JP6566905B2 - かご形誘導電動機の回転子の製造方法及びかご形誘導電動機の製造方法 - Google Patents

かご形誘導電動機の回転子の製造方法及びかご形誘導電動機の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、回転子鉄心とロータバーとを剥離させて絶縁したかご形誘導電動機の回転子の製造方法及びかご形誘導電動機の製造方法に関する。
かご形誘導電動機の回転子は、回転子鉄心とかご形をした二次導体とを備える。回転子鉄心は、円形の外周に複数の溝を有する電磁鋼板製の回転子鉄心板を複数枚積層して円柱状にされている。二次導体は、ダイカストのような鋳造法により回転子鉄心の溝にアルミニウムを充填して形成された棒状のロータバーと、回転子鉄心の底面及び上面に形成された円環状の短絡環を備えている。
かご形誘導電動機では、省資源化及び高効率化の要求の高まりによって、損失を減らすことが課題となっている。かご形誘導電動機の損失には、鉄損、一次銅損、二次銅損及び機械損があり、高性能の材料を用いたり、鉄心形状及びコイルの最適化設計を行ったりすることにより損失を減らす努力がなされている。これらの損失以外にも、回転子に不要な電流が流れることで発生する横流損がある。
横流損とは、回転子鉄心の溝に形成されているロータバーと回転子鉄心との間の絶縁が不十分なときに、ロータバーの途中から回転子鉄心を経由して隣の溝に形成されているロータバーへと流れる本来流れるべきではない電流である横流れ電流による損失である。
特許文献1に開示されるように、ダイカスト後の回転子をねじることにより、回転子鉄心とロータバーとを剥離させることで、回転子鉄心とロータバーとを絶縁させ横流損を低減する方法がある。
特許第5843980号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示される方法は、回転子鉄心板間に隙間が生じて回転子の軸方向に圧縮荷重が加わると変形してしまう可能性がある。したがって、回転子鉄心板間の隙間をなくすためにねじりを戻す工程が必要であり、工数が増加してしまうという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ねじりを戻す工程を省いても、電磁鋼板間の隙間が生じにくく、かつ、回転子鉄心とロータバーとを剥離させて絶縁できるかご形誘導電動機の回転子の製造方法を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、円形の外周に間隔を空けて複数の溝が形成された電磁鋼板製の回転子鉄心板を複数枚積層して、スキューを有する円筒状の回転子鉄心を形成する工程と、回転子鉄心の溝の中に棒状のロータバーを鋳造する工程を有する。本発明は、回転子鉄心を、スキューの方向が逆で、スキュー量の大きさが元のスキューと等しくなるまで、ロータバーの全長を保ったままねじる工程とを有する。
本発明によれば、ねじりを戻す工程を省いても、電磁鋼板間の隙間が生じにくく、かつ、回転子鉄心とロータバーとを剥離させて絶縁できるかご形誘導電動機の回転子の製造方法を得られるという効果を奏する。
本発明の実施の形態1に係るかご形誘導電動機の回転子の製造方法で製造した回転子を備えるかご形誘導電動機の分解斜視図 実施の形態1に係るかご形誘導電動機の回転子が備える回転子鉄心の斜視図 実施の形態1に係るかご形誘導電動機の回転子鉄心に二次導体を形成したかご形回転子の斜視図 実施の形態1に係るかご形誘導電動機の回転子の製造方法のねじり工程を説明するねじり前とねじり後の回転子および把持治具の側面図 本発明の実施の形態2に係るかご形誘導電動機の回転子の製造方法のねじり工程を説明するねじり前とねじり後の回転子および把持治具の側面図 本発明の実施の形態3に係るかご形誘導電動機の回転子の製造方法のねじり工程を説明するねじり前とねじり後の回転子および把持治具の側面図 本発明の実施の形態4に係るかご形誘導電動機の回転子の製造方法のねじり工程を説明するねじり前とねじり後の回転子および把持治具の側面図 本発明の実施の形態5に係るかご形誘導電動機の回転子の製造方法のねじり工程を説明するねじり前とねじり後の回転子および把持治具の側面図
