JP6566620B2 - シート搬送機構及びこれを備えた後処理装置 - Google Patents

シート搬送機構及びこれを備えた後処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、シートを所定の処理位置に搬送する搬送機構に係わり、経路を通過するシートの検出機構の改良に関する。
シートを経路入口から経路出口に搬送するシート搬送装置は、画像形成装置或いはその後処理装置など種々の装置に組み込まれている。例えば特許文献1には画像形成装置の下流側に後処理装置が連設された画像形成システムが開示されている。この後処理装置には画像形成装置から送られたシートを後処理部に向けて搬送する搬送経路が配置され、経路途中で送られたシートにファイル穴を穿孔するパンチユニットが設けられている。
このような搬送経路にはシートの先端又は後端を検出するシートセンサが配置され、その検出信号を基準に経路中或いは経路下流側に配置されている後処理ユニットを制御している。このシートセンサとしてはホトセンサが広く使用されている。
特許文献2には経路を移動するシートを検出するセンサ機構が開示されている。同文献には搬送経路に発光素子と受光素子とをシートを挟んで対向する位置に配置し、受光素子の出力電圧を基準電圧(閾値電圧)と比較して紙の有無を検出している。
そして、このようなシート有無検出と同時に、シートを検出していない状態で受光素子の出力電圧が許容電圧の範囲内となるように発光素子に印加する電圧の初期設定値を増減調整する技術が開示されている。
特開2010−137303号公報(ニスカ) 特許第3073053号公報(ニスカ)
上述のように画像形成装置など上流側の装置から送られたシートを処理部に搬送する搬送経路に、シートの有無、シートの先後端を検出するシートセンサは、種々のシート搬送装置に用いられている。その機構はシートが通過する経路を挟んで発光素子(例えば発光ダイオード)と受光素子(例えばフォトダイオード)を対向するように配置し、シートが通過した時の受光光量の減衰でシートを検出している。
特許文献2には、発光素子の発光量が経時的に変化する、或いは受光素子の受光感度が逓減する対策として、シートが存在しない状態で発光素子を発光して受光素子の出力電圧を検出し、この検出値が予め設定した範囲内でないときには、発光素子に印加する基準電圧を調整する技術が開示されている。
受光素子の出力値の変化は、(1)発光受光各素子の劣化に原因する場合と、(2)発光素子の発光面と受光素子の受光面に発生する汚損(紙粉付着、インク汚れなど)に原因する場合と、(3)雰囲気温湿度で発光面または受光面に水滴付着(曇り現象)に原因する場合などが要因として考えられる。
上記の中で時間的に回復する要因がある。例えば水蒸気による曇り現象は、高温加湿状態で送られてくるシートによって発生し、装置内の温度(センサ部の環境温度)の冷却によって解消し、センサ感度は回復する。また水蒸気による水滴付着は、シートの通過或いはワイパー手段で払拭すると回復する。同様に紙粉が発光面または受光面に静電気で付着しても、各面の静電気(容量)が時間的に減少すると付着した紙粉は機内に散乱してセンサ感度は回復する。
本発明は、経路中を通過するシートを検出するセンサ機構を、検出不能状態に達する前に回復させることが可能なシート搬送機構の提供をその課題としている。
本発明は上記課題を解決するため、シートを案内する搬送経路と、光を照射する発光部と、前記搬送経路を挟んで前記発光部と対向して設けられ、前記発光部から照射された光を受ける受光部と、前記受光部により受けた光を光電変換し、電気量または電圧として出力値を示す変換部と、前記変換部の基準出力値を予め記憶する記憶手段と、前記変換部により示される前記出力値の変化により前記搬送路に案内される前記シートの後端を検出する検出部と、前記シートの後端検出後の所定のタイミングで前記発光部が照射し前記受光部が受けた光を前記変換部が光電変換した第1出力値が前記記憶手段に記憶された前記基準出力値よりも小さく且つ前記所定のタイミングから所定時間後に前記発光部が照射し前記受光部が受けた光を前記変換部が光電変換した第2出力値が前記第1出力値よりも大きい場合、前記第2出力値が示された後に前記変換部により示される出力値を前記基準出力値に近づけるための回復処理を実施する回復処理手段と、を備えている。
