JP6568695B2 - ブリスターパック用台紙、ブリスターパック、ブリスターパック用台紙の製造方法 - Google Patents
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Description
紙媒体からなる台紙本体に上方に向かって、インクによる図案が形成された印刷層と熱可塑性接着剤を塗布してなる接着層とがこの順に積層されてなり、
前記カップ部の平面領域に対応する領域に硬化したUVニスからなるUVニス層が選択的に形成されて当該UVニス層が前記台紙の上面側に露出している、
ことを特徴とするブリスターパックとしている。
前記印刷層上に前記UVニスを前記容器部における前記カップ部に対応する領域に塗布するとともに紫外線を照射して当該UVニスを硬化させて前記UVニス層を形成するステップと、
前記容器部の前記フランジ部に対応する領域を含み、かつ前記UVニス層の形成領域を含まない領域に熱可塑性接着剤を塗布するステップと、
を実行することを特徴としている。
紙媒体からなる台紙本体上に前記印刷装置により図案を印刷するステップと、
前記印刷した図案上に前記印刷装置により前記UVニスを前記容器部における前記カップ部に対応する領域をべた塗り印刷するステップと、
前記紙媒体の上面から紫外線を照射して前記UVインクと前記UVニスを硬化させて前記印刷層と前記UVニス層を同時に形成するステップと、
前記容器部の前記フランジ部に対応する領域を含み、かつ前記UVニス層の形成領域を含まない領域に熱可塑性接着剤を塗布するステップと、
を実行することを特徴とするブリスター台紙の製造方法とすることもできる。
本発明の実施例として円筒形電池を物品として収納したブリスターパック用の台紙を挙げる。本発明の実施例に係るブリスターパック用台紙を用いたブリスターパックの基本的な構造は図1に示したものと同じであり、その製造手順も同様である。しかし台紙の構造に特徴を有して台紙に塗布された接着剤や印刷層を構成するインクが電池に付着するのを防止することができるようになっている。概略的にはブリスターパックにおいて容器部が占める平面領域のうち接着に寄与しないカップ部に対応する平面領域にUV硬化型のニス、所謂「UVニス」が塗布されている。そして本発明の実施例には、台紙における積層構造に応じて大きく二つの実施例に区別することができる。
図2は本発明の第1の実施例に係るブリスターパック用台紙(以下、台紙10aとも言う)を用いたブリスターパック1aを示しており、この図2では、図1(B)と同様にブリスターパック1aの縦断面図を示している。当該図2に示したように第1の実施例に係る台紙10aは厚紙からなる台紙本体14上に例えば水性インキを用いたフレキソ印刷などによって形成された印刷層15と、その印刷層15上に接着層16が形成されている。そしてこの台紙10aのおもて面11側において、容器部20のカップ部21の平面領域に対応する領域に、UV硬化型のニス(例えば、DICグラフィクス株式会社製、ダイキュア セプター DT OPニス HB)がフレキソ印刷などの方法によって選択的に塗布された後、紫外線が照射されて硬化されてなるUVニス層17が形成されている。
図3は本発明の第2の実施例に係るブリスターパック用台紙(以下、台紙10bとも言う)の構造を示す図である。ここでも台紙10bに容器部20が接着されたブリスターパック1bの状態で示している。そして図3(A)は第2の実施例に係る台紙10bを用いたブリスターパック1bを上方から見たときの平面図である。図3(B)は当該ブリスターパック1bの縦断面図であり、図3(A)におけるb−b矢視断面に対応している。なお図3(A)の平面図でも図3(B)の縦断面図と同様に台紙10bにおける積層構造を構成する各層を異なる種類のハッチングによって示した。第2の実施例に係る台紙10bでは、その平面領域において接着層16とUVニス層17がともに重複しないように選択的に形成されている。具体的には台紙本体14上に印刷層15が形成され、その印刷層15上に接着層16とUVニス層17が形成され、さらにUVニス層17が容器部20のカップ部21の平面領域に対応する領域にのみ選択的に形成されているという点では第1の実施例と同様である。しかし第2の実施例では、カップ部21に対応する平面領域には接着層16が形成されていない。なお図3に示した例では接着層16が容器部20のフランジ部22に対応する領域にのみ形成されているが、フランジ部22に対応する領域を含み、かつカップ部21に対応する領域を含まなければよく、例えばカップ部21に対応する領域にのみ接着層16が形成されてなくてもよい。
上記の第1および第2の実施例に係る台紙(10a、10b)に対し、物品30が収納された状態の容器部20を熱圧着する試験を行い、物品30へのインクや接着剤の付着状態や台紙(10a、10b)に対する容器部20の接着強度などの信頼性を評価した。
