本発明は、悪性細胞中のクロマチン転写促進因子複合体(FACT)の存在が、例えば、腫瘍の悪性度、腫瘍が従来の薬物に耐性を示す可能性、及び/または治療後の再発し易さの指標を提供することを含む、腫瘍の評価に有用であるという発見に一部基づいており、したがって患者の治療決定を促進する。
一態様において、本発明は、ヒト対象の腫瘍検体(例えば、生検を含む)またはそれから培養した細胞中のクロマチン転写促進因子複合体(FACT)の少なくとも1つの成分の存在、非存在、またはレベルを測定することを含み、任意選択的に、FACTの少なくとも1つの成分の存在、非存在、またはレベルに基づいて、対象を高リスク群または低リスク群に分類するステップをさらに含む、腫瘍を評価するための方法を提供する。いくつかの実施形態において、腫瘍検体は、特に悪性細胞中のFACTの相対的レベルに基づいてFACT+またはFACT−としてスコア化される。
別の態様において、本発明は、有効量の抗癌剤をヒト対象に投与することを含む癌を治療するための方法を提供し、癌はFACT+として特徴付けられる。別の態様において、本発明は、癌の治療のための抗癌剤の使用を提供し、癌は、ヒト対象の腫瘍検体中、または悪性細胞中、またはそれから培養した細胞中のクロマチン転写促進因子複合体(FACT)の少なくとも1つの成分の存在、非存在、またはレベルによって特徴付けられる。
さらに別の態様において、本発明は、癌を治療するための方法であって、(a)ヒト対象の腫瘍検体またはそれから培養した細胞中のクロマチン転写促進因子複合体(FACT)の少なくとも1つの成分の存在、非存在、またはレベルを測定することと、(b)FACTの少なくとも1つの成分の存在、非存在、またはレベルに基づいて、対象を高リスク群または低リスク群に分類することと、(c)ヒト対象に有効量の治療薬を投与することとを含む方法を提供する。別の態様において、本発明は、(a)ヒト対象の腫瘍検体またはそれから培養した細胞中のクロマチン転写促進因子複合体(FACT)の少なくとも1つの成分の存在、非存在、またはレベルを測定することと、(b)FACTの少なくとも1つの成分の存在、非存在、またはレベルに基づいて、対象を高リスク群または低リスク群に分類することと、(c)ヒト対象に有効量の治療薬を投与することとを含む癌の治療のための治療薬の使用を提供する。いくつかの実施形態において、患者は、本明細書に記載されるようにFACT+またはFACT−として分類され、この分類が、この患者の治療を決定するために使用される。
一実施形態において、評価は、診断、予後、及び治療に対する反応のうちのいずれか1つを含む。
別の実施形態において、腫瘍は、原発性もしくは再発性の腫瘍または転移巣のうちの1つ以上である。いくつかの実施形態において、腫瘍は、乳房、前立腺、膵臓、肺、肝臓、腎臓、膀胱、結腸直腸、卵巣、子宮頸部、頭頸部、皮膚、中枢及び末梢神経系のうちのいずれか1つである。
さらに別の実施形態において、FACTの成分は、SSRP1及びSPT16のうちの1つ以上を含む。
別の実施形態において、測定は、タンパク質の存在、非存在、またはレベルを評価することを含む。別の実施形態において、測定は、FACTの成分をコードする核酸の発現の存在、非存在、またはレベルを評価することを含む(例えば、PCRまたは核酸ハイブリダイゼーションアッセイ)。いくつかの実施形態において、測定は、SSRP1及びSPT16タンパク質のうちの一方に特異的に結合する薬剤の使用を含み、薬剤は、例えば、抗体である。種々の実施形態において、SSRP1及びSPT16タンパク質レベルのうちの1つ以上の測定は、免疫組織化学染色、ウェスタンブロット、In−Cellウェスタン、免疫蛍光染色、ELISA、及び蛍光標識細胞分取(FACS)のうちのいずれかである。
いくつかの実施形態において、ヒト腫瘍検体は、生検ならびに/または、新鮮な組織試料、凍結腫瘍組織検体、培養細胞(例えば、腫瘍検体、循環腫瘍細胞からの初代培養)、及びホルマリン固定パラフィン包埋腫瘍組織検体のうちのいずれか1つである。
別の実施形態において、高リスクまたは低リスク分類は、ネオアジュバント及び/もしくはアジュバント化学療法に対する陽性反応及び/もしくはその利益、またはネオアジュバント及び/もしくはアジュバント化学療法に対する無反応性及び/もしくはその利益の欠如の予測となる。
さらに別の実施形態において、高リスク分類は、高レベルの癌悪性度を含み、悪性度は、高い腫瘍グレード、高悪性度の組織学的サブタイプ、低い全体的な生存率、高い転移の確率、及び悪性度の指標となる腫瘍マーカーの存在のうちの1つ以上によって特徴付けられる。
さらに別の実施形態において、低リスク分類は、低レベルの癌悪性度を含み、悪性度は、低い腫瘍グレード、高い全体的な生存率、低悪性度の組織学的サブタイプ、低い転移の確率、ならびに悪性度の指標となる腫瘍マーカーの非存在及び/または減少のうちの1つ以上によって特徴付けられる。
別の実施形態において、高リスク分類は、ネオアジュバント及び/またはアジュバント療法の指標となり、それを提供することを指示する。別の実施形態において、高リスク分類の患者には、ネオアジュバント及び/またはアジュバント療法が提供される。
別の実施形態において、低リスク分類は、ネオアジュバント及び/またはアジュバント療法の指標となり、それを保留することを指示する。別の実施形態において、低リスク分類の患者には、ネオアジュバント及び/またはアジュバント療法が提供されない。
別の態様において、本発明は、ヒト対象の腫瘍検体(例えば、生検を含む)中の悪性細胞、または該検体から培養した細胞中のクロマチン転写促進因子複合体(FACT)の少なくとも1つの成分の存在、非存在、またはレベルを測定することを含み、任意選択的に、FACTの少なくとも1つの成分の存在に基づいて、腫瘍細胞を癌幹細胞を含むと分類するステップをさらに含む、腫瘍細胞を評価するための方法を提供する。
別の実施形態において、腫瘍は、原発性もしくは再発性の腫瘍または転移巣のうちの1つ以上である。いくつかの実施形態において、腫瘍は、乳房、前立腺、膵臓、肺、肝臓、腎臓、膀胱、結腸直腸、卵巣、子宮頸部、頭頸部、皮膚、中枢及び末梢神経系のうちのいずれか1つである。
さらに別の実施形態において、FACTの成分は、SSRP1及びSPT16のうちの1つ以上を含む。
別の実施形態において、測定は、タンパク質の存在、非存在、またはレベルを評価することを含む。別の実施形態において、測定は、核酸の発現の存在、非存在、またはレベルを評価することを含む。いくつかの実施形態において、測定は、SSRP1及びSPT16タンパク質のうちの一方に特異的に結合する薬剤の使用を含み、薬剤は、例えば、抗体である。種々の実施形態において、SSRP1及びSPT16タンパク質レベルのうちの1つ以上の測定は、免疫組織化学染色、ウェスタンブロット、In−Cellウェスタン、免疫蛍光染色、ELISA、及び蛍光標識細胞分取(FACS)のうちのいずれかである。
いくつかの実施形態において、ヒト腫瘍検体は、生検ならびに/または、凍結腫瘍組織検体、培養細胞(例えば、腫瘍検体、循環腫瘍細胞からの初代培養)、及びホルマリン固定パラフィン包埋腫瘍組織検体のうちのいずれか1つである。
いくつかの実施形態において、FACTは、癌幹細胞の代理マーカーであり、そのような細胞の既知のマーカーの代替としてまたは補助として使用することができる。いくつかの実施形態において、そのような使用は、本明細書に記載の腫瘍評価のためのFACTの他の使用を(例えば、腫瘍悪性度の指標として)補完する。
いくつかの実施形態において、FACT検出による癌幹細胞を含むという腫瘍細胞型の分類は、従来の化学療法に耐性を示す癌型(例えば、癌幹細胞)の指標となる。いくつかの実施形態において、FACT検出によって癌幹細胞を含むと分類される腫瘍を有する患者は、癌幹細胞を標的とし、かつ/または癌幹細胞に対して有効であることが知られている化学療法を提供される。
いくつかの実施形態において、FACT検出による癌幹細胞を含むという腫瘍細胞型の分類は、再発し易い癌型の指標となる。いくつかの実施形態において、腫瘍の治療を受けた患者におけるFACTの検出は、治療後のさらなる監視を指示し得る。いくつかの実施形態において、腫瘍の治療を受けた患者におけるFACTの検出は、再発の可能性があるため、アジュバントまたはネオアジュバント療法を指示し得る。
クロマチン転写促進因子(FACT)複合体は、80kDaのサブユニット及び140kDaのサブユニットの2つのサブユニットのヘテロ二量体である。これらのサブユニットは、構造特異的認識タンパク質1(SSRP1)及びTyの抑制因子(SPT16またはSUPT16H)である。本明細書において使用される場合、FACTは、SSRP1及びSPT16のヘテロ二量体、または個々のSSRP1及びSPT16サブユニットを指す。理論に拘束されることを望むものではないが、FACTは、ヌクレオソームの安定性の調節を介したクロマチンリモデリングに関与する。FACTは、例えば、転写、複製、組換え、DNA損傷、及び修復等のクロマチンに関連する多くのプロセスに関与し得る。FACTは、ヒストンH2A/H2Bと特異的に相互作用し、ヌクレオソームの解体及び転写伸長に影響を及ぼす。異なる癌のモデルにおいて抗癌活性を有する小分子Curaxin(例えば、Curaxin−137)(WO 2010/042445号(その内容は、参照により全体として本明細書に組み込まれる)を参照)はFACTの機能不活化を引き起こす(Gasparian,et al.Sci.Trans.Med.3:95ra74(2011)(その内容は、参照により全体として本明細書に組み込まれる)を参照)。
構造特異的認識タンパク質1(SSRP1)(ヒトのmRNA:NM_003146.2、配列は、参照により全体として本明細書に組み込まれる、マウスのmRNA:NM_001136081.1、配列は、参照により全体として本明細書に組み込まれる)の遺伝子によってコードされるタンパク質は、SPT16とともにFACTを形成するヘテロ二量体のサブユニットである。SSRP1は、80kDaのサブユニットである。FACT及びシスプラチン損傷DNAは、シスプラチンの抗癌機構にとって非常に重要であり得る。SSRP1がコードされたタンパク質(ヒト:NP_003137.1、配列は、参照により全体として本明細書に組み込まれる、マウス:NP_001129553.1、配列は、参照により全体として本明細書に組み込まれる)は、理論に拘束されることを望むものではないが、シスプラチン修飾DNAに対する構造認識要素を構成し得る高移動度群ボックスを含有する。SSRP1はまた、SSRP1、SUPT16H、CSNK2A1、CSNK2A2、及びCSNK2Bを含む、UV照射後に形成するCK2−SPT16−SSRP1の成分でもある。SSRP1は、セリン/スレオニンタンパク質キナーゼであるNEK9と相互作用することが示されている。SSRP1タンパク質は、転写活性因子p63(例えば、TP63のアイソフォームγを含む)の活性化補助因子としても機能する。SSRP1は、全長p63の活性を促進するが、N末端欠失p63(DeltaN−p63)変異体には影響を及ぼさない。SSRP1は、FYTTD1/UIF及びSRFとも相互作用する。
SPT16(SUPT16H)は、ヒトにおいてSUPT16H遺伝子(ヒトのmRNA:NM_007192.3、配列は、参照により全体として本明細書に組み込まれる、マウスのmRNA:NM_033618.3、配列は、参照により全体として本明細書に組み込まれる)によってコードされるタンパク質である。SPT16タンパク質(ヒト:NP_009123.1、配列は、参照により全体として本明細書に組み込まれる、マウス:NP_291096.2、配列は、参照により全体として本明細書に組み込まれる)は、FACT複合体中の140kDaのサブユニットである。SPT16はまた、SSRP1、SUPT16H、CSNK2A1、CSNK2A2、及びCSNK2Bを含む、UV照射後に形成するCK2−SPT16−SSRP1の成分でもある。さらにSPT16は、少なくともSMARCA2、SMARCA4、SMARCB1、SMARCC1、SMARCC2、SMARCD1、SMARCE1、ACTL6A、BAZ1B/WSTF、ARID1A、SUPT16H、CHAF1A、及びTOP2Bを含むWINAC複合体の成分である。SPT16は、チロシンタンパク質キナーゼであるBAZ1Bと相互作用することが示されている。SPT16はまた、NEK9、基本転写因子IIEサブユニット2(GTF2E2)とも相互作用し、ヒストンH2A−H2Bに結合する。
種々の態様において、本発明は、腫瘍を評価することを含む。種々の実施形態において、評価は、診断、予後、及び治療に対する反応から選択されてもよい。
診断は、例えば、癌等の可能性のある疾患または障害を判定または特定しようとするプロセスを指す。予後は、例えば、癌等の可能性のある疾患または障害の考えらる転帰を予測することを指す。完全な予後は、予想される期間、機能、及び漸進的な低下、断続的な危機、または突然の予測不能な危機等の疾患の過程の記述をしばしば含む。治療に対する反応は、治療を受けた時の患者の医学的転帰の予測である。治療に対する反応は、非限定的な例として、病理学的な完全寛解、生存、及び再発の可能性であってもよい。
一実施形態において、高リスクまたは低リスク分類は、ネオアジュバント及び/もしくはアジュバント化学療法に対する陽性反応及び/もしくはその利益、またはネオアジュバント及び/もしくはアジュバント化学療法に対する無反応性及び/もしくはその利益の欠如の予測となる。
特定の実施形態において、ネオアジュバント化学療法は、任意の外科手術の前に腫瘍を縮小させる及び/またはグレードを下げるための化学療法を指す。したがって、本明細書において使用される場合、ネオアジュバント化学療法という用語は、外科手術の前に癌患者に投与される化学療法剤を意味する。ネオアジュバント化学療法が一般に検討される癌の種類は、例えば、乳癌、結腸直腸癌、卵巣癌、子宮頸癌、膀胱癌、及び肺癌を含む。
アジュバント治療とも称されるアジュバント療法は、一次治療、主要な治療、または初期治療に加えて施される治療である。非限定的な例として、アジュバント療法は、通常、全ての検出可能な疾患が除去されたが、潜在性疾患のために再発の統計的リスクが残る場合、外科手術の後に施される付加的治療(例えば、化学療法)であってもよい。
種々の実施形態において、本発明は、FACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16に基づく腫瘍評価、ならびに高リスク群及び低リスク群への腫瘍の分類を提供する。種々の実施形態において、FACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16が、患者の検体中で測定される(例えば、正常細胞と悪性細胞とを分類/計数し、FACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16を発現する悪性細胞の数を、例えば、パーセントとして定量化することを含む)。種々の実施形態において、そのような測定は、FACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16の染色の近接性を評価することができる。種々の実施形態において、測定は、コンピュータで実施されてもよい。
