JP6573804B2 - バイオマス燃料生成装置 - Google Patents
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Description
特許文献1は、高温の燃焼ガスを発生させる燃焼炉と、間接加熱により有機物を熱分解ガスと炭化物に分離するガス化炉と、ガス化炉で分離した熱分解ガスからタール成分を除去する養生室とを備えた燃料ガス発生装置を開示する。そして、この燃料ガス発生装置では、燃焼炉で発生させた燃焼ガスを養生室に導き、養生室に導いた燃焼ガスによって養生室内の熱分解ガスを間接加熱し、熱分解ガスに対して熱を与えた後の燃焼ガスをガス化炉に導き、ガス化炉に導いた燃焼ガスによって有機物を間接加熱する。
また本発明は、良質な活性炭を得ることができるバイオマス燃料生成装置を提供することを目的とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載のバイオマス燃料生成装置において、前記燃焼炉における前記燃焼ガスの温度を900℃以上とし、前記活性炭賦活炉に導入する前記燃焼ガスの温度を800℃以上とし、前記熱分解炉に導入する前記燃焼ガスの温度を400℃以上としたことを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載のバイオマス燃料生成装置において、前記熱分解反応筒入口にピストンコンベアを併設したことを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のバイオマス燃料生成装置において、前記熱分解反応筒の内容積を、前記賦活反応筒の内容積よりも大きくしたことを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項4に記載のバイオマス燃料生成装置において、前記熱分解モータの回転数を、前記熱分解炉で発生する前記発生ガスの重量が、前記熱分解炉で生成される前記炭化物の重量よりも少なくなるように設定することを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項5に記載のバイオマス燃料生成装置において、前記賦活用モータの回転数を、前記活性炭賦活炉で生成される前記活性炭の重量が、前記活性炭賦活炉に搬入される前記炭化物の前記重量の1/3となるように設定することを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のバイオマス燃料生成装置において、前記第2分岐管で分離した前記炭化物を前記賦活反応筒入口に導くことを特徴とする。
図1は本発明の一実施例によるバイオマス燃料生成装置を示す構成図である。
図1に示すように、本実施例によるバイオマス燃料生成装置は、高温の燃焼ガスを発生させる燃焼炉10と、間接加熱により有機物を発生ガスと炭化物に分離する熱分解炉20と、熱分解炉20で分離した炭化物から主に水素ガスを発生させて活性炭を生成する活性炭賦活炉30とを備えている。なお、熱分解炉20及び活性炭賦活炉30には、攪拌スクリュー付横型回転炉やロータリーキルンが適している。
より、好ましくは、燃焼炉10における燃焼ガスの温度は950℃以上とし、活性炭賦活炉30に導入する燃焼ガスの温度は850℃以上とし、熱分解炉20に導入する燃焼ガスの温度は650℃以上とする。
また、熱分解炉20から排出される燃焼ガスの温度が250℃から600℃となるように、より好ましくは250℃から500℃となるように、燃焼炉10における燃焼を制御する。
従って、図示はしないが、活性炭賦活炉30から排出される燃焼ガスの温度を検出する温度検出手段や熱分解炉20から排出される燃焼ガスの温度を検出する温度検出手段を備え、これらの温度に基づいて燃焼炉10に供給する燃料量や空気量を調整する制御装置も備えている。
燃焼炉10における燃焼ガスの温度を900℃以上とすることで、活性炭賦活炉30での活性炭の生成に適している750℃から900℃の燃焼ガスの温度を満足することができ、熱分解炉20に導入する燃焼ガスの温度を400℃以上とすることで、熱分解炉20で有機物を発生ガスと炭化物に分離する温度を満足することができる。
熱分解反応筒21は、一端が有機物を搬入する熱分解反応筒入口21a、他端が炭化物、発生ガス、及び液水を搬出する熱分解反応筒出口21bとなっている。熱分解加熱筒22は、熱分解反応筒出口21b側が燃焼ガスを導入する熱分解加熱筒入口22a、熱分解反応筒入口21a側が燃焼ガスを導出する熱分解加熱筒出口22bとなっている。熱分解加熱筒22は熱分解反応筒21の外周に配置され、熱分解反応筒21と熱分解加熱筒22とは完全に区画されている。
賦活反応筒31は、一端が炭化物、発生ガス、及び液水を搬入する賦活反応筒入口31a、他端が活性炭及び発生ガスを搬出する賦活反応筒出口31bとなっている。賦活加熱筒32は、賦活反応筒出口31b側が燃焼ガスを導入する賦活加熱筒入口32a、賦活反応筒入口31a側が燃焼ガスを導出する賦活加熱筒出口32bとなっている。賦活加熱筒32は賦活反応筒31の外周に配置され、賦活反応筒31と賦活加熱筒32とは完全に区画されている。
