JP6569998B2 - 引戸装置 - Google Patents

引戸装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6569998B2
JP6569998B2 JP2015241181A JP2015241181A JP6569998B2 JP 6569998 B2 JP6569998 B2 JP 6569998B2 JP 2015241181 A JP2015241181 A JP 2015241181A JP 2015241181 A JP2015241181 A JP 2015241181A JP 6569998 B2 JP6569998 B2 JP 6569998B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
door
rail portion
rail
horizontal
door body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015241181A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017106245A (ja
Inventor
恒也 田中
恒也 田中
雅 石井
雅 石井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority to JP2015241181A priority Critical patent/JP6569998B2/ja
Publication of JP2017106245A publication Critical patent/JP2017106245A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6569998B2 publication Critical patent/JP6569998B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Support Devices For Sliding Doors (AREA)

Description

本発明は、引戸装置に関する。
従来より、開口を開閉する戸体を備えた引戸装置が知られている。このような引戸装置としては、電動モーターによって戸体をスライドさせて開口を開閉させる自動ドアがあるが、配線や電源が必要になるという問題があった。また、ばねの付勢力や錘の荷重を利用して全開側及び閉鎖側の一方に戸体のスライドを助勢(アシスト)する構造とされたものもあるが、戸体を全開側及び閉鎖側の両方側に助勢することは困難であった。
例えば、下記特許文献1には、ドア本体の上部の吊車が走行するガイドレール部を、中心部に設けられた回動軸部で水平方向上方に概略くの字に折り曲げられた形状とした半自動ドアが開示されている。この半自動ドアにおいては、回動軸部を中心にガイドレール部を揺動させて斜めに傾けることでドア本体が自重によって傾斜の下方へ移動する構成とされている。
特開平5−118180号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された半自動ドアでは、ガイドレール部を、回動軸部を中心に回転させて傾ける必要があるため構造が複雑化するという問題があった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、戸体を全開側及び閉鎖側の両方側に助勢可能としながらも、構造の簡略化を図り得る引戸装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る引戸装置は、開口を開閉する戸体と、この戸体の上端部に設けられた走行体を走行自在にガイドし、該戸体を吊下支持する上レールと、を備えており、前記上レールは、長手方向を水平方向に沿わせて配され、前記戸体を半開き位置で保持可能な水平レール部と、この水平レール部の長手方向一端部から下り坂状に傾斜するように設けられ前記戸体を全開側及び閉鎖側のうちの一方側に助勢する第1傾斜レール部と、前記水平レール部の長手方向他端部から下り坂状に傾斜するように設けられ前記戸体を全開側及び閉鎖側のうちの他方側に助勢する第2傾斜レール部と、を備えていることを特徴とする。
本発明に係る引戸装置は、上述のような構成としたことで、戸体を全開側及び閉鎖側の両方側に助勢可能としながらも、構造の簡略化を図ることができる。
本発明の一実施形態に係る引戸装置の一例を施工した状態を模式的に示す一部破断概略正面図である。 図1に対応させた一部破断概略正面図である。 図1におけるX−X線矢視に対応させた一部破断概略縦断面図である。 同引戸装置の一部を省略した一部破断概略分解斜視図である。 同引戸装置の一部破断概略正面図である。 (a)、(b)は、図5におけるY部に対応させた一部破断概略正面図である。 同引戸装置の一部破断概略正面図である。 同引戸装置の一部破断概略正面図である。 同引戸装置の一部破断概略正面図である。
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
なお、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
また、以下の実施形態では、本実施形態に係る引戸装置を施工した状態を基準として上下方向等の方向を説明する。
本実施形態に係る引戸装置1は、図1及び図2に示すように、開口3を開閉する戸体10と、この戸体10の上端部に設けられた走行体12,14を走行自在にガイドし、戸体10を吊下支持する上レール20と、を備えている。また、上レール20は、長手方向を水平方向に沿わせて配され、戸体10を半開き位置で保持可能な水平レール部22を備えている。また、上レール20は、水平レール部22の長手方向一端部から下り坂状に傾斜するように設けられ戸体10を全開側及び閉鎖側のうちの一方側に助勢する第1傾斜レール部24を備えている。また、上レール20は、水平レール部22の長手方向他端部から下り坂状に傾斜するように設けられ戸体10を全開側及び閉鎖側のうちの他方側に助勢する第2傾斜レール部26を備えている。
また、本実施形態では、引戸装置1の戸体10を、壁体2に設けられた開口3をこの開口3の壁厚方向一方側において開閉するように壁体2の一方面に沿ってスライド自在に建て付けられる構成としている。つまり、この戸体10は、壁体の一部に設けられた袖壁に納められる袖壁納めや壁体に設けられた戸袋に納められる戸袋納めではなく、開口3の壁厚方向一方側となる外側においてスライド自在に、いわゆるアウトセット納め状に建て付けられる構成とされている。また、この戸体10は、図1に示す閉鎖位置から戸幅方向(壁幅方向)一方側に片引き状にスライドされて図2に示す全開位置とされれば、開口3の開口幅方向一方側に位置する壁体2の壁厚方向一方側に配される構成とされている。本実施形態では、引戸装置1を、単一の戸体10を備えた構成としている。
開口3は、図3に示すように、住居等の建物の壁体2を貫通するように設けられ、出入口を構成する。図例では、開口3の上側及び左右(開口幅方向)両側を、開口枠を構成する上枠4及び一対の縦枠5,5によって区画した例を示している。これら上枠4及び一対の縦枠5,5は、これらの壁厚方向(見込方向)両端部がいわゆるちり部となるように壁厚方向両面から突出する固定枠でもよい。
また、この開口3の下側は、床面によって区画するようにしてもよく、下枠によって区画するようにしてもよい。また、このような開口枠を備えた引戸装置1として把握するようにしてもよい。なお、このような開口枠を設けずに、開口3を、無枠状にクロス仕上された内側面によって区画するようにしてもよい。
また、この開口3の幅寸法(有効開口幅)は、出入性やバリアフリー性の観点等から適宜の寸法としてもよく、例えば、650mm以上としてもよく、好ましくは、750mm以上としてもよく、より好ましくは、900mm以上としてもよい。図例では、戸体10が全開状態で、壁厚方向に見て、開口3の全体が露出するように戸体10を設けた構成としている。つまり、この開口3の幅寸法自体が有効開口幅となる構成としているが、戸体10が全開状態で、戸幅方向一方側の端部となる戸先側端部がいわゆる引き残しとして壁厚方向に見て開口3の一部に重なり合うように配される構成とされたものでもよい。つまり、全開状態の戸体10の戸先側端面が有効開口幅方向両側のうちの一方側を区画するような態様としてもよい。
また、本実施形態では、図3に示すように、引戸装置1に、戸体10の下端側をガイドする下端ガイド部材6を設けた構成としている。本実施形態では、戸体10の下端部に、下向きに開口する凹溝11を戸幅方向に沿って設けた構成とし、下端ガイド部材6を、この凹溝11に挿入(遊挿)されるガイドピンを備えた構成としている。
この下端ガイド部材6は、図1及び図2に示すように、閉鎖位置と全開位置との間を移動する戸体10の移動軌跡の直下に位置するように設けられる。この下端ガイド部材6は、閉鎖位置と全開位置との間を移動する戸体10の直下に少なくとも一つが存在するように設けるようにしてもよい。図例では、下端ガイド部材6を一箇所のみに設けた例を示しているが、戸体10の移動軌跡に沿って間隔を空けて複数箇所に設けた態様としてもよい。また、この下端ガイド部材6を、磁石を設けたガイドピンを上下方向に出没自在に収容し、床に埋め込まれるように配設されるマグネットガイドとしてもよい。この場合は、戸体10の凹溝11に、この下端ガイド部材6に対応させて磁石や磁性体等を設けてもよい。なお、閉鎖位置と全開位置との間を移動する戸体10と常時、重なる位置に設けられる下端ガイド部材6を、上下方向に出没不能とされたガイド部(ガイドピン)を備えた固定ガイド部材としてもよい。
戸体10は、上下に長尺状とされた略矩形平板状とされ、図1に示すように、閉鎖位置において、戸厚方向(壁厚方向と同方向)一方側から見て開口3の略全体を覆う構成とされている。また、戸体10は、図2に示すように、全開位置において、この全開位置とされた戸体10の戸先側端部近傍に位置する縦枠5の内側面(見込面)と戸先側端面とが略同一平面状となるように配される構成とされている。
