JP6570220B2 - 飛灰の処理装置および処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、飛灰の処理装置および処理方法に関するものであり、特に、廃棄物処理において、廃棄物中に含まれるアルカリ土類金属成分やセシウムの除去処理を含む飛灰の処理装置および処理方法に関する。
各種燃料、廃棄物、汚泥などの焼却灰、焼却飛灰、溶融飛灰などには、有害な重金属が含まれている場合があり、こうした有害物質を含む飛灰をそのまま埋め立て処理することは、環境上好ましいものではなく、埋め立てる場合でも、無害化処理して行うことが要求される。具体的には、放射性セシウムの場合、その濃度が8,000Bq/kg以下であれば通常の管理型埋立処分場にて埋立処分することができる。しかしながら、放射性セシウム等に汚染された廃棄物を焼却すると、放射性セシウムが焼却主灰や焼却飛灰に濃縮されることから、焼却灰、特に焼却飛灰中の放射性セシウム濃度は8,000Bq/kgを超えることが多い。また、社会的要求から8,000Bq/kgを下回る焼却灰でも埋立処分することが難しい場合も多い。こうした廃棄物の無害化は、大きな社会的な要求となっている。
焼却飛灰中の放射性セシウムの多くは、塩化セシウムなどの水に可溶な形態で存在している。したがって、焼却飛灰を水洗し、固液分離することによって液相に放射性セシウムを移行させることで焼却飛灰中のセシウムを取り出すことができることは知られている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、その抽出された液相の処分が課題となり、特に抽出に必要とされる水の容量は焼却飛灰に比べて非常に大きいことから、セシウムの選択的な除去方法や濃縮技術が課題となり、多くの研究・実用化が図られてきた。
例えば、特許文献2には、放射性セシウムの分離法として、以下の方法が挙げられているが、いずれも個別に課題を有している(段落0005〜0010)。
(i)リン酸モリブデン酸アンモニウムを担持した無機イオン交換体を用いてセシウムを分離する方法
(ii)硝酸含有水溶液中のセシウムを不溶性のフェロシアン化物系吸着剤を用いて分離する方法
(iii)ポリ(ヒドロキシアリーレン)ポリマー樹脂を用いた他のアルカリ金属を含む産業流出液からセシウムを分離する方法
(v)モルデナイトと含水チタン酸の混合無機イオン交換体、またはゼオライトやアンチモン酸などの無機イオン交換体などを用いてセシウムを吸着分離する吸着分離法
(vi)コバルトジカルボリド(CCD)を極性の高いニトロベンゼンに溶解した有機溶媒を用いる溶媒抽出方法
また、上記のようにセシウムを選択的に吸着することができる吸着剤を用い、カルシウム等アルカリ土類金属成分が含まれた飛灰を処理した場合、吸着剤にカルシウム等のスケールの付着や沈着により吸着サイトが減少し、吸着性能が低下してしまう現象があった。また、処理ラインに沈積して処理プロセスの妨害、流路の閉塞、誤作動などを引き起こす原因となり、さらに飛灰から抽出処理後の塩類等に不純物として混在する、等の課題があった。例えば、弁類、計装類、タンク、膜装置、吸着設備などの機器に炭酸カルシウム等の形態で付着した場合が該当する。
さらに、廃棄物には、セシウムやカルシウム等以外にもカリウムやナトリウム等の金属元素が含まれており、これらを有価な塩類として取り出すことは資源の活用からも要請されている。一方、こうした塩類を含む洗浄排水の処理として、これを従前の方法で蒸発乾固して回収する場合には、蒸発乾固する工程で大量の水分を蒸発処理しなければならないため、水の潜熱以上の大量のエネルギーを必要とした。
特開平10−213697号公報 特開2009−133707号公報
そこで、本発明の目的は、これら焼却飛灰等の廃棄物の処理において、処理プロセスの妨害となるアルカリ土類金属成分等の処理ラインでの沈積を防止し、放射性セシウムを選択的にかつ効率的に分離し、濃縮・回収するとともに、再利用可能な分離手段を用いることによって、放射性セシウムを含む2次的に発生する排出物を低減することができる飛灰の処理装置および処理方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、以下に示す飛灰の処理装置および処理方法によって、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
本発明に係る飛灰の処理装置は、
粉状または細砕された飛灰が洗浄水および処理剤とともに導入され、撹拌・洗浄処理が行われる洗浄槽と、
該洗浄槽から供出された洗浄処理液が固液分離され、分離された水溶性のセシウム化合物を含む液体成分が供出される液体供出部と、を有する固液分離装置と、
を有する固液分離装置と、
導入された前記液体成分中のセシウムが選択的に吸着される吸着剤が充填され、吸着処理された液体成分が吸着処理液として回収される吸着処理液回収部と、を有する吸着部と、を備え、
前記処理剤として、前記飛灰中のアルカリ土類金属成分と反応し、非水溶性化合物を形成する無機酸または無機塩類が用いられ、前記吸着剤として、アルカリ処理された中性またはアルカリ性の状態でセシウムに対する選択的吸着特性を有し、酸処理された状態で該吸着物に対する選択的脱離特性を有し、該アルカリ処理および酸処理によって再生可能な包接化合物を用いられることを特徴とする。
ここで、前記吸着処理液回収部から供出された吸着処理液の蒸発・乾燥処理が行われるヒートポンプ式乾燥装置が備えられ、該ヒートポンプ式乾燥装置が、前記液体成分が導入される1次熱交換部と、該1次熱交換部の下流側に設けられた2次熱交換部と、圧縮機と、前記2次熱交換部の吸熱側を減圧する減圧手段と、を備え、
前記2次熱交換部の吸熱側で高温・減圧条件下で前記液体成分の蒸発・乾燥処理が行われ、前記圧縮機によって前記2次熱交換部の吸熱側において前記液体成分の一部から作成された蒸気成分が断熱圧縮され再度2次熱交換部の放熱側に導入されることが好適である。
また、本発明は、飛灰の処理方法であって、
粉状または細砕された飛灰が、洗浄水および無機酸または無機塩類系の処理剤とともに導入され、混合・撹拌され、洗浄処理とともに、該処理剤と前記飛灰中のアルカリ土類金属成分との反応によって非水溶性化合物が形成される洗浄工程と、
