以下、本発明に係る撮像装置の各実施形態について、図面を参照して説明する。各実施形態の撮像装置として、監視カメラを例示して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の監視カメラ11の一部分を透視した要部斜視図である。図2(A)は、図1に示した監視カメラ11の分解斜視図である。図2(B)は、図2(A)に示した伝送モジュール13の分解斜視図である。
本実施形態の監視カメラ11は、ベース部15と、回転部17と、伝送モジュール13と、を含む構成である。回転部17は、ベース部15に対して可動(例えば回転)する。
ベース部15は、無線で電力を送信する送電部(例えば後述する送電コイル55)を有する。ベース部15は、例えば板金材よりなるベースブラケット19を有する。ベースブラケット19は、被固定体となる建物の天井、又は監視カメラ11用の支持ポール等に固定される。ベースブラケット19には、ベース側基板21及び固定軸23が固定される。また、ベースブラケット19には、伝送モジュール13におけるベース側固定部品(例えば、後述する送電コイル55及び光受信器61)が固定される。
可動部の一例としての回転部17は、送電部からの電力を無線で受信する受電部(例えば後述する受電コイル53)と、受電部で受信した電力を基に動作する撮像部と、撮像部が取得した画像情報(例えば画像データ)を無線で送信する第1の通信部とを有する。回転部17は、ベース部15の固定軸23に回転自在に支持される。回転部17は、カメラブラケット25を備える。カメラブラケット25には、撮像部の一例としてのカメラ27、回転部側基板29、モータ31が固定される。また、カメラブラケット25には、伝送モジュール13における回転部側固定部品(例えば、後述する受電コイル53及び光送信器59)が固定される。回転部17は、カメラブラケット25が、固定軸23に回転自在に支持される。つまり、固定軸23に対し、カメラブラケット25が回転することで、カメラ27が旋回する。また、回転部17の受電部で受信した電力がケーブル(不図示)を介してカメラ27に供給され、カメラ27は、受電部と連動してベース部15に対して可動(例えば回転)する。これにより、回転部17の受電部で受信された電力がケーブルを介してカメラ27に供給されるので、カメラ27は、例えば外部電源を必要とせずに、非接触で送電された電力を動力源として動作することができる。
なお、カメラ27には、旋回用、即ち、パン方向(水平方向)に回転するために用いられるモータ31の他に、カメラアーム33のアーム支軸35を中心にカメラ27をチルト方向(鉛直方向)に回転させるチルト回転用のモータ(図示略)が設けられる。また、カメラ27には、レンズを移動させるためのズーム用のモータ(図示略)も設けられている。カメラ27は、これら複数のモータによって、旋回、チルト、ズームの動作(PTZ(:Pan Tilt Zoom)動作)が可能となっている。
監視カメラ11は、ベース部15と回転部17とに亘って、伝送部の一例としての伝送モジュール13が設けられる。伝送モジュール13の一方はベース部15に接続され、伝送モジュール13の他方は回転部17に接続される。即ち、伝送モジュール13の少なくとも光受信器61(後述するベース側ミリ波送受信器103、ベース側スロットアンテナ121も含む)はベース部15に含まれ、伝送モジュール13の少なくとも光送信器59(後述する回転側ミリ波送受信器101、回転側スロットアンテナ119も含む)は回転部17に含まれる。伝送モジュール13は、回転部17の回転軸と同一である伝送軸(後述参照)を用いて、カメラ27で送受されるデータの信号及びカメラ27へ給電される電力を非接触で伝送する。言い換えると、伝送モジュール13は、回転部17の回転軸を通る軸線37の両端間と、軸線37を中心とする一対の同心円間との少なくとも一方を、伝送路として信号及び電力を非接触で伝送する。
本実施形態の監視カメラ11は、ベース部15に回転中心を含む中空部39の形成された固定軸23が固定される。中空部39には、伝送モジュール13が挿入される。カメラブラケット25は、固定軸23に形成された周溝41に、係合片43を係合させることで、固定軸23の軸線37に沿う方向の移動が規制され、更に、固定軸23に対して回転自在となって支持される。固定軸23の外周には、ウォームホイール45が同軸に固定される。モータ31の駆動軸には、ウォームホイール45に噛合するウォームギヤ47が固定されている。従って、モータ31が作動し、駆動軸のウォームギヤ47が回転すると、ウォームギヤ47は、ウォームギヤ47自身が回転しながらウォームホイール45の外周を回転しながら回る。これにより、回転部17(即ち、カメラ27)は、ベース部15に対して固定軸23を中心に旋回する。
