JP6569324B2 - 電気化学素子用導電材分散液、電気化学素子正極用スラリー、電気化学素子正極用スラリーの製造方法、電気化学素子用正極および電気化学素子 - Google Patents
電気化学素子用導電材分散液、電気化学素子正極用スラリー、電気化学素子正極用スラリーの製造方法、電気化学素子用正極および電気化学素子 Download PDFInfo
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Description
具体的には、例えば特許文献1では、所定の正極活物質と、導電材と、水分散エラストマーと、水溶性高分子と、分散剤と、水とを含有してなる正極用スラリーが開示されている。そして特許文献1によれば、この正極用スラリーから形成された正極は、リチウムイオン二次電池に優れたレート特性およびサイクル特性を発揮させることができる。
なお、本発明において、重合体が「単量体単位を含む」とは、「その単量体を用いて得た重合体中に単量体由来の構造単位が含まれている」ことを意味する。
そして、本発明において、「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよび/またはメタクリルを意味する。
また、本発明において、ある物質が「水溶性」とは、25℃において当該物質0.5gを100gの水に溶解した際に、不溶分が0.5質量%未満であることをいう。
また、本発明によれば、平滑性に優れ且つ集電体と強固に密着する正極合材層を形成可能であり、また電気化学素子に優れた高温保存特性を発揮させ得る電気化学素子正極用スラリーおよびその製造方法を提供することができる。
更に、本発明によれば、電気化学素子に優れた高温保存特性を発揮させ得る電気化学素子用正極、および高温保存特性に優れる電気化学素子を提供することができる。
ここで、本発明の電気化学素子用導電材分散液は、電気化学素子電極用スラリー、好ましくは電気化学素子正極用スラリーを製造する際の材料として用いられる。そして、本発明の電気化学素子正極用スラリーは、本発明の電気化学素子用導電材分散液を含んでなり、本発明の電気化学素子正極用スラリーの製造方法を用いて調製することができる。加えて、本発明の電気化学素子用正極は、本発明の電気化学素子正極用スラリーを用いて形成された正極合材層を備えることを特徴とする。また、本発明の電気化学素子は、本発明の電気化学素子用正極を備えることを特徴とする。
本発明の電気化学素子用導電材分散液は、水系溶媒中に、導電材に加え、親水性基含有単量体単位を含む粒子状重合体、および水溶性高分子を含有することを特徴とする。
導電材は、電極活物質同士の電気的接触を確保するためのものである。そして、導電材としては、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、ファーネスブラックなど)、単層または多層カーボンナノチューブ(多層カーボンナノチューブにはカップスタック型が含まれる)、カーボンナノホーン、気相成長炭素繊維、ポリマー繊維を焼成後に破砕して得られるミルドカーボン繊維、単層または多層グラフェン、ポリマー繊維からなる不織布を焼成して得られるカーボン不織布シートなどの導電性炭素材料、並びに各種金属のファイバー又は箔などを用いることができる。これらは一種単独で、または、二種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、化学的安定性に優れるという点で、導電性炭素材料が好ましい。また、近接する導電性炭素材料同士の接触頻度を高め、安定した導電パスを形成しつつ高効率での電子授受を達成して、優れた導電性を発現させる観点からは、カーボンブラックや、繊維状又はシート状である導電性炭素材料がより好ましい。
ここで、本発明において導電性炭素材料が「繊維状」であるとは、透過型電子顕微鏡(TEM)で測定した導電性炭素材料のアスペクト比が10以上であることをいい、繊維状導電性炭素材料としては、例えば、上述した単層または多層カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、気相成長炭素繊維、ミルドカーボン繊維などが挙げられる。
また、本発明において導電性炭素材料が「シート状」であるとは、導電性炭素材料が平面状に広がる構造を有することをいい、シート状導電性炭素材料としては、例えば、上述した単層または多層グラフェン、カーボン不織布シートなどが挙げられる。なお、平面状に広がる構造を有するシート状導電性炭素材料には、繊維状導電性炭素材料は含まれないものとする。
なお、本発明において「カーボンブラックの平均粒子径」は、TEMを用いて無作為に選択されたカーボンブラック粒子100個の粒子径(個々の粒子の外縁上の2点を結ぶ線分の長さのうち、最大の長さ)を測定して求めることができる。
なお、本発明において「導電材の比表面積」とは、窒素吸着法によるBET比表面積のことであり、ASTM D3037−81に準拠して測定することができる。
なお、本発明において「導電材の密度」とは、かさ密度のことであり、JIS Z 8901に準拠して測定することができる。
粒子状重合体は、本発明の導電材分散液と電極活物質とを含む電気化学素子電極用スラリーを用いて集電体上に電極合材層を形成することにより製造した電極において、電極合材層に含まれる成分が電極合材層から脱離しないように保持し得る、非水溶性の結着材である。
そして粒子状重合体は、少なくとも親水性基含有単量体単位を含む重合体からなり、任意に、親水性基含有単量体単位以外のその他の単量体単位を含んでいてもよい。
なお、本発明において、ある物質が「非水溶性」とは、25℃において当該物質0.5gを100gの水に溶解した際に、不溶分が90質量%以上であることをいう。
親水性基含有単量体単位は、親水性基含有単量体由来の繰り返し単位である。ここで、親水性基含有単量体単位を形成し得る親水性基含有単量体としては、カルボン酸含有単量体、ヒドロキシル基含有単量体、スルホン酸基含有単量体、リン酸基含有単量体が挙げられる。
モノカルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などが挙げられる。
モノカルボン酸誘導体としては、2−エチルアクリル酸、イソクロトン酸、α−アセトキシアクリル酸、β−trans−アリールオキシアクリル酸、α−クロロ−β−E−メトキシアクリル酸、β−ジアミノアクリル酸などが挙げられる。
ジカルボン酸としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などが挙げられる。
ジカルボン酸誘導体としては、メチルマレイン酸、ジメチルマレイン酸、フェニルマレイン酸、クロロマレイン酸、ジクロロマレイン酸、フルオロマレイン酸や、マレイン酸メチルアリル、マレイン酸ジフェニル、マレイン酸ノニル、マレイン酸デシル、マレイン酸ドデシル、マレイン酸オクタデシル、マレイン酸フルオロアルキルなどのマレイン酸エステルが挙げられる。
ジカルボン酸の酸無水物としては、無水マレイン酸、アクリル酸無水物、メチル無水マレイン酸、ジメチル無水マレイン酸などが挙げられる。
また、カルボン酸基を有する単量体としては、加水分解によりカルボキシル基を生成する酸無水物も使用できる。
その他、マレイン酸モノエチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸モノエチル、フマル酸ジエチル、フマル酸モノブチル、フマル酸ジブチル、フマル酸モノシクロヘキシル、フマル酸ジシクロヘキシル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸モノブチル、イタコン酸ジブチルなどのα,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸のモノエステルおよびジエステルも挙げられる。
なお、本発明において、「(メタ)アリル」とは、アリルおよび/またはメタリルを意味し、「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイルおよび/またはメタクリロイルを意味する。
そして、粒子状重合体中の親水性基含有単量体単位の含有割合は、粒子状重合体中の全繰り返し単位を100質量%とした場合に、0.5質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましく、40質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下が更に好ましく、4質量%以下であることが特に好ましい。親水性基含有単量体単位の含有割合を0.5質量%以上とすれば、電極用スラリー中での導電材の分散性を確保しつつ電極活物質を良好に分散させることができ、40質量%以下とすれば、導電材の分散性が過度に損なわれず、電極合材層の凹凸および電荷集中による劣化を抑制することができる。従って、親水性基含有単量体単位の含有割合を上述の範囲内とすれば、電極合材層の平滑性および集電体への密着性を更に高めて、電気化学素子の高温保存特性を一層向上させることができる。
親水性基含有単量体単位以外の単量体単位としては、特に限定されないが、例えばニトリル基含有単量体単位、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位、架橋性基含有単量体単位、および芳香族ビニル単量体単位が挙げられる。
ニトリル基含有単量体単位は、ニトリル基含有単量体由来の繰り返し単位である。ここで、ニトリル基含有単量体単位を形成し得るニトリル基含有単量体としては、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体が挙げられる。具体的には、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体としては、ニトリル基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物であれば特に限定されないが、例えば、アクリロニトリル;α−クロロアクリロニトリル、α−ブロモアクリロニトリルなどのα−ハロゲノアクリロニトリル;メタクリロニトリル、α−エチルアクリロニトリルなどのα−アルキルアクリロニトリル;などが挙げられる。これらの中でも、共重合体の結着力を高める観点からは、ニトリル基含有単量体としては、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリル(これら二つを総称して「(メタ)アクリロニトリル単量体」という。)が好ましく、アクリロニトリルがより好ましい。
これらは一種単独で、または、二種以上を組み合わせて用いることができる。
(メタ)アクリル酸エステル単量体単位は、(メタ)アクリル酸エステル単量体由来の繰り返し単位である。ここで、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を形成し得る(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸パーフルオロアルキルエステルが挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、イソペンチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、n−テトラデシルアクリレート、ステアリルアクリレートなどのアクリル酸アルキルエステル;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−ペンチルメタクリレート、イソペンチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、ヘプチルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ノニルメタクリレート、デシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、n−テトラデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、グリシジルメタクリレートなどのメタクリル酸アルキルエステル;などが挙げられる。
