以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置10の斜視図である。画像処理装置(自装置)の一例としての画像形成装置10は、スキャン機能、プリント機能、コピー機能およびファクシミリ機能を備えた所謂複合機である。
画像形成装置10は、スキャナ11と、プリンタ12と、ユーザインタフェース(UI)13とを備える。これらのうち、スキャナ11は、原稿に形成された画像を読み取るための装置であり、プリンタ12は、記録材に画像を形成するための装置である。また、ユーザインタフェース13は、使用者が画像形成装置10を使用する際に、使用者による操作(指示)を受け付け、且つ、使用者に対し各種情報の表示を行うための装置である。
本実施の形態のスキャナ11は、プリンタ12の上方に配置されている。また、ユーザインタフェース13は、スキャナ11に取り付けられている。ここで、ユーザインタフェース13は、画像形成装置10を使用する際に使用者が立つ、画像形成装置10(スキャナ11)のフロント側に配置される。そして、ユーザインタフェース13は、画像形成装置10のフロント側に立った使用者が上方から下方を見た状態で操作できるように、上方に向けて配置される。
また、この画像形成装置10は、焦電センサ14と、第1カメラ15と、第2カメラ16とをさらに備える。これらのうち、焦電センサ14および第1カメラ15は、プリンタ12のフロント側且つ左側に、前方に向けて取り付けられている。そして、第1カメラ15は、焦電センサ14の上方に配置されている。また、第2カメラ16は、ユーザインタフェース13における左側に、上方に向けて取り付けられている。
ここで、焦電センサ14は、画像形成装置10のフロント側における、使用者を含む移動体(人物等)の移動を検知する機能を有している。また、撮影手段あるいは第1の撮影手段の一例としての第1カメラ15は所謂ビデオカメラで構成されており、画像形成装置10のフロント側の画像を撮影する機能を有している。さらに、顔撮影手段、他の撮影手段あるいは第2の撮影手段の一例としての第2カメラ16も所謂ビデオカメラで構成されており、画像形成装置10の上側の画像を撮影する機能を有している。
図2は、図1に示すユーザインタフェース13の上面図である。
ユーザインタフェース13は、タッチパネル130と、第1操作ボタン群131と、第2操作ボタン群132と、USBメモリ装着部133とを有する。ここで、第1操作ボタン群131は、タッチパネル130の右側に配置されている。また、第2操作ボタン群132およびUSBメモリ装着部133は、タッチパネル130の左側に配置されている。
ここで、タッチパネル130は、使用者に対し画像を用いた情報を表示し、且つ、使用者からの入力を受け付ける機能を有している。また、第1操作ボタン群131および第2操作ボタン群132は、使用者からの入力を受け付ける機能を有している。なお、第1操作ボタン群131には、使用者から、各種処理を開始させるための指示(開始指示)を受け付けるスタートボタン1311が設けられている。さらに、USBメモリ装着部133は、使用者によるUSBメモリの装着を受け付ける機能を有している。
また、ユーザインタフェース13に取り付けられる第2カメラ16は、画像形成装置10を使用する(ユーザインタフェース13を操作する)使用者の顔の画像を撮影できる位置に配置されている。そして、第2カメラ16で撮影された画像(使用者の顔の画像を含む)は、タッチパネル130に表示されるようになっている。ここで、本実施の形態では、第1カメラ15で撮影された画像も、タッチパネル130に表示することが可能となっている。なお、以下の説明においては、第1カメラ15が撮影した画像を第1カメラ画像(第1の画像の一例)と称し、第2カメラ16が撮影した画像を第2カメラ画像(第2の画像の一例)と称する。
図3は、画像形成装置10により人物の存在が検知される範囲を説明するための上面図である。図3は、画像形成装置10およびその周辺を、画像形成装置10の高さ方向上側からみたものを示している。
ここで、図3に示すように、画像形成装置10にて第1カメラ15(図1参照)が取り付けられている部位を、画像形成装置10の位置Pと呼ぶ。
この例において、焦電センサ14(図1参照)は、検出範囲F内に存在する人物を検知する。この検出範囲Fは、画像形成装置10のフロント側に形成され、高さ方向上側からみたときに、中心角が180度未満に設定された扇形を呈している。
また、この例では、第1カメラ15(図1参照)が撮影した第1カメラ画像を解析した結果を用いて、人検知範囲R1内および人操作範囲R2内に存在する人物を検出する。
これらのうち、人検知範囲R1は、画像形成装置10のフロント側に形成され、高さ方向上側からみたときに、中心角が180度に設定された扇形を呈している。この人検知範囲R1は、検出範囲Fの全体を含む(但し、この例では一部を含まない)ように設定される。なお、人検知範囲R1の中心角については、180度以外であってもかまわない。ただし、第1カメラ15は、少なくとも人検知範囲R1の全体を撮影範囲とする。
続いて、人操作範囲R2は、画像形成装置10のフロント側に設定され、高さ方向上側からみたときに、矩形を呈している。また、人操作範囲R2の全域は、人検知範囲R1の内側に位置する。さらに、人操作範囲R2は、人検知範囲R1の中で画像形成装置10により近い側に配置される。人操作範囲R2における矩形の範囲は、画像形成装置10の幅方向の長さがWであり、画像形成装置10の奥行方向の長さがDである。人操作範囲R2の幅方向の長さWは、ここでは、画像形成装置10の幅方向の長さと同じである。
