JP6574122B2 - 熱転写性積層フィルムおよびそれを用いて構成された二次電池 - Google Patents

熱転写性積層フィルムおよびそれを用いて構成された二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、熱転写性積層フィルムおよびそれを用いて構成された二次電池に関し、より詳しくは、二次電池内で絶縁材として用いられるフィルムの厚みを大幅に薄くすることが可能な熱転写性積層フィルムと、その熱転写性積層フィルムを用いて構成された二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池等の二次電池が幅広く普及し、より高い安全性と大容量化が求められている。このような二次電池において、導電性粉体によるセパレーターの貫通で生じる正極と負極の短絡を防止する絶縁層の形成方法として、特許文献1では乾燥工程方式、熱溶着方式、ホットメルトの方式が示されており、特許文献2では糊材付き粘着テープの方式が示されている。
また、特許文献3では熱溶着性のフィルムを用いる熱溶着方式が示されている。このような熱溶着性のフィルムは電池の製造工程での汚染が少なく、電池性能への影響も少ないという利点を有しているが、使用するフィルムの厚みは20μm程度がフィルム製造の下限であった。
より具体的には、例えばリチウムイオン電池の電極の絶縁材としては、二軸延伸ポリプロピレンフィルムにアクリル系粘着剤を塗布した粘着フィルムや、ポリプロピレンに酸変性樹脂を積層した熱接着フィルムが使用されてきた。リチウムイオン電池の電池容量を上げるためには、すなわち、同じサイズのリチウムイオン電池において電池容量を上げるためには、絶縁材として用いられるこれらのフィルムの厚みを薄くすることが望まれているが、上記粘着フィルムや熱接着フィルムの厚みとしては20μm程度が製造上の下限であった。このように、絶縁材としてのフィルムの厚みを薄くできないと、二次電池の大容量化をはかる上で限界が生じることとなっていた。
特開2004−259625号公報 特開2004−319311号公報 WO2012/056846号公報
そこで本発明の課題は、二次電池の絶縁材等として用いられるフィルムの厚みを従来技術よりも薄くすることが可能な熱転写性積層フィルムと、その熱転写性積層フィルムを用いて構成され大容量化が可能な二次電池を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る熱転写性積層フィルムは、被着体への接着層であるB層と、該B層の被着体への熱接着後にB層から剥離される剥離層であるA層の2層を含む積層フィルムであり、B層は不飽和カルボン酸またはその誘導体を用いて変性されたポリオレフィン樹脂からなり、A層とB層との層間剥離強度が、B層と被着体との接着強度よりも低いことを特徴とするものからなる。
このような本発明に係る熱転写性積層フィルムにおいては、A層とB層との層間剥離強度が、B層と被着体との接着強度よりも低いので、A層とB層の2層を含む形態に製膜された積層フィルムは、そのB層が被着体に熱接着され、熱接着後にB層からA層が剥離され、B層のみが被着体に接着された状態にて残された形態で使用されることが可能になる。したがって、A層とB層の2層を含む積層フィルム全体としての厚みが比較的厚い場合にあっても(従来技術と同等の厚みである場合にあっても)、B層のみが被着体上に残された使用形態では、積層フィルム全体の厚みに比べ大幅に薄くしたフィルム厚みが達成される。このB層を、被着体への熱接着に適した層で、かつ、B層のみで目標性能(例えば、目標絶縁性能)を発揮可能な層に設定しておけば、B層のみが残された使用形態においては、所望の性能を発揮させつつ、そのB層の厚み、つまり、絶縁層等の所望の機能層の厚みを、従来層に比べ大幅に薄くすることが可能になる。この薄膜化により、本発明に係る熱転写性積層フィルムを用いて構成される装置の小型化や大容量化をはかることが可能になる。
上記本発明に係る熱転写性積層フィルムにおいては、上記A層が、ポリオレフィン樹脂と相溶性の低い樹脂からなることが好ましい。A層を、このようなポリオレフィン樹脂と相溶性の低い樹脂から構成することにより、A層とB層との層間剥離強度を容易に低く抑えることが可能になり、その層間剥離強度がB層と被着体との接着強度よりも低い条件を容易に満足させることが可能になる。
上記ポリオレフィン樹脂と相溶性の低い樹脂としては、ポリメチルペンテン、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、高密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレンから選ばれた少なくとも一種の樹脂が例示されるが、例えば熱板式のヒートシーラーで熱転写性積層フィルムを被着体に熱接着するときに基材層である剥離層Aが熱板に融着しないためには、剥離層Aと接着層Bの融点(A)、(B)が(A)≧(B)の関係にあることが好ましい。
