JP6569557B2 - 定着装置、画像形成装置、制御方法、および制御プログラム - Google Patents

定着装置、画像形成装置、制御方法、および制御プログラム Download PDF

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Description

本開示は、画像形成装置の制御に関し、特に、電子写真方式の画像形成装置に備えられる定着装置の制御に関する。
電子写真方式の画像形成装置が普及している。電子写真方式の画像形成装置は、印刷工程として、入力画像に応じたトナー像を感光体上の形成する工程と、感光体上のトナー像を転写ベルト上に一次転写する工程と、転写ベルト上のトナー像を用紙に二次転写する工程と、定着装置によってトナー像を用紙に熱で定着させる工程とを実行する。
定着装置は、定着ローラーと加圧ローラーとを備える。定着ローラーの内部にはヒーターが設けられている。ヒーターは、定着ローラーを加熱する。加圧ローラーは、自身と定着ローラーとの間を通過する用紙を定着ローラーに圧接する。これにより、用紙は、加圧および加熱され、トナー像が用紙上に定着する。
定着装置は、トナー像を用紙に定着させるために、用紙を所定温度以上に加熱する必要がある。省エネルギー化のために、定着装置の加熱に必要なエネルギーを削減することが望まれている。このことを実現するための技術に関し、たとえば、特開2011−123479号公報(特許文献1)は、「省エネルギー化を図りつつ、通紙による加熱ローラーの温度落込みを低減させることができ、加熱ローラーのニップ部近傍を迅速に定着可能温度にすることができる」定着装置を開示している。
特開2011−123479号公報
特許文献1に開示される定着装置は、省エネルギー化のために、液相と固相との間で相変化する蓄熱材を利用する。当該蓄熱材は、印字終了後に固相から液相への相変化することで吸熱する。また、当該蓄熱材は、印刷開始時に衝撃が与えられることで、液相から固相に相変化し、この相変化により放熱する。定着装置は、蓄熱材の放熱を利用することにより定着装置の加熱に必要なエネルギーを削減する。しかしながら、液相に相変化する物質が蓄熱材として用いられると、液体が漏れないようにするなどの構成が必要となり、定着装置の構成が複雑になる。
本開示は上述のような問題点を解決するためになされたものであって、ある局面における目的は、より簡素な構成で省エネルギー化を実現することが可能な定着装置を提供することである。他の局面における目的は、より簡素な構成で省エネルギー化を実現することが可能な定着装置の制御方法を提供することである。さらに他の局面における目的は、より簡素な構成で省エネルギー化を実現することが可能な定着装置の制御プログラムを提供することである。
ある局面に従うと、トナーを熱で用紙に定着させる定着装置は、定着部材と、上記定着部材に接触して設けられており、上記定着部材との接触部分を通過する上記用紙を上記定着部材に加圧するための加圧部材と、上記定着部材および上記加圧部材の少なくとも一方を加熱し、上記接触部分を通過する上記用紙に熱を与えるための加熱部とを備える。上記定着部材および上記加圧部材の少なくとも一方は、蓄熱材を含む。上記蓄熱材は、外部エネルギーが加えられることで、第1固相から上記第1固相よりも内部エネルギーが高い第2固相に相変化する性質と、圧力が加えられることで、上記第2固相から上記第1固相に相変化し、当該相変化時に放熱する性質とを有する。上記第1固相から上記第2固相への相変化のために加えられる上記外部エネルギーは、上記加熱部によって加熱された上記定着部材および上記加圧部材の少なくとも一方の熱エネルギーを含む。上記第2固相から上記第1固相への相変化のために加えられる上記圧力は、上記定着部材と上記加圧部材との接触圧を含む。
好ましくは、上記定着装置は、上記用紙の印刷中には上記蓄熱材を上記第1固相から上記第2固相に相変化させない。
好ましくは、上記定着装置は、上記用紙の印刷終了後に、上記蓄熱材を上記第1固相から上記第2固相に相変化させる。
好ましくは、上記第1固相から上記第2固相への相変化のために加えられる上記外部エネルギーは、上記用紙の印刷終了後における、上記定着部材および上記加圧部材の少なくとも一方の残熱を含む。
好ましくは、上記定着装置は、上記用紙の印刷開始前に、上記蓄熱材を上記第2固相から上記第1固相に相変化させる。
好ましくは、上記加熱部は、上記用紙の印刷開始前において、上記トナーを上記用紙に定着させることが可能な第1温度まで上記定着部材の温度を上昇させるウォームアップを実行する。上記定着装置は、上記ウォームアップ時に、上記蓄熱材を上記第2固相から上記第1固相に相変化させる。
好ましくは、上記蓄熱材は、第2温度以上になると上記第1固相から上記第2固相に相変化する性質を有する。上記第2温度は、上記第1温度よりも高い。
好ましくは、上記定着装置は、上記用紙の印刷中に、上記蓄熱材を上記第2固相から上記第1固相に相変化させる。
好ましくは、上記定着装置は、上記用紙の印刷開始前における上記接触圧を上記用紙の印刷中および印刷終了後における上記接触圧よりも大きくする。
好ましくは、上記蓄熱材は、上記接触部分を形成する、上記定着部材および上記加圧部材の少なくとも一方に使用されている。
好ましくは、上記第1固相から上記第2固相への相変化のために加えられる上記外部エネルギーは、電気エネルギーを含む。
好ましくは、上記定着装置は、上記蓄熱材に電気的に接続されている熱電素子をさらに備える。上記熱電素子は、上記熱エネルギーを電気エネルギーに変換し、当該電気エネルギーを上記外部エネルギーとして上記蓄熱材に供給する。
好ましくは、上記定着装置は、上記蓄熱材の相変化による上記蓄熱材の体積変化に基づいて、上記用紙が上記接触部分を通過するときにおける定着条件を変える。
好ましくは、上記定着条件は、上記用紙が用紙接触部分を通過するときにおける上記接触部分への加圧荷重を含む。上記定着装置は、上記蓄熱材の体積変化に基づいて、上記接触部分での接触圧が一定となるように上記加圧荷重を調整する。
好ましくは、上記定着条件は、上記用紙が上記接触部分を通過するときにおける上記用紙の搬送速度を含む。上記定着装置は、上記蓄熱材の体積が増加するほど、上記用紙の上記搬送速度を速くする。
他の局面に従うと、画像形成装置は、上記定着装置を備える。
さらに他の局面に従うと、トナーを熱で用紙に定着させる定着装置の制御方法が提供される。上記定着装置は、定着部材と、上記定着部材に接触して設けられており、上記定着部材との接触部分を通過する上記用紙を上記定着部材に加圧するための加圧部材とを備える。上記定着部材および上記加圧部材の少なくとも一方は、蓄熱材を含む。上記蓄熱材は、外部エネルギーが加えられることで、第1固相から上記第1固相よりも内部エネルギーが高い第2固相に相変化する性質と、圧力が加えられることで、上記第2固相から上記第1固相に相変化し、当該相変化時に放熱する性質とを有する。上記制御方法は、上記定着部材および上記加圧部材の少なくとも一方を加熱するステップと、上記蓄熱材を上記第1固相から上記第2固相に相変化させるために、上記加熱するステップで加熱された上記定着部材および上記加圧部材の少なくとも一方の熱エネルギーを上記外部エネルギーとして上記蓄熱材に加えるステップと、上記蓄熱材を上記第2固相から上記第1固相に相変化させるために、上記定着部材と上記加圧部材との接触圧を上記圧力として上記蓄熱材に加えるステップとを備える。
