JP6570468B2 - 点火プラグ - Google Patents

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Description

本明細書は、混合気に点火するための点火プラグに関する。
内燃機関などの燃焼室における混合気に点火するために点火プラグが用いられている。点火プラグとしては、例えば、筒状の絶縁体と、絶縁体の外周に配置される主体金具と、を備えるものが、用いられている。このような点火プラグとしては、例えば、主体金具の外周面に雄ねじが形成されたものが、用いられている。主体金具の雄ねじは、内燃機関の取付孔に形成された雌ねじに、係合する。また、点火プラグの小型化のために、主体金具の雄ねじと取付孔の雌ねじとを省略する技術が提案されている。
特開2009−70580号公報 特開平5−321755号公報 特開2006−59588号公報
ところが、ねじが省略されることによって、点火プラグと取付孔との間の気密性が低下する場合があった。
本明細書は、点火プラグと取付孔との間の気密性を向上できる技術を開示する。
本明細書は、例えば、以下の態様または適用例を開示する。
[態様]
軸線の方向に延びる軸孔を有する筒状の絶縁体と、
前記絶縁体の外周に配置される主体金具と、
を備える点火プラグであって、
前記主体金具の外周側に取り付けられ、前記主体金具の先端面を含む先端部分の外周を覆う筒状のカバー部材を備え、
前記カバー部材は、金属材料で形成されており、
前記カバー部材のビッカース硬度は、前記主体金具のビッカース硬度よりも低い、
点火プラグ。
[適用例1]
軸線の方向に延びる軸孔を有する筒状の絶縁体と、
前記絶縁体の外周に配置される主体金具と、
を備える点火プラグであって、
前記主体金具の外周側に取り付けられ、前記主体金具の先端面を含む先端部分の外周を覆う筒状のカバー部材を備える、点火プラグ。
この構成によれば、内燃機関の取付孔と主体金具との間に筒状のカバー部材が配置されるので、点火プラグと取付孔との間の気密性を向上できる。また、カバー部材の外径を変更することによって、取付孔の内径が異なる複数種類の内燃機関に、点火プラグを用いることができる。
[適用例2]
適用例1に記載の点火プラグであって、
前記軸線の方向において、前記カバー部材のうち前記主体金具の前記先端面よりも先端側に位置する部分の長さは、2mm以下である、点火プラグ。
この構成によれば、カバー部材が燃焼ガスから熱を受けることを抑制できるので、気密性を向上しつつ、カバー部材の昇温を抑制できる。また、カバー部材が燃焼室内のガスの流れに与える影響を緩和できる。
[適用例3]
適用例1または2に記載の点火プラグであって、
前記カバー部材のビッカース硬度は、前記主体金具のビッカース硬度よりも低い、点火プラグ。
この構成によれば、内燃機関の取付孔に点火プラグを装着する際に、主体金具ではなくカバー部材が変形し得るので、主体金具の破損を抑制しつつ、気密性を向上できる。
[適用例4]
適用例1から3のいずれかに記載の点火プラグであって、
前記主体金具は、前記カバー部材よりも後端側に位置するとともに前記カバー部材の最大外径よりも大きな外径を有する大径部を有する、点火プラグ。
この構成によれば、主体金具の大径部が内燃機関の取付孔の段部に直接的または間接的に支持されることによって、取付孔に対する点火プラグの位置を適切に決めることができる。
[適用例5]
適用例4に記載の点火プラグであって、
前記カバー部材と前記大径部との間に配置された環状のシール部材を備え、
前記シール部材の内径は、前記カバー部材の最大外径よりも小さい、
点火プラグ。
この構成によれば、シール部材によって気密性を向上できる。また、取付孔に点火プラグを挿入する場合に、シール部材の落下を防止できる。
[適用例6]
適用例1から5のいずれかに記載の点火プラグであって、
前記主体金具は、前記主体金具の先端から後端側に向かって外径が大きくなる第1拡径部を有し、
前記カバー部材は、後端側に向かって内径が大きくなる第2拡径部を有し、
前記カバー部材は、前記第2拡径部が前記第1拡径部に接触可能な状態で、前記主体金具に取り付けられている、
点火プラグ。
この構成によれば、第1拡径部と第2拡径部との接触によって、気密性を向上できる。
なお、本明細書に開示の技術は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、点火プラグや点火プラグを用いた点火装置、その点火プラグを搭載する内燃機関や、その点火プラグを用いた点火装置を搭載する内燃機関等の態様で実現することができる。
一実施形態としての点火プラグ100の断面図である。 カバー部材200の取り付け方法の例を示す概略図である。 内燃機関の取付孔と点火プラグ100との装着の例を示す概略図である。 第1評価試験の結果を示すグラフである。 点火プラグの別の実施形態の構成を示す断面図である。 第2評価試験の結果を示すグラフである。 点火プラグの別の実施形態の構成を示す断面図である。 点火プラグの他の実施形態を示す概略図である。
A.第1実施形態:
A−1.点火プラグ100の構成:
図1は、一実施形態としての点火プラグ100の断面図である。図中には、点火プラグ100の中心軸CL(「軸線CL」とも呼ぶ)と、点火プラグ100の中心軸CLを含む平らな断面と、が示されている。以下、中心軸CLに平行な方向を「軸線CLの方向」、または、単に「軸線方向」または「前後方向」とも呼ぶ。中心軸CLに平行な方向のうち、図1における下方向を先端方向Df、または、前方向Dfと呼び、上方向を後端方向Dfr、または、後方向Dfrとも呼ぶ。先端方向Dfは、後述する端子金具40から中心電極20に向かう方向である。また、図1における先端方向Df側を点火プラグ100の先端側と呼び、図1における後端方向Dfr側を点火プラグ100の後端側と呼ぶ。
点火プラグ100は、軸線CLに沿って延びる貫通孔12(軸孔12とも呼ぶ)を有する筒状の絶縁体10と、貫通孔12の先端側で保持される中心電極20と、貫通孔12の後端側で保持される端子金具40と、貫通孔12内で中心電極20と端子金具40との間に配置された抵抗体74と、抵抗体74と中心電極20とを電気的に接続する第1シール部72と、抵抗体74と端子金具40とを電気的に接続する第2シール部76と、絶縁体10の外周側に固定された主体金具50と、一端が主体金具50の先端面55に接合されるとともに他端が中心電極20とギャップgを介して対向するように配置された接地電極30と、を有している。
