JP6576791B2 - 防振装置 - Google Patents

防振装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6576791B2
JP6576791B2 JP2015216830A JP2015216830A JP6576791B2 JP 6576791 B2 JP6576791 B2 JP 6576791B2 JP 2015216830 A JP2015216830 A JP 2015216830A JP 2015216830 A JP2015216830 A JP 2015216830A JP 6576791 B2 JP6576791 B2 JP 6576791B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recess
base member
elastic body
rubber elastic
fixed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015216830A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017089682A (ja
Inventor
吉井 教明
教明 吉井
佐伯 明雄
明雄 佐伯
香澄 藤田
香澄 藤田
桂史 畑中
桂史 畑中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP2015216830A priority Critical patent/JP6576791B2/ja
Publication of JP2017089682A publication Critical patent/JP2017089682A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6576791B2 publication Critical patent/JP6576791B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Description

本発明は、自動車のエンジンマウントなどに用いられる防振装置に関するものである。
従来から、振動伝達系を構成する部材間に配設されて、それら振動伝達系の構成部材を相互に防振連結する防振支持体乃至は防振連結体の一種として、防振装置が知られており、例えば自動車のエンジンマウントなどに適用されている。この防振装置は、例えば特開2005−240926号公報(特許文献1)等に示されているように、上板金具と下板金具を一対の支持ゴム弾性体によって相互に弾性連結した構造を有している。
ところで、特許文献1の図4に示されているように、かかる防振装置では、下板金具を振動伝達系の構成部材に取り付けるためのボルトが下板金具に貫通状態で配設され得る。特許文献1の図4では、一対の支持ゴム弾性体を内側に外れた位置にボルトが配置されているが、取付構造によっては一対の支持ゴム弾性体が固着された部位にボルトの頭部が配される場合もある。
ところが、下板金具の表面に突出したボルトの頭部が一対の支持ゴム弾性体の下板金具側の端部に埋設状態で固着されると、振動入力時に一対の支持ゴム弾性体に応力集中が生じ易くなって、耐久性の低下が問題になるおそれがあった。
特開2005−240926号公報
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、ベース部材における本体ゴム弾性体の固着部分に取付ボルトの頭部が配置されても、本体ゴム弾性体の耐久性を確保することができる、新規な構造の防振装置を提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
すなわち、本発明の第一の態様は、上下に対向配置されたインナ部材とベース部材が本体ゴム弾性体の一対の連結ゴムで相互に弾性連結されていると共に、該ベース部材に取付ボルトが貫通状態で配設されている防振装置において、前記ベース部材が前記インナ部材に向けて開口する凹所を備えており、前記本体ゴム弾性体の前記連結ゴムが該ベース部材における該凹所の形成面側に固着されていると共に、該凹所における該連結ゴムの固着部位に前記取付ボルトが配設されており、該凹所に入り込んだ該本体ゴム弾性体に該取付ボルトの頭部が埋入状態で固着されている一方、該凹所に入り込んだ該本体ゴム弾性体が該連結ゴムの周囲において外周側に広がって該凹所に固着されており、且つ、該ベース部材には横方向に広がる底面を有する一つの該凹所が設けられており、該本体ゴム弾性体の該一対の連結ゴムが該一つの凹所に入り込んでいると共に、該凹所に入り込んだ該本体ゴム弾性体において該一対の連結ゴムが相互に連続していることを、特徴とする。
本発明の第一の態様に従う構造とされた防振装置によれば、ベース部材の凹所に入り込んで弾性変形が制限された連結ゴムの端部に取付ボルトの頭部が固着されることから、連結ゴムの取付ボルトからの剥がれや応力集中による亀裂などが防止される。
