JP4039671B2 - ソフトクローザ機構 - Google Patents

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JP4039671B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体の移動終了近傍より移動終了に向けて緩やかな動作を完了するようにしたソフトクローザ機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、抽斗や扉等の可動部にソフトクローザ機構を適用して緩やかな閉動作を行うようにするものとして、例えば特許文献1に記載の「家具の可動部分の閉動作および/または引き込みのための装置」が知られている。図6は前記特許文献に開示されているソフトクローザ機構の斜視図である。
【0003】
図6において、01はクローザであって、可動部材(図示せず)と同方向に移動できるクローザプレート02に支持されたスライダー03と、スライダー03のラック03aと噛み合うピニオン04を有する回転ダンパー(図示せず)と、スライダー03に軸05を介して揺動自在に取付けたクローザフック06とで構成されている。そしてスライダー03には、一端がクローザプレート02に係止し、他端がクローザフック06に係止した引っ張りバネ07により、扉の閉方向に常に引き込み力が作用しているが、可動部材が作用しない状態では、クローザフック06がオフセットされたガイドウェイ08により移動が拘束されているために、スライダー03が扉の閉方向へ移動してしまうことはない。
【0004】
ソフトクローザ機構はクローザ01と可動部材に取付けたピン(図示せず)とで構成され、クローザフック06には可動部材のピンと係合可能な円弧状の孔06aが形成されている。可動部材が閉方向に移動してピンが円弧状の孔06aをとらえると、クローザフック06が揺動してオフセットされたガイドウェイ08から外れ、可動部材と一体になってスライダー03が閉方向に移動する。この時スライダー03はラック03aと噛み合うピニオン04を回動するため、回転ダンパーからの緩衝作用で減速される。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−245738号公報(第3、4頁、図11−14)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載のソフトクローザ機構は、可動部材のピンは常にその同一箇所がクローザフック06の円弧状の孔06aと当接するために損耗が激しく、しかも可動部材の閉動作速度が大きいとピンがクローザフックと衝突するときの衝撃音が発生するという問題があった。
【0007】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ピンの耐久性を向上させ、しかもピンがクローザフックと衝突するときの衝撃音の発生を抑えたソフトクローザ機構を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のソフトクローザ機構は、キャビネット本体の上部に設けた吊り下げレールによりキャビネット本体の幅方向に移動可能に吊り下げ支持された吊扉の閉じる方向である移動終了近傍より移動終了に向けて吊扉に緩やかな動作を完了するようにしたソフトクローザ機構であって、前記ソフトクローザ機構は、吊扉に設けた係止ピンと、吊扉の移動終了近傍で該係止ピンと係脱するキャビネット本体に取付けたクローザとから成り、前記クローザは、吊扉の移動により移動可能に支持されたスライダーと、該スライダーの移動終了方向への移動を減速させるダンパーと、スライダーに取付けられたクローザフックとで構成され、前記係止ピンはピン軸に対し回動自在に嵌合する緩衝チューブを有し、吊扉の移動終了行程における移動終了近傍で係止ピンが前記クローザフックと係合する時に緩衝チューブが回動し、その後スライダーを吊扉の移動終了方向に移動させ、反移動終了行程における前記移動終了近傍で係止ピンがクローザフックと離脱する時にも緩衝チューブが回動するように構成し、前記キャビネット本体には高さ方向の略中間位置に幅方向に亘って案内支持部材が設けられ、該案内支持部材に沿って移動するガイドピンと、このガイドピン近傍に設けられている係止ピンが吊扉に取付けられる取付金具に設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、係止ピンの係脱時に緩衝チューブが回動するので、係止ピンの特定箇所だけが損耗することがなく耐久性を向上させることができるばかりでなく、係止ピンには緩衝チューブが外嵌しているので、クローザフックと係合するときの衝撃力を抑えることができる。