以下に、本発明の実施の形態に係るかご形誘導電動機の回転子の製造方法及びかご形誘導電動機の製造方法を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るかご形誘導電動機の回転子の製造方法で製造した回転子を備えるかご形誘導電動機の分解斜視図である。図2は、実施の形態1に係るかご形誘導電動機の回転子が備える回転子鉄心の斜視図である。かご形誘導電動機は、回転子1、回転子1と空隙を介して外周に配置される固定子2、回転子1に発生した回転トルクを負荷へ伝える回転軸3、回転軸3を回転自在に支持する2個の軸受4、及び固定子2と軸受4を介して回転子1を支持するとともに電動機全体を覆って外部への装着部位を有する外郭5を備える。図2に示すように、回転子1は、電磁鋼板から成る回転子鉄心板6を複数枚積層した回転子鉄心7と、回転子鉄心7にアルミニウムをダイカストなどの鋳造にて形成した二次導体8を有する。回転子鉄心板6は、円形の外周に間隔を空けて複数の溝9が設けられている。回転子1は、溝9に鋳込まれた二次導体8の一部であるロータバー10と、回転子鉄心7の両端面に設けられた、複数のロータバー10間を電気的に接続する円環状の二次導体8の一部の短絡環11とを有する。
回転子鉄心7は、周方向の回転トルクの脈動を低減する目的で、回転子鉄心板6の溝9の位置を1枚ごとに同一方向に一定量ずらしながら積層されており、スキューが形成されている。回転子鉄心7の軸方向の2点間の回転子鉄心板6の周方向のずれ量をスキュー量と呼び、角度又は溝9のピッチ換算で表現する。すなわち、スキュー量は、機械角30度又は2.5溝ピッチのように表現される。図2においては、下端の回転子鉄心板6の溝9と上端の回転子鉄心板6の溝9との周方向のずれ量θsが、回転子鉄心7全体のスキュー量である。
図1に示すように、固定子2は、溝12を有し電磁鋼板で形成された固定子鉄心板13を複数枚積層した固定子鉄心14と、固定子鉄心14との間に絶縁部材15を介して、溝12に巻き線16が収納される。
かご形誘導電動機は、固定子2の複数の巻き線16にそれぞれ位相のずれた交流電圧を印加すると、固定子鉄心14の内周から回転子1に向けて、磁界の方向が周方向に移動する回転磁界が発生する。すると、回転子1が回転磁界の移動速度よりも低い回転速度で回転している場合には、ロータバー10に誘導起電力が発生し、両端の短絡環11と他のロータバー10とを経由して循環する電流が流れ、循環する電流が流れる際には、循環する電流が作る磁界と固定子2が作る磁界との相互作用により回転トルクが発生する。溝9がスキューにより回転軸に対して平行でなく傾いているために、周方向の力の他に軸方向の力も発生する。スキューによって発生する軸方向の力は、回転軸方向の加振力となって振動騒音の原因となる。
電磁鋼板の表面には、絶縁被膜が形成されているが、回転子鉄心板6の溝9は、打ち抜きにより形成されるため、断面部が絶縁されておらず、鋳造により形成されたロータバー10と回転子鉄心7とは密着して電気的に導通する。すると、ロータバー10に発生した誘導起電力によりロータバー10の両端の短絡環11を経由して流れる横流れ電流17が発生する。横流れ電流17は、回転トルクとならずに熱損失になって、かご形誘導電動機の効率を悪化させる。横流れ電流17は、回転子1の軸方向の中央寄りほど大きく、両端でゼロとなる。
