JP6570685B1 - 電力用半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電力半導体モジュールを冷却器へ加圧による低熱抵抗実装し、絶縁固着層の高信頼化を実現した電力用半導体装置を得る。【解決手段】電力半導体モジュール1と、冷却板3とジャケット4とで構成される冷却器6と、電力半導体モジュール1を冷却器6の冷却板3に加圧固着させる絶縁固着層7と、電力半導体モジュール1の端子2と接続する配線が設けられたケース9とを備え、冷却板3には冷却板3とジャケット4とが接する密閉部より内側に形成された溝状の緩和部8を設け、ケース9には緩和部8の溝に挿入される嵌合部10を設けた。【選択図】図2

Description

本願は、電力半導体モジュールを冷却器に固着した電力用半導体装置及びその製造方法に関するものである。
近年、車載用の電力用半導体装置において、大出力化が進行する一方で、高信頼性に加え小型軽量化、高効率化が求められるようになってきている。その結果、電力半導体モジュールの高放熱化が求められている。高放熱化には、冷却器の熱伝達率を上げることに加え、高放熱化を阻害している絶縁層の熱伝導率の向上と、絶縁層と冷却器界面の接触熱抵抗の低減など、いかに電力半導体モジュールを冷却器に低熱抵抗で実装するかが重要となる。
従来、両面冷却可能な半導体モジュールを、絶縁のためのセラミックと接触熱抵抗低減のためのグリスを介して冷却器で挟むように実装したものがあり、複数の半導体モジュールを冷却器で挟む際、半導体モジュールの高さばらつきを、冷却器に変形しやすい箇所を設けることで吸収し、半導体モジュールと冷却器が良好な接触を得ているものがある。また、搬送時などに、変形しやすい箇所の変形を抑えるため、補強板を入れることが示唆されているものがある。(例えば特許文献1参照)
特開2005−228877号公報(段落0041から43、図1)
特に、冷媒を流す冷却器では、最大冷却時または目詰まりなどのトラブルの際、内部を流れる冷媒により大きな内圧がかかり、場合によっては300kPa程度にもなる。冷却器の構成によっては、変形しやすくした箇所に大きなストレスが発生するが、特許文献1には内圧による変形対策について示唆されていない。また、温度サイクルなどにより冷却器に発生するストレスも、変形しやすくした箇所に集中してしまい、繰り返し温度変化によるストレスを受けることに対する対策も示唆が無い。さらに、本願のように、電力半導体モジュールを冷却器に固着させる構成にすると、冷却器の剛性が固着部の信頼性に大きな影響を与えてしまう。
また、特に接合により水密を取る冷却器では、電力半導体モジュールを実装した後に接合することが難しい場合が多い。しかし、冷却器を作製した後に電力半導体モジュールを冷却器に固着しようとすると、接合部にストレスがかかり、接合部の破断などが懸念されるため困難である。
本願は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、電力半導体モジュールの冷却器への低熱抵抗実装と、高信頼化を実現した電力用半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
本願に係る電力用半導体装置は、電力半導体モジュールと、冷却板とジャケットとで構成され、内部に冷媒が通る空間部が形成された冷却器と、電力半導体モジュールを冷却器の冷却板に加圧固着させる絶縁固着層と、電力半導体モジュールの端子と接続する配線が設けられたケースとを備え、冷却板には冷却板とジャケットとが接する密閉部より内側に形成された溝状の緩和部を設け、ケースには緩和部の溝に挿入される嵌合部を設けたものである。
本願に係る電力用半導体装置は、電力半導体モジュールと、冷却板とジャケットとで構成され、内部に冷媒が通る空間部が形成された冷却器と、電力半導体モジュールを冷却器の冷却板に加圧固着させる絶縁固着層と、電力半導体モジュールの端子と接続する配線が設けられたケースとを備え、冷却板のジャケットが接する側に、冷却板とジャケットとが接する密閉部より内側に形成された溝状の緩和部を設け、ジャケットには緩和部の溝に挿入される嵌合部を設けたものである。