また、本発明に係る熱転写性積層フィルムにおいては、A層とB層との層間剥離強度が、B層と被着体との接着強度よりも低いことが必要であるが、A層を剥離したときにB層が確実に被着体に接着された状態で残されるためには、B層と被着体との接着強度が15N/15mm以上であることが好ましく、B層からA層が確実に剥離されるためには、A層とB層との層間剥離強度が20N/15mm以下であることが好ましい。さらに、B層の被着体への良好な接着状態を維持しつつ、確実にB層からA層を剥離させるためには、B層と被着体との接着強度が、A層とB層との層間剥離強度よりも2N/15mm以上高いことが好ましい。
本発明に係る熱転写性積層フィルムの全体厚みは特に制限されないが、製膜安定性からフィルムの厚みは20〜100μm程度の範囲にあることが好ましい。接着層Bの厚みとしては1〜20μmの範囲にあることが好ましく、1〜10μmの範囲にあることがより好ましく、2〜10μmの範囲にあることがさらに好ましい。接着層Bの厚みが1μm未満の場合は、被着体の凹凸や外部からの力で破れが生じやすくなる。この面からは、接着層Bの厚みは厚い方が有利であるが、例えば二次電池の絶縁層として使用される場合の厚みを従来技術における厚みよりも薄くする目的から、接着層Bの厚みは1〜20μmの範囲にあることが好ましく、1〜10μmの範囲にあることがより好ましく、2〜10μmの範囲にあることがさらに好ましい。本発明に係る熱転写性積層フィルムにおいて、A層の剥離後に残されるのは、不飽和カルボン酸またはその誘導体を用いて変性されたポリオレフィン樹脂からなるB層のみであり、容易にその厚みを20μm以下にすることが可能である。
本発明に係る熱転写性積層フィルムは、とくに、二次電池における絶縁用に使用されるフィルムとして好適なものである。例えば、上記B層が、二次電池における電極と活物質層との境界を含む活物質層の塗工端部を覆うように熱接着され、B層の熱接着後にA層がB層から剥離された状態で使用されるフィルムとなる、熱転写性積層フィルムである。
したがって、本発明は、上記のような熱転写性積層フィルムを用いて構成された二次電池も提供できる。二次電池としては、とくにリチウムイオン電池を例示できる。
このように、本発明によれば、被着体に熱接着された熱転写性積層フィルムのうち、A層を剥離させることによりB層のみが被着体に接着された状態にて残された使用形態を実現することができ、B層を薄層に設定しておくことで、従来技術に比べ、B層のみからなる絶縁層等の機能層の厚みを大幅に薄くすることができ、そのB層を用いて構成された装置の小型化や大容量化が可能になる。とくに、本発明に係る熱転写性積層フィルムを用いて構成された二次電池では(例えば、リチウムイオン電池では)、容易に大容量化をはかることが可能になる。
なお、本発明に係る熱転写性積層フィルムは、積層フィルムを、まず相手部材と熱接着し、2層構成の厚い側のフィルム層であるA層を剥離することによって、従来にない薄いフィルム厚さ(B層の厚さ)で目標とする機能層が実現できることから、二次電池の他にも、薄い絶縁層や薄い保護層が望ましい用途に適用することができる。
本発明の一実施態様に係る熱転写性積層フィルムの概略断面図である。 図1に示した熱転写性積層フィルムを二次電池における絶縁用に使用する形態の一例を示す概略構成図である。
以下に、本発明の実施の形態について、図面も参照しながら詳細に説明する。
例えば図1に示すように、本発明に係る熱転写性積層フィルム1は、被着体への接着層であるB層2(例えば、絶縁フィルムからなるB層)と、該B層2の被着体への熱接着後にB層2から剥離される剥離層であるA層3(例えば、絶縁フィルムからなるA層)の2層を含む積層フィルムから構成される。被着体への接着層であるB層2は不飽和カルボン酸またはその誘導体を用いて変性されたポリオレフィン樹脂からなり、A層3とB層2との層間剥離強度は、B層2と被着体との接着強度よりも低い。
例えば被着体が二次電池の集電箔の場合、接着層であるB層2はポリオレフィン樹脂に不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されていることが必要である。変性量は特に限定しないが、剥離層としてA層3が剥離されるときにB層2が被着体から剥がれないようにするためには、被着体との接着強度が15N/15mm以上であり、A層3がB層2から容易に剥離されるためにはA層3とB層2との層間剥離強度が20N/15mm以下であり、かつ、B層2の被着体との接着力はA層3とB層2の層間剥離強度よりも2N/15mm以上高いことが好ましい。