監視カメラ11では、伝送モジュール13は、軸線が伝送軸(後述参照)を通り、ベース部15に電気的に接続される送電コイル55と回転部17に電気的に接続される受電コイル53との間を伝送路とする電力伝送部49と、回転部17に電気的に接続される第1の通信部(例えば光送信器59)と、ベース部15に電気的に接続される第2の通信部(例えば光受信器61)とを有する。言い換えると、伝送モジュール13は、軸線37を中心軸とした仮想円筒(後述参照)の内周面と外周面との間を伝送路とする電力伝送部49と、軸線37を中心軸とした仮想円柱(後述参照)の両端面の間を伝送路とする信号伝送部51と、を備える。第2の通信部(例えば光受信器61)は、第1の通信部(例えば光送信器59)から無線で送信された画像情報(例えば画像データ)を無線で受信する。なお、第1の通信部(例えば光送信器59)及び第2の通信部(例えば光受信器61)の少なくとも一方は回転部17の回転軸上に配置されても良いし、第1の通信部(例えば光送信器59)及び第2の通信部(例えば光受信器61)の両方が回転部17の回転軸上に配置されても良い。
図10(A)は、電力伝送用仮想円筒62及び信号伝送用仮想円柱64の説明図である。図10(A)では、電力伝送用仮想円筒62及び信号伝送用仮想円柱64の説明を分かり易くするために、実際に存在する部位については点線で示し、仮想的に存在する部位については実線で説明している。
本実施形態において、固定軸23の中空部39に挿通された伝送モジュール13では、軸線37を中心軸(伝送軸)とした電力伝送用仮想円筒62の内周面と外周面との間が電力伝送部49の伝送路となる。この伝送路により電力が非接触によって送受される。より具体的には、電力伝送用仮想円筒62の内周面は、受電コイル53の外周面となる。電力伝送用仮想円筒62の外周面は、送電コイル55の内周面となる。つまり、電力伝送用仮想円筒62とは、受電コイル53の外周面と、送電コイル55の内周面との間の空間となる。送電コイル55と受電コイル53とは、この空間(電力伝送用仮想円筒62の内周面と外周面)を介して非接触で電力の送受を行う。送電コイル55は、ベースブラケット19に固定される。送電コイル55は、送電コイルカバー57によって外周が覆われる。受電コイル53は、カメラブラケット25に固定される。
一方、監視カメラ11は、伝送モジュール13における信号伝送部51が、信号伝送用仮想円柱64の一端面に配置され回転部17に固定される光送信器59と、信号伝送用仮想円柱の他端面に配置されベース部15に固定される光受信器61と、を備える。信号伝送部51は、軸線37を中心軸とした信号伝送用仮想円柱64の両端面の間を伝送路としている。より具体的に、信号伝送用仮想円柱64とは、受電コイル53の芯を貫く中空部63となる。伝送モジュール13は、この中空部63を光信号や高周波信号(例えばマイクロ波、ミリ波)の伝送路としている。本実施形態では、この受電コイル53の中空部63が、信号伝送部51における光送信器59と光受信器61の伝送路となる。
図3は、第1の実施形態の監視カメラ11の内部構成を示すブロック図である。
監視カメラ11は、例えば監視ルーム65のコンピュータ67とネットワークを介して接続される。監視カメラ11のベース部15には、送電コイル55と、インバータ69と、周波数変調回路71と、光受信器61と、光信号復調回路73と、画像信号処理回路75とが設けられる。監視カメラ11の回転部17には、受電コイル53と、信号分離器77と、整流回路79と、復調回路81と、カメラ制御回路83と、カメラ27と、光変調器85と、光送信器59とが設けられる。
周波数変調回路71は、コンピュータ67からのカメラ制御信号87を入力し、カメラ制御信号87に対して所定の周波数変調方式(例えばFSK:Frequency Shift Keying)を用いた周波数変調を行い、変調信号をインバータ69に出力する。なお、周波数変調回路71における変調方式は、周波数変調(FSK)に限定されず、他には例えばASK(Amplitude Shift Keying)でも良い。
重畳部の一例としてのインバータ69は、直流電源(不図示)からの直流電力又は商用電源(不図示)から直流に変換された直流電力が供給され、周波数変調回路71から出力された変調信号(即ち、カメラ制御信号87の周波数変調信号)を、直流電力の波形に重畳する。インバータ69は、直流電力とカメラ制御信号87の周波数変調信号とが重畳された波形の信号を交流電力の波形の信号に変換して送電コイル55へ送る。
送電コイル55は、ベース側基板21の電力伝送回路(図示略)に接続される。送電コイル55は、軸線37の周囲に導体が巻回されて構成される。本実施形態では、送電コイル55の中心軸は軸線37と一致するが、必ずしも一致しなくても良い。また、送電コイル55は、受電コイル53を包含する。つまり、送電コイル55の径は受電コイル53の径よりも大きい。伝送モジュール13において、送電コイル55は、受電コイル53を介して回転部17に非接触で電力を供給する。
第2の通信部の一例としての光受信器61は、ベース側基板21の光信号復調回路73と接続され、撮像データ89が変換された、光送信器59からの光通信信号(撮像信号91)を受信(受光)して光信号復調回路73に出力する。
光信号復調回路73は、ベース側基板21の画像信号処理回路75と接続され、光受信器61から送られた光通信信号を撮像データ89に復調して画像信号処理回路75に出力する。
画像信号処理回路75は、ネットワーク(不図示)と接続され、光信号復調回路73により復調された撮像データ89に対して所定の画像処理を行うことにより、モニター画面93に表示される画像データを生成する。