洗浄された洗浄処理液が固液分離され、分離された固体成分が回収され、分離水溶性のセシウム化合物を含む液体成分が供出される固液分離工程と、
前記液体成分中のセシウムが、吸着剤として、アルカリ処理された中性またはアルカリ性の状態でセシウムに対する選択的吸着特性を有し、酸処理された状態で該吸着物に対する選択的脱離特性を有し、該アルカリ処理および酸処理によって再生可能な包接化合物を用いて選択的に吸着され、吸着処理された液体成分が吸着処理液として回収される吸着処理工程と、を有することを特徴とする。
廃棄物に含まれるセシウムの除去システムにおいては、上記のように選択的にセシウムを除去する機能を維持することや、除去処理に伴い発生する2次的な除害処理を必要とする排出物を如何に少なくするかが重要な課題である。と同時に、該吸着剤は、廃棄物中に含まれるカルシウム等アルカリ土類金属成分から発生するスケールによって吸着能が低下することから、該アルカリ土類金属成分の除去を如何に効率的に行うとともに、後段での吸着処理への影響を少なく行うかが重要な課題である。本発明は、吸着処理の前段において、セシウム化合物の水溶性を利用するとともに、こうしたアルカリ土類金属成分を無機酸または無機塩類系の処理剤を用いて洗浄処理を行い、非水溶性化合物として回収することによって、高い吸着能および高い選択性を確保することを可能とした。これによって、処理プロセスの妨害となるアルカリ土類金属成分等の処理ラインでの沈積を防止し、放射性セシウムを選択的にかつ効率的に分離し、濃縮・回収するとともに、再利用可能な分離手段を用いることによって、放射性セシウムを含む2次的に発生する排出物を低減することができる飛灰の処理装置および処理方法を提供することが可能となった。
本発明は、上記飛灰の処理装置であって、ヒートポンプ式乾燥装置が備えられ、前記吸着処理液回収部から供出された吸着処理液の蒸発・乾燥処理が行われ、該吸着処理液中の溶解成分が塩類として回収される塩類等回収部と、蒸発成分が凝縮処理され凝縮水として回収される水分等回収部と、を有する蒸発乾固装置を備えることを特徴とする。
また、本発明は、飛灰の処理方法であって、回収された前記吸着処理液の一部または全てが、ヒートポンプ式乾燥装置によって蒸発乾固処理され、該吸着処理液中の溶解成分が塩類として回収され、蒸発成分が凝縮処理され凝縮水として回収される蒸発乾固処理工程と、を有することを特徴とする。
廃棄物には、セシウムやカルシウム等以外にもカリウムやナトリウム等の金属元素が含まれており、上記処理によって得られた吸着処理液中には、水溶性のカリウムやナトリウム等の化合物が含まれる。本発明は、吸着処理液に対して蒸発乾固処理を行うことによって、こうした金属元素成分を塩類として回収し有価物として再利用を図るものであり、蒸発乾固処理としてヒートポンプ式乾燥装置を用いることによって、従来にない効率的かつより低エネルギーの、不純物の除去および有用な塩類等の回収を図ることが可能となった。
本発明は、上記飛灰の処理装置であって、前記吸着剤として、アルカリ処理された中性またはアルカリ性の状態でセシウムに対する選択的吸着特性を有し、酸処理された状態で該吸着物に対する選択的脱離特性を有し、該アルカリ処理および酸処理によって再生可能な包接化合物を用いるとともに、
前記吸着部に、吸着されたセシウムを溶離する溶離液が導入される溶離液導入部が設けられ、該溶離液として酸が用いられることを特徴とする。
また、本発明は、上記飛灰の処理方法であって、前記吸着処理工程において、吸着剤として、アルカリ処理された中性またはアルカリ性の状態でセシウムに対する選択的吸着特性を有し、酸処理された状態で該吸着物に対する選択的脱離特性を有し、該アルカリ処理および酸処理によって再生可能な包接化合物を用いるとともに、
前記吸着剤が、予めアルカリ処理液によって該吸着剤をアルカリ処理され、中性またはアルカリ性の状態にされるアルカリ処理工程と、
前記吸着工程後において、吸着されたセシウムに対して選択的に溶離するように、溶離液によって吸着剤が酸処理され、該吸着剤から溶離処理されたセシウムを含む溶離処理液が供出される溶離処理工程と、
を有することを特徴とする。
廃棄物に含まれるセシウムの除去システムにおいては、上記のように選択的にセシウムを除去する手段と、除去処理に伴い発生する2次的な除害処理を必要とする排出物を如何に少なくするかが重要な課題である。本発明者は、種々の吸着剤を検証した結果、前処理として、後述するように、クラウンエーテル化合物等の包接化合物をアルカリ処理された中性またはアルカリ性の状態とすることによって、非常に高いセシウムに対する選択的吸着特性を有する吸着剤として使用できることを見出した。と同時に、該吸着剤は、酸処理された状態とすることによって、非常に高いセシウムに対する選択的脱離特性を有するとともに、アルカリ処理−酸処理を複数回繰り返しても吸着−溶離特性に変化がないことを見出した。本発明は、こうした知見を基に、吸着剤として包接化合物が充填された吸着部を用い、バッチ的に前処理−吸着処理−溶離処理を行うことができる構成によって、セシウムを選択的に分離し、濃縮・回収するとともに、再利用可能な分離手段を用いることによって、セシウムを含む2次的に発生する排出物を低減するセシウムの除去システムおよび除去方法を提供することを可能とした。ここでいう「包接化合物」とは、クラウンエーテル化合物や結晶状シリコチタネート系化合物等、後述するようなセシウムに対して包接することができるいくつかの化合物であり、アルカリ処理された中性またはアルカリ性の状態でセシウムに対する選択的吸着特性を有し、酸処理された状態で該吸着物に対する選択的脱離特性を有し、該アルカリ処理および酸処理によって再生可能な化合物に規定される。なお、ここでいう「中性」とは、狭義のpH7の状態をいうものではなく、広くpH7±1程度の「中性領域」をいう。
また、ここで、前記処理剤として、前記液体成分が塩基性水溶液を形成する無機塩類が用いられることが好ましい。
上記のような包接化合物を用いた吸着処理においては、アルカリまたは中和条件下で行われることが好ましく、予め前処理としてアルカリ処理を行うことが好ましい。一方、固液分離装置で分離された液体成分中には、洗浄槽から供出された洗浄処理液に含まれる処理剤を構成する成分が含まれる。このとき、処理剤として、例えばNaCOのように該液体成分が塩基性水溶液を形成する無機塩類を用いた場合には、前処理を行わずにアルカリまたは中和条件下で吸着処理を行うことが可能となる。従って、新たな試剤を必要とせずに吸着処理を行うことが可能となる。
