JP6570185B2 - 調湿建材ならびにその製造方法、及びタイル - Google Patents

調湿建材ならびにその製造方法、及びタイル Download PDF

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Description

本発明は、調湿建材ならびにその製造方法、及びタイルに関する。
建物に簡易に装着でき、優れた調湿性を備えた調湿建材が求められている。特許文献1には、流紋岩質溶結凝灰岩の粉砕物を含む調湿性に優れた塗り壁を製造できる塗り壁剤組成物が開示されている。しかしながら、左官人口の減少が言われる昨今、高度な左官技術が不要で、簡便に住宅に取り付けが可能であり、かつ、優れた調湿性を有する建材が求められている。また、切り出し流紋岩質溶結凝灰岩は、古くから建材として使用されてきたが、高価であり、コストが高いという欠点があった。
特許第5966193号公報
本発明の課題は、建物に簡易に装着でき、かつ、優れた調湿性を備えた、調湿建材ならびにその製造方法、及びタイルを低コストで提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意研究した結果、流紋岩質溶結凝灰岩を含む材料を種々に加工することで、建物に簡易に装着でき、優れた調湿性を備えた調湿建材が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の調湿建材は、粉末状の流紋岩質溶結凝灰岩を含む原料を成形してなる。
上記原料は、粉末状の流紋岩質溶結凝灰岩を30〜100質量%含むことが好ましい。
上記原料は、さらに無機バインダーを含んでいることが好ましい。
好ましくは、本発明の調湿建材では、上記原料が基材上に成形されてなることが好ましい。
また、本発明のタイルは、粉末状の流紋岩質溶結凝灰岩を含む原料を成形してなる。
また、本発明の調湿建材の製造方法は、粒径が5mm以下である粉末状の流紋岩質溶結凝灰岩を成形する。
好ましくは、本発明の調湿建材の製造方法は、600〜1200℃で焼成する焼成工程を含んでいる。
本発明によれば、建物に簡易に装着でき、かつ、優れた調湿性を備えた、調湿建材ならびにその製造方法、及びタイルを低コストで提供できる。
竜山石の粉末を成形してなるグリーンを、1400℃、1200℃、1070℃で焼成した後の状態を示す写真である。 実施例のタイルの一例の写真である。 実施例の調湿建材の調湿性試験結果を示すグラフである。 実施例の調湿建材のガス吸着性試験結果を示すグラフである。 比較例の調湿建材のガス吸着性試験結果を示すグラフである。 実施例の他の一例のタイルの施工例を示す写真である。
1.調湿建材
本発明の調湿建材は、粉末状の流紋岩質溶結凝灰岩を含む原料を成形してなる。
1−1 流紋岩質溶結凝灰岩
本発明の消臭調湿建材に含まれる流紋岩質溶結凝灰岩としては、特に限定されないが、竜山石、長石、高室石などの姫路酸性岩、榛原石、室山安山岩、大谷石などが挙げられる。中でも、竜山石、長石、高室石などと称される兵庫県高砂市から兵庫県加西市に分布する流紋岩質溶結凝灰岩が好ましく使用できる。
上記原料は、上記粉末状の流紋岩質溶結凝灰岩を30〜100質量%含んでいることが好ましく、より好ましくは40〜100質量%、さらに好ましくは50〜100質量%、特に好ましくは60〜100質量%である。
本発明の消臭調湿建材における流紋岩質溶結凝灰岩の粉末としては、粒径が5mm以下(例えば0.001μm〜5mm)が好ましい。より好ましくは1300μm以下、さらに好ましくは1000μm以下、特に好ましくは500μm以下である。流紋岩質溶結凝灰岩の粉砕物の粒径がこのような範囲である場合に、より成形が容易となり、調湿性が高くなる。
1−2 他の成分
本発明の消臭調湿建材には、必要に応じて、他の成分が含有されていてもよい。また、基材を有していてもよい。
1−2−1 添加物