なお、人検知範囲R1および人操作範囲R2の各々は、厳密に図3に示すとおりに設定される必要はなく、第1カメラ15による第1カメラ画像に基づいて特定し得る精度で足りる。
図4は、画像形成装置10の機能ブロック図である。この画像形成装置10は、制御部101と、通信部102と、操作部103と、表示部104と、記憶部105とを備える。また、画像形成装置10は、画像読取部106と、画像形成部107と、撮影・検知部108と、顔登録認証部109と、定型処理部110とを備える。
設定手段、禁止手段、検知手段、許可手段、変更手段、切替手段および実行手段の一例としての制御部101は、例えばCPU(Central Processing Unit)とメモリとを備え、画像形成装置10の各部を制御する。CPUは、メモリまたは記憶部105に記憶されたプログラムを実行する。メモリは、例えばROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)とを備える。ROMは、予めプログラムやデータを記憶する。RAMは、プログラムやデータを一時的に記憶し、CPUがプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。
なお、制御部101のCPUが実行するプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で提供し得る。また、インターネットなどの通信手段を用いて画像形成装置10にダウンロードさせてもよい。
通信部102は、図示しない通信回線に接続される通信用のインタフェースである。通信部102は、クライアント装置や他の画像形成装置(ともに図示せず)と、通信回線を介して通信を行う。
受付手段の一例としての操作部103は、使用者の操作に応じた情報を制御部101に入力する。この例において、操作部103は、ユーザインタフェース13に設けられたタッチパネル130、第1操作ボタン群131および第2操作ボタン群132によって実現される。
表示手段の一例としての表示部104は、使用者に対し各種情報を表示する。この例において、表示部104は、ユーザインタフェース13に設けられたタッチパネル130によって実現される。
記憶部105は、例えばハードディスクであり、制御部101により用いられる各種のプログラムやデータを記憶する。
読取手段の一例としての画像読取部106は、原稿の画像を読み取って画像データを生成する。この例において、画像読取部106はスキャナ11によって実現される。
画像形成部107は、画像データに応じた画像を用紙等のシート状の記録材に形成する。この例において、画像形成部107はプリンタ12によって実現される。なお、画像形成部107は、電子写真方式により画像を形成してもよいし、その他の方式により画像を形成してもよい。
撮影・検知部108は、撮影対象の撮影あるいは移動体の検知を行う。この例において、撮影・検知部108は、焦電センサ14、第1カメラ15および第2カメラ16によって実現される。
顔登録認証部109は、この画像形成装置10を使用することが可能な使用者について、事前に、この使用者の顔画像を用いた登録を行う。ここで、登録においては、使用者の顔画像の撮影を行うとともに、撮影で得られた顔画像から特徴量の抽出を行う。そして、使用者のID(ユーザID)と、使用者の顔画像と、使用者の顔画像から抽出された特徴量とを対応付けて記憶させる。また、顔登録認証部109は、使用者がこの画像形成装置10を使用しようとする際に、この使用者の顔画像を用いた認証を行う。ここで、認証においては、使用者の顔画像の撮影を行うとともに、撮影で得られた顔画像から特徴量の抽出を行う。そして、今回の撮影で得られた特徴量が、既に登録されている特徴量と一致するか否かを調べ、一致するものがある場合には画像形成装置10の使用を許可し、一致するものがない場合には画像形成装置10の使用を禁止する。なお、この画像形成装置10では、顔認証を使用するか否かの設定を行うことが可能となっている。そして、本実施の形態の画像形成装置10では、顔認証を使用しない設定が行われているものとする。
定型処理部110は、この画像形成装置10に設定された定型処理を実行させるための定型処理テーブルの作成、および、作成した定型処理テーブルに基づいて得られたコード画像を含む印刷データの作成等を行う。ここで、特定の処理の一例としての定型処理は、この画像形成装置10で実行可能な各機能(スキャン、プリント、コピー、ファクシミリ等)と、それぞれの機能に付随して設定される各種パラメータとを、対応付けて登録しておき、使用者が定型処理の実行を指示した場合に、その定型処理の機能および各種パラメータを呼び出して、その処理を実行するものをいう。
この画像形成装置10では、スキャン処理、コピー処理、プリント処理、ファクシミリ送信処理およびファクシミリ受信処理が行われる。スキャン処理とは、原稿の画像を読み取って画像データを生成する処理をいう。このスキャン処理は、画像読取部106によって行われる。コピー処理とは、原稿の画像を読み取って画像データを生成し、この画像データに基づいて記録材に画像を形成する処理をいう。このコピー処理は、画像読取部106および画像形成部107によって行われる。プリント処理とは、外部に設けられたクライアント装置から受信した画像データに基づいて記録材に画像を形成する処理をいう。このプリント処理は、通信部102および画像形成部107によって行われる。ファクシミリ送信処理は、原稿の画像を読み取って画像データを生成し、生成した画像データをファクシミリ装置に送信する処理をいう。このファクシミリ送信処理は、画像読取部106及び通信部102によって行われる。ファクシミリ受信処理は、ファクシミリ装置から受信した画像データに基づいて記録材に画像を形成する処理をいう。このファクシミリ受信処理は、通信部102および画像形成部107によって行われる。