さらに他の局面に従うと、トナーを熱で用紙に定着させる定着装置の制御プログラムが提供される。上記定着装置は、定着部材と、上記定着部材に接触して設けられており、上記定着部材との接触部分を通過する上記用紙を上記定着部材に加圧するための加圧部材とを備える。上記定着部材および上記加圧部材の少なくとも一方は、蓄熱材を含む。上記蓄熱材は、外部エネルギーが加えられることで、第1固相から上記第1固相よりも内部エネルギーが高い第2固相に相変化する性質と、圧力が加えられることで、上記第2固相から上記第1固相に相変化し、当該相変化時に放熱する性質とを有する。上記制御プログラムは、上記定着装置に、上記定着部材および上記加圧部材の少なくとも一方を加熱するステップと、上記蓄熱材を上記第1固相から上記第2固相に相変化させるために、上記加熱するステップで加熱された上記定着部材および上記加圧部材の少なくとも一方の熱エネルギーを上記外部エネルギーとして上記蓄熱材に加えるステップと、上記蓄熱材を上記第2固相から上記第1固相に相変化させるために、上記定着部材と上記加圧部材との接触圧を上記圧力として上記蓄熱材に加えるステップとを実行させる。
ある局面において、より簡素な構成で省エネルギー化を実現することができる。
本発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解される本発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
第1の実施の形態に従う定着装置の内部構造を示す図である。 蓄熱材の相変化の態様を示す図である。 印刷処理に伴う蓄熱材の温度変化を示す図である。 蓄熱材を固相βから固相λに相変化させるための構成の一例を示す図である。 印刷開始前および印刷中における熱電素子の態様と、印刷終了後における熱電素子の態様とを示す図である。 熱電素子の駆動構造の一例を示す図である。 熱電素子の内部構造の一例を示す図である。 蓄熱材を固相λから固相βに相変化させるための構成の一例を示す図である。 用紙の印刷開始前における加圧ローラーの態様と、用紙の印刷終了後における加圧ローラーの態様とを示す図である。 定着部材の温度の時間的な変化を示す図である。 画像形成装置の内部構造の一例を示す図である。 画像形成装置が実行する処理の一部を表わすフローチャートである。 画像形成装置の主要なハードウェア構成を示すブロック図である。 第2の実施の形態に従う定着装置の内部構造を示す図である。 第3の実施の形態に従う定着装置の内部構造を示す図である。 第4の実施の形態に従う定着装置の内部構造を示す図である。 体積情報の内容を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明に従う各実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらについての詳細な説明は繰り返さない。なお、以下で説明される各実施の形態および各変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
<第1の実施の形態>
[定着装置50]
電子写真方式の画像形成装置100(図11参照)は、印刷工程として、感光体上にトナー像を形成する工程と、感光体上のトナー像を中間転写ベルト上に一次転写する工程と、中間転写ベルト上のトナー像を用紙に二次転写する工程と、トナー像を熱で用紙に定着させる工程とを実行する。トナー像の定着工程は、画像形成装置100に備えられる定着装置50によって実行される。
以下では、図1を参照して、定着装置50によるトナー像32の定着工程について説明する。定着工程以外の印刷工程については後述する。図1は、定着装置50の内部構造を示す図である。
図1に示されるように、定着装置50は、定着部材60と、加圧ローラー65とを備える。定着部材60は、定着ローラー51と、芯金52と、定着ベルト53と、加熱ローラー57とを含む。
加熱ローラー57は、たとえば円筒形状を有する。加熱ローラー57の内部には、ヒーターHが設けられている。ヒーターHの数は、任意である。一例として、図1に示されるように、2つのヒーターHが加熱ローラー57の内部に設けられる。ヒーターHは、たとえば、ハロゲンヒーターである。
ヒーターH(加熱部)は、定着部材60を加熱し、定着部材60と加圧ローラー65との接触部分を通過する用紙Sに熱を与える。より具体的には、ヒーターHは、加熱ローラー57を加熱することで、定着ベルト53に熱を伝える。加熱された定着ベルト53は、回転することにより定着ローラー51に熱を伝え、搬送経路41上を搬送されている用紙Sに熱を伝える。用紙Sが加熱されることで、用紙S上のトナー像32が融解する。その結果、トナー像32は、用紙Sに定着する。なお、ヒーターHは、定着部材60および加圧ローラー65の少なくとも一方を加熱すればよい。すなわち、ヒーターHによる加熱対象は、定着部材60ではなく、加圧ローラー65であってもよい。この場合、ヒーターHは、加圧ローラー65の内部に設けられる。
加圧ローラー65(加圧部材)は、定着部材60に接触して設けられている。加圧ローラー65は、加圧ローラー65と定着部材60との接触部分を通過する用紙Sを定着部材60に加圧する。これにより、トナー像32が用紙S上で加圧される。
定着ローラー51は、たとえば円筒形状である。定着ローラー51の内部には、芯金52が設けられている。定着ローラー51は、蓄熱材54で構成されている。定着ローラー51の一部が蓄熱材54で構成されてもよいし、定着ローラー51の全部が蓄熱材54で構成されてもよい。以下では、定着ローラー51が蓄熱材54で構成されている例について説明するが、定着ベルト53、加熱ローラー57、または加圧ローラー65が蓄熱材54で構成されてもよい。すなわち、定着部材60および加圧ローラー65の少なくとも一方が蓄熱材54を含めばよい。
図2を参照して、蓄熱材54の性質について説明する。図2は、蓄熱材54の相変化の態様を示す図である。
図2に示されるように、蓄熱材54は、外部エネルギーが加えられることで、固相β(第1固相)から固相λ(第2固相)に相変化する性質を有する。固相βおよび固相λは、互いに結晶構造が異なる。蓄熱材54は、固相βから固相λへの相変化時に吸熱する。蓄熱材54に加えられた外部エネルギーは、潜熱として蓄熱材54に蓄えられる。固相βから固相λへの相変化のために加えられる外部エネルギーは、たとえば、ヒーターHによって加熱された定着部材60および加圧ローラー65の少なくとも一方の熱エネルギーを含む。
また、蓄熱材54は、圧力が加えられることで、固相λから固相βに相変化し、当該相変化時に放熱する性質を有する。固相λから固相βへの相変化のために加えられる圧力は、定着部材60と加圧ローラー65との接触圧を含む。
以上のように、蓄熱材54は、ヒーターHからの熱エネルギーを蓄熱する。その後、蓄熱材54は、定着部材60と加圧ローラー65との接触圧により、蓄熱された熱エネルギーを放熱し、用紙Sにトナー像を定着させるための熱エネルギーとして利用する。これにより、定着装置50は、加熱時に必要な熱エネルギーを削減することができ、省エネルギー化を実現する。また、定着装置50は、固相間の相変化を利用して蓄熱および放熱を行う。すなわち、定着装置50は、蓄熱および放熱のために液相への相変化を利用しないので、液体が漏れないようにするための構成などが設けられる必要がない。そのため、定着装置50の構成が簡素化される。
蓄熱材54の一例として、Ti(五酸化三チタン)が採用される。Tiは、常温で安定なβ−Tiとλ−Tiとの2つの状態間で相変化する。β−Tiは、図2の固相βに対応する。λ−Tiは、図2の固相λに対応する。β−Tiおよびλ−Tiは、いずれも固体である。β−Tiは、半導体と同様の性質を有する。λ−Tiは、金属と同様の性質を有する。