受電コイル53は、回転部側基板29の信号分離器77と接続され、ベース部15に設けられた送電コイル55との間の電磁誘導によって送電された電力(交流電力)を受電する。受電された交流電力の波形の信号は信号分離器77に入力される。受電コイル53は、軸線37の周囲に導体が巻回されて構成される。本実施形態では、受電コイル53の中心軸は軸線37と一致するが、必ずしも一致しなくても良い。また、受電コイル53は、送電コイル55に包含され、送電コイル55の中空部に位置する。つまり、受電コイル53の径は送電コイル55の径よりも小さい。
信号分離器77は、復調回路81及び整流回路79に接続され、交流電力の波形の信号を、電力の波形の信号とカメラ制御信号87(即ち、周波数変調回路71により生成された周波数変調信号)とに分離する。信号分離器77は、電力の波形の信号を整流回路79に出力し、カメラ制御信号87を復調回路81に出力する。
整流回路79は、AC−DC変換器(図示略)を有し、信号分離器77から出力された電力の波形の信号(交流信号)を直流信号に整流し、直流電力の波形の信号を、整流回路79に接続される直流電源(例えば蓄電池等のバッテリ、不図示)に供給する。
復調回路81は、カメラ制御回路83と接続され、信号分離器77から出力されたカメラ制御信号87を復調してカメラ制御回路83に出力する。
カメラ制御回路83は、カメラ27と接続され、復調回路81により復調されたカメラ制御信号87を基に、カメラ27に対し、カメラ制御信号87に含まれる命令に応じた動作を実行させる。カメラ制御信号87に含まれる命令には、例えば、右方向に回転させるための命令、ホワイトバランスを補正させるための命令、ズーム処理(ズームイン、ズームアウト)を行わせるための命令等が含まれるが、これらの命令に限定されない。
撮像部の一例としてのカメラ27は、光学素子(不図示)から受光した撮像光を撮像素子(例えば、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor))によって撮像光に対応した電気信号を生成してカメラ制御回路83に出力する。カメラ制御回路83は、カメラ27から出力された電気信号に所定の信号処理を施すことによって、画像データとしての撮像データ89を生成する。カメラ制御回路83から出力された撮像データ89は、光変調器85に入力される。
光変調器85は、光送信器59と接続され、カメラ制御回路83から送られた撮像データ89を、光通信用の撮像信号91に光変調した後、光送信器59へ送る。
第1の通信部の一例としての光送信器59は、光受信器61と物理的に対向するように配置される。光送信器59は、光変調器85から送られた撮像信号91を光受信器61へ出射する。言い換えると、光送信器59は、送電コイル55又は受電コイル53を構成するために巻回された導線の中空を伝送路として、光受信器61に撮像信号91を送信する。
次に、上述した本実施形態の監視カメラ11の動作について、図4を参照して説明する。図4は、第1の実施形態の監視カメラ11の動作を説明するフローチャートである。図4の説明では、必要に応じて、図3を参照する。
図4において、監視カメラ11では、先ず、図3に示す監視ルーム65のコンピュータ67を使用する監視者のマウス等のポインティングデバイスの操作により、PTZ動作を指示するための命令を含むカメラ制御信号87が生成される。カメラ制御信号87は、ネットワークを介して、周波数変調回路71に送られる(S1)。
周波数変調回路71は、カメラ制御信号87を周波数変調し、周波数変調信号をインバータ69に出力する。インバータ69は、周波数変調回路71から出力された変調信号(即ち、カメラ制御信号87の周波数変調信号)を、直流電力の波形に重畳する(S2)。
ステップS2の後、送電コイル55と受電コイル53とを介して、ベース部15から回転部17に、カメラ制御信号87が交流電力の波形に重畳された信号が伝送される(S3)。
信号分離器77は、交流電力の波形の信号を、電力の波形の信号とカメラ制御信号87(即ち、周波数変調回路71により生成された周波数変調信号)とに分離する。信号分離器77は、電力の波形の信号を整流回路79に出力し、カメラ制御信号87を復調回路81に出力する。
復調回路81は、信号分離器77により分離されたカメラ制御信号87を復調する(S4)。復調回路81により復調されたカメラ制御信号87は、回転部側基板29へと送られる。回転部側基板29上に実装されたカメラ制御回路83は、例えばCPU(Central Processing Unit)を有し、カメラ制御信号87を復調回路81から取得する。カメラ制御回路83は、カメラ27に対し、カメラ制御信号87に含まれる命令に従い、所定の動作(例えばパン方向の回転、チルト方向の回転、ズーム)を行う(S5)。また、カメラ27は、例えばカメラ制御信号87にホワイトバランス又はガンマ補正等の命令が含まれる場合には、撮像データ89に対する所定の画像処理(例えばホワイトバランス補正、γ補正)を行う。
カメラ27が画像を撮像した後、撮像データ89は、回転部側基板29のカメラ制御回路83に送出される(S6)。カメラ制御回路83は、撮像データ89を光変調器85に出力する。光変調器85は、撮像データ89を所定の光通信用の光通信信号に変換する(S7)。