本発明は、上記飛灰の処理装置であって、前記吸着処理液の一部または全てが洗浄水として前記洗浄槽に導入される第1帰還流路、または/および前記水分等回収部から回収された凝縮水の一部または全てが洗浄水として前記洗浄槽に導入される第2帰還流路、または/および前記吸着部から供出された溶離処理液の一部または全てが再度前記吸着部に導入される第3帰還流路、を有することを特徴とする。
上記のように、セシウムの除去システムにおいては、セシウム化合物の水溶性を利用することが効果的であり、洗浄水や処理液が利用される。こうした溶液は、各処理によって、非常に清浄あるいは各処理における妨害成分が除去された溶液を構成する。また、セシウムの抽出に必要な溶離処理は、その処理を繰り返すほど抽出効率を上げることができる。本発明は、こうした処理済の溶液を再利用することによって、新たにシステムに供給すべき洗浄水や処理液の低減を図り、エネルギーや物質収支に関してシステム全体の高効率化を図ることが可能となる。また、特に、放射性物質の取り扱いおいては、極力処理系を閉ループとすることによって、より安全な処理機能を確保し、システムの安全操業を維持することができる。
本発明は、上記飛灰の処理装置であって、前記ヒートポンプ式蒸発乾固装置が、前記液体成分が導入される1次熱交換部と、該1次熱交換部の下流側に設けられ高温・減圧条件下で前記液体成分の蒸発・乾燥処理が行われる2次熱交換部と、該2次熱交換部の吸熱側において前記液体成分の一部から作成された蒸気成分を断熱圧縮し再度2次熱交換部の放熱側に導入する圧縮機と、前記2次熱交換部の吸熱側を減圧する減圧手段と、を備え、
前記2次熱交換部の放熱側から供出された圧縮蒸気が、前記1次熱交換部において前記液体成分と熱交換して凝縮されて凝縮水として取り出され、前記2次熱交換部の吸熱側において、前記液体成分中の溶解成分が塩類として乾燥固化され固化塩として回収されることを特徴とする。
また、本発明は、上記飛灰の処理方法であって、前記蒸発乾固処理工程を有するとともに、該ヒートポンプ式乾燥装置において、高温・減圧条件下での前記液体成分の蒸発・乾燥処理が行われる熱交換処理工程と、該熱交換処理の吸熱側において前記液体成分の一部から作成された蒸気成分を断熱圧縮し再度前記熱交換処理の放熱側に導入する圧縮工程と、を有し、前記ヒートポンプ式乾燥装置のヒートポンプの熱媒体として前記吸着処理液中の蒸発成分が用いられることを特徴とする。
既述のように、飛灰中の塩類等を回収するためは、蒸発・乾燥処理に大量のエネルギーを必要とするとの課題があった。本発明は、これをエネルギー効率の高いヒートポンプ式乾燥装置を用いることによって低エネルギーの塩類等の回収を図るとともに、さらに、従前の密閉された流路を循環する熱媒体による熱交換方式を用いた閉鎖系のヒートポンプ式乾燥装置に代えて、いわば開放系のヒートポンプ式乾燥装置を用いることによって、さらにエネルギー効率の高い蒸発・乾燥機能を確保した。つまり、循環する熱媒体の閉ループを有しない構成であって、2次熱交換部において蒸発・乾燥処理が行われた液体成分からの蒸気成分を圧縮し、高温の熱媒体として2次熱交換部の放熱側に還流させて吸熱側の液体成分と熱交換させ、1次熱交換部においてさらに低温化した蒸気成分を凝縮水として取り出すとともに、1次熱交換部を介して2次熱交換部の吸熱側に導入された液体成分を乾燥固化させ、塩類を固化塩として回収する、という2つの流通系の間での2段階の熱交換処理機能を有する構成によって、著しいエネルギー効率の向上を図ることが可能となった。
本発明に係る飛灰の処理装置の基本構成を例示する全体構成図。 本発明に係る飛灰の処理装置の第2構成例を示す全体構成図。 本発明に係るヒートポンプ式乾燥装置の構成を例示す構成図。 本発明に係る飛灰の処理装置の第3構成例を示す全体構成図。 本発明に係る飛灰の処理装置に第4構成例を示す全体構成図。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本発明に係る飛灰の処理装置(以下「本装置」という)は、粉状または細砕された飛灰,洗浄水および処理剤が導入され、撹拌・洗浄処理が行われる洗浄槽と、該洗浄槽から供出された洗浄処理液が固液分離され、分離された固体成分が回収される固体回収部と、分離された液体成分が供出される液体供出部と、を有する固液分離装置と、導入された前記液体成分中のセシウムが選択的に吸着される吸着剤が充填され、吸着処理された液体成分が吸着処理液として回収される吸着処理液回収部と、を有する吸着部と、を備え、前記処理剤として、前記飛灰中のアルカリ土類金属成分と反応し、非水溶性化合物を形成する無機酸または無機塩類が用いられることを特徴とする。こうした構成によって、処理プロセスの妨害となるアルカリ土類金属成分等の処理ラインでの沈積を防止し、放射性セシウムを選択的にかつ効率的に分離し、濃縮・回収するとともに、再利用可能な分離手段を用いることによって、放射性セシウムを含む2次的に発生する排出物を低減することが可能となった。
<本装置の構成例>
本装置の実施態様として、基本的な概略全体構成を、図1に示す(第1構成例)。本装置において、処理対象となる飛灰1は、処理剤2および洗浄水3とともに、洗浄槽4に導入される。洗浄槽4では、処理剤2(例えば炭酸ナトリウム)と飛灰中のアルカリ土類金属(例えばカルシウム)成分との反応によって非水溶性化合物(例えば炭酸カルシウム)が生成する。生成した非水溶性化合物,飛灰1中の他の成分および処理剤2の一部は、洗浄処理液4aとして洗浄槽4から供出され、固液分離装置5に導入される。固液分離装置5において、非水溶性成分と非水溶性化合物の大半が固体成分5aとして分離され、固体回収部6を介して回収される。回収された固体成分5aは、乾燥された後乾燥ケーキ6aとして取り出され、セメント原料等に用いられる。固液分離装置5において分離された液体成分5bは、必要に応じて、液体供出部(図示せず)を介して第1貯留槽7に導入され、一時的あるいは所定期間貯留される。貯留された液体成分7a(5b)は、吸着部8に導入され、吸着部8に充填された吸着剤81によってセシウムが選択的に吸着される。吸着処理された吸着処理液8aは、第2貯留槽9に導入され、一時的あるいは所定期間貯留された後、水溶性の塩類等を含む吸着処理液9a(8a)として再利用あるいは排水として処理される。