β−Tiは、温度が上昇すると、約200℃で吸熱反応(230kJ/mol)を伴いλ−Tiに相変化する。なお、β−Tiは半導体としての性質を有するため、β−Tiからλ−Tiへの相変化は加熱以外の方法でも生じ得る。たとえば、β−Tiは、電流や光によりλ−Tiに相変化する。
λ−Tiの温度が常温まで下がったとしても、λ−Tiは、β−Tiには戻らない。λ−Tiは、60MPa以上の圧力がかけられると、β−Tiに相変化する。すなわち、λ−Tiは、圧力がかけられない限り相変化を起こさない。そのため、λ−Tiは、熱エネルギーを半永久的に保存することができる。
なお、蓄熱材54は、Tiに限定されず、その他の物質であってもよい。すなわち、Tiと同様の性質を有する任意の物質が蓄熱材54に採用され得る。
[蓄熱材54の相変化のタイミング]
上述したように、蓄熱材54は、固相βおよび固相λの間で相変化する。蓄熱材54の相変化のタイミングは、たとえば、後述する制御装置101(図13参照)によって制御される。
以下では、図3を参照して、制御装置101による蓄熱材54の相変化のタイミングについて説明する。図3は、印刷処理に伴う蓄熱材54の温度変化を示す図である。
時刻Tにおいて、画像形成装置100(図11参照)は、ユーザーから印刷指示を受け付けたとする。これにより、定着装置50は、ウォームアップ処理を開始する。ウォームアップとは、印刷開始前に実行される前処理のことをいう。ウォームアップ処理により、ヒーターH(図1参照)は、トナー像を用紙に定着させることが可能な温度(第1温度)まで定着部材60(図1参照)を加熱する。以下では、当該温度を「目標温度U1」ともいう。定着部材60が加熱されることで蓄熱材54も加熱される。ヒーターHは、時刻Tから時刻Tまでウォームアップ処理を実行する。
定着装置50は、用紙の印刷開始前に、蓄熱材54を固相λから固相βに相変化させる。用紙の印刷開始前とは、用紙が定着部材60と加圧ローラー65との接触部分を通過する前のことをいう。固相λから固相βへの相変化の方法については後述するが、定着装置50は、時刻Tから時刻Tの間のいずれかのタイミングで定着部材60を加圧することで、蓄熱材54を固相λから固相βに相変化させる。
好ましくは、定着装置50は、ウォームアップ時に蓄熱材54を固相λから固相βに相変化させる。定着装置50は、ウォームアップ時に固相λから固相βへの相変化に伴う放熱を利用することで、より速く定着装置50を目標温度U1まで上昇させることができる。その結果、ウォームアップ処理に必要な電力が削減され、省エネルギー化が実現される。
なお、蓄熱材54を固相βから固相λに相変化させるタイミングは、ウォームアップ時に限定されない。たとえば、定着装置50は、用紙の印刷中に蓄熱材54を固相βから固相λに相変化させてもよい。用紙の印刷中とは、用紙が定着部材60と加圧ローラー65との接触部分を通過しているタイミングのことをいう。
時刻Tにおいて、定着装置50は、目標温度U1まで加熱されたとする。定着装置50が目標温度U1まで加熱されると、画像形成装置100は、印刷を開始し、印刷対象の用紙を定着装置50に順次搬送する。好ましくは、定着装置50は、用紙の印刷中には、蓄熱材54を固相βから固相λに相変化させない。これにより、蓄熱材54は、印刷中に吸熱しないので、ヒーターHから発せられた熱が用紙に効率的に伝えられる。
時刻Tにおいて、印刷処理が終了したとする。定着装置50は、印刷終了後に、蓄熱材54を固相βから固相λに相変化させる。用紙の印刷終了後とは、用紙が定着部材60と加圧ローラー65との接触部分を通過した後のことをいう。定着装置50は、印刷終了後の時刻Tから時刻Tまでの間に外部エネルギーを蓄熱材54に与える。このときに与えられる外部エネルギーは、たとえば、電気エネルギーである。電気エネルギーの供給方法については後述する。印刷終了後に電気エネルギーが加えられることで、蓄熱材54の内部エネルギーが高くなり、蓄熱材54は、固相βから固相λに相変化する。このように、蓄熱材54は、ヒーターHからの熱エネルギーや、電気エネルギーを蓄えることで相変化を起こし、次の印刷に備えて蓄熱する。なお、定着装置50は、電気エネルギーを蓄熱材54に与えずに熱エネルギーのみを蓄熱材54に与えて、蓄熱材54を固相βから固相λに相変化させてもよい。また、定着装置50は、電気エネルギーの代わりに光を蓄熱材54に照射して、蓄熱材54を固相βから固相λに相変化させてもよい。
好ましくは、固相βから固相λへの相変化のために加えられる外部エネルギーは、用紙の印刷終了後における定着部材60と加圧ローラー65との少なくとも一方の残熱を含む。蓄熱材54は、当該残熱を利用することで、省エネルギー化を実現することができる。
時刻Tにおいて、画像形成装置100(図11参照)は、低電力状態を維持するスリープ状態に移行したとする。蓄熱材54の温度は低下する。この温度変化により、蓄熱材54は、固相λから固相βに戻らない。そのため、蓄熱材54は、次の新たな印刷処理まで蓄熱された状態を維持することができる。
[固相βから固相λへの相変化の実現方法]
上述したように、定着装置50は、用紙の印刷終了後に蓄熱材54を固相βから固相λに相変化させ、蓄熱材54に蓄熱させる。以下では、図4および図5を参照して、蓄熱材54を固相βから固相λに相変化させる方法について説明する。図4は、蓄熱材54を固相βから固相λに相変化させるための構成の一例を示す図である。
図4に示されるように、定着ローラー51の一端には電極61Aが設けられており、定着ローラー51の他端には電極61Zが設けられている。電極61A,61Zには、導線59の一端が接続されている。導線59の他端には、熱電素子58の電極62A,62Zが接続されている。すなわち、熱電素子58は、蓄熱材54に電気的に接続されている。
熱電素子58は、ゼーベック効果を利用して熱エネルギーを電気エネルギーに変換する素子である。熱電素子58の両面間に温度差が生じると、当該温度差に応じて熱電素子58の両面間に電位差が生じる。その結果、電流が導線59を介して蓄熱材54に流れる。この現象を利用して、定着装置50は、蓄熱材54を固相βから固相λに相変化させる。
図5は、印刷開始前および印刷中における熱電素子58の態様と、印刷終了後における熱電素子58の態様とを示す図である。図5に示されるように、熱電素子58は、定着ベルト53の内側に設けられる。定着装置50は、用紙の印刷開始前および用紙の印刷中においては、熱電素子58を定着ベルト53に接触させない。このとき、熱電素子58の両面間には温度差が生じないので、電気エネルギーは蓄熱材54に供給されない。そのため、用紙の印刷開始前および用紙の印刷中においては、蓄熱材54は、固相βから固相λに相変化しない。
定着装置50は、用紙の印刷終了後において、熱電素子58を定着ベルト53の内面に接触させる。印刷終了直後においては、定着ベルト53がヒーターHによって加熱されているため、熱電素子58の両面間に温度差が生じる。その結果、熱電素子58の両面間に電位差が生じ、電流が芯金52を通じて蓄熱材54に流れる。これにより、蓄熱材54の内部エネルギーが高まり、蓄熱材54は、固相βから固相λに相変化する。固相βから固相λへの相変化のために加えられる外部エネルギーは、電気エネルギーを含む。
熱電素子58は、定着ベルト53から得られる熱エネルギーを電気エネルギーに変換し、当該電気エネルギーを外部エネルギーとして蓄熱材54に供給する。熱エネルギーだけでなく電気エネルギーが蓄熱材54に加えられることで、蓄熱材54は、より確実に固相βから固相λに相変化する。