本願に係る電力用半導体装置の製造方法は、冷却板とジャケットが接する密閉部を溶接またはろう付けによって接合して冷却器として組み立てる工程、冷却器の冷却板の上に絶縁固着層を置く工程、絶縁固着層の固着温度まで加熱された冷却器に電力半導体モジュールを加圧し固着させる工程、電力半導体モジュールの端子と接続する配線が設けられたケースの嵌合部を、密閉部より内側の冷却板に形成された溝状の緩和部に挿入してケースを取り付ける工程を備えたものである。
本願によれば、電力半導体モジュールを冷却器に加圧固着する際、緩和部が選択的に変形するため、密閉部の変形を抑えることができ、良好な密閉を確保できる。また、緩和部に嵌合部を挿入することで、内圧および温度変化による冷却器の変形を抑制し、緩和部へのストレスを軽減する。さらに、緩和部と嵌合部の嵌め合いを最適化することで、冷却器の剛性をコントロールし、絶縁固着層の信頼性を高めることができる。
実施の形態1による電力用半導体装置を示す外観図である。 実施の形態1による電力用半導体装置を示す断面図である。 実施の形態1による電力用半導体装置の製造工程を示す工程図である。 実施の形態1による電力用半導体装置のケース嵌合部を示す図である。 実施の形態1による電力用半導体装置の冷却板の好ましい反り方向を示す断面図である。 実施の形態1による電力用半導体装置の他の製造工程を示す工程図である。 実施の形態1による電力用半導体装置の絶縁固着層の一例を示す断面図である。 実施の形態2による電力用半導体装置の断面図である。 実施の形態2による電力用半導体装置のケース設置前の上面図である。 実施の形態3による電力用半導体装置の断面図である。 実施の形態4による電力用半導体装置の断面図である。 実施の形態5による電力用半導体装置の断面図である。
実施の形態1.
以下、本願の実施の形態1における電力用半導体装置を図1から図7に基づいて説明する。
図1は実施の形態1による電力用半導体装置の外観図、図2は電力用半導体装置を示す断面図である。
図1および図2において、電力用半導体装置は、電力半導体モジュール1を冷却器6に固着して構成される。電力半導体モジュール1は、シリコン(Si)もしくはシリコンカーバイド(SiC)などからなるスイッチング素子(例えば、IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor、またはMOSFET:Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)及びダイオードなどの半導体素子を、銅などの導電性の放熱基材に実装し、外部から入力もしくは出力する端子2を設け、トランスファーモールド、もしくは硬質な樹脂でポッティングされたものである。
電力半導体モジュール1の端子2は、図示しない主配線がインサートもしくはアウトサートされたケース9の主配線と電気的に接続される。ケース9には後述する冷却器6に設けられた溝状の緩和部8に嵌合する半球状の嵌合部10が設けられている。
電力半導体モジュール1に固着される冷却器6は、アルミもしくは銅からなり放熱フィン3aが一体に形成された冷却板3とアルミダイキャストなどのジャケット4からなり、冷却板3とジャケット4とが接する密閉部にはゴムまたは金属などの弾性体からなるOリングなどの密閉部材5を介して組まれている。またジャケット4は水などの冷媒を通す通路となる凹部が形成され、冷却板3とジャケット4からなる冷却器6の内部には冷媒が通る空間部が形成されている。電力半導体モジュール1は、冷却器6の冷却板3に絶縁固着層7を介して加圧加熱し固着される。