光通信信号に変換された撮像データ89は、伝送モジュール13の信号伝送部51である光送信器59と光受信器61を介して、ベース部15の光信号復調回路73へ伝送される(S8)。光信号復調回路73は、撮像データ89を復調し、画像信号処理回路75に送出する。
画像信号処理回路75へ送出された撮像データ89は、所定の画像処理が施された後、ネットワークを介して監視ルーム65のコンピュータ67に送信され、モニター画面93に表示される(S9)。
以上により、本実施形態の監視カメラ11では、ベース部15に、回転部17が回転自在に支持される。回転部17には、撮像データ89を出力するカメラ27が搭載されている。ベース部15と回転部17とには、双方に亘って伝送モジュール13が設けられる。伝送モジュール13は、回転部17の回転中心を通る軸線37を中心として相対回転自在となったベース部15側と回転部17側とに分離されている。
伝送モジュール13は、軸線37の両端間と、軸線37を中心とする一対の同心円間と、の少なくとも一方を伝送路として信号及び電力を伝送する。つまり、伝送モジュール13は、ベース部15と回転部17との間で、信号及び電力を非接触で伝送可能とする。これにより、従来のスリップリングのように、耐摩耗性を有し、円滑な電気接触面を備えた複数の回転端子を、回転軸に沿って高精度に固定する必要がない。また、機械式の接点を多数含む複雑な構造が不要となって、動作(旋回)回数に制限がなくなる。
また、監視カメラ11によれば、電力伝送部49は、軸線37を中心軸とした電力伝送用仮想円筒62の内周面と外周面との間を伝送路とする。より具体的に、電力伝送用仮想円筒62の内周面は、受電コイル53の外周面とすることができる。電力伝送用仮想円筒62の外周面は、送電コイル55の内周面とすることができる。つまり、電力伝送用仮想円筒62とは、受電コイル53の外周面と、送電コイル55の内周面との間の空間となる。
一方、信号伝送部51は、軸線37を中心軸とした信号伝送用仮想円柱64の両端面の間を伝送路とする。より具体的に、信号伝送用仮想円柱64とは、受電コイル53の芯を貫く中空部39となる。伝送モジュール13は、この中空部39を光や高周波(例えばミリ波)の伝送路としている。このように構成される伝送モジュール13は、構造が単純であるため、信頼性が高く、安価に製造できる。また、伝送モジュール13では、第1の通信部(例えば光送信器59)と第2の通信部(例えば光受信器61)との間の信号の送受信は軸線37を介して行われるので、回転部17がベース部15に対して回転した場合でも、第1の通信部と第2の通信部との相対的な位置関係(例えば距離)は実質的に維持され、良好な通信が維持できる。
監視カメラ11によれば、回転部17に、伝送モジュール13における一端面の光送信器59が固定される。また、ベース部15に、伝送モジュール13における他端面の光受信器61が固定される。カメラ27からの大容量の映像信号(撮像データ89)は、回転部側基板29、光送信器59、光受信器61の経路で、無線によってベース側基板21へ送られる。つまり、光送信器59と光受信器61との間の伝送路には、送電コイル55及び受電コイル53の中空部39が設けられ、即ち、中空であるために光送信器59と光受信器61との間の光通信を干渉する部位が存在せず、カメラ27からベース部15への信号伝送(ダウンリンク)に、高速な光通信が使用されている。
ベース部15からカメラ27への信号伝送(アップリンク)は、ACK(Acknowledgment)や動作設定指示の他、カメラ27のPTZ動作指示程度とデータ容量は小さい。伝送モジュール13では、アップリンクとダウンリンクとの間で送受されるデータの容量が非対称であるために異なる伝送手段が用いられるため、互いの通信において干渉が発生しない。また、伝送モジュール13は、アップリンク、ダウンリンク共に機器外への電波の漏洩や、機器外からの電波などによる影響がない。
また、監視カメラ11によれば、ベース部15に、固定軸23が固定される。固定軸23には、回転部17に設けられたカメラブラケット25が、回転自在に支持される。カメラブラケット25は、固定軸23に対し、軸線37に沿う方向の移動が規制される。従って、回転部17は、ベース部15に対し、鉛直方向の下側に配置されても固定軸23から離脱することなく、回転自在に支持される。なお、軸方向の移動を規制しながら回転自在に支持する機構には、例えばスラスト軸受けが使用されてもよい。
固定軸23の外周にはウォームホイール45が同軸で固定される。カメラブラケット25には、旋回用のモータ31が固定される。このモータ31の駆動軸にはウォームギヤ47が固定され、ウォームギヤ47はウォームホイール45に噛合する。モータ31が作動して駆動軸に固定されたウォームギヤ47が回転すると、ウォームギヤ47は、回転しながらウォームホイール45の外周に沿って回る。その結果、モータ31と一体に固定されたカメラブラケット25は、固定軸23を中心とした旋回が可能となる。