また、連結ゴムの弾性変形時に連結ゴムの表面の応力集中が、本体ゴム弾性体において連結ゴムの周囲に広がる部分に分散することで緩和されて、応力集中による連結ゴムの亀裂などの損傷も回避される。
更に、一対の連結ゴムが何れも一つの凹所の内面に固着されていると共に、凹所に入り込んだ一対の連結ゴムと連続する部分が一対の連結ゴムとともに一つの凹所に固着されていることにより、応力の分散化がより効果的に図られる。また、一対の連結ゴムの間にそれらを連続させる本体ゴム弾性体の一部が配されることにより、インナ部材とベース部材が軸方向で接近して当接する際に、緩衝作用によって打音や衝撃が低減され得る。
本発明の第の態様は、上下に対向配置されたインナ部材とベース部材が本体ゴム弾性体の一対の連結ゴムで相互に弾性連結されていると共に、該ベース部材に取付ボルトが貫通状態で配設されている防振装置において、前記ベース部材が前記インナ部材に向けて開口する凹所を備えており、前記本体ゴム弾性体の前記連結ゴムが該ベース部材における該凹所の形成面側に固着されていると共に、該凹所における該連結ゴムの固着部位に前記取付ボルトが配設されており、該凹所に入り込んだ該本体ゴム弾性体に該取付ボルトの頭部が埋入状態で固着されている一方、該ベース部材には本体ゴム弾性体の固着部分よりも外側に突出する固定部が設けられて、該固定部においてアッパ部材が該ベース部材に固定されており、該アッパ部材が、該連結ゴムを予圧縮する圧縮部と、該インナ部材との当接によって該連結ゴムの弾性変形量を制限するストッパ部との少なくとも一方を備えていることを、特徴とする。
の態様によれば、本体ゴム弾性体の固着部分よりも外側でベース部材にアッパ部材を固定することにより、アッパ部材を設ける際に一対の連結ゴムや取付ボルトの配置への影響を低減できる。
また、圧縮部を備えるアッパ部材を採用すれば、連結ゴムのばね特性を予圧縮によって調節することができる。特に、圧縮部による連結ゴムの予圧縮量を、複数の方向でそれぞれ適宜に設定可能とすれば、複数方向における連結ゴムのばね比の調節も容易となる。一方、ストッパ部を備えるアッパ部材を採用すれば、連結ゴムの過大な弾性変形が防止されることにより、連結ゴムの耐久性の向上が図られる。
本発明の第の態様は、第の態様に記載された防振装置において、前記アッパ部材が前記固定部において前記ベース部材に対して全周に亘って固定されているものである。
の態様によれば、アッパ部材がベース部材に対して強固に固定される。また、圧縮部を備えるアッパ部材であれば、連結ゴムを複数方向で予圧縮し易くなって、ばね比の調節が容易になる。一方、ストッパ部を備えるアッパ部材であれば、連結ゴムの弾性変形量を複数方向で制限し易くなって、連結ゴムの耐久性をより向上させることができる。
本発明の第の態様は、第又は第の態様に記載された防振装置において、前記アッパ部材が前記ストッパ部を備えており、該ストッパ部が前記インナ部材を囲んで該インナ部材と対向配置されていると共に、該ストッパ部が該インナ部材に対して前記ベース部材と反対側に対向配置されているものである。
の態様によれば、インナ部材とベース部材の相対変位が上下離隔方向と横方向二方向において制限されることから、複数方向の入力に対して連結ゴムの耐久性の向上が図られる。また、本発明の第五の態様は、第一〜第四の何れか一つの態様に記載された防振装置において、前記凹所の深さが前記取付ボルトの前記頭部の厚さ以上とされているものである。第五の態様によれば、取付ボルトの頭部が連結ゴムにおけるベース部材の凹所に入り込んだ部分に収まって、凹所から延び出した連結ゴムの弾性変形し易い部分が取付ボルトの頭部によって拘束され難くなることから、連結ゴムの耐久性の向上がより有利に実現される。
本発明によれば、ベース部材に設けられた凹所に本体ゴム弾性体が入り込んで固着されていると共に、取付ボルトの頭部が凹所に配されており、凹所に入り込んだ連結ゴムの変形し難い部分が取付ボルトの頭部に固着されていることから、本体ゴム弾性体が剥離や亀裂などを生じ難い。
本発明の第一の実施形態としてのエンジンマウントを示す正面図。 図1に示すエンジンマウントの平面図。 図2のIII−III断面図。 図2のIV−IV断面図。 図3のV−V断面図。 図1に示すエンジンマウントを構成するマウント本体の正面図。 図6に示すマウント本体の平面図。 図6に示すマウント本体を構成するインナ部材の正面図。 図8に示すインナ部材の平面図。 本発明の第二の実施形態としてのエンジンマウントを示す縦断面図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1〜5には、本発明に従う構造とされた防振装置の第一の実施形態として、自動車用のエンジンマウント10が示されている。エンジンマウント10は、図3に示すように、防振装置本体としてのマウント本体12にアッパ部材14が取り付けられた構造を有している。なお、本実施形態において、上下方向とは、主たる振動入力方向でパワーユニットの分担支持荷重の入力方向となる図1中の上下方向を言う。また、左右方向とは、車両装着状態において車両左右方向となる図1中の左右方向を、前後方向とは、車両装着状態において車両前後方向となる図1中の前後方向を、それぞれ言う。