(メタ)アクリル酸パーフルオロアルキルエステルとしては、アクリル酸2−(パーフルオロブチル)エチル、アクリル酸2−(パーフルオロペンチル)エチル、アクリル酸2−(パーフルオロヘキシル)エチル、アクリル酸2−(パーフルオロオクチル)エチル、アクリル酸2−(パーフルオロノニル)エチル、アクリル酸2−(パーフルオロデシル)エチル、アクリル酸2−(パーフルオロドデシル)エチル、アクリル酸2−(パーフルオロテトラデシル)エチル、アクリル酸2−(パーフルオロヘキサデシル)エチルなどのアクリル酸2−(パーフルオロアルキル)エチル;メタクリル酸2−(パーフルオロブチル)エチル、メタクリル酸2−(パーフルオロペンチル)エチル、メタクリル酸2−(パーフルオロヘキシル)エチル、メタクリル酸2−(パーフルオロオクチル)エチル、メタクリル酸2−(パーフルオロノニル)エチル、メタクリル酸2−(パーフルオロデシル)エチル、メタクリル酸2−(パーフルオロドデシル)エチル、メタクリル酸2−(パーフルオロテトラデシル)エチル、メタクリル酸2−(パーフルオロヘキサデシル)エチルなどのメタクリル酸2−(パーフルオロアルキル)エチル;などが挙げられる。
これらは一種単独で、または、二種以上を組み合わせて用いることができる。
ここで、粒子状重合体を電解液中で程よく膨潤させつつ、電気化学素子の高温保存特性を確保する観点から、(メタ)アクリル酸アルキルエステルまたは(メタ)アクリル酸パーフルオロアルキルエステルの非カルボニル性酸素原子に結合するアルキル基またはパーフルオロアルキル基の炭素数の数は好ましくは1以上、より好ましくは3以上であり、好ましくは14以下、より好ましくは10以下である。
架橋性単量体単位は、架橋性単量体由来の繰り返し単位である。ここで架橋性単量体単位を形成し得る架橋性単量体としては、電極の強度および柔軟性を向上させ、また粒子状重合体の電解液中への溶出を抑制して、電気化学素子の高温保存特性を一層高める観点から、エポキシ基含有単量体、N−メチロールアミド基含有単量体、オキサゾリン基含有単量体などの、熱架橋性の官能基を有する単量体(熱架橋性単量体)が好ましい。
−メチル−3−ペンテノエート、3−シクロヘキセンカルボン酸のグリシジルエステル、4−メチル−3−シクロヘキセンカルボン酸のグリシジルエステル、などの、不飽和カルボン酸のグリシジルエステル類;が挙げられる。
そして、粒子状重合体中の架橋性単量体単位の含有割合は、粒子状重合体中の全繰り返し単位を100質量%とした場合に、0.1質量%以上であることが好ましく、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。架橋性単量体単位の含有割合を上述の範囲内とすれば、得られる電極の強度および柔軟性をバランス良く向上させることができ、また粒子状重合体の電解液中への溶出を抑制して、電気化学素子の高温保存特性を一層高めることができる。
芳香族ビニル単量体単位は、芳香族ビニル単量体由来の繰り返し単位である。ここで、芳香族ビニル単量体単位を形成し得る芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。これらは、一種単独で、または、二種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、スチレンが好ましい。
粒子状重合体は、例えば上述した単量体を含む単量体組成物を水系溶媒中で重合することにより製造することができる。
ここで、本発明において単量体組成物中の各単量体の含有割合は、粒子状重合体における単量体単位(繰り返し単位)の含有割合に準じて定めることができる。
重合様式は、特に限定されず、例えば溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法、乳化重合法などのいずれの様式も用いることができる。重合方法としては、例えばイオン重合、ラジカル重合、リビングラジカル重合などいずれの方法も用いることができる。
そして、重合に使用される乳化剤、分散剤、重合開始剤、重合助剤などは、一般に用いられるものを使用することができ、その使用量も、一般に使用される量とする。
なお、粒子状重合体のガラス転移温度は、特開2014−165108号公報に記載の方法を用いて測定することができる。
なお、粒子状重合体の体積平均粒子径は、レーザー回折式粒子径分布測定装置を用いて湿式測定された粒子径分布において、小径側から計算した累積体積が50%となる粒子径として求め得る。
導電材分散液中における粒子状重合体の配合量は、導電材100質量部当たり、5質量部以上であることが好ましく、10質量部以上であることがより好ましく、30質量部以上であることが更に好ましく、100質量部以下であることが好ましく、80質量部以下であることがより好ましく、70質量部以下であることが更に好ましい。粒子状重合体の配合量が導電材100質量部当たり5質量部以上であれば、導電材分散液中で導電材の分散性を確保することができ、100質量部以下であれば、粒子状重合体の配合量の増加に見合う分散性の向上効果が十分に得られ、導電材分散液から形成された電極合材層を備える電極を有する電気化学素子において、内部抵抗の上昇が抑制され、レート特性が過度に低下することもない。
水溶性高分子は、導電材分散液および電極用スラリー中において、少なくとも一部が導電材表面や電極活物質表面に吸着することで、導電材および電極活物質の分散安定化に寄与しうる成分であり、また水溶性高分子は電極用スラリーに粘度を付与することで、電極用スラリー中の成分の沈降を抑制しつつその塗工性を確保しうる。ここで、水溶性高分子としては、例えば、天然高分子化合物、半合成高分子化合物および合成高分子化合物が挙げられる。なお、これらの水溶性高分子は、何れも既知の方法で採取又は調製することができる。
