JP6569282B2 - 絶縁リード及び蓄電デバイス - Google Patents
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Description
(1)本願の絶縁リードに係る発明は、箔状のリード導体と、該リード導体の両面側から貼り合わされた絶縁フィルムとを有し、該絶縁フィルムは、前記リード導体の長さ方向の両端部を除く領域に貼り合わされ、かつ、貼り合わされる前記絶縁フィルムの幅は、前記リード導体の幅よりも広い絶縁リードであって、前記絶縁フィルムは、ポリオレフィン樹脂に粒子が分散されて成形され、前記粒子はコアの表面にポリマーを備えて構成され、前記コアは、前記絶縁フィルムの熱融着時の熱に対して非熱融着性の材料で構成され、前記ポリマーは、前記絶縁フィルムの熱融着時の熱に対して熱融着性のポリマーであり、前記粒子の粒径は、前記絶縁フィルムの厚さより小さい、絶縁リードである。これにより、封入体と絶縁リードの絶縁性および熱融着性を確保しつつ、蓄電デバイスの厚さを薄くすることができる。
図1は、本発明による絶縁リードおよび蓄電デバイスの構成例を示す図で、図1(A)は、蓄電デバイスの一例である非水電解質電池の組み立てを説明する図、図1(B)は非水電解質電池の斜視外観を示す図であり、図2は、リード部材の取り出し状態を説明する図である。図中、1は封入体、2は積層電極群、3,4はリード部材(本発明の絶縁リードに相当)、5,6はリード導体、7は絶縁フィルム、8はシール部、10は非水電解質電池である。
非水電解質電池10は、正極板及び負極板がセパレータを介して複数積層された積層電極群2を有し、積層電極群2と電解液が封入体1に収納されている。封入体1の内部では、リード部材3の一端側が正極板に接続され、リード部材4の一端側が負極板に接続される。そしてリード部材3,4の他端側は、密封封止された状態でシール部8から外部に取り出されている。
リード部材3,4のそれぞれには、封入体1からの取り出し部分に絶縁フィルム7が貼り付けられる。絶縁フィルム7は、封入体1の内側の樹脂フィルムに融着してシール性の低下を防止すると共に、封入体1の金属箔層とリード部材3,4との電気的な短絡を防止する機能を有している。
リード部材3,4は、帯状のリード導体5,6を有している。リード導体5,6は、厚さが例えば0.05mm〜0.50mm程度の薄い導体箔を、導体幅dが例えば1〜100mm程度で、長さlが10〜100mmの長方形にカットして形成されている。
内層フィルム1aには、例えば、ポリオレフィン樹脂(例:無水マレイン酸変性低密度ポリエチレンまたはポリプロピレン)等が用いられ、電解液で溶解されない材料が選択されている。金属箔層1bは、例えば、アルミニウム、銅、ステンレス等の薄い金属箔が用いられ、電解液に対する密封性が高められている。外層フィルム1cは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等が用いられ、金属箔層1bを保護している。
そして、リード導体5,6に絶縁フィルム7を貼り合せたリード部材3,4と、封入体1とを熱融着させることで、リード部材3,4を挿通させた状態で封入体1を密封封止する。
リード部材3,4が有する絶縁フィルム7に分散された粒子20は、その表面にポリマーが存在している。粒子20の構成例を以下に示す。
図4は、絶縁フィルム7に分散させる粒子20の第1の構成例を概念的に示す図である。本例の場合、粒子20は、コア21と、コア21の周囲を被覆した被覆ポリマー22により構成されている。被覆ポリマー22がコアを包み込んでいるのが好ましい。コア21の材料としては、セラミックス材料を用いることができ、より具体的には、アルミナ(AlO3)、ステアライト(MgO・SiO2)、窒化アルミ(AlN)、ムライト(3Al2O3・2SiO2)を好適に用いることができる。
図5にコアの材料の物性例を示す。圧縮強さは、試験片が圧縮力を受けて破壊するときの圧縮荷重を試験片の断面積で除した数値として表す。