[熱電素子58の駆動方法]
図6を参照して、熱電素子58の駆動方法の一例について説明する。図6は、熱電素子58の駆動構造の一例を示す図である。
図6に示されるように、蓄熱材54の駆動は、たとえばスイッチ70によって実現される。スイッチ70は、たとえばソレノイドなどのスイッチ素子である。スイッチ70は、制御装置101からの制御信号に従って駆動される。
板金72は、支点71で支えられている。板金72の一端は、熱電素子58の一方の面に接着されている。板金72の他端は、スイッチ70に押される。板金72は、スイッチ70に押されると、支点71を中心として熱電素子58を持ち上げる。これにより、スイッチ70は、熱電素子58を定着ベルト53から離す。
制御装置101は、用紙の印刷開始前および用紙の印刷中においては、スイッチ70を制御して、熱電素子58を定着ベルト53から離す。このとき、熱電素子58の両面間に温度差が生じないので、熱電素子58に起電力が生じない。
制御装置101は、用紙の印刷終了後においては、スイッチ70を制御して、熱電素子58を定着ベルト53に接触させる。熱電素子58が高温の定着ベルト53に接すると、熱電素子58の両面間に温度差が生じ、熱電素子58に起電力が生じる。これにより、電気エネルギーが蓄熱材54に加えられ、蓄熱材54は、固相βから固相λに相変化する。
なお、熱電素子58の駆動手段は、スイッチ70に限定されない。たとえば、スイッチ70は、カムなどの駆動機構で代用されてもよい。
[熱電素子58の内部構造]
図7を参照して、図4〜図6に示される熱電素子58の内部構造について説明する。図7は、熱電素子58の内部構造の一例を示す図である。
図7に示されるように、熱電素子58は、シート状に構成されている。熱電素子58は、絶縁基板75A,75Bを備える。絶縁基板75Aと絶縁基板75Bとの間には、複数のN型半導体と、複数のP型半導体と、複数の電極とが設けられている。各N型半導体および各P型半導体は、各電極によって直列に接続されている。絶縁基板75A側に設けられている電極は、絶縁基板75B側に設けられている電極よりも高温の空間に配置される。熱電素子58は、絶縁基板75A側に設けられている電極と絶縁基板75B側に設けられている電極との温度差に応じて起電力を発生する。
より具体的には、P型半導体P1の一方の面は、電極62Aに接続されている。P型半導体P1の他方の面は、電極62Bに接続されている。N型半導体N1の一方の面は、電極62Bに接続されている。N型半導体N1の他方の面は、電極62Cに接続されている。P型半導体P2の一方の面は、電極62Cに接続されている。P型半導体P2の他方の面は、電極62Dに接続されている。N型半導体N2の一方の面は、電極62Dに接続されている。N型半導体N2の他方の面は、電極62Eに接続されている。P型半導体P3の一方の面は、電極62Eに接続されている。P型半導体P3の他方の面は、電極62Fに接続されている。N型半導体N3の一方の面は、電極62Fに接続されている。N型半導体N3の他方の面は、電極62Gに接続されている。P型半導体P4の一方の面は、電極62Gに接続されている。P型半導体P4の他方の面は、電極62Hに接続されている。以降、同様に、P型半導体およびN型半導体は、電極62Zまで直列に接続されている。
なお、図7には、熱電素子58が複数のP型半導体と複数のN型半導体とで構成されている例が示されているが、熱電素子58は1つのP型半導体と1つのN型半導体とで構成されてもよい。
[固相λから固相βへの相変化の実現方法]
上述したように、定着装置50は、用紙の印刷開始前に蓄熱材54を加圧することで蓄熱材54を固相λから固相βに相変化させる。これにより、蓄熱材54は、放熱し、定着装置50の温度を上げる。
以下では、図8〜図9を参照して、蓄熱材54を固相λから固相βに相変化させる方法について説明する。図8は、蓄熱材54を固相λから固相βに相変化させるための構成の一例を示す図である。図9は、用紙の印刷開始前における加圧ローラー65の態様と、用紙の印刷終了後における加圧ローラー65の態様とを示す図である。
図8および図9に示されるように、制御装置101は、カム82を回転駆動することで、定着部材60と加圧ローラー65との接触圧を変える。一例として、カム82は、モーター(図示しない)によって駆動される。制御装置101は、モーターを制御することでカム82の回転を制御する。
加圧ローラー65の回転軸65Aは、バネ80の一端と繋がっている。バネ80の他端は、スライド機構81と繋がっている。スライド機構81は、カム82の回転方向に応じて左右方向にスライドする。カム82の長径方向が加圧ローラー65を向くようにカム82が回転すると、カム82は、スライド機構81を押圧する。その結果、バネ80が縮み、回転軸65Aが定着部材60側に押され、定着部材60と加圧ローラー65との接触圧が上がる。カム82の短径方向が加圧ローラー65を向くようにカム82が回転すると、バネ80が伸びる。その結果、定着部材60と加圧ローラー65との接触圧が下がる。
定着装置50は、用紙の印刷開始前における定着部材60と加圧ローラー65との接触圧を、用紙の印刷終了後における定着部材60と加圧ローラー65との接触圧よりも大きくする。より具体的には、定着装置50は、用紙の印刷開始前にカム82の長径方向を加圧ローラー65側に回転する。これにより、定着部材60と加圧ローラー65との接触圧が上がり、定着装置50は、蓄熱材54を固相λから固相βに相変化させる。その結果、蓄熱材54は放熱し、定着部材60と加圧ローラー65との接触部分の温度が上昇する。好ましくは、用紙の印刷開始前における定着部材60と加圧ローラー65との接触圧は、60MPa以上である。
定着装置50は、用紙の印刷終了後における定着部材60と加圧ローラー65との接触圧を、用紙の印刷開始前における当該接触圧よりも小さくする。より具体的には、定着装置50は、用紙の印刷終了後においてカム82の短径方向を加圧ローラー65側に回転する。これにより、定着装置50は、定着部材60と加圧ローラー65との接触圧を下げ、用紙の印刷終了後に蓄熱材54が固相λから固相βに相変化することを防ぐ。好ましくは、用紙の印刷終了後における定着部材60と加圧ローラー65との接触圧は、60MPaよりも小さい。
好ましくは、蓄熱材54は、接触部分を形成する定着部材60と加圧ローラー65との少なくとも一方に使用されている。これにより、加圧ローラー65からの圧力が蓄熱材54に直接的に伝えられるので、固相λから固相βへの相変化がより確実に生じる。
[定着装置50の目標温度]
上述したように、定着装置50は、印刷処理の前処理としてウォームアップ処理を実行する。ウォームアップ処理により、定着部材60は、トナー像を用紙に定着させることが可能な目標温度U1まで加熱される。
以下では、図10を参照して、目標温度U1について説明する。図10は、定着部材60の温度の時間的な変化を示す図である。
蓄熱材54は、相転移温度U2以上になると固相βから固相λに相変化する性質を有する。グラフ85に示されるように、相転移温度U2が目標温度U1よりも低い場合、定着装置50の温度を目標温度U1まで上げる間に、固相βから固相λへの相変化が生じる。その結果、蓄熱材54に吸熱反応が生じ、定着装置50が目標温度U1に達する時間がΔtだけ遅れる。
そのため、グラフ86に示されるように、相転移温度U2は、目標温度U1よりも高いことが好ましい。相転移温度U2が目標温度U1よりも高い蓄熱材54が用いられることで、定着装置50の昇温中に蓄熱材54による吸熱反応が生じないので、定着装置50は、効率的に昇温され得る。