いくつかの実施形態において、高リスク分類は高レベルの癌悪性度を含み、悪性度は、高い腫瘍グレード、高悪性度の組織学的サブタイプ、低い全体的な生存率、高い転移の確率、及び悪性度の指標となる腫瘍マーカーの存在のうちの1つ以上によって特徴付けられる。
さらに別の実施形態において、低リスク分類は、低レベルの癌悪性度を含み、前記悪性度は、低い腫瘍グレード、低悪性度の組織学的サブタイプ、高い全体的な生存率、低い転移の確率、ならびに悪性度の指標となる腫瘍マーカーの非存在及び/または減少のうちの1つ以上によって特徴付けられる。
腫瘍グレードは、顕微鏡下で癌細胞がどれくらい異常に見えるか、及び腫瘍がどれだけ急速に成長して広がる可能性があるかという観点から癌細胞を分類するために使用されるシステムである。腫瘍グレードを決定する際には、細胞の構造及び成長パターンを含む多くの要因が検討される。腫瘍グレードを決定するために使用される特定の要因は、各癌の種類によって異なる場合があり、当該技術分野において既知である。
分化とも称される組織学的グレードは、腫瘍細胞がどれくらい同じ組織型の正常細胞に類似するかを指す。核グレードは、腫瘍細胞の核のサイズ及び形状、ならびに分割している腫瘍細胞のパーセンテージを指す。
癌細胞の顕微鏡像に基づいて、病理医は、一般的に、グレード1、2、3、及び4の4つの重症度によって腫瘍グレードを説明する。グレード1の腫瘍の細胞は、正常細胞に類似し、徐々に成長及び増幅する傾向がある。グレード1の腫瘍は、一般的に、挙動において最も悪性度が低いと見なされる。反対に、グレード3またはグレード4の腫瘍の細胞は、同じ種類の正常細胞のようには見えない。グレード3及び4の腫瘍は、急速に成長し、より低いグレードの腫瘍よりも早く広がる傾向がある。American Joint Committee on Cancerは、腫瘍を等級付けするために以下のガイドラインを推奨している:GX:グレードを評価することができない(未確定グレード)、G1:高分化型(低グレード)、G2:中分化型(中グレード)、G3:低分化型(高グレード)、及びG4:未分化型(高グレード)。
等級分類は、各癌の種類ごとに異なる。例えば、病理医は、前立腺癌細胞の分化の程度を説明するためにグリーソン分類を用いる。グリーソン分類は、グレード2からグレード10までの範囲のスコアを用いる。より低いグリーソンスコアは、高分化型の、低悪性度の腫瘍を説明する。より高いスコアは、低分化型の、より悪性度の高い腫瘍を説明する。他の等級分類は、例えば、乳癌のBloom−Richardson分類及び腎癌のFuhrman分類を含む。
いくつかの実施形態において、腫瘍はFACTの測定によって評価され、FACTの存在及び/または高レベルのFACTは、より高いグレードの癌の指標となる。これらの実施形態において、患者は、高悪性度の癌に罹患しており、アジュバント及びネオアジュバント療法等の本明細書に記載の治療を含む侵襲性の治療計画が用いられる。代替として、これらの状況は、よりよい生活の質のために無効な化学療法による不必要な毒性を回避するよう、侵襲性の治療の中止及び緩和ケアの利用を指示することができる。
反対に、いくつかの実施形態において、腫瘍はFACTの測定によって評価され、FACTの非存在及び/または低レベルのFACTは、より低いグレードの癌の指標となる。これらの実施形態において、患者は、低悪性度の癌に罹患しており、本明細書に記載の治療を含む低侵襲性の治療計画が用いられる。これらの実施形態において、アジュバント及びネオアジュバント療法は、短縮されるかまたは完全に回避されてもよい。
種々の実施形態において、侵襲性の治療は、外科手術及び照射及び化学療法の組み合わせ、または外科手術及び照射の組み合わせ、または外科手術及び化学療法の組み合わせを含んでもよい。
組織学的サブタイプは、癌のサブタイプを分類するための組織診断の使用を指す。例えば、乳癌において、例示的なサブタイプは粘液性及び管状である。これらのサブタイプは、好ましいかまたは低悪性度であるとみなされる。
いくつかの実施形態において、本発明の方法は、癌の治療を指示する上で組織学的サブタイプの使用に取って代わるかまたはそれを増強する。
癌の生存率または生存統計は、特定の期間、特定の種類の癌を克服する人々のパーセンテージを指してもよい。癌の統計は、全体的な5年生存率を用いることが多い。例えば、膀胱癌の全体的な5年生存率は80パーセントであり、すなわち、これは、膀胱癌であると診断された100人の人々のうち80人が5年後に生存しており、膀胱癌と診断された100人のうち20人が5年以内に死亡したことを意味する。他の種類の生存率、例えば、無病生存率(寛解を達成する癌に罹患する人々の数)及び無進行生存率(なおも癌を有するが、疾患は進行していない人々の数)が使用されてもよい。
いくつかの実施形態において、腫瘍はFACTの測定によって評価され、FACTの存在及び/または高レベルのFACTは、より低い全体的な生存確率の指標となる。これらの実施形態において、患者は、高悪性度の癌に罹患しており、アジュバント及びネオアジュバント療法等の本明細書に記載の治療を含む侵襲性の治療計画が用いられる。代替として、これらの状況は、よりよい生活の質のために無効な化学療法による不必要な毒性を回避するよう、侵襲性の治療の中止及び緩和ケアの利用を指示することができる。
反対に、いくつかの実施形態において、腫瘍はFACTの測定によって評価され、FACTの非存在及び/または低レベルのFACTは、より高い全体的な生存確率の指標となる。これらの実施形態において、患者は、低悪性度の癌に罹患しており、本明細書に記載の治療を含む低侵襲性の治療計画が用いられる。これらの実施形態において、アジュバント及びネオアジュバント療法は、短縮されるかまたは完全に回避されてもよい。
転移の確率は、癌が転移特性を帯びる可能性を指す。
いくつかの実施形態において、腫瘍はFACTの測定によって評価され、FACTの存在及び/または高レベルのFACTは、より高い転移の確率の指標となる。これらの実施形態において、患者は、高悪性度の癌に罹患しており、アジュバント及びネオアジュバント療法等の本明細書に記載の治療を含む侵襲性の治療計画が用いられる。代替として、これらの状況は、よりよい生活の質のために無効な化学療法による不必要な毒性を回避するよう、侵襲性の治療の中止及び緩和ケアの利用を指示することができる。
反対に、いくつかの実施形態において、腫瘍はFACTの測定によって評価され、FACTの非存在及び/または低レベルのFACTは、より低い転移の可能性の指標となる。これらの実施形態において、患者は、低悪性度の癌に罹患しており、本明細書に記載の治療を含む低侵襲性の治療計画が用いられる。これらの実施形態において、アジュバント及びネオアジュバント療法は、短縮されるかまたは完全に回避されてもよい。
癌細胞マーカーは、癌の指標となる特定の遺伝子/タンパク質の発現を含む癌または悪性腫瘍の特性を指す。これらのマーカーは、当該技術分野で既知である。いくつかの実施形態において、ある癌細胞マーカーは、高悪性度の癌の指標となるが、他の癌細胞マーカーはそうはならない。例えば、乳癌では、基底型、トリプルネガティブ、ER陰性、及びHer2陽性は、高悪性度の癌の指標となる。反対に、管腔型、ホルモン受容体陽性、ER陽性、及びHer2陰性は、低悪性度の癌の指標となる。
非小細胞肺癌(NSCLC)の場合、未分化大細胞癌は高悪性度の癌を意味するのに対し、他の種類の肺癌は低悪性度の癌を示唆する。腎細胞癌(RCC)の場合、乳頭状癌及び肉腫様癌は高悪性度の癌を意味するのに対し、これらの癌が見られないことは低悪性度の癌の指標となる。
いくつかの実施形態において、腫瘍はFACTの測定によって評価され、FACTの存在及び/または高レベルのFACTは、高悪性度の癌に関連する癌細胞マーカーの存在の指標となる。これらの実施形態において、患者は、高悪性度の癌に罹患しており、アジュバント及びネオアジュバント療法等の本明細書に記載の治療を含む侵襲性の治療計画が用いられる。代替として、これらの状況は、よりよい生活の質のために無効な化学療法による不必要な毒性を回避するよう、侵襲性の治療の中止及び緩和ケアの利用を指示することができる。
反対に、いくつかの実施形態において、腫瘍はFACTの測定によって評価され、FACTの非存在及び/または低レベルのFACTは、高悪性度の癌に関連する癌細胞マーカーが存在しないことの指標となる。これらの実施形態において、患者は、低悪性度の癌に罹患しており、本明細書に記載の治療を含む低侵襲性の治療計画が用いられる。これらの実施形態において、アジュバント及びネオアジュバント療法は、短縮されるかまたは完全に回避されてもよい。
いくつかの実施形態において、低リスク分類は、ネオアジュバント及び/またはアジュバント療法を保留する指標となる。いくつかの実施形態において、低リスク分類の患者は、ネオアジュバント及び/またはアジュバント療法を受けない。
いくつかの実施形態において、高リスク分類は、ネオアジュバント及び/またはアジュバント療法を提供する指標となる。いくつかの実施形態において、高リスク分類の患者は、ネオアジュバント及び/またはアジュバント療法を受ける。
本発明はまた、癌の種類及び病期によって異なり得る利点も提供する。いくつかの実施形態において、腫瘍は下層組織に浸潤しておらず、評価は、悪性腫瘍の進行を予防するため及びさらなる浸潤を予防するための治療計画を促進するのに有用である。これらの実施形態において、治療計画は、任意選択的に、高悪性度の癌において行われるであろうものよりも侵襲性が低い。さらに他の実施形態において、癌は、下層組織に浸潤しているが、局所的なリンパ節の関与または転移は見られず、評価は、悪性腫瘍の進行を予防するため及びさらなる浸潤を予防するための治療計画を促進するのに有用である。これらの実施形態において、治療計画は、任意選択的に、腫瘍が下層組織に浸潤していなかった場合に行われたであろうものよりも侵襲性が高い。これらの実施形態において、局所的なリンパ節の関与が見られるが、遠隔部位への転移はなく、局所的なリンパ節の関与または転移は見られず、評価は、悪性腫瘍の進行を予防するため及びさらなる浸潤を予防するための治療計画を促進するのに有用である。そのような実施形態において、治療計画は、任意選択的に非常に侵襲性が高い。代替として、本明細書に記載のFACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16に基づく評価は、これらの状況において、よりよい生活の質のために無効な化学療法による不必要な毒性を回避するよう、侵襲性の治療の中止及び緩和ケアの利用を指示することができる。さらに他の実施形態において、癌は複数の転移巣を有し、評価は、悪性腫瘍の進行を予防するため及びさらなる浸潤を予防するための治療計画を促進するのに有用である。そのような実施形態において、治療計画は、任意選択的に非常に侵襲性が高い。代替として、本明細書に記載のFACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16に基づく評価、これらの状況において、よりよい生活の質のために無効な化学療法による不必要な毒性を回避するよう、侵襲性の治療の中止及び緩和ケアの利用を指示することができる。
本明細書に記載のFACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16に基づく評価は、癌の病期の指標となり得る。非限定的な例として、全体的な病期分類を用いると、病期Iの癌は、体の一部に局在化し、病期IIの癌は、局所的に進行しており、病期IIIの癌も同様である。癌を病期IIまたは病期IIIと指定するかどうかは、特定の種類の癌に依存し得る。非限定的な一例であるホジキン病において、病期IIは、横隔膜の一方の側のみに罹患リンパ節があることを意味するのに対し、病期IIIは、横隔膜の上及び下に罹患リンパ節があることを意味する。したがって、病期II及び病期IIIの特定の基準は、診断によって異なる。病期IVの癌は、他の器官または体中に転移しているかまたは広がっていることが多い。
よって、いくつかの実施形態において、癌は、病期Iであり、局所的に進行していない。これらの実施形態によれば、本明細書に記載の腫瘍評価は、低侵襲性の治療を指示することができる。いくつかの実施形態において、癌は病期IIまたは病期IIIであり、すなわち、癌は局所的に進行している場合がある。これらの実施形態によれば、本明細書に記載の腫瘍評価は、より侵襲性の高い治療を指示することができる。代替として、本明細書に記載のFACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16に基づく評価は、これらの状況において、よりよい生活の質のために無効な化学療法による不必要な毒性を回避するよう、侵襲性の治療の中止及び緩和ケアの利用を指示することができる。さらに他の実施形態において、癌は、病期IVであるかまたは転移性である。これらの実施形態によれば、本明細書に記載の腫瘍評価は、より侵襲性の高い治療を指示することができる。代替として、本明細書に記載のFACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16に基づく評価は、これらの状況において、よりよい生活の質のために無効な化学療法による不必要な毒性を回避するよう、侵襲性の治療の中止及び緩和ケアの利用を指示することができる。
いくつかの実施形態において、癌は切除不能である。切除不能な癌は、転移巣の数に起因して、または外科的に危険な領域であるために、外科的に除去することができない悪性腫瘍である。いくつかの実施形態において、評価は、化学療法及び/または放射線療法の前に、患者の準備を行い、かつ/または腫瘍体積を減少させる治療を指示し、必要とされる化学療法または放射線の線量を減少させることができる。
いくつかの実施形態において、癌は多剤耐性である。例えば、患者は、実質的な反応を示すことなく、1サイクル以上の化学療法を受けている場合がある。代替として、またはさらに、腫瘍は、多剤耐性の1つ以上のマーカーを有する。そのようなマーカーは、化学療法反応アッセイまたは分子アッセイを含む。したがって、本明細書において使用される場合、多剤耐性という用語は、癌が少なくとも1サイクルの併用化学療法に対して無反応性を示しているか、または代替として、ドセタキセル、パクリタキセル、ドキソルビシン、エピルビシン、カルボプラチン、シスプラチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、オキサリプラチン、カルムスチン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、シクロホスファミド、イホスファミド、トポテカン、エルロチニブ、エトポシド、及びマイトマイシンのうちの少なくとも2つに対して耐性(同等の薬剤に対する耐性も含む)であると(診断的に)スコア化されていることを意味する。そのような実施形態において、FACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16に基づく腫瘍評価は、侵襲性の治療を指示することができる。代替として、本明細書に記載のFACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16に基づく評価は、これらの状況において、よりよい生活の質のために無効な化学療法による不必要な毒性を回避するよう、侵襲性の治療の中止及び緩和ケアの利用を指示することができる。
