JP6576863B2 - 缶体組立装置及び缶体組立方法 - Google Patents

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Description

本発明は、円筒形の容器の製造工程で用いられる缶体組立装置及び缶体組立方法に関するものである。
変圧器などに用いられる円筒形の容器は大型容器であるため、その容器の元になる缶体の製作は、一般に、缶体を側面の部分と底面の部分に分けて行われる。缶体の製作工程は、例えば、側面の部分に対応する部品である筒体と底面の部分に対応する部品である底板部材とをそれぞれ製作する第1の工程と、第1の工程で製作した筒体の開口端に底板部材を溶接などで接合する第2の工程とで構成されている。
そして、第1の工程における筒体の製作では、例えば、シート状の鋼板をプレス装置等で筒状に成形した後、両端の継ぎ目をアーク溶接などで溶接して筒体が製作される。また、第1の工程における底板部材の製作では、例えば、シート状の鋼板を金型で円形に打ち抜いた後、絞り加工により所定の形状(例えば、周縁部に垂直の折り返し部を設けた底の浅い盆の形状など)に成形して底板部材が製作される。
また、第2の工程では、筒体の中空部の所定の位置に底板部材を圧入した後、底板部材の周縁を缶体の内側面に溶接などで溶接して円筒形の缶体が製作される。筒体の開口端に圧入した底板部材の溶接処理では、例えば、特許文献1に示されるように、溶接ロボットを用いて底板部材の円周部と筒体の開口端の溶接が行われる。
特開2003−33872号公報
溶接ロボットを用いて底板部材の円周部と筒体の開口端の溶接を行う場合、溶接箇所(底板部材の円周部と筒体の開口端との継ぎ目)に生じる隙間(以下、「ギャップ」という。)は、可及的に密着状態(隙間ゼロの状態)であることが望ましい。
しかしながら、筒体は、シート状の鋼板を筒状に成形した後、両端の継ぎ目を溶接して製作されるので、筒体の断面形状を真円の形状に成形することは困難である。その一方、底板部材は、シート状の鋼板を金型で円形に打ち抜いた後、絞り加工で所定の形状に成形して製作されるので、底板部材の形状を筒体の断面形状よりも高い精度で真円に近い形状にすることができる。
このため、溶接工程におけるワーク(底板部材を筒体に取り付けた被加工体)の製作は、ギャップを可及的に小さくするために、筒体に底板部材を圧入する方法が採られている。断面円形の筒体の内径と円形の底板部材の外径とが略同一の寸法になっているので、従来は、作業者の手作業により底板部材の筒体への圧入作業が行われているのが実情である。
産業用ロボットを用いて底板部材の筒体への圧入作業ができれば、缶体の製作工程の無人化を図ることができ、作業効率の向上や製造コストの低減に寄与するが、従来、産業用ロボットを用いて底板部材の筒体への圧入作業をする方法は提案されておらず、実用化もされていない。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、缶体の製作工程における無人化を図ることができる缶体組立装置及び缶体組立方法を提供することを目的とする。
本発明に係る缶体組立装置は、一方端又は両端が開口した筒体の側面を相対向する2つの方向から押圧して、前記筒体の断面形状を変形する筒体変形手段と、前記筒体の断面形状と同一の形状を有する板状部材を、当該板状部材の板面を傾斜させた第1の姿勢に保持して前記筒体の開口端から中空部に挿入した後、前記板状部材の姿勢を前記板面の傾斜角が小さくなる方向に変化させて、前記板状部材の周縁を前記筒体の内側面に係止させる板状部材挿入手段と、前記筒体の内側面に係止させた板状部材を前記筒体の開口端側の所定の位置に移動させる板状部材移動手段とを備える、缶体組立装置である。
本発明に係る缶体組立装置によれば、筒体の断面形状を変形させ、板状部材の姿勢を板面が傾斜させた姿勢にして筒体の開口端から中空部に挿入した後、板状部材の姿勢を変化させて板状部材を筒体の中空部に係止させて筒体の所定の位置に移動させるので、筒体の中空部の所定の位置に板状部材を圧入して缶体を組み立てる作業を自動化することができる。これにより、板状部材が圧入された缶体を組み立てる組立工程の省人化を図ることができる。
上記の缶体組立装置において、前記筒体変形手段は、前記2つの方向の前記筒体よりも外側の位置に、前記筒体の中心軸に向かう方向に進退可能に設けられた一対の第1の押圧手段と、前記2つの方向に対して直交する2つの方向の前記筒体よりも外側の位置に、前記筒体の中心軸に向かう方向に進退可能に設けられた一対の第2の押圧手段と、前記2つの方向の軸を短軸とし、前記2つの方向に対して直交する2つの方向の軸を長軸とする楕円形を演算する演算手段と、前記一対の第1の押圧手段が前記筒体の側面に当接する位置を前記演算手段が算出した楕円形の短軸の両端位置に制御する第1の制御手段と、前記一対の第2の押圧手段が前記筒体の側面に当接する位置を前記演算手段が算出した楕円形の長軸の両端位置に制御する第2の制御手段と、を含む構成にするとよい。
上記の缶体組立装置によれば、楕円形の短軸と長軸の寸法を演算し、円筒体の側面を対向する2つの方向から押圧する第1の押圧手段の押圧位置を楕円形の短軸の両端位置に制御し、第1の押圧手段に対して直交する方向から円筒体の側面を押圧する第2の押圧手段の押圧位置を楕円形の長軸の両端位置に制御するので、円筒体の断面形状を精度よく楕円形に変形させることができる。これにより、断面形状を楕円形に変形した筒体に開口端側から板状部材を容易に挿入することができる。
また、上記の缶体組立装置において、前記板状部材移動手段は、前記筒体の中空部に係止された板状部材に当接する当接手段と、前記板状部材に当接した当接手段を前記筒体の開口端側に移動させる第3の制御手段と、前記所定の位置に配置され、前記当接手段による前記板状部材の移動を規制する移動規制手段と、を含む構成にするとよい。