上記検出感度は2つの出力値の差が回復傾向(時間経過とともに出力電圧が基準電圧に近づく傾向)にあるかを判別し、回復傾向のときには後続するシートの搬送を遅らせる処置か、センサ部を冷却(冷却風のブロー)、或いは拭う(受光面のワイパー)処置を施す。
更にその構成を詳述すると、連続して搬送するシートを発光素子(15a)と受光素子(16a)で検出するシート搬送機構であって、シート搬送経路(9)と、シート搬送経路を過ぎって対向配置された発光部(15)および受光部(16)と、受光部からの光電変換出力値でシートを検出する検出部(17)とを備える。上記検出部は、受光部から時間を隔てて出力される少なくとも2つの出力値(Vout1)(Vout2)を比較して受光部の検出感度を判別する判別手段を備える。
本発明は、次の効果を奏する。検出部は、時間を隔てて受光部から出力される2つの出力値を比較して受光部の感度を判別するので連続して搬送されるシートの搬送前、搬送前後、搬送後、及びシート搬送中のいずれか時間を隔てて出力値取得が可能なタイミングでセンサ感度を判別することができる。
また、センサ感度の判別を、径時的に先の第1出力値と後の第2出力値とを比較し、第2出力値が回復傾向(第1出力値より基準出力値に近い)のときには、(1)後続シートの搬送を時間的に遅らせる処置か、(2)受光面を冷却する処置か、(3)受光面を払拭する(ワイプする)処置を施すことによって、後続シートの検出ミスを招くことがない。
本発明に係るシート搬送機構を備えた後処理装置の全体構成の説明図。 図1の後処理装置におけるシート搬送機構の説明図であり、シート搬送経路中でパンチ処理する機構を示す。 図2の装置におけるシート検出機構の説明図であり、(a)は透過型ホトセンサ機構を示し、(b)はその検出回路の概念図を示す。 図3とは異なるセンサ機構の実施形態を示し、(a)は反射型ホトセンサ機構を、(b)は(a)と異なる反射型ホトセンサ機構を示す。 センサ機構の出力低下原因を解消する冷却機構を示し、(a)は冷却ファン機構を、(b)はエアブロー機構を、(c)はペルチェ素子機構を示す。 センサ機構の出力低下原因を解消するワイパー機構を示す。 出力値の取得タイミングを表したチャートであり、(a)はケース1の場合を示し、(b)はケース2の場合を示す。 発光素子から受光素子に向けて照射した光でシートを検出する検出感度についての説明 図1の装置における制御構成の説明図。 図1の装置におけるシートの搬送動作(ケース1)についてのフローチャート図。 図1の装置におけるシートの搬送動作(ケース2、ケース3)についてのフローチャート図。
以下図示の実施形態に従って本発明を詳述する。図1は本発明のシート搬送機構を内蔵した後処理装置Bを示す。同図においてAは画像形成装置を、Bは後処理装置を示している。画像形成装置Aでシート上に画像を形成し、排紙口5(以下本体排紙口という)に搬出する。この排紙口5には後処理装置Bの搬入口7が連結され、画像形成されたシートを後処理装置内に搬入する。後処理装置Bには搬送経路9と、搬送経路から送られたシートを後処理する後処理部10と、スタックトレイ12が設けられている。
上記画像形成装置Aは、図示しないが装置ハウジング1内に画像形成するシートを収容する給紙部2と、画像形成部3と、排紙部4が設けられている。画像形成部3は、シート上に画像形成する機構として、種々の方法が知られ、そのいずれも採用可能である。
例えば、感光体(ドラム、無端ベルトなど)の上に、レーザ発光器、LED発光器などで静電潜像を形成し、トナー(インク)で現像したのちに、チャージャでシートの上に転写する。そして加熱装置(定着ローラなど)で定着して排紙経路から本体排紙口5に搬出する。画像形成部3としては、上述の静電印刷機構、インクジェット印刷機構、サーマル印刷機構、オフセット印刷機機構などが採用可能である。