いくつかの実施形態において、患者は寛解期にある。寛解を達成した患者の場合、本明細書に記載のFACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16に基づく評価は、低侵襲性の治療(例えば、再発を回避するかもしくは遅らせるための治療)、または寛解を維持するのに有用な治療、または無治療を指示することができる。
他の実施形態において、癌は、初期癌の従来の化学療法後の再発である。しばしば、再発癌は薬剤耐性を生じており、したがって、治療することが特に困難であり、不良な生存予後を伴うことが多い。そのような実施形態において、本明細書に記載のFACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16に基づく評価は、侵襲性の治療を指示することができる。代替として、本明細書に記載のFACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16に基づく評価は、これらの状況において、よりよい生活の質のために無効な化学療法による不必要な毒性を回避するよう、侵襲性の治療の中止及び緩和ケアの利用を指示することができる。
他の実施形態において、ヒト試料中のFACTの測定は、従来の治療で不良な生存予後を有する患者の指標となる。例えば、予後は、約5年未満、約3年未満、約2年未満、または約1年未満の予想される生存率(例えば、約50%、または約60%、または約70%、または約80%、または約90%を超える確率)であってもよい。予後は、放射線療法及び/もしくは化学療法に対する癌型の集団反応率を含む癌型に基づき得、かつ/または、FACTだけではなく、例えば、VEGF、PDGFRβ、CD31、HER2、PTEN、ERCC1、BRCA1、TOPO2α、Ki−67、P53、TS、ER、PR、もしくはEGFR、ALK、KRAS、BRAF、及びPI3Kのうちの1つ以上の変異の発現レベルを含む、腫瘍細胞の分子特性に基づき得る。いくつかの実施形態において、FACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16の存在またはその高いレベルは、予後不良の指標となる。これらの実施形態において、FACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16の存在またはその高いレベルは、侵襲性の治療を指示することができる。これらの実施形態において、FACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16の存在またはその高いレベルは、患者に侵襲性の治療を受けさせることができる。
代替として、予後は、FACTに加えて、化学療法耐性を示す癌の遺伝子発現特性、癌再発の可能性、または生存の高リスク群に基づいてもよい。遺伝子発現シグネチャーは、治療に対する腫瘍の反応及び/または予後に関する他の腫瘍の分類を予測するために徐々に利用可能となっている。例示的な遺伝子発現シグネチャーは、PCT/US2012/022594(結腸癌)、米国特許第8,211,643(NSCLC)号、米国特許公開公報2010−0331210号(乳癌)、米国特許第7,056,674号、米国特許第7,081,340号、米国特許第7,569,345号、及び米国特許第7,526,387号に記載され、これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
FACT測定を含む腫瘍評価が予後不良を示す実施形態において、これは、非常に侵襲性が高い治療計画を指示することができる。代替として、本明細書に記載のFACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16に基づく評価は、これらの状況において、よりよい生活の質のために無効な化学療法による不必要な毒性を回避するよう、侵襲性の治療の中止及び緩和ケアの利用を指示することができる。
いくつかの実施形態において、腫瘍評価は、全身状態の代わりとなる。全身状態は、当該技術分野で既知の患者の全身状態をスコア化するための任意のシステム及び方法を使用して定量化することができる。この尺度は、患者が化学療法を受けることができるかどうかを決定するため、用量の調節、及び緩和ケアの強度を決定するために利用される。Karnofskyスコア及びZubrodスコアを含む種々のスコアリングシステムが存在する。同等のスコアリングシステムとして、機能の全体的評価(Global Assessment of Functioning:GAF)スコアが挙げられ、これは、精神障害の診断と統計の手引き(Diagnostic and Statistical Manual:DSM)の5番目の軸として組み込まれている。全身状態を利用することの大きな限界は、主観性が存在することであり、したがって、本発明は、いくつかの実施形態において、この問題を解決する。
より高い全身状態(例えば、Karnofskyスコアリングシステムを用いて少なくとも80%、または少なくとも70%)は、病態の進行を予防し、化学療法及び/または放射線治療を許容する患者の能力を増強するための治療を意味し得る。例えば、これらの実施形態において、患者は歩行可能であり、自己管理が可能である。他の実施形態において、評価は、全身状態が低い患者の指標となり(例えば、Karnofskyスコアリングシステムを用いて50%未満、30%未満、または20%未満)、従来の放射線療法及び/または化学療法が忍容性を示すことを可能にする。これらの実施形態において、患者は、主に病床にあるか、または自己管理さえもできない。
一実施形態において、ヒト腫瘍検体(例えば、生検を含む)またはそれから培養した細胞中のFACTの検出及び/または高レベルのFACTは、低い全身状態の指標となる。そのような実施形態において、本明細書に記載のFACTアッセイは、非常に侵襲性の高い治療の使用を指示する。代替として、本明細書に記載のFACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16に基づく評価は、これらの状況において、よりよい生活の質のために無効な化学療法による不必要な毒性を回避するよう、侵襲性の治療の中止及び緩和ケアの使用を指示することができる。
一実施形態において、ヒト腫瘍検体(例えば、生検を含む)またはそれから培養した細胞におけるFACTの無検出及び/または低レベルのFACTは、高い全身状態の指標となる。そのような実施形態において、本明細書に記載のFACTアッセイは、不要な毒性を回避するために低侵襲性の治療の使用を指示する。
Karnofskyスコアは100から0まであり、100が「完全な」健康であり、0は死亡である。スコアは10%の間隔で用いることができる:100%:正常、疾患に対する患者の訴えがなく、臨床症状なし;90%:若干の疾患の症状または兆候はあるものの、通常の活動が可能;80%:いくらかの困難を伴って通常の活動が可能、いくらかの症状または兆候がある;70%:自分自身の世話はできるが、通常の活動または労働は不可能;60%:いくらかの介助を必要とするが、個人的に必要なことはほとんど対処できる;50%:介助を必要とすることが多く、頻繁に医療行為が必要;40%:障害があり、特別なケア及び介助が必要;30%:重度の障害があり、入院を要するが死亡の危険性はない;20%:非常に重症、早急に入院を必要とし、対症手段または療法が必要;10%:瀕死、急速に進行する致死的疾患の過程。
全身状態に関するZubrodスコアリングシステムは以下を含む:0:全く問題なく活動でき、発病前と同じ日常生活が制限なく行える;1:肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能であり、軽作業や座っての作業は行うことができる(例えば、軽い家事、事務作業);2:歩行可能で自分の身の回りのことは全て可能だが、作業はできない。起きている時間の50%以上をベッド外で過ごす;3:限られた自分の身の回りのことしかできない。起きている時間の50%以上をベッドまたは椅子で過ごす;4:全く動けない、自分の身の回りのことは全くできず、完全にベッドまたは椅子で過ごす;5:死亡。
いくつかの実施形態において、腫瘍の組織学的試料は、Elston&Ellis,Histopathology,1991,19:403−10(その内容は、参照により全体として本明細書に組み込まれる)に従って等級分けされる。
いくつかの実施形態において、FACTは、癌幹細胞の代理マーカーであり、そのような細胞の既知のマーカーの代わりに使用することができる。いくつかの実施形態において、FACTは、既知のマーカーと組み合わせて使用されてもよい癌幹細胞のマーカーであり、患者がそのような細胞を有するかどうかの正確な予測の可能性を向上させる。
癌幹細胞は、自己複製能及び多分化能を有する。癌幹細胞の仮説は、癌幹細胞は、腫瘍内の希少な細胞集団を意味するが、それらの腫瘍形成能が腫瘍形成を促進すると述べている。癌幹細胞は、大規模な増殖能を有し、増殖能または発生能の低い2種類以上の分化した子孫を産生するように非対称細胞分裂が可能であり、自己複製または自己維持のための対象細胞分裂が可能である。癌幹細胞に固有の幹細胞様特性のために、癌幹細胞の増殖は、より多くの癌幹細胞、及び腫瘍の大部分を構成する全ての分化した細胞型を産生する。腫瘍内の非癌幹細胞は、癌幹細胞よりも速い速度で増殖することが示されているが、腫瘍開始能はほとんど有しない。癌幹細胞は、毒性及び化学的障害に対する耐性の増加を示すことから、この特定の細胞の亜集団が、化学療法に対する耐性及び疾患再発の根底にあると考えられる。実際に、癌幹細胞モデルは、腫瘍を排除し、その再発を予防するためには、全ての癌幹細胞が根絶されなければならないと仮定している。
いくつかの実施形態において、FACT検出による癌幹細胞を含むという腫瘍細胞型の分類は、従来の化学療法に耐性を示す癌型の指標となる。いくつかの実施形態において、FACT検出によって癌幹細胞を含むと分類される腫瘍を有する患者は、癌幹細胞を標的とし、かつ/または癌幹細胞に対して有効であることが知られている化学療法を提供される。いくつかの実施形態において、癌幹細胞を標的とし、かつ/または癌幹細胞に対して有効であることが知られているそのような化学療法は、テロメラーゼの触媒部位に高い親和性及び特異性で結合するBBI608、BBI50剤(例えば、イメテルスタット(GRN163L))、GRNOPC1、解糖阻害剤3−ブロモ−2−オキソプロピオネート−1−プロピルエステル(3−BrOP)(例えば、低酸素条件下で)、カルムスチン、メトホルミン、チオリダジン、接着斑キナーゼ(FAK)の阻害剤(例えば、Defactinib(VS−6063))、VS−4718、VS−5584、Sabutoclax、デルタ様リガンド4(DLL4)を標的とする抗体(例えば、Demcizumabを含む)、インターロイキン−3受容体(IL−3R)に対する薬剤(例えば、SL−401を含む)、及びそれらの組み合わせから選択される。反対に、FACTの非存在は、患者が癌幹細胞を有しないということを意味し得、癌幹細胞を標的とする必要はなく、かつ/または癌幹細胞に対して有効であることが知られている従来の化学療法の使用を正当化し得る。
いくつかの実施形態において、FACT検出による癌幹細胞を含むという腫瘍細胞型の分類は、再発し易い癌型の指標となる。いくつかの実施形態において、腫瘍の治療を受けた患者におけるFACTの検出は、治療後のさらなる監視を指示し得る。例えば、従来の治療後の監視は、寛解後の最初の1〜2年は3〜4ヶ月に1回程度であり、その後の年は6ヶ月に1回であることが多い。いくつかの実施形態において、FACTの検出は、再発性の癌を検出するための従来のアッセイを使用して、例えば、毎週、隔週、毎月、隔月等、監視の強化を指示することができる。たとえ寛解後の最初の1〜2年が過ぎても、例えば、毎週、隔週、毎月、隔月等、再発性の癌を検出するための従来のアッセイを使用した監視レベルは高いままであってもよい。いくつかの実施形態において、FACTの検出は、例えば、1年当たり1〜10回、または少なくとも1年おきに1回、再発性の癌を検出するための従来のアッセイを使用した監視を指示することができる。反対に、FACTの非存在は、患者が癌幹細胞を有しないということを意味し得、従来の治療後の監視を正当化し得る。
いくつかの実施形態において、腫瘍の治療を受けた患者におけるFACTの検出は、再発の可能性があるため、アジュバントまたはネオアジュバント療法を指示し得る。いくつかの実施形態において、FACTの検出は、癌幹細胞の存在及び再発の高い可能性を意味し、したがって、そのような患者は、本明細書に記載されるようなアジュバントまたはネオアジュバント療法を受けることができる。反対に、FACTの非存在は、癌幹細胞の非存在を意味し得、アジュバントまたはネオアジュバント療法を保留することを正当化し得る。
いくつかの実施形態において、癌幹細胞の存在を予測するためのFACTの使用は、本明細書に記載の腫瘍評価のためのFACTの他の使用と併せて(例えば、腫瘍悪性度の指標として)用いられる。例えば、FACT+患者は、彼らの腫瘍の悪性度が高いという可能性から侵襲性の治療を受ける場合があるが、この治療は、癌幹細胞に対して有効な化学療法として選択されてもよい。さらに、FACT+は、侵襲性の治療を受けることができるだけではなく、治療の成功後に通常よりもさらに頻繁に監視されてもよい。
本明細書に記載の方法は、固形腫瘍及び白血病を含む様々な癌に適用できる。種々の実施形態において、癌は、軟部組織肉腫、扁平上皮細胞癌、線維肉腫、筋肉腫、骨肉腫、血管肉腫、類上皮肉腫、または上皮癌である。いくつかの実施形態において、腫瘍の組織診断は、重度の腺癌、類内膜腺癌、粘液性腺癌、未分化腺癌、移行細胞腺癌、または腺癌である。例示的な癌として、SCLC及びNSCLCを含む肺癌中皮腫、脳癌、神経膠芽腫、頭頸部癌、食道癌、乳癌、リンパ腫、前立腺癌、膵臓癌、肝癌、胃癌、腎癌、結腸または結腸直腸癌、卵巣癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、精巣癌、ならびに黒色腫が挙げられる。さらに他の実施携帯において、癌は、慢性骨髄性白血病(CML)または急性リンパ性白血病(ALL)等の白血病である。
種々の実施形態において、癌は固形腫瘍である。いくつかの実施形態において、腫瘍は、原発性もしくは再発性の腫瘍または転移巣のうちの1つ以上である。
いくつかの実施形態において、腫瘍は、乳房、前立腺、膵臓、肺、肝臓、腎臓、膀胱、結腸直腸、卵巣、子宮頸部、頭頸部、皮膚、中枢及び末梢神経系のうちのいずれか1つである。