上記の缶体組立装置によれば、板状部材を筒体の中空部に係止させた後、筒体の中空部の所定の位置に移動規制手段を配置し、当接部材で板状部材を開口端側に移動規制手段側で移動が規制される位置まで移動させるので、板状部材を筒体の所定の位置に圧入した缶体を精度よく組み立てることができる。
また、上記の缶体組立装置において、前記所定の位置は、前記筒体の開口端であり、前記板状部材は、前記筒体の開口端を封じる底板部材であり、前記移動規制手段は、前記板状部材挿入手段が前記板状部材を前記筒体に挿入した後、前記筒体の開口端に載置される押え部材であるとよい。
上記の缶体組立装置によれば、筒体の一方の開口端に底板部材を圧入した後、筒体と底板部材を溶接して組み立てる缶体の一連の製造工程の省人化を図ることができる。
また、上記の缶体組立装置において、前記筒体変形手段は、アーム先端に押圧ツールが取り付けられた第1のロボットで構成され、前記板状部材挿入手段は、アーム先端に前記板状部材を保持する保持ツールが取り付けられた第2のロボットで構成されるとよい。
上記の缶体組立装置によれば、筒体の断面形状を変形する工程と断面形状を変形した筒体に板状部材を挿入する工程をロボットによって行うので、缶体の中空部への板状部材の挿入工程の省人化を図ることができる。
また、上記の缶体組立装置において、前記板状部材移動手段は、作業台の前記筒体が縦に載置される位置に配置されたジャッキと、アーム先端に前記押え部材を保持する保持ツールが取り付けられた第3のロボットと、で構成されるとよい。
上記の缶体組立装置によれば、缶体の中空部に挿入した板状部材を所定の位置に設定する工程をロボットによって行うので、筒体の中空部の所定の位置に板状部材を圧入する一連の工程の省人化を図ることができる。
本発明に係る缶体組立方法は、アーム先端に押圧ツールが取り付けられた2つの第1のロボットで、一方端又は両端が開口した筒体の側面を相対向する2つの方向からそれぞれ押圧して、前記缶体の断面形状を変形する第1の工程と、アーム先端に保持ツールが取り付けられた第2のロボットで、前記筒体の断面形状と同一の形状を有する板状部材を保持し、当該板状部材の板面を傾斜させた姿勢に保持して前記筒体の開口端から中空部に挿入した後、前記板状部材の姿勢を前記板面の傾斜角が小さくなる方向に変化させて、前記板状部材の周縁を前記筒体の内側面に係止させる第2の工程と、アーム先端に押え部材を保持する保持ツールが取り付けられた第3のロボットで、前記筒体の開口端に前記押え部材を載置する第3の工程と、前記筒体の中空部の前記板状部材の下部に配置されたジャッキで前記板状部材を前記押え部材に当接する位置まで上昇移動させる第4の工程とを備える、缶体組立方法である。
本発明に係る缶体組立方法によれば、筒体の断面形状を変形させ、板状部材の姿勢を板面が傾斜させた姿勢にして筒体の開口端から中空部に挿入した後、板状部材の姿勢を変化させて板状部材を筒体の中空部に係止させて筒体の所定の位置に移動させるので、筒体の中空部の所定の位置に板状部材を圧入して缶体を組み立てる作業を自動化することにより、板状部材が圧入された缶体を組み立てる一連の組立工程の省人化を図ることができる。
本発明に係る缶体組立装置及び缶体組立方法によれば、板状部材が圧入された缶体を組み立てる一連の組立工程を自動化することができ、缶体の組立工程の省人化を図ることができる。また、板状部材が圧入された缶体の組立作業に起因するバラツキを低減することができ、後工程における板状部材と筒体との溶接工程の安定化を図ることができる。
実施の形態1に係る缶体組立装置で組み立てられる缶体の一例を示す図 同缶体組立装置の構成の概要を示す図 同缶体組立装置の構成要素である筒体変形装置の構成の一例を示す上面図 同缶体組立装置の構成要素である筒体変形装置の構成の一例を示す側面図 同缶体組立装置の構成要素である底板部材位置決め装置の押え部材の構成を示す図 同筒体変形装置が筒体の断面形状を真円に矯正する動作を説明するための図 同筒体変形装置が筒体の断面形状を楕円形に変更する動作を説明するための図 同缶体組立装置の構成要素である底板部材挿入装置が底板部材を搬送する位置を説明するための図 同缶体組立装置の構成要素である底板部材挿入装置による底板部材の姿勢の制御方向を説明するための図 同缶体組立装置の構成要素である底板部材挿入装置による底板部材の傾斜姿勢を説明するための図 同缶体組立装置の構成要素である筒体変形装置により筒体の形状を変更しながら底板部材の筒体への挿入動作をする場合の底板部材挿入装置の動作を説明するための図 同缶体組立装置の構成要素である底板部材位置決め装置による筒体の中空部内における底板部材の位置決め動作を説明するための図 同缶体組立装置の構成要素である底板部材位置決め装置による筒体の中空部内における底板部材の位置決め動作の変形例を説明するための図
以下、本発明に係る缶体組立装置の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態1においては、変圧器のタンクの材料となる断面円形の缶体を組み立てる缶体組立装置を例に説明する。また、缶体組立装置が組み立てる缶体の例として、図1に示す缶体200を例に説明する。なお、図1に示す缶体200は、缶体200の底面側を上にした斜視図である。
缶体200は、両端が開口した断面形状が円形の筒体201と、筒体201の内径と略同一の外径を有する円形の底板部材202とを組み合わせて作製されている。すなわち、缶体200は、筒体201の一方の開口端(図1では、上側の開口端)に底板部材202を圧入した後、底板部材202の周縁と筒体201とを溶接することによって作成される。
図2は、缶体200を組み立てるための缶体組立システムの構成の概要を示す図である。
図2に示す缶体組立システム1は、筒体ストッカー11、筒体搬入/排出装置12、底板部材ストッカー13、底板部材挿入装置14、筒体変形装置15、底板部材位置決め装置16、溶接装置17及び缶体排出台18を備える。缶体組立システム1の底板部材挿入装置14、筒体変形装置15及び底板部材位置決め装置16は、本発明に係る缶体組立装置の構成要素に相当している。以下の説明では、必要に応じて、底板部材挿入装置14、筒体変形装置15及び底板部材位置決め装置16の部分を「缶体組立装置A」と称して説明する。