また、吊扉がガイドピンによってその揺れを抑えることができ、係止ピンがガイドピン近傍に設けられているので、係止ピンもガイドピンの移動に同調して揺れの少ない直線状の走行が可能である。更に、取付金具によってガイドピンと係止ピンとの位置関係が固定されるので、係止ピンにより正確な直線走行を与えることができる。
【0009】
本発明のソフトクローザ機構において、前記クローザフックはスライダーに揺動自在に且つスライダーの移動方向と直交方向に摺動可能に取付けられ、係止ピンがこのクローザフックと係合する場合は、クローザフックが一方向に揺動すると共に摺動し、係止ピンがこのクローザフックと離脱する場合は、クローザフックが他方向に揺動すると共に摺動し、係止ピンがクローザフックと再び係合するまではクローザフックはその離脱位置を保持していることが好ましい。
このようにすれば、クローザフックが係止ピンと係合しやすい位置に待機することができ、係合後は係止ピンがクローザフックから外れないようにクローザフックを移動させることができる。
【0010】
本発明のソフトクローザ機構において、前記クローザフックの先端フック部は中間が円弧状で両端が略直線状の切欠き孔部が形成され、係止ピンがこのクローザフックと係合する場合は、前記緩衝チューブが一方の直線状切欠き孔部上で回動しながら円弧状切欠き孔部に移行し、係止ピンがこのクローザフックと離脱する場合は、前記緩衝チューブが円弧状切欠き孔部から離れて他方の直線状切欠き孔部上で移行しながら回動することが好ましい。
このようにすれば、緩衝チューブが切欠き孔部と係合するとき及び離脱するときに、略直線状の切欠き孔部と接触するようにしているので、緩衝チューブの回動を促進することができる。
【0011】
本発明のソフトクローザ機構において、前記ダンパーは、スライダーの反移動終了方向への移動に対してはフリーとする一方向ダンパーであることが好ましい。
このようにすれば、扉の開動作の時にダンパーからの抵抗を受けることなく開けることができる。
【0012】
本発明のソフトクローザ機構において、前記スライダーには移動終了方向へ常に引き込み力が作用する弾性部材が装架されていることが好ましい。
このようにすれば、移動体の移動終了近傍から終了までは人の手を煩わせることなく弾性部材で自動的にゆっくりと閉鎖することができる。
【0014】
本発明のソフトクローザ機構において、前記吊扉の中央部近傍に前記ソフトクローザ機構が配置され、かつ該吊扉の取っ手の取付位置とほぼ同じ高さレベルにあることが好ましい。
このようにすれば、吊扉の減速作用を受ける部分が中央部近傍で取っ手の取付位置と近ければ、扉が歪むことなく安定して開閉できる。
【0017】
本発明のソフトクローザ機構において、前記吊扉は複数枚から成るシンクロスライド扉であることが好ましい。
このようにすれば、左右の両外扉側にそれぞれソフトクローザ機構を配設することにより、左右均等に衝撃なく閉鎖することができ、特に、請求項5に記載されているように、弾性部材を装架した場合は両扉でキャビネット開口を完全に閉鎖することができる。
【0018】
【発明の実施形態】
図1は本発明の一実施形態に係るソフトクローザ機構を備えたキャビネットの正面図、図2はキャビネット内部の中間棚と吊扉端部に対応して配置されたソフトクローザ機構を示す斜視図、図3の(a)は(b)のB−B断面を示しクローザの内部構造を示す平面図、(b)は(a)のA−A断面図、図4はソフトクローザ機構の全体斜視図、図5(a)は係止ピンが係合または離脱時におけるクローザフックの状態を示す動作説明図、(b)は係止ピンが係合した状態にあるクローザフックの状態を示す動作説明図である。
【0019】