種々の実施形態において、本明細書に記載のFACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16に基づく評価は、侵襲性の治療を指示することができる。FACT+とスコア化された患者は、一次、アジュバント、またはネオアジュバント治療計画として以下のうちの1つ以上を受けることができる:化学療法計画(例えば、単剤療法及び併用療法を含む)。化学療法は、限定されないが、例えば、パクリタキセル、ドキソルビシン、ミトラマイシン、セタキセル、白金系化学療法剤(シスプラチン及びカルボプラチンを含むがこれらに限定されない)、マイトマイシン、メトトレキサート、フルオロウラシル、5−フルオロウラシル(5−FU)、ビノレルビン、トポテカン、イリノテカン、ブレオマイシン、ブレオマイシン塩酸塩、マイトマイシン、アクチノマイシン、トポイソメラーゼI及びII阻害剤、アントラサイクリン、エピルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン、バルルビシン、エトポシド、テニポシド、ルビテカン、及びその誘導体であってもよい。化学療法は、タキサン及び/または代謝拮抗薬及び/またはその誘導体を含んでもよい。
さらに、または代替的に、患者は、アントラサイクリン、タキソールもしくはタキソイド、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、挿入剤、キナーゼ阻害剤、またはナイトロジェンマスタードから選択される化学療法を受けることができる。非限定的な例示的薬剤として、トポイソメラーゼ阻害剤(IもしくはII)、アポトーシス誘導剤、プロテアーゼ阻害剤、微小管阻害剤、有糸分裂阻害剤、代謝拮抗剤、シグナル伝達阻害剤、エストロゲン受容体阻害剤、EGFR阻害剤、Her2阻害剤、またはアロマターゼ阻害剤のうちの1つ以上が挙げられる。
さらに、または代替的に、患者は、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、アドリアマイシン、ビンクリスチン、カルムスチン、シスプラチン、5−フルオロウラシル、タモキシフェン、プロダソン、サンドスタチン、マイトマイシンC、ホスカルネット、パクリタキセル、ドセタキセル、ゲムシタビン、フルダラビン、カルボプラチン、ロイコボリン、タモキシフェン、ゴセレリン、ケトコナゾール、リュープロリド、フルタミド、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、カンプトテシン、トポテカン、イリノテカン塩酸塩、エトポシド、ミトキサントロン、テニポシド、アムサクリン、メルバロン、ピロキサントロン塩酸塩、メトトレキサート、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、シタラビン(Ara−C)、トリメトレキサート、アシビシン、アラノシン、ピラゾフリン、ペントスタチン、5−アザシチジン、5−アザシチジン、5−アザ−5−アザ−2’−デオキシシチジン、アデノシンアラビノシド(Ara−A)、クラドリビン、フトラフール、UFT(ウラシルとフトラフールの組み合わせ)、5−フルオロ−2’−デオキシウリジン、5−フルオロウリジン、5’−デオキシ−5−フルオロウリジン、ヒドロキシウレア、ジヒドロレンクロラムブシル、チアゾフリン、オキサリプラチン、メルファラン、チオテパ、ブスルファン、クロラムブシル、プリカマイシン、ダカルバジン、イホスファミド、リン酸、シクロホスファミド、ピポブロマン、4−イポメアノール、ジヒドロレンペロン、スピロムスチン、ゲルダナマイシン、サイトカラシン、デプシペプチド、4’−シアノ−3−(4−(例えば、ZOLADEX)、及び4’−シアノ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−3’−(トリフルオロメチル)プロピオンアニリドのうちの1つ以上を含む化学療法剤を投与されてもよい。
いくつかの実施形態において、患者は、HERCEPTIN等の抗Her2/neu抗体、ERBITUX等の抗EGFR抗体、AVASTIN等の増殖因子受容体抗体、TARCEVA、IRESSA、もしくはスニチニブ等の小分子阻害剤、またはRITUXAN等の抗CD20のうちの1つ以上を投与されてもよい。さらに他の実施形態において、患者は、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ラパチニブ、セツキシマブ、パニツムマブ、またはイマチニブを投与される。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載のFACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16に基づく腫瘍の評価は、例えば、WO 2010/042445号(その内容は、参照により全体として本明細書に組み込まれる)に記載されるもの等のカルバゾール化合物を用いた患者の治療を指示することができる。いくつかの実施形態において、カルバゾール化合物は、例えば、CBLC000、CBLC100、及びCBLC137等のCuraxinである(例えば、Gasparian,et al.Sci.Trans.Med.3:95ra74(2011)(その内容は、参照により全体として本明細書に組み込まれる)を参照のこと)。
本明細書に記載のFACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16に基づく腫瘍の評価は、放射線療法を含む患者の治療を指示することができる。放射線療法は、例えば、外部ビーム療法(EBT)または強度変調放射線治療(IMRT)であってもよい。EBTは、腫瘍の場所に高エネルギーX線のビームを送達する。ビームは、(通常は直線加速装置によって)患者の体外で生成され、腫瘍部位を標的とする。これらのX線は、癌細胞を破壊することができ、慎重な治療計画によって周囲の正常組織が広がることを可能にする。放射能源は、患者の体内に配置されない。IMRTは、コンピュータ制御式のX線加速装置を用いて悪性腫瘍または腫瘍内の特定の領域に正確な放射線線量を送達する、高精度放射線療法の進化した様式である。放射線線量は、健常細胞への放射線曝露を最小限に抑える一方で、より高い放射線線量を腫瘍に集中させるように放射線ビームの強度を調節または制御することによって腫瘍の三次元(3−D)形状に一致するように設計される。一次的または永久的のいずれかであり得る、治療領域内に埋め込まれた密封された放射線源を使用する小線源療法も用いることができる。
いくつかの実施形態において、高リスク患者は、化学療法及び放射線療法の両方を受ける。
本発明の腫瘍の評価に起因し得る治療薬の用量は、例えば、Physicians’ Desk Reference,66th Edition,PDR Network;2012 Edition(December 27,2011)(その内容は、参照により全体として本明細書に組み込まれる)を参照することによって当該技術分野で既知である。In vitroまたはin vivoアッセイも、最適な投与量範囲を特定するのに役立つように用いることができる。用量は、癌の重症度、対象の年齢、体重、及び健康、ならびに薬理ゲノミクスパラメータを含むいくつかの要因に依存し得る。
投与方法は、限定されないが、経口、皮下、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、鼻腔内、硬膜外、舌下、鼻腔内、脳内、膣内、経皮、直腸内、吸入によって、または局所(特に、耳、鼻、目、または皮膚へ)を含む。投与方法は、医師の裁量に委ねられてもよい。治療化合物は、対象への適切な投与のための形態を提供するために、適切な量の薬学的に許容される賦形剤を任意選択的に含むことができる。
種々の実施形態において、本発明は、FACTの少なくとも1つの成分の存在、非存在、またはレベルの測定を含む。例えば、いくつかの実施形態において、本発明は、SSRP1及び/またはSPT16の測定を含む。
いくつかの実施形態において、SSRP1及び/またはSPT16の測定は、SSRP1及びSPT16タンパク質の一方に特異的に結合する薬剤の使用を含む。例えば、そのような薬剤は抗体であってもよい。
いくつかの実施形態において、SSRP1及び/またはSPT16の測定は、SSRP1及びSPT16タンパク質核酸の一方に特異的に結合する薬剤の使用を含む。いくつかの実施形態において、薬剤はDNAまたはRNAであってもよい。いくつかの実施形態において、薬剤はプライマーまたはプローブであってもよい。
いくつかの実施形態において、測定は、タンパク質の存在、非存在、またはレベルを評価することを含む。いくつかの実施形態において、測定は、SSRP1及びSPT16タンパク質のうちの一方に特異的に結合する薬剤の使用を含み、薬剤は、例えば、抗体である。種々の実施形態において、SSRP1及びSPT16タンパク質レベルのうちの1つ以上の測定は、免疫組織化学染色、ウェスタンブロット、In−Cellウェスタン、免疫蛍光染色、ELISA、及び蛍光標識細胞分取(FACS)のうちのいずれかである。
本発明の方法は、組織または体液に特異的であり、癌の状態の指標となるエピトープ(例えば、FACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16)を特定するために、抗体(例えば、FACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16に対する)を腫瘍検体(例えば、生検または組織または体液)と接触させることを含んでもよい。
一般的に、体液または組織中で抗原上のエピトープを検出するために、直接法及び間接法の2つのストラテジーが存在する。直接法は、一段階染色を含み、体液または組織試料中の抗原に直接反応する標識抗体(例えば、FITC結合抗血清)に関与し得る。間接法は、体液または組織抗原と反応する非標識一次抗体と、一次抗体と反応する標識二次抗体とを含む。標識は、放射性標識、蛍光標識、ビオチン等のハプテン標識、または西洋ワサビペルオキシダーゼもしくはアルカリホスファターゼ等の酵素を含むことができる。これらのアッセイを実施する方法は、当該技術分野で周知である。例えば、Harlow et al.(Antibodies,Cold Spring Harbor Laboratory,NY,1988)、Harlow et al.(Using Antibodies,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,NY,1999)、Virella(Medical Immunology,6th edition,Informa HealthCare,New York,2007)、及びDiamandis et al.(Immunoassays,Academic Press,Inc.,New York,1996)を参照のこと。これらのアッセイを実施するためのキットは、例えば、Clontech Laboratories,LLC.(Mountain View,CA)から市販されている。
種々の実施形態において、抗体は、全抗体及び/または任意の抗原結合断片(例えば、抗原結合部分)及び/またはこれらの一本鎖(例えば、ジスルフィド結合によって相互接続された少なくとも2つの重(H)鎖及び2つの軽(L)鎖を含む抗体、Fab断片、VL、VH、CL、及びCH1ドメインからなる一価断片;F(ab)2断片、ヒンジ領域でジスルフィド結合によって連結された2つのFab断片を含む二価断片;VH及びCH1ドメインを含むFd断片;抗体の単一アームのVL及びVHドメインからなるFv断片等)を含む。種々の実施形態において、ポリクロナール抗体及びモノクロナール抗体は、ヒト抗体もしくはヒト化抗体、またはその機能的切片から単離されると、有用である。
例えば、ELISA、ウェスタンブロット、及びRIAを含む、種々の種の標的に対する抗体の結合能を評価するための標準的なアッセイは、当該技術分野で周知である。抗体の結合動態(例えば、結合親和性)も、Biacore分析を用いる等、当該技術分野で既知の標準的なアッセイによって評価することができる。
別の実施形態において、測定は、核酸の存在、非存在、またはレベルを評価することを含む。
当業者は、多くの方法を使用して、FACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16のDNA/RNAレベルを検出または定量化できることを理解するであろう。
遺伝子発現は、例えば、限定されないが、レポーター遺伝子アッセイ、ノーザンブロット、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)、及び逆転写PCR(RT−PCR)を含む、低〜中程度のプレックス技術を使用して測定することができる。また遺伝子発現は、例えば、限定されないが、遺伝子発現の連続分析(SAGE)、DNAマイクロアレイ、タイリングアレイ、RNA−Seq/全トランスクリプトーム・ショットガン配列決定(WTSS)、ハイスループットシーケンシング、多重PCR、多重ライゲーション依存性プローブ増幅法(MLPA)、ライゲーションによるDNA配列決定、及びLuminex/XMAPを含む、より程度の高いプレックス技術を使用して測定することもできる。
当業者は、マイクロアレイ、RT−PCR(定量的PCRを含む)、ヌクレアーゼプロテクションアッセイ、及びノーザンブロット分析等のアッセイを含む多くの方法を使用して、試料中のバイオマーカーのRNA産物のレベルを検出または定量化できることを理解するであろう。
種々の実施形態において、本発明は、FACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16の測定を提供し、それは存在または非存在の情報を提供し、この情報が患者の治療を指示する。
他の実施形態において、本発明は、FACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16の定量的な量を決定するためにFACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16の測定を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、悪性/腫瘍細胞の数の定量化と、FACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16を発現するこれらの細胞のパーセンテージの決定とを提供する。いくつかの実施形態において、高レベルのFACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16は、高悪性度の癌の指標となり、一方、低レベルのFACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16は、低悪性度の癌の指標となる。