上記後処理装置Bとしては、画像形成されたシートを部揃え集積して綴じ処理するフィニッシャ機構、集積したシート束の背部に接着糊を、添着して表紙シートで表装する製本処理機構、画像形成されたシートを折り処理(例えばレター折り)する折り処理機構などが知られている。
また、シートに施す後処理としては、綴じ処理、製本処理のほか、ファイル穴を穿孔するパンチ処理、スタンプを捺印するスタンプ処理などが知られ、これら複数の機能を適宜に組み合わせて後処理ハウジング6(以下装置ハウジングという)内に内蔵して後処理装置Bを構成する。
図1の装置は、搬送経路9にパンチユニット25が配置され、その下流側に処理トレイ11が配置されている。処理トレイ11には集積したシート束を綴じ処理する綴じ処理装置30(ステープルユニット)が配置されている。また処理トレイ11の下流側にはスタックトレイ12が配置されている。そして画像形成装置Aから送られたシートを搬送経路9から処理トレイ11に搬送して後処理したのちにスタックトレイ12に収納する処理モード(ステープル綴じモードなど)と、搬送経路9から直接スタックトレイ12に収納する処理モード(プリントアウトモード)が選択的に実行可能に構成されている。
図2に搬送経路9を示すが、装置ハウジング6には、搬入口7からシートを後処理部10に搬送する搬送経路9が配置されている。図示の搬送経路9は装置ハウジング6を横断する水平方向に配置されている。搬送経路9はシートを案内する上部ペーパーガイド13aと下部ペーパーガイド13bで形成され、搬入口7の近傍に入口センサSe1が、排紙口8の近傍に排紙センサSe2が配置されている。
上記入口センサSe1と排紙センサSe2は搬送されるシートの先端と後端を検出し(或いはその一方を検出し)、その後の後処理動作を制御する。また、搬送経路9にはシートを搬送する搬送手段14と、パンチユニット25が配置されている。搬送手段14はシートを下流側に搬送する機能をそなえ、互いに圧接するローラ対、ベルト&プーリ機構、静電搬送ベルトなどで構成される。
図示の搬送手段14は、入口搬送ローラ14a、中間搬送ローラ14b、排紙ローラ14cで、それぞれ圧接するローラ対で構成されている。各ローラには同一周速度で回転するように共通の搬送モータ(不図示)に連結されている。なお、搬送経路9の搬送手段14はローラに限定することなく種々の搬送機構が採用可能であり、シートを搬送する適宜(最適の)間隔に配置する。
パンチユニット25は、搬送経路9を移動するシートにファイル穴を穿孔する。このためシート搬送方向と直交する方向に上下動するパンチ部材26と、このパンチ部材を上下動する駆動カム27と、駆動カムを回転するパンチモータMpで構成されている。そしてパンチモータMpの回転で駆動カム27(図示のものは偏心回転カム)を回転して、パンチ部材26を上方の待機位置から下方の穿孔位置に下降させる。図示28は復帰スプリングであり、穿孔後にパンチ部材26を待機位置に復帰させる。
[センサ構造]
搬送経路9に配置されたセンサ(入口センサSe1または排紙センサSe2)の構造について図3に従って説明する。同図には搬送経路9を通過するシートを過ぎるように発光部15と受光部16が対向配置された透過型ホトセンサ構造を示している。そして、発光部15と受光部16を搬送経路9のシートを挟んで対向する位置に配置し、発光部15からの光を受光部16で感知し、その光をシートが過ぎったときシートを検出する。そして受光部16からの光を検出部17(制御手段;制御回路、制御CPU)で検出する。
上記発光部15は、樹脂などのセンサカバー15bと、このカバー内に埋設された発光素子15aと、センサカバー15bに一体形成された透明な発光面15cと、発光素子15aに電源を供給するコネクター15d(入力部コネクター)で構成されている。発光素子15aとしては、発光ダイオード(LED)などを使用する。図示の発光部15は上部ペーパーガイド13aに形成したセンサ孔13xから経路内に光を照射するように装置フレーム(ガイド板)に取り付けられている。