具体的な試験方法については、円筒形電池が収納された市販品のブリスターパックと同じ製造ラインを用い、台紙の構造のみが異なる各種ブリスターパックをサンプルとして作製した。概略的には、図4に示したように、各サンプルに応じた台紙10上に電池30が収納された容器部20を位置決めした状態で載置し、下方から加熱したブロック状の治具50を台紙10の裏面13全面に当接させつつ、例えばフランジ部22の平面形状に沿う枠状の治具51などを用いて当該フランジ部22を上方から押圧することでフランジ部22の裏面23と台紙10のおもて面11とを熱圧着する。なお台紙の構造が異なる各種サンプルとして、それぞれについて複数個の個体(例えば、10個)を作製し、全個体に対して上記の信頼性について評価した。
以下の表1に作製した各サンプルa〜fについての試験結果を示した。
上記表1にけるサンプルeの試験結果より、接着層の上層の全面にUVニス層を設けると接着強度が不足することが分かった。そのためUVニス層を選択的に形成する場合、接着層がすでに形成されていると、UVニスを塗布する工程でそのUVニスの飛沫が接着層上に付着するとその飛沫が付着した部分では接着強度が低下する可能性がある。そこで台紙本体上に各層を順次積層していく手順としては、台紙本体上に印刷層を形成した後にUVニス層を形成し、最後に接着層を形成することが望ましい。
上記第1および第2の実施例では、印刷層は紙の素材に印刷可能なインクを用いればどのようなものであってもよい。例えば、フレキソ印刷やオフセット印刷用の水性インクなどが考えられる。しかし実施例に係る台紙ではUVニス層を容器部におけるカップ部の形成領域に選択的に形成することに特徴を有している。そして周知のUVインクも紙媒体への印刷用途に広く使用されており、第2の実施例では印刷層の直上にUVニス層を設けていることから、UVニスを透明色のUVインクとして扱えば、印刷層とUVニス層を連続して形成することが可能となる。
11 台紙のおもて(上)面、14 台紙本体、15 印刷層、16 接着層、
17 UVニス層、18 OPニス層、20 容器部、21 カップ部、
22 フランジ部、30 物品(円筒形電池)
Claims (6)
- 物品の収納空間として下方に開口するカップ部の周囲に鍔状に突出するフランジ部が一体的に形成されてなる樹脂製の容器部が台紙のおもて面側に位置決めされた状態で接着されてなるブリスターパックを構成する前記台紙であって、
紙媒体からなる台紙本体に上方に向かって、インクによる図案が形成された印刷層と熱可塑性接着剤を塗布してなる接着層とがこの順に積層されてなり、
前記カップ部の平面領域に対応する領域に硬化したUVニスからなるUVニス層が選択的に形成されて当該UVニス層が前記台紙の上面側に露出している、
ことを特徴とするブリスターパック用台紙。 - 請求項1において、前記UVニス層の形成領域には前記接着層が形成されていないことを特徴とするブリスターパック用台紙。
- 請求項2において、前記印刷層が硬化したUVインクによって形成されていることを特徴とするブリスターパック用台紙。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の前記台紙の上面と前記容器部の前記フランジ部の下面とが接着されてなるブリスターパック。
- 請求項2に記載のブリスターパック用台紙の製造方法であって、
紙媒体からなる台紙本体上に前記印刷層を形成するステップと、
前記印刷層上に前記UVニスを前記容器部における前記カップ部に対応する領域に塗布するとともに紫外線を照射して当該UVニスを硬化させて前記UVニス層を形成するステップと、
前記容器部の前記フランジ部に対応する領域を含み、かつ前記UVニス層の形成領域を含まない領域に熱可塑性接着剤を塗布するステップと、
を実行することを特徴とするブリスターパック用台紙の製造方法。 - 請求項3に記載の前記ブリスターパック用台紙の製造方法であって、
複数色分のUVインクによる多色印刷が可能な印刷装置に前記複数色の1色分として前記UVニスを用い、
紙媒体からなる台紙本体上に前記印刷装置により図案を印刷するステップと、
前記印刷した図案上に前記印刷装置により前記UVニスを前記容器部における前記カップ部に対応する領域をべた塗り印刷するステップと、
前記紙媒体の上面から紫外線を照射して前記UVインクと前記UVニスを硬化させて前記印刷層と前記UVニス層を同時に形成するステップと、
前記容器部の前記フランジ部に対応する領域を含み、かつ前記UVニス層の形成領域を含まない領域に熱可塑性接着剤を塗布するステップと、
を実行することを特徴とするブリスターパック用台紙の製造方法。
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JP2011184067A (ja) * | 2010-03-08 | 2011-09-22 | Hitachi Maxell Energy Ltd | ブリスターパック及びその製造方法 |
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