筒体ストッカー11は、缶体組立装置Aに供給する缶体200の材料である筒体201をストックする。筒体ストッカー11には、図示省略の筒体作製場所で作製された筒体201が搬送装置によって搬送され、集積される。筒体201は、例えば、シート状の鋼板から所定の長さと幅を有する帯状の鋼板を切り出し、その鋼板をプレス装置などによって筒状に成形した後、両端をアーク溶接などで接続することにより作製されている。なお、帯状の鋼板の幅寸法は、筒体201の高さに相当する寸法であり、長手方向の長さは、筒体201の円筒外周の長さに相当する寸法である。
筒体搬入/排出装置12は、筒体ストッカー11にストックされている複数個の筒体201から1個の筒体201を取り出し、缶体組立装置Aの所定の作業位置Pに搬送する。また、筒体搬入/排出装置12は、缶体組立装置Aで缶体200の作製作業が終了すると、その缶体200を缶体排出台18に排出する。筒体搬入/排出装置12は、例えば、アームの先端に缶体200を保持する保持ツールが取り付けられたロボットで構成されている。筒体搬入/排出装置12に用いるロボットには、通常、6軸のロボットが用いられるが、保持ツールを水平方向(水平面内のXY座標において、X軸方向とY軸方向)と垂直方向(XY座標の原点に対して高さ方向に延びるZ軸方向)に移動させることができるアーム構成を有するロボットであれば、6軸以外のロボットであってもよい。缶体200の保持ツールには、例えば、マグネットによる吸着ツールが用いられる。
筒体搬入/排出装置12は、筒体ストッカー11の筒体供給位置にアームを伸ばし、その位置に立てた状態で載置されている筒体201を吸着ツールで吸着した後、持ち上げて缶体組立装置Aの作業位置Pまで搬送し、立てた姿勢で作業位置Pに載置する。また、筒体搬入/排出装置12は、缶体組立装置Aで缶体200の作製作業が終了すると、その缶体200を吸着ツールで吸着した後持ち上げて缶体排出台18まで搬送する。そして、筒体搬入/排出装置12は、缶体200を缶体排出台18の上に載置する。
底板部材ストッカー13は、缶体組立装置Aに供給する缶体200の材料である底板部材202をストックする。底板部材ストッカー13には、図示省略の底板部材作製場所で作製された底板部材202が搬送装置によって搬送され、集積される。底板部材202は、例えば、シート状の鋼板から金型を用いて所定の直径を有する円形の鋼板を打ち抜いた後、絞り加工でその円形の鋼板を所定の形状に成形することにより作製されている。なお、所定の形状は、図1に示されるように、円形の鋼板の一方面の周縁部に円周に沿って凸条202Aを形成した形状である。
底板部材挿入装置14は、底板部材ストッカー13にストックされている複数個の底板部材202から1個の底板部材202を取り出し、缶体組立装置Aの作業位置Pに載置されている筒体201の上方位置まで搬送する。そして、底板部材挿入装置14は、底板部材202の姿勢を所定の傾斜姿勢に制御して筒体201の開口端から当該筒体201の中空部に挿入した後、底板部材202の姿勢を水平姿勢に戻すことによって底板部材202の周縁部を筒体201の内側面に係止させる。水平姿勢は、底板部材202の板面が水平となる姿勢であり、傾斜姿勢は、底板部材202の板面が水平面に対して所定の角度θ[°]で傾斜した姿勢である。底板部材挿入装置14が行う底板部材202の筒体201への挿入動作の詳細については、後述する。
底板部材挿入装置14も、例えば、アームの先端に底板部材202を保持する保持ツールが取り付けられたロボットで構成されている。底板部材挿入装置14に用いるロボットにも、通常、6軸のロボットが用いられるが、保持ツールを水平方向と垂直方向に移動させることができるアーム構成を有するロボットであれば、6軸以外のロボットであってもよい。底板部材202の保持ツールには、例えば、マグネットによる吸着ツールが用いられる。
底板部材挿入装置14は、底板部材ストッカー13の底板部材供給位置にアームを伸ばし、その位置に板面を水平にして載置されている底板部材202を吸着ツールで吸着した後、持ち上げて缶体組立装置Aの作業位置Pに載置されている筒体201の上方位置まで搬送する。そして、底板部材挿入装置14は、底板部材202の姿勢を水平姿勢から傾斜姿勢に変更した後、底板部材202を下降させて筒体201の開口端から当該筒体201の中空部内に挿入する。
なお、底板部材挿入装置14が底板部材202を缶体組立装置Aに供給するときには、後述するように、缶体組立装置Aの作業位置Pに載置されている筒体201は、断面形状が筒体変形装置15によって円形から楕円形に変形されている。底板部材挿入装置14は、底板部材202の姿勢を水平姿勢から傾斜姿勢に変化させるとき、底板部材202の板面と水平面とが交差する軸を筒体201の断面形状における楕円形の長軸と平行にして板面を所定の角度θだけ傾斜させる。底板部材挿入装置14の底板部材202を筒体201に挿入する際の姿勢制御については、後述する。
筒体変形装置15は、筒体搬入/排出装置12によって缶体組立装置Aの作業位置Pに載置(セット)された筒体201の断面形状を所定の楕円形に変形させる。筒体変形装置15は、作業位置Pに立った姿勢で載置されている筒体201の相対向する2つの方向から筒体201の側面を押圧して筒体201の断面形状を円形から楕円形に変形される。
図3は、筒体変形装置15の構成の一例を示す上面図、図4は、同筒体変形装置15の側面図である。なお、また、図3では、押え部材162の作図を省略している。また、図4では、昇降機153の構成要素のうち、第2の押圧ロッド152A,152Bを昇降させるための第2の昇降板1533B、第2の昇降機構1534B及び駆動源の部分は省略している。