図3は、実施の形態1に係るかご形誘導電動機の回転子鉄心に二次導体を形成したかご形回転子の斜視図であって、ねじり工程を説明するための図である。図4は、実施の形態1に係るかご形誘導電動機の回転子の製造方法のねじり工程を説明するねじり前とねじり後の回転子および把持治具の側面図である。元の状態では、回転子鉄心7全体でのスキュー量はθ1である。横流れ電流17の対策に、実施の形態1では、図4に示すように、第一チャック18と第二チャック19とで、回転子1の両端を把持し、第一チャック18及び第二チャック19の一方を固定して、他方をロータバー10の全長を一定に保つように軸方向にも移動させながら回転して、回転子1を最初のスキューの傾斜と逆の傾斜の方向へねじり、最終的には最初と同じスキュー量までねじる。すなわち、スキュー量が0となるまでは第一チャック18と第二チャック19との間隔を広げ、スキューの方向が元と逆になってからは第一チャック18と第二チャック19との間隔を狭めて、最終的には第一チャック18と第二チャック19との間隔を元と同じ間隔にする。図3及び図4に示す例では、図中のA点を固定し、逆方向にスキュー量がθ1となる位置にB点が移動するまで回転子鉄心7をねじる。図3及び図4には、ねじる前後で回転子1のA点及びB点がどのように移動したかを分かりやすくするために、●印を記した。
回転子1の最初のスキューの傾斜と逆の傾斜の方向へねじってロータバー10を塑性変形させることにより、回転子鉄心7と密着していた箇所が剥がれ、アルミニウムで形成されたロータバー10の表面は、酸素との化学親和性により空気中の酸素と結合して絶縁性を有する酸化アルミニウム被膜が生成される。さらに、回転子鉄心7とロータバー10との間にも隙間が形成されるため、より確実に絶縁されるとともに、最終的には最初と同じスキュー量までねじることにより、ねじりを戻す工程を行わなくても回転子鉄心板6間の隙間はねじる前と同様で微小にすることができ、軸方向の圧縮加重による変形をなくすことができる。特に、スキュー量が小さい場合でも、ロータバー10の塑性変形を大きくできるため、回転子鉄心7とロータバー10との隙間を大きくでき、確実に絶縁できる。
なお、上記の説明においては、第一チャック18及び第二チャック19の一方を固定して、他方をロータバー10の全長を一定の長さに保つように軸方向にも移動させながら回転して、回転子1を最初のスキューの傾斜と逆の傾斜の方向へねじるとしたが、軸方向の移動及び回転は、両チャック間の相対的な位置関係の変遷が上記の例と同じであるならば、第一チャック18及び第二チャック19で分担して行っても良い。
実施の形態1によれば、回転子鉄心7をねじって回転子鉄心7とロータバー10とを剥離させて絶縁した後、ねじりを戻す工程を省いても、電磁鋼板間の隙間が生じにくい。
実施の形態2.
図5は、本発明の実施の形態2に係るかご形誘導電動機の回転子の製造方法のねじり工程を説明するねじり前とねじり後の回転子および把持治具の側面図である。実施の形態2に係るかご形誘導電動機の回転子1は、実施の形態1と同様に、回転子鉄心板6の溝9の位置を1枚1枚周方向の同一方向へ一定の間隔でずらしながら積層した回転子鉄心7に、鋳造によって成形した二次導体を有する。以下の実施の形態2の説明においては、回転子1の回転子鉄心7の底面から第一チャック18で把持している箇所の上端であるC点までの区間をa、回転子鉄心7の上面から第二チャック19で把持している箇所の下端であるD点までの区間をb、第一チャック18と第二チャック19の間の区間、すなわちC点とD点との間の区間をcとする。実施の形態2においては、回転子鉄心板6は、下端の回転子鉄心板6のA点と、上端の回転子鉄心板6のB点との間のスキュー量がθBとなるように積層されている。なお、C点とD点との間のcの区間のスキュー量はθ2となっている。
実施の形態2では、aの区間の長さとbの区間の長さとの和がcの区間の長さに等しくなるように回転子1を把持し、例えば第一チャック18は固定して、第二チャック19をロータバー10の全長を一定に保つように軸方向にも移動させながら回転して、回転子1の第一チャック18と第二チャック19とで挟まれた部分、すなわちcの区間を最初のスキューの傾斜と逆の傾斜の方向へねじり、最終的には最初のC点からD点との間のcの区間のスキュー量がθ2となるように、すなわち、下端の回転子鉄心板6を基準としたD点の回転方向のずれ量θAが、元のスキュー量θBの1/4となるように回転子鉄心7をねじる。換言すると、cの区間のスキューが、元と逆の方向でスキュー量が元と同じになるように回転子鉄心7をねじる。図5には、ねじる前後で回転子1のC点及びD点がどのように移動したかを分かりやすくするために、●印を記した。