いくつかの実施形態において、染色の強度及び陽性腫瘍細胞の割合を反映するFACTのスコアリングシステムが使用される。閾値及び連続的スコアリングシステムを含むいずれの適切なスコアリングシステムが使用されてもよい。例えば、スコアリングシステムは、0から少なくとも4までのスケールを使用することができる。いくつかの実施形態において、異なるFACTスコアのカットオフは以下の通りである:(i)FACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16 SSRP1レベルが高い試料(例えば、指数>4)対低くかつ陰性の試料(例えば、指数≦4);(ii)陽性FACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16(例えば、指数>1)及び弱い/陰性(例えば、指数≦1);ならびに(iii)完全に陰性の試料(例えば、指数=0、検出可能なFACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16陽性細胞なし)対全陽性細胞(例えば、指数>0、FACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16陽性細胞の任意の割合、非常に弱いまたは例えば、10%未満を含む)。
いくつかの実施形態において、生存率とFACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16レベルとの相関が得られ、陽性及び陰性のFACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16試料が比較される。
本明細書において使用される場合、FACT陽性は、FACTまたはそのサブユニット(例えば、SSRP1及び/またはSPT16)の陽性検出を指す。いくつかの実施形態において、FACT陽性試料は、悪性細胞の数が少なくとも約5%または少なくとも約10%である試料を含む。種々の実施形態において、FACT陽性試料は、FACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16を発現する悪性細胞の約10%、または約20%、または約30%、または約40%、または約50%、または約60%、または約70%、または約80%、または約90%、または約100%を上回る悪性細胞を含む試料を含む。例えば、高リスク群と低リスク群とを区別するためのFACT閾値は、約5%〜約50%以内、例えば、約10%〜30%以内である。
種々の実施形態において、本発明は、患者の腫瘍から採取される生検と、任意選択的に、生検中の悪性細胞の同定及び/または測定、例えば、悪性細胞のパーセントの計数、ならびに任意選択的に同定、ならびに/または、FACT及び/もしくはSSRP1及び/もしくはSPT16を発現する悪性細胞の測定とを提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、本明細書に記載のFACTスコアリングの決定を可能にする(したがって、いくつかの実施形態において、治療をガイドする)FACT及び/またはSSRP1よび/またはSPT16を発現する悪性細胞のパーセンテージの定量を提供する。いくつかの実施形態において、FACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16をスコア化することにより、例えば、疾患特性(例えば、腫瘍悪性度)を決定するための本明細書に記載の閾値を確立する。いくつかの実施形態において、悪性細胞の測定には、本明細書に記載の種々のバイオマーカーを用いることができる。いくつかの実施形態において、悪性細胞の測定には、本明細書に記載の種々の実験技術を用いることができる。
種々の実施形態において、本発明は、患者の腫瘍からの生検の採取及び悪性細胞の同定を提供する。個々の細胞は、適切な染色を用いて(例えば、DAPI染色法を用いて)同定することができる。悪性細胞は、熟練の病理医によって、及び/または腫瘍/悪性腫瘍マーカーマーカーを使用して同定され得る。試料の悪性部分は、FACTの状態を評価するのに有用である。
いくつかの実施形態において、FACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16染色の近接性の決定も行うことができる。
種々の実施形態において、対照マーカーも試験される。
種々の実施形態において、同時または連続測定が用いられる。
種々の実施形態において、測定は、染色された腫瘍試料を撮像し、使用される種々のマーカーを定量化する(複数のマーカーを発現する細胞を定量化することを含む)自動化技術またはコンピュータによって実行される技術を用いてもよい。いくつかの実施形態において、病理医は、本明細書に記載の測定を実施してもよい。
種々の実施形態において、自動化技術もしくはコンピュータによって実行される技術及び/または病理医は、腫瘍/悪性細胞の数またはパーセンテージに対するFACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16陽性細胞の数またはパーセンテージを決定し、本明細書に記載されるように閾値量またはスコアを計算することができる。
種々の実施形態において、スコアリングシステムは、本明細書に記載の検出アッセイと併用される。例えば、一実施形態において、原発腫瘍生検試料と、入手可能な場合はマッチする正常病変または転移性病変とからなる組織マイクロアレイ(TMA)のIHC染色法は、ヒト腫瘍試料中のFACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16のタンパク質レベルを評価するために使用される。
いくつかの実施形態において、FACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16の測定は、コンピュータ上で行われる。したがって、いくつかの実施形態において、本発明は、本明細書に記載の方法を実行するためのコンピュータプログラム及びコンピュータによって実行される製品を提供する。一実施形態において、本出願は、プロセッサ及びプロセッサに接続されたメモリを有するコンピュータとともに使用するためのコンピュータプログラム製品を提供し、コンピュータプログラム製品は、そこにエンコードされるコンピュータ機構を有するコンピュータ可読記憶媒体を含み、コンピュータプログラム機構は、コンピュータのメモリ内にロードされてもよく、コンピュータに本明細書に記載の方法を実行させる。別の実施形態において、本出願は、FACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16データの分析によって予後を予測するため、または対象を分類するためのコンピュータによって実行される製品を提供する。そのようなコンピュータによって実行される製品は、対象試料中の対象発現プロファイルに対応する値(例えば、FACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16の)を受信するための手段と、予後に関連する参照データを含むデータベースとを備えてもよく、コンピュータによって実行される製品は、患者のFACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16プロファイルに最も類似する参照データを選択し、それによって予後を予測するか、または対象を分類する。
いくつかの実施形態において、本発明は、測定を提供するシグナルの検出を達成する撮像装置を含む。
種々の実施形態において、自動化デバイス及び/またはコンピュータは、例えば、撮像、測定、及び/または定量化のステップを含む本明細書に記載の方法を実施するために有用であり得る。いくつかの実施形態において、そのような自動化デバイス及び/またはコンピュータは、本明細書に記載の測定の自動化を可能にし得る。
例えば、一実施形態において、本発明は、赤外蛍光撮像システムの使用を可能にする(例えば、Kitai,T.et al.,Breast Cancer.2005;12(3):211−215(その内容は、参照により全体として本明細書に組み込まれる)に記載されるように、例えば、Photodynamic Eye,Hamamatsu Photonics(日本))。そのような赤外蛍光撮像システムは、光源として、例えば、760nmの発光ダイオードと、検出器として、例えば、820nm未満の電荷結合素子カメラカットフィルターとを備えてもよい。
別の実施形態において、本発明は、レーザ支援による撮像デバイス(例えば、Jain,V.et al.,International Journal of Surgical Oncology Volume 2013(2013),Article ID 904214)(その内容は、参照により全体として本明細書に組み込まれる)に記載されるようなSPY機、Novadaq Corp.,Bonita Springs,Fl)の使用に関する。そのようなレーザ支援による撮像デバイスは、蛍光色素のリアルタイムでの検出を可能にし得る。
別の実施形態において、本発明は、蛍光の検出のためのハンドヘルド視野デバイス(非限定的な例として、Poh,C.F.et al.,Clin Cancer Res 2006;12(22)2006その内容は、参照により全体として本明細書に組み込まれる)に記載されるような)の使用に関する。蛍光視野デバイスは、蛍光を直接可視化するために携帯ユニットに連結された卓上光源を備えてもよい。組織蛍光の写真は、視野デバイス及びロングパスフィルター(例えば、Schott GG475−3,Howard Glass,Worcester,MA)を備えたデジタル一眼レフカメラ(例えば、Fuji FinePix S2 Pro,Fujifilm、日本、小田原)からの照射を使用して獲得してもよい。一眼レフカメラは、白色光画像のために105mm f/2.8マクロレンズ(例えば、Nikkor−Micro,Nikon、日本、東京)及びリングフラッシュ(例えば、Nikon Macro Speedlight SB−29s、日本、東京)を装備してもよい。
別の実施形態において、本発明は、例えば、Marcus,A.et al.,Am J Clin Pathol 2012;138(4)590−3.,(その内容は、参照により全体として本明細書に組み込まれる)に記載されるような蛍光顕微鏡(例えば、Olympus Microscope,Olympus America、Center Valley,PA)の使用を含む。
別の実施形態において、本発明は、例えば、Borgen,E.et al.Cytometry(Communications in Clinical Cytometry)46:215−221(2001)(その内容は、参照により全体として本明細書に組み込まれる)に記載されるようなMDSシステム(Applied Imaging Corp.,Santa Clara,CA)を用いてもよい。MDS(商標)システムは、コンピュータ制御された試料台の移動、自動焦点機構、複数/色素原/蛍光色素の検出のための2つのフィルターホイール、白黒CCDカメラ、コンピュータ、モニター、ならびに占有スキャン及び分析ソフトウェアとともに落射蛍光顕微鏡を含む。
別の実施形態において、本発明は、例えば、Kitai,T.et al.,Open Surgical Oncology Journal,2010,2,78−82及びVermeeren,L.et al.,J of Nuclear Medicine 2010;51(5)700−703(その内容は、参照により全体として本明細書に組み込まれる)に記載されるような携帯用γカメラ(例えば、Sentinella,S102;Oncovision)の使用に関する。γカメラシステムは、SPECT/CT画像を得るためのSymbiaTハイブリッドカメラ(Siemens)を用いた術前撮像と、より高い感度を得るためのγカメラと併せたハンドヘルドγプローブ(Neoprobe;Johnson&Johnson Medical)の使用とからなる。
いくつかの実施形態において、本発明は、生検試料または外科的検体試料を含む腫瘍検体の測定を含む。いくつかの実施形態において、生検は、ヒト生検である。種々の実施形態において、生検は、凍結腫瘍組織検体、培養細胞、循環腫瘍細胞、及びホルマリン固定パラフィン包埋腫瘍組織検体のうちのいずれか1つである。
いくつかの実施形態において、腫瘍検体は、凍結腫瘍組織(凍結切片)検体等の生検試料であってもよい。当該技術分野で既知のように、凍結切片は、冷凍庫内にミクロトームを備えるクライオスタットを用いてもよい。外科的検体は、金属組織ディスク上に配置され、次いで、チャック内に固定されて約−20℃〜約−30℃に急速冷凍される。検体は、例えば、ポリエチレングリコール及びポリビニルアルコールからなるゲル様培地に埋め込まれる。凍結組織は、クライオスタットのミクロトーム部分を用いて凍結したまま切断され、切片は、任意選択的に、スライドガラス上に捕捉され、染色される。
いくつかの実施形態において、腫瘍検体は、培養細胞等の生検試料であってもよい。これらの細胞は、当該技術分野で既知の通常の細胞培養技術を使用して処理されてもよい。これらの細胞は、循環腫瘍細胞であってもよい。
いくつかの実施形態において、腫瘍検体は、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)腫瘍組織検体等の生検試料であってもよい。当該技術分野で既知のように、生検検体は、保存するために、ホルマリン(水とホルムアルデヒドの混合物)または何か他の液体とともに容器内に入れられてもよい。組織試料は、熱いパラフィンワックスとともに型に入れられてもよい。ワックスは冷却して、組織を保護する固形の塊を形成する。包埋された組織を含むこのパラフィンワックスの塊は、組織を非常に薄い切片に切断するミクロトーム上に配置される。
特定の実施形態において、腫瘍検体は100mg未満の組織を含有し、または特定の実施形態において、約50mgまたはそれより少ない組織を含有する。腫瘍検体(または生検)は、約20mg〜約50mgの組織、例えば、約35mgの組織等を含有してもよい。
組織は、例えば、(例えば、14ゲージ針または他の適切なサイズを使用して)1つ以上(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、または5つ)の針生検として得られてもよい。いくつかの実施形態において、生検は、細針吸引であり、分析のために、疑わしい領域に長く細い針を挿入し、注射器を使用して液体及び細胞を吸い出す。いくつかの実施形態において、生検は、コア針生検であり、切除先端部を有する太い針を使用して、コア針生検の間に疑わしい領域から円柱状の組織を採取する。いくつかの実施形態において、生検は、真空補助生検であり、吸引デバイスが針を通って抽出される液体及び細胞の量を増加させる。いくつかの実施形態において、生検は、画像誘導生検であり、針生検を、例えば、X線、コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴画像(MRI)、または超音波等の撮像手技と組み合わせる。他の実施形態において、試料は、乳房生検用のレーザ誘導による真空補助生検システムであるMAMMOTOME(登録商標)生検システム等のデバイスを介して得られてもよい。