図5は、図4に示す定型処理部110の機能ブロック図である。
定型処理部110は、作成部111と、格納部112と、抽出部113と、解析部114と、照合・設定部115と、指示部116とを有する。
作成部111は、ユーザインタフェース13等を介して受け付けた使用者の指示に基づいて、定型処理の内容を記述した定型処理テーブルの作成を行う。また、作成部111は、作成した定型処理テーブルの格納部112への登録指示を行う。さらに、作成部111は、格納部112に登録された定型処理テーブルに基づき、コード画像を含む印刷データの作成および出力を行う。
格納部112は、作成部111から登録指示が行われた定型処理テーブルの登録(格納)を行う。ここで、格納部112は、電源を供給しなくても、記憶している情報の保持が可能な不揮発性メモリで構成される。なお、定型処理部110に格納部112を設けるのではなく、画像形成装置10に設けられた記憶部105を格納部112として使用してもかまわない。
抽出手段の一例としての抽出部113は、第1カメラ15が撮影した第1カメラ画像または第2カメラ16が撮影した第2カメラ画像から、コード画像の抽出を行う。
解析部114は、抽出部113が抽出したコード画像を解析してコード画像に含まれるコード(ジョブ情報)を取得する。
照合・設定部115は、解析部114が解析したジョブ情報と、格納部112に登録されている定型処理テーブルのジョブ情報との照合を行う。また、照合・設定部115は、一致するジョブ情報が存在していた場合に、このジョブ情報に対応する定型処理を実行するための各種パラメータの設定を行う。
指示部116は、照合・設定部115によって設定された定型処理を実行するための指示を、画像形成装置10を構成する各部に出力する。
ここで、本実施の形態の画像形成装置10は、通常モードおよびスリープモードという、消費電力量が異なる2つのモードのいずれかに従って動作する。画像形成装置10が通常モードで動作するときには、画像形成装置10の各部に、各種処理の実行に要する電力が供給される。一方、画像形成装置10がスリープモードで動作するときには、画像形成装置10の少なくとも一部への電力供給が停止させられ、画像形成装置10の消費電力量が通常モードのときよりも少なくなる。ただし、画像形成装置10がスリープモードで動作するときにも、制御部101、焦電センサ14および第1カメラ15への電力供給が行われ、これら各部が、スリープモード時においても動作を行い得るようになっている。
図6は、画像形成装置10のモードの制御に関する処理の流れを示すフローチャートである。なお、この説明では、初期状態において、画像形成装置10がスリープモードに設定されているものとする。
画像形成装置10がスリープモードで動作するとき、制御部101は、焦電センサ14による赤外線の量の検出結果を監視して、検出範囲F内に人物が存在するかどうかを判断する。そして、人物が検出範囲F内に進入すると、制御部101は、焦電センサ14の検出結果に基づいて、検出範囲F内の人物の存在を検知する(ステップ1)。
検出範囲F内の人物の存在を検知すると、制御部101は、第1カメラ15への電力供給を開始させるとともに、第1カメラ15を起動させて人検知範囲R1の撮影を開始させる(ステップ2)。第1カメラ15により撮影が開始されると、制御部101は、第1カメラ15から取得した第1カメラ画像を解析して人物の動きを検出する処理を開始する(ステップ3)。
ステップ3で開始される人物の動きを検出する処理において、制御部101は、画像形成装置10から人物までの距離を推定するとともに、人物の動きを示す動きベクトルを算出する。この人物の動きを検出する処理は公知の方法により行われてよいが、例えば、制御部101は、第1カメラ15が撮影した第1カメラ画像から検出した身体の部位の大きさに基づいて、画像形成装置10から人物までの距離を推定する。また、制御部101は、第1カメラ15が撮影した第1カメラ画像に対しフレーム処理を施し、複数フレームの撮影画像を時系列順に比較する。この際、制御部101は、人物の身体の部位として、例えばつま先を検出し、検出した部位の動きを解析して動きベクトルを算出する。例えば、制御部101は、第1カメラ15から撮影した第1カメラ画像を平面画像に補正(平面視展開)してから人物の動きを検出する。
次に、制御部101は、人検知範囲R1内の人物の接近を検知したかどうかを判断する(ステップ4)。例えば、人物が人検知範囲R1内にあり、且つ、画像形成装置10の方向に移動していると判断した場合に、制御部101は人物の接近を検知したと判断する(ステップ4においてYES)。
なお、制御部101は、焦電センサ14により人物の存在が検知されている期間においては、人物の動きを検出する処理を行い、ステップ4の処理で接近の有無を判断する処理を繰り返す(ステップ4においてNO)。
ステップ4で肯定の判断(YES)を行った場合、制御部101は、画像形成装置10のモードを、スリープモードから通常モードに移行させる(ステップ5)。その際、制御部101は、通常モードに応じた電力供給を画像形成装置10の各部に行うように指示するとともに、画像形成装置10の各部を起動させる。このとき、制御部101は、第2カメラ16への電力供給を開始させ、第2カメラ16を起動させる。