天然高分子化合物としては、例えば、植物もしくは動物由来の多糖類及びたんぱく質等が挙げられる。また、場合により微生物等による発酵処理や、熱による処理がされた天然高分子化合物を例示できる。これらの天然高分子化合物は、植物系天然高分子化合物、動物系天然高分子化合物および微生物系天然高分子化合物等として分類することができる。
動物系天然高分子化合物としては、例えば、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等が挙げられる。
微生物系天然高分子化合物としては、例えば、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、ブルラン等が挙げられる。
半合成高分子化合物とは、上述の天然高分子化合物を、化学反応を用いて変性させたものである。このような半合成高分子化合物は、澱粉系半合成高分子化合物、セルロース系半合成高分子化合物、アルギン酸系半合成高分子化合物および微生物系半合成高分子化合物等として分類することができる。
ノニオン性セルロース系半合成高分子化合物としては、例えば、メチルセルロース、メチルエチルセルロース、エチルセルロース、マイクロクリスタリンセルロース、等のアルキルセルロース;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースステアロキシエーテル、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、アルキルヒドロキシエチルセルロース、ノノキシニルヒドロキシエチルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロース;等が挙げられる。
アニオン性セルロース系半合成高分子化合物としては、上記のノニオン性セルロース系半合成高分子化合物を各種誘導基により置換した置換体並びにその塩(ナトリウム塩およびアンモニウム塩など)が挙げられる。具体例を挙げると、セルロース硫酸ナトリウム、メチルセルロース、メチルエチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)およびそれらの塩が挙げられる。
カチオン性セルロース系半合成高分子化合物としては、例えば、低窒素ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド(ポリクオタニウム−4)、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース(ポリクオタニウム−10)、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(ラウリルジメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース(ポリクオタニウム−24)等が挙げられる。
合成高分子化合物とは、化学反応を用いて人工的に作られた高分子化合物である。このような合成高分子化合物としては、ポリ(メタ)アクリル酸系高分子化合物、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物、ポリビニル系高分子化合物、ポリウレタン系高分子化合物、ポリエーテル系高分子化合物等として分類することができる。
ノニオン性ポリビニル系高分子化合物としては、例えば、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルホルムアミド、ポリビニルアセトアミド、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
カチオン性ポリビニル系高分子化合物としては、例えば、塩化ジメチルジアリルアンモニウム/アクリルアミド(ポリクオタニウム−7)、ビニルピロリドン/N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩(ポリクオタニウム−11)、アクリルアミド/β−メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウム共重合体メチル硫酸塩(ポリクオタニウム−5)、塩化メチルビニルイミダゾリニウム/ビニルピロリドン共重合体アンモニウム塩(ポリクオタニウム−16)、ビニルピロリドン/メタクリル酸ジメチルアミノプロピルアミド(ポリクオタニウム−28)、ビニルピロリドン/イミダゾリニウムアンモニウム(ポリクオタニウム−44)、ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドン/メチルビニルイミダゾリニウムメチル硫酸(ポリクオタニウム−46)、N−ビニルピロリドン/N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸等が挙げられる。
両性ポリビニル系高分子化合物としては、例えば、アクリルアミド/アクリル酸/塩化ジメチルジアリルアンモニウム(ポリクオタニウム−39)、塩化ジメチルジアリルアンモニウムクロリド/アクリル酸(ポリクオタニウム−22)、塩化ジメチルジアリルアンモニウムクロリド/アクリル酸/アクリルアミドコポリマー等が挙げられる。
ここで、水溶性高分子には、上述した(i)導電材および電極活物質を分散させる分散能や、(ii)電極用スラリーへ粘度を付与することに加え、(iii)電気化学素子内部で使用されるにあたり高電位下で安定であることが求められる。このような観点からは、水溶性高分子として増粘多糖類を用いることが好ましい。増粘多糖類とは、水系溶媒に粘度を付与しうる多糖類および当該多糖類由来の化合物を指し、例えば、上記に例示してある天然高分子化合物の一部やセルロース系半合成高分子化合物が含まれる。これらの中でも導電材および電極活物質の分散性を高める観点から、セルロース系半合成高分子化合物が好ましく、特にアニオン性のセルロース系半合成高分子化合物が好ましい。