固定軸23には、中空部39が形成されている。中空部39は、回転部17の回転中心を通る軸線37を含んでいる。中空部39には、伝送モジュール13が挿入される。伝送モジュール13は、中空部39に挿入されることによって、ベース部15と回転部17とに亘って設けられる。伝送モジュール13は、回転部17の回転中心を通る軸線37を中心として相対回転自在となったベース部側と回転部側とに分離されている。これにより、伝送モジュール13は、上記した軸線37の両端間や、軸線37を中心とする一対の同心円間で、非接触により信号及び電力の伝送が可能となっている。
従って、本実施形態の監視カメラ11は、現行コストを低減し、信号や電力の送受信頼性を向上させることができ、しかも、機械式接点に起因する動作回数の制限を解消できる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る監視カメラ95について説明する。
図5(A)は、第2の実施形態の監視カメラ95の分解斜視図である。図5(B)は、図5(A)に示した伝送モジュール97の分解斜視図である。なお、以下の各実施形態において、図1〜図3に示した部材・部位と同一の部材・部位には同一の符号を付し重複する説明は省略する。
第2の実施形態の監視カメラ95は、伝送モジュール97の信号伝送部99が、回転部17に固定され信号伝送用仮想円柱64(図10(A)参照)の一端面に配置される可動側高周波送受信部の一例としての回転側ミリ波送受信器101と、ベース部15に固定され信号伝送用仮想円柱64の他端面に配置されるベース側高周波送受信部の一例としてのベース側ミリ波送受信器103と、を備える。第2の実施形態では、ベース側ミリ波送受信器103は、回転側ミリ波送受信器101に対して、高周波(例えばマイクロ波又はミリ波)を用いてカメラ制御信号87を送信する。但し、第1の実施形態と同様に、カメラ制御信号87は、ベース部15から回転部17へ伝送される電力に重畳されても良い。
第2の実施形態の監視カメラ95によれば、回転部17とベース部15の間の信号伝送部99が、伝送帯域の広い一組のミリ波通信モジュール(具体的には、回転側ミリ波送受信器101及びベース側ミリ波送受信器103)間で無線接続される。回転側ミリ波送受信器101及びベース側ミリ波送受信器103は、仮想円柱の両端面(一端面及び他端面)に物理的に対向して配置される。これにより、信号伝送部51では、回転部17の回転によっても位置関係が変化せず、安定した信号伝送が可能となる。
(第2の実施形態の変形例)
次に、第2の実施形態の変形例に係る監視カメラ105について説明する。
図6(A)は、第2の実施形態の変形例の監視カメラ105の分解斜視図である。図6(B)は、図6(A)に示した伝送モジュール107の分解斜視図である。本変形例の監視カメラ105は、伝送モジュール107の信号伝送部109において、信号伝送用仮想円柱64の両端面の間に、導波管111が設けられる。より具体的には、導波管111は、回転側ミリ波送受信器101と受電コイル53との間に接続するように設けられる。
監視カメラ105によれば、回転側ミリ波送受信器101とベース側ミリ波送受信器103との間のミリ波が導波管111を伝播する。導波管111は、例えば金属製の中空導波管が用いられる。導波管111は、マイクロ波帯の電磁波(マイクロ波)又はミリ波帯の電磁波(ミリ波)を中空部分で伝送する。電磁波は、中空部分において、その形状や寸法、波長(周波数)に応じた電磁界を形成しながら伝播する。導波管111を備えた信号伝送部109は、導波管111内の信号の伝送路である導波路の形状が安定するので、インピーダンスが安定する。
監視カメラ105において、信号伝送のためのミリ波は、導波管内に閉じ込められるため、伝送効率が高く、少ない電力で効率的に信号伝送が可能となる。また、導波管111は、外来電波を遮断するため、外部機器への不要輻射が抑えられるとともに、外来妨害電波からの悪影響も低減される。従って、監視カメラ105によれば、さらに安定した信号伝送が可能となる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態の監視カメラ113について説明する。
図7は第3の実施形態の監視カメラ113の分解斜視図である。第3の実施形態の監視カメラ113は、伝送モジュール115において、軸線37を中心軸とした電力伝送用仮想円筒62の内周面と外周面との間を伝送路とする電力伝送部49と、軸線37を中心軸とした信号伝送用仮想円筒116の環状両端面の間を伝送路とする信号伝送部117と、を備える。
図10(B)は、電力伝送用仮想円筒62及び信号伝送用仮想円筒116の説明図である。図10(B)では、電力伝送用仮想円筒62及び信号伝送用仮想円筒116の説明を分かり易くするために、実際に存在する部位については点線で示し、仮想的に存在する部位については実線で説明している。
監視カメラ113は、信号伝送部117が、回転軸を通る信号伝送用仮想円筒116の環状一端面に配置され回転部17に固定される可動側環状アンテナ部の一例としての回転側スロットアンテナ119と、回転軸を通る信号伝送用仮想円筒116の環状他端面に配置されベース部15に固定されるベース側環状アンテナ部の一例としてのベース側スロットアンテナ121と、を備える。