熱分解モータ23は熱分解炉20の熱分解反応筒入口21a側に設け、賦活用モータ33は活性炭賦活炉30の賦活反応筒入口31a側に設けている。
ガスや液水の生成によって熱分解炉20で生成される炭化物よりも活性炭賦活炉30で生成される活性炭の重量は小さいため、熱分解炉20の熱分解反応筒21の内容積を、活性炭賦活炉30の賦活反応筒31の内容積よりも大きくすることで、熱分解炉20と活性炭賦活炉30とをそれぞれ最小容積としつつ、連続して運転できる。
例えば、熱分解反応筒21は内径1100cmで長さ3500cm、賦活反応筒31は内径750cmで長さ3500cmとする。
熱分解モータ23の回転数は、熱分解炉20で発生する発生ガスの重量が、熱分解炉20で生成される炭化物の重量よりも少なくなるように設定することで、所定量の活性炭を得ることができるとともに活性炭賦活炉30においても水素ガスが発生するため、活性炭賦活炉30から搬出される発生ガスも十分に得ることができる。
賦活用モータ33の回転数は、活性炭賦活炉30で生成される活性炭の重量が、活性炭賦活炉30に搬入される炭化物の重量の1/3となるように設定することで、良質な活性炭を得ることができる。
なお、有機物としては、あらかじめ含水量が20%以下に調整された木材チップが適しているが、農業残渣物、食品残渣物などの有機物を原料として用いることができる。
例えば、熱分解反応筒21での温度を500℃、賦活反応筒31での温度を800℃に設定し、有機物として含水量20%以下の木材チップを400kg/h投入し、熱分解反応筒21での滞留時間を1h、賦活反応筒31での滞留時間を2hとすると、熱分解炉20では、80kg/hの発生ガス、200kg/hの液水、120kg/hの炭化物(チャー)が生成され、活性炭賦活炉30では40kg/hの活性炭が生成される。
活性炭賦活炉30で生成される活性炭の重量は、熱分解炉20に投入される有機物の重量に対して10〜16%を設定値とすることが好ましい。投入される有機物の重量に対して生成される活性炭の重量を10〜16%と設定することで、活性炭賦活炉30から排出される発生ガスの重量は、投入される有機物の重量に対して70%以上、活性炭賦活炉30から排出される液水の重量は、投入される有機物の重量に対して10〜20%となる。
第1分岐管51Aの第1下方配管51Aaからは、賦活反応筒31で生成された活性炭を排出することができる。
賦活加熱筒32と熱分解加熱筒22とは、第2の燃焼ガス用配管13で接続され、賦活加熱筒32にて放熱した燃焼ガスを熱分解加熱筒22に導いている。第2の燃焼ガス用配管13を設けることで、燃焼ガスを所定温度まで低下させる。従って、第2の燃焼ガス用配管13にフィンを設けて放熱効果を高めてもよい。
熱分解加熱筒22には、第3の燃焼ガス用配管14が接続され、熱分解加熱筒22にて放熱した燃焼ガスを排気する。
第3の燃焼ガス用配管14には、排気ブロワー15に至るまでの経路に、バグフィルタ16が接続されている。
第1の減温塔61の下部にはタール液を排出するタール排出管57、第2の減温塔62の下部には木酢液を排出する木酢排出管58、気液分離器63の下部には木酢液を含む水を排出する水排出管59が接続されている。タール排出管57には排タールポンプ72を、木酢排出管58には木酢液ポンプ73を設けている。
第2の減温塔62から排出される木酢液と気液分離器63から排出される水とは、冷却液供給管53から冷却液として用いられるとともに、活性炭賦活炉30に導入される水蒸気として用いられる。
活性炭賦活炉30に導入される木酢液および水は、第1分岐管51Aの第1下方配管51Aaに設けた熱交換器92で加熱された後に、賦活反応筒入口31aに設けた噴出口91から賦活反応筒31内に噴出する。
本実施例によれば、燃焼炉10で発生させた燃焼ガスを活性炭賦活炉30に導くことで炭化物から水素を発生させて活性炭を得ることができる。活性炭賦活炉30で放熱した後の燃焼ガスを熱分解炉20に利用し、活性炭賦活炉30及び熱分解炉20のいずれにも燃焼室を設けないことで装置の小型化を図れる。そして、活性炭賦活炉30で必要とする高温の燃焼ガスは燃焼炉10から導くことができ、活性炭賦活炉30では吸熱反応を起こすため所定温度低下した燃焼ガスを熱分解炉20で利用でき、熱分解炉20では発熱反応を起こし熱分解炉20での燃焼ガスの温度低下は少ないために熱分解を十分に行わせることができ、よって、熱効率の高いバイオマス燃料生成装置を提供することができる。
図2は本発明の他の実施例によるバイオマス燃料生成装置を示す構成図である。なお、図1に示す実施例と同一構成には同一符号を付して説明を省略する。
図2に示すように、本実施例によるバイオマス燃料生成装置は、熱分解炉20の熱分解反応筒出口21bに、発生ガスと炭化物を分離する第2分岐管51Bを設け、第2分岐管51Bで分離した炭化物を活性炭賦活炉30の賦活反応筒入口31aに導くものである。