ここで、水溶性高分子の平均重合度は、500以上であることが好ましく、1000以上であることがより好ましく、2500以下であることが好ましく、2000以下であることがより好ましく、1500以下であることが更に好ましい。水溶性高分子の平均重合度が上述の範囲内であれば、導電材および電極活物質の分散性を高めつつ、電極合材層の平滑性および電気化学素子の高温保存特性を更に向上させることができる。
なお、本発明において「水溶性高分子の平均重合度」は、ウベローデ粘度計より求められる極限粘度から算出することができ、具体的には特許第5434598号に記載の方法で算出することができる。
なお、セルロース系半合成高分子化合物のエーテル化度とは、セルロース系半合成高分子化合物を構成する無水グルコース1単位当たり、カルボキシルメチル基などの置換基により置換された水酸基の数の平均値をいい、0超3未満の値を取り得る。エーテル化度が大きくなればなるほどセルロース系半合成高分子化合物1分子中の水酸基の割合が減少し(即ち、置換基の割合が増加し)、エーテル化度が小さいほどセルロース系半合成高分子化合物1分子中の水酸基の割合が増加する(即ち、置換基の割合が減少する)ということを示している。このエーテル化度(置換度)は、特開2011−34962号公報に記載の方法により求めることができる。
導電材分散液中における水溶性高分子の配合量は、導電材100質量部当たり、10質量部以上であることが好ましく、20質量部以上であることがより好ましく、60質量部以上であることが更に好ましく、200質量部以下であることが好ましく、160質量部以下であることがより好ましく、140質量部以下であることが更に好ましい。水溶性高分子の配合量が導電材100質量部当たり10質量部以上であれば、導電材分散液中で導電材の分散性を確保することができ、200質量部以下であれば水溶性高分子の配合量の増加に見合う分散性の向上効果が十分に得られ、導電材分散液から形成された電極合材層を備える電極を有する電気化学素子において、内部抵抗の上昇が抑制され、レート特性が過度に低下することもない。
導電材分散液に含まれる水系溶媒としては特に限定されず、水を単独で使用してもよいし、水と他の溶媒の混合溶媒を使用してもよい。そして、導電材分散液中に含まれる水系溶媒は、上述した粒子状重合体や水溶性高分子の調製に用いた溶媒を含有していてもよい。
本発明の導電材分散液は、上述した成分の他に、架橋剤、補強材、酸化防止剤、分散剤(上述した水溶性高分子に該当するものを除く)、電解液の分解を抑制する機能を有する電解液添加剤などの成分を混合してもよい。これらの他の成分は、公知のものを使用することができる。また、その他の成分は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
上述の導電材、粒子状重合体、水溶性高分子、水系溶媒および任意のその他の成分を混合して導電材分散液を得るにあたり、混合方法には特に制限は無く、例えば、ディスパー、ミル、ニーダーなどの一般的な混合装置を用いることができる。得られる導電材分散液の固形分濃度は、特に限定されないが、1質量%以上50質量%以下であることが好ましい。
本発明の電気化学素子正極用スラリーは、上述した電気化学素子用導電材分散液および正極活物質を含む。そして、本発明の電気化学素子正極用スラリーを用いれば、平滑性に優れかつ集電体と強固に密着し得る電極合材層を形成することができ、電気化学素子に優れた高温保存特性を発揮させることができる。
電気化学素子正極用スラリーに配合する正極活物質としては、特に限定されることなく、既知の正極活物質を用いることができる。
例えばリチウムイオン二次電池に用いられる正極活物質としては、特に限定されることなく、リチウム含有コバルト酸化物(LiCoO2)、マンガン酸リチウム(LiMn2O4)、リチウム含有ニッケル酸化物(LiNiO2)、Co−Ni−Mnのリチウム含有複合酸化物、Ni−Mn−Alのリチウム含有複合酸化物、Ni−Co−Alのリチウム含有複合酸化物、オリビン型リン酸鉄リチウム(LiFePO4)、オリビン型リン酸マンガンリチウム(LiMnPO4)、Li1+xMn2-xO4(0<X<2)で表されるリチウム過剰のスピネル化合物、Li[Ni0.17Li0.2Co0.07Mn0.56]O2、LiNi0.5Mn1.5O4等が挙げられる。
また例えばリチウムイオンキャパシタや電気二重層キャパシタに用いられる正極活物質としては、特に限定されることなく、炭素の同素体が挙げられる。炭素の同素体の具体例としては、活性炭、ポリアセン、カーボンウィスカ及びグラファイト等が挙げられ、これらの粉末または繊維を使用することができる。
なお、正極活物質の粒径は、特に限定されることなく、従来使用されている正極活物質と同様とすることができる。
正極用スラリーに配合し得る導電材分散液としては、導電材と、粒子状重合体と、水溶性高分子と、水系溶媒とを含む本発明の導電材分散液を用いることができる。
なお、導電材分散液の配合量は、特に限定されることなく、例えば正極活物質100質量部当たり、固形分換算で、導電材が0.5質量部以上5質量部以下となる量とすることができる。
正極用スラリーに配合し得るその他の成分としては、特に限定することなく、本発明の導電材分散液に配合し得るその他の成分と同様のものが挙げられる。また、その他の成分は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
上述した本発明の電気化学素子正極用スラリーは、少なくとも正極活物質および電気化学素子用導電材分散液を混合することで調製することができる。
そして、上述の正極活物質と、導電材分散液と、任意に、その他の成分および追加の水系溶媒とを混合して電気化学素子正極用スラリーを得るにあたり、混合方法には特に制限は無く、例えば、ディスパー、ミル、ニーダーなどの一般的な混合装置を用いることができる。
本発明の電気化学素子用正極は、本発明の電気化学素子正極用スラリーを使用して製造することができる。