本実施形態では、図1に示すように、戸体10の上下寸法及び戸幅寸法を、開口3の開口幅寸法及び開口高寸法よりも大としている。図例では、戸体10の上下寸法を、閉鎖位置において、戸厚方向一方側から見て上枠4の下方側部位を覆い得る寸法としている。また、戸体10の戸幅寸法を、閉鎖位置において、戸厚方向一方側から見て両側の縦枠5,5の略全体を覆い得る寸法としている。また、図例では、閉鎖位置とされた戸体10を戸厚方向に見た状態における壁体2との重なり幅(戸幅方向に沿う幅)が、戸先側端部よりも戸尻側端部において大となるように戸体10を配した例を示しているが、このような態様に限られない。
また、この戸体10の戸先側端部には、当該戸体10を開閉する際の手掛けとなる適宜の引手18が設けられている。このような引手18は、戸厚方向両側に設けるようにしてもよい。また、引手18としては、例えば、掘込状とされたものとしてもよい。または、戸体10を、全開状態で引き残しが形成されるように建て付けられるものとし、この引き残し部位となる戸先側端部の戸厚方向両側に突出するようなバー状(棒状)の引手18を設けた態様としてもよい。
また、この戸体10の下端側には、上記した下端ガイド部材6にガイドされる被ガイド部としての凹溝11が設けられている。この凹溝11は、戸体10の下端面において開口するように戸体10の戸幅方向の全幅に亘って設けられている。
戸体10の上端部に設けられた走行体12,14は、上レール20に係合して保持される転動体13,15を有した吊車(ランナー)とされている。
本実施形態では、戸体10の戸幅方向両側端部のそれぞれに走行体12,14を設けた構成としている。つまり、戸体10の上端部の戸幅方向一側端部に戸先側端部の走行体としての戸先側走行体12を設け、戸体10の上端部の戸幅方向他側端部に戸尻側端部の走行体としての戸尻側走行体14を設けた構成としている。
また、これら戸幅方向両側の走行体12,14は、互いに同様の構成とされている。
本実施形態では、図3〜図5に示すように、走行体12,14を、戸厚方向に沿う軸13a,15a回りに回転する転動体(ローラー)13,15を備えた構成としている。また、これら走行体12,14のそれぞれに、単一の転動体13,15を設けた構成としているが、それぞれに複数の転動体13,15を設けた構成としてもよい。また、これら転動体13,15の外周面に、周方向に延びるように全周に亘って係合溝を設けた構成としている(図3参照)。図例では、これら転動体13,15の係合溝を、周方向に見て、略U字溝状または略半円溝状とした例を示している。
また、これら走行体12,14は、戸体10の上端面から上方に向けて突出するように設けられている。また、これら走行体12,14は、戸体10の上端面からそれぞれの転動体13,15の軸心までの戸体長手方向(高さ方向)に沿う寸法が略同寸法となるように設けられている。図例では、走行体12,14のそれぞれに、厚さ方向を戸厚方向に沿わせ、転動体13,15を回転自在に支持する板状の支持部を設け、この支持部の壁体2側となる厚さ方向一方側に沿わせるように転動体13,15を設けた例を示している。また、それぞれの支持部の戸幅方向略中央部に位置するように転動体13,15の回転軸13a,15aを設けた例を示している。また、これら走行体12,14のそれぞれに、戸体10の上端部の戸幅方向両側端のそれぞれに設けられた取付凹所に嵌め入れられるように取り付けられる取付基部を設けた例を示している(図4参照)。
上レール20は、図1及び図2に示すように、戸体10の戸幅方向に沿う方向に長尺状とされている。本実施形態では、この上レール20を、図3に示すように、壁体2の壁厚方向一方側に沿うように配される構成としている。つまり、上レール20を、天井側や上枠4に埋込状に設けられるものとせずに、壁体2に付設状に設けられるものとしている。このような構成とした場合には、壁厚方向一方側から見て、上レール20及び戸体10の上端部を覆うように配されるカバー部材7を設けた構成としてもよい。
また、本実施形態では、上レール20を、戸幅方向一側端部の走行体12をガイドし、第1傾斜レール部24、水平レール部22及び第2傾斜レール部26を有した第1レール部21を備えた構成としている。また、上レール20を、戸幅方向他側端部の走行体14をガイドし、長手方向を水平方向に沿わせて配される第2レール部29を備えた構成としている。本実施形態では、上記のように、戸幅方向一側端部の走行体12を戸先側走行体12とし、戸幅方向他側端部の走行体14を戸尻側走行体14としている。つまり、上レール20を、第1レール部21が戸先側走行体12をガイドする一方、第2レール部29が戸尻側走行体14をガイドするように配される構成としている。
また、本実施形態では、上レール20を、第1傾斜レール部24の長手方向における反水平レール部側端部と第2傾斜レール部26の長手方向における反水平レール部側端部とが同高さに位置するように配される構成としている。また、戸体10が全開位置及び閉鎖位置において両側の走行体12,14が同高さ位置となるように、第1傾斜レール部24及び第2傾斜レール部26の各反水平レール部側端部と第2レール部29とが同高さに位置するように配される構成としている。
また、本実施形態では、図3〜図5に示すように、上レール20を、固定対象としての壁体2に固定され、第1レール部21及び第2レール部29を支持するレールベース30を備えた構成としている。
レールベース30は、戸体10の戸幅方向に沿う方向に長尺状とされ、長手方向を水平方向に沿わせて配される構成とされている。
このレールベース30は、固定対象2に沿うように固定される固定片部31と第1レール部21及び第2レール部29を支持する支持片部32とを略直交状に設けた構成とされ、長手方向に見て略L字状とされている。
固定片部31は、壁厚方向に厚さ方向を沿わせて配される略薄板状とされている。この固定片部31をねじやビス等の止具によって壁体2に対して固定し、レールベース30が壁体2に固定される。なお、固定片部31の長手方向に間隔を空けて複数箇所に止具の挿通孔を設けたり、固定片部31の表面(反壁体側に向く面)に、止具止着箇所の目印溝等を設けた構成としてもよい。
また、本実施形態では、固定片部31の表面側に、後記する第1レール部21の水平レール部22の垂直片部22aを受け入れる受入凹所31aを設けた構成としている。この受入凹所31aは、第1レール部21の水平レール部22が配される位置に応じた位置となるように、固定片部31の長手方向途中部位に設けられ、かつ下方側及び長手方向両側に開口するように設けられている。図例では、固定片部31の上端縁から反壁体側に向けて突出するように設けられた部位を溝底部とし、この溝底部と溝底部から垂れ下がるように設けられた垂下片部と固定片部31の表面とによって受入凹所31aを区画した例を示している。
支持片部32は、上下方向に厚さ方向を沿わせて配される略薄板状とされ、固定片部31の下端部から反壁体側に向けて突出するように設けられている。第1レール部21及び第2レール部29は、この支持片部32上に位置するように配されて支持片部32に支持される構成とされている。また、この支持片部32に、第1傾斜レール部24及び第2傾斜レール部26の反水平レール部側の各端部が当接され、第2レール部29が載置される。これにより、第1傾斜レール部24及び第2傾斜レール部26の反水平レール部側の各端部(の走行面)と第2レール部29(の走行面)とが同高さに位置するように配される構成とされている。
また、この支持片部32における第1レール部21の水平レール部22が配される部位には、厚さ方向(上下方向)に貫通するように係合孔32a,32aが設けられている。図例では、長手方向に沿って間隔を空けて二箇所に係合孔32a,32aを設けた例を示している。また、これら係合孔32a,32aを、水平レール部22の長手方向中央部から互いに略等間隔を空けた位置となるように設けた構成としてもよい。また、図例では、これら係合孔32a,32aを、支持片部32の上面から上方側に向けてボス状に突出するように設けられた円筒部を貫通するように設けた例を示している。
第1レール部21及び第2レール部29は、閉鎖位置から全開位置まで移動する戸体10の各走行体12,14のガイドが可能なように設けられている。第1レール部21は、開口3の上側の壁体2に沿うように配され、第2レール部29は、全開位置の戸体10が沿うように納められる壁体2の上端部に沿うように配される構成とされている。
これら第1レール部21及び第2レール部29の戸幅方向に沿う寸法は、互いに概ね同寸法とされている。図例では、第2レール部29の戸幅方向に沿う寸法を、第1レール部21の戸幅方向に沿う寸法よりも僅かに大とした例を示している。
本実施形態では、第1レール部21の水平レール部22、第1傾斜レール部24及び第2傾斜レール部26並びに第2レール部29の長手方向に見た形状を、同寸同形状とし、かつ全長に亘って一様な形状としている。
また、本実施形態では、図4に示すように、各レール部22,24,26,29(第1レール部21の水平レール部22、第1傾斜レール部24及び第2傾斜レール部26並びに第2レール部29)を、それぞれに別体とされたものとしている。つまり、長手方向に見た形状が同寸同形状とされた複数部材を組み合わせて第1レール部21及び第2レール部29の各レール部22,24,26,29を構成している。
各レール部22,24,26,29は、レールベース30の固定片部31に沿うように配される垂直片部22a,24a,26a,29aを備えている。また、各レール部22,24,26,29は、各垂直片部22a,24a,26a,29aの下端部から反壁体側に向けて突出するように設けられ、戸体10の走行体12,14をガイドするガイド片部22b,24b,26b,29bを備えている。また、各レール部22,24,26,29は、各垂直片部22a,24a,26a,29aと各ガイド片部22b,24b,26b,29bとを略直交状に設けた構成とされ、長手方向に見て略L字状とされている(図3参照)。
各垂直片部22a,24a,26a,29aは、壁厚方向に厚さ方向を沿わせて配される略薄板状とされている。