本発明は抽斗や扉等のあらゆる移動体の移動終了近傍より移動終了に向けて緩やかな動作を完了するようにしたソフトクローザ機構に関するものであるが、このソフトクローザ機構を吊扉に適用した例に付き説明する。図1に示す1は吊扉であって、この吊扉1は、キャビネット等の戸棚本体2の開口上端部の前後に隣接して取付けられた1対の吊下げレール4の前方側に吊り下げられて戸棚本体2の幅方向に移動され、閉鎖時には戸棚本体2の両側に配置される2枚の外扉1b,1cと、後方の吊下げレール4に吊り下げられて戸棚本体2の幅方向に外扉1b,1cの内側で引き違い可能に移動され、閉鎖時には両外扉1b,1cの中間に配置される1枚の幅広の内扉1aとから構成されている。
【0020】
図2に示すように、戸棚本体2内部の高さ方向略中間部には棚板2aが設けられていて、この棚板2a前端の下面には幅方向全長に亘って案内支持部材となる下方が開放した案内溝5aを有する断面コ字型のレール5が固設されており、両外扉1b,1cの表側には棚板2aに対応する略同じ高さレベルに取っ手H1,H2が取付けられており、両外扉1b,1c裏面の左右端部には、上下方向中間部に内部を向く鋼鈑で形成された取付金具となるブラケット6が取着されている。
【0021】
このブラケット6は、棚板2a左右端部の下面に取付けられた後述するクローザS1,S2に対応する高さ位置にあって、垂直片6d端部に折曲形成された取付け片6aと、垂直片6dの上端に開閉方向後方に向けて折曲形成された2つの水平支持片6b,6cと、手前側の水平支持片6bの上面に垂直に立設した案内溝5aに係合する円柱状のガイドピン8と、このガイドピン8に近接配置され奥側の水平支持片6cの上面に垂直に立設し後述するクローザフック16に係合する係止ピン10と、垂直片6dの当接側前面に突設するように装着された2つのゴム製の緩衝部材Dとで構成されている。
【0022】
このように、ソフトクローザ機構の取付高さ位置を、吊扉1の高さ方向中央部近傍となる取っ手H1,H2の取付位置とほぼ同じレベルに配置することで、両外扉1b,1cが歪むことなく安定して開閉できる。
【0023】
次に、本発明のソフトクローザ機構に付き図3および図4を参照して説明する。
【0024】
ソフトクローザ機構は、吊扉1の閉動作終了近傍より扉の閉動作終了に向けて緩やかな閉動作を完了するようにするためのものであって、吊扉1の両外扉1b,1c裏面における左右端部に取着されたブラケット6(図4参照)の水平支持片6c上に設けられた係止ピン10と、両外扉1b,1cの閉動作終了近傍で上記係止ピン10と係脱すべく棚板2a左右端部の下面に取付けられた左右勝手違いのクローザS1,S2とから成り、係止ピン10は金属製のピン軸10aとこのピン軸10aに回動可能に挿嵌した合成樹脂等の軟質材の緩衝チューブ10bとで構成されている。
【0025】
これらのクローザS1,S2は、上下に分割可能な後述する薄型矩形状に形成された左右勝手違いのケース本体内部に収容されており、このケース本体は、図3(b)に示すように、樹脂材で一体成形されるベースケーシングS2aと、このベースケーシングS2aの接合部に重ね合せて接合されるカバーケーシングS2bとから構成され、ベースケーシングS2aは、棚板2a前端の左右端部裏面に直接取付けられている。
【0026】
図3の(a),(b)には右勝手のクローザS2が示されており、このクローザS2は、吊扉1の開閉方向にケース本体により移動可能に支持されたスライダー12と、このスライダー12の外扉1c閉方向への移動を減速させるロータリーダンパー14と、スライダー12の一部前方に取付けられたクローザフック16とから構成されている。
【0027】
ベースケーシングS2aとカバーケーシングS2bの対向する底面には、スライダー12を案内すべく所定間隔離間した2本の案内部となる扉の移動方向と平行なガイドレール18a’,18b’および18a,18bが長手方向全長に亘って突設され、両ケーシングS2a,S2b前端縁の対設する接合部間には、両者を接合した際の接合部にクローザフック16を挿通するための隙間を形成するための所定長さの切欠き溝20が長手方向に沿ってそれぞれ形成されている。
【0028】
更に、ベースケーシングS2aとカバーケーシングS2b前方の対向面には、切欠き溝20の内側に沿うように片側端部近傍から所定長さの直線溝22aが形成されると共に、この直線溝22aの外扉開方向端部側が内側に約直角に曲がる所定半径の円弧溝22bが連続して形成されている。
【0029】
そして、ケース本体の内部後方には公知のロータリーダンパー14を配置するための収容エリアが設けられており、この収容エリアとなるカバーケーシングS2bの底面にはロータリーダンパー14の取付フランジ14aの外周が挿嵌される所定深さの収容凹部25が形成されており、ベースケーシングS2aの底面には収容凹部25の対向位置にロータリーダンパー14の前端を当接支持するための支持片15が突設している。