なお、上述では、相転移温度U2が目標温度U1よりも高い蓄熱材54を採用する例について説明を行ったが、目標温度U1が調整されてもよい。すなわち、相転移温度U2が目標温度U1よりも高いという相対的な温度関係が変わらなければ、相転移温度U2および目標温度U1のいずれが調整されてもよい。
[画像形成装置100の内部構造]
図11を参照して、上述の定着装置50が搭載されている画像形成装置100について説明する。図11は、画像形成装置100の内部構造の一例を示す図である。
図11には、カラープリンタとしての画像形成装置100が示されている。以下では、カラープリンタとしての画像形成装置100について説明するが、画像形成装置100は、カラープリンタに限定されない。たとえば、画像形成装置100は、モノクロプリンタであってもよいし、ファックスであってもよいし、モノクロプリンタ、カラープリンタおよびファックスの複合機(MFP:Multi-Functional Peripheral)であってもよい。
画像形成装置100は、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kと、中間転写ベルト30と、一次転写ローラー31と、二次転写ローラー33と、カセット37と、従動ローラー38と、駆動ローラー39と、タイミングローラー40と、クリーニングブレード42と、定着装置50と、制御装置101とを備える。
画像形成ユニット1Yは、トナーボトル15Yからトナーの供給を受けてイエロー(Y)のトナー像を形成する。画像形成ユニット1Mは、トナーボトル15Mからトナーの供給を受けてマゼンタ(M)のトナー像を形成する。画像形成ユニット1Cは、トナーボトル15Cからトナーの供給を受けてシアン(C)のトナー像を形成する。画像形成ユニット1Kは、トナーボトル15Kからトナーの供給を受けてブラック(BK)のトナー像を形成する。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、それぞれ、中間転写ベルト30に沿って中間転写ベルト30の回転方向の順に配置されている。画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、それぞれ、感光体10と、帯電器11と、露光部12と、現像器13と、クリーニングブレード17とを備える。
帯電器11は、感光体10の表面を一様に帯電する。露光部12は、制御装置101からの制御信号に応じて感光体10にレーザー光を照射し、入力された画像パターンに従って感光体10の表面を露光する。これにより、入力画像に応じた静電潜像が感光体10上に形成される。
現像器13は、現像ローラー14を回転させながら、現像ローラー14に現像バイアスを印加し、現像ローラー14の表面にトナーを付着させる。これにより、トナーが現像ローラー14から感光体10に転写され、静電潜像に応じたトナー像が感光体10の表面に現像される。
感光体10と中間転写ベルト30とは、一次転写ローラー31を設けている部分で互いに接触している。一次転写ローラー31は、ローラー形状を有し、回転可能に構成される。トナー像と反対極性の転写電圧が一次転写ローラー31に印加されることによって、トナー像が感光体10から中間転写ベルト30に転写される。イエロー(Y)のトナー像、マゼンタ(M)のトナー像、シアン(C)のトナー像、およびブラック(BK)のトナー像が順に重ねられて感光体10から中間転写ベルト30に転写される。これにより、カラーのトナー像が中間転写ベルト30上に形成される。
中間転写ベルト30は、従動ローラー38と駆動ローラー39とに張架されている。駆動ローラー39はモーター(図示しない)に接続されている。当該モーターは、たとえば制御装置101によって制御される。当該モーターの制御方法としては、たとえばPWM(Pulse Width Modulation)制御が採用される。制御装置101が当該モーターを制御することにより、駆動ローラー39は回転する。中間転写ベルト30および従動ローラー38は、駆動ローラー39に連動して回転する。これにより、中間転写ベルト30上のトナー像が二次転写ローラー33に搬送される。
クリーニングブレード17は、感光体10に圧接されている。クリーニングブレード17は、感光体10から中間転写ベルト30へのトナー像の転写後に感光体10の表面に残留するトナーを回収する。
カセット37には、用紙Sがセットされる。用紙Sは、カセット37から1枚ずつタイミングローラー40によって搬送経路41に沿って二次転写ローラー33に送られる。制御装置101は、用紙Sが送り出されるタイミングに合わせて、二次転写ローラー33に印加する転写電圧を制御する。
二次転写ローラー33は、ローラー形状を有し、回転可能に構成される。二次転写ローラー33は、トナー像と反対極性の転写電圧を搬送中の用紙Sに印加する。これにより、トナー像は、中間転写ベルト30から二次転写ローラー33に引き付けられ、中間転写ベルト30上のトナー像が転写される。二次転写ローラー33への用紙Sの搬送タイミングは、中間転写ベルト30上のトナー像の位置に合わせてタイミングローラー40によって制御される。その結果、中間転写ベルト30上のトナー像は、用紙Sの適切な位置に転写される。
定着装置50は、定着部材60と加圧ローラー65とを備える。定着装置50は、定着部材60と加圧ローラー65との間を通過する用紙Sを加圧および加熱する。定着装置50は、制御装置101からの制御信号に従って、定着部材60の加熱度合いや、定着部材60と加圧ローラー65との接触圧などを制御する。定着装置50が用紙Sを加熱および加圧することで、トナー像が用紙Sに定着する。その後、用紙Sは、トレー48に排紙される。
クリーニングブレード42は、中間転写ベルト30に圧接されている。クリーニングブレード42は、中間転写ベルト30から用紙Sへのトナー像の転写後に中間転写ベルト30の表面に残留するトナーを回収する。回収されたトナーは、搬送スクリュー(図示しない)で搬送され、廃トナー容器(図示しない)に貯められる。
[画像形成装置100の制御構造]
図12を参照して、画像形成装置100の制御構造について説明する。図12は、画像形成装置100が実行する処理の一部を表わすフローチャートである。図12の処理は、制御装置101がプログラムを実行することにより実現される。他の局面において、処理の一部または全部が、回路素子またはその他のハードウェアによって実行されてもよい。
ステップS10において、制御装置101は、印刷指示を受け付けたか否かを判断する。制御装置101は、印刷指示を受け付けたと判断した場合(ステップS10においてYES)、制御をステップS12に切り替える。そうでない場合には(ステップS10においてNO)、制御装置101は、ステップS10の処理を再び実行する。
ステップS12において、制御装置101は、定着部材60(図1参照)と加圧ローラー65(図1参照)との接触圧を蓄熱材54(図1参照)に加え、蓄熱材54を固相λから固相βに相変化させる。この相変化により、蓄熱材54は放熱し、定着装置50の温度が上昇する。なお、ステップS12に示される処理は、ステップS14に示されるウォームアップ処理の前に実行されてもよいし、ウォームアップ処理中に実行されてもよい。
ステップS14において、制御装置101は、印刷処理の前処理として定着装置50のウォームアップ処理を実行する。すなわち、制御装置101は、定着部材60を加熱する処理を実行する。加熱対象は、加圧ローラー65であってもよい。すなわち、制御装置101は、定着部材60および加圧ローラー65の少なくとも一方を加熱すればよい。