また、各垂直片部22a,24a,26a,29aには、厚さ方向に貫通し、ねじやビス等の止具が挿通される止具挿通孔が長手方向に間隔(図例では、略等間隔)を空けて複数箇所に設けられている。図例では、これら止具挿通孔を、各垂直片部22a,24a,26a,29aの幅方向に長径な長孔状とした例を示している。なお、一部の図では、止具挿通孔の図示を省略している。
各レール部22,24,26,29は、各垂直片部22a,24a,26a,29aの止具挿通孔を介して挿通された止具によってレールベース30または壁体2に固定されるものとしてもよい。
各ガイド片部22b,24b,26b,29bは、各垂直片部22a,24a,26a,29aの幅方向に厚さ方向を沿わせた略薄板状とされている。
また、各ガイド片部22b,24b,26b,29bには、走行体12,14の転動体13,15が係合して走行自在にガイドされ、転動体13,15の走行面を構成する係合部22c,24c,26c,29cが設けられている。下り坂状に傾斜するように配される各傾斜レール部24,26は、それぞれの走行面が下り坂状に傾斜するように配される構成とされ、水平状に配される水平レール部22及び第2レール部29は、それぞれの走行面が水平状に配される。
本実施形態では、各係合部22c,24c,26c,29cを、各ガイド片部22b,24b,26b,29bの突出方向先端部から上方側となる厚さ方向一方側に向けて突出し、長手方向に延びるように全長に亘って設けられた係合突条としている。
各係合突条22c,24c,26c,29cの上面側となる突出方向先端面が走行面を構成する。図例では、各係合突条22c,24c,26c,29cの突出方向先端面を、長手方向に見て、突湾曲面形状とした例を示している。なお、このような態様に代えて、転動体13,15を受け入れる溝状とされた係合部22c,24c,26c,29cを各ガイド片部22b,24b,26b,29bに設けた構成としてもよい。
また、上記した走行体12,14の支持部には、各係合突条22c,24c,26c,29cに転動体13,15が係合した状態で、ガイド片部22b,24b,26b,29bの下面側に近接するように配される落下防止片が設けられている(図3参照)。
また、各ガイド片部22b,24b,26b,29bの基端部には、上方側となる厚さ方向一方側に向けて開口し、長手方向に延びる凹溝22d,24d,26d,29dが全長に亘って設けられている。図例では、各凹溝22d,24d,26d,29dの溝幅方向両側開口縁から互いに向き合う方向に向けて溝幅を狭めるように突出する突部を設けた例を示している。
また、水平レール部22のガイド片部22bには、図3及び図4に示すように、上記したレールベース30の支持片部32に支持された状態で、係合孔32a,32aに整合する位置となるようにボルト挿通孔22e,22eが設けられている。図例では、水平レール部22のガイド片部22bに、係合孔32a,32aに対応させて長手方向に沿って間隔を空けて二箇所にボルト挿通孔22e,22eを設けた例を示している。また、これらボルト挿通孔22e,22eを皿孔状とした例を示している。また、これらボルト挿通孔22e,22eを凹溝22dの溝底を貫通するように設けた例を示している。
上記構成とされた各レール部22,24,26,29は、各係合突条22c,24c,26c,29cが戸厚方向に沿う方向で一致した位置となるように、また、長手方向に概ね一連状となるようにレールベース30の支持片部32上に配される。
また、本実施形態では、第1レール部21の水平レール部22を、上下に変位自在としている。また、第1傾斜レール部24及び第2傾斜レール部26の長手方向における水平レール部22側の各端部と水平レール部22の長手方向の各端部とを、戸厚方向に沿う軸23a,25a回りに回転自在に連結した構成としている。また、水平レール部22を上下に変位させて第1傾斜レール部24及び第2傾斜レール部26の水平面に対する傾斜角度θ1,θ2(図6(a)参照)の変更を可能とした構成としている。
本実施形態では、図4〜図6に示すように、第1傾斜レール部24及び第2傾斜レール部26の各端部と水平レール部22の各端部とを、連結部材を構成する蝶番23,25によって連結した構成としている。図例では、蝶番23,25を、第1レール部21の各レール部22,24,26の下面側に沿うように固定される一対の取付羽根を備えた羽根蝶番(平蝶番)23,25とし、これらの連結軸23a,25aを、戸厚方向に沿う軸とした例を示している。
また、水平レール部22の垂直片部22aは、図3に示すように、上記したレールベース30の受入凹所31aに挿入される構成とされている。この受入凹所31aの戸厚方向に沿う幅寸法は、垂直片部22aの厚さ寸法に応じた寸法とされている。また、受入凹所31aの上下方向に沿う深さ寸法は、上下に変位される水平レール部22の垂直片部22aの受け入れが可能なように適宜の寸法とされている。
また、本実施形態では、レールベース30の支持片部32に対して支持片部32の厚さ方向と同方向となる上下方向に変位自在に水平レール部22をガイドする上下ガイド部27,27を設けた構成としている。また、レールベース30の支持片部32に対して支持片部32の厚さ方向一方側となる上方側に向けて水平レール部22を付勢するばね部材28,28を設けた構成としている。また、ばね部材28,28を、上レール20(第1レール部21)を固定対象としての壁体2に対して仮保持させた状態で、上下に変位自在とされた水平レール部22を戸体10の荷重に抗して上方側に付勢可能な構成としている。
上下ガイド部27,27は、本実施形態では、水平レール部22の長手方向に沿って間隔を空けて二箇所に設けられている。これら上下ガイド部27,27は、互いに同様の構成とされており、以下では、一方を例にとって説明する。
この上下ガイド部27は、水平レール部22のボルト挿通孔22eに挿通されるボルト27aと、ボルト27aを水平レール部22に対して固定する固定部材27b,27cと、を備えている。図例では、固定部材27b,27cを、ボルト挿通孔22eに挿通されたボルト27aが挿通される円筒部材27bと、円筒部材27bの下端から露出するボルト27aの下端部にねじ合わされるナット27cと、を備えた構成としている。円筒部材27bは、その上端が水平レール部22の下面に当接規制され、下端側がレールベース30の支持片部32の係合孔32aに挿通される構成とされている。また、この円筒部材27の外径は、係合孔32aの孔径に応じた径とされている。ナット27cは、支持片部32の下方側に位置するように配され、係合孔32aに挿通された円筒部材27bの下端に当接される構成とされている。
上記のような構成により、水平レール部22は、上下ガイド部27,27の円筒部材27b,27bが支持片部32の係合孔32a,32aに上下動自在に係合し、その上下動がガイドされる。また、上下ガイド部27,27の下端のナット27c,27cが支持片部32に対する水平レール部22の上方側への抜け止めとして機能する。なお、上下ガイド部27,27としては、このような態様に限られず、種々の変形が可能である。
また、本実施形態では、ばね部材28,28を、上下ガイド部27,27の各円筒部材27b,27bに外装された圧縮コイルばねとしている。つまり、上下ガイド部27,27の各円筒部材27b,27bを、ばね部材28,28の案内シャフトとしている。
これらばね部材28,28は、上端が水平レール部22の下面に当接され、下端が支持片部32の上面に当接されて支持片部32に対して水平レール部22を上方側に付勢する構成とされている。
これらばね部材28,28は、第1レール部21が壁体2に対して仮保持された状態で、当該引戸装置1に適用可能な最大許容質量の戸体10の一方の走行体12を水平レール部22に係合保持させた状態で、密着状態となることなく付勢可能な構成とされたものとしてもよい。また、これらばね部材28,28は、戸体10の質量に応じて第1傾斜レール部24及び第2傾斜レール部26の水平面に対する傾斜角度(水平面と係合突条24c,26cの走行面とのなす角)θ1,θ2が好適な角度となるように、適宜の構成とされたものとしてもよい。なお、ばね部材28,28としては、圧縮コイルばねに限られず、板ばねや、引張コイルばね等の他のばね部材を採用するようにしてもよい。この場合は、ばね部材28,28の配設位置等を適宜、変形するようにしてもよい。
図6に示すように、壁体2(図3参照)に固定されたレールベース30の支持片部32に仮保持された第1レール部21の水平レール部22に荷重を掛ければ、ばね部材28,28の弾性変形を伴い、水平レール部22が下方側に移動する。つまり、支持片部32と水平レール部22との間の上下方向の隙間寸法が無荷重の状態よりも小さくなる。これにより、水平レール部22の各端部に回転自在に連結された第1傾斜レール部24及び第2傾斜レール部26の水平レール部22部側の端部が下方側に移動し、第1傾斜レール部24及び第2傾斜レール部26の水平面に対する傾斜角度θ1,θ2が小さくなる。
図6では、質量の異なる2つの戸体10,10Aを、壁体2(図3参照)に固定されたレールベース30の支持片部32に仮保持された上レール20にそれぞれ吊下支持させた状態を示している。また、図6では、これら戸体10,10Aを、戸先側走行体12の転動体13が水平レール部22の長手方向略中央部に位置するように上レール20に吊下支持させた構成としている。図6(a)では、図6(b)に示す戸体10Aよりも質量が大とされた戸体10を示しており、これにより、図6(a)に示す水平レール部22は、図6(b)に示す水平レール部22よりも下方側に位置するように配される。つまり、戸体10を吊下支持した状態における第1傾斜レール部24及び第2傾斜レール部26の水平面に対する傾斜角度θ1,θ2は、戸体10Aを吊下支持した状態における第1傾斜レール部24及び第2傾斜レール部26の水平面に対する傾斜角度θ1A,θ2Aよりも小さくなる。つまり、重い戸体10を吊下支持させるほど第1傾斜レール部24及び第2傾斜レール部26の傾斜角度θ1,θ2が緩やかになる。