本発明の消臭調湿建材に含有される添加剤としては、特に限定されず、種々の添加物を添加できる。具体的には、例えば、メチルセルロース(水溶性、非水溶性は問わない)、セルロースファイバー、セルロースナノファイバー、水溶性ペーパー、スサ、つのまた等の植物性添加物;アクリル樹脂エマルジョン、酢酸ビニル系樹脂、ラテックス、SBR(スチレン−ブタジエン−ラテックス)系樹脂などの樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、アクリル−シリコン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂などの樹脂を主体にして変性してなる変性樹脂等の樹脂添加物;石膏、セメント、石灰、水ガラス、ガラス粉、粘土、酸性白土、ベントナイト・モンモリロナイト・水酸化アルミニュウム、川砂、シリカゾル、無機接着剤などの無機添加物(無機バインダー)などが挙げられる。中でも植物性添加物、無機添加物(無機バインダー)が好ましい。
無機添加物(無機バインダー)の添加量は、流紋岩質溶結凝灰岩100質量部に対し、好ましくは0〜150質量部、より好ましくは0〜120質量部、さらに好ましくは0〜70質量部、さらに好ましくは0〜60質量部とすることができる。
1−2−2 基材
本発明の調湿建材が有していてもよい基材としては、パーティクルボード、コルクボード、発泡塩ビ板、鋼板、構造材パネル(木材を砕いた削片に耐水性の高い接着剤を加えて加熱プレスし、パネルに成型したもの)、合板(薄くスライスした単板を数枚接着剤で貼り合わせ繊維方向を交差するように貼った構造用合板)等が挙げられる。
1−3 厚さ
本発明の調湿建材の厚さとしては、3〜30mm程度が好ましく、3〜20mm程度がより好ましい。また、基材を有する場合の、流紋岩質溶結凝灰岩の粉末を含む材料からなる層の厚さは、0.5〜15mm程度が好ましく、0.5〜10mm程度がより好ましく、2.0〜7.0mm程度がさらに好ましい。内装建材としては、0.5〜4.0mm程度の膜厚が好ましい。
本発明の調湿建材は、調湿性に優れた、内壁用や外壁用の壁材・レンガ・タイル、外壁用のサイディング(建物の外壁に使用する耐水・耐候性に富む板状材)等としても好ましく使用できる。
2.調湿建材の製造方法
本発明の調湿建材の製造方法では、粒径が5mm以下である粉末状の流紋岩質溶結凝灰岩を成形する。粉末状の流紋岩質溶結凝灰岩としては、上記調湿建材の所で記載したのと、好ましい態様は同じである。
本発明の調湿建材の製造方法としては、より具体的には以下の方法を例示できる。
(1)流紋岩質溶結凝灰岩の粉末を成形後に焼成して製造する方法
(2)流紋岩質溶結凝灰岩の粉末と、室温で固まるバインダーとを混合して成形後、乾燥して製造する方法
(3)流紋岩質溶結凝灰岩の粉末と、バインダーとを混合して成形後、乾燥および/または低温焼成して製造する方法
(4)基材に、流紋岩質溶結凝灰岩の粉末を含む材料のスラリーを塗布し、乾燥および/または焼成する方法
これらの方法について、以下で説明する。
(1)流紋岩質溶結凝灰岩の粉末を成形後に焼成して製造する方法
流紋岩質溶結凝灰岩の粉末を成形後に焼成して製造する方法としては、流紋岩質溶結凝灰岩の粉末を、焼成温度で消失する有機添加物(有機バインダー)、または無機添加物(無機バインダー)等と混合した後、必要に応じて加圧し、成形して得られたグリーン焼成して成形する方法が挙げられる。
焼成温度で消失する有機添加物(有機バインダー)、または無機添加物(無機バインダー)としては、公知のものが使用できる。無機添加物としては、ガラス粉、粘土、酸性白土、シリカゾルなどが挙げられる。
加圧方法としては、特に限定されないが、一軸静水圧プレスで加圧する方法が挙げられる。
焼成温度としては、130〜1200℃程度が好ましく、400〜1100℃程度がより好ましく、600〜1100℃程度がさらに好ましく、800〜1100℃程度が特に好ましい。焼成温度が高すぎると、流紋岩質溶結凝灰岩の粉末が溶融して調湿性が低下する恐れがある。また、焼成温度が低すぎると十分な強度が得られない恐れがある。