第2分岐管51Bの第2下方配管51Baからは、熱分解反応筒21で生成された炭化物を排出し、第2分岐管51Bの第2上方配管51Bbは、第1の接続管52で第1の減温塔61に接続されている。
第2下方配管51Baから排出される炭化物は、搬送機51Bcによって賦活反応筒入口31aに導かれる。
熱分解炉20と活性炭賦活炉30とは、それぞれの中心軸をずらして配置している。
賦活温度検出手段130は活性炭賦活炉30内の温度を検出する。賦活温度検出手段130は、第1分岐管51A側から活性炭賦活炉30内に挿入され、賦活反応筒入口31aに位置する賦活反応筒入口温度検知部131、賦活反応筒31の中央部に位置する賦活反応筒温度検知部132、および賦活反応筒出口31bに位置する賦活反応筒出口温度検知部133を備えている。
また、本実施例のバイオマス燃料生成装置によれば、熱分解炉20と活性炭賦活炉30とをそれぞれの中心軸をずらして配置し、熱分解炉20内の温度を検出する熱分解温度検出手段120を、第2分岐管51B側から熱分解炉20内に挿入し、活性炭賦活炉30内の温度を検出する賦活温度検出手段130を、第1分岐管51A側から活性炭賦活炉30内に挿入したことで、熱分解炉20および活性炭賦活炉30内の温度を検出できる。
また、本実施例のバイオマス燃料生成装置で排出される活性炭、タール、および木酢液を混合することで、高い発熱量の燃料用オイルを得ることができる。
20 熱分解炉
21 熱分解反応筒
22 熱分解加熱筒
23 熱分解モータ
30 活性炭賦活炉
31 賦活反応筒
32 賦活加熱筒
33 賦活用モータ
40 ピストンコンベア
Claims (7)
- 高温の燃焼ガスを発生させる燃焼炉と、間接加熱により有機物を発生ガスと炭化物に分離する熱分解炉と、前記熱分解炉で分離した前記炭化物から主に水素ガスを発生させて活性炭を生成する活性炭賦活炉とを備え、
前記燃焼炉で発生させた前記燃焼ガスを前記活性炭賦活炉に導き、前記活性炭賦活炉に導いた前記燃焼ガスによって前記活性炭賦活炉内の前記炭化物を間接加熱し、前記炭化物に対して熱を与えた後の前記燃焼ガスを前記熱分解炉に導き、前記熱分解炉に導いた前記燃焼ガスによって前記有機物を間接加熱するバイオマス燃料生成装置であって、
前記熱分解炉及び前記活性炭賦活炉としてロータリーキルンを用い、
前記熱分解炉を、横型筒状に形成された熱分解反応筒と、前記熱分解反応筒を加熱する前記燃焼ガスを流通させる熱分解加熱筒と、前記熱分解反応筒を回転させる熱分解モータとから構成し、
前記活性炭賦活炉を、横型筒状に形成された賦活反応筒と、前記賦活反応筒を加熱する前記燃焼ガスを流通させる賦活加熱筒と、前記賦活反応筒を回転させる賦活用モータとから構成し、
前記活性炭賦活炉の賦活反応筒出口に、前記発生ガスと前記炭化物を分離する第1分岐管を設け、
前記熱分解炉の熱分解反応筒出口に、前記発生ガスと前記炭化物を分離する第2分岐管を設け、
前記熱分解モータを前記熱分解炉の熱分解反応筒入口側に設け、
前記賦活用モータを前記活性炭賦活炉の賦活反応筒入口側に設け、
前記熱分解炉と前記活性炭賦活炉とをそれぞれの中心軸をずらして配置し、
前記熱分解炉内の温度を検出する熱分解温度検出手段を、前記第2分岐管側から前記熱分解炉内に挿入し、前記活性炭賦活炉内の温度を検出する賦活温度検出手段を、前記第1分岐管側から前記活性炭賦活炉内に挿入した
ことを特徴とするバイオマス燃料生成装置。 - 前記燃焼炉における前記燃焼ガスの温度を900℃以上とし、前記活性炭賦活炉に導入する前記燃焼ガスの温度を800℃以上とし、前記熱分解炉に導入する前記燃焼ガスの温度を400℃以上としたことを特徴とする請求項1に記載のバイオマス燃料生成装置。
- 前記熱分解反応筒入口にピストンコンベアを併設したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のバイオマス燃料生成装置。
- 前記熱分解反応筒の内容積を、前記賦活反応筒の内容積よりも大きくしたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のバイオマス燃料生成装置。
- 前記熱分解モータの回転数を、前記熱分解炉で発生する前記発生ガスの重量が、前記熱分解炉で生成される前記炭化物の重量よりも少なくなるように設定することを特徴とする請求項4に記載のバイオマス燃料生成装置。
- 前記賦活用モータの回転数を、前記活性炭賦活炉で生成される前記活性炭の重量が、前記活性炭賦活炉に搬入される前記炭化物の前記重量の1/3となるように設定することを特徴とする請求項5に記載のバイオマス燃料生成装置。
- 前記第2分岐管で分離した前記炭化物を前記賦活反応筒入口に導くことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のバイオマス燃料生成装置。
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