筒体変形装置15は、作業位置Pが設けられた基台20の上に設けられている。筒体変形装置15は、作業位置Pにセットされた筒体201の側面を相対向する2つの方向から押圧する2つの第1の押圧ロッド151A,151Bと、2つの第1の押圧ロッド151A,151Bを結ぶ軸N1に対して直交する軸N2上に配置され、筒体201の側面を相対向する2つの方向から押圧する2つの第2の押圧ロッド152A,152Bと、第1の押圧ロッド151A,151B及び第2の押圧ロッド152A,152Bを昇降させる昇降機153と、を備える。
昇降機153には平行に配置された一対の支持棒1531,1532が昇降可能に取り付けられている。そして、一方の支持棒1531(図3では、上側の支持棒)に第1の押圧ロッド151Aと第2の押圧ロッド152Aが固定され、他方の支持棒1532(図3では、下側の支持棒)に第1の押圧ロッド151Bと第2の押圧ロッド152Bが固定されている。
基台20は、図3に示すように、横長長方形の直方体形状を有し、長手方向の一方端寄り(図3では、右端寄り)の所定の位置に作業位置Pが設定されている。筒体変形装置15の昇降機153は、一対の支持棒1531,1532を作業位置Pの方向に延ばして基台41の作業位置Pの左側に配設されている。昇降機153は、一対の支持棒1531,1532で挟まれた空間の略中央に作業位置Pが位置するように、基台20に配設されている。
支持棒1531における軸N1が交差する位置QA1と、支持棒1531における軸N2が交差する位置QA2と、支持棒1532における軸N1が交差する位置QB1と、支持棒1532における軸N2が交差する位置QB2を、図3に示すように、軸N1と軸N2の交点を作業位置Pに一致させ、軸N1が支持棒1531,1532に対して45[°]傾斜するように設定した場合の交差位置と定義する。第1の押圧ロッド151Aと第2の押圧ロッド152Aは、支持棒1531の位置QA1と位置QA2に固定されている。また、第2の押圧ロッド152Bと第1の押圧ロッド151Bは、支持棒1532の位置QB2と位置QB1に固定されている。
4個の押圧ロッド151A,151B,152A,152Bは、同一の構成を有し、それぞれ棒状の伸縮可能なロッドRと、当該ロッドRを伸縮させる駆動部を備えている。4個の押圧ロッド151A,151B,152A,152Bは、ロッドRを伸縮させて当該ロッドRの先端を筒体201の側面に当接させ、第1の押圧ロッド151A,151Bの各当接位置と第2の押圧ロッド152A,152Bの各当接位置とを制御することにより、筒体201の断面形状を任意の楕円形(円形を含む)に変形させる。
第1の押圧ロッド151Aは、ロッドRが軸N1に沿って作業位置Pの方向に伸縮する向きに支持棒1531の位置QA1に固定され、第2の押圧ロッド152Aは、ロッドRが軸N2に沿って作業位置Pの方向に伸縮する向きに支持棒1531の位置QA2に固定されている。また、第2の押圧ロッド152Bは、ロッドRが軸N2に沿って作業位置Pの方向に伸縮する向きに支持棒1532の位置QB2に固定され、第1の押圧ロッド151Bは、ロッドRが軸N1に沿って作業位置Pの方向に伸縮する向きに支持棒1532の位置QB1に固定されている。
昇降機153は、支持棒1531が固定された第1の昇降板1533Aと、第1の昇降板1533Aを昇降させる第1の昇降機構1534Aと、支持棒1532が固定された第2の昇降板1533Bと、第2の昇降板1533Bを昇降させる第2の昇降機構1534Bと、第1,第2の昇降機構1534A,1534Bの駆動力を供給する駆動源1535を備える。
第1,第2の昇降機構1534A,1534Bは、例えば、回転力を直進力に変換する機構部品で構成されている。回転力を直進力に変換する機構部品としては、例えば、ボールネジやラック・アンド・ピニオン等の機構部品を用いることができる。図3は、第1,第2の昇降機構1534A,1534Bにボールネジを用いる場合の例であるが、第1の昇降板1533Aと第2の昇降板1533BにそれぞれナットNTを取り付け、そのナットNTに基台20に垂直に固定したネジ軸SCを螺合させた構成になっている。そして、駆動源1535から駆動力を第1,第2の昇降機構1534A,1534Bの各ネジ軸に伝達して各ネジ軸SCを回転させることにより、第1,第2の昇降機構1534A,1534Bを上方向又は下方向に移動させる構成になっている。
底板部材位置決め装置16は、筒体201の中空部に係止された底板部材202を中空部の所定の位置に位置決めする。底板部材位置決め装置16は、底板押上装置161と、押え部材162とを備える。
底板押上装置161は、筒体201の中空部に係止されている底板部材202を下方位置から上方に押し上げる装置である。底板押上装置161は、図4に示すように、基台20の作業位置Pの下部に設けられている。底板押上装置161は、底板部材202の下面に当接させる当接部材と、その当接部材を上下方向に移動させる移動機構とによって構成される。底板押上装置161には、例えば、ネジ軸の先端に当接部が取り付けられたボールネジ(スクリュージャッキ)、ラックの先端部に当接部が取り付けられたラック・アンド・ピニオン、ロッドRの先端に当接部が取り付けられた油圧シリンダーなどの各種の機構を用いることができる。
図4に示す底板押上装置161は、上端に当接部1611Aが設けられたネジ軸1611と、ネジ軸1611に螺合したナット1612とからなるボールネジで構成した例である。ナット1612は、筐体に固定されているので、ネジ軸1611が図示省略のモータなどの駆動源1613から供給される駆動力によって回転すると、ネジ軸1611が上下に移動して当接部1611Aが上下に移動する。従って、底板押上装置161は、ネジ軸1611を上方に移動させて当接部1611Aを底板部材202の下面に当接させた後、さらにネジ軸1611を上方に移動させることにより底板部材202を上方に押し上げる。