そして、本発明の電気化学素子用正極は、集電体と、集電体上に形成された正極合材層とを備え、正極合材層には、少なくとも、正極活物質と、導電材と、粒子状重合体と、水溶性高分子とが含まれている。なお、正極合材層中に含まれている正極活物質、導電材、粒子状重合体、および水溶性高分子は、本発明の電気化学素子用導電材分散液および電気化学素子正極用スラリー中に含まれていたものであり、それら各成分の好適な存在比は、本発明の電気化学素子用導電材分散液および電気化学素子正極用スラリー中の各成分の好適な存在比と同じである。
電気化学素子用正極は、例えば、上述した正極用スラリーを集電体の少なくとも一方の面に塗布する工程(塗布工程)と、集電体の少なくとも一方の面に塗布された正極用スラリーを乾燥して集電体上に正極合材層を形成する工程(乾燥工程)を経て製造される。なお、本発明の電気化学素子用正極は、上述した正極用スラリーを乾燥造粒して複合粒子を調製し、当該複合粒子を用いて集電体上に正極合材層を形成する方法によっても製造することができる。
上記正極用スラリーを集電体上に塗布する方法としては、特に限定されず公知の方法を用いることができる。具体的には、塗布方法としては、ドクターブレード法、ディップ法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、ハケ塗り法などを用いることができる。この際、正極用スラリーを集電体の片面だけに塗布してもよいし、両面に塗布してもよい。塗布後乾燥前の集電体上のスラリー膜の厚みは、乾燥して得られる正極合材層の厚みに応じて適宜に設定し得る。
集電体上の正極用スラリーを乾燥する方法としては、特に限定されず公知の方法を用いることができ、例えば温風、熱風、低湿風による乾燥、真空乾燥、赤外線や電子線などの照射による乾燥法が挙げられる。このように集電体上の正極用スラリーを乾燥することで、集電体上に正極合材層を形成し、集電体と正極合材層とを備える電気化学素子用正極を得ることができる。
さらに、正極合材層が硬化性の重合体を含む場合は、正極合材層の形成後に前記重合体を硬化させることが好ましい。
本発明の電気化学素子は、特に限定されることなく、リチウムイオン二次電池や電気二重層キャパシタであり、好ましくはリチウムイオン二次電池である。そして、本発明の電気化学素子は、本発明の電気化学素子用正極を備えることを特徴とする。このような電気化学素子は、高温保存特性などの電池特性に優れる。
リチウムイオン二次電池の負極としては、リチウムイオン二次電池用負極として用いられる既知の負極を用いることができる。具体的には、負極としては、例えば、金属リチウムの薄板よりなる負極や、負極合材層を集電体上に形成してなる負極を用いることができる。
なお、集電体としては、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、タンタル、金、白金等の金属材料からなるものを用いることができる。また、負極合材層としては、負極活物質と結着材とを含む層を用いることができる。更に、結着材としては、特に限定されず、任意の既知の材料を用い得る。
電解液としては、通常、有機溶媒に支持電解質を溶解した有機電解液が用いられる。支持電解質としては、例えば、リチウム塩が用いられる。リチウム塩としては、例えば、LiPF6、LiAsF6、LiBF4、LiSbF6、LiAlCl4、LiClO4、CF3SO3Li、C4F9SO3Li、CF3COOLi、(CF3CO)2NLi、(CF3SO2)2NLi、(C2F5SO2)NLiなどが挙げられる。なかでも、溶媒に溶けやすく高い解離度を示すので、LiPF6、LiClO4、CF3SO3Liが好ましく、LiPF6が特に好ましい。なお、電解質は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。通常は、解離度の高い支持電解質を用いるほどリチウムイオン伝導度が高くなる傾向があるので、支持電解質の種類によりリチウムイオン伝導度を調節することができる。
なお、電解液中の電解質の濃度は適宜調整することができ、例えば0.5〜15質量%することが好ましく、2〜13質量%とすることがより好ましく、5〜10質量%とすることが更に好ましい。また、電解液には、既知の添加剤、例えばフルオロエチレンカーボネートやエチルメチルスルホンなどを添加してもよい。
セパレータとしては、特に限定されることなく、例えば特開2012−204303号公報に記載のものを用いることができる。これらの中でも、セパレータ全体の膜厚を薄くすることができ、これにより、リチウムイオン二次電池内の電極活物質の比率を高くして体積あたりの容量を高くすることができるという点より、ポリオレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ塩化ビニル)の樹脂からなる微多孔膜が好ましい。
本発明に従うリチウムイオン二次電池は、例えば、正極と、負極とを、セパレータを介して重ね合わせ、これを必要に応じて電池形状に応じて巻く、折るなどして電池容器に入れ、電池容器に電解液を注入して封口することにより製造することができる。二次電池の内部の圧力上昇、過充放電等の発生を防止するために、必要に応じて、ヒューズ、PTC素子等の過電流防止素子、エキスパンドメタル、リード板などを設けてもよい。二次電池の形状は、例えば、コイン型、ボタン型、シート型、円筒型、角形、扁平型など、何れであってもよい。
また、複数種類の単量体を共重合して製造される重合体において、ある単量体を重合して形成される単量体単位の前記重合体における割合は、別に断らない限り、通常は、その重合体の重合に用いる全単量体に占める当該ある単量体の比率(仕込み比)と一致する。
実施例および比較例において、正極合材層の平滑性、正極合材層の集電体との密着強度、電気化学素子の高温保存特性は、それぞれ以下の方法を使用して評価した。
作製した正極を3cm×3cmに切り出して試験片とし、この試験片を集電体側の面を下にしてレーザー顕微鏡にセットした。そして、50倍のレンズを使用し、100μm×100μmの範囲において、正極合材層の任意の5箇所の算術平均粗さRa値を、JIS B0601:2001(ISO4287:1997)に準拠して測定した。これを10枚の試験片について行い、全測定値(5箇所×10枚)の平均値(平均Ra値)を算出した。そして、実施例1の平均Ra値を100とした指数値(Ra相対値)に換算して、以下の基準により評価した。この値が小さい程、正極合材層が平滑性に優れることを示す。