なお、制御部101は、人検知範囲R1内の人物の存在を検知した場合に、直ちに通常モードへ移行させるのでなく、画像形成装置10への接近を検知した場合に、通常モードへ移行させる。このため、人物が人検知範囲R1を通り過ぎただけの場合に、画像形成装置10がスリープモードから通常モードに移行してしまう機会が少なくなる。
次に、制御部101は、人操作範囲R2内に人物が存在(つまり滞在)しているかどうかを検知する処理(滞在検知)を開始する(ステップ6)。制御部101は、第1カメラ15による第1カメラ画像を解析して人物の身体の部位を検出し、検出した部位の位置及び大きさに基づいて、人操作範囲R2内の人物の存在を検知する。例えば、制御部101は、検出した身体の部位の大きさに基づいて、画像形成装置10から人物までの距離を推定し、検出した身体の部位の位置に基づいて人物が存在する方向を特定する。
次に、制御部101は、人操作範囲R2内に人物が存在するかどうかを判断する(ステップ7)。例えば、ステップ7において肯定の判断(YES)を行った場合は、ステップ6で開始した滞在検知の処理を続行する。したがって、制御部101は、人操作範囲R2内の人物の存在を検知しなくなるまで、通常モードのまま、人操作範囲R2内の人物の存在を検知する処理を繰り返す。
ここで、画像形成装置10を使用した作業を終了した等の理由で、人物が人操作範囲R2外へ移動した場合を考える。この場合、制御部101は、ステップ7において否定の判断(NO)を行う。そして、制御部101は、タイマによる計時を開始する(ステップ8)。すなわち、制御部101は、人操作範囲R2内に人物が存在しなくなったときからの経過時間をタイマで計る。
次に、制御部101は、人操作範囲R2内に人物が存在するかどうかを判断する(ステップ9)。ステップ9において、制御部101は、人操作範囲R2内に人物が存在しなくなった後、再び人物の存在を検知するようになったかどうかを判断する。例えば人物が画像形成装置10から次第に離れ、人操作範囲R2内に人物が存在しなくなった場合には、制御部101は、ステップ9で「NO」と判断し、ステップ10に進む。
次に、制御部101は、タイマによる計時時刻が設定期間を経過したかどうかを判断する(ステップ10)。設定期間は、例えば1分であるが、1分以外の時間に設定されていてもよい。ステップ10において否定の判断(NO)を行った場合、制御部101は、ステップ9に戻る。すなわち、制御部101は、ステップ9、10において、人操作範囲R2内に人物が存在しない期間が、設定期間分だけ継続するかどうかを判断することとなる。
一方、ステップ10で肯定の判断(YES)を行った場合、制御部101は、画像形成装置10のモードを通常モードからスリープモードに移行させる(ステップ11)。ここで、制御部101は、画像形成装置10の各部にスリープモード時の電力供給をするように指示を行うとともに、スリープモード時に停止させる画像形成装置10の各部の動作を停止させる。その後、制御部101は、検出範囲F内で人物の存在を検知しなくなると、第1カメラ15の動作を停止させる。
ここで、タイマによる計時を開始した後、人操作範囲R2内に人物が存在しなくなったときから設定期間が経過する前に、制御部101が再び人物の存在を検知した場合を考える。この場合、制御部101は、ステップ9で「YES」と判断して、ステップ12に進む。次に、制御部101は、タイマによる計時を停止してリセットする(ステップ12)。そして、制御部101は、人物が人操作範囲R2内に存在しなくなったことによるスリープモードへの移行を中止し、ステップ6へと戻る。すなわち、制御部101は、人物が人操作範囲R2内に存在する場合の処理を再び実行する。
なお、ここでは、同一人物である人物が戻ってきた場合を例としているが、前とは別の人物が人操作範囲R2内に移動した場合にも、制御部101は、ステップ9で「YES」と判断する。
では次に、画像形成装置10を使用する使用者による定型処理の登録について説明を行う。
図7は、定型処理登録の手順を説明するためのフローチャートである。なお、以下に説明する処理は、基本的に、画像形成装置10に設けられた制御部101および定型処理部110が実行する。
使用者が操作部103(ユーザインタフェース13)を介して定型処理登録の開始を要求すると、作成部111は、ユーザインタフェース13に設けられたタッチパネル130に、定型処理登録に関する各種入力を受け付けるための案内画面を表示させる。そして、作成部111は、ユーザインタフェース13を介して、定型処理の種別に関する設定を受け付ける(ステップ21)。この例において、ステップ21で受け付ける種別は、スキャン、プリント、コピー、ファクシミリのいずれかである。
次に、作成部111は、ユーザインタフェース13を介して、定型処理のパラメータに関する設定を受け付ける(ステップ22)。ここで、パラメータは、ステップ21で設定された種別に付随するものであって、例えばコピーの場合には、パラメータとして、カラーモード(カラー、白黒)、読取解像度、原稿種別(写真原稿、文字原稿、文字/写真原稿)等が挙げられる。
続いて、作成部111は、ユーザインタフェース13を介して、この定型処理の名称に関する入力を受け付ける(ステップ23)。ここで、名称は、使用者がこの定型処理に対して命名するものであって、例えば定型処理の内容を端的に説明する文言等が採用され得る。