押え部材162は、底板押上装置161によって押し上げられる底板部材202の上方移動を所定の位置で規制する。すなわち、底板部材202が所定の位置まで上昇すると、底板部材202をその位置に停止させる。
押え部材162は、図5に示すように、3個の梁1621を水平面内で三方に伸ばした三つ又の形状を有する部材である。各梁1621の長さは、筒体201の円形の開口端の半径rよりも長く設定されている。各梁1621の先端の下面には当接部1621Aが設けられている。押え部材162は、基台20の第1の押圧ロッド151Aと第2の押圧ロッド152Bとに挟まれた位置に取り付けられた昇降機163に、仰角方向に回転可能に固定されている。すなわち、押え部材162は、図4の矢印ARで示す方向に姿勢を変化させことができるように、昇降機163に固定されている。
昇降機163には、押え部材162を3個の梁1621の下面(より正確には、3個の当接部1621Aの下面を含む面)(以下、この面を「押え面」という。)が水平となる姿勢(図4の実線で示す姿勢。以下、「押え姿勢」という。)と、押え部材162の押え面が水平面に対して鈍角で立ち上がった姿勢(図4の点線で示す姿勢。以下、「退避姿勢」という。)とに切り換える姿勢切換装置1622が設けられている。姿勢切換装置1622は、例えば、背面から押え部材162を押したり引いたりすることによって押え姿勢に設定し、押え部材162を引くことによって退避姿勢に設定する。
昇降機163は、上述した昇降機153と同様に、回転力を直進力に変換する機構部品で構成されている。図4では、昇降機163は、例えば、ボールネジやラック・アンド・ピニオン等の機構部品によって構成される。
押え部材162は、通常は退避姿勢で筒体201の上方の所定の位置(以下、「退避位置」という。)に待機している。押え部材162は、作業位置Pにセットされた筒体201の中空部への底板部材202の挿入処理が終了すると、当接部1621Aが筒体201の開口端に当接する位置(以下、「押え位置」という。)まで下降され、退避姿勢から押え姿勢に切り換えられる。従って、押え部材162を押え位置に設定して押え姿勢に切り換えると、押え部材162の3個の当接部1621の下面が筒体201の上端(開口端)に当接して3個の梁1621が筒体201の開口面に架設された状態となる。
3個の当接部1621Aは、底板部材202の凸条202Aの高さ寸法よりも長い厚みd(図5参照)を有している。また、各当接部1621Aの各梁162の先端からの長さD(図5参照)は、底板部材202の周縁から凸条202Aまでの長さよりも短い寸法に設定されている。上記の当接部1621Aの寸法は、筒体201の中空部内に挿入された底板部材202を上昇させたときに、底板部材202の凸条202Aの上端が当接部1621Aや梁1621に接触せず、底板部材202の上面の凸条202Aよりも外側の周縁部だけが3個の当接部1621Aの下面に当接することを考慮して設計されている。
押え部材162の3個の梁1621が開口面に架設された状態にして、底板押上装置161により底板部材202を上方に移動させると、底板部材202の上面の凸条202Aより外側の周縁部が3個の梁1621の各当接部1621Aに当接した時点で底板部材202の上方移動が規制される。従って、底板部材202の上方移動が押え部材162で規制された状態で底板押上装置161の押上げ動作を停止させるとともに、押え部材162を退避位置に上昇させた後、退避姿勢にすると、筒体201の開口端に底板部材202を圧入した缶体200(図1に示す形の缶体200)が作製される。
次に、缶体組立システム1の缶体組立装置Aによる缶体200の組み立て動作について、説明する。
缶体組立システム1は、(工程1)筒体201の作業位置Pへのセット、(工程2)筒体201の断面形状の変形、(工程3)底板部材202の筒体201の中空部への挿入、(工程4)筒体201における底板部材202の位置決め、(工程5)底板部材202と筒体201の溶接、(工程6)缶体200の排出の6つの工程によって缶体200を組み立てる。缶体組立装置Aは、6つの工程のうち、工程2から工程4の工程を行うので、以下、工程2、工程3、工程4について、缶体組立装置Aの動作について、図6〜図13を用いて説明する。
(工程2)
工程1では、筒体搬入/排出装置12は、筒体ストッカー11の筒体供給位置にアームを伸ばし、その筒体供給位置に立てた状態で載置されている筒体201を吸着ツールで吸着した後、持ち上げて缶体組立装置Aの作業位置Pまで搬送し、立った姿勢で作業位置Pに載置する。従って、工程1から工程2に移行したとき、基台20の作業位置Pに筒体201が立った状態で載置されている。
筒体変形装置15は、まず、作業位置Pに載置されている筒体201の断面形状を真円に矯正する。筒体変形装置15は、図6に示すように、筒体201の断面形状を、作業位置Pを中心とする真円Cに矯正した場合の当該真円Cの外周と軸N1,N2が交差する位置A1,B1,A2,B2を算出する。
筒体変形装置15は、位置A1と位置B1をそれぞれ第1の押圧ロッド151Aと第1の押圧ロッド151Bの各ロッドRの先端を繰り出す目標位置に設定する。また、筒体変形装置15は、位置A2と位置B2をそれぞれ第2の押圧ロッド152Aと第2の押圧ロッド152Bの各ロッドRの先端を繰り出す目標位置に設定する。そして、筒体変形装置15は、第1の押圧ロッド151A,151Bと第2の押圧ロッド152A,152Bの4つのロッドRをそれぞれ目標位置に繰り出す。
第1の押圧ロッド151A,151Bと第2の押圧ロッド152A,152Bの4つのロッドRがそれぞれ目標位置に繰り出されると、筒体201は、その側面が位置A1,A2,B1,B2で4つのロッドRの先端と当接するように、位置の矯正と断面の形状が矯正される。すなわち、筒体201の軸M(図8参照)が作業位置Pに一致する位置に筒体201の位置が矯正され、筒体201の断面形状が真円Cに矯正される。