〔飛灰〕
処理対象となる飛灰1は、建築廃材等を含む各種産業廃棄物、汚泥などの焼却灰、焼却飛灰、溶融飛灰など、セシウムおよびカルシウム等アルカリ土類金属成分が含まれる可能性のある種々の廃棄物を挙げることができる。燃焼処理のような熱処理された廃棄物のみならず、セシウム等を固定化するために、キレート処理やセメント固化処理等化学的処理された廃棄物も含まれる。また、飛灰1は、予め粉砕装置等によって粉状または細砕された状態に前処理されて、洗浄槽4に導入されることによって、より高い洗浄効率およびアルカリ土類金属成分との反応効率を得ることができる。
〔洗浄槽〕
洗浄槽4では、飛灰1,洗浄水3および処理剤2が、均等に素早く撹拌されることが好ましい。飛灰1と洗浄水3が撹拌・混合され、飛灰1の洗浄処理が行われる。このとき、飛灰1中のセシウムやナトリウム等を含む水溶性成分が洗浄水3に溶解すると同時に、飛灰1中のアルカリ土類金属成分と処理剤2とが反応する。この反応は、水分が介在することによって、高い反応性を確保することができる。具体的な反応は、後述する。洗浄槽4において生成した非水溶性化合物は、遊離した状態で飛灰1中の非水溶性成分,飛灰1中の水溶性成分および処理剤2の一部とともに洗浄処理液4aとして洗浄槽4から供出される。洗浄水3は、市水や工場用水あるいは井戸水等清浄な水を用いることが好ましいが、後述するように、本装置において吸着処理等清浄化処理された溶液を用いることは可能である。また、洗浄槽4は、飛灰1と洗浄水3との混合物を所定時間撹拌できる機能を有する所定容量の装置をいい、撹拌機能は、図示するような撹拌手段41を有する構成のみならず、例えば回転ドラム式の洗浄槽4(図示せず)、あるいは洗浄水3を噴流として導入して撹拌流を形成させる構成(図示せず)等他の手段によって確保することも可能である。洗浄槽4の内部は、飛灰あるいはこれから分離された細粒子や微粒子の付着を防止するような表面処理を行うことによって、効率よく撹拌・洗浄を行うことができる。
〔処理剤〕
処理剤2は、カルシウム等のアルカリ土類金属成分と反応して、非水溶性化合物を生成する無機酸または無機塩類系の試剤をいい、反応するアルカリ土類金属成分は、飛灰の成分、つまり廃棄物の種類等によって異なることから、それぞれの最適な処理剤2を選択することが好ましい。このとき、セシウムに対して反応性のない処理剤、あるいはアルカリ土類金属成分(例えばカルシウム)との反応後に上記非水溶性化合物(例えば炭酸カルシウム)以外の水溶性化合物を形成する処理剤が好ましい。具体的に、炭酸ナトリウム(NaCO),炭酸カリウム(KCO),重炭酸ナトリウム(NaHCO),硫酸(HSO),シュウ酸((COOH))およびリン酸(HPO)のいずれかまたはこれらのいくつかを組み合わせて用いることが好ましい。例えば、アルカリ土類金属成分として酸化カルシウム(CaO)が含まれた場合には、こうした処理剤2を用いることによって、下式1〜5に示すような反応により、非水溶性化合物である炭酸カルシウム(CaCO),硫酸カルシウム(CaSO)およびリン酸カルシウム(Ca(PO)が生成する。
CaO+NaCO+HO → CaCO+2NaOH ……(式1)
CaO+KCO+HO → CaCO+2KOH ……(式2)
CaO+NaHCO+(HO) → CaCO+NaOH ……(式3)
CaO+HSO+(HO) → CaSO+HO ……(式4)
3CaO+2HPO+(HO) → Ca(PO+3HO ……(式5)
また、こうした処理剤2を用いることによって、カルシウム含有成分として水酸化カルシウム(Ca(OH))や塩化カルシウム(CaCL)等についても、カルシウム含有非水溶性化合物を生成することができる。さらに、カルシウム以外のマグネシウム(Mg)やバリウム(Ba)等のアルカリ土類金属成分についても、同様に処理剤2を用いることによって非水溶性化合物を生成することができる。
また、後述するように、吸着剤として包接化合物を用いた場合には、処理剤2として、上記洗浄処理液4aあるいは後述する液体成分5bが塩基性水溶液を形成する無機塩類が用いられることが好ましい。具体的には、NaCO,KCO,NaHCO等を挙げることができる。つまり、例えば処理剤2としてNaCOを用いた場合は、洗浄処理液4aには、上式1のようにNaOH成分が含まれ、水溶液が塩基性水溶液を形成するとともに、固液分離装置5で分離された液体成分5bも同様に塩基性水溶液を形成する。これが吸着部に導入されることによって、前処理を行わずにアルカリまたは中和条件下で吸着処理を行うことが可能となる。包接化合物を吸着剤として、アルカリまたは中和条件下で吸着処理が行われ、溶離処理が酸性条件下で行われることによって、選択性および回収効率の高い吸着処理を行うことができる。
〔固液分離装置〕
洗浄槽4から供出された洗浄処理液4aは、固液分離装置5に導入されて固液分離される。非水溶性化合物と飛灰1中の非水溶性成分の大半が固体成分5aとして分離され、飛灰1中の水溶性成分および処理剤2の一部(飛灰1中の特定成分で処理剤2と反応して生成した水溶性成分を含む)が液体成分5bとして分離される。固液分離装置5としては、フィルタ式や沈降式あるいは遠心分離式等を用いることができるが、多段式の固液分離機能を有することが好ましい。洗浄処理による凝集物の発生に伴い、混合物には種々の粒径の固体が共存することから、順次固液分離処理することによって、高い固液分離機能を確保することができる。このとき、反応によって生成した非水溶性化合物の回収に好適な粒径範囲を設定することによって、これを選別して選択的に取り出すことができる。分離された固体成分5aは、固体回収部6に集積・回収され、分離された液体成分5bは、第1貯留槽7に貯留される。
〔吸着部〕
第1貯留槽7に貯留された液体成分7aは、連続的に、あるいは所定時間滞留するようにバッチ的に吸着部8に導入される。吸着部8の内部には、吸着剤81が均一に充填され、導入された液体成分7a中のセシウムが吸着剤81によって選択的に吸着される。適切に吸着処理された吸着処理液8aは、供出部(図示せず)から供出され、第2貯留槽9に導入される。吸着部8は、図示するような単数の吸着層から構成されるだけではなく、複数の吸着層を直列的または並列的に配設された構成を適用することが可能である。