そして、作成部111は、ユーザインタフェース13を介して、ステップ21〜ステップ23で受け付けた定型処理の登録指示があったか否かを判断する(ステップ24)。ステップ24で否定の判断(NO)を行った場合は、ステップ21に戻って処理を続行する。
一方、ステップ24で肯定の判断(YES)を行った場合、作成部111は、ステップ21〜ステップ23で受け付けた定型処理の内容が紐付けされたコード(ジョブ情報)を含むコード画像を作成する(ステップ25)。そして、作成部111は、ステップ21で受け付けた種別と、ステップ22で受け付けたパラメータと、ステップ23で受け付けた名称と、ステップ25で作成したコード画像の元となるコード(ジョブ情報)とを用いて定型処理テーブルを作成し、得られた定型処理テーブルを格納部112に登録させる(ステップ26)。なお、定型処理テーブルの詳細については後述する。
続いて、作成部111は、ステップ26で定型処理テーブルに登録した定型処理に関連付けられたコード画像と、このコード画像に対応付けられた名称等とを用いた印刷データの作成を行い、得られた印刷データをプリンタ12(画像形成部107)に出力する(ステップ27)。そして、印刷データを受け取ったプリンタ12は、記録材上にこの印刷データに基づく画像形成を行い、コード画像記録シート50(後述する図9参照)として出力する。以上により、一連の処理が完了する。
図8は、図7に示す定型処理登録によって作成された定型処理テーブルの一例を説明するための図である。この定型処理テーブルは、格納部112(記憶部105でもよい)に登録されている。
本実施の形態の定型処理テーブルは、コードに対応するジョブ情報と、定型処理の内容に対応するジョブテンプレートとを関連付けたもので構成される。ここで、ジョブ情報は、ジョブIDを含んでいる。また、ジョブテンプレートは、名称と、種別と、種別に付随するパラメータとを含んでいる。ここで、「種別」は図7に示すステップ21で、「パラメータ」は図7に示すステップ22で、「名称」は図7に示すステップ23で、それぞれ設定される。また、ジョブIDを含む「ジョブ情報」は、図7に示すステップ25で設定される。
まず、ジョブIDは、定型処理毎に画像形成装置10が付与するものであって、ここでは4つのジョブID(「J0001」〜「J0004」)が設定されている。なお、この例では、4つの定型処理が登録されている場合を例としているが、3つ以下であってもよいし5つ以上であってもかまわない。
ここで、ジョブIDが「J0001」に設定された定型処理では、種別が「コピー」に設定されている。また、「J0001」の定型処理では、パラメータが、「カラーモード:白黒、読取解像度:600dpi、原稿種別:写真、(原稿読取時の)入力面:片面、(画像形成時の)出力面:両面、(画像形成時の)1枚あたりの頁数:2」に設定されている。さらに、「J0001」の定型処理では、名称が「節約コピー」に設定されている。
次に、ジョブIDが「J0002」に設定された定型処理では、種別が「コピー」に設定されている。また、「J0002」の定型処理では、パラメータが、「カラーモード:カラー、読取解像度:600dpi、原稿種別:写真、入力面:両面、出力面:片面、1枚あたりの頁数:1」に設定されている。さらに、「J0002」の定型処理では、名称が「カラーコピー」に設定されている。
続いて、ジョブIDが「J0003」に設定された定型処理では、種別が「ファクシミリ(送信)」に設定されている。また、「J0003」の定型処理では、パラメータが、「カラーモード:白黒、読取解像度:200dpi、原稿種別:文字、入力面:片面、宛先:03−XXXX−XXXX」に設定されている。さらに、「J0003」の定型処理では、名称が「FAX注文」に設定されている。
最後に、ジョブIDが「J0004」に設定された定型処理では、種別が「スキャン」に設定されている。また、「J0004」の定型処理では、パラメータが、「カラーモード:白黒、読取解像度:600dpi、原稿種別:文字/写真、入力面:片面、宛先:¥¥test¥orderbackup」に設定されている。さらに、「J0004」の定型処理では、名称が「注文書格納」に設定されている。
図9(a)〜(d)は、本実施の形態で用いたコード画像記録シート50の構成の一例を示す図である。ここで、図9(a)は、図8に示すジョブID「J0001」の定型処理に対応するコード画像記録シート50を例示している。また、図9(b)は、図8に示すジョブID「J0002」の定型処理に対応するコード画像記録シート50を例示している。さらに、図9(c)は、図8に示すジョブID「J0003」の定型処理に対応するコード画像記録シート50を例示している。さらにまた、図9(d)は、図8に示すジョブID「J0004」の定型処理に対応するコード画像記録シート50を例示している。
図9(a)〜図9(d)に示すコード画像記録シート50は、それぞれ、用紙等からなるシート51と、シート51の一方の面(記録面)に形成される、コード画像52および名称画像53とを有している。
まず、コード画像52は、全体として正方形状を呈するものであって、小さな正方形状のドットを上下左右に7行7列(7×7)に配列させるとともに、これら複数のドットのいずれか1つ以上を塗りつぶすことで、水平方向(横方向)および垂直方向(縦方向)に情報を持たせる2次元コードで構成される。そして、コード画像52には、図8に示す定型処理テーブルに記述されるジョブ情報(ジョブID)が、コードとして記録されている。