より詳細には、マウント本体12は、図6,7にも示すように、上下に離れて対向配置されたインナ部材16とベース部材18が、本体ゴム弾性体20によって相互に弾性連結された構造を有している。
インナ部材16は、図8,9に示すように、金属や合成樹脂などで形成された硬質の部材であって、左右に長手の中実ブロック状とされている。より具体的には、インナ部材16は、上下に貫通するねじ孔22を備えた締結部24と、締結部24から左右各一方へ突出する略矩形板状の固着部26,26とを、一体で備えている。また、締結部24は、ねじ孔22を外れた外周端部において上方へ突出する小径円柱状の回転阻止突起28を備えている。なお、インナ部材16の具体的な構造は特に限定されるものではなく、例えばプレス金具によって形成することもできる。
さらに、インナ部材16には、略U字断面で前後に広がる板状のインナブラケット30が取り付けられている。このインナブラケット30は、中央部分が締結部24の上面に重ね合わされて、ねじ孔22に螺着される連結ボルト32によって締結部24に連結されている一方、上方へ延びる両端部分は、下部が相互に略平行に広がっていると共に、上部が上方へ向けて次第に左右外方へ傾斜しており、傾斜した上部に各二つの取付用ボルト孔34,34が前後に離れて形成されている。また、図2,4に示すように、インナ部材16の締結部24に設けられた回転阻止突起28がインナブラケット30に形成された孔に挿通されることにより、連結ボルト32を回転中心とするインナブラケット30のインナ部材16に対する回転が阻止されている。本実施形態では、更に、インナ部材16とインナブラケット30が別体形成されて後固定された構造とされているが、たとえばインナブラケット30に相当する部分を一体で備えるインナ部材も採用され得る。
ベース部材18は、図3〜7に示すように、略角丸矩形皿状とされており、ベース部材18の中央部分には上方に向けて開口する一つの凹所36が形成されている。凹所36は、底壁内面が略水平(横方向)に広がる平面とされており、略一定の深さで広がっている。更に、凹所36の底壁部には、左右で相互に離れた位置にボルト孔38,38が形成されている。また、ベース部材18の凹所36を外れた外周部分には、凹所36の開口部から外周へ向けて突出する環板形状の固定部40が、全周に亘って連続して設けられている。
さらに、ベース部材18には、左右の取付ボルト42,42が貫通状態で配設されている。取付ボルト42は、ベース部材18の凹所36の底壁部に貫通形成されたボルト孔38に上方から圧入固定されており、ねじ山を形成された軸部44がベース部材18から下方に突出していると共に、頭部46が凹所36に収容されている。なお、取付ボルト42は、後述する本体ゴム弾性体20の自由長を大きく確保するために、頭部46が上下に薄肉とされていることが望ましい。なお、凹所36の深さdは、特に限定されるものではないが、後述する取付ボルト42,42の頭部46,46の上下厚さt以上(d≧t)とされていることが望ましく、本実施形態では頭部46,46の上下厚さtよりも僅かに大きくされている(d>t)。
そして、インナ部材16がベース部材18の上方に離れて配置されて、上下に対向するインナ部材16とベース部材18が本体ゴム弾性体20によって相互に弾性連結されている。この本体ゴム弾性体20は、左右一対の連結ゴム48,48を備えている。連結ゴム48,48は、下方に向けて左右外方へ傾斜するテーパ形状とされており、上端部分がインナ部材16の固着部26,26に加硫接着されていると共に、下端部分がベース部材18に加硫接着されている。なお、本実施形態の本体ゴム弾性体20は、インナ部材16とベース部材18を備えた一体加硫成形品として形成されている。また、本実施形態では、左右の連結ゴム48,48が互いに左右対称形状とされているが、連結ゴム48,48は相互に形状が異なっていても良い。
さらに、左右一対の連結ゴム48,48から上方へ延び出す緩衝ゴム50がそれぞれ一体形成されており、各緩衝ゴム50がインナ部材16の固着部26に対して固着部26の上面と前後両面と左右外面とをそれぞれ覆うように固着されている。なお、本実施形態において、緩衝ゴム50の左右外端部の前後中央には、切欠き52が形成されていると共に、切欠き52の中央部分において上方へ突出する緩衝突起54が緩衝ゴム50と一体形成されている。
更にまた、左右一対の連結ゴム48,48の下部には、左右外方へ突出する予圧縮突部56がそれぞれ設けられて、ベース部材18における凹所36の開口部に加硫接着されている。この予圧縮突部56は、連結ゴム48の上部の左右外面から滑らかに連続する上面を有すると共に、上下に広がる側面を備えている。
ここにおいて、本体ゴム弾性体20は、ベース部材18における凹所36の形成面側に固着されており、ベース部材18の凹所36に充填されている。即ち、本実施形態の本体ゴム弾性体20は、左右の連結ゴム48,48の下端部が何れも凹所36に入り込んで凹所36の内面に加硫接着されていると共に、左右の連結ゴム48,48の下端部の周囲には、図7に示すように、連結ゴム48,48と一体形成された展開ゴム58が外周側に広がって設けられて、展開ゴム58が左右の連結ゴム48,48とともに凹所36の内面に加硫接着されている。なお、図3の本体ゴム弾性体20には、分かり易さのために、連結ゴム48,48と予圧縮突部56,56と展開ゴム58の仮想的な境界線が一点鎖線で図示されている。