上記受光部16は、(感光部と同様に)樹脂などのセンサカバー16bと、このカバー内に埋設された受光素子16aと、センサカバー16bに一体形成された透明な受光面16cと、受光素子16aで光電変換された出力値を転送するコネクター(出力部コネクター)16dで構成されている。受光素子16aとしては、光電変換素子(ホトダイオード)などを使用する。図示の受光部16は、搬送経路9の下部ペーパーガイド13bに形成したセンサ孔13yから経路内のシートを過ぎる位置に配置されている。センサ孔13xとセンサ孔13yは、対向する位置に配置されている。
上記検出部17は、コンパレータなどの比較回路17a(コンパレータ)で構成する。このコンパレータ17aの構成を簡単に説明すると、発光部15から照射した光(光量;入力電位)と受光部16で感知した光(光量;出力電位)が、「等しい」か、「許容減衰量の範囲内」のとき、つまり「入力電位≒出力電位」のときには、搬送経路9にはシートも、それ以外の物体も存在しないと判断する。また発光部15と受光部16は一応正常に動作していると判断できる。
また、発光部15から照射した光と受光部16で感知した光が「著しく減衰している」か、「受光部16の出力電位がゼロに近い」ときには、発光部15と受光部16の間にシートが存在するか、他の物体が存在すると判断する。また受光部16からの出力値が「ゼロに近いとき」には故障、或いは検出不能と判断できる。
[異なるセンサ構造]
図4(a)は反射型ホトセンサ構造を示し、同図(b)は回帰反射型ホトセンサ構造を示している。同図(a)のセンサ構造は、搬送経路9を構成する上部ペーパーガイド13aと下部ペーパーガイド13bのいずれか一方に発光部18と受光部19が配置され、発光部18から照射した光を受光部19で検出する。そしてペーパーガイドの反対側(図示の場合には下部ペーパガイド13b)にはリフレクター20が配置してある。そして、経路中にシートが存在しないときには、発光部18からの光はリフレクター20で反射され受光部19に入光する。
上記発光部18は、前述した構成と同様に、センサカバー(不図示)の内部に発光素子18aが内蔵され、発光面18cから経路内に光を照射するようここに構成されている。また、受光部19も前述した構成と同様に、センサカバー(不図示)の内部に受光素子19aが内蔵され、受光面19cから光を入光する。このため、上部ペーパーガイド13aには、透明な検出面13z(発光面18cと受光面19cを一体形成している)が設けられている。
また、上記リフレクター20は搬送経路9に配置され発光部18から照射された光を受光部19に向けて反射するため、下部ペーパーガイド13bに、発光部及び受光部と対向する位置に配置されている。従ってこのリフレクター20の上をシートが通過すると、発光部18の光は遮られて受光部19に到達しない。リフレクター20の構造は、反射率の高い樹脂鏡、ガラス鏡などで構成する。
図4(b)に示す回帰反射型センサ構造について説明する。前述のものと同様に上部ペーパーガイド13aと下部ペーパーガイド13bとの、一方に発光部21と受光部22(以下センサ部という)が配置されている。図示のものは、下部ペーパーガイド13bに発光素子21aと受光素子22aを埋設したセンサカバー23が配置されている(下部ペーパーガイド13bに固定されている)。
上部ペーパーガイド13aには、光を偏向するプリズムなどの光偏向部材24が配置されている。この光偏向部材24は、発光部21で発光された光を経路空間を経てプリズム内に入光する。この光は、プリズム内を偏向して受光部22に対向する位置で出光する。そして、このプリズム内で偏向された光は経路空間を経て受光部22に達する。このような構成によって前述の搬送型センサ構造と同様に経路内を通過するシートを検出することが可能となる。
[検出部の構成]
図3(b)に搬送経路9に配置した発光部15(18,21)と受光部16(19,22)でシートの通過を検出する回路構成(概念)を示す。発光素子41(上述の15a、18aなど)に所定電圧を印加して電力を供給する。この制御は制御部40(CPUなど)でコントロールする。発光素子41の光は受光素子42(上述の16a、19aなど)で受光して光電変換した電気量として、アナログ出力される。受光素子42からの出力値は、増幅器43で増幅され、コンパレータ44(比較器;以下第1コンパレータという)で比較される。この比較は、「比較基準」をシートの有無を判別する閾値(Vs)に設定すると、その出力からシートの有無を判別する。