これら第1傾斜レール部24及び第2傾斜レール部26の傾斜角度θ1,θ2は、戸先側走行体12が各傾斜レール部24,26に位置した状態で、各傾斜レール部24,26を下る方向に戸体10が自重によって移動(自走)するように適宜の角度としてもよい。また、各傾斜レール部24,26の傾斜角度θ1,θ2を小さくし過ぎれば、戸体10が自走し難くなる傾向がある。一方、各傾斜レール部24,26の傾斜角度θ1,θ2を大きくし過ぎれば、自走方向とは逆側に戸体10を移動させる際に要する力(操作力)が大きくなったり、自走の際の速度が速くなる傾向がある。各傾斜レール部24,26の傾斜角度θ1,θ2は、上記のような観点や戸体10の質量、上レール20の摩擦抵抗等に応じて、適宜、設定するようにしてもよい。例えば、各傾斜レール部24,26の傾斜角度θ1,θ2を、1度〜20度程度としてもよく、好ましくは、1.5度〜10度程度としてもよい。
また、第1レール部21は、上記のように、戸先側走行体12の転動体13が水平レール部22の長手方向略中央部に位置するように戸体10を上レール20に吊下支持させて釣り合った(水平レール部22の上下動がなくなった)状態で、固定するようにしてもよい。この際、各レール部22,24,26の各垂直片部22a,24a,26aをレールベース30の固定片部31または壁体2に上記のように固定し、第1レール部21をレールベース30(壁体2)に対して固定するようにしてもよい。なお、水平レール部22の垂直片部22aの止具挿通孔が露出するように、レールベース30の受入凹所31aを区画する上記垂下片部に切欠状のスリットや長孔等を設けた態様としてもよい。または、水平レール部22を直接的に固定せずに、第1傾斜レール部24及び第2傾斜レール部26の各垂直片部24a,26aをレールベース30の固定片部31または壁体2に固定することで、水平レール部22がレールベース30(壁体2)に対して固定状態とされるものとしてもよい。また、図例では、各傾斜レール部24,26の係合突条24c,26cの水平レール部22側の端部と水平レール部22の係合突条22cの各端部との間に隙間が形成されたように示しているが、このような態様に限られない。例えば、隙間が形成されないように、各レール部22,24,26の突き合わせられる端部に面取り部を設けたような態様としてもよい。または、端部間に圧縮変形する軟質樹脂やゴム等の圧縮変形部を設けたり、このような端部同士の隙間を塞ぐように適宜の充填材を充填するようにしてもよい。また、第2傾斜レール部26の係合突条26cの反水平レール部側の端部と第2レール部29の係合突条29cの第1レール部21部側の端部との間の隙間も上記同様、面取り部を設けたり、適宜の圧縮変形部や充填材を設けた態様としてもよい。
また、第1レール部21の各レール部22,24,26の戸幅方向(水平方向)に沿う寸法は、戸体10の開閉操作性や使い勝手等の観点や、有効開口幅に応じて適宜の寸法としてもよい。本実施形態では、図5に示すように、第1傾斜レール部24の長さ寸法L1を第2傾斜レール部26の長さ寸法L2よりも大としている。つまり、本実施形態では、これら傾斜レール部24,26の反水平レール部側の各端部が同高さに位置するように配されることから、第1傾斜レール部24の傾斜角度θ1が第2傾斜レール部26の傾斜角度θ2よりも小となる構成としている。
また、本実施形態では、第1傾斜レール部24の戸幅方向に沿う寸法(第1傾斜レール部24の傾斜角度θ1の余弦(cosθ1)に長さ寸法L1を乗じた値に相当する寸法)を、水平レール部22の戸幅方向に沿う寸法(長さ寸法)よりも大としている。また、第2傾斜レール部26の戸幅方向に沿う寸法(第2傾斜レール部26の傾斜角度θ2の余弦(cosθ2)に長さ寸法L2を乗じた値に相当する寸法)を、水平レール部22の戸幅方向に沿う寸法(長さ寸法)よりも小としている。
例えば、水平レール部22の戸幅方向に沿う寸法を50mm〜500mm程度とし、第1傾斜レール部24の戸幅方向に沿う寸法を水平レール部22よりも大とし、第2傾斜レール部26の戸幅方向に沿う寸法を水平レール部22よりも小としてもよい。また、例えば、第1傾斜レール部24の戸幅方向に沿う寸法を、戸先側走行体12が水平レール部22に係合保持されて戸体10が半開き位置とされた状態の開口幅寸法が操作者の通過が可能な寸法となるように適宜の寸法としてもよい。図例では、第1傾斜レール部24の戸幅方向に沿う寸法を、水平レール部22の戸幅方向に沿う寸法の1.5倍程度とし、第2傾斜レール部26の戸幅方向に沿う寸法を、水平レール部22の戸幅方向に沿う寸法の5/6程度とした例を示している。
第2レール部29は、第1レール部21の第2傾斜レール部26の反水平レール部側端部に当接するように配される。この第2レール部29は、各傾斜レール部24,26と同様、垂直片部29aをレールベース30の固定片部31または壁体2に固定し、レールベース30(壁体2)に対して固定されるものとしてもよい。また、この第2レール部29と第2傾斜レール部26とは、適宜の連結部材で連結されたものでもよい。なお、この第2レール部29の第1レール部21側の端部に、全開位置とされた戸体10の戸先側走行体12の転動体13が係合保持される態様としてもよい。また、複数部材を組み合わせて第1レール部21及び第2レール部29の各レール部22,24,26,29を構成した態様に代えて、第1レール部21及び第2レール部29のそれぞれまたは上レール20の全体が単一部材によって形成されたものとしてもよい。
また、本実施形態では、引戸装置1を、全開側及び閉鎖側のそれぞれに助勢されて移動する戸体10を減速させる緩衝機構16を備えた構成としている。本実施形態では、緩衝機構16を戸体10側に設け、この緩衝機構16を作動させる作用部33,34を上レール20側に設けた構成としている。また、図4及び図5に示すように、緩衝機構16を、戸体10の両側の走行体12,14のうちの一方の戸先側走行体12に設けた構成としている。
また、緩衝機構16を、戸厚方向に沿う軸17a回りに回転するピニオン(歯車)17を備えた構成とし、上レール20側に設けられる作用部33,34を、ピニオン17に噛み合うラック33,34としている。このような緩衝機構16としては、適宜、公知の緩衝機構16の採用が可能であるが、例えば、ピニオン17の回転を制動する(回転の作動抵抗となる)制動部(ダンパー)を備えたものとしてもよい。このような制動部としては、オイル等の作動流体の粘性抵抗やばねの付勢力を利用したものでもよい。
また、ピニオン17が一方側に回転する際のみに制動力が作用し、他方側に回転する際には空転するように、公知のワンウェイクラッチ等を設けた態様としてもよい。つまり、後記するように、戸体10が助勢されて全開側及び閉鎖側に移動する際には、緩衝機構16による緩衝機能が作用するようにピニオン17に制動力が作用する構成とされたものとしてもよい。一方、全開位置とされた戸体10を閉鎖側に移動させる際及び閉鎖位置とされた戸体10を全開側に移動させる際には、ピニオン17への制動力が作用しないようにピニオン17が空転する構成とされたものとしてもよい。
また、この緩衝機構16のピニオン17は、戸先側走行体12の転動体13と戸厚方向でずれた位置となるように、戸厚方向で転動体13よりも壁体2側に位置するように設けられている。
また、図例では、緩衝機構16を、戸体10の上端部に固定された戸先側走行体12の板状の支持部に固定した例を示している。また、戸先側走行体12の支持部の戸尻側端部に緩衝機構16を固定した例を示している。また、緩衝機構16を、戸幅方向に概ね沿う方向に長尺状の略直方体状とし、その戸先側端部を戸先側走行体12の支持部の戸尻側に固定した例を示している。また、後記する閉鎖側ラック33を保持するラック受けを構成する第1傾斜レール部24にピニオン17以外が干渉しないように、緩衝機構16を、その上面が戸先側に向かうに従い下るように傾斜するように第1傾斜レール部24に対して概ね平行状となるように取り付けた例を示している。
ラック33,34は、閉鎖位置に移動する戸体10の緩衝機構16を作動させる閉鎖側ラック33と、全開位置に移動する戸体10の緩衝機構16を作動させる全開側ラック34と、からなる(図7及び図9も参照)。これら閉鎖側ラック33と全開側ラック34とは互いに同様の構成とされ、上レール20の長手方向に長尺状とされている。
閉鎖側ラック33は、第1傾斜レール部24の反水平レール部側の端部側に位置するように設けられている。図例では、閉鎖側ラック33を、第1傾斜レール部24の長手方向中央よりも反水平レール部側の端部側に位置するように設けた例を示している。
全開側ラック34は、第2傾斜レール部26の反水平レール部側の端部側に位置するように設けられている。図例では、全開側ラック34を、第2傾斜レール部26の長手方向中央よりも反水平レール部側の端部側に位置するように設けた例を示している。
また、本実施形態では、閉鎖側ラック33の歯部と全開側ラック34の歯部とが上下方向で逆側に向くように、これらラック33,34を各傾斜レール部24,26に取り付けた構成としている。図例では、閉鎖側ラック33を、その歯部が上方側を向くように取り付け、全開側ラック34を、その歯部が下方側を向くように取り付けた例を示している。また、全開側ラック34を、図5に示すように、第2傾斜レール部26の上方側に位置するように第2傾斜レール部26に連結固定されたラック受け35に取り付けた例を示している。このラック受け35は、当該ラック受け35に緩衝機構16のピニオン17以外が干渉しないように形成されている。このラック受け35は、図3に示すように、長手方向に見た形状が各レール部22,24,26,29のガイド片部の突出方向先端部を切除したような形状とされ、かつ全長に亘って一様な形状とされている。つまり、ラック受け35は、上記同様な垂直片部35aの上端部に、上記同様な凹溝35dが設けられた突出片部35bを設けた構成とされている。また、このラック受け35の突出片部35bが第2傾斜レール部26のガイド片部26bと略平行状となるようにラック受け35を取り付けた例を示している。図例では、ラック受け35の垂直片部35aと第2傾斜レール部26の垂直片部26aとを複数の連結部材36,36を介して連結固定した例を示している。