これにより、ねじる前とスキューの方向が同じであるaの区間及びbの区間で発生する回転軸方向の加振力と、ねじる前とスキューの方向が逆であるcの区間で発生する回転軸方向の加振力とで、大きさを等しく方向を逆にできる。したがって、aの区間及びbの区間で発生する回転軸方向の加振力とcの区間で発生する回転軸方向の加振力とが、互いに打ち消し合って回転子1全体のスキューにより発生する軸方向加振力を低減することができる。
なお、aの区間及びbの区間はねじられないため、aの区間及びbの区間ではロータバー10と回転子鉄心7とは絶縁されないが、前述したように、横流れ電流17は回転子1の軸方向の中央寄りほど大きく、両端ではゼロとなるため、aの区間及びbの区間での横流損は小さく、ねじりによる効率改善の効果は多い。
横流損の分布から考えると、aの区間の長さとbの区間の長さを同じとした方が効率改善は大きくできる。
また、aの区間の長さとbの区間の長さとの和とcの区間の長さとは全く同一とする必要はなく、軸方向加振力低減の程度と横流損低減の程度の兼ね合いで、電動機が使われる機器の要求ごとに決めればよい。また、回転するチャック及び軸方向に移動するチャックは、チャック間の相対的な位置関係の軌跡が同じなら、どちらで行ってもよいし、第一チャック18及び第二チャック19の両方が回転及び軸方向の移動を行ってもよい。
実施の形態2によれば、スキューの方向が元と同じ部分で発生する回転軸方向の加振力と、スキューの方向が元と逆の部分で発生する回転軸方向の加振力とが相殺されるため、軸方向の振動を低減することができる。
実施の形態3.
図6は、本発明の実施の形態3に係るかご形誘導電動機の回転子の製造方法のねじり工程を説明するねじり前とねじり後の回転子および把持治具の側面図である。実施の形態3では、第一ねじり工程において、第一チャック18と第二チャック19とで、回転子1の両端を把持し、例えば第一チャック18は固定して、第二チャック19をロータバー10の全長を一定に保つように軸方向にも移動させながら回転して、回転子鉄心7の下端のA点と上端のB点との間を、元のスキューとはスキュー量が同じで方向が逆になるようにねじる。なお、第一ねじり工程は、実施の形態1に係るかご形誘導電動機の回転子の製造方法のねじり工程と同様である。
次に、第二ねじり工程において、回転子鉄心7の上面と第一チャック18の上端であるE点までのdの区間の長さが、回転子鉄心7の全長の半分となるように第一チャック18の把持位置を持ち変えた後、第二チャック19を第一ねじり工程と逆の方向に第一ねじり工程の回転量の半分だけねじる。図6に示すように、dの区間及びeの区間のスキュー量は第一ねじり工程の前後でともにθ3である。したがって、第二ねじり工程では、dの区間のみを、スキュー量がθ3でスキュー方向が最初のスキューと同じになるようにねじり戻す。図6には、ねじる前後で回転子1のA点、B点及びE点がどのように移動したかを分かりやすくするために、●印を記した。
上記のように、回転子鉄心7の全長をスキューが逆の傾斜になるまでねじった後、全長の半分をねじり戻すことで、溝9が回転子鉄心7の軸方向の中央部で折り返したようなスキューとすることができる。
これにより、実施の形態2と違ってロータバー10を回転子鉄心7から全長に渡って引きはがすことができるとともに、スキューが逆の傾斜になるまでねじった図中のeの区間の長さとねじり戻したdの区間の長さとが等しくなるため、スキューにより発生する軸方向加振力をdの区間とeの区間とで相殺することができ、横流損を低減し、かつ、軸方向加振力の小さい回転子1及び回転子1を組み込んだかご形誘導電動機を得ることができる。
実施の形態4.