いくつかの実施形態において、凝集性の多細胞粒子(外植片)は、機械的破砕を用いて患者の組織試料(例えば、生検試料または外科的検体)から調製される。この外植片の機械的破砕は、外植片を消化することができる酵素を実質的に含まない培地中で行うことができる。特定の酵素消化が、特定の実施形態において行われてもよい。一般的に、組織試料は、2つの滅菌メスをはさみのような動きで使用して、または機械的に同等である手動もしくは自動の対向するインサイザーブレードを使用して規則的に細分化することができる。この交差切断運動は、結果として得られる組織多細胞粒子に平滑な切り口を形成する。腫瘍粒子は、それぞれ、約0.25〜約1.5mm3、例えば、約1mm3の寸法である。細分化の後、培養フラスコ内に粒子を配置してもよい。フラスコ1個当りに播種される外植片の数は、例えば、フラスコ1個当たり約5個〜約20個の外植片等、1個〜25個の間で変動してもよい。例示の目的で、外植片は、フラスコの底面にわたって均一に分布されてもよく、その後、約10〜約15分間の最初の反転が行われる。次いで、フラスコを非反転位で、37℃のCO2インキュベータに約5〜約10分間配置してもよい。フラスコは、成長及び混入について定期的に確認する。数週間にわたって、細胞の単層が形成する。さらに、(理論に拘束されるといういずれの意図もなしに)腫瘍細胞は、間質細胞の前に多細胞が移植片から成長すると考えられる。したがって、最初は組織細胞を移植片内に維持し、所定の時間に(例えば、約10〜約50パーセントの細胞密度で、または約15〜約25パーセントの細胞密度で)外植片を除去することによって、単層内への腫瘍細胞(間質細胞に対して)の成長が促進される。特定の実施形態において、腫瘍外植変は、腫瘍外植片から腫瘍細胞を実質的に放出するように撹拌されてもよく、放出された細胞は、細胞培養単層を生成するように培養されてもよい。細胞培養単層を形成するためのこの手技の使用は、組織試料からの代表的な腫瘍細胞の成長を最大化するのに役立つ。
いくつかの実施形態において、本発明は、試料中の個々の細胞の同定、ならびに/または試料中の正常細胞及び/もしくは悪性細胞を決定すること、ならびに/または悪性細胞中のFACT及び/もしくはそのサブユニットの存在、非存在、及び/もしくは量及び/もしくは近接性を決定することに関する。いくつかの実施形態において、そのような同定は、同時であるかまたは連続的である。いくつかの実施形態において、そのような同定は、本明細書に記載されるような1つ以上の腫瘍/悪性腫瘍マーカーの制御測定を含む。
一実施形態において、本発明は、試料中の個々の細胞の同時検出、ならびに1つ以上の腫瘍/悪性腫瘍マーカーの検出、ならびにFACT及び/もしくはそのサブユニットの発現及び/もしくは活性のパーセントを決定するための、FACT及び/もしくはそのサブユニットの存在、非存在、及び/もしくは量及び/もしくは近接性の決定に関する。いくつかの実施形態において、FACT及び/またはそのサブユニットを発現する悪性細胞のパーセントは、本明細書に記載されるように治療または治療の保留を指示する。種々の実施形態において、本発明は、FACT及び/またはそのサブユニットのうちの1つを発現する腫瘍/悪性細胞の数を定量化するステップを含む。
一般に、個々の細胞の位置は、細胞遺伝学的、核酸、タンパク質、または免疫化学的分析によって検出することができる。種々の細胞の存在または非存在は、試料を、マーカーに特異的に結合するかまたは相互作用することが可能なリガンドと接触させることによって検出することができ、その存在もしくは非存在、またはその存在レベルの増加もしくは減少は、腫瘍及び/または悪性度と特異的に関連している。
一実施形態において、個々の細胞の存在または非存在は、抗体(非限定的な例として、MSN−1抗体、OXA抗体、OXB抗体、PTEN抗体、抗LeY抗体、抗CAGE抗体、抗UPAR抗体、抗ヘプシジン抗体、及び抗KLK4抗体)を用いて測定することができる。別の実施形態において、種々の細胞の存在または非存在は、特定の細胞に特異的に関連する核酸配列と特異的にハイブリダイズすることが可能な核酸プローブ、例えば、SNP、突然変異、イントロン−エクソンスプライシング配列、特定の細胞に関連する遺伝子の転写、特定の細胞に関連する遺伝子配列または遺伝子等を使用して測定することができる。「核酸配列」、「核酸」、または「核酸プローブ」という用語は、例えば、約5個のヌクレオチド〜約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、400、500、600、700、800、900、1000個、またはそれ以上のヌクレオチドを含むいずれの核酸を指してもよい。この用語は、一本鎖、二本鎖、または多重鎖DNAもしくはRNA、ゲノムDNA、cDNA、DNA−RNAハイブリッド、またはプリン及びピリミジン塩基もしくは他の天然の、化学的もしくは生化学的に修飾した、非天然の、または誘導体化したヌクレオチド塩基を含むポリマーを含む。
種々の実施形態において、本明細書に記載の細胞検出には、検出目的に適した任意の試薬を用いることができる。そのような標識試薬は、限定されないが、種々の酵素、補欠分子族、蛍光標識、化学発光標識、生物発光標識、及び放射性標識を含む。適切な酵素の非限定的な例として、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、βガラクトシダーゼ、αグリセロリン酸、アスパラギナーゼ、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、グルコアミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、及びアセチルコリンエステラーゼが挙げられる。適切な補欠分子族複合体の非限定的な例として、ストレプトアビジン/ビオチン及びアビジン/ビオチンが挙げられる。適切な蛍光物質の非限定的な例として、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、塩化ダンシル、アロフィコシアニン、緑色蛍光タンパク質、オルトフタルアルデヒド、フィコシアニン、及びフィコエリトリンが挙げられる。化学発光物質の例として、アクリジニウム塩、イミダゾール、シュウ酸エステル、セロマチック(theromatic)アクリジニウムエステル、ルミノール、及びイソルミノールが挙げられる。生物発光物質の非限定的な例として、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、及びエクオリンが挙げられる。適切な放射性材料の非限定的な例として、125I、131I、35S、32P、及び3Hが挙げられる。
いくつかの実施形態において、本発明において使用される腫瘍/悪性腫瘍マーカーは、限定されないが、MYBL2、MKI67、MAD2L1、AURKA、BCL2、BUBl、BIRC5、ESRl、CENPN、CCNBl、ERBB2、MLFlIP、NUDTl、PLKl、RNASE4、GGH、RRM2、CKS2、MCM4、CDKN3、Cl6orf61、DLG7、H2AFZ、PFKP、KPNA2、GATA3、CENPF、KRT18、KRT5、CCNE2、MELK、CX3CR1、TRIP13、MCM6、CCNDl、PDIA4、CENPA、UBE2S、NCFl、CDC25B、PGR、TGFB3、PSMD2、HMMR、XBPl、TROAP、KNTC2、PRAME、BTG2、KRT8、FOXMl、KYNU、NMEl、MCM3、NUSAPl、PCTKl、IGFBP5、CDC2、ERBB3、CSElL、PTTGl、PRCl、BRRNl、UBE2C、MUCl、KIF23、CDK2、PPP2R5C、RARRES3、PIR、CCT4、KIF14、SLPI、TOP2A、BBC3、RHOC、EZH2、HMGB3、GMPS、YIFlA、NP、DKFZp762E1312、MET、FABP5、DCK、CTSC、CCNB2、FLJ21062、VEGF、IL32、CDC20、TACC2、IGFBP2、IFI30、ID3、GPSM2、TIMP2、CCNEl、EIF4A1、RFC4、CST3、CCNA2、CENPE、SLC25A5、GSTM3、SLC7A5、LETMDl、RPS4X、TFF3、ATAD2、ACADSB、KRT17、YWHAZ、PSMB7、CNKSRl、EXTl、SMC4、MCM2、GATM、DDOST、PEX12、YYl、TFDPl、LMNB2、HPN、POLQ、PCNA、GTSEl、MAPREl、PLAUR、PTDSSl、LRRC17、FENl、NDP、ABCD3、SCUBE2、TP53、AURKB、KIFCl、COL3A1、NPYlR、PTPLB、SFRSlO、SDCl、CDCβ、CD24、TCEALl Clorfl98、FAM64A、CDCA3、MSN、MYOlO、KIF2C、ASPM、TUBAl、VIL2、CYBRDl、CTSL、SFRS7、SESNl、LRP8、CP、KIT、CNAPl、TFRC、PL0D2、CKSlB、DUSP4、NDRGl、SLC35A1、CIS、CCT5、IFITMl、ITPR3、SAT、FABP7、OMD、ADAMTSl、PPP1R12A、PRLR、FKBPlA、SNRPAl、CCNC、SCAPl、SPRR2C、FADS2、CTSL2、TLE3、PDAPl、IER2、ESPLl、CDHl、UBR2、RAB6A、CD44、FBXO5、F3、PTPRT、RACGAPl、CCT7、SLC25A1、C4orfl8、TXNRDl、SLC3A2、Clβorf35、INSR、S0D2、GABBRl、SNRPB、EIF2C2、IDIl、CEP55、RLNl、PTMA、KIFIl、SHMT2、FAM89B、TPX2、CFB、EXOl、EIF4EBP1、DHFR、HIPK2、SYNCRIP、BRCAl、ZNF43、LMNBl、PBXIPl、FlO、FCGRT、FUT8、RAD21、FRY、LDHA、VASHl、GRB7、ZMYM4、ACTB、CCL18、MTDH、MS4A7、C17orf27、LOC286052、TACC3、MTlX、TKl、CDH3、CDC42BPA、FUT3、GNAZ、YBXl、GPR126、ARPC4、AP2B1、COL6Al、CXCL9、C14orf45、DIAPH3、DNAJC12、LAPTM4B、TUBA3、DTL、ALDH4A1、0RC6L、ABLIMl、SHCBPl、FGFRl、ER−RFIl、CIRBP、C20orf4β、SLC16A1、SPARC、CYP2J2、AP2A2、SLC39A6、F2、SCD、ECT2、QSCN6L1、H3F3B、COL2A1、TBX19、EDNl、OXCTl、RP13−297E16.1、PALM2−AKAP2、HRB、TUBB、CTPS、CAD、CHI3L1、GREMl、ENOl、PLODl、SORBSl、TSPANl、STMNl、HIFlA、MMP7、STK3、G0LPH2、MT2A、FOXCl、SRM、C0L1A2、GEMIN4、MAPRE2、PGK1、TIMPl、ZBTB4、CRABPl、MAP3K8、TGFBl、ClOorfllβ、C14orfl32、TP53INP1、BLM、CD−C25A、MSX2、MMP23B、ADM、CTSF、SFRP4、HMGAl、MRPS6、AP−BA2BP、STRA13、CDCA8、SQLE、ACSS2、FBPl、PSMA7、HTATIP2、PSMD14、HSPB2、APP、TAS2R5、NFIB、TNFAIP2、NATl、SC4M0L、HNRPAB、TUBGl、PAXIPl、SEC14L1、SATBl、CELSR2、RNASEH2A、TMEM45A、CDKNlA、PTG−S2、ARFl、HDAC2、BCL6、CKAP4、JUNB、NOLA2、APOD、MMPl、EGFR、CCT6A、HDGFRP3、CES2、SMS、DEPDClB、TSPAN4、BDH2、EEF1A2、S100A8、WISPl、PGAMl、DYNLTl及び/またはADCY3のうちの1つ以上を含む。
いくつかの実施形態において、本発明において使用される腫瘍/悪性腫瘍マーカーは、限定されないが、ALK遺伝子再構成、αフェトプロテイン(AFP)、β2ミクログロブリン(B2M)、βヒト絨毛性ゴナドトロピン(Beta−hCG)、BCR−ABL融合遺伝子、BRAF変異V600E、CA15−3/CA27.29、CA19−9、CA−125、カルシトニン、癌胎児抗原(CEA)、CD20、クロモグラニンA(CgA)、染色体3番、7番、17番、及び9p21番、サイトケラチン断片21〜1、EGFR変異分析、エストロゲン受容体(ER)/プロゲステロン受容体(PR)、フィブリン/フィブリノゲン、HE4、HER2/neu、免疫グロブリン、KIT、KRAS変異分析、乳酸脱水素酵素、核マトリックスプロテイン22、前立腺特異抗原(PSA)、サイログロブリン、ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子受容体(uPA)及びプラスミノーゲンアクチベーターインヒビター(PAI−1)、5−タンパク質シグネチャー(Ova1)、21−遺伝子シグネチャー(Oncotype DX)、70−遺伝子シグネチャー(Mammaprint)のうちの1つ以上を含む。
いくつかの実施形態において、本発明において使用される腫瘍/悪性腫瘍マーカーは、限定されないが、SSXタンパク質ファミリーのメンバー、例えば、SSX1、SSX4、SSX5、またはその断片、MSN−1、OXA、OXB、PTEN、LeY、CAGE、UPAR、Hepcidin、及びKLK4のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態において、本発明において使用される腫瘍/悪性腫瘍マーカーは、限定されないが、前立腺特異抗原(PSA)、前立腺特異的膜抗原(PMSA)、前立腺分泌タンパク質(PSP)、前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)、ヒト腺性カリクレイン2(HK−2)、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、及びPTI−1のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態において、本発明において使用される腫瘍/悪性腫瘍マーカーは、限定されないが、βアクチン、γアクチン、αチューブリン、サイトケラチン、サイトケラチン8(CK 8)、細胞骨格トロポミオシン、Fアクチンキャップタンパク質、hsp 27、hsp 60、hsp 70、hsp 90、grp 78(BIP)、gp 96、グルタチオンS転移酵素、グルタチオン合成酵素、スーパーオキシドジスムターゼ、チオレドキシンペルオキシダーゼ、PA28α、ユビキチン、チオエステラーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、アルドース還元酵素、エノイルCoAヒドラターゼ、αエノラーゼ、アネキシンII、IV、及びV、スタスミン、ニコチンアミド−N−メチル基転移酵素、B23/ヌクレオフォスミン、ならびにビメンチンのうちの1つ以上を含む。