監視カメラ113によれば、電力伝送部49は、軸線37を中心軸とした電力伝送用仮想円筒62の内周面と外周面との間を伝送路とする。一方、信号伝送部117は、軸線37を中心軸とした電力伝送用仮想円筒62の環状両端面の間を伝送路とする。なお、電力伝送部49の電力伝送用仮想円筒62と、信号伝送部117の信号伝送用仮想円筒116とは、同一であっても、異なるものであってもよい。ここで、信号伝送用仮想円筒116は、内周面と外周面とが所定の距離だけ離間したものとなる。つまり、信号伝送用仮想円筒116の軸線37に沿う方向の両端側の端面は、それぞれが環状端面(環状一端面及び環状他端面)となる。
信号伝送部117は、軸線37を中心としたこれら一対の環状一端面と環状他端面との間が、伝送路となる。従って、この伝送モジュール13においては、軸線37を包含する信号伝送用仮想円柱64(図10(A)参照)は、信号伝送用の伝送路として使用されない。その結果、固定軸23は、設計自由度を高めることができる。なお、この場合においても、固定軸23の中空部39は、受電コイル53の挿通のために必要となる。
また、監視カメラ113によれば、回転部17とベース部15との間の信号伝送が、伝送帯域の広い一組の回転側スロットアンテナ119とベース側スロットアンテナ121とで無線接続される。回転側スロットアンテナ119及びベース側スロットアンテナ121は、回転軸を通る軸線37を中心に、軸線37に沿う方向に離間して配置される。この信号伝送部117は、ミリ波モジュール間が近接配置された一組のスロットアンテナで接続されるため、信号伝送が安定する。また、スロットアンテナは、鋭い指向性を持つので、実質的に輻射と受信範囲を一組のスロットアンテナの近傍に制限することができる。これにより、外部機器への不要輻射と外来妨害電波からの悪影響を低減できる。その結果、さらに安定した信号伝送が可能となる。
上述した各実施形態の監視カメラ11,95,105,113は、ベース部15から回転部17へ伝送する電力に、カメラ27に対してのカメラ制御信号87が重畳される。監視カメラ11,95,105,113において、ベース部15から各伝送モジュールを介して回転部17へ送られるカメラ制御信号87は、ベース部15に設けられたベース側基板21の周波数変調回路71で周波数変調され、ワイヤレス電力伝送の電力に重畳されて回転部17に設けられた回転部側基板29の受電コイル53へ非接触で送られる。
カメラ27の撮像データ89は、膨大であるが、ベース部15からカメラ27への信号伝送はACKや動作設定のほか、カメラ27のPTZ動作指示程度と少量である。そこで、上記の伝送モジュール13,97,107,115のアップリンクには、ワイヤレス給電の周波数を変動させる周波数変調(FSK)が用いられる。一方でダウンリンクには、回転部17の回転中心に配置した高速な光データ伝送(数)が用いられる。これにより、スリップリングを用いた従来の双方向無線通信に比較して高速な信号伝送が可能となっている。
図8(A)は、無指向性のベース側ミリ波送受信器103と回転側ミリ波送受信器101を配置した放射パターンの説明図である。図8(B)は、指向性のベース側ミリ波送受信器103と回転側ミリ波送受信器101を配置した放射パターンの説明図である。図8(C)は、無指向性のベース側ミリ波送受信器103と指向性の回転側ミリ波送受信器101を配置した放射パターンの説明図である。
回転側ミリ波送受信器101やベース側ミリ波送受信器103は、アンテナの設計によって、電波の放射パターンを、無指向性や指向性に設定することができる。図8(A)に示す無指向性の放射パターンは、アンテナ配置の許容範囲を大きく取ることができるが、エネルギー効率が低い。一方、図8(B)に示す指向性の放射パターンは、アンテナ配置の許容範囲が狭いが、エネルギー効率が高い。そこで、監視カメラ95は、図8(C)に示すように、回転側ミリ波送受信器101は放射パターンを指向性とし、ベース側ミリ波送受信器103は放射パターンを無指向性としている。これにより、監視カメラ95は、アンテナ配置の許容範囲を大きく取りながら、回転側ミリ波送受信器101及びベース側ミリ波送受信器103のうち一方のアンテナにおける電波の放射パターンとして有指向性を用いるので、エネルギー効率の低下抑制が可能となっている。
従って、上述した第2の実施形態の監視カメラ95では、回転側ミリ波送受信器101が指向性を有し、ベース側ミリ波送受信器103か無指向性を有するものであることが好ましい。
図9(A)は、指向性の回転側ミリ波送受信器101が回転中心からずらされた変形例を表す説明図である。図9(B)は、図9(A)の動作説明図である。
なお、回転中心を通る軸線上にベース側ミリ波送受信器103が配置されている場合において、回転側ミリ波送受信器101は、図9(A)に示すように、回転中心を通る軸線37からずらして配置することもできる。この場合、ベース側ミリ波送受信器103は、無指向性を有し、回転側ミリ波送受信器101は、指向性を有するものが用いられる。特定方向に電波強度の指向性を有する例えば回転側ミリ波送受信器101を、軸線37からずらして配置することで、図9(B)に示すように、回転側ミリ波送受信器101とベース側ミリ波送受信器103とが相対回転しても、安定した通信が可能となる。即ち、回転側ミリ波送受信器101は、内側(軸線37)に傾けて配置され、内側(軸線37)に指向性を有する。このため、回転側ミリ波送受信器101が回転しても、軸線37上に位置するベース側ミリ波送受信器103に指向性を向けることができる。これにより、回転側ミリ波送受信器101は、ベース側ミリ波送受信器103に対して回転しても、安定した通信を継続することができる。但し、回転側ミリ波送受信器101を傾けて配置することは必須ではない。