また、閉鎖側ラック33は、第1傾斜レール部24のガイド片部24bの凹溝24dに取り付けられ、全開側ラック34は、ラック受け35の突出片部35bの凹溝35dに取り付けられる構成とされている。詳細な図示は省略しているが、各ラック33,34の歯部とは逆側の面部には、戸厚方向に沿う方向の両側に突出する突片部が設けられており、これら突片部が凹溝24d,35dの両側開口縁の突部に抜け止め保持される構成とされている。また、第1傾斜レール部24及びラック受け35の各凹溝24d,35dには、各ラック33,34の長手方向両側に位置するように適宜の固定金具が取り付けられ、各ラック33,34が第1傾斜レール部24及びラック受け35に取り付けられる。なお、全開側ラック34が取り付けられるラック受けとしては、上記のようなラック受け35に限られず、種々の変形が可能である。
また、図4では、全開側ラック34を、長手方向に分割された二部材からなるものとした例を示しているが、閉鎖側ラック33も同様の構成としてもよい。この場合、各ラック33,34の水平レール部22側の部材を、反水平レール部側の部材よりも軟質のものとしてもよい。または、各ラック33,34の水平レール部22側の端部に軟質材等からなる衝撃吸収部等を設けた態様等としてもよい。また、各ラック33,34の長手方向に沿う寸法や、配設位置は、閉鎖位置及び全開位置に移動する戸体10を減速させて衝撃を緩和する観点等から適宜の寸法や位置としてもよい。また、緩衝機構16及び各ラック33,34は、ピニオン17が各ラック33,34に噛み合うように、取付位置の調整が可能とされたものとしてもよい。また、上レール20の適所や床側等に、閉鎖位置の戸体10の更なる閉鎖側への移動を抑止するストッパーや、全開位置の戸体10の更なる開放側への移動を抑止するストッパー等を設けた態様としてもよい。
上記構成とされた引戸装置1の戸体10は、上レール20にガイドされて、以下のように、閉鎖位置と全開位置とを移動する。
図7に示すように、戸体10を、戸先側走行体12が第1傾斜レール部24に係合し、戸尻側走行体14が第2レール部29に係合するように位置させれば、戸体10の自重によって戸先側走行体12が第1傾斜レール部24を下るように走行する。これにより、戸尻側走行体14も従動するように第2レール部29を閉鎖側に向けて走行し、戸体10が閉鎖側に助勢されて言わば自走する。また、この状態では、戸体10の戸尻側端部よりも戸先側端部が上方側に位置するように、戸体10が戸厚方向に沿う軸回りに僅かに傾いた状態となる。そして、緩衝機構16のピニオン17が閉鎖側ラック33に噛み合えば、緩衝機構16が作動し、閉鎖側に移動する戸体10が減速されながら閉鎖位置となる。
このように戸体10が閉鎖位置では、図1に示すように、戸先側走行体12が第1傾斜レール部24の反水平レール部側端部に位置し、戸尻側走行体14が第2レール部29の第1レール部21側の端部に位置する。この状態では、戸体10の上下端面が水平面状、つまり、戸体10が高さ方向を上下方向に沿わせた略直立状態となる。
また、図8に示すように、戸体10を、戸先側走行体12が水平レール部22に係合し、戸尻側走行体14が第2レール部29に係合するように位置させれば、両側の走行体12,14の走行を停止させることができ、戸体10が半開き位置で保持される。この状態でも上記と略同様、戸体10の戸尻側端部よりも戸先側端部が上方側に位置するように、戸体10が戸厚方向に沿う軸回りに僅かに傾いた状態となる。
また、図9に示すように、戸体10を、戸先側走行体12が第2傾斜レール部26に係合し、戸尻側走行体14が第2レール部29に係合するように位置させれば、戸体10の自重によって戸先側走行体12が第2傾斜レール部26を下るように走行する。これにより、戸尻側走行体14も従動するように第2レール部29を全開側に向けて走行し、戸体10が全開側に助勢されて言わば自走する。また、この状態でも上記と略同様、戸体10の戸尻側端部よりも戸先側端部が上方側に位置するように、戸体10が戸厚方向に沿う軸回りに僅かに傾いた状態となる。そして、緩衝機構16のピニオン17が全開側ラック34に噛み合えば、緩衝機構16が作動し、全開側に移動する戸体10が減速されながら全開位置となる。
このように、戸体10が全開位置では、図2に示すように、戸先側走行体12が第2傾斜レール部26の反水平レール部側端部に位置し、戸尻側走行体14が第2レール部29の反第1レール部側の端部に位置する。この状態では、閉鎖位置と同様、戸体10の上下端面が水平面状、つまり、戸体10が高さ方向を上下方向に沿わせた略直立状態となる。
本実施形態に係る引戸装置1は、上述のような構成としたことで、戸体10を全開側及び閉鎖側の両方側に助勢可能としながらも、構造の簡略化を図ることができる。
つまり、上レール20に、戸体10を半開き位置で保持可能な水平レール部22と、戸体10を全開側及び閉鎖側のうちの一方側(閉鎖側)に助勢する第1傾斜レール部24と、戸体10を他方側(全開側)に助勢する第2傾斜レール部26と、を設けている。従って、上述のように、戸体10の走行体12を第1傾斜レール部24に位置させれば、第1傾斜レール部24を下るように走行体12が走行し、戸体10が閉鎖側に自走するように助勢されて開口3を閉鎖することができる。また、例えば、この第1傾斜レール部24に走行体12が係合した状態で半開き状となる開口3を介して、間仕切られた個室等の空間の様子等を確認することができる。また、このような確認が終われば、戸体10を離すことで閉鎖側への操作を要することなく閉鎖することもできる。また、例えば、第1傾斜レール部24に走行体12が係合した状態で半開き状となる開口3の幅寸法を、操作者の通過可能な寸法とすれば、閉鎖側への操作を要することなく閉鎖可能でありながらも開口3を通過するようなこともできる。
また、戸体10の走行体12を水平レール部22に位置させれば、上述のように、戸体10が半開き位置で保持され、開口3を半開き状態にすることができる。このように半開き状態で戸体10を停止させることができるので、通気や上記のような確認等のために半開き状態にしたり、この状態の開口3の幅寸法を、操作者の通過可能な寸法とすれば、この状態で開口3を通過したりすることもできる。
また、上述のように、戸体10の走行体12を第2傾斜レール部26に位置させれば、第2傾斜レール部26を下るように走行体12が走行し、戸体10が全開側に自走するように助勢されて開口3を全開させることができる。つまり、戸体10を全開側及び閉鎖側の途中位置まで移動させれば、戸体10を全開側及び閉鎖側の両方側に助勢することができるので、操作者の負担を軽減することができ、言わば半自動引戸とすることができる。また、配線や電源を要する自動ドアと比べて、設置する際の作業性やメンテナンス性を向上させることができる。また、ガイドレール部を回動軸部回りに回転させて傾ける必要があるようなものと比べて、構造の簡略化を図ることができ、また、操作者の負担を軽減することができる。
また、本実施形態では、戸体10の走行体12,14を、戸幅方向両側端部のそれぞれに設けた構成としている。従って、例えば、戸体10の戸幅方向略中央部のみに走行体を設けたようなものと比べて、戸体10を移動させる際に戸体10の下端側が戸幅方向に振れるようなことを抑制することができ、戸体10を安定的に移動させることができる。
また、上レール20に、戸幅方向一側端部の走行体12をガイドする第1レール部21と、戸幅方向他側端部の走行体14をガイドし、長手方向を水平方向に沿わせて配される第2レール部29と、を設けた構成としている。従って、例えば、戸幅方向他側端部の走行体14をガイドする第2レール部29に、第1レール部21と同様の第1傾斜レール部24、水平レール部22及び第2傾斜レール部26を設けたようなものと比べて、構造の簡略化を図ることができる。つまり、上レール20の戸幅方向に沿う方向の略半部を占める、戸幅方向他側端部の走行体14を走行自在にガイドする第2レール部29の構造の簡略化を図ることができる。
また、本実施形態では、上レール20を、戸体10が全開位置及び閉鎖位置において両側の走行体12,14が同高さ位置となるように、各傾斜レール部24,26の反水平レール部側の各端部と第2レール部29とが同高さに位置するように配される構成としている。従って、上述のように、全開位置と閉鎖位置との間の途中位置では戸体10が戸厚方向に沿う軸回りに傾いた状態となるが、全開位置及び閉鎖位置では、戸体10を略直立状態(高さ方向を上下方向に沿わせた状態)とすることができる。これにより、全開位置及び閉鎖位置における戸体10が戸枠に対して傾いて見えるようなことを抑制することができる。つまり、上記のように戸幅方向他側端部の走行体14をガイドする第2レール部29を水平状に配されるものとして構造の簡略化を図ることが可能でありながらも、全開位置及び閉鎖位置において戸体10を略直立状態とすることができる。なお、このような態様に代えて、上レール20を、各傾斜レール部24,26の反水平レール部側の各端部と第2レール部29とが異なる高さに位置するように配されるものとしてもよい。例えば、半開き位置において戸体10が略直立状態となるように、水平レール部22と第2レール部29とが同高さに位置するように配される構成としてもよい。また、この場合は、レールベース30を適宜、変形したり、第2レール部29を、レールベース30を介さずに直接的に固定対象2に固定されるものとしたりしてもよい。
また、本実施形態では、上レール20を、第1レール部21が戸先側端部の走行体(戸先側走行体)12をガイドする一方、第2レール部29が戸尻側端部の走行体(戸尻側走行体)14をガイドするように配される構成としている。従って、例えば、戸体10を収納する戸袋が設けられるような場合にも、比較的に構造の複雑な第1レール部21側を開口3側に位置させることができ、第1レール部21のメンテナンス性を向上させることができる。つまり、簡易な構造の第2レール部29を戸袋内に設けることができる。なお、このような態様に代えて、上レール20を、第1レール部21が戸尻側走行体14をガイドする一方、第2レール部29が戸先側走行体12をガイドするように配される態様としてもよい。