(2)流紋岩質溶結凝灰岩の粉末と、室温で固まるバインダーとを混合して成形後、乾燥して製造する方法
流紋岩質溶結凝灰岩の粉末と、室温で固まるバインダーとを混合して成形後、乾燥して製造する方法において、室温で固まるバインダーとしては、石灰(石)、水石膏、セメント、無機接着剤、樹脂接着剤などが挙げられる。
流紋岩質溶結凝灰岩の粉末と、室温で固まるバインダーとの混合割合は、流紋岩質溶結凝灰岩の粉末100質量部に対し、室温で固まるバインダーを好ましくは0〜150質量部、より好ましくは0〜120質量部、さらに好ましくは0〜70質量部、特に好ましくは0〜60質量部とすることができる。
(3)流紋岩質溶結凝灰岩の粉末と、バインダーとを混合して成形後、乾燥および/または低温焼成して製造する方法
流紋岩質溶結凝灰岩の粉末と、バインダーとを混合して成形後、乾燥および/または低温焼成して製造する方法において、バインダーとしては、石灰(石)、半水石膏、二水石膏、無水石膏等の石膏、水ガラス、セメント等が挙げられる。
乾燥および/または低温焼成する温度としては、例えば、5℃以上200℃未満が挙げられる。乾燥は、常温〜100℃程度で行うことができる。低温焼成としては、100℃以上200℃未満で行うことができる。
(4)基材に、流紋岩質溶結凝灰岩の粉末を含む材料のスラリーを塗布し、乾燥および/または焼成する方法
基材に、流紋岩質溶結凝灰岩の粉末を含む材料のスラリーを塗布し、乾燥および/または焼成する方法における基材とは、上記1−2−2で記載したのと同様である。
上記スラリーの形成方法としては、粉末状の流紋岩質溶結凝灰岩を含む原料を、公知のバインダーおよび/または溶剤(分散媒)、必要により更に分散剤や可塑剤等と混合することが挙げられる。形成されたスラリーは、ドクターブレード法、カレンダーロール法、押出し法、ブレードコート、スリットダイコート等のコーティング法やスクリーン印刷等によって基材上に塗布し、乾燥して分散媒を揮発除去することによって、調湿建材を製造できる。
また、上記スラリーを、上記基材に、刷毛塗りやコテ塗り、吹き付けすることにより調湿建材を製造してもよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
(1)流紋岩質溶結凝灰岩の粉末を成形後に焼成した調湿建材
[実施例1]
竜山石(青)の粉末(粒径500μm以下)30gと、淡路粘土15gと、水10gを混合してプラスチック容器を用いて成形し、自然乾燥させた。その後、電気炉で900℃で4時間焼成を行い、調湿建材を形成した。
エスペック(株)製ビルドインチャンバーTBE−2HW5G3A(以下、試験室と記す)内に設置した汎用電子天秤((株)エー・アンド・デイ製 FZ−1200i 秤量1220g、最小表示0.01g)上に得られた調湿建材を載せ、試験室内雰囲気を23.0g℃50%RHに保持し、48時間養生を行い、質量を測定した。養生の完了後、試験室内雰囲気を23.0℃75%RHとして24時間保持したのち質量を測定し、その後、23.0℃50%RHとして48時間保持して質量を測定した。結果を表1に示す。
また、得られた調湿建材に、重さ3kg、底面が直径3cmの円である荷重(圧力0.42kg/cm)をかけたが、調湿建材は割れない強度を有していた。
[実施例2]
実施例1において、竜山石(青)の粉末(粒径500μm以下)の代わりに竜山石(黄)の粉末を使用した以外は実施例1と同様にして、調湿建材を形成し、質量を測定した。結果を表1に示す。
[実施例3]
竜山石(青)の粉末(粒径500μm以下)に、市販の有機バインダーを適量加え、一軸静水圧プレスで加圧成形しφ20mm×5mmのグリーンを作成した。得られたグリーンをアルミナ板上に載せ、1070℃で3時間焼成し、調湿建材を製造した。
エスペック(株)製ビルドインチャンバーTBE−2HW5G3A(以下、試験室と記す)内に設置した汎用電子天秤((株)エー・アンド・デイ製 FZ−1200i 秤量1220g、最小表示0.01g)上に得られた調湿建材を載せ、試験室内雰囲気を23.0g℃50%RHに保持し、恒量となるまで養生を行い、質量を測定した。養生の完了後、試験室内雰囲気を23.0℃75%RHとして24時間保持したのち質量を測定し、23.0℃50%RHとして24時間保持して質量を測定した。結果を表2に示す。