ここで、例えば熱接着温度が140℃から160℃で15N/15mm以上のB層の被着体との接着力を得るためには変性量が0.01重量%以上であることが好ましく、フィルム加工時の熱安定性の観点からは4重量%以下であることが好ましい。不飽和カルボン酸又はその誘導体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸などの不飽和モノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸などの不飽和ジカルボン酸、およびこれらの無水物である無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、不飽和モノカルボン酸とアルコールのエステルであるアクリル酸エチル、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル等の1種あるいは2種以上の混合物が挙げられ、市販の変性樹脂としては三井化学社製の「アドマー(登録商標)」や三菱化学社製の「モディック(登録商標)」などが知られている。変性するポリオレフィン樹脂としてはポリプロピレンやポリエチレンなどの樹脂があるが、耐熱性が必要とされる二次電池ではポリプロピレン系樹脂に変性したものを使用した方が好ましい。
上記の剥離層Aと接着層Bからなる熱転写性積層フィルムを製造する方法としては、T−ダイ法やインフレーション法などの共押出成形法がある。押出したフィルムを延伸する方法もあるが、延伸フィルムは延伸による配向結晶化が進み、二次電池の絶縁用に使用する場合の電極活物質や金属箔との接着力が低下する。このため、配向のパラメーターである複屈折率が1×10−2以下の無延伸フィルムであることが好ましい。
本発明に係る熱転写性積層フィルムを製造する方法としては、予め製膜した剥離層A上に接着層Bを押出積層することも可能であるが、この方法では厚みが20μm以下の無延伸フィルムを製膜するのは難しいので、接着層Bと剥離層Aとの複合製膜が好ましい。
基材層としての剥離層Aと接着層Bに用いる樹脂のメルトフローレートは、フィルムとして製膜できる範囲にあれば特に制限はされないが、製膜時の安定性の面からメルトフローレート(JIS K−7210に準拠し、プロピレン系重合体は温度230℃で、ポリエチレン系重合体は温度190℃で、荷重21.18Nで測定した値)が1〜20g/10分の範囲にあることが好ましく、剥離層Aと接着層Bの積層安定性の点からは、それぞれのメルトフローレートの差が10g/10分以下であることが好ましい。
前述したように、熱転写積層フィルムの厚みは特に制限されないが、製膜安定性からフィルムの厚みは20〜100μmの範囲であることが好ましく、接着層Bの厚みは1〜20μmであることが好ましい。接着層Bの厚みが1μm以下の場合は、被着体の凹凸や外部からの力で破れが生じやすくなる。このため、接着層Bの厚みは厚い方が有利であるが、二次電池の厚みを薄くする目的から接着層Bの厚みは1〜20μmであることが好ましく、1〜10μmの範囲にあることがより好ましく、2〜10μmの範囲にあることがさらに好ましい。
また前述したように、ヒートシールしたときに熱板に剥離層Aが融着しないためには剥離層Aと接着層Bの融点は(A)≧(B)であることが好ましく、接着層Bがポリプロピレン系の変性樹脂の場合は剥離層Bがポリメチルペンテン、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリプロピレンより融点が高いことが好ましい。
剥離層Aまたは接着層Bに、接着性や電池の性能を低下させない範囲で、低温衝撃性や折り曲げ白化性を改善する目的のエラストマー成分などを添加してもよい。
また、剥離層Aまたは接着層Bに、接着性や電池の性能を低下させない範囲で、フィルムの滑り性を付与する有機滑剤やブロッキングを防止する無機系や有機系のアンチブロッキング剤を添加してもよい。
本発明に係る熱転写性積層フィルムを、とくに二次電池における絶縁用に使用する場合には、例えば、図2に示すように本発明を適用できる。図2は、図1に示した熱転写性積層フィルム1を二次電池における絶縁用に使用する場合を示しており、B層2が、二次電池における電極と活物質層との境界を含む活物質層の塗工端部を覆うように熱接着され、B層2の熱接着後にA層3がB層2から剥離されB層2のみが残された状態で使用されるフィルムとなる場合を示している。