いくつかの実施形態において、FACTレベルの評価の前に細胞の成長を監視してもよく、患者におけるin vivoでの同じ細胞の成長速度と平行であると見なされてもよいかまたは見なされなくてもよい定期的な計数からのデータを成長速度を決定するために使用してもよい。
対象という用語は、本明細書において使用される場合、別途定義されない限り、哺乳動物、例えば、ヒトである。また、マウス、ラット、モルモット、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ等の実験動物、またはサル、チンパンジー、もしくはヒヒ等の非ヒト霊長類も含まれる。一実施形態において、対象は、本明細書に記載の動物を含む獣医学的患者である。一実施形態において、対象はヒトである。いくつかの実施形態において、ヒトは小児である。他の実施形態において、対象は、例えば、高齢者を含む成人ヒトである。
本発明は、腫瘍試料の評価を単純化することができるキットを提供する。典型的な本発明のキットは、例えば、FACT及び/またはSSRP1及び/またはSPT16を検出するための試薬を含む種々の試薬を含む。キットはまた、例えば、ELISA等の種々の検出方法において有用なものを含む、検出のための試薬のうちの1つ以上を含んでもよい。キットは、ウェルプレート、注射器等を含む、評価に必要な材料をさらに含むことができる。キットは、標識、または記載される試薬の使用を指示する印刷された説明をさらに含むことができる。
以下の非限定的な実施例によって、本発明をさらに例示する。
本明細書で用いられる方法は、当該技術分野で既知である。これらの方法のいくつかの詳細を以下に提供する。
試薬: CBLC137は、Cleveland BioLabs,Inc(Buffalo,NY)から提供された。
細胞:HT1080、WI−38、MCF7、及びMCF10A細胞は、ATCCから入手した。HT1080、WI−38,MCF7を、10%熱失活(HI)FBS及び抗生物質を補充したDMEM中に維持した。MCF10A細胞を、5%ウマ血清、20ng/mL EGF、500ng/mLヒドロコルチゾン、.01mg/mLインスリン、100ng/mL コレラ毒素、及び抗生物質を補充した1:1 DMEM/F12中に維持した。RCC45及びNKE−hTERT細胞については既に記載されている(Gurova,et al.(2004).Cancer Res 64,1951−1958)。乳房縮小術からヒト乳房上皮細胞を得て、当該技術分野で既知のように修飾して維持した。妊娠13.5日目のC57/B6野生型またはp53−/−マウスから野生型及びp53ノックアウトマウス胎仔線維芽細胞(MEF)を得て、10% FBS及び抗生物質を含むDMEM中に維持した。
プラスミド、トランスフェクション、及びレンチウイルス形質導入:pLV−H−RasV12−BleoまたはpLV−Bleoレンチウイルスベクターは、Andrei Gudkov 博士(Roswell Park Cancer Institute,Buffalo,NY)のご厚意で提供された。ヒトSSRP1 cDNAをpLVネオレンチウイルスベクターにクローニングし、配列決定により確認した。DAPCEL,Inc.が所有権を有する同族及び異種宿主におけるタンパク質発現の増強に関する同義のコドン最適化ストラテジーに従って、DAPCEL,Inc.(Cleveland,OH)によって最適化された配列を使用してSUPT16 cDNAを合成した(Invitrogen,GeneArt AG)。cDNAをXbaI−BamHI断片としてpMLV HygroRレンチウイルスベクターにクローニングした。SSRP1、Spt16、またはGFPに対するMission(登録商標)shRNAは、Sigma−Aldrich Co.,(St.Louis,MO)から入手した。
SSRP1に対するsiRNA(On−Target plus SMARTpool、カタログ番号L−011783−00)SPT16(On−Target plus SMARTpool、カタログ番号L−009517−00)及びsiCONTROL非標的siRNA(cat# D−001210−01)は、Thermo Scientific Dharmaconから購入した。製造者のプロトコルに従ってLipofectamine 2000試薬(Invitrogen)を使用してトランスフェクションを行った。当該技術分野で既知の通りに、レトロウイルスパッケージング及び感染を行った。
ウェスタンブロット、蛍光活性化細胞選別法、及び免疫蛍光プロトコルは、当該技術分野で既知である。
製造者のプロトコルに従ってEDU及びEUキット(Invitrogen)を使用して、細胞における複製及び転写速度を測定した。
定量的RT−PCR:製造者のプロトコルに従って、TRIzol試薬(Ambion)により全RNAを単離した。製造者のプロトコルに従ってiScript cDNA Synthesisキット(BioRad)を使用して、2μgの全RNAから第一鎖cDNAを合成した。Applied Biosystemsから購入したプライマー、SSRP1−Hs00172629_m1、SUPT16H−Hs00200446_m1、及び18S−Hs99999901_s1を用いて定量的リアルタイムPCRを行った。7900HT配列検出システム(ABI PRISM;Applied Biosystems)のデフォルトパラメータを使用して、TagMan gene Expression Master Mix(Applied Biosystems)を用いてqPCRを行った。試料間の遺伝子発現を比較するために、参照遺伝子18SリボソームRNA(rRNA)の平均CTを用いて閾値サイクル(CT)値を正規化した。正規化したmRNAレベルをΔCT=CT(試験遺伝子)−CT(参照遺伝子の平均)と定義した。最終データを試験試料と対象試料との間の倍数差として表し、2(ΔCT試験−ΔCT対照)と定義した。全ての反応を3通り行い、少なくとも2回実験を繰り返した。その結果を少なくとも2回の実験の平均として表す。
TMA及び患者集団TMA上で16の癌コホートを使用して、癌患者におけるSSRP1タンパク質の発現を評価した。TMAは、Roswell Park Cancer Institute(Buffalo,NY)で1994〜2002年の間に診断された非選択的なホルマリン固定及びパラフィン包埋された検体からの1つの組織コアを含有していた。患者の年齢は、25〜82歳の範囲であり、年齢中央値は56歳であった。代表的な腫瘍領域を同定するために、経験豊富な外科病理医(C.M.)が、TMAの構築前に全ての検体のH&E染色スライドを評価した。Elston&Ellis,Histopathology,1991,19:403−10(その内容は、参照により全体として本明細書に組み込まれる)に従って、全ての腫瘍を組織学的に等級分けした。Pathology Resource NetworkまたはRPCIによって提供された臨床経過観察データは、月の経過観察期間の中央値(0〜148ヶ月の範囲)で全ての癌患者に利用可能であった。この試験に組み入れた全ての患者は、研究目的及びデータの出版のために、これらの組織のさらなる分析に関するインフォームドコンセントを提出した。RPCIのInstructional Review Boardがプロトコルを承認した。
当該技術分野で既知の通りに免疫組織化学染色を行った。
In Silico Transcriptomics Online − 統合的な遺伝子発現参照データベース(MediSapiens Ltd)は、データを分析及び可視化するための複数のツールを備えた、種々の健常及び病的なヒト組織の統合されたmRNA発現データを含むデータベースソフトウェアである。利用可能な場合は手動注釈を付けた臨床的変数も含まれ、組織は、特異的に開発された癌及び解剖学的群に体系的に分類されている。このデータベースは、現在、251の異なる試験からの20,064個の試料を含み、そのうち15,392個は、1,227個の癌細胞株試料を含む癌試料である。データは、公的に入手可能な発現データベースから収集され、そこには、Affymetrixアレイで測定された発現データが含まれている。異なる研究及びアレイの世代にわたって大規模な統合されたデータコレクションを作成するために、異なる種類のAffymetrixマイクロアレイ世代のCELファイルからのデータを、特異的に開発した3段階プロセスにおいて一緒に正規化した。これは、異なる源からの試料を互いに直接的に比較し、メタ分析においてこれらを一緒に用い、別個のデータベース内では達成不可能な新しい発見の可能性を明らかにすることができる。
分析及び可視化ツールは、ユーザフレンドリーなグラフィカルユーザインターフェースに埋め込まれたR統計プログラミング言語(R Development Core Team)とともに実装された。この試験では、ヒトトランスクリプトームにわたる全体的なデータの可視化のためのドットプロット及びボックスプロットツールが使用される。ドットプロットは、SSRP1またはSPT16の正規化した発現値を組織の定義に対して異なるデータポイントとしてプロットすることによって描かれ、組織型に基づいてプロットを健常組織、悪性組織、他の疾患、健常組織からの細胞株、及び癌細胞株の5つのセグメントに分割し、これらのセグメント内で試料の解剖学的カテゴリーを適用する。また、記述統計学は、それぞれのセグメント内で他と異なる試料を区別するために計算され、同じセグメント内の全ての組織の平均発現よりも1標準偏差高い発現レベルを有する場合、または組織における発現の90パーセンタイルが、四分位範囲の2倍以上であり、かつ同じセグメントの75パーセンタイルである場合、組織型が選択されてプロット上で色付けされる。各遺伝子のボックスプロットは、健常組織及び癌組織におけるその遺伝子の発現を可視化する標準的な箱髭図として描かれ、組織の分類がX軸上に示される。少なくとも5つの試料を有する全ての組織を組み入れた。ボックスの下部はデータの25パーセンタイルであり、ボックスの上部は75パーセンタイルであり、水平線は中央値である。髭は、ボックスの端部から四分位範囲の1.5倍まで延在し、これを超えるいずれのデータポイントも外れ値であると見なされる。
臨床病理学的変数と遺伝子発現との間の関連性を分析するために、IST OnlineのPhenoPlotツールを使用して、選択されたin vivo 癌試料の発現値を臨床属性に対してプロットした。PhenoPlotは、種々の癌型由来の予め定義された癌試料のサブセットを用い、試料は、それぞれの癌型内の関連する臨床変数の利用可能性に基づいて選択されている。PhenoPlotは、ボックスプロットとドットプロットの組み合わせであり、ドットは個々の試料を示し、箱髭図による可視化はデータ値のより高いレベルの分布を示す。特定の臨床共変量の値を有する試料の各群は、PhenoPlotのX軸上の別のセグメントとして示される。任意の2つのボックスのノッチが垂直に重複しない場合、それは、2つの試料群の中央値が、当該遺伝子の発現という点において互いと有意に異なる(p値<0.05)ことを意味する。
TMAの分析:SSRP1データを二分した。フィッシャー直接確率法を行って、二分したSSRP1発現指標と、他の二分したカテゴリー変数(年齢(≧60、<60)、または腫瘍グレード(高、低)、病期(初期、後期)、及び利用可能な場合は疾患特異的マーカーの発現等の)との間の関連性を調べた。カイ二乗検定を行って、2つ以上のレベルを有するカテゴリー変数との関連性について調べた。ログランク検定と併せたカプラン・マイヤー生存分析を用いて、患者の生存とSSRP1発現指標との間の相関を評価した。p値<0.05を有するいずれの検定も有意であると見なした。全ての統計分析は、R統計プログラミング言語を使用して行われた。
実施例1:In Vitro 形質転換の際にFACTの発現が上昇する
異なる正常細胞のin vitro形質転換の間、及び異なる種類のヒト腫瘍組織において、FACTサブユニットの発現パターンが行われた。
in vitro形質転換の異なる段階でプロトタイプ正常細胞間のSSRP1レベルとSPT16レベルとを比較することによって、in vitro 形質転換プロセスの間のFACT誘導について調べた。具体的には、有限寿命細胞、不死化細胞、及び形質転換細胞について調べた。
正常ヒト線維芽細胞と、ヒトテロメラーゼで不死化した線維芽細胞、またはp53野生型もしくはノックアウト動物由来のマウス初代線維芽細胞との間で、FACTレベルの変化はほとんど認められなかった(図1A)。しかしながら、不死化線維芽細胞を活性化H−RAS V12癌遺伝子で形質転換した時に、ヒト細胞及びマウス細胞の両方においてFACTレベルの顕著な増加が観察された(図1B及び図1C)。これら全ての線維芽細胞(初期継代株、不死化、または悪性形質転換)細胞は、増殖速度に有意差は見られないため、FACTレベルの増加は、迅速な細胞増殖を反映するものではない。
多くのヒト腫瘍は上皮起源である。したがって、上皮細胞のin vitro 形質転換も行った。当技術分野で既知の乳房上皮細胞形質転換の同系モデルを用いた。2つの乳房縮小術検体184及び240L由来の正常な有限寿命株と、化学発癌物質ベンゾ(a)ピレン(184B5、184AA3)、または腫瘍抑制因子の障壁を克服することができる一連の既知の遺伝子構築物(CDKN2A(p16)及び/もしくはプロト癌遺伝子c−Mycに対するshRNA)(184p16sMY、184FMY2、240Lp16sMY)のいずれかに曝露した後の正常細胞由来の不死化株とを分析した。免疫不全マウスにおいて、足場非依存性増殖(AIG)と、in vivoで腫瘍を形成する能力とについて不死化株を特徴付けた。184B5、184p16sMY、及び240Lp16sMYは、AIGを示さなかった。184FMY2及び184AA3の両方がAIGを示したが、184AA3のみ腫瘍形成性であった。正常なHMECは、核SSRP1に関連する染色をほとんど示さなかったが、AIG、184AA3、及び184FMY2を有する株においてSSRP1に関連する免疫蛍光の最高レベルが見られた(図2A、2B、及び2C)。AIGを有しない不死化株は、異なる強度の弱い免疫蛍光染色を示したが(図2A)、ウェスタンブロットによって正常細胞と比較したところ、SPT16及びSSRP1の両方のレベルの著しい増加が認められた(図2B)。形質転換HMEC細胞において、そのタンパク質レベルに若干比例してSSRP1 mRNAのみが上昇したのに対し、SPT16 mRNAは、SPT16タンパク質とは対照的にほとんど変化しなかった(図2C)。理論に拘束されることを望むものではないが、これはSSRP1に対するSPT16タンパク質レベルの依存性に起因し得る。PCNA染色によると、これらの培養物間で増殖に有意差は認められなかった(図2B)。
これらの実験は、とりわけ、in vitroにおけるヒト上皮細胞の形質転換は、両方のFACTサブユニットのタンパク質レベルの上昇を伴うこと、その増加は形質転換細胞による悪性度の獲得と一致し得ることを実証した。