絶縁体10の軸線方向の略中央には、外径が最も大きな大径部14が形成されている。大径部14より後端側には、後端側胴部13が形成されている。大径部14よりも先端側には、後端側胴部13よりも外径の小さな先端側胴部15が形成されている。先端側胴部15よりもさらに先端側には、縮外径部16と、脚部19とが、先端側に向かってこの順に形成されている。縮外径部16の外径は、前方向Dfに向かって、徐々に小さくなっている。縮外径部16の近傍(図1の例では、先端側胴部15)には、前方向Dfに向かって内径が徐々に小さくなる縮内径部11が形成されている。絶縁体10は、機械的強度と、熱的強度と、電気的強度とを考慮して形成されることが好ましく、例えば、アルミナを焼成して形成されている(他の絶縁材料も採用可能である)。
中心電極20は、後端側から先端側に向かって延びた棒状の部材である。中心電極20は、絶縁体10の貫通孔12内の前方向Df側の端部に配置されている。中心電極20は、外径が最も大きい部分である頭部24と、頭部24の前方向Df側に形成された軸部27と、軸部27の先端に接合された第1チップ29と、を有している。頭部24の外径は、絶縁体10の縮内径部11よりも前方向Df側の部分の内径よりも大きい。頭部24の前方向Df側の面は、絶縁体10の縮内径部11によって、支持されている。軸部27は、軸線CLに平行に前方向Dfに向かって延びている。軸部27は、外層21と、外層21の内周側に配置された芯部22と、を有している。外層21は、例えば、ニッケルを主成分として含む合金で形成されている。ここで、主成分は、含有率(重量%)が最も高い成分を意味している。芯部22は、外層21よりも熱伝導率が高い材料(例えば、銅を主成分として含む合金)で形成されている。第1チップ29は、軸部27よりも放電に対する耐久性に優れる材料(例えば、イリジウム(Ir)、白金(Pt)等の貴金属、タングステン(W)、それらの金属から選択された少なくとも1種を含む合金)を用いて形成されている。中心電極20のうち第1チップ29を含む先端側の一部分は、絶縁体10の軸孔12から前方向Df側に露出している。なお、芯部22と第1チップ29との少なくとも一方は、省略されてもよい。
絶縁体10の貫通孔12の後端側には、端子金具40の前方向Df側の一部が挿入されている。端子金具40は、軸線CLに平行に延びる棒状の部材である。端子金具40は、導電性材料(例えば、低炭素鋼等の金属)を用いて形成されている。
絶縁体10の軸孔12内において、端子金具40と中心電極20との間には、電気的なノイズを抑制するための抵抗体74が配置されている。抵抗体74は、導電性材料(例えば、ガラスと炭素粒子とセラミック粒子との混合物)を用いて形成されている。抵抗体74と中心電極20との間には、第1シール部72が配置され、抵抗体74と主体金具50との間には、第2シール部76が配置されている。これらのシール部72、76は、導電性材料(例えば、金属粒子と抵抗体74の材料に含まれるものと同じガラスとの混合物)を用いて形成されている。中心電極20は、第1シール部72、抵抗体74、第2シール部76によって、端子金具40に電気的に接続されている。点火プラグ100の製造の際には、絶縁体10の後方向Dfr側の開口10qから中心電極20が挿入される。中心電極20は、絶縁体10の縮内径部11に支持されることにより、貫通孔12内の所定位置に配置される。次に、第1シール部72、抵抗体74、第2シール部76のそれぞれの材料粉末の投入と投入された粉末材料の成形とが、部材72、74、76の順番に、行われる。粉末材料は、開口10qから貫通孔12内に投入される。次に、絶縁体10を、部材72、74、76の材料粉末に含まれるガラス成分の軟化点よりも高い所定温度まで加熱し、所定温度に加熱した状態で、開口10qから、端子金具40を貫通孔12に挿入する。この結果、部材72、74、76の材料粉末が圧縮および焼結されて、部材72、74、76が形成される。
主体金具50は、軸線CLに沿って延びる貫通孔59を有する筒状の部材である。主体金具50の貫通孔59には、絶縁体10が挿入され、主体金具50は、絶縁体10の外周に固定されている。主体金具50は、導電材料(例えば、低炭素鋼等の金属)を用いて形成されている。絶縁体10の前方向Df側の一部は、貫通孔59の外に露出している。また、絶縁体10の後方向Dfr側の一部は、貫通孔59の外に露出している。
主体金具50は、工具係合部51と、胴部52と、を有している。工具係合部51は、点火プラグ用のレンチ(図示せず)が嵌合する部分である。胴部52は、主体金具50の先端を含む部分である。
主体金具50の工具係合部51と胴部52との間には、径方向外側に突き出たフランジ状の鍔部54が形成されている。胴部52と鍔部54との間には、環状のガスケット90が配置されている。ガスケット90は、例えば金属の板状部材を折り曲げることによって形成されており、点火プラグ100がエンジンヘッドに取り付けられた際に押し潰されて変形する。このガスケット90の変形によって、点火プラグ100とエンジンヘッドとの隙間が封止され、燃焼ガスの漏出が抑制される。
主体金具50の胴部52には、先端側に向かって内径が徐々に小さくなる縮内径部56が形成されている。主体金具50の縮内径部56と、絶縁体10の縮外径部16と、の間には、先端側パッキン8が挟まれている。本実施形態では、先端側パッキン8は、鉄製の板状リングである(他の材料(例えば、銅等の金属材料)も採用可能である)。主体金具50の胴部52の外周面には、径方向の内側に向かって凹む凹部310が形成されている。凹部310は、胴部52の外周面上を周方向に1周するリング状の溝である。凹部310は、後述するカバー部材200の取り付けに利用される。