吸着剤81は、セシウムに対する選択的吸着特性を有するとともに、吸着物に対する選択的脱離特性を有し、かつ再生可能であることが好ましい。本装置は、こうした条件を満たす吸着剤81として包接化合物を用いた。具体的には、例えば商品名SuperLig(登録商標:米国IBC社製)や「Calix[4]arene-bis(4-tert-octylbenzo-crown-6)」あるいは「1-(2,2,3,3-tetrafloropropoxy)-3-(4-sec-butylphenoxy)-2-proppanol」等のクラウンエーテル化合物や例えばNaTi(Si)のような結晶状シリコチタネート系化合物を挙げることができる。これらは、アルカリ処理された中性またはアルカリ性の状態でセシウムに対する選択的吸着特性を有し、酸処理された状態で該吸着物に対する選択的脱離特性を有し、該アルカリ処理および酸処理によって再生可能な特性を有する。実証過程において、焼却飛灰からのセシウムに対し、約500回以上の繰り返しの吸着処理が可能であることが確認されている。吸着剤81の種類や充填量あるいは充填方法は、処理対象となる廃棄物の条件あるいは吸着剤81の形状によって、選定・設定される。
このとき、吸着剤81は、吸着処理に使用される前に、予めアルカリ処理されることが好ましい。吸着処理において、中性またはアルカリ条件下での高い選択的吸着特性を確保することができる。該アルカリ処理は、定期的あるいは随時行うことが好ましく、アルカリ処理液は、循環的に複数回使用することが好ましく、最終的に本装置から供出される液の中和処理に用いて処分することができる。また、再生した吸着剤を使用する場合にも、アルカリ処理され、中性またはアルカリ性の状態にすることによって、溶離処理に使用し残留した酸成分を除去することができ、吸着能力の低下を防ぎ、吸着処理時の溶離を防止することができる。使用されるアルカリは、水に対する溶解性が高く、吸着剤81に対する親和性のある物質が好ましく、特に、吸着剤81となる包接化合物によって包接された元素とセシウムとの置換が容易な、リチウム,カリウムあるいはナトリウムというアルカリ金属系の水酸化物や炭酸物あるいは炭酸水素物等の水溶液が好適である。具体的には、例えば0.01〜1.0M−NaOH(KOH等),0.01〜1.0M−NaHCO(KHCO等)などを挙げることができる。また、アルカリ処理され、「中性またはアルカリ性の状態」は、pH6〜13が好ましく、pH8〜12がより好ましい。pH6未満の状態では、吸着能力が大きく低下し、pH8〜12において吸着能力の最適条件を得ることができる。一方、pH13を超えると、吸着剤の劣化が進む可能性がある。
また、吸着処理の前段において行われる洗浄処理における処理剤2として、洗浄処理液4aあるいは液体成分5bが塩基性水溶液を形成するような無機塩類(例えばNaCO等)が用いられた場合には、吸着部8に導入される液体成分7aは、常時アルカリ処理された状態を維持することができる。従って、事前のアルカリ処理は必要なく、アルカリ処理用の新たな試剤を必要としない。
<本装置の応用>
本装置において、吸着部8(吸着処理液回収部)から供出された吸着処理液8a(第2貯留槽9から供出された吸着処理液9a)の蒸発・乾燥処理が行われる蒸発乾固装置10を備えた構成を、図2に例示する(第2構成例)。蒸発乾固装置10には、ヒートポンプ式乾燥装置が備えられ、吸着処理液8a(9a)中の溶解成分と蒸発成分に分離され、溶解成分が塩類10bとして回収される塩類等回収部(図示せず)と、蒸発成分が凝縮処理され凝縮水10aとして回収される水分等回収部(図示せず)と、を有する。ヒートポンプ式乾燥装置によって、従来にない効率的かつより低エネルギーの、不純物の除去および有用な塩類等の回収を図ることができる。また、廃棄物に含まれる、セシウムやカルシウム等以外にもカリウムやナトリウム等の金属元素を、塩類10aとして回収し有価物として再利用を図ることができる。また、清浄化された蒸発成分を凝縮水10bとして本装置あるいは他のプロセスへの利用を図ることができる。
本装置におけるヒートポンプ式乾燥装置は、具体的には、図3に例示するように、液体成分9aが導入される1次熱交換部11、1次熱交換部11の下流側に設けられた2次熱交換部12を有し、2次熱交換部12において高温・減圧条件下で蒸発・乾燥処理が行われる。ここで、2次熱交換部12において、高温の蒸発成分10aとなった液体成分9aの一部を、圧縮機14を用いて断熱圧縮して高エネルギー化し、圧縮蒸気10cとして再度2次熱交換部12の放熱側に導入するとともに、2次熱交換部12の吸熱側を、真空ポンプ13を用いて減圧条件とすることによって、より効率的なヒートポンプを構成することができる。また、蒸発乾固装置10の立ち上げ時あるいは常時補助的に、圧縮蒸気10c供給路に、例えばボイラ等の蒸気供給源15から外部蒸気(例えばボイラ蒸気等)10dを供給・添加することによって、2次熱交換部12の放熱側の高温条件を素早く確保し、蒸発乾固装置10の立ち上げを迅速に行うことができる。ここで2次熱交換部12の放熱側とは、2次熱交換部12において管内を高温の圧縮蒸気10cが流通する管体12aあるいはその表面の伝熱部をいい、吸熱側とは、2次熱交換部12において、管体12aの該表面と接する空間12bをいう。なお、図3では、1つの管体12aを有する構成を例示しているが、これに限定されるものではなく、多数の管体が配設された構成や管体表面に凹凸部を有する構成等熱交換機能を有する任意の構成を適用することができる。
ここで、圧縮蒸気10c(および外部蒸気10d)は、2次熱交換部12において、減圧条件下の液体成分9aと熱交換して減温され、さらに1次熱交換部11において、低温の液体成分9aと熱交換して凝縮されて凝縮水10eとして取り出される。2次熱交換部12の吸熱側では、液体成分9a中の溶解成分が塩類として乾燥固化され、乾固された塩類等は、固化塩10bとして塩類等回収部(図示せず)を介して回収される。2段階の熱交換を用い、原液流路の下流側の熱交換を減圧条件下で行うことによって、効率的に乾燥処理を行うことができる。具体的に、蒸発乾固装置8による乾固処理条件として、例えば2次熱交換部12において、放熱側に温度80〜100℃,圧力100〜500kPa(例えば、温度100℃,圧力100kPa)の圧縮蒸気10cおよび/または外部蒸気10dが供給され、吸熱側の条件を温度50〜80℃,圧力30〜100kPa(例えば、温度80℃,圧力48kPa)として液体成分9aが供給される。