展開ゴム58は、図3〜5に示すように、連結ゴム48,48の前後および左右の側面と滑らかに連続する上面を備えており、当該上面が少なくともインナ部材16の締結部24と対向する中央部分において横方向(前後および左右)に広がる水平面とされている。また、凹所36に入り込んだ連結ゴム48,48の下端部が、展開ゴム58によって相互に連続している。本実施形態では、図4に示すように、展開ゴム58の厚さが、凹所36の深さdと略同じとされて、取付ボルト42の頭部46の厚さtよりも大きくされている。
なお、本実施形態では、凹所36の略全体が本体ゴム弾性体20の連結ゴム48,48および展開ゴム58によって満たされているが、凹所36は本体ゴム弾性体20によって部分的に満たされていても良い。即ち、凹所36の開口面における連結ゴム48,48より広がった周囲領域で本体ゴム弾性体20が凹所36に入り込んで固着されていれば、必ずしも凹所36の全体に本体ゴム弾性体20が充填されている必要はない。また、展開ゴム58の厚さは変化していても良く、凹所36から上方へ突出する部分を展開ゴム58に設けることもできる。
また、左右の連結ゴム48,48の下端部は、凹所36に収容された取付ボルト42,42の頭部46,46の各一方に固着されている。即ち、取付ボルト42の頭部46が凹所36に対する連結ゴム48の固着部分に配設されており、頭部46が凹所36に入り込んだ連結ゴム48の下端部に埋入状態で固着されていると共に、連結ゴム48の下端部が頭部46の周囲でベース部材18の凹所36の内面に固着されている。好適には、凹所36の開口面における連結ゴム48の領域(凹所36の開口面における連結ゴム48の横断面の上下投影)内に取付ボルト42の頭部46が収まっており、これにより、連結ゴム48から及ぼされる変形歪や応力が取付ボルト42の頭部46の全体に分散する。
また、本体ゴム弾性体20の連結ゴム48,48および展開ゴム58が、取付ボルト42,42の頭部46,46を外れた領域でベース部材18に固着されている。好適には、少なくとも取付ボルト42の頭部46の周囲の半周以上の領域では、頭部46の外周面と凹所36の周壁内面との間の空間の全体が、本体ゴム弾性体20によって満たされている。これによれば、凹所36に入り込んだ本体ゴム弾性体20の弾性変形を凹所36の周壁部によって制限することができて、取付ボルト42の頭部46と本体ゴム弾性体20の境界面での剥離を抑制することができる。更に、取付ボルト42の頭部46の周囲には、取付ボルト42の頭部46の半径以上の領域において外周側に本体ゴム弾性体20が広がって存在していることが望ましい。これによれば、連結ゴム48に作用する応力が外周側へ広がる展開ゴム58によって緩和されて、耐久性の向上が図られる。
かくの如き構造とされたマウント本体12には、アッパ部材14が取り付けられている。アッパ部材14は、図1〜5に示すように、全体として下方へ向けて開口する凹形状とされている。より詳細には、アッパ部材14は、上下方向視でベース部材18と略対応する形状を有しており、略水平に広がる上底壁部60と、上底壁部60の外周端部から下方へ延び出す周壁部62とを、一体で備えている。また、周壁部62の下端開口には、かしめ片64が全周に亘って連続して一体形成されている。
さらに、アッパ部材14の左右中央部分には、上底壁部60と周壁部62の上部を切り欠くように開口部66が形成されており、上底壁部60と周壁部62の上部が開口部66の左右両側においてストッパ部68,68を構成している。
更にまた、アッパ部材14における周壁部62の下部には、左右両側にそれぞれ圧縮部70が設けられている。圧縮部70は、かしめ片64の内周端から上方へ延び出す縦壁部と、該縦壁部の上端から左右内側へ延び出す横壁部とを備えており、圧縮部70の上端がストッパ部68を構成する周壁部62の上部に連続している。
そして、アッパ部材14の周壁部62の下端開口に一体形成されたかしめ片64が、曲げ加工されてベース部材18の固定部40にかしめ固定されることにより、アッパ部材14がベース部材18に対して上方を覆うように固定されて、アッパ部材14がマウント本体12に取り付けられている。本実施形態では、ベース部材18の固定部40とアッパ部材14のかしめ片64が何れも全周に亘って連続して設けられており、かしめ片64が固定部40に対して全周に亘ってかしめ固定されている。
かかるアッパ部材14のマウント本体12への取付け状態において、ストッパ部68,68を構成する上底壁部60がインナ部材16の固着部26,26に対して上方に離れて対向配置されていると共に、ストッパ部68,68を構成する周壁部62の上部が、インナ部材16の固着部26,26に対して左右外方および前後外方に離れて対向配置されて、固着部26,26の外周を囲むように配置されている。各ストッパ部68は、固着部26の上面と前後両面と左右外面との各一つに対向する四つの壁部を備えている。