主体金具50の工具係合部51より後端側には、薄肉のカシメ部53が形成されている。また、鍔部54と工具係合部51との間には、薄肉の座屈部58が形成されている。主体金具50の工具係合部51からカシメ部53にかけての内周面と、絶縁体10の後端側胴部13の外周面との間には、円環状のリング部材61,62が挿入されている。さらにこれらのリング部材61,62の間には、タルク70の粉末が充填されている。点火プラグ100の製造工程において、カシメ部53が内側に折り曲げられて加締められると、座屈部58が圧縮力の付加に伴って外向きに変形(座屈)し、この結果、主体金具50と絶縁体10とが固定される。タルク70は、この加締め工程の際に圧縮され、主体金具50と絶縁体10との間の気密性が高められる。また、パッキン8は、絶縁体10の縮外径部16と主体金具50の縮内径部56との間で押圧され、そして、主体金具50と絶縁体10との間をシールする。
接地電極30は、棒状の本体部37と、本体部37の先端部34に取り付けられた第2チップ39と、を有している。本体部37の一端部33(基端部33とも呼ぶ)は、主体金具50の先端面55に接合されている(例えば、抵抗溶接)。本体部37は、主体金具50に接合された基端部33から先端方向Dfに向かって延び、中心軸CLに向かって曲がって、先端部34に至る。第2チップ39は、先端部34の後方向Dfr側の部分に固定されている。接地電極30の第2チップ39と、電極20の第1チップ29とは、ギャップgを形成している。第2チップ39は、本体部37よりも放電に対する耐久性に優れる材料(例えば、イリジウム(Ir)、白金(Pt)等の貴金属、タングステン(W)、それらの金属から選択された少なくとも1種を含む合金)を用いて形成されている。本体部37は、外層31と、外層31の内周側に配置された内層32と、を有している。外層31は、内層32よりも耐酸化性に優れる材料(例えば、ニッケルを含む合金)で形成されている。内層32は、外層31よりも熱伝導率が高い材料(例えば、純銅、銅合金、等)で形成されている。なお、内層32と第2チップ39との少なくとも一方は、省略されてもよい。
主体金具50の胴部52の外周側には、筒状のカバー部材200が取り付けられている。カバー部材200は、軸線CLを中心とする略円筒の部材である。カバー部材200は、主体金具50の先端面55を含む先端部分の外周を覆っている。また、カバー部材200の内径は、主体金具50の胴部52の外径と、おおよそ同じである。
カバー部材200のうち主体金具50の凹部310に対向する部分210は、径方向の内周側に向かって突出している(突出部210とも呼ぶ)、突出部210は、周方向に1周するリング状の部分であり、凹部310に嵌め込まれている。これにより、カバー部材200は、主体金具50に固定される。カバー部材200は、導電材料(例えば、銅を主成分として含む合金やステンレス鋼等の金属)を用いて形成されている。また、突出部210の内周面は、凹部310の外周面に、接触している。従って、主体金具50とカバー部材200との間の気密性を向上できる。
図2は、カバー部材200の取り付け方法の例を示す概略図である。カバー部材200の取り付けは、図2(A)〜図2(D)の順に進行する。まず、図2(A)に示すように、点火プラグ100のうちのカバー部材200を除いた残りの部分100xが製造される(組立体100xとも呼ぶ)。組立体100xの製造方法としては、公知の種々の方法を採用可能である。また、突出部210が形成される前のカバー部材に対応する筒部200xが準備される。筒部200xは、略円筒状の部材である。図2(A)、図2(B)に示すように、この筒部200xが、組立体100xの主体金具50の胴部52の外周側に、主体金具50の前方向Df側から、後方向Dfrに向かって、嵌め込まれる。
次に、図2(C)に示すように、筒部200xのうち、主体金具50の凹部310に対向する部分が、径方向の内周側に向かって加締められる。これにより、図2(D)に示すように、筒部200xに突出部210が形成されて、カバー部材200が形成される。そして、このカバー部材200の突出部210が凹部310に係合することにより、カバー部材200は、主体金具50に固定される。
図3は、内燃機関の取付孔と点火プラグ100との装着の例を示す概略図である。図中には、エンジンヘッド900に設けられた取付孔800の断面と、取付孔800に装着された点火プラグ100の外観と、ネジ部材700の外観および断面と、が示されている。図中の前方向Dfと後方向Dfrとは、取付孔800に装着された点火プラグ100の方向を示している。また、軸線CLは、取付孔800に装着された点火プラグ100の軸線CLを示している。図3の例では、取付孔800の中心軸は、点火プラグ100の中心軸CLと同じである。
取付孔800は、燃焼室910に接続された部分である第1部分810と、第1部分810の後方向Dfr側に設けられた第2部分820と、第2部分820の後方向Dfr側に設けられた第3部分830と、を有している。第1部分810の内径は、点火プラグ100のカバー部材200の外径とおおよそ同じである。第2部分820の内径は、第1部分810の内径よりも大きく、主体金具50の最大外径よりも大きい。第1部分810と第2部分820の間には、前方向Dfに向けて内径が小さくなる内面815(段部815とも呼ぶ)が形成されている。本実施例では、段部815は、軸線CLに略垂直な面を形成している。第2部分820の後方向Dfr側の端部には、雌ねじ840が形成されている。第3部分830の内径は、第2部分820の内径よりも大きい。
ネジ部材700は、取付孔800の雌ねじ840に対応する雄ねじ740と、雄ねじ740の後方向Dfr側に設けられた工具係合部710と、を有している。ネジ部材700には、軸線CLに沿って延びる貫通孔730が形成されている。この貫通孔730の内径は、点火プラグ100の絶縁体10のうち主体金具50よりも後方向Dfr側の部分の最大外径よりも、大きい。
点火プラグ100を取付孔800に装着する場合、まず、点火プラグ100のカバー部材200が、取付孔800の第1部分810に挿入される。そして、点火プラグ100のガスケット90は、主体金具50の鍔部54の前方向Df側の面と取付孔800の段部815との間に挟まれる。この状態で、ネジ部材700が、点火プラグ100の後方向Dfr側から、絶縁体10に嵌め込まれる(貫通孔730に絶縁体10が挿入される)。そして、図示を省略するが、ネジ部材700の雄ねじ740が取付孔800の雌ねじ840にねじ込まれる。ネジ部材700が雌ねじ840にねじ込まれることによって、ネジ部材700の前方向Df側の面750は、主体金具50(例えば、カシメ部53など)に接触し、そして、主体金具50を前方向Dfに押圧する。ガスケット90は、鍔部54と段部815との間で押し潰される。これにより、点火プラグ100とエンジンヘッド900との間の隙間が封止される。また、主体金具50の鍔部54が、ガスケット90を介して間接的に取付孔800の段部815に支持される(すなわち、鍔部54は、ガスケット90を介して、間接的に段部815に接触している)。これにより、点火プラグ100の前方向Dfの位置が決定される。そして、点火プラグ100の装着が完了する。
