/inch、120コース/inch、目付157g/m2)を作製した。なお、編成後は、190℃で1分間熱処理を施すようにした。
編成装置としては、カールマイヤー社製のRSE5EL(28ゲージ)を用いた。
編成組織の詳細については既述したので、説明を割愛する。
GB1,GB3:Nylon17dt−7f−ブライト糸(東レ社製)
また、弾性糸21による編成組織(フルセット)及び弾性糸22による編成組織(フルセット)は、下記の糸使いで編成した。使用糸量は98cm/R(整経ストレッチ100%)とした。
GB2,GB4:Lycra(登録商標)22dt−127−クリヤー糸(東レ・オペロンテックス社製)
図2に示す編成組織で編成された経編地(経編地幅140cm、61ウェール/inch、120コース/inch、目付163g/m2)を作製した。なお、編成後は、190℃で1分間熱処理を施すようにした。
編成装置としては、カールマイヤー社製のRSE5EL(28ゲージ)を用いた。
編成組織の詳細については既述したので、説明を割愛する。
GB1,GB3:Nylon17dt−7f−ブライト糸(東レ社製)
また、弾性糸21による編成組織(フルセット)及び弾性糸22による編成組織(フルセット)は、下記の糸使いで編成した。使用糸量は105cm/R(整経ストレッチ100%)とした。
GB2,GB4:Lycra(登録商標)22dt−127−クリヤー糸(東レ・オペロンテックス社製)
ジャカード機構を利用し、図5、図6(a)及び図6(b)に示す各編成組織を組み合わせて編成された経編地(経編地幅140cm、61ウェール/inch、120コース/inch、目付161g/m2)を作製した。なお、編成後は、190℃で1分間熱処理を施すようにした。
編成装置としては、カールマイヤー社製のRSJ4/1(28ゲージ)を用いた。
編成組織の詳細については既述したので、説明を割愛する。
JB1,GB2:Nylon17dt−7f−ブライト糸(東レ社製)
また、弾性糸21による編成組織(フルセット)及び弾性糸22による編成組織(フルセット)は、下記の糸使いで編成した。使用糸量は98cm/R(整経ストレッチ100%)とした。
GB3,GB4:Lycra(登録商標)22dt−127−クリヤー糸(東レ・オペロンテックス社製)
実施例3とは異なる糸使いで、ジャカード機構を利用し、図5、図6(a)及び図6(b)に示す各編成組織を組み合わせて編成された経編地(経編地幅150cm、57ウェール/inch、100コース/inch、目付216g/m2)を作製した。なお、編成後は、190℃で1分間熱処理を施すようにした。
編成装置としては、カールマイヤー社製のRSJ4/1(28ゲージ)を用いた。
編成組織の詳細については既述したので、説明を割愛する。
JB1:Tetoron(登録商標)33dt−24f−ブライト糸(東レ社製)
また、非弾性糸12による編成組織(フルセット)は下記の糸使いで編成した。使用糸量は120cm/Rとした。
GB2:Nylon33dt−26f−フルダル糸(東レ社製)
また、弾性糸21による編成組織(フルセット)及び弾性糸22による編成組織(フルセット)は、下記の糸使いで編成した。使用糸量は100cm/R(整経ストレッチ100%)とした。
GB3,GB4:Lycra(登録商標)22dt−127−クリヤー糸(東レ・オペロンテックス社製)
図3(d)に示す編成組織で編成された経編地(経編地幅140cm、61ウェール/inch、108コース/inch、目付162g/m2)を作製した。なお、編成後は、190℃で1分間熱処理を施すようにした。
編成装置としては、カールマイヤー社製のRSE5EL(28ゲージ)を用いた。
編成組織の詳細については既述したので、説明を割愛する。
GB1,GB3:Nylon22dt−7f−セミダル糸(東レ社製)
また、弾性糸21による編成組織(フルセット)及び弾性糸22による編成組織(フルセット)は、下記の糸使いで編成した。使用糸量は98cm/R(整経ストレッチ100%)とした。
GB2,GB4:Lycra(登録商標)22dt−127−クリヤー糸(東レ・オペロンテックス社製)
ジャカード機構を利用し、図7、図8(a)及び図8(b)に示す各編成組織を組み合わせて編成された経編地(経編地幅140cm、61ウェール/inch、108コース/inch、目付166g/m2)を作製した。なお、編成後は、190℃で1分間熱処理を施すようにした。
編成装置としては、カールマイヤー社製のRSJ4/1(28ゲージ)を用いた。
編成組織の詳細については既述したので、説明を割愛する。
JB1,GB2:Nylon22dt−7f−セミダル糸(東レ社製)
また、弾性糸21による編成組織(フルセット)及び弾性糸22による編成組織(フルセット)は、下記の糸使いで編成した。使用糸量は98cm/R(整経ストレッチ100%)とした。
GB3,GB4:Lycra(登録商標)22dt−127−クリヤー糸(東レ・オペロンテックス社製)
図4に示す編成組織で編成された経編地(経編地幅140cm、61ウェール/inch、108コース/inch、目付162g/m2)を作製した。なお、編成後は、190℃で1分間熱処理を施すようにした。
編成装置としては、カールマイヤー社製のRSE5EL(28ゲージ)を用いた。
編成組織の詳細については既述したので、説明を割愛する。
GB1:Nylon22dt−7f−ブライト糸(東レ社製)
非弾性糸11bによる編成組織(ハーフセット)及び非弾性糸12による編成組織(フルセット)は、下記の糸使いで編成した。使用糸量は110cm/Rとした。