このような配置構成とすれば、軸線上以外に回転側ミリ波送受信器101を配置できるので、固定軸23や固定軸周辺構造の設計の自由度を高めることができる。
最後に、本発明に係る撮像装置の構成、作用及び効果を説明する。
本発明の一実施形態は、無線で電力を送信する送電部を有するベース部と、前記送電部からの電力を無線で受信する受電部と、前記受電部で受信した電力を基に動作する撮像部と、前記撮像部が取得した画像情報を無線で送信する第1の通信部と、を有する可動部と、を備え、前記可動部は、前記ベース部に対して可動する、撮像装置である。
この撮像装置によれば、ベース部と可動部との間で、無線を用いて、信号及び電力を非接触で伝送可能とする。また、撮像装置は、ベース部から送電された電力を可動部において受電し、受電された電力を基に撮像部を動作させる。これにより、従来のスリップリングのように、耐摩耗性を有し、円滑な電気接触面を備えた複数の回転端子を、回転軸に沿って高精度に固定する必要がない。また、機械式の接点を多数含む複雑な構造が不要となって、動作(旋回)回数に制限がなくなる。
また、本発明の一実施形態は、前記撮像部は、前記受電部で受信した電力がケーブルを介して供給され、前記受電部と連動して前記ベース部に対して可動する、撮像装置である。
この撮像装置によれば、受電部で受信された電力がケーブルを介して撮像部に供給されるので、撮像部は、外部電源を必要とせずに、非接触で送電された電力を動力源として動作することができる。
また、本発明の一実施形態は、前記ベース部は、前記第1の通信部からの前記画像情報を無線で受信する第2の通信部、を更に備え、前記可動部が可動した場合も、前記第1の通信部と前記第2の通信部との相対的な位置関係は実質的に維持される、撮像装置である。
この撮像装置によれば、ベース部が第1の通信部から送信された画像情報(例えば撮像データ89)を無線で受信する第2の通信部が設けられ、可動部がベース部に対して可動(例えば回転)した場合でも、第1の通信部と第2の通信部との相対的な位置関係は、実質的に維持可能となる。
また、本発明の一実施形態は、前記ベース部は、前記第1の通信部からの前記画像情報を無線で受信する第2の通信部、を更に備え、前記可動部が可動した場合も、前記第1の通信部と前記第2の通信部との距離は実質的に維持される、撮像装置である。
この撮像装置によれば、ベース部が第1の通信部から送信された画像情報(例えば撮像データ89)を無線で受信する第2の通信部が設けられ、可動部がベース部に対して可動(例えば回転)した場合でも、第1の通信部と第2の通信部との相対的な距離は、実質的に維持可能となる。
また、本発明の一実施形態は、前記可動部は、前記ベース部に対して回転軸を軸として回転し、前記第1の通信部及び第2の通信部の少なくとも一方は、前記回転軸上に配置される、撮像装置である。
この撮像装置によれば、可動部は、ベース部に対して回転軸を軸として回転し、第1の通信部及び第2の通信部の少なくとも一方は回転軸上に配置されるので、他方が回転軸上に配置されていない場合でも通信における指向性が回転軸上に向いていれば安定した通信が継続可能となる。
また、本発明の一実施形態は、前記第1の通信部及び前記第2の通信部は、前記回転軸上に配置される、撮像装置である。
この撮像装置によれば、第1の通信部及び第2の通信部はともに回転軸上に配置されるので、通信における指向性が互いに向き合うことで安定した通信を継続することができる。
また、本発明の一実施形態は、前記送電部は、前記回転軸の周りに導線が巻回された送電コイルであり、前記受電部は、前記回転軸の周りに導線が巻回された受電コイルであり、前記第1の通信部は、巻回された導線の中空を伝送路として前記第2の通信部に前記画像情報を送信する、撮像装置である。
この撮像装置によれば、送電部及び受電部は、可動部のベース部に対する回転軸の周りに導線がそれぞれ巻回された送電コイル及び受電コイルにより構成されるので、第1の通信部は、巻回された導線の中空部を信号の伝送路として第2の通信部に対して画像情報を高速に送信することができる。
また、本発明の一実施形態は、前記ベース部は、前記撮像部を制御する制御情報を前記送電部が送信する電力に重畳する重畳部を更に備える、撮像装置である。
この撮像装置によれば、ベース部には、撮像部を制御するための制御情報(例えばカメラ制御信号87)を電力に重畳する重畳部が設けられるので、双方向に通信を行うことが難しい場合でも、送電時において電力に信号を重畳することで、実質的に双方向の通信を行うことができる。
また、本発明の一実施形態は、前記第2の通信部は、前記撮像部を制御する制御情報を前記第1の通信部に無線で送信する、撮像装置である。
この撮像装置によれば、第2の通信部は、撮像部を制御するための制御情報(例えばカメラ制御信号87)を第1の通信部に対して無線で送信するので、第1の通信部と第2の通信部との間で双方向に通信を行わせることができる。
