JP6572792B2 - インサート成形品およびインサート成形品の製造方法 - Google Patents
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Description
前記蓋部材は、前記貫通ナットの一側が内部に嵌合したキャップである構成としてもよい。
キャップの材質としては、樹脂、ゴム、金属などを挙げることができる。樹脂キャップであれば、安価に製造することができる。ゴムキャップであれば、溶融樹脂の射出圧によって亀裂が入ることがない。金属キャップであれば、板厚を薄くすることができ、貫通ナットを覆う樹脂量を少なくして、貫通ナットの周囲を小型化することができる。
本明細書によって開示されるインサート成形品の製造方法は、貫通ナットを用いたインサート成形品の製造方法であって、前記貫通ナットの上端開口が上型を向き、下端開口が下型で閉止されるように前記貫通ナットを前記下型にセットする工程と、前記上端開口を蓋部材で閉止する工程と、型閉じした後、前記上型に設けられたゲート部から前記蓋部材に向けて溶融樹脂を射出する工程と、前記溶融樹脂が固化して樹脂部が形成された後、型開きして前記樹脂部を前記上型および前記下型から脱型する工程とを備えたものとしてもよい。
このようにすると、溶融樹脂の射出圧によって貫通ナットが倒れることを防止できる。
このようにすると、ゲート部と貫通ナットを同軸配置しやすくなる。
実施形態1を図1から図6の図面を参照しながら説明する。本実施形態のインサート成形品10は、図1に示すように、コネクタにカバーを取り付けるためのボルト締結部である。図2に示すように、インサート成形品10は、貫通ナット20と、貫通ナット20の上側が内部に嵌合した樹脂キャップ30と、貫通ナット20の下側開口23を外部に臨ませつつ貫通ナット20と樹脂キャップ30を覆う樹脂部40とを備えて構成されている。
このようにすると、溶融樹脂の射出圧によって貫通ナット20が倒れることを防止できる。
このようにすると、ゲート部62と貫通ナット20を同軸配置しやすくなる。
次に、関連技術を図7の図面を参照しながら説明する。本関連技術のインサート成形品11は、実施形態1のインサート成形品10における樹脂キャップ30に代えてリベット70を用いたものであり、その他の構成は同じである。リベット70は金属製であって、ねじ孔21に嵌合する軸部71と、貫通ナット20の上端面24に密着する頭部72とを備えて構成されている。頭部72は、貫通ナット20よりも小径とされている。このような構成によると、溶融樹脂の射出圧によってリベット70に亀裂が入ることはない。
次に、実施形態3を図8の図面を参照しながら説明する。本実施形態のインサート成形品12は、実施形態1のインサート成形品10における樹脂キャップ30に代えてゴムキャップ80を用いたものであり、その他の構成は同じである。ゴムキャップ80は樹脂キャップ30と同様の構成であり、本体部81と、内嵌部82と、外嵌部83とを備えて構成されている。外嵌部83の内周面には、複数のリップ84が設けられている。このような構成によると、溶融樹脂の射出圧によってゴムキャップ80に亀裂が入ることはなく、リップ84によってシール性能を高めることができる。
次に、実施形態4を図9から図11の図面を参照しながら説明する。本実施形態のインサート成形品13は、実施形態1のインサート成形品10における樹脂キャップ30に代えて金属キャップ90を用い、貫通ナット20に代えて段付きの貫通ナット100を用いたものであり、その他の構成は同じである。
次に、実施形態5を図12から図15の図面を参照しながら説明する。実施形態5のインサート成形品14は、実施形態1のインサート成形品10における樹脂キャップ30の構成を一部変更したものであり、その他の構成は同じである。この変更に伴い、樹脂部110の上壁部111の構成が一部変更となるものの、実施形態5の樹脂キャップ120は、樹脂部110に覆われて見えなくなるため、外観上、実施形態1のインサート成形品10と実施形態5のインサート成形品14とは同じになる。実施形態5のインサート成形品14において実施形態1のインサート成形品10と同じ構成については、同一の符号を用いるものとし、その説明を省略する。
本明細書によって開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も含まれる。
(1)上記実施形態では円筒状をなす貫通ナットを例示しているものの、円錐台形状でねじ孔が貫通して形成された貫通ナットを用いてもよい。
20、100…貫通ナット
21、101…ねじ孔
22、102…上側開口(一側開口)
23、103…下側開口(他側開口)
30、120…樹脂キャップ(蓋部材)
40、110…樹脂部
50…下型
51…位置決め突部(位置決め部)
52…外周リブ(位置決め部)
60…上型
62…ゲート部
70…リベット
71…軸部
80…ゴムキャップ
90…金属キャップ
Claims (4)
- ねじ孔が貫通して形成され、前記ねじ孔の内面を含んだ表面全体にめっき処理が施された貫通ナットと、
前記貫通ナットの両端開口のうち一側開口を閉止する蓋部材と、
前記貫通ナットの他側開口を外部に臨ませつつ前記貫通ナットと前記蓋部材を覆う樹脂部とを備え、
前記蓋部材は、前記貫通ナットの上端面に密着する本体部と、前記貫通ナットの上端開口から前記ねじ孔に嵌合する内嵌部と、前記貫通ナットの外周側に嵌合する外嵌部とを備えて構成され、前記本体部の板厚は前記外嵌部の板厚よりも大きいものとされ、
前記樹脂部は、前記貫通ナットの下端面と揃う高さの下面を有する基板部と、前記貫通ナットの外周側面から前記外嵌部に亘って上方に立ち上がる周壁部と、前記本体部を上方から覆う上壁部とを備えて構成され、前記基板部が前記周壁部の下端部から径方向に拡がるものとされ、
前記基板部における前記貫通ナットの周囲には環状をなす外周溝が設けられているインサート成形品。 - 前記蓋部材は、前記貫通ナットの一側が内部に嵌合したキャップである請求項1に記載のインサート成形品。
- 前記蓋部材は、前記ねじ孔に軸部を組み付けたリベットである請求項1に記載のインサート成形品。
- 貫通ナットを用いたインサート成形品の製造方法であって、
前記貫通ナットの上端開口が上型を向き、下端開口が下型で閉止されるように前記貫通ナットを前記下型にセットする工程と、
前記上端開口を蓋部材で閉止する工程と、
型閉じした後、前記上型に設けられたゲート部から前記蓋部材に向けて溶融樹脂を射出する工程と、
前記溶融樹脂が固化して樹脂部が形成された後、型開きして前記樹脂部を前記上型および前記下型から脱型する工程とを備え、
前記ゲート部は、前記貫通ナットと同軸で配置されており、
前記下型は、前記貫通ナットと前記ゲート部が同軸配置となるように前記貫通ナットを位置決めする位置決め突部を備え、
前記貫通ナットにはねじ孔が上下方向に貫通して形成され、前記ねじ孔の内面を含んだ表面全体にめっき処理が施され、前記位置決め突部は前記ねじ孔の内面に接触しない態様で前記貫通ナットの下端開口のみに嵌合するインサート成形品の製造方法。
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