【0030】
このロータリーダンパー14は、内部に封入されたオイルの粘性抵抗により発生する制動力を利用した回転系のダンパーであって、ピニオンギャPが装着される出力軸14bの一方の回転方向に対しては制動力が付与され他方の回転方向に対しては制動負荷のないフリー回転が得られる構造となっている。
【0031】
そして、対向する両ケーシングS2a,S2bのガイドレール18a’,18b’および18a,18bの外扉閉方向端部側には、後述する上下一対の弾性部材となる引張りコイルばねSPの一端係止部SP1をそれぞれ係止するための上下一対の係止溝G1がそれぞれ対向位置に形成されている。
【0032】
両ケーシングS2a,S2bの対向するガイドレール18a’,18b’および18a,18bは、矩形板状に形成された樹脂製のスライダー12の上下面の一対のガイド溝にはまり込み、スライダー12の扉の開閉方向への移動を案内支持している。
【0033】
スライダー12には、外扉閉方向端部側の前方に後述するクローザフック16の係止アーム28端部を挿入するための係合凹部を形成した外形角形の係合筒部26が形成されると共に、後方側面には長手方向に沿ってラック歯Rが形成されている。
【0034】
更に、スライダー12上下面の外扉開方向端部側には、上下一対の引張りコイルばねSPの他端係止部SP2(図4参照)をそれぞれ係止するための上下一対の係止溝G2がそれぞれ形成されている。
【0035】
そこで、スライダー12の上下一対の係止溝G2と両ケーシングS2a,S2bの対向する上下一対の係止溝G1に上下一対の引張りコイルばねSPの両端係止部SP2,SP1を係止することで、スライダー12は、外扉閉方向に付勢され、吊扉の閉動作終了時には係合筒部26の一方側面がカバーケーシングS2b内部の外扉閉方向端部に設けられたゴム製の緩衝当接部32に当接しており、スライダー12のラック歯Rは、収容凹部25に収容されたロータリーダンパー14のピニオンギャPと常に噛合している。
【0036】
一方、スライダー12の係合筒部26に形成される係合凹部は、断面十字型の凹溝28a,28b(一対の凹溝のみ図3bに図示)がスライダー12の移動方向と直交する方向に形成されており、これら凹溝28a,28bに開口端部から挿入されたクローザフック16の係止アーム28端部両面に突設した係合突起T1,T2が摺動可能に支持されると共に、この状態でクローザフック16の前方側上下両面に左右に離間して突設した係合突起30a,30b及び30a’,30b’が、直線溝22aないし円弧溝22bに摺動可能に案内支持されている。
【0037】
そして、クローザフック16先端にフック部として形成される切欠き孔部Fは、図3(a)及び図5(a),(b)に示すように、中間に円弧部16aが形成され、その両側に所定角度をもって形成される第1直線部16b及び第2直線部16cと、第2直線部16cから連なる第3直線部16dとから構成されている。
【0038】
従って、クローザフック16が直線溝22aの外扉1b,1c閉止端側、または円弧溝22b端部となる外扉1b,1c開放側にあるときは、クローザフック16は、図5の(a),(b)に示すように後述する2つの異なる態様がとられている。
【0039】
次に、ソフトクローザ機構の作用に付き説明する。
【0040】
先ず、上記のように構成されたクローザフック16は、図1に示す外扉1b,1cが閉止位置にある場合は、図3(a)に示すように係止ピン10が切欠き孔部Fに係合した状態で閉止端側(右端側)に保持されている。
【0041】
そこで、外扉1b,1cの何れか一方または両方を閉止状態から取っ手H1またはH2を持って開放させる。例えば、外扉1cを開放すると、外扉1cの移動によってガイドピン8がレール5の案内溝5aを移動し、ガイドピン8と一体になって移動する係止ピン10は、図3(a)に示すようにクローザフック16の切欠き孔部Fに係合した状態でスライダー12を上下一対の引張りコイルばねSPの付勢力に抗して左方に移動する。
【0042】
スライダー12が左方へ移動する際には、スライダー12のラック歯Rと噛合しているピニオンギャPを介してロータリーダンパー14は時計廻りにフリー回転する。
【0043】