[実施例4]
実施例3において、竜山石(青)の粉末(粒径500μm以下)の代わりに竜山石(黄)の粉末(粒径500μm以下)を使用した以外は実施例3と同様にして、調湿建材を形成し、質量を測定した。結果を表2に示す。
[実施例5]
実施例3、4において得られたグリーンを1200℃で3時間焼成し、調湿建材を形成した。
得られた調湿建材は、形を保っていたが少し溶解していた。アルミナ板上で焼成したところ、アルミナ板に固着した。他の板を使用すること等で固着を回避できる。
[比較例1]
実施例3、4において得られたグリーンを1400℃で3時間焼成し、調湿建材を形成した。
得られた調湿建材は、完全に溶解しており形を保っていなかった。
図1に、実施例3〜5、ならびに比較例1で得られた調湿建材を示す。1070℃焼成、1200℃焼成では、左上に竜山石(青)を使用した調湿建材、右下に竜山石(黄)を使用した調湿建材を示す。1400℃焼成では、竜山石(青)を使用した調湿建材と、竜山石(黄)を使用した調湿建材とが溶融した。
なお、実施例3〜5、ならびに比較例1の焼成において、昇温速度はいずれも毎分5℃で、加熱終了後は炉冷とした。実施例3と4で得られた調湿建材は、焼き固まっており、手でつまんでも壊れない程度の強度を有していた。これらの調湿建材はいずれも茶色っぽく着色した。竜山石に含有される鉄分のためと考えられる。
[実施例6]
竜山石(青)の粉末(粒径500μm以下)2.5gにガラス粉0.5gを加え、一軸静水圧プレスで加圧成形し、φ20mm×5mmのグリーンを作成した。得られたグリーンをアルミナ板上に載せ、700℃で1時間焼成し、調湿建材を形成した。
エスペック(株)製ビルドインチャンバーTBE−2HW5G3A(以下、試験室と記す)内に設置した汎用電子天秤((株)エー・アンド・デイ製 FZ−1200i 秤量1220g、最小表示0.01g)上に得られた調湿建材を載せ、試験室内雰囲気を23.0g℃50%RHに保持し、恒量となるまで養生を行い、質量を測定した。養生の完了後、試験室内雰囲気を23.0℃75%RHとして24時間保持したのち質量を測定し、23.0℃50%RHとして24時間保持して質量を測定した。結果を表2に示す。
[実施例7]
実施例6において、竜山石(青)の粉末(粒径500μm以下)の代わりに竜山石(黄)の粉末(粒径500μm以下)を使用した以外は実施例6と同様にして、調湿建材を形成し、各質量を測定した。結果を表2に示す。
(2)流紋岩質溶結凝灰岩の粉末と、室温で固まるバインダーとを混合して成形後、乾燥して製造した調湿建材
[実施例8]
竜山石(青)の粉末(粒径500μm以下)10gと、半水石膏[和光純薬工業(株)製 焼きセッコウ(化学用)]10gを水で溶いたものとを混合し、型に流し込んで自然乾燥することで、調湿建材を形成した。
エスペック(株)製ビルドインチャンバーTBE−2HW5G3A(以下、試験室と記す)内に設置した汎用電子天秤[(株)エー・アンド・デイ製 FZ−1200i 秤量1220g、最小表示0.01g]上に得られた調湿建材を載せ、試験室内雰囲気を23.0g℃50%RHに保持し、72時間養生を行い、質量を測定した。養生の完了後、試験室内雰囲気を23.0℃75%RHとして24時間保持したのち質量を測定し、その後、23.0℃50%RHとして24時間保持して質量を測定した。結果を表3に示す。
また、得られた調湿建材に、重さ3kg、底面が直径3cmの円である荷重(圧力0.42kg/cm)をかけたが、調湿建材は割れない強度を有していた。
[実施例9]
実施例8において、竜山石(青)の粉末(粒径500μm以下)の代わりに竜山石(黄)の粉末(粒径500μm以下)を使用した以外は実施例8と同様にして、調湿建材を形成し、各質量を測定した。結果を表3に示す。
また、得られた調湿建材に、重さ3kg、底面が直径3cmの円である荷重(圧力0.42kg/cm)をかけたが、調湿建材は割れない強度を有していた。