冷却板3の上面には、加圧時に冷却器6の冷却板3とジャケット4とが接する部分が選択的に変形する密閉部(密閉部材5がある部分)より内側に、加圧時などにケース9の嵌合部10による変形が容易となるよう、溝状の緩和部8が形成されている。緩和部8の形状は、先端が鈍角になる形状にした方が好ましい。鋭角にすると、先端が応力集中部になり、亀裂の発生などの原因になりやすいためである。
ケース9に設けられる嵌合部10の幅は、緩和部8の幅よりも小さくすることで、 緩和部8と嵌合部10の嵌め合いを最適化することができ、冷却器6の剛性をコントロールし、冷却板3とジャケット4が接する密閉部の接合と絶縁固着層7の信頼性を高めることができる。
電力半導体モジュール1が絶縁固着層7を介して冷却器6に加圧加熱されて固着された後に、ケース9は嵌合部10が溝状の緩和部8に挿入されるように配置される。その後、ケース9に形成された図示しない主配線と電力半導体モジュール1の端子2を接続して電力用半導体装置が構成される。
図3は、本願の電力用半導体装置に使用される電力半導体モジュール1を冷却器6に実装する際の工程の一例を示す工程図である。
まず、図3(a)のように冷却板3とジャケット4は、予め溶接またはろう付けによって接合して冷却器6として組み立てる。冷却板3とジャケット4からなる冷却器6の冷却板3の上に絶縁固着層7を置く。次に、図3(b)のように絶縁固着層7の固着温度まで加熱された冷却器6に、同様に加熱された電力半導体モジュール1を加圧し固着させる。その後、図3(c)のようにケース9の嵌合部10を冷却板3の緩和部8に挿入するようにケース9を取り付け、電力半導体モジュール1に接続された端子2とケース9の配線とを接続する。
冷却板3とジャケット4が接する密閉部材5がある部分の密閉部が変形すると、良好なシール性能が得られない。しかし、冷却板3に緩和部8を設けることで、加圧する際に緩和部8が選択的に変形し、冷却板3と密閉部材5が接する部分の変形が少なく、良好なシール性能が得られる。また、電力半導体モジュール1を固着後、緩和部8に嵌合部10を挿入することで、温度変化または振動により緩和部8が過度に変形することを防止できる。
嵌合部10は、ケース9と同じ材料であっても、異なる材料であってもよく、ケース9と同じ材料で形成する場合はPPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)またはPBT(ポリブチレンテレフタレート)などのエンジニアリングプラスチックが、ケース9と異なる材料で形成する場合はアルミまたは銅などの金属が適している。
嵌合部10と冷却板3の材料の線膨張係数差が大きいと、逆に緩和部8の変形を大きくしてしまうため、冷却板3の材料の線膨張係数と可能な限り近い方が好ましい。
また、嵌合部10をケース9と一体にすることで、ハンドリング性が向上し、嵌合部10を効率的に緩和部8に挿入できるため生産性が向上する。また、緩和部8の溝が広がる方の変形に対し嵌合部10だけでは変形を抑制できない。そのような場合、ケース9を冷却板3の緩和部8に接するように配置しても効果が得られるが、図4のように嵌合部10に溝が広がる方の変形を抑制する抑制板11を嵌合部10に設けても良い。抑制板11は、ケース9もしくは図示しない固定部材から冷却板3に抑えられるように実装される。
絶縁固着層7により、電力半導体モジュール1と冷却板3を固着させるため、各界面の接触熱抵抗が非常に小さくなる。そのため、電力半導体モジュール1から発生する熱を冷却器6から効率的に放熱でき、小型・高効率な電力用半導体装置を実現できる。
図5は、実施の形態1による冷却板3の好ましい反り方向を示す断面図である。図5のように、電力半導体モジュール1が絶縁固着層7によって固着される側が僅かに凸になるよう、冷却板3が反る方向をコントロールする。冷却板3は、完全に平面が出ていることが理想であるが、現実には不可能である。そこで、電力半導体モジュール1が絶縁固着層7によって固着される側が僅かに凸になるようにすることで、電力半導体モジュール1を絶縁固着層7を介して加圧・加熱して固着する際に、緩和部8の溝が狭くなる方向に変形するため緩和部8がスムーズに変形する。