係止ピン10が係止した状態でクローザフック16がスライダー12と共に更に左行すると、このクローザフック16は、その係合突起30a,30b及び30a’,30b’が直線溝22aから円弧溝22bに移行する際に、係合筒部26の凹溝28a,28b内に係合している係止アーム28端部の表裏一体の係合突起T1,T2が開口側前方に移動しながら、この係合突起T1,T2を中心として時計廻りに揺動する。
【0044】
更に、左行端まで移行したスライダー12によってクローザフック16の切欠き孔部Fは、図3(a)に仮想線で示すように第3直線部16dがケース本体の前端縁と同一線上に位置する傾斜した姿勢となる。
【0045】
これによって、外扉1c内側の係止ピン10は、クローザフック16の切欠き孔部Fから容易に抜け出し、外扉1cは開放端まで移動可能な状態となる。この際、ピン軸10aに回動可能に挿嵌した緩衝チューブ10bが第2直線部16cと接触している間その摩擦力により回動する。
【0046】
係止ピン10が抜け出した後のクローザフック16の係合突起30a(30a’)は円弧溝22bの端部溝と係合し、引張りコイルばねSPの付勢力は図3(a)において2点鎖線で示したクローザフック16を更に時計廻りに揺動しようとするので、スライダー12はその位置にロックされてこの姿勢が保持される。
【0047】
次に、開放された外扉1cを閉じるに際し、外扉1cのガイドピン8と一体になって右方に移動する係止ピン10が、外扉開放側に位置しているクローザフック16の先端切欠き孔部Fに係合する。
【0048】
詳しくは、図5の(a)に示すように、係止ピン10がクローザフック16の第1直線部16bに当接すると、クローザフック16は、係合突起T1,T2が凹溝28a,28bに沿って開口側後方に移動しながら係合突起T1,T2を中心として係合突起30a,30b及び30a’,30b’が円弧溝22bに案内されて反時計廻りに揺動する。
【0049】
そこで、クローザフック16は、その反時計廻りの揺動と前方側への移動によって図5(b)に示される姿勢となる。この際、ピン軸10aに回動可能に挿嵌した緩衝チューブ10bが第1直線部16bと接触している間その摩擦力により回動する。
【0050】
切欠き孔部Fの円弧部16a内に飛び込み係止した係止ピン10の外扉閉止方向への移動作用により、クローザフック16を介してスライダー12が右方へ移動し、同時にスライダー12のラック歯Rと噛合しているピニオンギャPを介してロータリーダンパー14が反時計廻りに回転すると、このロータリーダンパー14に制動力が発生する。
【0051】
そのため閉止方向へ移動する外扉1cの慣性力が大きい場合は、その速度が急激に減速された状態で閉止端まで移動することで衝撃が緩和され、外扉1cの慣性力が小さい場合は、引張りコイルばねSPの牽引力でスライダー12を自動的に閉止端まで緩やかに移動することができ、最後に係合筒部26の一方側面が緩衝当接部32に当接することで衝撃力が緩和されて停止する。
【0052】
従って、上記のように構成されたソフトクローザ機構によれば、係止ピン10がクローザフック16の切欠き孔部Fに係脱する際に、軟質材で構成された緩衝チューブ10bがピン軸10aの周りを回動するので、係止ピン10の特定箇所だけが損耗することがなく耐久性を向上させることができるばかりでなく、緩衝チューブ10bによりクローザフック16と係合するときの衝撃力を抑えることができる。
【0053】
また、係止ピン10がこのクローザフック16と離脱する場合は、この係止ピン10がクローザフック16と再び係合するまではこのクローザフック16はその離脱位置を保持しているので、クローザフック16を係止ピン10と係合しやすい位置に待機することができ、係合後は係止ピン10が円弧部16aにはまり込んでクローザフック16を移動させることができる。
【0054】
更に、緩衝チューブ10bが切欠き孔部Fと係合するとき及び離脱するときには、第1直線部16bまたは第2直線部16cと接触するようになっているので、緩衝チューブ10bの回動を促進することができる。
【0055】
そして、スライダー12の閉方向への移動を減速させるロータリーダンパー14は、スライダー12の開方向への移動に対してはフリーとなる一方向ロータリーダンパーで構成されているので、外扉1b,1cの開動作の時にロータリーダンパー14からの抵抗を受けることなく開けることができる。