以上のように、本実施形態では、取付孔800と主体金具50との間には、カバー部材200が配置されている。カバー部材200は、主体金具50とは別の部材である。従って、主体金具50(ひいては、組立体100x(図2))の構成と比べて、カバー部材200の構成(例えば、内径、外径、形状など)は、点火プラグ100と取付孔800との間の気密性の向上に重点を置いて、決定され得る。例えば、カバー部材200の内径は、主体金具50(ここでは、胴部52)の外径とおおよそ同じに決定され得、カバー部材200の外径は、エンジンヘッド900の取付孔800の第1部分810の内径とおおよそ同じに決定され得る。この結果、主体金具50に、取付孔800に係合するためのネジ部が形成されていない場合であっても、点火プラグ100と取付孔800との間の気密性を向上できる。仮に、点火プラグ100と取付孔800との間の隙間に燃焼ガスが侵入すると、隙間にカーボンが付着し、点火プラグ100が取付孔800に固着する場合がある。本実施形態によれば、点火プラグ100の固着を抑制できる。
特に、本実施形態では、カバー部材200は、主体金具50の先端面55を含む先端部分の外周を覆っている(本実施形態では、胴部52のうちのカバー部材200に覆われる部分が、先端部分に対応する)。従って、主体金具50の先端面55を含む先端部分、すなわち、点火プラグ100のうちの燃焼室910に近い部分において、気密性が向上する、この結果、燃焼室910から点火プラグ100と取付孔800との間にガスが侵入することを抑制できる。
また、カバー部材200の外径は、取付孔800の第1部分810の内径と、おおよそ同じである。従って、カバー部材200の外周面は、全周に亘って、取付孔800の第1部分810の内周面に接触している。この結果、カバー部材200と取付孔800との間の気密性を向上できる。
また、カバー部材200の内径は、主体金具50の胴部52の外径と、おおよそ同じである。従って、主体金具50の先端面55を含む先端部分の外周面には、全周に亘って、カバー部材200の内周面が、接触している。この結果、主体金具50とカバー部材200との間の気密性を向上できる。
また、組立体100x(図2)には、外径の異なる複数種類のカバー部材200から任意に選択されたカバー部材200を取り付けることができる。このように、カバー部材200の外径を変更することによって、取付孔800の内径が異なる複数種類の内燃機関に、点火プラグ100を用いることができる。
なお、カバー部材200の材料としては、主体金具50の材料よりも柔らかい材料を用いることが好ましい。例えば、カバー部材200のビッカース硬度は、主体金具50のビッカース硬度よりも低いことが好ましい。この構成によれば、点火プラグ100を取付孔800に装着する際に、主体金具50ではなくカバー部材200が変形し得る。従って、主体金具50の破損(ひいては、点火プラグ100の破損)を抑制できる。また、カバー部材200の変形によって、カバー部材200と主体金具50との間の隙間と、カバー部材200と取付孔800との間の隙間とを、小さくできる。この結果、点火プラグ100と取付孔800との間の気密性を向上できる。カバー部材200のこのような材料としては、例えば、銅、銅を主成分として含む合金、ステンレス鋼などの金属を採用してよい。
また、図1に示すように、主体金具50の鍔部54の外径D54は、カバー部材200の外径D200よりも大きい。このような鍔部54は、カバー部材200よりも後方向Dfr側に位置している。図3の例のように、鍔部54を取付孔800の段部815に向かって押しつけることによって、鍔部54は、段部815によって支持される。この結果、取付孔800に対する点火プラグ100の軸線CLの方向の位置を適切に決めることができる。
また、図1、図3に示すように、カバー部材200と鍔部54との間には、環状のガスケット90が配置されている。従って、鍔部54と取付孔800の段部815との間がガスケット90でシールされるので、気密性を向上できる。また、ガスケット90の内径Di90(図1)は、カバー部材200の外径D200よりも小さい。従って、点火プラグ100を取付孔800に挿入する場合に、ガスケット90がカバー部材200を超えて落下することを防止できる。
また、主体金具50のうち、取付孔800の段部815に直接的または間接的に支持される部分(ここでは、鍔部54)よりも前方向Df側には、取付孔800にねじ込むためのネジ部(例えば、雄ねじ)は形成されていない。従って、エンジンヘッド900の燃焼室910内における、中心電極20に対する接地電極30の向き(特に、軸線CLに垂直な方向)を、内燃機関に適切な任意の方向に、設定できる。例えば、ネジ部材700を嵌め込む前に、点火プラグ100の工具係合部51に工具を係合させ、軸線CLを中心に工具を回動させることによって、点火プラグ100の向きを調整できる。また、点火プラグ100と取付孔800とのそれぞれの燃焼室910に近い部分にネジ部を形成せずに済むので、燃焼室910の近くにおいて、点火プラグ100と取付孔800との径を小さくできる。
A−2.第1評価試験:
図4は、第1評価試験の結果を示すグラフである。第1評価試験では、2種類のサンプルS1、S2が評価された。第1サンプルS1は、図1〜図3で説明した点火プラグ100のサンプルである。カバー部材200の材料は、銅であり、主体金具50の材料は、低炭素鋼であった。第2サンプルS2は、点火プラグ100のうち、カバー部材200が省略されて、代わりに、主体金具50の胴部52の外径がカバー部材200の外径と同じとなるように大径化された、参考例のサンプルである。第1評価試験では、これらのサンプルS1、S2を内燃機関に装着し、内燃機関を所定条件で運転した場合の接地電極30の温度が測定された。縦軸の温度Tgは、接地電極30の温度を示している。評価試験に用いられたサンプルS1、S2には、接地電極30の先端部34の内部に、温度センサとしての熱電対が埋め込まれている。接地電極30と主体金具50とには、熱電対に接続されたリード線が通るリード孔が形成されている(図示省略)。このリード孔は、接地電極30の先端部34の内部から、接地電極30の本体部37の内部(例えば、内層32に対応する部分)を通って主体金具50に至り、主体金具50の内部(外周面と内周面と間の部分)を通って、主体金具50の胴部52よりも後方向Dfr側の部分(例えば、鍔部54)の外周面に至る。図3のようにサンプルS1、S2が取付孔800に装着された状態で、熱電対のリード線は、リード孔を通じて、取付孔800の外に引き出される。そして、引き出されたリード線が、図示しない信号処理装置に接続され、信号処理装置によって、温度Tgが特定される。
内燃機関としては、直列4気筒、排気量1.3L、自然吸気の内燃機関が用いられた。内燃機関は、スロットル全開(WOT(Wide-Open Throttle)、回転速度=6000rpm、点火タイミング=26度BTDC、A/F=12.0という条件下で、運転された。
図示するように、第1サンプルS1の温度Tgは、摂氏840度であり、第2サンプルS2の温度Tg(摂氏860度)と比べて低かった。このように、第1サンプルS1が、第2サンプルS2と比べて、接地電極30の昇温を抑制できた理由は、以下のように推定される。カバー部材200の熱伝導率(ここでは、銅の熱伝導率)は、主体金具50の熱伝導率(ここでは、低炭素鋼の熱伝導率)よりも、高い。従って、第1サンプルS1のカバー部材200は、接地電極30や主体金具50から、エンジンヘッド900へ、容易に熱を逃がすことができる。この結果、接地電極30(ひいては、点火プラグ100)の昇温を抑制できる。一方、第2サンプルS2には、カバー部材200が設けられていないので、第1サンプルS1と比べて、接地電極30(ひいては、点火プラグ)の温度が高くなりやすい。
このように、カバー部材200の熱伝導率が主体金具50の熱伝導率と比べて高い場合には、点火プラグ100の温度が過剰に高くなることを、抑制できる。
B.第2実施形態:
B−1.点火プラグ100aの構成:
図5は、点火プラグの別の実施形態の構成を示す断面図である。図中には、点火プラグ100aの前方向Df側の一部分が示されている。図中において、絶縁体10と接地電極30とに関しては、内部構成の図示が省略されている。図1の点火プラグ100との差異は、図5の点火プラグ100aでは、カバー部材200aの先端面201が、主体金具50の先端面55よりも前方向Df側に位置している点だけである。点火プラグ100aの他の部分の構成は、点火プラグ100の対応する部分の構成と同じである(対応する要素と同じ要素には、同じ符号を付して、説明を省略する)。
図中の突出長さL1は、主体金具50の先端面55に対する、カバー部材200の先端面201の前方向Dfへの突出量、すなわち、主体金具50の先端面55よりも先端側に位置するカバー部材200aの長さ(換言すれば、カバー部材200aのうちの主体金具50の先端面55よりも先端側に位置する部分の軸線CLに平行な方向の長さ)を示している(以下、単に長さL1とも呼ぶ)。具体的には、長さL1は、先端面55、201の間の軸線CLに平行な方向の距離である。図5の実施形態では、この長さL1は、ゼロよりも大きい。このように、カバー部材200の先端面201は、主体金具50の先端面55を含む平面から離れていてもよい。なお、図1の実施形態では、長さL1はゼロである。
B−2.第2評価試験:
図6は、第2評価試験の結果を示すグラフである。第2評価試験では、長さL1と温度Tgとの関係が評価された。横軸は、長さL1を示し、縦軸は、温度Tgを示している。本評価試験では、長さL1が、ゼロ、1、2、3(mm)である4種類のサンプルが、評価された。L1=ゼロのサンプルは、図1の点火プラグ100のサンプルであり、図4の第1サンプルS1と同じである。L1=1、2、3(mm)のサンプルは、図5の点火プラグ100aのサンプルである。長さL1以外の構成は、4種類のサンプルの間で共通であった。第2評価試験では、第1評価試験と同じ条件下で内燃機関を運転した場合の接地電極30の温度Tgが測定された。
図示するように、L1=ゼロ、1、2、3(mm)のそれぞれに対応する温度Tgは、840、850、860、880(摂氏の温度)であった。このように、長さL1が小さいほど、温度Tgが低かった。この理由は、以下のように推定される。カバー部材200aのうちの主体金具50の先端面55よりも前方向Df側に突出した部分は、燃焼ガスに曝される。これにより、カバー部材200a、ひいては、接地電極30の温度が、高くなる。長さL1が小さいほど、カバー部材200aのうちの突出した部分、すなわち、燃焼ガスに曝される部分が、小さくなる。従って、長さL1が小さいほど、接地電極30の温度Tg(ひいては、点火プラグの温度)の上昇を抑制できる。例えば、長さL1は、3mm以下が好ましく、2mm以下が特に好ましく、1mm以下が更に好ましく、ゼロが最も好ましい。
なお、長さL1の変化量に対する温度Tgの変化量の割合(すなわち、傾き)に関しては、以下の通りである。すなわち、L1≦2mmの場合には、長さL1の1mmの増大によって、温度Tgが摂氏10度上昇した。L1が2mmから3mmに増大した場合には、温度Tgは、摂氏20度上昇した。このように、長さL1が2mmよりも長い場合と比べて、長さL1が2mm以下である場合には、長さL1に変化に対する温度Tgの上昇を抑制できた。従って、長さL1は、2mm以下であることが好ましい。
いずれの場合も、主体金具50の外周面が燃焼ガスに曝されることを抑制するためには、長さL1がゼロ以上であることが好ましい。また、突出長さL1が大きい場合には、カバー部材200aのうちの主体金具50の先端面55よりも前方向Df側に突出した部分が、燃焼室内のガスの流れに影響を与え得る。突出長さL1が小さいほど、この影響を緩和できる。