実施例2:異なる種類の腫瘍の複数の試料において、FACTサブユニットがRNA及びタンパク質レベルで過剰発現される
正常組織及び異なる腫瘍においてSSRP1及びSPT16のmRNAレベルの比較を行った。これらの試験では、ほぼすべての腫瘍型の含有量の高いマイクロアレイのデータを調査した。ICT Onlineソフトウェア(Medisapience,Inc)を使用して、技術間及び試験間にわたる正規化を適用した。
この分析は、健常な正常組織または他の疾患からの組織と比較して、ほとんどの腫瘍型においてSSRP1 mRNAが大抵上昇することを示した(図3A〜3B)。しかしながら、ほぼ正常レベルのSSRP1 mRNAを含む試料と、SSRP1の多くの倍数増加を有する試料とが存在する(図3A)。全てのカテゴリーにおいてSSRP1の最高平均レベルを有するin vitro細胞株からのデータもこの分析に含まれていた(図3A)。理論に拘束されることを望むものではないが、このことは、例えば、in vitro条件がSSRP1レベルの強力な上昇を促進すること、または上昇したSSRP1を含む細胞のみがin vitro培養で成長できることを示唆する可能性がある。
非腫瘍試料と比較すると腫瘍におけるSPT16 mRNA発現の中央値レベルも上昇したが、SSRP1ほどではなかった。このSSRP1とSPT16とのmRNAデータにおける違いは、HMEC細胞のパネルを分析した時に観察された傾向と一致していた(図2A〜2C)。SSRP1に類似する腫瘍試料の間で、非常に高いレベルのSPT16 mRNAを含むかなり多くの外れ値が見られる。
原発腫瘍生検試料と、入手可能な場合はマッチする正常病変または転移性病変とからなる組織マイクロアレイ(TMA)のIHC染色法を使用して、腫瘍試料中のFACTのタンパク質レベルを評価した。乳房、肺、腎臓、前立腺、及び消化管のいくつかの器官からの約854の個々の試料からなるTMAのいくつかの群を用いた。各群は、一般的な米国の集団におけるこれらの発生率に比例的に異なる腫瘍型によって表される。異なる組織におけるSSRP1及びSPT16タンパク質サブユニット間の発現で以前に示された高い相関に起因して、SSRP1のIHC染色を腫瘍における総FACTレベルの指標として用いた。理論に拘束されることを望むものではないが、この相関は、SSRP1の量に対するSPT16タンパク質レベルの依存性から生じている可能性がある。
これらの器官の正常細胞は、腸陰窩の底部の上皮細胞を例外として、SSRP1タンパク質を発現しない(図3A)。したがって、これらの器官の腫瘍における陽性SSRP1染色は、正常組織と比較してFACTレベルが上昇したことを示唆している。
ほとんどの腫瘍型の間で程度の異なるSSRP1の過剰発現が観察された(図4A、4B、4C、4D、4E)。非悪性間質細胞は、常にSSRP1が陰性であった(図4A〜4D)。
分析における異なる試料間でのSSRP1染色の可変性を検討するために、0から3までのスケールを使用して染色の強度及び陽性腫瘍細胞の割合を反映するスコアリングシステムを用いた。累積的なSSRP1の指標は、分類された強度と割合スコアの積である。>1の指標を有する「陽性SSRP1」試料は、陽性細胞の数が10%未満のもの、または染色が極端に弱いものを除いて、全ての陽性試料を含む(図4D)。>4の指標を有する「高SSRP1」試料は、腫瘍細胞のほとんどが高度にSSRP1陽性の試料である(図4A、図3B、図3D)。SSRP1陽性試料の最も高い指標が膵臓腫瘍において観察された(図4C及び図4E)。前立腺癌患者の間では、陽性のSSRP1試料はごくわずかしか存在しなかった(図4E)。in vitroのヒト腫瘍細胞株で得られたデータとは対照的であるが、RNA発現データと一致して、全ての腫瘍型間で、SSRP1染色の見られない腫瘍試料の割合がある程度認められた(図4E)。
実施例3:腫瘍のFACTサブユニットレベルと臨床病理学的特徴との相関
FACTサブユニットの発現と異なる腫瘍型の臨床病理学的特徴との間の相関について調べた。
いくつかの器官(乳房、肺、及び腎臓)において、癌の異なる組織型の間でSSRP1の発現(試料は異なるサブタイプによって表される)を比較した。
乳癌患者の間では、管腔型の癌と比べて基底細胞癌においてSSRP1 mRNAのレベルが高かった(図5A)。SSRP1タンパク質の過剰発現は、ホルモン受容体陽性乳癌と比べてトリプルネガティブにおいて頻度がより高かった(表1B及び図5B)。また、高いSSRP1レベルは、管腔型乳癌のER陰性及びHer2陽性状態と相関している(表1B及び図5B)。
非小細胞肺癌(NSCLC)患者の間では、他の種類の肺癌と比べて未分化大細胞癌において最高レベルのSSRP1 mRNAが観察された(表1B)。SSRP1タンパク質の場合も同様の傾向が観察された。腎細胞癌(RCC)患者の間では、乳頭状癌及び肉腫様癌の試料においてSSRP1が他の試料よりも頻繁に過剰発現された(表1B)。
SSRP1陽性試料の頻度がより高い全てのサブタイプは、乳頭状RCCを除いて、対応するSSRP1陰性サブタイプ(例えば、乳癌:基底型対管腔型、トリプルネガティブ対ホルモン受容体陽性、ER陰性対陽性、及びHer2陽性対陰性)よりも不良な予後を有していた。
したがって、SSRP1陽性試料は、より悪性度の高い癌サブタイプの間で過剰発現される。
このことは、TMA染色データを使用したSSRP1の発現と全体的な生存率との相関分析によって確認された。異なるSSRP1スコアのカットオフ、(i)SSRP1レベルが高い試料(指標>4)対レベルが低い及び陰性の試料(指標≦4);(ii)陽性SSRP1(指標>1)及び弱い/陰性(指標≦1);ならびに(iii)完全に陰性の試料(指標=0、いずれのSSRP1陽性細胞もなし)対全陽性試料(指標>0、非常に弱いかまたは10%未満を含むSSRP1陽性細胞の任意の部分)を使用してデータを比較した。
正常組織及び腫瘍組織におけるSSRP1の発現の比較に基づいて予想されたように、全ての腫瘍型で、生存率とSSRP1レベルの最良の相関は、陽性及び陰性SSRP1試料を比較した時に観察された。854個全てのIHC試料で、SSRP1陽性は、全体的な正存率の不良と有意に関連していた(図6A)。乳癌を別個に分析した場合にも同様であった(図6D)。
タンパク質またはmRNAレベルについて分析したいずれの腫瘍型においても、腫瘍の病期とSSRP1の発現との間に相関は見られなかったことから、理論に拘束されることを望むものではないが、FACTサブユニットの発現は、腫瘍の成長または疾患進行に伴って変化しないことが示唆される(表1B)。しかしながら、いくつかの癌の種類において、腫瘍グレードとFACTサブユニットレベルとの間に相関が見られた(表1B)。乳癌、結腸癌、及び乳頭状腎細胞癌では、高グレードの分化不良の腫瘍において有意に高いレベルのSSRP1 mRNA及びタンパク質が認められた(表1B、図5C、図5D)。腫瘍グレードによるSSRP1 mRNA及びタンパク質の増加という同じ傾向が、肺癌患者及び肺腺癌の病期2の患者に観察された(表1B)。
また、乳癌及び腎細胞癌に罹患する、原発性腫瘍がSSRP1陽性であった患者は、SSRP1陰性の原発性腫瘍を有する患者よりも転移性疾患の発生率が高いことも示された(図5D)。SSRP1 mRNAもまた、肺癌及び前立腺癌の転移を有する患者において、転移のない患者よりも高かった。IHCによって分析した全ての癌において、原発性病変と転移性病変との間でSSRP1状態の高い合致率(>87%)が認められた。したがって、乳癌、RCC、肺癌、または前立腺癌に罹患する患者の原発性腫瘍におけるSSRP1の存在は、転移性疾患を示唆する。
臨床試料におけるSSRP1の発現の分析は、(i)予後不良の固形腫瘍のサブタイプ(乳癌及び肺癌)、(ii)全体的な生存率が不良である患者からの腫瘍、(iii)転移性疾患(乳癌、肺癌、腎癌、及び前立腺癌)に罹患する患者等の、分化が低く(より高いグレード)、より悪性度の高い腫瘍においてSSRP1がより高い発生率で発現されることを示した。
SPT16では、異なる試料においてSSRP1の発現との高い相関が認められた。理論に拘束されることを望むものではないが、SSRP1及びSPT16は、一方のタンパク質レベルが他方のタンパク質レベルに依存する方式で供調節される。例えば、SSRP1 mRNAに対するSPT16タンパク質レベルの強い依存性が認められる。腫瘍細胞がより高いレベルのSSRP1の発現を開始する場合、SPT16のレベルも上昇する。
SPT16のタンパク質レベルは、我々がウェスタンブロット及びIHCに基づいてSSRP1の上昇を見たのと同じ腫瘍において上昇するが、原則として、抗SPT16抗体はSSRP1よりもはるかに品質が低いため、我々はそれらをTMA染色に使用しなかった。
実施例4:腫瘍細胞の生存及び成長はFACTの発現に依存する
FACTが腫瘍細胞に必要とされるかどうか、また、その過剰発現が何か他の腫瘍特異的プロセスのマーカーであるかどうかを調べた。いくつかの腫瘍細胞株をFACTサブユニットに対するshRNAを用いて形質導入することにより、対照shRNAと比較して細胞の成長が抑制されることが以前に観察された。ここでは、細胞株のリストが拡張され、腫瘍及びいくつかのプロトタイプ「正常」細胞上でshRNAがFACTに及ぼす影響と比較された。癌治療のためにFACTを標的とすることの価値を評価するために、後者を知ることが重要である。本発明者は、両方のFACTサブユニットのレベルが互いに調節され、したがって、FACTのサブユニットのうちの一方に対するshRNAの使用が両方を効果的に排除することを示してきた。腎細胞癌細胞(RCC45)及びヒトテロメラーゼの酵素サブユニットで不死化した正常な腎臓上皮細胞(NKE);ヒト線維肉腫細胞(HT1080)及びヒト二倍体線維芽細胞(Wi38);ならびにヒト乳腺癌細胞(MCF7)及び不死化乳腺上皮細胞(MCF10A)を含む、同じ組織起源の腫瘍と非形質転換プロトタイプ「正常」細胞のいくつかの対を用いた。使用した全ての形質転換細胞及び非形質転換細胞は、in vivoの正常細胞とは対照的に、特定レベルの両方のFACTサブユニットをin vitroで発現する(図4A〜4E及び7A〜7Hを比較)。
FACTサブユニットまたは対照としてのGFPに対するshRNAを用いて形質導入したこれらの細胞の成長を、コロニー形成アッセイを使用して(上皮細胞の場合)、または細胞の総量を測定することによって(コロニーを形成しない線維芽細胞様細胞の場合)評価した。両方のFACTサブユニットの発現の抑制は、使用したいずれのshRNAによる影響も受けなかった正常線維芽細胞を除く全ての細胞の成長の抑制をもたらした(図7A〜C)。成長の抑制またはコロニー形成は、他の非形質転換細胞の場合よりも腫瘍細胞の場合において有意に強力であった(図7A〜C)。shRNA形質導入及びピューロマイシン選択を生き延びた細胞中のFACTサブユニットレベルの分析は、3つの細胞対のうち2つ(腎臓及び線維芽細胞)において、SSRP1及びSPT16のKDが腫瘍細胞において非常に弱かったが、非形質転換細胞対において抑制が大きかったことを示した(図7D及び7E)。理論に拘束されることを望むものではないが、このデータは、FACTの非効率的なKDを有する細胞のみが腫瘍細胞から増殖することができる一方で、非腫瘍細胞はFACTの抑制時に成長することができることを示唆している。
このことは、腫瘍細胞MCF7/MCF10A中のSSRP1及びSPT16の最大KDを有する細胞対を使用して、shRNA形質導入後の異なる時点でFACTサブユニットのレベル及び細胞の成長を測定することによって調べた。FACTのKDの場合、対照shGFP細胞と比較して、ピューロマイシン選択の最後にMCF10A及びMCF7細胞はあまり認められなかったが、再播種後に、ピューロマイシン耐性MCF10Aが、FACTサブユニットのレベルに関係なく成長し、MCF7の場合、低レベルのFACTサブユニットを有する細胞及び対照shGFP細胞の成長における差は、観察の8日間まで持続したことが観察された。回復レベルのFACTを有するMCF7細胞のみが、shGFP細胞と同様に成長し始めた。さらに、MCF10A細胞が観察期間中FACTサブユニットレベルの差を維持したのに対し、MCF7細胞では、この差は継代によって減少した。したがって、このことは、低レベルのFACTを有する非腫瘍細胞が対照細胞と同様に成長したのに対し、腫瘍細胞は成長しなかったことを示した。換言すると、この実験は、FACTのKD時に腫瘍細胞(MCF7)を増殖させることができないことを示した。これらの細胞は、成長しないか、またはKDが非効率的であるもののみが成長を始めるかのいずれかであり、FACTレベルが迅速に回復される。反対に、非腫瘍細胞(MCF10A)は、低レベルのFACTを用いて増殖させることができ、これらの細胞は、FACTのレベルが低い状態のままで成長させることができる。
理論に拘束されることを望むものではないが、腫瘍細胞の成長がなぜFACTのKDによって影響を受けるのかの潜在的説明を探究した。SSRP1レベルが低い細胞の割合は、shSSRP1の培養において時間とともに減少する(図7G)。FACTレベルが低い腫瘍細胞は、複製が少ない複製を有し(図7H)、G1に蓄積し(図7G)、さらには、そのうちのいくつかは死滅する(図7G及び図7I)。このデータは、複製におけるFACTの役割を指示する。しかしながら、細胞が複製中にのみ必要とする因子を欠く場合に予想されるS期停止の非存在は、細胞中にG1の成長停止を引き起こす特定のシグナル伝達が存在し得ること、及び/または、複製とは異なるプロセス(すなわち、転写)におけるFACTの機能も腫瘍細胞にとって不可欠であり得ることを示唆するものであった。
実施例5:癌幹細胞のマーカーとしてのFACTサブユニット
FACTサブユニットの検出が、癌幹細胞の同定において有用であることを示した。表面癌幹細胞マーカー(CD44High/CD24Low)を発現するin vitroで形質転換したヒト乳房上皮細胞(HMEC)において、Spt16及びSSRP1の両方のFACTサブユニットがより赤いレベルで発現されることが分かった。示される遺伝的構築物で形質転換したHMECの抽出物のウェスタンブロットを図8Aに示す。全ての構築物の形質導入時に形質転換された細胞の変異体を、表面CD44及びCD24に結合した抗体の検出に基づいてフローサイトメトリーを用いて選別した。FACTのSSRP1サブユニットの最高レベルは、膵臓癌幹細胞表面マーカーの最高レベルの発現を有する細胞において観察された。膵臓CSC(CD44+/CD24+/CD326+)及びFACTのSSRP1サブユニット上に存在する表面マーカーに対する抗体で共染色された膵管腺癌細胞PANC1及びMIA PaCaのフローサイトメトリー分析を図8Bに示す。
均等物
当業者は、本明細書に具体的に記載される特定の実施形態に対する多くの均等物を認識するか、または単なる日常的実験を用いて確認することができるであろう。そのような均等物は、以下の特許請求の範囲の範囲に包含されることが企図される。
参照による組み込み
本明細書において言及される全ての特許及び刊行物は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。