さらに、アッパ部材14のベース部材18への固定によって、アッパ部材14の圧縮部70は、本体ゴム弾性体20の予圧縮突部56,56の左右外面および上面に押し当てられており、本体ゴム弾性体20が下部において左右方向および上下方向に予圧縮されている。これにより、本体ゴム弾性体20の上下および左右方向のばねが調節されていると共に、本体ゴム弾性体20の引張応力が低減されて耐久性の向上が図られている。なお、アッパ部材14の周壁部62の下部における前後に圧縮部を設けて、本体ゴム弾性体20(連結ゴム48,48)を前後の圧縮部によって前後方向に予圧縮することもできる。
このような構造とされたエンジンマウント10は、インナブラケット30が取付用ボルト孔34に挿通される図示しないボルトによって同じく図示しないパワーユニットに固定されることにより、インナ部材16がパワーユニットに取り付けられると共に、ベース部材18が取付ボルト42,42によって図示しない車両ボデーに取り付けられる。これにより、パワーユニットが車両ボデーに対してエンジンマウント10を介して防振連結されるようになっている。
なお、パワーユニット側の締結構造の違いに対応する上部構造を備えた複数種類のインナブラケット30,30,・・・を準備して、それら複数種類からパワーユニット側の締結構造に応じたインナブラケット30を適宜に選択して採用すれば、共通のマウント本体12やアッパ部材14を採用しながら、パワーユニット側の締結構造が異なる複数の車種にエンジンマウント10を適用することができる。
そして、エンジンマウント10の車両装着状態において、インナ部材16とベース部材18の間に振動が入力されると、一対の連結ゴム48,48の弾性変形によって振動エネルギーが減衰されて、パワーユニットから車両ボデーへの振動伝達が低減される。
また、インナ部材16の締結部24とベース部材18の左右中央部分が本体ゴム弾性体20の展開ゴム58を介して当接することで、インナ部材16とベース部材18の上下接近変位が制限されると共に、インナ部材16の固着部26,26とアッパ部材14のストッパ部68,68が緩衝ゴム50を介して当接することで、インナ部材16とベース部材18の上下離隔変位および前後左右での相対変位が制限される。従って、インナ部材16とベース部材18の間に大荷重が入力されると、これらのストッパによって一対の連結ゴム48,48の弾性変形量が制限されて、一対の連結ゴム48,48の過大な変形による耐久性の低下が防止される。本実施形態では、少ない部品点数によって上下左右前後の各方向のストッパが構成されると共に、それら各方向のストッパにおいて当接面積を大きく確保して、当接面に作用する圧力を小さく設定することが可能とされている。
なお、本実施形態では、アッパ部材14がベース部材18に対して全周に亘ってかしめ固定されていることから、アッパ部材14がベース部材18に対して各方向で強固に固定されている。これにより、アッパ部材14のストッパ部68とインナ部材16が当接する際に、アッパ部材14の耐荷重性が十分に確保される。更に、アッパ部材14とベース部材18が高精度に位置決めされて、本体ゴム弾性体20を高い精度で予圧縮することができる。
また、本実施形態に示すように、車両ボデーへの締結構造である取付ボルト42,42の頭部46,46が、本体ゴム弾性体20における一対の連結ゴム48,48のベース部材18への固着部分に配された構造において、一対の連結ゴム48,48の耐久性の向上が図られる。即ち、ベース部材18に凹所36が形成されており、一対の連結ゴム48,48の下端部およびそれらと一体形成された展開ゴム58が凹所36内に固着されている。これにより、取付ボルト42,42の頭部46,46が埋入状態で固着された一対の連結ゴム48,48は、下端部の弾性変形量が凹所36の壁部で拘束されて小さくされており、ベース部材18において取付ボルト42,42の頭部46,46の突出により凹凸をなす部分に、一対の連結ゴム48,48が固着されていても、連結ゴム48,48の固着面に作用する応力が低減されて、耐久性の向上が図られる。
さらに、本体ゴム弾性体20が一対の連結ゴム48,48と展開ゴム58を一体で備えており、一対の連結ゴム48,48の外周面と展開ゴム58の上面が滑らかに連続していることから、一対の連結ゴム48,48の外周面の下端部において応力の分散化が図られて、応力集中による亀裂の発生等が回避される。特に、下方に向けて左右外方へ傾斜するテーパ形状の連結ゴム48,48において応力が集中的に作用し易い左右内面の下端部において、展開ゴム58への応力の分散化が測られることから、耐久性の向上が図られる。
また、凹所36の深さdが取付ボルト42,42の頭部46,46の厚さt以上(d≧t)とされており、頭部46,46が本体ゴム弾性体20における凹所36への収容部分に埋設状態で固着されている。これにより、本体ゴム弾性体20における頭部46,46への固着部分の弾性変形量が制限されてより小さくなることから、本体ゴム弾性体20の頭部46,46からの剥離や、頭部46,46がなす凹凸による応力集中に起因した本体ゴム弾性体20の亀裂などが有利に回避される。