次に、筒体変形装置15は、図7に示すように、筒体201の断面形状を、軸N1に沿う軸を長軸とし、軸N2に沿う軸を短軸とする予め設定された楕円形Cの外周と軸N1,N2が交差する位置A1’,B1’,A2’,B2’を算出する。また、筒体変形装置15は、第1の押圧ロッド151A,151Bの各ロッドRの先端位置の目標位置をそれぞれ位置A1’,B1’に変更するとともに、第2の押圧ロッド152A,152Bの各ロッドRの先端位置の目標位置をそれぞれ位置A2’,B2’に変更する。
そして、筒体変形装置15は、第1の押圧ロッド151A,151Bの2つのロッドRを引き込んで各ロッドRの先端位置をそれぞれ目標位置A1’,B1’に変更するとともに、第2の押圧ロッド152A,152Bの2つのロッドRを繰り出して各ロッドRの先端位置をそれぞれ目標位置A2’,B2’に変更する。これにより、筒体201は、その側面が位置A1’,A2’,B1’,B2’で4つのロッドRの先端と当接するように、断面の形状が変更される。すなわち、筒体201の断面形状が楕円形Cに変更される。
(工程3)
筒体変形装置15による筒体201の断面形状の変更処理が終了すると、底板部材挿入装置14が、底板部材ストッカー13の底板部材供給位置にアームを伸ばし、その底板部材供給位置に載置されている底板部材202を吸着ツールで吸着した後、持ち上げて姿勢を水平姿勢にした状態で缶体組立装置Aの作業位置Pに載置されている筒体201の上方位置まで搬送する。このとき、底板部材挿入装置14は、図8に示すように、底板部材202の中心Oが筒体201の軸Mと一致する筒体201の上方位置に搬送する。
なお、筒体201の断面形状の変更処理における筒体変形装置15の4つの押圧ロッド151A,151B,152A,152Bの動作と、底板部材202の作業位置Pへの搬送処理における底板部材挿入装置14のロボットアームの動作は干渉しないので、筒体変形装置15の筒体201の断面形状の変形処置中に底板部材挿入装置14の底板部材202の搬送処理を行うようにしても良い。
次に、底板部材挿入装置14は、底板部材202の姿勢を水平姿勢から傾斜姿勢に変更する。底板部材挿入装置14は、例えば、6軸ロボットの各アームの姿勢を制御することにより、図9に示すように、底板部材202を吸着する吸着ツール141を、吸着ツール141に仮想的に設定されるXYZ座標系において、X軸、Y軸、Z軸の各軸方向に移動させることができる。また、底板部材挿入装置14は、6軸ロボットの各アームの姿勢を制御することにより、吸着ツール141をZ軸の周りに回転させたり(図9の−RZ方向の回転参照)、吸着ツール141の軸SをX軸に対して回転させたりすることができる(図9の+RX方向の回転参照)。
底板部材挿入装置14は、図10に示すように、Z軸と軸N1を含む面SA内で吸着ツール141の軸Sが水平面SHに対して所定の角度η[°]で傾斜するように、底板部材202の姿勢を変更する。なお、図10において、仮想線(一点鎖線)で示す底板部材202は、板面が水平面SHと平行になる水平姿勢を示し、実線で示す底板部材202は、吸着ツール141の軸Sが水平面SHに対して所定の角度η[°]で傾斜した傾斜姿勢を示している。吸着ツール141の軸Sは、底板部材202の板面に対して垂直であるから、傾斜姿勢における底板部材202の板面の水平面SHに対する傾斜角θと上記の角度ηとの間には、η=(90−θ)[°]の関係がある。底板部材挿入装置14は、底板部材202の傾斜姿勢への制御を傾斜角θで行っても良い。
底板部材202を傾斜姿勢にしたときの上面視における底板部材202の形状は、楕円形となるが、傾斜角θ又は傾斜角ηは、底板部材202の楕円形の短軸の長さが断面形状を楕円形に変形した筒体201の短軸(軸N2に沿う軸)の長さよりも短くなるように、予め設定されている。
底板部材挿入装置14は、底板部材202の姿勢を傾斜姿勢にすると、吸着ツール104を垂直に下降させて底板部材202を筒体201の中空部内に挿入する。傾斜姿勢の底板部材202の上面視での形状は、断面形状を変形した筒体201の開口端の楕円形よりも小さいので、吸着ツール104を垂直に下降させたとき、底板部材202は筒体201の側面と干渉することなく筒体201の中空部内に侵入する。
底板部材挿入装置14が底板部材202の筒体201の中空部内への挿入処理を終了すると、筒体変形装置15は、第1の押圧ロッド151Aと第1の押圧ロッド151Bの各ロッドRの先端を繰り出す目標位置を位置A1と位置B1に変更する。また、筒体変形装置15は、第2の押圧ロッド152Aと第2の押圧ロッド152Bの各ロッドRの先端を繰り出す目標位置を位置A2と位置B2に変更する。そして、筒体変形装置15は、第1の押圧ロッド151A,151Bと第2の押圧ロッド152A,152Bの4つのロッドRをそれぞれ目標位置に繰り出す。この処理は、筒体201の断面形状を真円Cに戻す処理である。
従って、第1の押圧ロッド151A,151Bと第2の押圧ロッド152A,152Bの4つのロッドRがそれぞれ目標位置A1,B1,A2,B2に繰り出されると、筒体201は、その側面が位置A1,A2,B1,B2で4つのロッドRの先端と当接するように、断面の形状が変更される。すなわち、筒体201の断面形状が真円Cに戻される。
筒体201の断面形状が楕円形Cから真円Cの変形するとき、楕円形Cの長軸が短くなることにより、筒体201の内側面の位置A1と位置B1の部分が底板部材202の周縁に当接する。この当接状態は、底板部材202が吸着ツール141から外されても底板部材202は筒体201の中空部内に係止する状態である。
上記の動作では、底板部材挿入装置14が筒体201の中空部内に底板部材202を傾斜姿勢で挿入した後、筒体変形装置15が筒体201の断面形状を楕円形Cから真円Cに戻すようにしている。しかし、図11に示すように、筒体変形装置15が筒体201の断面形状を楕円形Cから真円Cに戻す処理をしている期間に底板部材挿入装置14が傾斜角θを小さくするように(傾斜角ηを大きくするように)、底板部材202の傾斜姿勢を水平姿勢に近い姿勢に修正するようにしても良い。