ステップS20において、制御装置101は、定着装置50が目標温度まで加熱されたか否かを判断する。制御装置101は、定着装置50が目標温度まで加熱されたと判断した場合(ステップS20においてYES)、制御をステップS22に切り替える。そうでない場合には(ステップS20においてNO)、制御装置101は、ステップS14に処理を戻す。
ステップS22において、制御装置101は、印刷処理を開始する。これにより、用紙が定着装置50に順次搬送される。
ステップS30において、制御装置101は、印刷指示を受けた全ての用紙について印刷が終了したか否かを判断する。制御装置101は、印刷指示を受けた全ての用紙について印刷が終了したと判断した場合(ステップS30においてYES)、制御をステップS32に切り替える。そうでない場合には(ステップS30においてNO)、制御装置101は、ステップS22に処理を戻す。
ステップS32において、制御装置101は、ヒーターH(図1参照)によって加熱された定着部材60および加圧ローラー65の少なくとも一方の熱エネルギーを相変化のための外部エネルギーとして蓄熱材54に加え、蓄熱材54を固相βから固相λに相変化させる。この相変化により、蓄熱材54は蓄熱する。好ましくは、固相βから固相λへの相変化のための外部エネルギーとして、電気エネルギーがさらに蓄熱材54に加えられる。蓄熱材54に蓄えられた熱エネルギーは、次の印刷処理時に利用される。
[画像形成装置100のハードウェア構成]
図13を参照して、画像形成装置100のハードウェア構成の一例について説明する。図13は、画像形成装置100の主要なハードウェア構成を示すブロック図である。
図13に示されるように、画像形成装置100は、制御装置101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、ネットワークインターフェイス104と、操作パネル107と、記憶装置120とを含む。
制御装置101は、たとえば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU(Central Processing Unit)、少なくとも1つのASIC(Application Specific Integrated Circuit)、少なくとも1つのFPGA(Field Programmable Gate Array)、またはそれらの組み合わせなどによって構成される。
制御装置101は、本実施の形態に従う制御プログラム122などの各種プログラムを実行することで画像形成装置100の動作を制御する。制御装置101は、制御プログラム122の実行命令を受け付けたことに基づいて、記憶装置120からROM102に制御プログラム122を読み出す。RAM103は、ワーキングメモリとして機能し、制御プログラム122の実行に必要な各種データを一時的に格納する。
ネットワークインターフェイス104には、アンテナ(図示しない)などが接続される。画像形成装置100は、当該アンテナを介して、外部の通信機器との間でデータをやり取りする。外部の通信機器は、たとえば、スマートフォンなどの携帯通信端末、サーバーなどを含む。画像形成装置100は、制御プログラム122をアンテナを介してサーバーからダウンロードできるように構成されてもよい。
操作パネル107は、ディスプレイとタッチパネルとで構成されている。ディスプレイおよびタッチパネルは互いに重ねられており、操作パネル107は、たとえば、画像形成装置100に対する印刷操作やスキャン操作などを受け付ける。
記憶装置120は、たとえば、ハードディスクや外付けの記憶装置などの記憶媒体である。記憶装置120は、本実施の形態に従う制御プログラム122や体積情報124(図17参照)などを格納する。制御プログラム122および体積情報124の格納場所は記憶装置120に限定されず、制御プログラム122および体積情報124は、制御装置101の記憶領域(たとえば、キャッシュなど)、ROM102、RAM103、外部機器(たとえば、サーバー)などに格納されていてもよい。
制御プログラム122は、単体のプログラムとしてではなく、任意のプログラムの一部に組み込まれて提供されてもよい。この場合、本実施の形態に従う制御処理は、任意のプログラムと協働して実現される。このような一部のモジュールを含まないプログラムであっても、本実施の形態に従う制御プログラム122の趣旨を逸脱するものではない。さらに、制御プログラム122によって提供される機能の一部または全部は、専用のハードウェアによって実現されてもよい。さらに、少なくとも1つのサーバーが制御プログラム122の処理の一部を実行する所謂クラウドサービスのような形態で画像形成装置100が構成されてもよい。
[小括]
以上のようにして、定着装置50は、印刷終了後において、ヒーターHからの熱エネルギーや電気エネルギーなどを外部エネルギーとして蓄熱材54に加える。これにより、蓄熱材54は、固相βから固相λに相変化し、蓄熱される。定着装置50は、印刷開始前のウォームアップ処理時に蓄熱材54を加圧する。これにより、蓄熱材54は、固相λから固相βに相変化し、蓄熱された熱エネルギーを放熱する。このように、印刷終了後に蓄えられた熱エネルギーが印刷開始前のウォームアップ時に利用されることで、省エネルギー化が実現される。また、蓄熱材54は、蓄熱および放熱のために液相への相変化を利用しないので、液体が漏れないようにするための構成などが設けられる必要がない。そのため、定着装置50の構成が簡素化される。
<第2の実施の形態>
図14を参照して、第2の実施の形態に従う定着装置50について説明する。図14は、第2の実施の形態に従う定着装置50の内部構造を示す図である。
第1の実施の形態に従う定着装置50には、定着ローラー51が設けられていた。これに対して、第2の実施の形態に従う定着装置50においては、定着ローラー51の代わりに、蓄熱材54で構成されている摺動パッド51Aが設けられている。その他の点については第1の実施の形態に従う定着装置50と同じであるので、それらの説明は繰り返さない。
摺動パッド51Aは、固定部材55によって固定されている。蓄熱材54は、ヒーターHからの熱エネルギーを受けることで、固相βから固相λに相変化し蓄熱する。加圧ローラー65が摺動パッド51Aを加圧することにより、蓄熱材54は、固相λから固相βに相変化し放熱する。
<第3の実施の形態>
図15を参照して、第3の実施の形態に従う定着装置50について説明する。図15は、第3の実施の形態に従う定着装置50の内部構造を示す図である。
第1の実施の形態に従う定着装置50においては、熱電素子58が定着ベルト53の内部に設けられていた(図5参照)。これに対して、第3の実施の形態に従う定着装置50においては、熱電素子58が定着装置50の筐体64に設けられている。その他の点については第1の実施の形態に従う定着装置50と同じであるので、それらの説明は繰り返さない。
上述したように、温度差が熱電素子58の両面に与えられると、電位差が熱電素子58の両面間に生じる。第3の実施の形態に従う定着装置50は、定着装置50の内側と外側との温度差を利用して熱電素子58に電位差を生じさせる。より具体的には、熱電素子58は、定着装置50の筐体64に設けられている。熱電素子58の一方の面が筐体64の内側に位置している。熱電素子58の他方の面が筐体64の外側に位置している。