〔本装置の第3構成例〕
また、吸着剤81として包接化合物を用いるとともに、吸着部8に、吸着されたセシウムを溶離する溶離液8bが導入される溶離液導入部(図示せず)が設けられ、溶離液8bとして酸処理液が用いられる構成を、図4に例示する(第3構成例)。吸着部8に導入された液体成分7a中に含まれるセシウムは、中性またはアルカリ性状態で吸着剤81に選択的に吸着され保持されるとともに、酸性状態に変換されることによって、吸着剤81から脱着し溶離液8bに溶離される。このとき、吸着処理と溶離処理を切換えて行うことによってセシウムを選択的に回収することができる。また、図4では、溶離液8bが吸着処理液8aとして、供出部(図示せず)から供出され、第2貯留槽9に導入される構成を例示しているが、後述するように、これを循環的に吸着部8に導入して複数回使用することによって、より効率的に溶離処理を行うことができる。さらに、本構成例は、図示した単一の吸着層を有する吸着部8ではなく、複数の吸着層を有する構成を用いることができる。具体的には、複数の吸着層に対して吸着処理と溶離処理を切換えて行うバッチ処理、あるいは複数の吸着層に対していくつかの吸着層で吸着処理を行うと同時に他の吸着層で溶離処理を行い、所定時間後に順次切換えを行なう連続的処理等、要求仕様にあった構成を適用することが可能である。
溶離液として使用される酸は、水に対する溶解性が高く、かつセシウムとの反応性が高く、上記吸着剤に対する親和性のある物質が好ましく、特に、吸着剤となる包接化合物によって包接されたセシウムの溶離機能の高い強酸好適である。具体的には、例えば0.1〜2.0M−HCl,0.01〜1.0M−HNO,0.01〜1.0M−HSOなどを挙げることができる。
〔本装置の第4構成例〕
図5は、本装置において、吸着処理液8aまたは/および凝縮水10aまたは/および溶離処理液9cの一部または全ての帰還流路、を有する構成を例示する(第4構成例)。吸着処理液8aが分流され、洗浄水9bとして洗浄槽4に導入される第1帰還流路R1、または/および蒸発乾固装置10から回収された凝縮水10aが分流され、洗浄水として洗浄槽4に導入される第2帰還流路R2、または/および吸着部8〜第2貯留槽9から供出された溶離処理液9cの一部が、再度吸着部8に導入される第3帰還流路R3、を有する。こうした処理済の溶液を再利用することによって、新たにシステムに供給すべき洗浄水や処理液の低減を図り、系外処理を提言することによって、エネルギーや物質収支の高効率化と安全操業を維持することができる。
3段階の処理を介した吸着処理液8aには、微量の未反応のアルカリ土類金属成分や残存処理剤2、および微量の未処理のセシウムが含まれるが、洗浄水として十分使用できるレベルまで清浄化されていることが検証されている。上記第2,第3構成例において、3段階の処理を経て蒸留された凝縮水10aには、殆ど不純物が含まれず、結晶水等としての減少分を除き量的にも十分な洗浄水を確保することができる。溶離処理液9cは溶離液およびこれに溶離したセシウムからなり、還流液による循環系を形成することによって、吸着剤81に残存する未溶離のセシウムを大幅に低減することができる。
<本装置を用いた飛灰の処理方法>
次に、本装置を用いた飛灰の処理方法(以下「本方法」という)を詳述する。
本方法は、
(1)飛灰の粉砕等の前処理工程を含め、
(2)粉状または細砕された飛灰が、洗浄水および処理剤と混合・撹拌され、洗浄されるとともに、処理剤と飛灰中のアルカリ土類金属成分との反応が形成される洗浄工程と、
(3)洗浄された洗浄処理液が固液分離され、分離された固体成分および液体成分が回収される固液分離工程と、
(4)液体成分中のセシウムが選択的に吸着され、吸着処理された液体成分が吸着処理液として回収される吸着処理工程と、
を有し、さらに、
(5)回収された吸着処理液が蒸発乾固処理され、溶解成分が塩類として回収され、蒸発成分が凝縮処理され凝縮水として回収される蒸発乾固処理工程と、
を有することがある。
以下、各工程について詳述するとともに、吸着剤として包接化合物を用いた場合における、
(6)吸着剤が、予めアルカリ処理液によって該吸着剤をアルカリ処理し、中性またはアルカリ性の状態にするアルカリ処理工程と、
(7)吸着工程後において、吸着されたセシウムに対して選択的に溶離するように、溶離液によって吸着剤が酸処理され、該吸着剤から溶離処理されたセシウムを含む溶離処理液が供出される溶離処理工程と、
について詳述する。
(1)前処理工程
飛灰が、焼却飛灰や溶融飛灰のように水洗可能な状態の場合には、そのまま、(2)洗浄工程に供される。飛灰が、キレート処理された飛灰やセメント固化された焼却灰等の場合には、前処理として粉砕機を用いて細砕し、所定の粒径以下(例えば平均粒径200μm以下)の粉状物として(2)洗浄工程に供されることが好ましい。こうした飛灰は、粒径が数cm〜数10cm以上の固形物となっているため、水洗による抽出効率が悪く、細砕による表面積の増大および細孔部までの水の浸透による抽出機能の増大によって、高い抽出効率を確保することができる。また、そのままでは水洗による抽出が難しい汚泥焼却灰や土壌等については、前処理として酸処理(例えば塩酸や硝酸等による)を行うことが好ましい。さらに、主灰のように粒径のバラツキが大きく、また水洗による抽出が難しい汚泥状を形成している場合には、前処理として粉砕処理とともに酸処理を行うことが好ましい。また、飛灰中に浸出水が多く含まれて酸性度が高い場合や上記のように酸処理を行った場合には、前処理として中和処理(例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等による)を行うことが好ましい。
(2)洗浄工程
水洗可能な状態となった飛灰は、洗浄工程に供され、洗浄水および処理剤と混合・撹拌され、洗浄処理される。セシウム化合物の溶解およびアルカリ土類金属成分と処理剤の反応には、飛灰の数倍〜数10倍量の洗浄水が供給されることが好ましい。セシウム化合物の溶解およびアルカリ土類金属成分と処理剤に必要な所定時間、十分撹拌されることによって、飛灰に含まれるセシウム化合物の大半が洗浄水中に溶解するとともに、アルカリ土類金属成分と処理剤が反応して、非水溶性化合物を生成する。十分に撹拌・洗浄された洗浄処理液は、固液混合状態で固液分離工程に供される。