また、名称画像53は、コード画像52の下方に配置されている。ここで、名称画像53は、図8に示す定型処理テーブルに記述される、この定型処理に付された名称を、文字で表記したものである。
これにより、例えば図9(a)に示すコード画像記録シート50の場合、コード画像52にはジョブID「J0001」が埋め込まれていることになり、名称画像53の文字は、ジョブID「J0001」に対応する「節約コピー」となる。
本実施の形態において、コード画像記録シート50に、コード画像52に加えて名称画像53を記録しているのは、使用者がコード画像52を見ただけでは、対応する定型処理の内容を把握することが実質的に不可能となるためである。なお、本実施の形態では、コード画像記録シート50に、コード画像52に加えて名称画像53を記録しているが、これに限られるものではない。例えば、名称画像53に代えて定型処理の種別やパラメータを含む説明画像を記録するようにしてもよく、名称画像53および説明画像の両者を記録するようにしてもかまわない。
では次に、通常モードにおける画像形成装置10の動作について説明を行う。
図10は、通常モードにおける画像形成装置の動作に関する処理の流れを示すフローチャートである。また、図11(a)〜(c)は、図10に示す処理の実行中に表示されるUI画面(案内画面の一例)を示している。
通常モードで動作する画像形成装置10において、制御部101は、第1カメラ15および第2カメラ16を用いた撮影を開始(許可)させる(ステップ31)。また、制御部101は、抽出部113に、第1カメラ15が撮影した第1カメラ画像からのコード画像52の抽出を開始させる(ステップ32)。このとき、制御部101は、抽出部113に、第2カメラ16が撮影した第2カメラ画像からのコード画像52の抽出を禁止させる。続いて、制御部101は、表示部104(タッチパネル130)に、図11(a)に示す「コード画像読取中画面」を表示させる(ステップ33)。ここで、図11(a)に示す「コード画像読取中画面」には、第1カメラ15が撮影した第1カメラ画像や、「コード画像の検知中です。」といったメッセージ画像が表示されている。
次に、制御部101は、この画像形成装置10を使おうとしている人物(使用者)による操作意図を検出したか否かを判断する(ステップ34)。ここで、ステップ34での判断基準となる「操作意図」としては、例えば、ユーザインタフェース13に対する操作を受け付けたこと、画像読取部106(スキャナ11)に設けられた自動原稿送り装置に対する原稿のセットを検知したこと、画像読取部106(スキャナ11)に設けられた原稿ガラス(プラテンガラス)が閉状態から開状態に移行したのを検知したこと、が挙げられる。また、他の「操作意図」としては、例えば、第1カメラ15が撮影した第1カメラ画像から人物の人操作範囲R2(図3参照)への進入が検知されたこと、第2カメラ16が撮影した第2カメラ画像から人物の顔が検知されたこと、も挙げられる。さらに、別の「操作意図」としては、例えば、使用者を特定するためのカード(ICカードや磁気カードなど)が用いられる場合に、画像形成装置10に対するカードのセットを検知したこと、人物が発する音声をコマンド(音声コマンド)として検出する構成を採用した場合に、音声コマンドを検出したこと、も挙げられる。なお、本実施の形態では、ステップ34が、自装置に対する人の存在を検出する検出手段、に対応している。すなわち、操作意図の検出は、人の存在の検出に対応している。
ステップ34で肯定の判断(YES)を行った場合は、後述するステップ100の処理実行プロセスにおけるステップ101に移行する。一方、ステップ34で否定の判断(NO)を行った場合、制御部101は、抽出部113が、第1カメラ15が撮影した第1カメラ画像からコード画像52を抽出したか否かを判断する(ステップ35)。ここで、ステップ35で肯定の判断(YES)が行われるのは、例えば、人検知範囲R1内に、コード画像52の記録面を第1カメラ15に向けた状態でコード画像記録シート50を保持する人物が存在している場合である。
ステップ35で肯定の判断(YES)を行った場合は、後述するステップ100の処理実行プロセスにおけるステップ111に移行する。一方、ステップ35で否定の判断(NO)を行った場合、制御部101は、ステップ32に戻って処理を続行する。
次に、ステップ100の処理実行プロセスについて説明を行う。なお、ここでは、ステップ100の処理実行プロセスに関し、最初に、ステップ34で肯定の判断(YES)がなされた場合における処理の手順を説明し、続いて、ステップ35で肯定の判断(YES)がなされた場合における処理の手順を説明する。
まず、ステップ34で肯定の判断(YES)がなされた場合、すなわち、画像形成装置10に対する操作意図が検出された場合、制御部101は、抽出部113に、第1カメラ15が撮影した第1カメラ画像からのコード画像52の抽出を禁止させる(ステップ101)。続いて、制御部101は、抽出部113に、第2カメラ16が撮影した第2カメラ画像からのコード画像52の抽出を開始(許可)させる(ステップ102)。そして、制御部101は、表示部104(タッチパネル130)に、図11(b)に示す「通常処理用メニュー画面」を表示させる(ステップ103)。ここで、図11(b)に示す「通常処理用メニュー画面」には、「コピー」、「ファクス/インターネットファクス」など、一般の不特定多数の使用者を想定して設定されたアプリ(通常処理)のボタンが表示されている。