上記第1コンパレータ44でシートの有無を検出する「閾値Vs」と受光部16(19,22)の出力値(Vout)を比較し、コンバータ45でA/D変換して、デジタル値を制御部40に送る。制御部40では、その値から搬送経路9にシートが存在するか否かの状態と、シート先端が検出位置に到達した状態と、シート後端が検出位置を通過した状態を判定することができる。
上記第1コンパレータ44で、センサ感度(検出感度)を検知する「出力基準値Vi」と受光部16(19,22)の出力値(Vout)を比較し、コンバータ45でA/D変換して、デジタル値を制御部40に送る。制御部40では、その値から出力値Voutが、「検出可能な状態」であるか、検出不能な状態であるか判別できる。この場合「出力基準値Vi」を、搬送経路9を搬送するシートの検出が可能な許容最小値に設定すると、出力値Voutがこの値を下回ると検出不能と判断して装置を停止する。この出力基準値Viは予め実験などで設定し、RAM(記憶手段)47に記憶しておく。
図3の判別回路は、受光素子42の出力値(Vout)をシート搬送のインターバルで、時間を隔てて第1出力値(Vout1)と第2出力値(Vout2)を検出することによってセンサ感度を判別する。このため、制御部40では、タイマー手段46をカウント或いはCPUクロックカウントで時間計測する。このタイマー手段46で例えば給紙指示信号から所定時間経過した「第1検出タイミング」で受光素子42の出力値Vout1をA/D変換したのちに記憶手段(RAM)47に記憶する。
制御部40は、タイマー手段46が所定時間経過したとき、受光素子42の出力を第2出力値(Vout2)として検出する。このため第1コンパレータ44からの出力値(Vout2)は、スイッチング回路で第2コンパレータ48に入力される。この第2コンパレータ48には記憶手段(RAM)47から第1出力値(Vout1)が読み出されD/Aコンバータ49で変換されたアナログ値を第2出力値(Vout2)と比較するように結線されている。その結果は制御部40に転送される。そして制御部40は、時間を隔てて受光部16(19,22)で生じている要因が「回復可能であるか」判断する。
次に発光素子41から受光素子42に向けて照射した光でシートを検出する検出感度について説明する。図8(b)に示すように発光素子41に印加した入力電圧(Vin)に対し受光素子42から出力された出力電圧(Vout)が等しいか、許容範囲内のときには、両素子の劣化が生じていることはなく、搬送経路9及びセンサ構造(発光面、受光面など)に光の減衰をもたらす要因はないと判断する。
図8において、入力電位をLv0とすると、出力電位Lv1がほぼ等しい(Lv1≒Lv0)ときには発光素子41、受光素子42、搬送経路9ともに光の減衰要因はなく「正常検出可能」と判断できる。また、入力電位Lv0に対して著しく低い出力電位Lvmin(検出限界値)以下のときには、センサは検出不可能と判断する。この検出限界値Lvminは予め実験などで定めてRAM47などの記憶手段に記憶しておく。
これに対して、センサの状態が正常状態でも異常状態でもない中間状態(Lv2)のときには、光の減衰(低下)を招く要因が存在し、「その要因が回復可能であるか否か」を判断する。この検出系(発光素子41から受光素子42に至る検出要素)の劣化として次の要因が考えられる。(1)素子の劣化による機能低下(2)入力部電源系の故障、機能低下(3)発光面または受光面の汚損による光透過率の低減(4)発光面又は受光面の曇り(水滴付着)(5)発光面または受光面の静電吸着物(埃、紙粉など)が考えられる。この場合(1)(2)(3)は、時間経過によって回復する要因であることは少ない。
一方、上記(4)(5)は、搬送経路9をシートが通過するとの、その影響が増大し、時間の経過とともにその影響は減少する。例えばシートが高温多湿の状態で経路内に進入したときには発光/受光面に曇りが発生し、透過光量は減衰する。また装置内に粉塵が飛散しているときにはシートの通過で発光/受光面に静電気が発生するとこれらの粉塵が付着して透過光量は減衰する。