【0056】
そしてまた、スライダー12には、外扉1b,1cの閉方向へ常に引き込み力が作用する上下一対の引張りコイルばねSPが装架されているので、外扉1b,1cの閉動作終了近傍から終了までは人の手を煩わせることなく上下一対の引張りコイルばねSPで自動的にゆっくりと閉鎖することができる。
【0057】
また、扉が吊扉である場合に、吊扉1がレール5の案内溝5aに移動可能に係合したガイドピン8によってその揺れを抑えることができ、係止ピン10がガイドピンの近傍に設けられているので、係止ピン10もガイドピン8の移動に同調して揺れの少ない直線状の走行が可能となる。
【0058】
更に、ガイドピン8と係止ピン10は、ともに外扉1b,1c裏面の左右端部に取付けられる鋼鈑製のブラケット6によって、ガイドピン8と係止ピン10との位置関係が確保されるので、係止ピン10による正確な直線走行が可能となる。
【0059】
尚、上記の実施形態では、各外扉が独立して移動可能な構成の吊扉1にソフトクローザ機構を適用した例として説明したが、この機構を図示しない複数枚から成るシンクロスライド扉に適用することも可能であり、このようにすれば、左右の外扉が戸棚本体2に対して緩やかな閉動作を完了するように左右にソフトクローザ機構を配設することで左右均等に衝撃なく閉鎖することができ、特に、引張りコイルばねSPを装架した場合は両外扉でキャビネット開口を完全に閉鎖することができる。
【0060】
以上、本発明の実施形態を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、例えば、扉を吊扉として説明してきたが、通常の開閉扉に適用できることは言うまでもない。又、クロゼットの如き造り付けの収納部の開口に扉をはめ込んでソフトクローザ機構を取付けるようなものも本発明の範囲に含まれる。
【0061】
【発明の効果】
本発明は以下の効果を奏する。
【0062】
(a)請求項1項の発明によれば、係止ピンの係脱時に緩衝チューブが回動するので、係止ピンの特定箇所だけが損耗することがなく耐久性を向上させることができるばかりでなく、係止ピンには緩衝チューブが外嵌しているので、クローザフックと係合するときの衝撃力を抑えることができる。また、吊扉がガイドピンによってその揺れを抑えることができ、係止ピンがガイドピン近傍に設けられているので、係止ピンもガイドピンの移動に同調して揺れの少ない直線状の走行が可能である。更に、取付金具によってガイドピンと係止ピンとの位置関係が固定されるので、係止ピンにより正確な直線走行を与えることができる。
【0063】
(b)請求項2項の発明によれば、クローザフックが係止ピンと係合しやすい位置に待機することができ、係合後は係止ピンがクローザフックから外れないようにクローザフックを移動させることができる。
【0064】
(c)請求項3項の発明によれば、緩衝チューブが切欠き孔部と係合するとき及び離脱するときに、略直線状の切欠き孔部と接触するようにしているので、緩衝チューブの回動を促進することができる。
【0065】
(d)請求項4項の発明によれば、扉の開動作の時にダンパーからの抵抗を受けることなく開けることができる。
【0066】
(e)請求項5項の発明によれば、移動体の移動終了近傍から終了までは人の手を煩わせることなく弾性部材で自動的にゆっくりと閉鎖することができる。
【0068】
)請求項項の発明によれば、吊扉の減速作用を受ける部分が中央部近傍で取っ手の取付位置と近ければ、扉が歪むことなく安定して開閉できる。
【0071】
)請求項項の発明によれば、左右の両外扉側にそれぞれソフトクローザ機構を配設することにより、左右均等に衝撃なく閉鎖することができ、特に、請求項5に記載されているように、弾性部材を装架した場合は両扉でキャビネット開口を完全に閉鎖することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るソフトクローザ機構を備えたキャビネットの正面図である。
【図2】キャビネット内部の中間棚と吊扉端部に対応して配置されたソフトクローザ機構を示す斜視図である。
【図3】(a)は(b)のB−B断面を示しクローザの内部構造を示す平面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図4】ソフトクローザ機構の全体斜視図である。