図7は、本発明の実施の形態4に係るかご形誘導電動機の回転子の製造方法のねじり工程を説明するねじり前とねじり後の回転子および把持治具の側面図である。実施の形態4では、ねじり工程前の回転子鉄心7のスキューを、回転子鉄心7の両端付近では最終的に形成するスキューと同じ方向につけて積層し、中間部では最終的に形成するスキューと逆方向にして積層している。そして、最終的に形成するスキューと同じ方向にスキューをつけて積層した部分を第一チャック18及び第二チャック19で把持し、F点とG点との間の中間部をスキュー量が元と同じθ4でスキューの方向が逆になるまでねじる。図7には、ねじる前後で回転子1のF点及びG点がどのように移動したかを分かりやすくするために、●印を記した。
なお、回転子鉄心7の両端部はねじられないため、回転子鉄心7の両端部はロータバー10と絶縁されないが、前述したように、横流れ電流17は回転子1の軸方向の中央寄りほど大きく、両端ではゼロとなるため、回転子鉄心7の両端部での横流損は小さく、ねじりによる効率改善の効果は多い。
上記のようにチャックで把持する部分を最終のスキューと同じようにスキューをつけておくと、チャックで把持する部分の面積を大きくとれるため、ねじりに対する剛性の高い回転子でも強い力で把持してねじることができ、チャックと回転子が滑らず安定して加工することができる。
実施の形態5.
図8は、本発明の実施の形態5に係るかご形誘導電動機の回転子の製造方法のねじり工程を説明するねじり前とねじり後の回転子および把持治具の側面図である。実施の形態5では、ねじり工程前の回転子鉄心7のスキューを、回転子鉄心7の両端付近ではずらさずにスキューの無い積層にし、中間部では最終的に形成するスキューと逆方向にして積層している。そして、スキューの無い部分を第一チャック18及び第二チャック19で把持して、H点とI点との間のチャックで把持していない区間を、スキュー量が元と同じθ5でスキューの方向が逆になるまでねじる。図8には、ねじる前後で回転子1のH点及びI点がどのように移動したかを分かりやすくするために、●印を記した。
上記のようにチャックで把持する部分の回転子鉄心はスキューの無い積層にしておくと、スキューが無い部分での周方向の電磁加振力をスキューで低減する効果は無くなるが、スキューの無い部分をチャックしてねじる製造方法とすることで、チャックで把持する部分の面積を大きくとれるため、ねじりに対する剛性の高い回転子でも強い力で把持してねじることができ、チャックと回転子が滑らず安定して加工することができる。
なお、回転子鉄心7の両端部はねじられないため、回転子鉄心7の両端部はロータバー10と絶縁されないが、前述したように、横流れ電流17は回転子1の軸方向の中央寄りほど大きく、両端ではゼロとなるため、回転子鉄心7の両端部での横流損は小さく、ねじりによる効率改善の効果は多い。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 回転子、2 固定子、3 回転軸、4 軸受、5 外郭、6 回転子鉄心板、7 回転子鉄心、8 二次導体、9,12 溝、10 ロータバー、11 短絡環、13 固定子鉄心板、14 固定子鉄心、15 絶縁部材、16 巻き線、17 横流れ電流、18 第一チャック、19 第二チャック。

Claims (5)

  1. 円形の外周に間隔を空けて複数の溝が形成された電磁鋼板製の回転子鉄心板を複数枚積層して、スキューを有する円筒状の回転子鉄心を形成する工程と、
    前記回転子鉄心の溝の中に棒状のロータバーを鋳造する工程と、
    前記回転子鉄心の外周を、前記回転子鉄心の軸方向に離間した第一チャック及び第二チャックにて把持する工程と、