そして、制御部101は、操作部103を介して、使用者による操作を受け付ける(ステップ104)。ステップ104では、例えば、タッチパネル130に表示された「通常処理用メニュー画面」(図11(b)参照)を構成する複数のボタンのうち、いずれか1つのボタンが押下されることにより、通常処理の種別が選択され、そのボタンに対応付けられたアプリ機能に関する設定画面が表示され、さらに、この設定画面にて、種別に付随する各種パラメータの設定を受け付けることになる。
ここで、制御部101は、抽出部113が、第2カメラ16が撮影した第2カメラ画像からコード画像52を抽出したか否かを判断する(ステップ105)。ステップ105で肯定の判断(YES)を行った場合は、後述するステップ112へと移行する。ここで、ステップ105で肯定の判断(YES)が行われるのは、例えば、コード画像記録シート50を保持する人物が、このコード画像記録シート50に形成されたコード画像52を第2カメラ16に向けてきた場合である。なお、ステップ105からステップ112へと移行するに際して、制御部101は、抽出部113に、第2カメラ16が撮影した第2カメラ画像からのコード画像52の抽出を禁止させる。
一方、ステップ105で否定の判断(NO)を行った場合、制御部101は、操作部103を介して、ステップ104で操作を受け付けた通常処理に関する実行指示を受け付けたか否かを判断する(ステップ106)。ステップ106では、スタートボタン1311(図2参照)が押下された場合に、通常処理の実行指示を受け付けたと判断する。ステップ106で否定の判断(NO)を行った場合、制御部101は、ステップ104に戻って処理を続行する。
これに対し、ステップ106で肯定の判断(YES)を行った場合、制御部101は、各部を制御し、ステップ104で受け付けた通常処理を実行させる(ステップ107)。
そして、ステップ107の通常処理が終了すると、制御部101は、操作部103を介して、続けて通常処理を実行する(通常処理を続行する)旨の指示を受け付けたか否かを判断する(ステップ108)。ステップ108で肯定の判断(YES)を行った場合、制御部101は、ステップ100の処理実行プロセスにおけるステップ103へと戻って処理を続行する。一方、ステップ108で否定の判断(NO)を行った場合、制御部101は、ステップ100の処理実行プロセスを脱し、ステップ32へと戻って処理を続行する。
他方、ステップ35で肯定の判断(YES)がなされた場合、すなわち、第1カメラ15が撮影した第1カメラ画像からコード画像52が抽出された場合、制御部101は、抽出部113に、第1カメラ15が撮影した第1カメラ画像からのコード画像52の抽出を禁止させる(ステップ111)。
続いて、ステップ111が実行された後、および、上記ステップ105で肯定の判断(YES)が行われた場合、制御部101は、解析部114に、第1カメラ画像または第2カメラ画像から抽出されたコード画像52を解析させてジョブ情報(ジョブID)を取得させ、且つ、照合・設定部115に、取得したジョブIDと格納部112から読み出した定型処理テーブル(図8参照)とを用いて照合を行わせ、ジョブIDに対応するジョブテンプレートすなわち定型処理の内容を特定する(ステップ112)。そして、制御部101は、ステップ112で特定された定型処理の内容に基づき、表示部104(タッチパネル130)に、図11(c)に示す「定型処理用メニュー画面」を表示させる(ステップ113)。ここで、図11(c)に示す「定型処理用メニュー画面」には、ステップ112で特定された定型処理の実行要求を受け付けるための案内が表示されている。なお、図11(c)は、上記ステップ35または上記ステップ105において、図9(c)に示すコード画像記録シート50からコード画像52が検出された場合に表示される、ジョブID「J0003」に対応した「定型処理用メニュー画面」を例示している。図11(c)に示す「定型処理用メニュー画面」には、『定型処理「FAX注文」を実行しますか? ・カラーモード:白黒 ・読取解像度:200dpi ・原稿種別:文字 ・入力面:片面 ・宛先:03−XXXX−XXXX 実行する場合は、スタートボタンを押してください』といったメッセージ画像が表示されている。この「定型処理用メニュー画面」は、図8に示す定型処理テーブルを参照して作成される。
そして、制御部101は、操作部103を介して、ステップ112で内容が特定された定型処理に関する実行指示を受け付けたか否かを判断する(ステップ114)。ステップ114では、スタートボタン1311(図2参照)が押下された場合に、定型処理の実行指示を受け付けたと判断する。ステップ114で否定の判断(NO)を行った場合、制御部101は、ステップ114に戻って処理を続行する。
これに対し、ステップ114で肯定の判断(YES)を行った場合、指示部116は、ステップ112で特定された定型処理の実行を制御部101に指示し、制御部101は、各部を制御し、この定型処理を実行させる(ステップ115)。
そして、ステップ115の定型処理が終了すると、制御部101は、操作部103を介して、続けて定型処理を実行する(定型処理を続行する)旨の指示を受け付けたか否かを判断する(ステップ116)。ステップ116で肯定の判断(YES)を行った場合、制御部101は、ステップ100の処理実行プロセスにおけるステップ113へと戻って処理を続行する。一方、ステップ116で否定の判断(NO)を行った場合、制御部101は、ステップ100の処理実行プロセスを脱し、ステップ32へと戻って処理を続行する。