上記要因(4)(5)は、シートが通過すると時間経過と共にその要因は減少する。例えば発光/受光面の曇りは、時間が経過すると曇りの原因である温度差が軽減して解消する。また静電吸着した粉塵は、静電気が空気中に分散すると付着した粉塵は装置内に飛散する。
[出力値比較]
所定時間経過した出力値の少なくとも2つ(Vout1、Vout2)を比較することによって上記要因を推定することができる。そしてその要因を改善に向ける「インターバル時間延長」「検出部冷却」「検出面ワイプ」などの処置が可能となる。そこで第1、第2出力値(Vout1、Vout2)の取得タイミングについて図7及び図8に従って説明する。搬送経路9の検出ポジションSpを通過するシートに対して「シート通過後に2点検出する場合(ケース1;図7(a))」と「シートが通過する前後で2点検出する場合(ケース2;図7(b))」及び「シートが通過する前に2点検出する場合(ケース3;図8)」について説明する。
搬送経路9に所定間隔で連続して後処理部10に搬送されるシートは、搬入口7に配置した入口センサSe1又は経路排紙口8に配置した排紙センサSe2でその前後端を検出される。このシートの搬送は、排紙指示信号でシートが送られ、制御部40は発光素子41に入力電圧を供給する。そして、シート先端が検出ポジションSpに到達すると受光素子42の出力値は「定格電位V」から所定の検出電位(不透明シートの場合ゼロ)に立ち下がり、シートが存在する間はその電位を維持し、シート後端が検出ポジションSpを通過したのちには、検出電位は定格電位Vに立ち上がる。これによってシートは検出ポジションSpを通過するシートの「先端」「中央」「後端」を検出する。
このとき「ケース1」では、シート後端が検出ポジションSpを通過した後に「第1出力値Vout1」を検出する。前述の制御部40では記憶手段(RAM)47に記憶する。その後、所定のタイマー時間が経過したとき、「第2出力値Vout2」を検出する。そして制御部40は、その判別結果に基づいて、後続するシートを搬送するか、待機させるか、或いはその他の処置を施す。
図7(b)の「ケース2」では、排紙指示信号を受信した後に、シートが検出ポジションSpに到達する前のタイミング(排紙指示信号で起動したタイマーの時間アップ)で「第1出力値Vout1」を検出する。そして検出ポジションSpを通過するシートの先端および後端を検出した後に、所定時間後に「第2出力値Vout2」を検出する。そして制御部40は、その判別結果に基づいて、後続するシートを搬送するか、待機させるか、或いはその他の処置を施す。
図8(a)の「ケース3」では、排紙指示信号を受信した後に、シートが検出ポジションSpに到達する前のタイミング(排紙指示信号で起動したタイマーの時間アップ)で「第1出力値Vout1」と「第2出力値Vout2」を検出する。そして検出ポジションSpをシート後端が通過したのちに判別し、制御部40は、その判別結果に基づいて、後続するシートを搬送するか、待機させるか、或いはその他の処置を施す。
[回復可能か否かの判断と処置]
前述の制御手段(制御部)40は「第1第2出力値Vout1、Vout2の比較で回復可能か否か判断する」。「ケース1」又は「ケース3」において[Vout1<Vout2(先の出力値より後の出力値が高い)]のときには、光減衰の原因が改善されていると判断する。その要因は発光/受光面に曇りが発生したとき或いは静電気による塵埃が付着したときでありその程度は時間経過とともに低減している。
「ケース2」において[Vout1>Vout2(先の出力値より後の出力値が低い)]のときには、光減衰の原因が(シート搬送によって新たに発生した温度上昇又は静電気要因として)回復可能と判断する。このために制御手段40は、シートを待機させるか、発光/受光面を冷却、払拭(ワイピング)などの処理を施す。
制御手段40は、先の判断で回復可能と判断したときには、「後続するシートの搬送を待機させる処置」か「搬送経路9の光減衰の要因を解消する処置」のいずれかを施す。
「後続するシートの搬送を待機させる処置」は、第1、第2出力値Vout1、Vout2の比較で回復可能と判断したとき、後続するシート搬送のインターバル内で回復できるか否かを判断し、否のときには「後続するシートを待機させる信号」を発信する。