とくに、図2(A)は、リチウムイオン二次電池における電極としての正極(正極集電箔)を構成するアルミニウム箔(アルミ箔と略称することもある)11とその上に塗工された活物質層12との境界を含む活物質層の塗工端部13部分を示している。正極活物質としては、例えば、遷移金属リチウム酸としてLiMnを主成分にポリフッ化ビニリデン(PVDF)をバインダとしたものが挙げられる。図示は省略するが、負極(負極集電箔)としては例えば銅箔を使用でき、負極活物質としては、例えば、グラファイトを主成分にポリフッ化ビニリデンをバインダとしたものが挙げられる。このような二次電池における電極(正極または負極)と活物質層との境界を含む活物質層の塗工端部に対し、絶縁用に、本発明に係る熱転写性積層フィルムを適用できる。以下に、正極(正極集電箔)を構成するアルミ箔11とその上に塗工された活物質層12を例にとって説明する。
図2(B−1)(上面斜視図)と図2(B−2)(断面図)に示すように、絶縁用フィルムとしての熱転写性積層フィルム1が、上記電極としてのアルミ箔11とその上に塗工された活物質層12に対して熱接着されるが、とくに、B層2が、二次電池における電極11と活物質層12との境界を含む活物質層12の塗工端部13を覆うように熱接着される。
次いで、図2(C−1)(上面斜視図)と図2(C−2)(断面図)に示すように、熱転写性積層フィルム1のB層2の熱接着後に、熱接着されていたB層2のみが残されるように、A層3がB層2から剥離され、B層2のみが残された状態とされる。B層2の接着強度よりも、B層2からのA層3の層間剥離強度の方が低いので、B層2の接着状態に悪影響を及ぼすことなく、A層3だけがB層2から容易に剥離される。残されたB層2の厚みは、A層3とB層2の積層構成を有する熱転写性積層フィルム1の全体厚みよりも大幅に薄いので、残されたB層2からなる絶縁フィルムの厚みは従来の絶縁層に比べ大幅に薄くすることが可能になり、二次電池の大容量化に貢献できる。
熱転写性積層フィルム1の構成を、例えば、剥離層としてのA層3であるポリメチルペンテン樹脂層(厚み27μm:積層フィルム1の全厚みを10とした場合の厚み比=9/10)と接着層としてのB層2である酸変性ポリオレフィン樹脂層(厚み3μm:厚み比=1/10)とが積層された2層積層フィルムとする場合、酸変性ポリオレフィン樹脂層(B層2)を電池電極と熱接着した後、ポリメチルペンテン樹脂層(A層3)を剥離して使用することができる。リチウムイオン電池電極に残るのは、酸変性ポリオレフィン樹脂層(B層2)のみであり、従って、絶縁材としてのフィルムの厚みを3μm、あるいはそれ以下にすることが可能となる。
以下に、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。まず、本発明における特性の評価方法について説明する。
(1)A層とB層の剥離強度
剥離層であるA層と接着層であるB層の剥離強度は、層間剥離型フィルム2枚のB層どうしを向き合わせ、A層側の両面から150℃のヒートシールバーで熱接着した。熱接着したフィルムを15mm幅に切り出し、ヒートシールされていない部分を上下に振り分け、オリエンテック社製テンシロンを用いて剥離強度を測定した。本剥離強度評価サンプルでは、A層/B層・B層/A層の構成となり、B層・B層の密着は強固なため、A層間のいずれかの界面で剥離が発生し、A層/B層間の剥離強度を評価することができる。
(2)B層と被着体との接着力
接着層であるB層と被着体としてのアルミニウム箔との接着力で測定した。測定においては、B層だけの厚さ20μmのフィルムを作成し、2枚のアルミニウム箔の間に挟み、アルミニウム箔の両面から150℃のヒートシールバーで熱接着した。熱接着したアルミニウム箔を15mm幅に切り出し、ヒートシールされていない部分を上下に振り分け、オリエンテック社製テンシロンを用いて剥離強度を測定した。
(3)被着体との剥離試験
熱転写性積層フィルムにおけるA層とB層との層間剥離強度と、B層と被着体との接着強度との強弱関係は、熱転写性積層フィルムの被着体との剥離試験によって評価した。層間剥離型フィルムである熱転写性積層フィルムの接着層(B層)と被着体としてのアルミニウム箔が向き合うように合わせ、剥離層(A層)側から150℃のヒートシールバーで熱接着した。接着した部分を15mm幅に切り出し、被着体とヒートシールされていない部分のフィルムを、オリエンテック社製テンシロンを用いて剥離した。フィルムの剥離層であるA層と、接着層であるB層の層間で剥離したものを○とし、層間で剥離せずにフィルムが切れたものや、接着層とアルミニウム箔の間で剥離したものを×とした。
[実施例1]