また、本実施の形態では、上述したステップ100の処理実行プロセスの実行中に、制御部101が、人操作範囲R2内で人を検出したか否かの判断を、並行して行っている(ステップ40)。ステップ40で肯定の判断(YES)を行った場合、制御部101は、ステップ100の処理実行プロセスを続行させる。これに対し、ステップ40で否定の判断(NO)を行った場合、制御部101は、ステップ100の処理実行プロセスの実行を中止し、ステップ32に戻って処理を続行する。
このように、本実施の形態では、画像形成装置10のフロント側を撮影する第1カメラ15で撮影した第1カメラ画像からコード画像52の抽出を行い、第1カメラ画像からコード画像52が抽出された場合に、このコード画像52を解析して得たコード(ジョブID)に対応付けられた定型処理を、画像形成装置10に実行させるようにした。一方、本実施の形態では、第1カメラ画像からコード画像が抽出される前に、画像形成装置10が人(使用者)操作意図を検出した場合に、第1カメラ画像からのコード画像52の抽出を禁止し、通常処理のための操作を受け付けるようにした。
これにより、例えば第1の人(使用者)が保持するコード画像記録シート50に記録されたコード画像52を第1カメラ15で撮影したことを契機として、画像形成装置10にて、第1カメラ画像から抽出したコード画像52に埋め込まれたコード(ジョブID)に対応する定型処理を実行させることができる。このとき、第1の人(使用者)が保持するコード画像記録シート50に記録されたコード画像52を第1カメラ15で撮影した後に、第2の人(別の使用者)が保持するコード画像記録シート50に記録されたコード画像52を第1カメラ15で撮影したとしても、この時点では、第1カメラ画像からのコード画像52の抽出が禁止されているので、第2の人が保持するコード画像記録シート50に記録されたコード画像52に埋め込まれたコード(ジョブID)に対応する定型処理は実行されない。
また、本実施の形態では、例えば人(使用者)がコード画像52の読み取りを伴わない処理(通常処理)を画像形成装置10に実行させたい場合に、人による操作を必要とせずに、画像形成装置10の待ち受け状態を変更することができる。そして、第1カメラ画像からコード画像52が抽出される前に、画像形成装置10が人(使用者)の操作意図を検出した場合に、第1カメラ画像からのコード画像52の抽出を禁止することで、第1カメラ画像からコード画像52が抽出されることに伴って、この使用者が所望する処理(通常処理)とは異なる別の処理(定型処理)が実行されてしまう、という事態を回避することが可能となる。
また、本実施の形態では、画像形成装置10が人(使用者)操作意図を検出した場合に、第1カメラ画像からのコード画像52の抽出を禁止するのに連動して、第2カメラ画像からのコード画像52の抽出を許可するようにした。
これにより、コード画像52の読み取りを伴う処理(定型処理)を画像形成装置10に実行させたい場合、画像形成装置10は、人による操作を必要とすることなく、コード画像52を撮影する機器(カメラ)を変更することができる。そして、第2カメラ画像からコード画像52が抽出されることに伴って、この使用者が所望する処理(定型処理)を実行することが可能になる。
ここで、本実施の形態では、第1カメラ画像からのコード画像52の抽出を禁止するのに連動して、第2カメラ画像からのコード画像52の抽出を許可した後、第2カメラ画像からコード画像52が抽出された場合に、このコード画像52を解析して得たコード(ジョブID)に対応付けられた定型処理を、画像形成装置10に実行させるようにした。そして、第2カメラ画像からコード画像52が抽出された場合に、第2カメラ画像からのコード画像52の抽出を禁止するようにした。
これにより、第2カメラ画像から抽出したコード画像52から使用者が所望する処理(定型処理)が設定された後、第2カメラ画像から別のコード画像52が抽出されることに伴って、この使用者が所望していない別の処理(定型処理)が設定されてしまうという事態を回避することが可能になる。
さらに、本実施の形態では、画像形成装置10が人(使用者)の操作意図を検出する前と検出した後とで、表示部104(タッチパネル130)に表示するUI画面の内容を変更するようにした。
これにより、人(使用者)に対し、必要とする情報を提示することが可能になる。
なお、本実施の形態では、コード画像52として所謂2次元コードを用いていたが、これに限られるものではなく、例えばバーコード等の1次元コードを用いてもよい。また、本実施の形態では、コード画像52をシート51上に形成したコード画像記録シート50を用いていたが、これに限られるものではない。例えばタブレット端末やスマートフォンなどのデバイスに設けられた表示装置に表示させたコード画像52を用いてもかまわない。
また、本実施の形態では、画像形成装置10が人(使用者)の操作意図を検出した場合(ステップ34でYES)に、第1カメラ画像からのコード画像52の抽出を禁止し(ステップ101)、あるいは、画像形成装置10が人(使用者)の操作意図を検出しない(ステップ34でNO)状態で第1カメラ画像からコード画像52が抽出された場合(ステップ35でYES)に、第1カメラ画像からのコード画像52の抽出を禁止する(ステップ111)ようにしていたが、これに限られない。例えば、画像形成装置10が人(使用者)の操作意図を検出し、且つ、第1カメラ画像からコード画像52が抽出された場合に、第1カメラ画像からのコード画像52の抽出を禁止するようにしてもよい。