(3)流紋岩質溶結凝灰岩の粉末と、バインダーとを混合して成形後、乾燥および/または低温焼成して製造した調湿建材
[実施例10]
竜山石(青)の粉末(粒径500μm以下)7.5gと、二水石膏(廃石膏:上記の半水石膏に水を加えて固めたものを、あらためて粉砕したもの)2.5gを混合し、粘ちょう性の水ガラス[和光純薬工業(株)製 けい酸ナトリウム溶液(水ガラス)(試薬一級)]を適量添加することで、粒径0.5mm程度の砂粒状体を得た。得られた砂粒状体を容器に詰めて60℃で2時間乾燥することで成形し、さらに150℃で1時間加熱して、調湿建材を製造した。
試験室内に設置した汎用電子天秤[(株)エー・アンド・デイ製 FZ−1200i 秤量1220g、最小表示0.01g]上に得られた調湿建材を載せ、試験室内雰囲気を23.0g℃50%RHに保持し、24時間養生を行い、質量を測定した。養生の完了後、試験室内雰囲気を23.0℃75%RHとして24時間保持したのち質量を測定し、23.0℃50%RHとして24時間保持して質量を測定した。結果を表4に示す。
得られた調湿建材に、重さ3kg、底面が直径3cmの円である荷重(圧力0.42kg/cm)をかけたが、調湿建材は割れない強度を有していた。また、得られた調湿建材に水をかけると非常によく吸水した。
[実施例11]
竜山石(青)の粉末(粒径500μm以下)25gと、廃石膏の粉末(上記の半水石膏に水を加えて固めたものを、あらためて粉砕したもの)25gを混合し、粘ちょう性の水ガラス[和光純薬工業(株)製 けい酸ナトリウム溶液(水ガラス)(試薬一級)]適量を添加した後、容器に詰めて乾燥させ、150℃で1時間加熱することで、調湿建材を形成した。
試験室内に設置した汎用電子天秤[(株)エー・アンド・デイ製 FZ−1200i 秤量1220g、最小表示0.01g]上に得られた調湿建材を載せ、試験室内雰囲気を23.0g℃50%RHに保持し、恒量となるまで養生を行い、質量を測定した。養生の完了後、試験室内雰囲気を23.0℃75%RHとして24時間保持したのち質量を測定し、23.0℃50%RHとして24時間保持して質量を測定した。結果を表4に示す。
[実施例12]
竜山石の粉末50gに、石膏30g、石灰20gと適量の水を加えて混練し、シリコンの型(図2左)に入れた。これを、乾燥・硬化させてから型から外して、タイルを製造した(図2右)。このタイルを、両面テープや、ボンド、コーキングなどで壁面に接着し施工した。また同様に、竜山石の原石タイル等から型取りしたシリコンの型を使用することにより、原石タイル様のタイル等、種々のタイルを製造できる。この仕様のタイルは、コースター、バスマット等としても使用できる。
(4)基材に、流紋岩質溶結凝灰岩の粉末を含む材料のスラリーを塗布し、乾燥および/または焼成して製造した調湿建材
[実施例4−1]
竜山石(青)の粉末(粒径500μm以下)240gと、石灰石60gと、スサ[王子製袋(株)製]6gと、メチルセルロース[信越化学工業(株)製]2.4gを混合してスラリーを形成した。このスラリーを、発泡塩化ビニル板(250mm×250mm×3mmt)の片面に塗布し、調湿建材を製造した。
上記で得た調湿建材について、JIS A1470−1:2014「建築材料の吸放湿性試験方法−第1部:湿度応答法」に準じて試験を行った。試験室内に設置した汎用電子天秤[(株)エー・アンド・デイ製 FZ−1200i 秤量1220g、最小表示0.01g]上に得られた調湿建材を載せ、試験室内雰囲気を23.0g℃50%RHに保持し、恒量となるまで養生を行った。養生の完了後、試験室内雰囲気を23.0℃75%RHとして12時間保持したのち、23.0℃50%RHとして12時間保持した。この間、10分毎に調湿建材の質量を記録して、質量の増減を測定した(調湿性試験)。結果を表5に示す。