また、本実施形態では、上レール20を、第1傾斜レール部24の反水平レール部側端部と第2傾斜レール部26の反水平レール部側端部とが同高さに位置するように配される構成としている。また、第1傾斜レール部24の長さ寸法L1を、第2傾斜レール部26の長さ寸法L2よりも大としている。従って、上述のように、第1傾斜レール部24を、戸体10を閉鎖側に助勢するものとすれば、閉鎖側への操作を要することなく閉鎖可能な状態における半開き状態の開口3の幅寸法を比較的に大きくすることができる。また、戸体10を全開位置から閉鎖位置とする際に必要となる戸体10の移動距離、つまり、全開位置から戸先側走行体12が第1傾斜レール部24に係合するまでの戸体10の移動距離を比較的に小さくすることができる。また、第1傾斜レール部24の水平面に対する傾斜角度θ1が第2傾斜レール部26の水平面に対する傾斜角度θ2よりも小さくなり、全開側に助勢される戸体10の速度よりも閉鎖側に助勢される戸体10の速度を遅くすることができる。なお、上記のような態様に代えて、上記とは逆に、第1傾斜レール部24を、戸体10を全開側に助勢するものとしてもよい。このような態様とすれば、戸体10を閉鎖位置から全開位置とする際に必要となる戸体10の移動距離を比較的に小さくすることができる。また、上記のように各傾斜レール部24,26の長さ寸法L1,L2を異ならせた態様に代えて、第1傾斜レール部24の長さ寸法L1と第2傾斜レール部26の長さ寸法L2とを同寸法としてもよい。また、上記のように第1レール部21の各レール部22,24,26の戸幅方向に沿う寸法を異なる寸法とした態様に代えて、両傾斜レール部24,26のうちの少なくとも一方の戸幅方向に沿う寸法を、水平レール部22の戸幅方向に沿う寸法と同寸法とししてもよい。または、両方の傾斜レール部24,26の戸幅方向に沿う寸法を同寸法若しくは異なる寸法とし、かつ、水平レール部22の戸幅方向に沿う寸法よりも大若しくは小としてもよい。
また、本実施形態では、各傾斜レール部24,26の水平レール部22側の各端部と水平レール部22の各端部とを、回転自在に連結し、水平レール部22を上下に変位させて各傾斜レール部24,26の傾斜角度θ1,θ2の変更を可能としている。従って、水平レール部22を上下に変位させることで、第1傾斜レール部24及び第2傾斜レール部26の傾斜角度θ1,θ2を変更することができる。これにより、戸体10の戸先側走行体12が各傾斜レール部24,26を上るように戸体10を移動させる際に要する力を変更したり、全開側及び閉鎖側に助勢される戸体10の速度等を変更したりすることができる。また、例えば、仕様違い等によって戸体10の質量が異なる場合にも、戸体10の戸先側走行体12が各傾斜レール部24,26を上るように戸体10を移動させる際に要する力を戸体10の質量に応じて概ね同程度にするようなこともできる。
また、本実施形態では、上レール20(第1レール部21)を固定対象としての壁体2に対して仮保持させた状態で、上下に変位自在とされた水平レール部22を戸体10の荷重に抗して上方側に付勢するばね部材28,28を設けた構成としている。従って、上述のように、上レール20を壁体2に対して仮保持させた状態で、戸体10の戸先側走行体12を水平レール部22に位置させれば、戸体10の荷重に応じてばね部材28,28が変形して水平レール部22が下方側に変位し、この位置で上レール20を本固定することができる。これにより、上述のように、比較的に重い戸体10の場合には、各傾斜レール部24,26の傾斜角度θ1,θ2が比較的に小さくなり、比較的に軽い戸体10Aの場合には、各傾斜レール部24,26の傾斜角度θ1A,θ2Aが比較的に大きくなることとなる。従って、例えば、このようなばね部材28,28を設けずに水平レール部22の上下位置を調整する必要があるようなものと比べて、作業性を向上させることができる。
また、本実施形態では、上レール20に、固定対象としての壁体2に固定され、第1レール部21を仮保持可能なレールベース30を設けた構成としている。従って、第1レール部21を、壁体2に直接的に仮保持させる必要があるものと比べて、作業性を向上させることができる。なお、このようなレールベース30を設けないようにしてもよく、また、上述のようなばね部材28,28を設けないようにしてもよい。この場合は、水平レール部22をねじ作用等によって上下に変位させる上下位置調整部を設けたりしてもよい。さらには、水平レール部22を上下に変位不能とした態様としてもよい。この場合は、各傾斜レール部24,26の長さ寸法L1,L2を変更することで、各傾斜レール部24,26の傾斜角度θ1,θ2を変更するようにしてもよい。
また、本実施形態では、全開側及び閉鎖側のそれぞれに助勢されて移動する戸体10を減速させる緩衝機構16を備えた構成としている。従って、全開位置及び閉鎖位置に移動する戸体10の衝撃を緩和することができる。
また、本実施形態では、戸体10の戸先側端部に緩衝機構16を設け、第1レール部21の長手方向両端部に、この緩衝機構16を作動させる作用部(ラック)33,34をそれぞれに設けた構成としている。従って、例えば、戸体10を収納する戸袋が設けられるような場合にも、緩衝機構16や両ラック33,34を開口3側に位置させることができ、これらのメンテナンス性を向上させることができる。
なお、上記のような態様に代えて、戸体10の戸尻側端部に緩衝機構16を設け、第2レール部29の長手方向両端部に、この緩衝機構16を作動させる作用部(ラック)33,34をそれぞれに設けた構成としてもよい。
また、本実施形態では、緩衝機構16を戸体10側に設け、この緩衝機構16を作動させる作用部33,34を上レール20側に設けた例を示しているが、これらを逆側に設けるようにしてもよい。つまり、緩衝機構16を上レール20側に設け、この緩衝機構16を作動させる作用部33,34を戸体10側に設けた態様としてもよい。
また、緩衝機構16及びこれを作動させる作用部33,34としては、上記のようなラック33,34に噛み合うピニオン17の回転を制動する構成とされたものに限られず、種々の構成とされた緩衝機構16の採用が可能である。例えば、戸厚方向に沿う軸回りに回転されるアームの先端部を受け入れる係合凹部を作用部とし、このアームの回転を制動する構成とされたものや、戸幅方向に沿う方向に進退するロッドの先端が当接する当接部を作用部とし、このロッドの進退を制動する構成とされたもの等を緩衝機構16として採用するようにしてもよい。また、本実施形態では、全開側及び閉鎖側のそれぞれに助勢されて移動する戸体10を減速させる緩衝機構16を設けた構成としているが、全開側及び閉鎖側のうちの一方側に助勢されて移動する戸体10を減速させる緩衝機構16を設けた構成としてもよい。更には、このような緩衝機構16を設けない態様としてもよい。
また、本実施形態では、上レール20を、水平レール部22及び各傾斜レール部24,26を有した第1レール部21と、水平状に配される第2レール部29と、を備えた構成とした例を示しているが、このような態様に限られない。例えば、戸幅方向他側端部の走行体(戸尻側走行体)14をガイドする第2レール部29に、第1レール部21と同様の第1傾斜レール部24、水平レール部22及び第2傾斜レール部26を設けた態様としてもよい。つまり、戸先側走行体12をガイドする第1レール部21及び戸尻側走行体14をガイドする第2レール部29のそれぞれに、第1傾斜レール部24、水平レール部22及び第2傾斜レール部26を設けた態様としてもよい。このような態様とすれば、戸体10を移動させる際に、戸体10が戸厚方向に沿う軸回りに傾いたような状態となるようなことなく、戸体10を略直立状態(高さ方向を上下方向に沿わせた状態)に維持することができる。また、両側の走行体12,14が各傾斜レール部24,26を下るように走行して戸体10の助勢がなされるため各傾斜レール部24,26の水平面に対する傾斜角度を比較的に小さくすることもできる。これにより、両側の走行体12,14が各傾斜レール部24,26を上るように戸体10を移動させる際に要する力を小さくすることもできる。
また、本実施形態では、戸体10の戸幅方向両側端部のそれぞれに走行体12,14を設けた態様とした例を示しているが、このような態様に代えて、戸体10の戸幅方向略中央部のみに走行体12を設けた態様としてもよい。この場合は、上レール20に第1レール部21と第2レール部29とを設けずに、上レール20の全体を第1レール部21と同様な構成とし、この上レール20を、戸体10の移動領域の中央部に位置するように配されるものとしてもよい。つまり、開口3の上側に位置するように第1傾斜レール部24が配されるものとし、全開位置で戸体10が納められる壁体2の上端部に位置するように第2傾斜レール部26が配されるものとしてもよい。戸体10の走行体12(14)及びこれをガイドする上レール20としては、その他、種々の変形が可能である。
また、本実施形態では、単一の戸体10を備えた片引式の引戸装置1を例示しているが、このような態様に限られず、二枚の戸体10を備えた引分け式や引き違い式の引戸装置1としてもよい。引分け式の場合は、各戸体10をガイドする各上レール20を戸厚方向に見て左右対称状に配されるものとした態様としてもよい。引き違い式の場合は、各戸体10をガイドする各上レール20を戸厚方向に並列状に設けた態様としてもよく、または、一方の戸体をガイドする上レールを全長に亘って水平状に配されるものとしてもよい。
また、本実施形態では、引戸装置1の戸体10を、アウトセット納め状に配設されるものとした例を示しているが、このような態様に限られない。例えば、引戸装置1の戸体10を、壁体の一部に設けられた袖壁に納められる袖壁納め状や壁体に設けられた戸袋に納められる戸袋納め状に配設されるものとしてもよい。この場合は、戸体10の走行体12(14)や、上レール20を適宜、必要に応じて変形するようにしてもよい。
1 引戸装置
10,10A 戸体
12 戸先側走行体(戸幅方向一側端部(戸先側端部)の走行体)
14 戸尻側走行体(戸幅方向他側端部(戸尻側端部)の走行体)
16 緩衝機構
20 上レール
21 第1レール部
22 水平レール部
23a 連結軸(戸厚方向に沿う軸)
24 第1傾斜レール部
25a 連結軸(戸厚方向に沿う軸)
26 第2傾斜レール部
29 第2レール部
3 開口
L1 第1傾斜レール部の長さ寸法
L2 第2傾斜レール部の長さ寸法
θ1,θ1A 第1傾斜レール部の水平面に対する傾斜角度
θ2,θ2A 第2傾斜レール部の水平面に対する傾斜角度