図10には、本発明に係る防振装置の第二の実施形態としてのエンジンマウント80が示されている。エンジンマウント80はマウント本体81を備えており、マウント本体81は、インナ部材16とベース部材82が本体ゴム弾性体84によって弾性連結された構造を有している。以下の説明において、第一の実施形態と実質的に同一の部材および部位については、図中に同一の符号を付すことにより、説明を省略する。
本実施形態のベース部材82は、上方へ向けて開口する相互に独立した二つの凹所86,86を備えている。凹所86,86は、左右方向で互いに離れて形成されており、それら凹所86,86の左右間には上方へ向けて突出する中間突部88が形成されている。
そして、ベース部材82の凹所86,86には、それぞれボルト孔38が形成されており、ボルト孔38に取付ボルト42が嵌入されて、軸部44がベース部材82から下方へ向けて突出していると共に、取付ボルト42の頭部46が凹所86に配置されている。更に、左右の凹所86,86の内面には、本体ゴム弾性体84の左右の連結ゴム48,48の各一方が固着されており、連結ゴム48の下端部が凹所86内に配された取付ボルト42の頭部46に固着されている。
さらに、本体ゴム弾性体84は、連結ゴム48,48の下端部から左右内方に突出する展開ゴム90,90を備えている。展開ゴム90は、連結ゴム48と一体形成されて左右内方へ広がっており、連結ゴム48の左右内面と滑らかに連続する上面を有していると共に、連結ゴム48よりも左右内方において凹所86に固着されている。なお、本実施形態では、展開ゴム90が左右の連結ゴム48,48にそれぞれ設けられて、それら左右の展開ゴム90,90が中間突部88で相互に隔てられている。
また、本実施形態では、中間突部88にストッパゴム92が固着されている。ストッパゴム92は、本体ゴム弾性体84とは別体で形成されており、中間突部88の上面に固着されて、ベース部材82とインナ部材16の上下対向面間に配設されている。
このような本実施形態に示すエンジンマウント80においても、第一の実施形態と同様に、本体ゴム弾性体84の連結ゴム48,48に取付ボルト42,42の頭部46,46が埋入状態で固着される構造において、耐久性の向上などが実現される。本実施形態からも理解されるように、ベース部材の凹所は、必ずしも一つに限定されるものではなく、相互に独立する凹所86,86が形成されて、それら凹所86,86にそれぞれ取付ボルト42の頭部46を配すると共に、それら凹所86,86に連結ゴム48,48の下端部を入り込ませて固着するようにしても良い。
また、本実施形態に示すように、インナ部材16とベース部材82の接近変位を制限するストッパにおいて、インナ部材16とベース部材82の打ち当たり時の衝撃を緩和するストッパゴム92は、本体ゴム弾性体84とは別体で形成され得る。なお、本実施形態では、ベース部材82に固着されるストッパゴム92を例示したが、例えば、インナ部材16に非接着で取り付けられて、インナ部材16の下面を覆う非接着タイプのストッパゴムを採用することもできる。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、ベース部材18の凹所36の深さdは、取付ボルト42,42の頭部46,46の厚さtよりも小さく(d<t)されていても良い。更に、凹所36に入り込んで固着されるゴムの厚さは、取付ボルト42,42の頭部46,46の厚さよりも小さくされていても良く、取付ボルト42,42の頭部46,46の上部が連結ゴム48,48における凹所36の外方に延び出した部位に固着され得る。
ベース部材18の凹所36の底壁内面は、必ずしも水平面に限定されず、全体乃至は少なくとも一部が傾斜面とされて、凹所36の深さが変化していても良い。更に、凹所36の底壁内面は、平面に限定されず、例えば湾曲面や凹凸を有する面とされ得る。
さらに、取付ボルト42は、ベース部材18における一対の連結ゴム48,48の固着部分に設けられる二つに加えて、ベース部材18の左右中央部分など他の部分にも設けることができる。要するに、三つ以上の取付ボルト42を設けても良く、その場合には、連結ゴム48,48のベース部材18への固着部分を外れた位置に配される取付ボルト42を設けることも可能であり、たとえば前記第二の実施形態の中間突部88のような凹所を外れた部分にも貫通状態で配設され得る。
また、ベース部材18とアッパ部材14の固定は、前記実施形態で例示したかしめによる接合の他、ねじやリベットを用いた固定や、圧入、溶接など、各種公知の接合方法が採用され得る。
また、前記実施形態のアッパ部材14には、圧縮部70とストッパ部68の両方が設けられていたが、たとえば圧縮部70とストッパ部68の何れか一方だけを備えるアッパ部材も採用可能である。
10,80:エンジンマウント(防振装置)、14:アッパ部材、16:インナ部材、18,82:ベース部材、20,84:本体ゴム弾性体、36,86:凹所、40:固定部、42:取付ボルト、46:頭部、48:連結ゴム、58,90:展開ゴム、68:ストッパ部、70:圧縮部