    前記第一チャック及び前記第二チャックの少なくとも一方を回転して、前記第一チャックの下端と前記第二チャックの上端との間の区間を、スキューの方向が逆で、スキュー量の大きさが元のスキューと等しくなるまで、前記第一チャックの下端と前記第二チャックの上端との間の区間の前記ロータバーの全長を保ったままねじる工程とを有し、
    前記回転子鉄心の底面側を前記第一チャックで把持し、
    前記回転子鉄心の上面側を前記第二チャックで把持し、
    前記回転子鉄心の底面から前記第一チャックで把持している箇所の上端までの区間の長さと、前記回転子鉄心の上面から第二チャックで把持している箇所の下端までの区間の長さとの和を、前記第一チャックの上端と前記第二チャック上端との区間の長さに等しくすることを特徴とするかご形誘導電動機の回転子の製造方法。
  2. 円形の外周に間隔を空けて複数の溝が形成された電磁鋼板製の回転子鉄心板を複数枚積層して、スキューを有する円筒状の回転子鉄心を形成する工程と、
    前記回転子鉄心の溝の中に棒状のロータバーを鋳造する工程と、
    前記回転子鉄心の外周の両端を、前記回転子鉄心の軸方向に離間した第一チャック及び第二チャックにて把持し、スキューの方向が逆で、スキュー量の大きさが元のスキューと等しくなるまで、前記ロータバーの全長を保ったままねじる第一ねじり工程と、
    前記第二チャックの把持位置はそのままで、前記第二チャック側の前記回転子鉄心の上面と前記第一チャック及び前記第二チャックのどちらとも異なる第三チャック又は前記第一チャックまでの区間の軸方向の長さが、前記回転子鉄心の全長の半分となるように前記第一チャック又は前記第三チャックで把持し、前記第二チャックと前記第一チャック又は前記第三チャックとの少なくとも一方を回転して、前記第二チャックから前記第一チャック又は前記第三チャックの間の区間を、スキューの方向が元の方向と同じになるように前記第一ねじり工程の半分の量だけ、前記ロータバーの全長を保ったままねじる第二ねじり工程とを有することを特徴とするかご形誘導電動機の回転子の製造方法。
  3. 円形の外周に間隔を空けて複数の溝が形成された電磁鋼板製の回転子鉄心板を複数枚積層して、両端部と中央部とで逆方向のスキューを有する円筒状の回転子鉄心を形成する工程と、
    前記回転子鉄心の溝の中に棒状のロータバーを鋳造する工程と、
    前記回転子鉄心の両端部の外周をチャックで把持して、前記中央部のスキューが前記両端部のスキューと同じ方向かつ元のスキューと同じスキュー量となるまで、前記ロータバーの全長を保ったままねじる工程とを有することを特徴とするかご形誘導電動機の回転子の製造方法。
  4. 円形の外周に間隔を空けて複数の溝が形成された電磁鋼板製の回転子鉄心板を複数枚積層して、両端部にはスキューが無く中央部にはスキューを有する円筒状の回転子鉄心を形成する工程と、
    前記回転子鉄心の溝の中に棒状のロータバーを鋳造する工程と、
    前記回転子鉄心の前記両端部の外周をチャックで把持して、前記中央部のスキューが、元と逆の方向で、スキュー量の大きさが元のスキューと等しくなるまで、前記ロータバーの全長を保ったままねじる工程とを有することを特徴とするかご形誘導電動機の回転子の製造方法。
  5. 請求項1からのいずれか1項に記載のかご形誘導電動機の回転子の製造方法で製造された回転子の周囲に固定子を設ける工程を備えることを特徴とするかご形誘導電動機の製造方法。
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