熱転写性積層フィルムとしては、剥離層(A層)にポリメチルペンテン樹脂である三井化学社製の「TPX(登録商標)」RT18を、接着層(B層)にDSC(示差走査熱量計)による融点が121℃のポリプロピレン系の変性樹脂である三菱化学社製の「モディック(登録商標)」P614V(無水マレイン酸変性ポリプロピレン(PP))を使用した。剥離層と接着層のそれぞれの厚みを27μmと3μmとし、Tダイ法で積層複合した。被着体との剥離試験では、被着体と接着層の間では剥離が起こらず、剥離層と接着層の層間で剥離し、被着体に接着層の3μmの膜が残った。
[実施例2]
剥離層にナイロン6樹脂(東レ社製「アミラン(登録商標)」CM1017)を使用した以外は実施例1と同じ条件とした。被着体との剥離試験では、被着体と接着層の間では剥離が起こらず、剥離層と接着層の層間で剥離し、被着体に接着層の3μmの膜が残った。
[実施例3]
剥離層に高密度ポリエチレン(PE)樹脂(日本ポリエチレン社製「ノバテックHD(登録商標)」HF560)を使用した以外は実施例1と同じ条件とした。150℃のヒートシールで、剥離層がヒートシールバーと融着する傾向が見られた。しかし、被着体との剥離試験では、剥離層と接着層の層間で剥離し、被着体と接着層の間では剥離が起こらず、被着体に接着層の3μmの膜が残った。
[比較例1]
剥離層にポリプロピレン樹脂(プライムポリマー社製「プライムポリプロ(登録商標)」F−704NP)を使用した以外は実施例1と同じ条件とした。被着体との剥離試験では、剥離層と接着層の層間で剥離せず、また、被着体と接着層の間でも剥離が起こらず、フィルムが破断した。
[比較例2]
接着層にエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(日本ポリエチレン社製「ノバテックEVA(登録商標)」LV244)を使用した以外は実施例1と同じ条件とした。被着体との剥離試験では、被着体と接着層の間で剥離が起こり、被着体に接着層を残すことができなかった。実施例1〜比較例2をまとめて表1に示す。
Figure 0006574122
表1に示すように、本発明で規定した条件を満たす実施例1〜3では、剥離層(A層)と接着層(B層)の層間で剥離させることができ、被着体に接着層(B層)の薄膜のみを残すことができた。本発明で規定した条件を満たさない比較例1、2では、いずれも、被着体に接着層(B層)のみを残すことはできなかった。
本発明は、とくに二次電池において薄膜の絶縁用フィルムが望まれる場合に好適に適用でき、その他の分野においても、薄膜の絶縁用フィルム等が望まれる場合、適用可能である。
1 熱転写性積層フィルム
2 接着層であるB層
3 剥離層であるA層
11 電極としてのアルミニウム箔
12 活物質層
13 活物質層の塗工端部

Claims (9)

  1. 被着体への接着層であるB層と、該B層の被着体への熱接着後にB層から剥離される剥離層であるA層の2層を含む共押出成形法による複合製膜の積層フィルムであり、B層は不飽和カルボン酸またはその誘導体を用いて変性されたポリオレフィン樹脂からなり、A層が、ポリオレフィン樹脂と相溶性の低い樹脂からなり、B層の厚みが1〜10μmの範囲にあり、A層とB層との層間剥離強度が、被着体としてアルミニウム箔を用いて測定したときのB層と被着体との接着強度よりも低いことを特徴とする熱転写性積層フィルム。
  2. 前記ポリオレフィン樹脂と相溶性の低い樹脂が、ポリメチルペンテン、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、高密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレンから選ばれた少なくとも一種の樹脂からなる、請求項に記載の熱転写性積層フィルム。
  3. 前記B層と被着体との接着強度が15N/15mm以上である、請求項1または2に記載の熱転写性積層フィルム。
  4. 前記A層とB層との層間剥離強度が20N/15mm以下である、請求項1〜のいずれかに記載の熱転写性積層フィルム。
  5. 前記B層と被着体との接着強度が、前記A層とB層との層間剥離強度よりも2N/15mm以上高い、請求項1〜のいずれかに記載の熱転写性積層フィルム。
  6. 二次電池における絶縁用に使用されるフィルムである、請求項1〜のいずれかに記載の熱転写性積層フィルム。
  7. 前記B層が、二次電池における電極と活物質層との境界を含む活物質層の塗工端部を覆うように熱接着され、B層の熱接着後にA層がB層から剥離された状態で使用されるフィルムである、請求項に記載の熱転写性積層フィルム。
  8. 請求項に記載の熱転写性積層フィルムを用いて構成された二次電池。
  9. リチウムイオン電池である、請求項に記載の二次電池。
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