(3)固液分離工程
洗浄処理された洗浄処理液は、アルカリ土類金属成分と処理剤の反応生成物である非水溶性化合物を主とする固体成分と液体成分に固液分離処理される。非水溶性化合物を含む洗浄処理による凝集物の発生に伴い、洗浄処理液中には種々の粒径の固体成分が共存することから、例えば粒径1.0μm以上の固体成分として液体成分と分離することが好ましい。また、多段式のろ過機能を有する固液分離装置を用いた場合には、上流において粒径の大きな固体成分をろ過し、下流に従い順次粒径の小さな固体成分をろ過することによって、長期間効率よく固液分離を行うことができる。分離された固体成分は、集積・回収され、安全性が確認された後、埋立て等処分される。分離された液体成分は、貯留された後あるいは連続的に吸着処理工程に供される。
(4)吸着処理工程
固液分離された液体成分が、上記のような吸着剤が充填された吸着層に導入され、液体成分中のセシウムが選択的に吸着される。本方法においては、クラウンエーテル化合物が充填された吸着層で約99%以上のセシウムが除去されることが実証された。セシウムが除去された液体成分は、吸着処理液として回収され、有価な塩類が含まれる場合には、後述する乾固処理によって回収されることが好ましい。吸着処理は、液体成分を吸着層に連続的に流通させて行う連続処理のみならず、供給−停止を繰り返すバッチ処理あるいは同一液体成分を繰り返し循環的に吸着層に供給する循環処理を適用することができる。クラウンエーテル化合物を吸着剤として使用した場合には、吸着されたセシウムは、酸処理によって溶離されて回収処理される。酸処理された吸着剤は、次の吸着工程に備え、アルカリ処理によって再生されることによって、繰り返し高い選択性のある吸着機能を保持することができる。
(5)蒸発乾固工程
回収された吸着処理液は、通常一旦貯留され、所定量ごとに蒸発乾固される。吸着処理液中の水分が蒸散または分離され、該吸着処理液中の溶解成分が回収され、蒸発成分が凝縮処理され回収される。このとき、ヒートポンプ式乾燥処理を行うことによって、エネルギー効率の高い塩類の回収を図ることができる。また、ヒートポンプの熱媒体として、吸着処理液中の蒸発成分を用い、これが熱交換されて発生した凝縮水を回収することによって、高温側熱交換部と低温側熱交換部を循環する閉鎖系の熱媒体を用いた従前の方法と比較して、さらにエネルギー効率の高い塩類の回収を図ることができる。
(6)アルカリ処理工程
吸着処理に使用される吸着剤がセシウムに対する選択的吸着特性を有するように、予めアルカリ処理液によって該吸着剤をアルカリ処理し、中性またはアルカリ性の状態にする。具体的には、(5)吸着処理工程の前段あるいは(7)溶離処理工程の後に、水酸化ナトリウム等のアルカリ処理液が吸着部に導入される。吸着剤の表面が、アルカリ処理された中性またはアルカリ性の状態となることによって、セシウムを含む溶液と吸着剤との接液によるセシウムの吸着・包接が促進される。アルカリ処理に用いた処理液は、なおアルカリ性を有することから、本システムにおいて、上記(1)前処理工程あるいは(5)蒸発乾固工程における中和処理剤として利用することができ、新たに本システムに供給すべき処理液の低減を図ることができる。
(7)溶離処理工程
吸着処理されたセシウムは、塩酸等の酸を溶離液として用いることによって吸着剤から溶離させることができ、溶離処理液として回収される。具体的には、吸着処理後、吸着層への新たな液体成分やアルカリ処理液の導入が停止され、溶離液が吸着層に導入される。溶離液によって吸着剤が酸処理され、該吸着剤からセシウムが溶離される。溶離処理されたセシウムは、溶離処理液として回収される。
<本装置の検証>
下記の各条件下において、本装置が有する(a)セシウムの除去機能を、各処理後のセシウムの含有量および回収された物質の放射能について検証した。また、同時に洗浄処理においてカルシウム等の処理剤を添加した場合と添加しない場合とを比較して検証した。さらに(b)塩類等の回収機能を、従来式の塩類等の回収装置(カルシウム等の回収処理剤を添加しない水洗処理と加熱プレートを用いた蒸発乾固処理)と比較して、試薬等の消費量およびエネルギー消費量について検証した。
(a)セシウムの除去機能
(a−1)検証条件
(i)セシウム134とセシウム137の合計1987Bq/kg,平均粒径50μmの焼却飛灰を用い、その5倍量(重量比)の洗浄水(市水)によって洗浄処理を行った。本装置では、さらに処理剤として炭酸ナトリウムを添加して洗浄処理を行った。
(ii)洗浄処理液についてフィルタ式の固液分離装置を用いて固液分離を行い、液体成分と固体成分に分離した。
(iii)吸着剤として商品名SuperLig(登録商標:米国IBC社製)を用い、所定容量の容器に充填した状態で、0.1M−NaOHによってアルカリ処理を行った後、上記(ii)の液体成分を吸着処理した。
(iv)上記(iii)処理後の吸着剤に対し、1.0M−HClによって酸処理を行い、溶離処理液を得た。
(v)吸着剤について、アルカリによる再生処理を含む上記(i)〜(iv)を繰り返し、吸着剤の吸着能力の低下を検証した。
(a−2)検証結果
表1,2のような検証結果を得た。本装置において、セシウムを効率よく回収できることが実証された。カルシウム存在下の飛灰に対しては、洗浄処理の相違によって、従来式に比較してセシウムの除去率が約26%向上していることが判った(表2)。また、同一吸着剤について、再生処理により500回まで、略同効率の吸着処理を行うことができることが実証された。
Figure 0006570220
Figure 0006570220
(b)塩類等の回収機能
(b−1)検証条件
(i)平均粒径約50μmの焼却飛灰を用い、その5倍量(重量比)の洗浄水(市水)によって洗浄処理を行った。本装置では処理剤として炭酸ナトリウムを用いた。
(ii)洗浄処理液に対して、フィルタ式の固液分離装置を用いて固液分離処理を行い、液体成分と固体成分に分離し、固体成分を回収した。
(iii)液体成分を、高温の蒸気(圧縮蒸気または/および灯油ボイラの燃焼蒸気)を用いて蒸発乾固処理を行い、固体塩を回収した。
(iv)回収された固化塩の組成を分析した。