この待機指示信号は、第1、第2出力値Vout1、Vout2を勘案することなく予め設定しRAM47に記憶してある時間データをタグ信号として発信することも可能である。
また待機指示信号は、第1、第2出力値Vout1、Vout2を考慮して予めRAM47に記憶してある時間データをタグ信号として発信することも可能である。例えば第1、第2出力値Vout1、Vout2の差が大きいときには急勾配で改善しているとして待機時間を短く、第1、第2出力値Vout1、Vout2の差が小さいときには緩慢に改善しているとして待機時間を長く設定する。また第1、第2出力値Vout1、Vout2の差を演算することなく、第2出力値を基準出力値と比較して、差が小さいときには時間を短く、差が大きいときには時間を長く設定する。
「搬送経路の光減衰要因を解消する処置」
この処置は、発光部または受光部を冷却するか、発光/受光面を払拭(Wiping)する。図5(a)は、搬送経路9に冷却手段30を配置する。同図の冷却手段30は冷却ファン31で構成してあり、ファンモータMfを備えた回転ファン32が上部ペーパーガイド13a(装置ハウジング内に配置されていれば良い)に配置されている。
そして上部ペーパーガイド13aには通気口33が形成してある。従ってこの冷却ファン31が停止しているときには起動回転させ、次に回転しているときには、更に高速回転させる。そして冷却ファン31の回転で搬送経路9の発光面15c(18c)と受光面16c(19c)を冷却させると、付着した塵埃或いは曇り水滴を解消させる。
図5(b)は、搬送経路9に冷却手段35を配置する。同図の冷却手段35はエアブロー機構で構成してあり、ブローポンプMbを備えたエアノズル36が上部ペーパーガイド13aの通気口33から経路内に送風する。なお、このエアブロー機構35は搬送経路9に配置することなく検出部17の冷却が可能である装置ハウジング内に配置しても良い。
図5(c)は、搬送経路9に冷却手段34を配置する。同図の冷却手段34は、冷却フィン34bと、ペルチェ素子34aで構成している。冷却フィン34bは熱伝導率と、放熱効果に富んだ金属ブロック体で構成され、下部ペーパーガイド13bに取り付けられている。ペルチェ素子34aは、冷媒作用を有する電気素子に電源を通電して冷却する。なお、このペルチェ素子34aと冷却フィン34bとは単体で独立してペーパーガイドなどに配置することも可能である。
図6は、搬送経路内の発光/受光面(その一方のみであっても良い)をワイプするワイパー機構38を配置する場合を示している。搬送経路9には、発光面15c(18c)と受光面16c(19c)または、その一方を、ワイプする、ワイパー部材38wが配置されている。
このワイパー部材38wはスポンジ、フエルト、ゴムブレードなどで構成され、搬送経路9のシート通過パス(通過軌跡)から退避した待機位置と発光/受光面をワイプする作動位置との間で移動可能(図示のものはスライド可能)に構成されている。そして、ワイパー部材38wを待機位置から作動位置に移動する駆動機構39が設けられている。図示の駆動機構39はワイパー部材38wを支持するホルダ部材38hにラック39rが一体形成され、ワイパー駆動モータMwの回転軸に連結したピニオン39pと係合している。
図示のワイパー部材38wは上下ペーパーガイド13a、13bに凹陥部(センサ孔)13x、13yが形成してあり、上部凹陥部13xに上部ワイパー部材38w1が、下部凹陥部13yに下部ワイパー部材38w2が経路から退避可能に移動する。そして上下ワイパー部材38wの表面は発光面15c(18c)と受光面16c(19c)を摺動してクリーニングする。上下ワイパー部材38wはシート搬送の軌跡外部(搬送直交方向外側)で連結したホルダ部材38hに支持されている。
[制御部の構成]
図9に図1の装置の制御構成を示す。後処理装置Bの上流側には画像形成装置Aが配置され、画像形成装置Aの制御部50は、中央処理装置(CPU)で構成されシート上に画像を形成する動作を司る。この制御部50は画像形成制御部51と給紙制御部52と、入力部53で構成されている。入力部53にはコントロールパネルが設けられ画像形成条件及び、後処理装置の処理方法モードを設定する。