電力半導体モジュール1を加圧する際に、図示しない治具などで凸の変位を吸収する必要があるが、加圧の際に緩和部8がスムーズに変形することで冷却板3に余計な力が発生せず、複数の電力半導体モジュール1を均一に加圧できる。
緩和部8を設けることで冷却板3の変形が大きくなるため、加圧時に、冷却板3に設けた放熱フィン3aが冷却器6の内部空間に延びているため、ジャケット4に接触することが考えられる。その際、放熱フィン3aの先端の形状が尖っており、接触面積が小さい場合、放熱フィン3aの変形が懸念される。そのため、放熱フィン3aの先端は平坦にすることで、放熱フィンの変形を抑えられる。
図6は、本願の電力用半導体装置に使用される電力半導体モジュール1を冷却器6に実装する際の図3とは異なる工程の一例を示す工程図である。
工程順序においては、まず、図6(a)のように絶縁固着層7の固着温度まで加熱された冷却板3に、同様に加熱された電力半導体モジュール1を加圧・加熱して固着させる。次に、図6(b)のように冷却板3を溶接またはろう付けによってジャケット4に接合して取り付け、冷却器6として組み立てる。その場合、冷却板3が電力半導体モジュール1に接合し取り付けられたことで変形しており、ジャケット4に取り付けられる際に変形が矯正される。変形が矯正される際、絶縁固着層7にストレスが発生するため、信頼性の低下等が懸念される。
しかし、図6(c)のようにケース9の嵌合部10を緩和部8に挿入するようにケース9を取り付けた際に、緩和部8があることで、変形が矯正される際に緩和部8が選択的に変形し、絶縁固着層7へのストレスを低減でき、絶縁固着層7の信頼性が向上する。また、密閉部材5と冷却板3の接触も良好になるため、信頼性の高い密閉性が確保できる。その後、電力半導体モジュール1に接続された端子2とケース9の配線とを接続する。
なお、絶縁固着層7は単層でなくてもよく、例えば図7のように絶縁性のセラミックなどの絶縁層7aの両面に接着剤などの固着層7bを設ける構成でも良い。また、最大限の効果を得るには、緩和部8と嵌合部10の寸法、取り付け精度が重要となる。しかし、大型の製品になるほど特に取り付け精度を確保することが難しくなる。嵌合部10は必ずしもケース9と一体でなくても良い。さらに、緩和部8は、切削などで形成するより、冷却板3に形成する放熱フィン3aを鍛造などで形成する際、同時に鍛造で形成することでコストを抑えることが可能である。また、密閉部材5は弾性体に特定されるものではなく、セラミックまたはフッ素系樹脂などを用いてもよい。
実施の形態1の電力用半導体装置は、電力半導体モジュール1を冷却器6に加圧固着する際、緩和部8が選択的に変形するため、冷却器6の特に冷却板3とジャケット4が接する密閉部の変形を抑えることができ、良好な密閉を確保できる。また、緩和部8に嵌合部10を挿入することで、内圧または温度変化による冷却器6の変形を抑制し、緩和部8へのストレスを軽減することができる。そのため、電力用半導体装置の動作中における冷却器6の圧力、振動などの力により冷却器6が壊れることもない。
実施の形態2.
次に、本願の実施の形態2における電力用半導体装置を図8および図9に基づいて説明する。
図8は実施の形態2による電力用半導体装置の電力半導体モジュール1を冷却器6に実装した断面図、図9は電力用半導体装置のケース設置前の上面図である。
図8において、実施の形態2による電力用半導体装置は、冷却板3とジャケット4とが接する部分を、ろう付けもしくは溶接を用いて接合した接合部12によって、冷却器6の密閉を確保したものである。また、嵌合部10の幅を、緩和部8の幅に対して小さくしたものである。その他の構成は実施の形態1の図2と同じに付き、同じまたは相当部分には同じ符号を付して説明を省略する。
特に、冷却器6の水密のために、冷却板3とジャケット4をろう付け又は溶接などで接合する場合、ろう付け又は溶接時の治具構成および熱影響から、電力半導体モジュール1を前もって冷却板3に固着させることが難しい。