図11は、筒体変形装置15が筒体201の断面形状を楕円形Cから真円Cに変形しながら底板部材挿入装置14が底板部材202を筒体201の中空部に挿入する動作を示している。図11の(イ)は、筒体201と底板部材202の形状の変化を示す図面であり、(ロ)は、筒体201の中空部内での底板部材202の姿勢の変化を示す図である。また、図11の(a)〜(d)は、底板部材202を筒体201の中空部内に挿入を開始した状態から終了する状態までの代表的な底板部材202の姿勢の変化を示した図である。なお、作図の便宜上、底板部材202の吸着ツール141は省略している。
図11(a)に示されるように、底板部材202の筒体201の中空部内への挿入開始時は、筒体201の開口端の楕円形の短軸が短いので、底板部材挿入装置14は、底板部材202を傾斜角θの大きい傾斜姿勢にして筒体201の上方から下降させ、筒体201の中空部に挿入する。底板部材挿入装置14が底板部材202を下降させる動作をしているとき、筒体変形装置15は、図11(b),(c)に示されるように、筒体201の開口端の楕円形C1の短軸/長軸の比を真円Cに近づけるように変化させる。従って、底板部材挿入装置14は、筒体変形装置15の筒体201の断面形状の変形動作に連動して底板部材202の姿勢を水平姿勢に近づけるように(傾斜角θを小さくするように)変化させる。
図11(d)に示されるように、筒体201の断面形状が真円Cに近くなると、底板部材202の姿勢は水平姿勢に近くなるので、底板部材202の周縁の大部分が筒体201の内周面に接触し、その接触摩擦により底板部材202が筒体201の中空部内に係止した状態となる。この状態になると、底板部材202が筒体201の中空部内の中間位置でとまることができるので、底板部材挿入装置14は、底板部材202の挿入動作を停止し、吸着ツール141の底板部材202への吸着を解除して吸着ツール141を初期位置に戻す動作をする。
上記のように、筒体201の断面形状の変更動作と底板部材202の筒体201の中部への挿入動作を同時に行うようすれば、工程3での底板部材202の筒体201の中部への挿入処理の作業効率を向上させることができる。
(工程4)
筒体201の中空部内に挿入された底板部材202が筒体201の内側面に係止可能な状態になると、底板部材挿入装置14は吸着ツール141の底板部材202への吸着を解除し、吸着ツール141を初期位置(ホームポジション)に戻す。その後、底板部材位置決め装置16は、押え部材162を退避位置から押え位置に下降し、押え部材162の姿勢を退避姿勢から押え姿勢に変更する。これにより、押え部材162は、図12(a)に示すように、3つの梁1621が筒体201の開口端に架設された状態となる。
図12は、底板部材挿入装置14が筒体201の中空部内の底板部材202を予定の位置に位置決めする動作の工程を示す図である。図12の(イ)は、筒体201の開口端に押え部材162がセットされた状態を示す上面図であり、(ロ)は、底板押上装置161による筒体201の中空部内の底板部材202の押上げ動作を示す図である。また、図12の(a)〜(d)は、底板押上装置161が底板部材202の押上げ動作を開始した状態から終了する状態までの代表的な底板押上装置161と底板部材202の状態の変化を示した図である。
続いて、底板部材位置決め装置16の底板押上装置161が筒体201の中空部内に係止している底板部材202を上方に押し上げる(図12(b)参照)。底板押上装置161は、底板部材202の上面の凸条202Aより外側の周縁部が押え部材162の梁1621の当接部1621Aに当接して底板部材202の上方移動が規制されると(図12(c)参照)、押上げ動作を停止し、当接部1611Aを初期位置に下降させる(図12(d)参照)。これにより、底板部材202の筒体201の中空部内の所定の位置への位置決め動作が終了する。
本実施の形態では、筒体201の中空部内の所定の位置は、筒体201の開口端に設定しているので、底板部材202は、上側の面の凸条202Aよりも外側の周縁部が筒体201の上端(開口端)と一致する位置に位置決めされている。従って、底板押上装置161による底板部材202の押上げ動作が終了すると、筒体201の開口端に底板部材202が圧入された状態(図1に示す缶体200の形参照)の缶体200が作製される。
なお、筒体201の中空部内の所定の位置を上記の開口端ではなく、開口端よりも低い位置にする場合は、図13(a),(b)に示すように、3つの梁1621の下面に位置決め用の足1621Bを追加した構成にするとよい。この構成にすれば、底板部材202の上面(凸条202Aの上端又は凸条202A以外の上面)は、図13(b)にしめすように、梁1621の足1621Bの下端に当接したときに底板部材202の上方移動が規制されるので、底板部材202を筒体201の中空部内の開口端よりも低い所定の位置に位置決めすることができる。
底板部材位置決め装置16は、底板押上装置161による底板部材202の押上げ動作が終了すると、押え部材162を退避位置まで上昇させた後、押え部材162の姿勢を退避姿勢する。これにより、底板部材202の筒体201における位置決め処理は終了し、筒体201の開口端に底板部材202を圧入した缶体200の作製が終了する。
この後、工程5に移行し、溶接装置17が缶体200の底板部材202の周縁と筒体201の内周面をアーク溶接などで溶接してタンクの材料である缶体200が完成する。完成した缶体200は、筒体搬入/排出装置12によって缶体排出台18に排出される。
以上説明したように、本実施の形態に係る缶体組立装置Aによれば、筒体201の断面形状を変形する筒体変形装置15と、断面形状を楕円形に変形した筒体201に底板部材202を挿入する底板部材挿入装置14をロボットによって構成し、筒体201の中空部内への底板部材202の挿入作業をロボットが行うようにしたので、缶体200の作製工程における作業者を削減する(省人化を図る)ことができる。すなわち、缶体200の作製工程の無人による全自動化を実現することができる。