なお、カバー部材200、200aの材料としては、銅に代えて、主体金具50の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する種々の材料を採用可能である(例えば、ステンレス鋼等などの金属)。いずれの場合も、長さL1が上記の好ましい範囲内であれば、カバー部材200、200aが燃焼ガスから熱を受けることを抑制できるので、接地電極30、ひいては、点火プラグ100、100aの昇温を抑制できる。
C.第3実施形態:
図7は、点火プラグの別の実施形態の構成を示す断面図である。図中には、点火プラグ100bの前方向Df側の一部分が示されている。図1の実施形態との差異は、主体金具50bの先端部とカバー部材200bの先端部とのそれぞれの構成と、主体金具50bの凹部310bとカバー部材200bの突出部210bとの構成と、が変更されている点だけである。点火プラグ100bの他の部分の構成は、点火プラグ100の対応する部分の構成と同じである(対応する要素と同じ要素には、同じ符号を付して、説明を省略する)。
点火プラグ100bの主体金具50bは、主体金具50bの先端55b(ここでは、先端面55b)から後方向Dfr側に向かって外径が徐々に大きくなる第1拡径部320bを有している。カバー部材200bは、後方向Dfr側に向かって内径が徐々に大きくなる第2拡径部220bを有している。これらの部分220b、320bは、軸線CLに平行な方向の位置の変化に応じて径が徐々に変化するテーパ状の部分である。また、カバー部材200bの突出部210bの軸線CLに平行な方向の長さL2は、主体金具50bの凹部310bの軸線CLに平行な方向の長さL3よりも、短い。これにより、カバー部材200bは、突出部210bが凹部310bに嵌め込まれた状態で、主体金具50bに対して、軸線CLに平行に、移動可能である。
図7(A)中の突出部210bの後方向Dfr側の面212bは、前方向Dfに向かって内径が小さくなる面である。また、凹部310bの後方向Dfr側の面312bは、前方向Dfに向かって外径が小さくなる面である。図7(A)の例では、突出部210bの面212bは、凹部310bの面312bから前方向Df側に離れた位置に位置している。この状態で、カバー部材200bの第2拡径部220bは、主体金具50bの第1拡径部320bから前方向Df側に離れた位置に位置している。本実施形態では、カバー部材200bは、突出部210bの面212bが凹部310bの面312bに接触する状態で、カバー部材200bの第2拡径部220bが主体金具50bの第1拡径部320bに接触するように、構成されている。
図7(B)は、点火プラグ100bがエンジンヘッド900の取付孔800に装着された状態を示している。上述したように、点火プラグ100bが取付孔800に装着される場合、カバー部材200bは、取付孔800の第1部分810に挿入され、そして、主体金具50bは、前方向Dfに押される。ここで、カバー部材200bの外径は、第1部分810の内径とおおよそ同じである。従って、カバー部材200bが第1部分810に支持された状態で、主体金具50bが、前方向Dfに押される。これにより、主体金具50bは、カバー部材200bに対して、前方向Dfに移動する。そして、主体金具50bの凹部310bの面312bは、カバー部材200bの突出部210bの面212bに押しつけられる。また、主体金具50bの第1拡径部320bは、カバー部材200bの第2拡径部220bに押しつけられる。この状態で、さらに、主体金具50bが前方向Dfに押されることによって、点火プラグ100bは、取付孔800内の所定の位置に配置される。
このように、本実施形態では、突出部210bは、凹部310b内で、軸線CLに平行に移動可能である。カバー部材200bは、突出部210bが凹部310b内で移動可能な範囲内で、主体金具50bに対して軸線CLに平行に移動可能である。また、環状の突出部210bが環状の凹部310b内に嵌め込まれているので、カバー部材200bを主体金具50bから取り外すことはできない。このように、カバー部材200bは、主体金具50bに対して移動可能な状態で主体金具50bに取り付けられている。また、図7(B)で説明したように、主体金具50bがカバー部材200bに対して前方向Dfに移動することによって、第2拡径部220bが第1拡径部320bに接触する。このように、カバー部材200bは、第2拡径部220bが第1拡径部320bに接触可能な状態で、主体金具50bに取り付けられている。
また、第2拡径部220bが第1拡径部320bに接触することによって、カバー部材200bと主体金具50bとの間の気密性を向上できる。また、本実施形態では、第2拡径部220bが第1拡径部320bに接触する状態で、さらに、カバー部材200bの突出部210bの面212bが、主体金具50bの凹部310bの面312bに接触する。これにより、カバー部材200bと主体金具50bとの間の気密性を更に向上できる。
また、第1拡径部320bと第2拡径部220bとの接触は、カバー部材200bに対して主体金具50bが前方向Dfに移動することによって、実現される。点火プラグ100bを取付孔800に装着する場合には、カバー部材200bが取付孔800に支持された状態で、主体金具50bが前方向Dfに押される。従って、点火プラグ100bを取付孔800に装着することによって、主体金具50bの第1拡径部320bを、容易に、カバー部材200bの第2拡径部220bに接触させることができる。さらに、本実施形態では、主体金具50bの面312bを、カバー部材200bの面212bに接触させることができる。
D.他の実施形態:
図8は、点火プラグの他の実施形態を示す概略図である。図8(A)には、点火プラグ100cの外観が示されている。図1の点火プラグ100との差異は、カバー部材200cの突出部210と主体金具50cの凹部310とが、図1の突出部210と凹部310とよりも前方向Df側に配置されている点と、カバー部材200cの後方向Dfr側の端230cが、図1のカバー部材200の後方向Dfr側の端230よりも前方向Df側に配置されている点と、だけである。点火プラグ100cの他の部分の構成は、点火プラグ100の対応する部分の構成と同じである。図8(A)の実施形態では、主体金具50cの胴部52cのうちの後方向Dfr側の略半分の部分は、カバー部材200cに覆われずに、露出している。このように、カバー部材200cの軸線CLの方向の長さとしては、種々の長さを採用可能である。