そのため、冷却板3とジャケット4をろう付け又は溶接などで接合した後に、電力半導体モジュール1を実装する場合が多い。その際、ろう付け又は溶接などで接合した部分にストレスがかかると、良好な密閉を得られない可能性がある。しかし、冷却板3に緩和部8があることで、緩和部8が選択的に変形し、ろう付け又は溶接などへのストレスを低減できる。また、電力半導体モジュール1を実装した冷却板3をジャケット4にろう付け又は溶接する場合も、実施の形態1で述べたように、電力半導体モジュール1を取り付けられたことで変形した冷却板3が、ろう付け又は溶接する際に変形が矯正される際に緩和部8が変形することで絶縁固着層7へのストレスを低減できる。
緩和部8と嵌合部10のサイズ関係は、絶縁固着層7の信頼性と大きく関係する。冷却器6の密閉をろう付け又は溶接などで接合した場合、冷却板3の剛性が冷却板3の厚さ以上の剛性となってしまう。これは、冷却板3の外周の変位をジャケット4が拘束するためである。接合部12の強度またはジャケット4の剛性などで異なるが、場合によっては冷却板3単体の4倍近い剛性になることもある。
温度等が変化することによって冷却板3が伸び縮みし、その変形により絶縁固着層7へストレスが発生し、絶縁固着層7の寿命が低下することは知られている。
変形による絶縁固着層7へのストレスは、冷却板3の材質が同じ場合、冷却板3の剛性が高い方が大きくなる。しかし、緩和部8を完全に埋めない構造にすることで、ジャケット4が冷却板3の変形を拘束する力が弱まり、冷却板3の剛性を下げることができる。冷却板3の剛性が下がった結果、絶縁固着層7の信頼性が向上し、信頼性の高い製品を提供できる。
図9は、実施の形態2における電力用半導体装置のケース9の設置前の上面図である。図9のように、電力半導体モジュール1の全周に緩和部8を設けてもよく、嵌合部10は緩和部8の全周に設けなくても良い。緩和部8は、電力半導体モジュール1の全周に設けたほうが電力半導体モジュール1周辺の冷却板3の剛性が下がり、絶縁固着層7の信頼性が向上する。一方、緩和部8を電力半導体モジュール1の全周に設けた場合のように、緩和部8が複雑かつ長い形状になると、嵌合部10のコストが高くなるだけでなく、嵌合部10により高い精度が求められ、ハンドリング性が悪化するなど生産性に課題が出る。
嵌合部10は、緩和部8が破断しない程度に変形を抑えるだけでよいことから、緩和部8が過度に変形しない程度に嵌合部10を設ければよい。嵌合部10を適正に設計することで、嵌合部10のコスト削減、ハンドリング性の悪化を防ぐことができる。
また、多くの場合、冷却板3に形成される放熱フィン3aとジャケット4の間に空間ができる。そのような場合の方が、本願の効果が大きく得られる。冷却器6を組み立てた際、冷却板3と一体に形成された放熱フィン3aとジャケット4の間に隙間が無ければ、電力半導体モジュール1を加圧・加熱する際、放熱フィン3aが加圧力を受けてしまうため、緩和部8の変形する余地がなくなる。そのため放熱フィン3aとジャケット4の間には隙間が必要である。この隙間は放熱フィン3aと放熱フィン3aの隙間よりも小さい隙間のほうがよい。
なお、実施の形態2の電力用半導体装置においても、電力半導体モジュール1を絶縁固着層7で冷却板3に実装した後、ジャケット4と接合しても何ら問題はない。その場合においても、接合時のストレスを緩和部8が変形で吸収するため、絶縁固着層7の信頼性向上と、良好な接合部12を得ることが可能となる。
実施の形態2においても、電力半導体モジュール1を冷却器6に加圧固着する際、緩和部8が選択的に変形するため、冷却板3とジャケット4とが接する密閉部の変形を抑えることができ、良好な密閉を確保できる。また、緩和部8に嵌合部10を挿入することで、内圧または温度変化による冷却器6の変形を抑制し、緩和部8へのストレスを軽減することができる。
実施の形態3.