A:Ra相対値が100以下
B:Ra相対値が100超200以下
C:Ra相対値が200超500以下
D:Ra相対値が500超
<正極合材層の集電体との密着強度>
作製した正極を幅1cm×長さ10cmの矩形に切り出して試験片とし、正極合材層側の表面を上にして固定した。この試験片の正極合材層側の表面にセロハンテープ(JIS Z1522に規定されるもの)を貼り付けた後、試験片の一端からセロハンテープを50mm/分の速度で180°方向に引き剥がしたときの応力を測定した。測定を10回行い、その平均値(平均ピール強度P0)を算出した。そして、実施例1の平均ピール強度P0を100とした指数値(P0相対値)に換算して、以下の基準により評価した。この値が大きいほど、正極作製時(電解液浸漬前)における正極合材層の集電体との密着強度が高く、正極合材層と集電体が強固に密着していることを示す。
A:P0相対値が100以上
B:P0相対値が80以上100未満
C:P0相対値が60以上80未満
D:P0相対値が40以上60未満
E:P0相対値が40未満
<高温保存特性>
作製したリチウムイオン二次電池を25℃雰囲気下、0.5Cの定電流法によってセル電圧4.2Vまで充電した後3.0Vまで放電して、初期放電容量C0を測定した。次いでリチウムイオン二次電池を25℃雰囲気下、0.5Cの定電流法によってセル電圧4.2Vまで充電した。その後このリチウムイオン二次電池を60℃雰囲気下で3週間保存(高温保存)した。高温保存後に0.5Cの定電流法にて3Vまで放電して、高温保存後の残存容量C1を測定した。
そして、容量維持率(%)=(残存容量C1/初期放電容量C0)×100を求め、以下の基準により評価した。容量維持率が大きいほどリチウムイオン二次電池が高温保存特性に優れることを示す。
A:容量維持率が90%以上
B:容量維持率が85%以上90%未満
C:容量維持率が80%以上85%未満
D:容量維持率が75%以上80%未満
E:容量維持率が75%未満
<粒子状重合体の調製>
撹拌機を備えた反応器に、イオン交換水70部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部および重合開始剤として過硫酸カリウム0.3部をそれぞれ供給し、気相部を窒素ガスで置換し、60℃に昇温した。一方、別の容器でイオン交換水50部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部、親水性基含有単量体としてメタクリル酸4部、ニトリル基含有単量体としてアクリロニトリル15部、および(メタ)アクリル酸エステル単量体としてエチルアクリレート81部を混合して単量体混合物を得た。この単量体混合物を4時間かけて前記反応器に連続的に添加して重合を行った。単量体混合物の添加中は、60℃で反応を行った。単量体混合物の添加終了後、さらに70℃で3時間撹拌して反応を終了した。重合転化率は99.5%以上であった。得られた重合反応液を25℃に冷却後、アンモニア水を添加してpHを7に調整し、その後スチームを導入して未反応の単量体を除去して、粒子状重合体の水分散液(固形分濃度:40%)を得た。粒子状重合体の体積平均粒子径は0.2μmであった。
<導電材分散液の調製>
導電材としてのアセチレンブラック(比表面積68m2/g、平均粒子径35nm、密度:0.04g/cm3)100部、上述した粒子状重合体の水分散液を固形分相当で50部、水溶性高分子としてのカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(平均重合度1000〜1200、エーテル化度0.65〜0.75)の水溶液を固形分相当で100部混合した後、適量の水を添加してビーズミルを用いて分散させ、導電材分散液を得た。得られた導電材分散液の固形分濃度は15質量%であった。
<正極用スラリーの調製>
正極活物質として層状構造を有する活物質(LiCoO2)(体積平均粒子径:10μm)100部と適量の水を、上述のようにして得られた導電材分散液(導電材が2部)中に添加し、ディスパーにて攪拌して(3000rpm、60分)、正極用スラリーを調製した。得られた正極用スラリーの固形分濃度は50質量%であった。
<正極の製造>
集電体として、厚さ20μmのアルミ箔を準備した。上述のようにして得た正極用スラリーを、コンマコーターでアルミ箔上に乾燥後の目付量が20mg/cm2になるように塗布し、60℃で20分、120℃で20分間乾燥後、60℃で10時間加熱処理して正極原反を得た。この正極原反をロールプレスで圧延し、密度が3.2g/cm3の正極合材層とアルミ箔とからなる正極を作製した。なお、正極の厚みは70μmであった。得られた正極を用いて、平滑性および密着強度の評価を行った。結果を表1に示す。
<負極用スラリーの調製>
ディスパー付きのプラネタリーミキサーに、負極活物質として比表面積4m2/gの人造黒鉛(体積平均粒子径:24.5μm)を100部、分散剤としてカルボキシメチルセルロースの1%水溶液(第一工業製薬株式会社製「BSH−12」)を固形分相当で1部加え、イオン交換水で固形分濃度55%に調整した後、25℃で60分混合した。次に、イオン交換水で固形分濃度52%に調整した。その後、さらに25℃で15分混合し混合液を得た。
上述のようにして得た混合液に、スチレン−ブタジエン共重合体(ガラス転移点温度が−15℃)の40%水分散液を固形分相当量で1.0部、及びイオン交換水を入れ、最終固形分濃度が50%となるように調整し、さらに10分間混合した。これを減圧下で脱泡処理して、流動性の良い負極用スラリーを得た。
<負極の製造>