定着部材60は、印刷中には加熱されているので、定着装置50の内側の温度は、定着装置50の外側よりも高くなっている。この温度差によって、熱電素子58に電位差が生じる。熱電素子58から得られる電気エネルギーは、熱電素子58に接続されているバッテリー67に蓄電される。バッテリー67に蓄えられた電気エネルギーは、任意のタイミングで蓄熱材54に供給される。一例として、バッテリー67に蓄えられた電気エネルギーは、用紙の印刷終了後に蓄熱材54に供給される。これにより、蓄熱材54は、印刷終了後に固相βから固相λに相変化し、蓄熱する。
以上のように構成されることで、定着装置50は、印刷終了後における熱エネルギーだけでなく、印刷中に生じる熱エネルギーを利用して蓄熱することができる。これにより、定着装置50は、より効率的に省エネルギー化を実現することができる。
<第4の実施の形態>
[概要]
第1の実施の形態においては、定着装置50の設定は、蓄熱材54の相状態に依らず一定であった。これに対して、第4の実施の形態に従う定着装置50は、蓄熱材54の相状態に合わせて定着装置50の設定を変える。その他の点については第1の実施の形態に従う定着装置50と同じであるので、それらの説明は繰り返さない。
[定着装置50]
図16および図17を参照して、第4の実施の形態に従う定着装置50について説明する。図16は、第4の実施の形態に従う定着装置50の内部構造を示す図である。
上述したように、蓄熱材54は、固相βと固相λとの間で相変化する。固相βの結晶構造と固相λの結晶構造とは異なるため、蓄熱材54の体積は、蓄熱材54の相状態に応じて変化する。蓄熱材54の体積変化に伴って、印刷時における定着条件が変化する。定着条件は、たとえば、定着部材60と加圧ローラー65との接触圧や、搬送中の用紙が定着部材60と加圧ローラー65との接触部分に接している時間などである。定着条件が異なると、定着性や光沢などの印刷品質にばらつきが生じる。印刷品質のばらつきを抑制するために、本実施の形態に従う定着装置50は、蓄熱材54の相変化による蓄熱材54の体積変化に基づいて、用紙が定着部材60と加圧ローラー65との接触部分を通過するときにおける定着条件を変える。
図16に示されるように、定着装置50は、蓄熱材54の体積変化を推定するための温度センサ62を備える。温度センサ62は、定着ローラー51の近傍に設けられており、定着ローラー51の表面温度を検知する。定着ローラー51の温度と、蓄熱材54の体積とは相関する。定着ローラー51の温度が高くなると、蓄熱材54は、固相βから固相λに相変化し、蓄熱材54の体積は増加する。
一例として、蓄熱材54の相状態に対する定着ローラー51の体積は、体積情報124に予め規定されている。図17は、体積情報124の内容を示す図である。定着ローラー51の体積は、たとえば、定着ローラー51の半径や、定着ローラー51と加圧ローラー65との間の距離(以下、「ローラー間距離」ともいう。)で表わされる。
体積情報124は、予め規定されている。図17の例では、蓄熱材54の相状態が固相βであるときに、定着ローラー51の半径はrβであり、ローラー間距離はRである。蓄熱材54の相状態が固相λであるときに、定着ローラー51の半径はrλであり、ローラー間距離はR−(rλ−rβ)である。半径rλは、半径rβよりも長い。すなわち、蓄熱材54が固相λである方が、蓄熱材54が固相βであるときよりも、蓄熱材54の体積は大きくなる。
定着装置50は、温度センサ62によって検知される温度に基づいて、蓄熱材54の相状態を推定する。温度センサ62から取得した温度が相転移温度U2(図10参照)以下である場合に、定着装置50は、蓄熱材54が固相βであると判断する。相転移温度U2は、定着装置50の製造時や設計時に予め設定されている。蓄熱材54が固相βであると判断された場合、定着装置50は、体積情報124を参照して、蓄熱材54の半径がrβである判断する。一方で、温度センサ62から取得した温度が相転移温度U2よりも高い場合、定着装置50は、蓄熱材54が固相λであると判断する。この場合、定着装置50は、体積情報124を参照して、蓄熱材54の半径がrλである判断する。
なお、図16の例では、定着装置50が温度センサ62によって検知された温度に基づいて定着ローラー51の体積を推定する例について説明を行ったが、定着装置50は、定着ローラー51の体積と相関するその他の指標に基づいて定着ローラー51の体積を推定してもよい。たとえば、定着ローラー51の近傍には、温度センサ62の代わりに距離センサ(図示しない)が設けられている。当該距離センサは、自身と定着ローラー51との間の距離を検知する。定着装置50は、定着ローラー51の体積に相関する指標として、距離センサによって検知された距離を用いる。
定着装置50は、蓄熱材54の相変化による定着ローラー51の体積変化に基づいて、用紙が定着部材60と加圧ローラー65との接触部分を通過するときにおける定着条件を変える。ある局面において、定着条件は、用紙が定着部材60と加圧ローラー65との接触部分を通過するときにおける当該接触部分への加圧荷重を含む。蓄熱材54の体積が増加するほど当該接触圧は高くなる。そのため、定着装置50は、蓄熱材54の体積変化に基づいて、定着部材60と加圧ローラー65との接触圧が一定となるように上記加圧荷重を調整する。より具体的には、定着装置50は、蓄熱材54の体積が所定体積よりも大きくなった場合には上記加圧加重を小さくし、蓄熱材54の体積が所定体積よりも小さくなった場合には上記加圧加重を大きくする。これにより、定着部材60と加圧ローラー65との接触圧は蓄熱材54の相変化に依らず一定になる。その結果、印刷品質のばらつきが抑制される。
他の局面において、定着条件は、用紙が定着部材60と加圧ローラー65との接触部分を通過するときにおける用紙の搬送速度を含む。蓄熱材54の体積が増加するほど用紙が定着部材60に接触している時間が長くなる。そのため、定着装置50は、蓄熱材54の体積が増加するほど、用紙の搬送速度を速くする。異なる言い方をすれば、定着装置50は、蓄熱材54の体積が減少するほど、用紙の搬送速度を遅くする。これにより、用紙が定着部材60に接触している時間は蓄熱材54の相変化に依らず一定になる。その結果、印刷品質のばらつきが抑制される。
なお、上述では、定着装置50が上記接触圧および上記搬送速度の一方を変える例について説明を行ったが、定着装置50は、上記接触圧および上記搬送速度の両方を変えてもよい。すなわち、定着装置50は、蓄熱材54の体積に応じて、上記接触圧と上記搬送速度との少なくとも一方を変える。
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1C,1K,1M,1Y 画像形成ユニット、10 感光体、11 帯電器、12 露光部、13 現像器、14 現像ローラー、15C,15K,15M,15Y トナーボトル、17,42 クリーニングブレード、30 中間転写ベルト、31 一次転写ローラー、32 トナー像、33 二次転写ローラー、37 カセット、38 従動ローラー、39 駆動ローラー、40 タイミングローラー、41 搬送経路、48 トレー、50 定着装置、51 定着ローラー、51A 摺動パッド、52 芯金、53 定着ベルト、54 蓄熱材、55 固定部材、57 加熱ローラー、58 熱電素子、59 導線、60 定着部材、61A,61Z,62A〜62H,62Z 電極、62 温度センサ、64 筐体、65 加圧ローラー、65A 回転軸、67 バッテリー、70 スイッチ、71 支点、72 板金、75A,75B 絶縁基板、80 バネ、81 スライド機構、82 カム、85,86 グラフ、100 画像形成装置、101 制御装置、102 ROM、103 RAM、104 ネットワークインターフェイス、107 操作パネル、120 記憶装置、122 制御プログラム、124 体積情報。