Claims (7)

  1. 開口を開閉する戸体と、この戸体の上端部に設けられた走行体を走行自在にガイドし、該戸体を吊下支持する上レールと、を備えており、
    前記上レールは、長手方向を水平方向に沿わせて配され、前記戸体を半開き位置で保持可能な水平レール部と、この水平レール部の長手方向一端部から下り坂状に傾斜するように設けられ前記戸体を全開側及び閉鎖側のうちの一方側に助勢する第1傾斜レール部と、前記水平レール部の長手方向他端部から下り坂状に傾斜するように設けられ前記戸体を全開側及び閉鎖側のうちの他方側に助勢する第2傾斜レール部と、を備えていることを特徴とする引戸装置。
  2. 請求項1において、
    前記戸体の走行体は、戸幅方向両側端部のそれぞれに設けられており、
    前記上レールは、戸幅方向一側端部の走行体をガイドし、前記第1傾斜レール部、前記水平レール部及び前記第2傾斜レール部を有した第1レール部と、戸幅方向他側端部の走行体をガイドし、長手方向を水平方向に沿わせて配される第2レール部と、を備えていることを特徴とする引戸装置。
  3. 請求項2において、
    前記上レールは、前記戸体が全開位置及び閉鎖位置において戸幅方向両側端部の走行体が同高さ位置となるように、前記第1傾斜レール部及び前記第2傾斜レール部の長手方向における反水平レール部側の各端部と前記第2レール部とが同高さに位置するように配される構成とされていることを特徴とする引戸装置。
  4. 請求項2または3において、
    前記上レールは、前記第1レール部が戸先側端部の走行体をガイドする一方、前記第2レール部が戸尻側端部の走行体をガイドするように配される構成とされていることを特徴とする引戸装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項において、
    前記上レールは、前記第1傾斜レール部の長手方向における反水平レール部側端部と前記第2傾斜レール部の長手方向における反水平レール部側端部とが同高さに位置するように配される構成とされ、かつ、前記第1傾斜レール部の長さ寸法が前記第2傾斜レール部の長さ寸法よりも大とされていることを特徴とする引戸装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項において、
    前記水平レール部は、上下に変位自在とされており、
    前記第1傾斜レール部及び前記第2傾斜レール部の長手方向における水平レール部側の各端部と前記水平レール部の長手方向の各端部とは、戸厚方向に沿う軸回りに回転自在に連結され、前記水平レール部を上下に変位させて前記第1傾斜レール部及び前記第2傾斜レール部の水平面に対する傾斜角度の変更が可能とされていることを特徴とする引戸装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項において、
    全開側及び閉鎖側のそれぞれに助勢されて移動する前記戸体を減速させる緩衝機構を備えていることを特徴とする引戸装置。
JP2015241181A 2015-12-10 2015-12-10 引戸装置 Active JP6569998B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015241181A JP6569998B2 (ja) 2015-12-10 2015-12-10 引戸装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015241181A JP6569998B2 (ja) 2015-12-10 2015-12-10 引戸装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017106245A JP2017106245A (ja) 2017-06-15
JP6569998B2 true JP6569998B2 (ja) 2019-09-04