【図5】(a)は係止ピンが係合または離脱時におけるクローザフックの状態を示す動作説明図、(b)は係止ピンが係合した状態にあるクローザフックの状態を示す動作説明図である。
【図6】従来のソフトクローザ機構の斜視図である。
【符号の説明】
1 吊扉
1a 内扉
1b,1c 外扉
2 戸棚本体
2a 棚板
4 吊下げレール
5 レール(案内支持部材)
5a 案内溝
6 ブラケット
6a 取付け片
6b, 6c 水平支持片
6d 垂直片
8 ガイドピン
10 係止ピン
10a ピン軸
10b 緩衝チューブ
12 スライダー
14 ロータリーダンパー
14a 取付フランジ
14b 出力軸
15 支持片
16 クローザフック
16a 円弧部
16b 第1直線部
16c 第2直線部
16d 第3直線部
18a,18b ガイドレール
18a’,18b’ ガイドレール
20 切欠き溝
22a 直線溝
22b 円弧溝
25 収容凹部
26 係合筒部
28 係止アーム
28a,28b 凹溝
30a,30b 係合突起
30a’,30b’ 係合突起
32 緩衝当接部
D 緩衝部材
F 切欠き孔部
G1,G2 係止溝
H1,H2 取っ手
P ピニオンギャ
R ラック歯
S1,S2 クローザ
S2a ベースケーシング
S2b カバーケーシング
SP 引張りコイルばね
SP1,SP2 係止部
T1,T2 係合突起

Claims (7)

  1. キャビネット本体の上部に設けた吊り下げレールによりキャビネット本体の幅方向に移動可能に吊り下げ支持された吊扉の閉じる方向である移動終了近傍より移動終了に向けて吊扉に緩やかな動作を完了するようにしたソフトクローザ機構であって、前記ソフトクローザ機構は、吊扉に設けた係止ピンと、吊扉の移動終了近傍で該係止ピンと係脱するキャビネット本体に取付けたクローザとから成り、前記クローザは、吊扉の移動により移動可能に支持されたスライダーと、該スライダーの移動終了方向への移動を減速させるダンパーと、スライダーに取付けられたクローザフックとで構成され、前記係止ピンはピン軸に対し回動自在に嵌合する緩衝チューブを有し、吊扉の移動終了行程における移動終了近傍で係止ピンが前記クローザフックと係合する時に緩衝チューブが回動し、その後スライダーを吊扉の移動終了方向に移動させ、反移動終了行程における前記移動終了近傍で係止ピンがクローザフックと離脱する時にも緩衝チューブが回動するように構成し、前記キャビネット本体には高さ方向の略中間位置に幅方向に亘って案内支持部材が設けられ、該案内支持部材に沿って移動するガイドピンと、このガイドピン近傍に設けられている係止ピンが吊扉に取付けられる取付金具に設けられていることを特徴とするソフトクローザ機構。
  2. 前記クローザフックはスライダーに揺動自在に且つスライダーの移動方向と直交方向に摺動可能に取付けられ、係止ピンがこのクローザフックと係合する場合は、クローザフックが一方向に揺動すると共に摺動し、係止ピンがこのクローザフックと離脱する場合は、クローザフックが他方向に揺動すると共に摺動し、係止ピンがクローザフックと再び係合するまではクローザフックはその離脱位置を保持している請求項1に記載のソフトクローザ機構。
  3. 前記クローザフックの先端フック部は中間が円弧状で両端が略直線状の切欠き孔部が形成され、係止ピンがこのクローザフックと係合する場合は、前記緩衝チューブが一方の直線状切欠き孔部上で回動しながら円弧状切欠き孔部に移行し、係止ピンがこのクローザフックと離脱する場合は、前記緩衝チューブが円弧状切欠き孔部から離れて他方の直線状切欠き孔部上で移行しながら回動する請求項1または2に記載のソフトクローザ機構。
  4. 前記ダンパーは、スライダーの反移動終了方向への移動に対してはフリーとする一方向ダンパーである請求項1ないし3の何れかに記載のソフトクローザ機構。
  5. 前記スライダーには移動終了方向へ常に引き込み力が作用する弾性部材が装架されている請求項1ないし4の何れかに記載のソフトクローザ機構。
  6. 前記吊扉の中央部近傍に前記ソフトクローザ機構が配置され、かつ該吊扉の取っ手の取付位置とほぼ同じ高さレベルにある請求項1ないし5の何れかに記載のソフトクローザ機構。
  7. 前記吊扉は複数枚から成るシンクロスライド扉である請求項1ないし6の何れかに記載のソフトクローザ機構。
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