Claims (5)

  1. 上下に対向配置されたインナ部材とベース部材が本体ゴム弾性体の一対の連結ゴムで相互に弾性連結されていると共に、該ベース部材に取付ボルトが貫通状態で配設されている防振装置において、
    前記ベース部材が前記インナ部材に向けて開口する凹所を備えており、前記本体ゴム弾性体の前記連結ゴムが該ベース部材における該凹所の形成面側に固着されていると共に、該凹所における該連結ゴムの固着部位に前記取付ボルトが配設されており、該凹所に入り込んだ該本体ゴム弾性体に該取付ボルトの頭部が埋入状態で固着されている一方、
    該凹所に入り込んだ該本体ゴム弾性体が該連結ゴムの周囲において外周側に広がって該凹所に固着されており、且つ、
    該ベース部材には横方向に広がる底面を有する一つの該凹所が設けられており、該本体ゴム弾性体の該一対の連結ゴムが該一つの凹所に入り込んでいると共に、
    該凹所に入り込んだ該本体ゴム弾性体において該一対の連結ゴムが相互に連続していることを特徴とする防振装置。
  2. 上下に対向配置されたインナ部材とベース部材が本体ゴム弾性体の一対の連結ゴムで相互に弾性連結されていると共に、該ベース部材に取付ボルトが貫通状態で配設されている防振装置において、
    前記ベース部材が前記インナ部材に向けて開口する凹所を備えており、前記本体ゴム弾性体の前記連結ゴムが該ベース部材における該凹所の形成面側に固着されていると共に、該凹所における該連結ゴムの固着部位に前記取付ボルトが配設されており、該凹所に入り込んだ該本体ゴム弾性体に該取付ボルトの頭部が埋入状態で固着されている一方、
    ベース部材には本体ゴム弾性体の固着部分よりも外側に突出する固定部が設けられて、該固定部においてアッパ部材が該ベース部材に固定されており、該アッパ部材が、該連結ゴムを予圧縮する圧縮部と、該インナ部材との当接によって該連結ゴムの弾性変形量を制限するストッパ部との少なくとも一方を備えていることを特徴とする防振装置。
  3. 前記アッパ部材が前記固定部において前記ベース部材に対して全周に亘って固定されている請求項に記載の防振装置。
  4. 前記アッパ部材が前記ストッパ部を備えており、該ストッパ部が前記インナ部材を囲んで該インナ部材と対向配置されていると共に、該ストッパ部が該インナ部材に対して前記ベース部材と反対側に対向配置されている請求項又はに記載の防振装置。
  5. 前記凹所の深さが前記取付ボルトの前記頭部の厚さ以上とされている請求項1〜の何れか一項に記載の防振装置。
JP2015216830A 2015-11-04 2015-11-04 防振装置 Active JP6576791B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015216830A JP6576791B2 (ja) 2015-11-04 2015-11-04 防振装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015216830A JP6576791B2 (ja) 2015-11-04 2015-11-04 防振装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017089682A JP2017089682A (ja) 2017-05-25
JP6576791B2 true JP6576791B2 (ja) 2019-09-18