図8(B)には、他の実施形態の点火プラグ100dの外観が示されている。図1の点火プラグ100との差異は、カバー部材200dと主体金具50dの胴部52dとに、2組の突出部210と凹部310とが設けられている点だけである。点火プラグ100dの他の部分の構成は、点火プラグ100の対応する部分の構成と同じである。このように、突出部210と凹部310との総数は、2以上であってもよい。ここで、突出部210の内周面が、対応する凹部310の外周面に接触する場合、突出部210と凹部310との総数が多いほど、主体金具とカバー部材との間の気密性を向上できる。
図8(C)、図8(D)には、他の実施形態のカバー部材200eが示されている
図8(C)は、カバー部材200eの外観を示し、図8(D)は、カバー部材200eの軸線CLを含む平らな断面を示している。図中には、突出部210が形成される前の状態が、示されている。図1のカバー部材200との差異は、図1のカバー部材200と同じ部分である筒部250と、ガスケット90とが、一体化されている点だけである。ガスケット90は、例えば、溶接によって、筒部250に接合される。このように、ガスケット90が筒部250と一体化されているので、点火プラグからガスケット90が落下することを防止できる。なお、カバー部材200eは、上記のカバー部材200、200a、200b、200c、200dの代わりに、利用可能である。
E.変形例:
(1)カバー部材の構成としては、上記の各実施形態の構成に代えて、他の種々の構成を採用可能である。例えば、図7の実施形態で、第2拡径部220bが第1拡径部320bに接触した状態で、突出部210bの面212bが、凹部310の面312bから離れていてもよい。また、突出部210bの長さL2が、凹部310bの長さL3と同じであってもよい。すなわち、第2拡径部220bが第1拡径部320bに接触し、かつ、主体金具50bに対してカバー部材200bが移動できない状態で、主体金具50bにカバー部材200bが固定されていてもよい。また、カバー部材200bの先端面201bは、主体金具50bの先端面55bよりも、前方向Df側に位置していてもよい。また、第1拡径部320bによって形成される外周面と、第2拡径部220bによって形成される内周面と、の間で、軸線CLに対する傾斜の角度が異なっていてもよい。すなわち、第1拡径部320bによって形成される外周面が、第2拡径部220bによって形成される内周面に対して、平行ではなく斜めに傾斜していてもよい。また、第1拡径部320bと第2拡径部220bとの少なくとも一方は、軸線CLに対して斜めに傾斜する面を形成する代わりに、軸線CLに略垂直な面を形成してもよい。一般的には、第1拡径部320bの構成としては、第1拡径部320bによって形成される外周面を後方向Dfrに向かって辿る場合に外径が大きくなる種々の構成を採用可能である。また、第2拡径部220bの構成としては、第2拡径部220bによって形成される内周面を後方向Dfrに向かって辿る場合に内径が大きくなる種々の構成を採用可能である。また、図1、図5、図8(A)〜図8(D)の各実施形態に、第1拡径部320bと第2拡径部220bとを適用してもよい。
また、内燃機関の取付孔に、後方向Dfrに向けて内径が大きくなる拡内径部が設けられてもよい(図示省略)。そして、カバー部材に、後方向Dfrに向けて外径が大きくなる拡外径部が設けられてもよい(図示省略)。そして、拡外径部が拡内径部に接触するように、点火プラグが取付孔に装着されてもよい。
いずれの場合も、カバー部材の先端面(例えば、カバー部材200、200a〜200eの先端面201、201b〜201e)の前方向Dfの第1位置は、主体金具の先端面(例えば、主体金具50、50b〜50dの先端面55、55b〜55d)の前方向Dfの第2位置と同じ、あるいは、第2位置よりも前方向Df側に位置してよい。ここで、図6で説明したように、突出長さL1は、上記の好ましい範囲内であることが好ましい。図7の実施形態のように主体金具に対してカバー部材が移動可能である場合、点火プラグを内燃機関の取付孔に装着した状態での突出長さL1(例えば、第2拡径部220bが第1拡径部320bに接触した状態での突出長さL1)が、上記の好ましい範囲内であることが好ましい。例えば、突出長さL1が2mm以下であることが好ましい。
また、上記の各実施形態では、カバー部材から突出部を除いた残りの部分の内周面のうちの主体金具の外周面と対向する部分の全体が、主体金具の外周面に接触している。これに代えて、カバー部材から突出部を除いた残りの部分の内周面のうちの主体金具の外周面と対向する部分の一部のみが、主体金具の外周面に接触し、カバー部材の内周面の残りの部分は、主体金具の外周面から離れていてもよい。いずれの場合も、カバー部材の内周面のうち主体金具の外周面に接触する部分(接触部分と呼ぶ)は、軸線CLを囲む環状の部分を含むことが好ましい。この構成によれば、燃焼室内のガスが、カバー部材と主体金具との間を通ってカバー部材の後方向Dfr側へ移動することを抑制できる。また、カバー部材の内周面のうちの接触部分は、主体金具の外周面のうち主体金具の先端面に接続された環状の先端部分を含むことが好ましい。この構成によれば、燃焼室内のガスが、カバー部材と主体金具との間に侵入することを抑制できる。
(2)カバー部材の材料としては、上記の材料に代えて、他の種々の材料を採用可能である。例えば、ニッケル合金などの種々の金属を採用してもよい。一般的には、カバー部材のビッカース硬度が主体金具のビッカース硬度よりも低くなるような材料を採用することが好ましい。また、カバー部材の熱伝導率が主体金具の熱伝導率よりも高くなるような材料を採用することが好ましい。ただし、カバー部材の熱伝導率が、主体金具の熱伝導率以下であってもよい。また、カバー部材のビッカース硬度が、主体金具のビッカース硬度以上であってもよい。
(3)カバー部材を主体金具に取り付けるための構成としては、カバー部材の突出部(例えば、図1のカバー部材200の突出部210)と、主体金具の凹部(例えば、図1の主体金具50の凹部310)と、を含む構成に代えて、種々の構成を採用可能である。例えば、突出部と凹部とが省略され、カバー部材が、主体金具に溶接されてもよい。