また、本発明の一実施形態は、前記第1の通信部は、前記撮像部により撮像された画像を含むデータを光通信によって送信する光送信部、を有し、前記第2の通信部は、前記光送信部より前記光通信によって送信された前記画像を含むデータを受信する光受信部、を有する、撮像装置である。
この撮像装置によれば、可動部に、第1の通信部(例えば光送信器59)が固定される。また、ベース部に、第2の通信部(例えば光受信器61)が固定される。第1の通信路と第2の通信路との間の伝送路には、送電部及び受電部の中空部が設けられ、即ち、中空であるために第1の通信部と第2の通信部との間の光通信を干渉する部位が存在せず、撮像部からベース部への信号伝送(ダウンリンク)に、高速な光通信が使用可能となる。
また、本発明の一実施形態は、前記第1の通信部は、前記撮像部により撮像された画像を含むデータを、高周波を用いて送信する可動側高周波送受信部、を有し、前記第2の通信部は、前記可動側高周波送受信部により送信された前記画像を含むデータを受信するベース側高周波送受信部、を有する、撮像装置である。
この撮像装置によれば、回転部とベース部との間の信号伝送が、伝送帯域の広い一組の高周波送受信部(可動側高周波送受信器及びベース側高周波送受信器)で無線接続される。可動側高周波送受信器及びベース側高周波送受信器は、仮想円柱の両端面(一端面及び他端面)に対向配置される。これにより、第1の通信部と第2の通信部とは、回転部の回転によっても位置関係が変化せず、安定した信号伝送を可能とする。
また、本発明の一実施形態は、前記可動側高周波送受信部と前記受電部との間に、導波管が設けられる、撮像装置である。
この撮像装置によれば、導波管が、マイクロ波帯からミリ波帯の電磁波を中空部分で伝送する。電磁波は、中空部分において、その形状や寸法、波長(周波数)に応じた電磁界を形成しながら伝播する。導波管は、形状が安定しているので、インピーダンスが安定する。
また、本発明の一実施形態は、前記第1の通信部は、前記撮像部により撮像された画像を含むデータを、環状のアンテナを介して送信する可動側環状アンテナ部、を有し、前記第2の通信部は、前記可動側環状アンテナ部より送信された前記画像を含むデータを、環状のアンテナを介して受信するベース側環状アンテナ部、を有する、撮像装置である。
この撮像装置によれば、送電部と受電部とは、軸線(軸線37)を中心軸とした仮想円筒の内周面と外周面との間を伝送路とする。一方、第1の通信部と第2の通信部とは、軸線(軸線37)を中心軸とした仮想円筒の環状両端面の間を伝送路とする。第1の通信部と第2の通信部とは、軸線(軸線37)を中心軸としたこれら一対の環状一端面と環状他端面との間が、伝送路となる。従って、軸線(軸線37)を包含する仮想円柱が、信号伝送用の伝送路として使用されない。その結果、撮像装置によれば、撮像部をベース部に対して回転させるための回転軸(例えば固定軸23)の設計自由度を高めることができる。
また、この撮像装置によれば、回転部とベース部との間の信号伝送が、伝送帯域の広い一組の可動側環状アンテナ部とベース側環状アンテナとの間で無線接続される。可動側環状アンテナ及びベース側環状アンテナは、軸線(軸線37)を中心に、軸線(軸線37)に沿う方向に離間して配置される。第1の通信部と第2の通信部とは、一組のスロットアンテナで接続されるため、信号伝送が安定する。
また、本発明の一実施形態は、前記回転側高周波送受信部は、所定方向に指向性を有し、前記ベース側高周波送受信部は、無指向性である、撮像装置である。
この撮像装置によれば、可動側高周波送受信部は放射パターンを指向性とし、ベース側高周波送受信器は放射パターンを無指向性としている。これにより、アンテナ配置の許容範囲を大きく取りながら、可動側高周波送受信部及びベース側高周波送受信部のうち一報のアンテナにおける電波の放射パターンとして有指向性を用いるので、エネルギー効率の低下抑制が可能となっている。
また、本発明の一実施形態は、前記ベース部に、前記可動部の前記ベース部に対する回転軸に対応する固定軸が固定され、前記固定軸に前記固定軸の軸線に沿う方向の移動が規制され、前記固定軸に回転自在となる前記可動部のカメラブラケットが支持され、前記固定軸の外周にウォームホイールが同軸に固定され、前記カメラブラケットにモータが固定され、前記モータの駆動軸に前記ウォームホイールに噛合するウォームギヤが固定される、撮像装置である。
この撮像装置によれば、可動部のベース部に対する回転軸(例えば軸線37)に対応する固定軸(固定軸23)がベース部において固定され、固定軸の軸線(軸線37)に沿う方向の移動が規制され、固定軸に回転自在となる可動部のカメラブラケットが支持され、固定軸の外周にウォームホイールが同軸に固定され、カメラブラケットにモータが固定され、更に、モータの駆動軸にウォームホイールに噛号するウォームギヤが固定される。これにより、撮像装置は、モータと一体に固定されたカメラブラケットを、固定軸を中心として旋回させることができ、撮像部を含む可動部をベース部に対して回転させることができる。
以上、添付図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然にこの発明の技術的範囲に属するものと了解される。