(v)上記(i)〜(iii)において用いた、蒸気発生用ボイラ燃料の灯油使用量、圧縮機(ヒートポンプ)の消費電力および炭酸ナトリウムの使用量を算出し、ランニングコストを算出した。
(c−2)検証結果
表3のような検証結果を得た。本装置において、固化塩の含水率を10%以下まで低減できることが実証された。また、同一飛灰処理量に対して、特にエネルギーの削減効果が高く、約84%のコスト低減することができることが実証された。さらに、従来式装置においては処理系に沈積残留物が見られたが、本装置では全くなかった。
Figure 0006570220
1 飛灰
2 処理剤
3 洗浄水
4 洗浄槽
4a 洗浄処理液
41 撹拌手段
5 固液分離装置
5a 固体成分
5b,7a 液体成分
6 固体回収部
6a 乾燥ケーキ
7 第1貯留槽
8 吸着部
8a,9a 吸着処理液
9 第2貯留槽

Claims (8)

  1. 粉状または細砕された飛灰が洗浄水および処理剤とともに導入され、撹拌・洗浄処理が行われる洗浄槽と、
    該洗浄槽から供出された洗浄処理液が固液分離され、分離された固体成分が回収される固体回収部と、分離された水溶性のセシウム化合物を含む液体成分が供出される液体供出部と、を有する固液分離装置と、
    導入された前記液体成分中のセシウムが選択的に吸着される吸着剤が充填され、吸着処理された液体成分が吸着処理液として回収される吸着処理液回収部と、を有する吸着部と、を備え、
    前記処理剤として、前記飛灰中のアルカリ土類金属成分と反応し、非水溶性化合物を形成する無機酸または無機塩類が用いられ、
    前記吸着剤として、アルカリ処理された中性またはアルカリ性の状態でセシウムに対する選択的吸着特性を有し、酸処理された状態で該吸着物に対する選択的脱離特性を有し、該アルカリ処理および酸処理によって再生可能な包接化合物を用いられるとともに、
    前記吸着処理液回収部から供出された吸着処理液の蒸発・乾燥処理が行われるヒートポンプ式乾燥装置が備えられ、該ヒートポンプ式乾燥装置が、前記液体成分が導入される1次熱交換部と、該1次熱交換部の下流側に設けられた2次熱交換部と、圧縮機と、前記2次熱交換部の吸熱側を減圧する減圧手段と、を備え、
    前記2次熱交換部の吸熱側で高温・減圧条件下で前記液体成分の蒸発・乾燥処理が行われ、前記圧縮機によって前記2次熱交換部の吸熱側において前記液体成分の一部から作成された蒸気成分断熱圧縮され再度2次熱交換部の放熱側に導入されることを特徴とする飛灰の処理装置。
  2. 前記ヒートポンプ式乾燥装置において、前記吸着処理液の蒸発・乾燥処理が行われ、該吸着処理液中の溶解成分が塩類として回収される塩類等回収部と、蒸発成分が凝縮処理され凝縮水として回収される水分等回収部と、を有する蒸発乾固装置を備えることを特徴とする請求項1記載の飛灰の処理装置。
  3. 前記ヒートポンプの蒸発乾固装置において、前記2次熱交換部の放熱側から供出された圧縮蒸気が、前記1次熱交換部において前記液体成分と熱交換して凝縮されて凝縮水として取り出され、前記2次熱交換部の吸熱側において、前記液体成分中の溶解成分が塩類として乾燥固化され固化塩として回収されることを特徴とする請求項2記載の飛灰の処理装置。
  4. 前記吸着部に、吸着されたセシウムを溶離する溶離液が導入される溶離液導入部が設けられ、該溶離液として酸が用いられることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の飛灰の処理装置。
  5. 前記処理剤として、前記液体成分が塩基性水溶液を形成する無機塩類が用いられることを特徴とする請求項4記載の飛灰の処理装置。
  6. 前記吸着処理液の一部または全てが洗浄水として前記洗浄槽に導入される第1帰還流路、または/および前記吸着処理液の蒸発・乾燥処理が行われ、その蒸発成分が凝縮処理され凝縮水として回収される水分等回収部から回収された凝縮水の一部または全てが洗浄水として前記洗浄槽に導入される第2帰還流路、または/および前記吸着部から供出された溶離処理液の一部または全てが再度前記吸着部に導入される第3帰還流路、を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の飛灰の処理装置。
  7. 粉状または細砕された飛灰が、洗浄水および無機酸または無機塩類系の処理剤とともに導入され、混合・撹拌され、洗浄処理とともに、該処理剤と前記飛灰中のアルカリ土類金属成分との反応によって非水溶性化合物が形成される洗浄工程と、
    洗浄された洗浄処理液が固液分離され、分離された固体成分が回収され、分離された水溶性のセシウム化合物を含む液体成分が供出される固液分離工程と、
    前記液体成分中のセシウムが、吸着剤として、アルカリ処理された中性またはアルカリ性の状態でセシウムに対する選択的吸着特性を有し、酸処理された状態で該吸着物に対する選択的脱離特性を有し、該アルカリ処理および酸処理によって再生可能な包接化合物を用いて選択的に吸着され、吸着処理された液体成分が吸着処理液として回収される吸着処理工程と、
    回収された前記吸着処理液の一部または全てが、ヒートポンプ式乾燥装置によって蒸発乾固処理され、該吸着処理液中の溶解成分が塩類として回収され、蒸発成分が凝縮処理され凝縮水として回収される蒸発乾固処理工程と、
    を有するとともに、
    該ヒートポンプ式乾燥装置において、高温・減圧条件下での前記液体成分の蒸発・乾燥処理が行われる熱交換処理工程と、該熱交換処理の吸熱側において前記液体成分の一部から作成された蒸気成分を断熱圧縮し再度前記熱交換処理の放熱側に導入する圧縮工程と、を有し、前記ヒートポンプ式乾燥装置のヒートポンプの熱媒体として前記吸着処理液中の蒸発成分が用いられる
    ことを特徴とする飛灰の処理方法。
  8. 前記吸着剤が、予めアルカリ処理液によって該吸着剤をアルカリ処理され、中性またはアルカリ性の状態にされるアルカリ処理工程と、
    前記吸着処理工程後において、吸着されたセシウムに対して選択的に溶離するように、溶離液によって吸着剤が酸処理され、該吸着剤から溶離処理されたセシウムを含む溶離処理液が供出される溶離処理工程と、
    を有することを特徴とする請求項7記載の飛灰の処理方法。
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