Claims (18)

  1. トナーを熱で用紙に定着させる定着装置であって、
    定着部材と、
    前記定着部材に接触して設けられており、前記定着部材との接触部分を通過する前記用紙を前記定着部材に加圧するための加圧部材と、
    前記定着部材および前記加圧部材の少なくとも一方を加熱し、前記接触部分を通過する前記用紙に熱を与えるための加熱部とを備え、
    前記定着部材および前記加圧部材の少なくとも一方は、蓄熱材を含み、
    前記蓄熱材は、
    外部エネルギーが加えられることで、第1固相から前記第1固相よりも内部エネルギーが高い第2固相に相変化する性質と、
    圧力が加えられることで、前記第2固相から前記第1固相に相変化し、当該相変化時に放熱する性質とを有し、
    前記第1固相から前記第2固相への相変化のために加えられる前記外部エネルギーは、前記加熱部によって加熱された前記定着部材および前記加圧部材の少なくとも一方の熱エネルギーを含み、
    前記第2固相から前記第1固相への相変化のために加えられる前記圧力は、前記定着部材と前記加圧部材との接触圧を含む、定着装置。
  2. 前記定着装置は、前記用紙の印刷中には前記蓄熱材を前記第1固相から前記第2固相に相変化させない、請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記定着装置は、前記用紙の印刷終了後に、前記蓄熱材を前記第1固相から前記第2固相に相変化させる、請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記第1固相から前記第2固相への相変化のために加えられる前記外部エネルギーは、前記用紙の印刷終了後における、前記定着部材および前記加圧部材の少なくとも一方の残熱を含む、請求項3に記載の定着装置。
  5. 前記定着装置は、前記用紙の印刷開始前に、前記蓄熱材を前記第2固相から前記第1固相に相変化させる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の定着装置。
  6. 前記加熱部は、前記用紙の印刷開始前において、前記トナーを前記用紙に定着させることが可能な第1温度まで前記定着部材の温度を上昇させるウォームアップを実行し、
    前記定着装置は、前記ウォームアップ時に、前記蓄熱材を前記第2固相から前記第1固相に相変化させる、請求項5に記載の定着装置。
  7. 前記蓄熱材は、第2温度以上になると前記第1固相から前記第2固相に相変化する性質を有し、
    前記第2温度は、前記第1温度よりも高い、請求項6に記載の定着装置。
  8. 前記定着装置は、前記用紙の印刷中に、前記蓄熱材を前記第2固相から前記第1固相に相変化させる、請求項1に記載の定着装置。
  9. 前記定着装置は、前記用紙の印刷開始前における前記接触圧を前記用紙の印刷中および印刷終了後における前記接触圧よりも大きくする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の定着装置。
  10. 前記蓄熱材は、前記接触部分を形成する、前記定着部材および前記加圧部材の少なくとも一方に使用されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の定着装置。
  11. 前記第1固相から前記第2固相への相変化のために加えられる前記外部エネルギーは、電気エネルギーを含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の定着装置。
  12. 前記定着装置は、前記蓄熱材に電気的に接続されている熱電素子をさらに備え、
    前記熱電素子は、前記熱エネルギーを電気エネルギーに変換し、当該電気エネルギーを前記外部エネルギーとして前記蓄熱材に供給する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の定着装置。
  13. 前記定着装置は、前記蓄熱材の相変化による前記蓄熱材の体積変化に基づいて、前記用紙が前記接触部分を通過するときにおける定着条件を変える、請求項1〜12のいずれか1項に記載の定着装置。
  14. 前記定着条件は、前記用紙が用紙接触部分を通過するときにおける前記接触部分への加圧荷重を含み、
    前記定着装置は、前記蓄熱材の体積変化に基づいて、前記接触部分での接触圧が一定となるように前記加圧荷重を調整する、請求項13に記載の定着装置。
  15. 前記定着条件は、前記用紙が前記接触部分を通過するときにおける前記用紙の搬送速度を含み、
    前記定着装置は、前記蓄熱材の体積が増加するほど、前記用紙の前記搬送速度を速くする、請求項13または14に記載の定着装置。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の定着装置を備える、画像形成装置。
  17. トナーを熱で用紙に定着させる定着装置の制御方法であって、
    前記定着装置は、
    定着部材と、
    前記定着部材に接触して設けられており、前記定着部材との接触部分を通過する前記用紙を前記定着部材に加圧するための加圧部材とを備え、
    前記定着部材および前記加圧部材の少なくとも一方は、蓄熱材を含み、
    前記蓄熱材は、
    外部エネルギーが加えられることで、第1固相から前記第1固相よりも内部エネルギーが高い第2固相に相変化する性質と、
    圧力が加えられることで、前記第2固相から前記第1固相に相変化し、当該相変化時に放熱する性質とを有し、
    前記制御方法は、
    前記定着部材および前記加圧部材の少なくとも一方を加熱するステップと、
    前記蓄熱材を前記第1固相から前記第2固相に相変化させるために、前記加熱するステップで加熱された前記定着部材および前記加圧部材の少なくとも一方の熱エネルギーを前記外部エネルギーとして前記蓄熱材に加えるステップと、
    前記蓄熱材を前記第2固相から前記第1固相に相変化させるために、前記定着部材と前記加圧部材との接触圧を前記圧力として前記蓄熱材に加えるステップとを備える、制御方法。
  18. トナーを熱で用紙に定着させる定着装置の制御プログラムであって、
    前記定着装置は、
    定着部材と、
    前記定着部材に接触して設けられており、前記定着部材との接触部分を通過する前記用紙を前記定着部材に加圧するための加圧部材とを備え、
    前記定着部材および前記加圧部材の少なくとも一方は、蓄熱材を含み、
    前記蓄熱材は、
    外部エネルギーが加えられることで、第1固相から前記第1固相よりも内部エネルギーが高い第2固相に相変化する性質と、
    圧力が加えられることで、前記第2固相から前記第1固相に相変化し、当該相変化時に放熱する性質とを有し、
    前記制御プログラムは、前記定着装置に、
    前記定着部材および前記加圧部材の少なくとも一方を加熱するステップと、
    前記蓄熱材を前記第1固相から前記第2固相に相変化させるために、前記加熱するステップで加熱された前記定着部材および前記加圧部材の少なくとも一方の熱エネルギーを前記外部エネルギーとして前記蓄熱材に加えるステップと、
    前記蓄熱材を前記第2固相から前記第1固相に相変化させるために、前記定着部材と前記加圧部材との接触圧を前記圧力として前記蓄熱材に加えるステップとを実行させる、制御プログラム。
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