また、37%ホルムアルデヒド水溶液20μLおよび25%アンモニア水溶液10μLを10Lの捕集袋に入れ、袋がいっぱいになるまで窒素ガスを加えたのち、1時間放置して試料ガスを調製した。調湿建材を入れた捕集袋に、調製した試料ガスを入れ、3時間、6時間および24時間後のホルムアルデヒドおよびアンモニア濃度を検知管法により測定した(消臭性試験)。24時間後のホルムアルデヒドおよびアンモニア濃度を表7に示す。
[実施例4−2〜実施例4−9]
実施例4−1において、組成を表5に示す分量に変更した以外は実施例4−1と同様にして、調湿建材を製造した。実施例4−9では、竜山石の粉末は、粒径150μm以下のものを使用した。得られた調湿建材について調湿性ならびに消臭性試験を行った。結果を表5、7に示す。また、実施例4−4の調湿建材についての調湿性試験結果を示すグラフを図3に、消臭性試験結果を示すグラフを図4に示す。なお、実施例4−8では、消臭性試験は行わなかった。
消臭性試験において、実施例4−2、実施例4−3、実施例4−4および実施例4−6で製造した調湿建材では、3時間後のアンモニア濃度が0ppmとなり、特に優れた消臭性を示した。
表5において、「酸性白土」は日本活性白土(株)製 ニッカナイトA−168 粒径5〜7mm、「スサ」は王子製袋(株)製、メチルセルロースは信越化学工業(株)製、「つのまた」は大曽根海藻工業(株)製のものを用いた。
[比較例2]
珪藻土壁材[フジワラ化学(株)製]を発泡塩化ビニル板(250mm×250mm×3mmt)の片面に塗布し、建材を製造した。得られた建材について、実施例4−1と同様にして、調湿性ならびに消臭性試験を行った。結果を表6、7に示す。
[比較例3]
珪藻土壁材[(株)ワンウィル製]を発泡塩化ビニル板(250mm×250mm×3mmt)の片面に塗布し、建材を製造した。得られた建材について、実施例4−1と同様にして、調湿性ならびに消臭性試験を行った。結果を表6、7に示す。
[比較例4]
漆喰壁材[ニホンプラスター(株)製]を発泡塩化ビニル板(250mm×250mm×3mmt)の片面に塗布し、建材を製造した。得られた建材について、実施例4−1と同様にして、調湿性ならびに消臭性試験を行った。結果を表6、7に示す。また、消臭性試験結果を示すグラフを図5に示す。
上記実施例に示される通り、本発明の調湿建材は調湿性に優れている。また、アンモニアやホルムアルデヒドの消臭性にも優れていることがわかった。ホルムアルデヒドの消臭に関しては、図4、5に示すように、実施例4−4の調湿建材では、比較例4の建材に比べて、3時間程度の短い時間でのホルムアルデヒドの消臭に優れていることがわかった。
[実施例13]
上記実施例4−1〜実施例4−9において使用した各スラリーを石膏ボードに塗り、乾燥・硬化させた。これを石膏ボードと共にタイル状にカットして、タイルを製造した。このタイルを、両面テープや、ボンド、コーキングなどで壁面に接着し施工した。施工例を図6に示す。竜山石の青と黄を用いることにより、色調の異なるタイルが製造できた。
本発明の調湿建材は、簡易に設置でき、且つ調湿性に優れた建材として使用できる。

Claims (5)

  1. 粉末状の、兵庫県高砂市から兵庫県加西市に分布する流紋岩質溶結凝灰岩と、
    該流紋岩質溶結凝灰岩100質量部に対し、20〜150質量部の無機バインダーと
    を含む原料を成形してなる、タイル
  2. 前記原料は、前記粉末状の、兵庫県高砂市から兵庫県加西市に分布する流紋岩質溶結凝灰岩を30〜100質量%含む、
    請求項1に記載のタイル。
  3. 粒径が5mm以下である粉末状の、兵庫県高砂市から兵庫県加西市に分布する流紋岩質溶結凝灰岩
    該流紋岩質溶結凝灰岩100質量部に対し、20〜150質量部の無機バインダーと
    を成形する、
    タイルの製造方法。
  4. 5℃以上200℃未満で乾燥および/または低温焼成する工程を含む、
    請求項3に記載のタイルの製造方法。
  5. 600〜1200℃で焼成する焼成工程を含む、
    請求項に記載のタイルの製造方法。
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