アルミナ、ステアライト、窒化アルミ、ムライトは、圧縮強さ、耐酸・耐腐食性等の物性が良好であり、封入体1とリード部材3,4とを熱融着する際の圧力に抗してスペーサとして安定して機能するとともに、封入体1に封入される電解液に対する耐性を付与することができる。
また、被覆ポリマー22は、絶縁フィルム7のマトリックスを構成するポリオレフィン樹脂(例えば非架橋のポロプロピレン)との相溶性が良好であり、ポリオレフィン樹脂内で粒子20が遊離することなく、機械的強度が維持される。
コア21の材料としては、第1の構成例と同様に、セラミックス材料を用いることができ、具体的には、アルミナ(AlO3)、ステアライト(MgO・SiO2)、窒化アルミ(AlN)、ムライト(3Al2O3・2SiO2)を好適に用いることができる。
この場合、コア21と修飾ポリマー23とは、化学修飾により化学的に結合している。化学的な結合は、コア21の分子と被覆ポリマー22の分子との共有結合ないし水素結合等による化学結合である。
また、化学修飾によりコア21に付加される被覆ポリマー22は、第1の構成例と同様に、絶縁フィルム7のマトリックスを構成するポリオレフィン樹脂(例えば非架橋のポロプロピレン)との相溶性が良好であり、ポリオレフィン樹脂内で粒子20が遊離することなく、機械的強度が維持される。
所定のポリマー24としては、架橋PP(Poly Propylene)、4フッ化エチレン(Poly Tetra Fluoro Ethylene, PTFE)、3フッ化塩化エチレン(Poly Chloro Tri Fluoro Ethylene,PCTFE)、液晶ポリマー(Liquid Crystal Polymer,LCP)、変性ポリフェニレンエーテル(modified-Poly Phenylene Ether,m-PPE)を好適に用いることができる。
架橋PP、PTFE、PCTFE、LCP、m−PPEは、融点、荷重たわみ温度、耐酸性等を考慮して、絶縁フィルム7内のスペーサとして機能する粒子20を構成する樹脂材料24として好適とされる。これらの材料は、融点が高く絶縁フィルムの熱融着時の熱に耐え、また荷重撓み温度が所定レベルにあるため、加熱融着時の変形が抑えられる。また、耐酸性が良好であるため、封入体1に封入される電解液に対する耐性を付与することができる。
Claims (7)
- 箔状のリード導体と、該リード導体の両面側から貼り合わされた絶縁フィルムとを有し、
該絶縁フィルムは、前記リード導体の長さ方向の両端部を除く領域に貼り合わされ、かつ、貼り合わされる前記絶縁フィルムの幅は、前記リード導体の幅よりも広い絶縁リードであって、
前記絶縁フィルムは、ポリオレフィン樹脂に粒子が分散されて成形され、前記粒子はコアの表面にポリマーを備えて構成され、
前記コアは、前記絶縁フィルムの熱融着時の熱に対して非熱融着性の材料で構成され、前記ポリマーは、前記絶縁フィルムの熱融着時の熱に対して熱融着性のポリマーであり、
前記粒子の粒径は、前記絶縁フィルムの厚さより小さい、絶縁リード。 - 前記粒子は、前記コアの表面に前記ポリマーが被覆されて構成される、請求項1に記載の絶縁リード。
- 前記粒子は、前記コアの表面に前記ポリマーが化学修飾されて構成される、請求項1に記載の絶縁リード。
- 前記コアは、セラミックス材料により構成される、請求項1〜3のいずれか1に記載の絶縁リード。
- 前記粒子表面のポリマーは、前記ポリオレフィン樹脂と相溶性を有する、請求項1〜4のいずれか1に記載の絶縁リード。
- 前記絶縁フィルムは、非架橋の前記ポリオレフィン樹脂に前記粒子が分散された1層のフィルムにより構成されている、請求項1〜5のいずれか1に記載の絶縁リード。
- 請求項1〜6のいずれか1に記載の絶縁リードが電極に接続され、前記電極と電解液が封入体に収納され、前記絶縁リードが前記封入体に密封封止され、前記絶縁リードの一部が前記封入体の外に出ている蓄電デバイス。
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