Family

ID=59059147

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015241181A Active JP6569998B2 (ja) 2015-12-10 2015-12-10 引戸装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6569998B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7022675B2 (ja) * 2018-10-19 2022-02-18 三協立山株式会社 引戸装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017106245A (ja) 2017-06-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2016205128A (ja) 摺動ドアのためのガイドデバイス
JP4796816B2 (ja) 扉体閉止装置
RU2643604C2 (ru) Раздвижная дверь
JP6399490B2 (ja) 走行補助装置及びこれを備えた引戸装置
KR101314148B1 (ko) 서랍용 충격완화장치
JP6569998B2 (ja) 引戸装置
JP4368407B1 (ja) スライドアシスト装置
JP2009108662A (ja) 移動間仕切装置
KR101985136B1 (ko) 슬라이딩 창호용 댐퍼
KR101282083B1 (ko) 출렁거림 없이 안정적으로 제동되는 포켓문용 미닫이 창호의 연동장치
KR101764346B1 (ko) 포켓 도어의 착탈식 완충 제어장치
JP2010101058A (ja) 引戸装置
JP2017516056A (ja) ドア用のベアリングアセンブリ
JP4410750B2 (ja) 横移動式シャッター装置
KR101183724B1 (ko) 미닫이 장치
JP2008163667A (ja) ダンパー装置
KR200487213Y1 (ko) 문 급속 닫힘 방지 기능을 갖는 완충기구
JP4195464B2 (ja) 折戸システム
JP4039671B2 (ja) ソフトクローザ機構
JP6537048B2 (ja) 戸体制動装置及びこれを備えた引戸装置
JP2012112101A (ja) 引戸用クローザ
JP7008240B2 (ja) パネル装置
JP4039672B2 (ja) ソフトクローザ機構
JP2009019466A (ja) フラット引戸装置
JP2003003769A (ja) シャッタ

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20171002

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180918

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190619

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190716

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190729

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6569998

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151