次に、本願の実施の形態3における電力用半導体装置を図10に基づいて説明する。
図10は実施の形態3による電力用半導体装置の断面図である。図10において、電力半導体モジュール1を冷却器6に実装した電力用半導体装置は、冷却板3の緩和部8上のケース9と冷却板3との間に、緩和部8の周りを囲むように液状パッキンなどのシール部13を設けたものである。また、冷却板3の緩和部8と図示しない冷却装置などの外部とをつなぐ排出経路14を冷却器6に設けたものである。その他の構成は実施の形態2の図8と同じに付き、同じまたは相当部分には同じ符号を付して説明を省略する。
ケース9と冷却板3との間に、液状パッキンなどのシール部13を設けることで、万が一、緩和部8にクラックなどが入り破断して冷媒が漏れた際も、シール部13により電力半導体モジュール1側に冷媒が漏れることが無くなる。冷媒が液体の場合、電力半導体モジュール1側に漏れると、最悪、短絡故障などの致命的な故障が起こるが、シール部13を設けることで致命的な故障を回避できる。また、冷却器6に排出経路14を設けることで、シール部13に漏れた冷媒の圧力がかかるのを防止できるため、シール部13の破壊を防止でき、信頼性の高い製品を提供できる。
ケース9に設けた嵌合部10を、緩和部8全体に設けない場合、冷却板3に対して接着力がある低ヤング率の高分子エラストマー、例えばシリコーン系接着剤などの充填部材を、緩和部8に充填し、嵌合部10を構成してもよい。この場合、チューブなどで充填部材が供給され、緩和部8に塗布で供給できる方が、緩和部8に供給しやすく適している。充填部材は、低ヤング率かつエラストマーで構成することで、緩和部8は比較的自由に変形できる、一方、万が一、緩和部8が破断しても、電力半導体モジュール1のある所に冷媒が侵入することを防ぐことができる。なお、排出経路14は複数設けてもよい。
実施の形態4.
次に、本願の実施の形態4における電力用半導体装置を図11に基づいて説明する。
図11は実施の形態4による電力用半導体装置の断面図である。図11において、電力半導体モジュール1を冷却器6に実装した電力用半導体装置は、冷却板3のジャケット4が接する側に緩和部8を設け、嵌合部10はジャケット4と一体に設けて緩和部8に挿入するようにしたものである。その他の構成は実施の形態2の図8と同じに付き、同じまたは相当部分には同じ符号を付して説明を省略する。
ジャケット4から伸びた嵌合部10は、ジャケット4と一体成型することで部品点数を増やすことなく緩和部8に嵌合させることが出来て組立工数が削減できる。また、冷却板3のケース9側に緩和部8を設けると、冷却板3とジャケット4を接合する際、溶接又はろう付けなどの熱履歴がかかると、電力半導体モジュール1と反対方向に凸となりやすい。冷却板3のジャケット4が接する側に緩和部8を設けることで、冷却板3は図5に示すように電力半導体モジュール1方向に凸となりやすい構造にできる。
実施の形態4は、冷却板3のジャケット4が接する側に緩和部8を設け、ジャケット4と一体に設けた嵌合部10を緩和部8に挿入することで、電力半導体モジュール1方向に凸となりやすい構造とできる。また、ジャケット4から伸びた嵌合部10は、ジャケット4と一体成型することで部品点数を増やすことなく、緩和部8に嵌合させることが出来て組立工数が削減できる。
実施の形態5.