Family

ID=58767828

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015216830A Active JP6576791B2 (ja) 2015-11-04 2015-11-04 防振装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6576791B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017089682A (ja) 2017-05-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5815602B2 (ja) エンジンマウントおよびパワーユニットの防振支持構造
US7182306B2 (en) Engine mount
US9382961B2 (en) Vibration damping device
JP2013057395A (ja) 車両用エンジンマウント
WO2014050761A1 (ja) 防振装置
JP6157000B2 (ja) 防振装置
JP5759328B2 (ja) 防振装置
JP2004003597A (ja) 防振支持装置
JP6783162B2 (ja) ブラケット付き防振装置
JP2011247332A (ja) 防振装置
JP2008248898A (ja) 筒型防振装置
JP6576791B2 (ja) 防振装置
JP6537958B2 (ja) ブラケット付き防振装置
JP2007292150A (ja) ゴムマウント
JP6902456B2 (ja) ブラケット付防振装置
JP6393443B2 (ja) 防振装置用ブラケットおよびそれを用いた防振装置
JP5061129B2 (ja) 防振装置
JP5206340B2 (ja) 自動車のエンジンマウント構造
JP2011247333A (ja) 防振支持構造
JP2013181639A (ja) 防振装置
JP7104477B2 (ja) 自動車用のダイナミックダンパ
JP6998837B2 (ja) ダイナミックダンパ
JPH0789356A (ja) 車両用防振マウントの支持構造
JP2001165242A (ja) 防振装置及びそのストッパ金具
JP5950452B2 (ja) マフラーサポート

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151105

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180806

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190529

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190530

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190628

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190801

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190821

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6576791

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150