また、筒体201の断面形状を楕円形に変形する変形処理と、底板部材202の姿勢を傾斜姿勢にして筒体201の楕円形の開口端に挿入する挿入処理をロボットによって行うとともに、筒体201に挿入した底板部材202の位置決めを底板部材位置決め装置16によって行うので、筒体201の断面形状の変形処理、板部材202の筒体201の中空部への挿入処理及び筒体201の中空部内の底板部材202の位置決め処理を高い精度を行うことができる。これにより、底板部材202と筒体201の溶接位置(例えば、底板部材202の周縁と筒体201の内周面の接触位置)のバラツキを低減でき、溶接ロボットによる底板部材202と筒体201の溶接品質の向上と安定化を図ることができる。
上記実施の形態1では、断面円形の缶体200について説明したが、缶体200の断面形状は円形に限定されない。例えば、楕円形であってもよい。
また、上記実施の形態1では、変圧器のタンクの素材となる缶体200について説明したが、本発明は、変圧器のタンクに限定されるものではなく、筒体201の中空部の所定の位置に底板部材202を圧入した後、筒体201と底板部材202とを溶接などで接続した缶体200の作製工程に広く適用することができる。
A 缶体組立装置
1 缶体組立システム
11 筒体ストッカー
12 筒体搬入/搬出装置
13 底板部材ストッカー
14 底板部材挿入装置
15 筒体変形装置
151A,151B 第1の押圧ロッド
152A,152B 第2の押圧ロッド
153 昇降機
1531,1532 支持棒
1533A,1533B 昇降板
1534A,1534B 昇降機構
1535 駆動源
16 底板部材位置決め装置
161 底板押上装置
1611A 当接部
1611 ネジ軸
1613 筐体
1612 ナット
162 押え部材
1621 梁
1621A 当接部
1621B 足
1622 姿勢切換装置
163 昇降機

Claims (7)

  1. 一方端又は両端が開口した筒体の側面を相対向する2つの方向から押圧して、前記筒体の断面形状を変形する筒体変形手段と、
    前記筒体の断面形状と同一の形状を有する板状部材を、当該板状部材の板面を傾斜させた第1の姿勢に保持して前記筒体の開口端から中空部に挿入した後、前記板状部材の姿勢を前記板面の傾斜角が小さくなる方向に変化させて、前記板状部材の周縁を前記筒体の内側面に係止させる板状部材挿入手段と、
    前記筒体の内側面に係止させた板状部材を前記筒体の開口端側の所定の位置に移動させる板状部材移動手段と、
    を備える、缶体組立装置。
  2. 前記筒体変形手段は、
    前記2つの方向の前記筒体よりも外側の位置に、前記筒体の中心軸に向かう方向に進退可能に設けられた一対の第1の押圧手段と、
    前記2つの方向に対して直交する2つの方向の前記筒体よりも外側の位置に、前記筒体の中心軸に向かう方向に進退可能に設けられた一対の第2の押圧手段と、
    前記2つの方向の軸を短軸とし、前記2つの方向に対して直交する2つの方向の軸を長軸とする楕円形を演算する演算手段と、
    前記一対の第1の押圧手段が前記筒体の側面に当接する位置を前記演算手段が算出した楕円形の短軸の両端位置に制御する第1の制御手段と、
    前記一対の第2の押圧手段が前記筒体の側面に当接する位置を前記演算手段が算出した楕円形の長軸の両端位置に制御する第2の制御手段と、
    を含む、請求項1に記載の缶体組立装置。
  3. 前記板状部材移動手段は、
    前記筒体の中空部に係止された板状部材に当接する当接手段と、
    前記板状部材に当接した当接手段を前記筒体の開口端側に移動させる第3の制御手段と、
    前記所定の位置に配置され、前記当接手段による前記板状部材の移動を規制する移動規制手段と、
    を含む、請求項1又は2に記載の缶体組立装置。
  4. 前記所定の位置は、前記筒体の開口端であり、
    前記板状部材は、前記筒体の開口端を封じる底板部材であり、
    前記移動規制手段は、前記板状部材挿入手段が前記板状部材を前記筒体に挿入した後、前記筒体の開口端に載置される押え部材である、
    請求項3に記載の缶体組立装置。
  5. 前記筒体変形手段は、アーム先端に押圧ツールが取り付けられた第1のロボットで構成され、
    前記板状部材挿入手段は、アーム先端に前記板状部材を保持する保持ツールが取り付けられた第2のロボットで構成される、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の缶体組立装置。
  6. 前記板状部材移動手段は、
    作業台の前記筒体が縦に載置される位置に配置されたジャッキと、
    アーム先端に前記押え部材を保持する保持ツールが取り付けられた第3のロボットと、
    で構成される、
    請求項4又は5に記載の缶体組立装置。
  7. アーム先端に押圧ツールが取り付けられた2つの第1のロボットで、一方端又は両端が開口した筒体の側面を相対向する2つの方向からそれぞれ押圧して、前記缶体の断面形状を変形する第1の工程と、
    アーム先端に保持ツールが取り付けられた第2のロボットで、前記筒体の断面形状と同一の形状を有する板状部材を保持し、当該板状部材の板面を傾斜させた姿勢に保持して前記筒体の開口端から中空部に挿入した後、前記板状部材の姿勢を前記板面の傾斜角が小さくなる方向に変化させて、前記板状部材の周縁を前記筒体の内側面に係止させる第2の工程と、
    アーム先端に押え部材を保持する保持ツールが取り付けられた第3のロボットで、前記筒体の開口端に前記押え部材を載置する第3の工程と、
    前記筒体の中空部の前記板状部材の下部に配置されたジャッキで前記板状部材を前記押え部材に当接する位置まで上昇移動させる第4の工程と、
    を備える、缶体組立方法。
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