上記負極用のスラリーを、コンマコーターで、集電体である厚さ20μmの銅箔の上に、乾燥後の膜厚が150μm程度になるように塗布し、乾燥させた。この乾燥は、銅箔を0.5m/分の速度で60℃のオーブン内を2分間かけて搬送することにより行った。その後、120℃にて2分間加熱処理して負極原反を得た。この負極原反をロールプレスで圧延して、厚み80μmの負極合材層を有する負極を得た。
<セパレータの用意>
単層のポリプロピレン製セパレータ(幅65mm、長さ500mm、厚さ25μm、乾式法により製造、気孔率55%)を、5cm×5cmの正方形に切り抜いた。
<リチウムイオン二次電池の製造>
電池の外装として、アルミニウム包材外装を用意した。上記で得られた正極を、4cm×4cmの正方形に切り出し、集電体側の表面がアルミニウム包材外装に接するように配置した。正極の正極合材層の面上に、上記で得られた正方形のセパレータを配置した。さらに、上記で得られた負極を、4.2cm×4.2cmの正方形に切り出し、これをセパレータ上に、負極合材層側の表面がセパレータに向かい合うよう配置した。さらに、ビニレンカーボネート(VC)を1.5%含有する、濃度1.0MのLiPF6溶液を充填した。このLiPF6溶液の溶媒はエチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)との混合溶媒(EC/EMC=3/7(体積比))である。さらに、アルミニウム包材の開口を密封するために、150℃のヒートシールをしてアルミニウム外装を閉口し、リチウムイオン二次電池を製造した。得られたリチウムイオン二次電池
を用いて高温保存特性を評価した。結果を表1に示す。
表1に示す単量体を当該表に示す割合で使用した以外は、実施例1と同様にして粒子状重合体を調製した。そして各々これらの粒子状重合体を使用した以外は実施例1と同様にして、導電材分散液、正極用スラリー、正極、負極およびリチウムイオン二次電池を製造し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
表1に示す単量体を当該表に示す割合で使用した以外は、実施例1と同様にして粒子状重合体を調製した。そしてこの粒子状重合体を使用した以外は実施例1と同様にして、導電材分散液、正極用スラリー、正極、負極およびリチウム製造し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
粒子状重合体として、スチレン−ブタジエン共重合体(親水性基含有単量体単位の含有割合が0%)を使用した以外は、実施例1と同様にして、導電材分散液、正極用スラリー、正極、負極およびリチウムイオン二次電池を製造し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
粒子状重合体を使用しない以外は、実施例1と同様にして、導電材分散液、正極用スラリー、正極、負極およびリチウムイオン二次電池を製造し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
「AcB」はアセチレンブラックを示し、
「AN」はアクリロニトリルを示し、
「EA」はエチルアクリレートを示し、
「BA」はブチルアクリレートを示し、
「2−EHA」は2−エチルヘキシルアクリレートを示し、
「MAA」はメタクリル酸を示し、
「AA」はアクリル酸を示し、
「AMPS」は2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を示し、
「2−HEA」は2−ヒドロキシエチルアクリレートを示し、
「SBR」スチレン−ブタジエン共重合体を示し、
「CMC−Na」はカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩を示す。
また、表1より、親水性基含有単量体単位を含まない粒子状重合体を用いた導電材分散液を使用した比較例1〜2、および粒子状重合体を含まない導電材分散液を使用した比較例3では、電極合材層の平滑性および集電体との密着性を確保することができず、得られるリチウムイオン二次電池の高温保存特性が低下してしまうことが分かる。
また、本発明によれば、平滑性に優れ且つ集電体と強固に密着する正極合材層を形成可能であり、また電気化学素子に優れた高温保存特性を発揮させ得る電気化学素子正極用スラリーおよびその製造方法を提供することができる。
更に、本発明によれば、電気化学素子に優れた高温保存特性を発揮させ得る電気化学素子用正極、および高温保存特性に優れる電気化学素子を提供することができる。
Claims (10)
- 導電材、親水性基含有単量体単位を含む粒子状重合体、水溶性高分子、および水を含有する、電気化学素子用導電材分散液であって、
前記水溶性高分子の平均重合度が500以上2500以下である、電気化学素子用導電材分散液。 - 前記水溶性高分子が増粘多糖類である、請求項1に記載の電気化学素子用導電材分散液。
- 前記増粘多糖類がセルロース系半合成高分子化合物である、請求項2に記載の電気化学素子用導電材分散液。
- 前記粒子状重合体中の前記親水性基含有単量体単位の含有割合が0.5質量%以上40質量%以下である、請求項1〜3の何れかに記載の電気化学素子用導電材分散液。
- 前記親水性基含有単量体単位がカルボン酸基含有単量体単位である、請求項1〜4の何れかに記載の電気化学素子用導電材分散液。
- 前記導電材100質量部当たり、前記粒子状重合体を5質量部以上100質量部以下含み、前記水溶性高分子を10質量部以上200質量部以下含む、請求項1〜5の何れかに記載の電気化学素子用導電材分散液。
- 正極活物質と、請求項1〜6の何れかに記載の電気化学素子用導電材分散液とを含む、電気化学素子正極用スラリー。
- 正極活物質と、請求項1〜6の何れかに記載の電気化学素子用導電材分散液を混合する工程を含む、電気化学素子正極用スラリーの製造方法。
- 請求項7に記載の電気化学素子正極用スラリーを用いて調製した正極合材層を集電体上に備える、電気化学素子用正極。
- 請求項9に記載の電気化学素子用正極を備える、電気化学素子。
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