次に、本願の実施の形態5における電力用半導体装置を図12に基づいて説明する。
図12は実施の形態4による電力用半導体装置の断面図である。図12において、電力半導体モジュール1を冷却器6に実装した電力用半導体装置は、冷却板3とジャケット4との間の冷媒が通る空間部に、放熱フィン3aよりも剛性が高く、放熱フィン3aの長さよりも長いストッパー15を設けたものである。図12においては、ストッパー15は冷却板3と一体に構成したが、ジャケット4側と一体に構成しても、別体でもよい。その他の構成は実施の形態2の図8と同じに付き、同じまたは相当部分には同じ符号を付して説明を省略する。
放熱フィン3aは、冷却面積を稼ぐ為、薄く、狭ピッチに配置されることが多い。その場合、放熱フィン3aの先端を平らにしていても、放熱フィン3aが座屈して変形することがある。そのような場合、放熱フィン3aよりも剛性の高いストッパー15を設けることで、放熱フィン3aがジャケット4の底面に接する前にストッパー15が接することで、放熱フィン3aは変形しない。
本開示は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1:電力半導体モジュール、2:端子、3:冷却板、4:ジャケット、5:密閉部材、
6:冷却器、7:絶縁固着層、8:緩和部、9:ケース、10:嵌合部、
11:抑制板、12:接合部、13:シール部、14:排出経路、15:ストッパー。

Claims (13)

  1. 電力半導体モジュールと、冷却板とジャケットとで構成され、内部に冷媒が通る空間部が形成された冷却器と、前記電力半導体モジュールを前記冷却器の冷却板に加圧固着させる絶縁固着層と、前記電力半導体モジュールの端子と接続する配線が設けられたケースとを備え、前記冷却板には前記冷却板と前記ジャケットとが接する密閉部より内側に形成された溝状の緩和部を設け、前記ケースには前記緩和部の溝に挿入される嵌合部を設けたことを特徴とする電力用半導体装置。
  2. 前記冷却板と前記ジャケットとが接する密閉部には、弾性体からなるOリングが設けられたことを特徴とする請求項1に記載の電力用半導体装置。
  3. 前記冷却板と前記ジャケットとが接する密閉部は、溶接又はろう付けによって接合された接合部で構成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電力用半導体装置。
  4. 前記嵌合部の幅は、前記緩和部の幅よりも小さくしたことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の電力用半導体装置。
  5. 前記嵌合部は、前記ケースと一体に成形されていることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の電力用半導体装置。
  6. 前記ケースと前記冷却板との間の前記緩和部の周りにシール部を設けると共に、前記緩和部と外部とをつなげる排出経路を設けたことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の電力用半導体装置。
  7. 前記冷却板には、前記冷却器の内部空間に延びる放熱フィンが設けられたことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の電力用半導体装置。
  8. 前記冷却板に設けられた前記放熱フィンの先端は平坦であることを特徴とする請求項に記載の電力用半導体装置。
  9. 前記放熱フィンと前記ジャケットの間に、前記放熱フィン間の隙間よりも小さい隙間があることを特徴とする請求項または請求項に記載の電力用半導体装置。
  10. 前記冷却板と前記ジャケットとの間の空間部に、前記放熱フィンよりも長く且つ剛性の高いストッパーを設けたことを特徴とする請求項から請求項のいずれか1項に記載の電力用半導体装置。
  11. 電力半導体モジュールと、冷却板とジャケットとで構成され、内部に冷媒が通る空間部が形成された冷却器と、前記電力半導体モジュールを前記冷却器の冷却板に加圧固着させる絶縁固着層と、前記電力半導体モジュールの端子と接続する配線が設けられたケースとを備え、前記冷却板の前記ジャケットが接する側に、前記冷却板と前記ジャケットとが接する密閉部より内側に形成された溝状の緩和部を設け、前記ジャケットには前記緩和部の溝に挿入される嵌合部を設けたことを特徴とする電力用半導体装置。
  12. 冷却板とジャケットが接する密閉部を溶接またはろう付けによって接合して冷却器として組み立てる工程、前記冷却器の冷却板の上に絶縁固着層を置く工程、前記絶縁固着層の固着温度まで加熱された前記冷却器に電力半導体モジュールを加圧し固着させる工程、前記電力半導体モジュールの端子と接続する配線が設けられたケースの嵌合部を、前記密閉部より内側の前記冷却板に形成された溝状の緩和部に挿入して前記ケースを取り付ける工程を備えた電力用半導体装置の製造方法。
  13. 冷却板の上に絶縁固着層を置いて前記絶縁固着層の固着温度まで前記冷却板を加熱する工程、加熱された前記冷却板に電力半導体モジュールを加圧し固着させる工程、前記冷却板を溶接またはろう付けによってジャケットに接合して冷却器として組み立てる工程、前記電力半導体モジュールの端子と接続する配線が設けられたケースの嵌合部を、前記冷却板と前記ジャケットが接する密閉部より内側の前記冷却板に形成された溝状の緩和部に挿入して前記ケースを取り付ける工程を備えた電力用半導体装置の製造方法。
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