GB2,GB4:Nylon22dt−7f−セミダル糸(東レ社製)
弾性糸21による編成組織(フルセット)及び弾性糸22による編成組織(フルセット)は下記の糸使いで編成した。使用糸量は98cm/R(整経ストレッチ100%)とした。
GB3,GB5:Lycra(登録商標)22dt−127−クリヤー糸(東レ・オペロンテックス社製)
ジャカード機構を利用し、図9、図10(a)及び図10(b)に示す各編成組織を組み合わせて編成された経編地(経編地幅140cm、61ウェール/inch、108コース/inch、目付166g/m2)を作製した。なお、編成後は、190℃で1分間熱処理を施すようにした。
編成装置としては、カールマイヤー社製のRSJ5/1(28ゲージ)を用いた。
編成組織の詳細については既述したので、説明を割愛する。
JB1−1,JB1−2,GB2,GB3:Nylon22dt−7f−セミダル糸(東レ社製)
また、弾性糸21による編成組織(フルセット)及び弾性糸22による編成組織(フルセット)は、下記の糸使いで編成した。使用糸量は98cm/R(整経ストレッチ100%)とした。
GB4,GB5:Lycra(登録商標)22dt−127−クリヤー糸(東レ・オペロンテックス社製)
得られた経編地は、いずれも、編成し易く、目面が綺麗であり、また、どの方向に裁断しても、解れが極めて生じ難いものであった。
実施例1〜4,7においては、アトラス組織を利用したので、伸縮バランスに優れ、プレーンな経編地となった。また、実施例5,6,8の経編地においては、変形アトラス組織を利用したことで、伸縮バランスに優れ、プレーンな経編地であって、通気性にも優れた経編地が得られた。
実施例3の経編地においては、ジャカード機構による組織変化により、千鳥柄を含む経編地が得られた。
また、実施例4の経編地においては、ジャカード機構による組織変化により、水玉柄を含む経編地が得られた。
さらに、実施例6の経編地は、ジャカード機構による組織変化により、水玉柄を含む経編地が得られた。
実施例7,8の経編地においては、ハーフセットの編成組織を組み合わせてフルセット分の編成部分を構成するようにしたので、使用できる糸の種類が増加した。さらに、実施例8の経編地は、ジャカード機構による組織変化により、ストライプ柄を含む経編地が得られた。
すなわち、
実施例1の経編地の破裂強度=274kPa
実施例2の経編地の破裂強度=274kPa
実施例3の経編地の破裂強度=316kPa
実施例4の経編地の破裂強度=388kPa
実施例5の経編地の破裂強度=240kPa
実施例6の経編地の破裂強度=251kPa
実施例7の経編地の破裂強度=303kPa
実施例8の経編地の破裂強度=255kPa
であった。
ここで、破裂強度の測定については、JIS L−1018 A法(ミューレン形法)に準じて行った。但し、試験布を全方位に50%伸長させて測定を行った。
12,12a,12b 非弾性糸
21,22 弾性糸
GB1〜GB5 通常の筬
JB1,JB1−1,JB1−2 ジャカード筬
Claims (7)
- 縁始末不要な特定編地部分を備える経編地であって、
前記特定編地部分が、
各々同行するフルセット分の非弾性糸から構成される第1の非弾性糸編成部分と、
前記第1の非弾性糸編成部分における非弾性糸と逆行するフルセット分の非弾性糸から構成される第2の非弾性糸編成部分と、
前記第1の非弾性糸編成部分における非弾性糸と同行するフルセット分の弾性糸から構成される第1の弾性糸編成部分と、
前記第1の非弾性糸編成部分における非弾性糸と逆行するフルセット分の弾性糸から構成される第2の弾性糸編成部分と
を少なくとも備え、
前記特定編地部分における前記各編成部分がアトラス組織で構成されているアトラス編地部分であり、当該アトラス編地部分において、前記各編成糸が、4〜12コースを繰り返し単位とし、各繰り返し単位において3〜5ウェールの範囲で左右に振られているものである、
経編地。 - 前記アトラス編地部分において、前記各編成糸が、4コースを繰り返し単位とし、各繰り返し単位において3ウェールの範囲で左右に振られているものである、請求項1に記載の経編地。
- 縁始末不要な特定編地部分を備える経編地であって、
前記特定編地部分が、
各々同行するフルセット分の非弾性糸から構成される第1の非弾性糸編成部分と、
前記第1の非弾性糸編成部分における非弾性糸と逆行するフルセット分の非弾性糸から構成される第2の非弾性糸編成部分と、
前記第1の非弾性糸編成部分における非弾性糸と同行するフルセット分の弾性糸から構成される第1の弾性糸編成部分と、
前記第1の非弾性糸編成部分における非弾性糸と逆行するフルセット分の弾性糸から構成される第2の弾性糸編成部分と
を少なくとも備え、
前記特定編地部分における前記各編成部分が、アトラス組織と鎖編組織とを組み合せた変形アトラス組織から構成されている変形アトラス編地部分である、
経編地。 - 前記変形アトラス編地部分において、前記各編成糸が、6〜12コースを繰り返し単位とし、各繰り返し単位において3〜5ウェールの範囲で左右に振られているものである、請求項3に記載の経編地。
- 前記変形アトラス編地部分において、前記各編成糸が、6コースを繰り返し単位とし、各繰り返し単位において3ウェールの範囲で左右に振られているものである、請求項4に記載の経編地。
- ジャカード柄組織を含む、請求項1から5までのいずれかに記載の経編地。
- 請求項1から6までのいずれかに記載の経編地からなる、衣類。
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