(4)主体金具のうちのカバー部材よりも後方向Dfr側に位置するとともにカバー部材の最大外径よりも大きな外径を有する大径部(例えば、図1の主体金具50の鍔部54)と、カバー部材200との間には、シール部材が配置されることが好ましい。シール部材としては、折り曲がった板状部材であるガスケット90(図1)に代えて、主体金具の大径部と取付孔の段部(例えば、図3の取付孔800の段部815)との間をシール可能な任意の環状の部材を採用可能である。例えば、環状の平板で構成されたシール部材を採用してもよい。いずれの場合も、シール部材の内径が、カバー部材の最大外径(例えば、図1の外径D200)未満であることが好ましい。ただし、シール部材の内径が、カバー部材の最大外径以上であってもよい。また、このようなシール部材が省略されてもよい。この場合、主体金具の大径部が直接的に取付孔の段部に接触してもよい。例えば、図3の鍔部54が、直接的に、段部815に接触してもよい。また、主体金具から大径部が省略されてもよい。すなわち、主体金具の最大外径が、カバー部材の最大外径以下であってもよい。
(5)点火プラグの構成としては、図1等で説明した構成に代えて、他の種々の構成を採用可能である。例えば、中心電極の側面(軸線CLに垂直な方向側の面)と、接地電極とが、放電用のギャップを形成してもよい。また、放電用のギャップの総数が2以上であってもよい。また、中心電極20と端子金具40との間には、磁性体が配置されてもよい。また、抵抗体74が省略されてもよい。
(6)点火プラグを取付孔に取り付けるための構成としては、図3に示す構成に代えて、他の任意の構成を採用可能である。例えば、ネジ部材700の代わりに、エンジンヘッド900の取付孔800の外に固定される固定部材(図示せず)が、点火プラグの主体金具を前方向Dfに向けて押圧してもよい。一般的には、内燃機関のうち取付孔を形成する部材(例えば、エンジンヘッド900)に固定された固定部材が主体金具を前方向Dfに向かって支持するような種々の構成を採用してよい。いずれの場合も、内燃機関の取付孔に対する点火プラグの前方向Dfの位置を決めるための構成としては、取付孔の段部が主体金具の大径部を直接的または間接的に支持する構成に代えて、他の任意の構成を採用可能である。例えば、カバー部材に後方向Dfrに向けて外径が大きくなる拡外径部を設け、取付孔に後方向Dfrに向けて内径が大きくなる拡内径部を設けてもよい。そして、拡外径部が拡内径部に接触することによって、取付孔に対する点火プラグの前方向Dfの位置が決められてもよい。
以上、実施形態、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
8...先端側パッキン、10...絶縁体、10q...開口、11...縮内径部、12...貫通孔(軸孔)、13...後端側胴部、14...大径部、15...先端側胴部、16...縮外径部、19...脚部、20...中心電極、21...外層、22...芯部、24...頭部、27...軸部、29...第1チップ、30...接地電極、31...外層、32...内層、33...基端部、34...先端部、37...本体部、39...第2チップ、40...端子金具、50、50b、50c、50d...主体金具、51...工具係合部、52、52c、52d...胴部、53...カシメ部、54...鍔部、55...先端面、55b...先端面(先端)、56...縮内径部、58...座屈部、59...貫通孔、61...リング部材、70...タルク、72...第1シール部、74...抵抗体、76...第2シール部、90...ガスケット、100、100a、100b、100c、100d...点火プラグ、100x...組立体、200、200a、200b、200c、200d、200e...カバー部材、200x...筒部、201、201b...先端面、210、210b...突出部、212b...面、220b...第2拡径部、230、230c...端、250...筒部、310、310b...凹部、312b...面、320b...第1拡径部、700...ネジ部材、710...工具係合部、730...貫通孔、750...面、800...取付孔、810...第1部分、815...段部、815...内面、820...第2部分、830...第3部分、900...エンジンヘッド、910...燃焼室、g...ギャップ、D200...外径、Di90...内径、D54...外径、L1...突出距離、CL...中心軸(軸線)、Df...先端方向(前方向)、Tg...温度、Dfr...後端方向(後方向)

Claims (4)

  1. 軸線の方向に延びる軸孔を有する筒状の絶縁体と、
    前記絶縁体の外周に配置される主体金具と、
    を備える点火プラグであって、
    前記主体金具の外周側に取り付けられ、前記主体金具の先端面を含む先端部分の外周を覆う筒状のカバー部材を備え、
    前記カバー部材は、金属材料で形成されており、
    前記カバー部材のビッカース硬度は、前記主体金具のビッカース硬度よりも低
    前記軸線の方向において、前記カバー部材のうち前記主体金具の前記先端面よりも先端側に位置する部分の長さは、2mm以下である、
    点火プラグ。
  2. 請求項に記載の点火プラグであって、
    前記主体金具は、前記カバー部材よりも後端側に位置するとともに前記カバー部材の最大外径よりも大きな外径を有する大径部を有する、点火プラグ。
  3. 請求項に記載の点火プラグであって、
    前記カバー部材と前記大径部との間に配置された環状のシール部材を備え、
    前記シール部材の内径は、前記カバー部材の最大外径よりも小さい、
    点火プラグ。
  4. 請求項1からのいずれかに記載の点火プラグであって、
    前記主体金具は、前記主体金具の先端から後端側に向かって外径が大きくなる第1拡径部を有し、
    前記カバー部材は、後端側に向かって内径が大きくなる第2拡径部を有し、
    前記カバー部材は、前記第2拡径部が前記第1拡径部に接触可能な状態で、前記主体金具に取り付けられている、
    点火プラグ。
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