制御部50で設定されたシートサイズ、後処理モード、画像形成装置Aの排紙指示信号などは後処理装置Bの制御部40に転送される。後処理制御部40は、中央処理装置(CPU)で構成され、ROM56に記憶された動作プログラムで、RAM47に記憶され制御データに従ってシート搬送制御部58と後処理制御部59を制御する。
図1の装置構成ではシート搬送制御部58は搬入口7からシートを処理トレイ11に搬送する動作と、処理トレイで後処理(綴じ処理など)されたシートをスタックトレイ12に搬出する動作を制御する。
また、後処理制御部59は、図1の装置構成では搬送経路9を移送中のシートにパンチユニット25でファイル穴を穿孔するパンチ動作と、処理トレイ11に集積したシート束を綴じ処理する後処理動作を制御する。
シート搬送制御部58には、搬送経路9に配置したセンサSe1、Se2の出力値が転送され、搬送経路中の搬送ローラ(搬送手段)14の搬送モータ(不図示)を制御するようにそのドライバーと電気的に接続されている。また、パンチユニット25に内蔵されているパンチモータMpのドライバーと電気的に接続されている。
後処理制御部59には、後処理ユニット(ステープラユニット)の動作終了信号と、スタックトレイ12の昇降位置検出センサの検出信号が転送される。また後処理制御部59は、スタックトレイ12の昇降モータ(不図示)を制御するようにそのドライバー回路と電気的に接続されている。
上記シート搬送制御部58には、搬送経路9に配置されたシート検出センサSe1、Se2を監視するセンサ監視部58aが設けられ、この監視部には、シート搬送の前後で発光部15と受光部16との間の感度を「後続するシートを正しく検出することが可能か」判別する判定手段が設けられている。
シートを搬送する前/後(シート搬送前、シート搬送後、シート搬送前後; 前述のケース1、2、3)で時間を隔てて第1出力値(Vout1)と第2出力値(Vout2)を取得する。この両出力値を比較して、変化があるとき回復可能であるか否か判断する。このため、センサ監視部58aには時間を計測するタイマー手段46と、出力値を比較するコンパレータ44(48)と、判別手段が設けられる。
タイマー手段46は、例えば制御CPU40の基準クロックをカウントする計時手段か、定速回転する回転軸に設けたエンコーダをエンコードセンサで検出してカウントする計時手段か、CPUのクロックとは異なるクロックをカウントする計時手段で構成する。コンパレータ44は、受光素子(光電変換素子)の出力値をアンプ43で増幅して基準値と比較する比較回路で構成する。
そして第1出力値(Vout1)はコンパレータ44の出力をA/D変換して記憶手段47に記憶する。また、第2出力値(Vout2)は、コンパレータ48で記憶手段から読み出した第1出力値と比較する。判別手段は、上記コンパレータの比較結果に基づいて予め設定した判断論理で、センサ感度が可能か否か判別する。
上記処置に要するデータは、予め設計段階で設定されRAM47に記憶する。例えば第1第2出力値と比較する出力基準値は、「センサが動作する限界値として設定しメモリに記憶する」。また、第1、第2出力値の検出時間は、「タイマー時間として設定しメモリに記憶する」。この場合のタイマー時間は、前述の「ケース1」、「ケース2」、「ケース3」で異なる時間として準備する。
また、センサ監視部58aには、第1、第2出力値から回復時間を算出する演算を備えることも可能である。この場合には(1)第1出力値と第2出力値との差から、第2出力値が標準の出力値に達するまでの時間を演算する。または(2)第2出力値のみから、その値が出力基準値に達するまでの時間を演算する。ここで出力基準値とは発光素子からの光が通常生ずる減衰量を考慮したときの受光素子に出力値を云う。
図10及び図11に従って後処理部10にシートを連続して搬送する搬送動作について説明する。制御手段40は、装置電源が投入(St01)されると、イニシャライズ動作を実行する。イニシャライズ動作は各機能部品を初期状態に設定する(St02)。このとき制御手段40は発光部15に電源(所定電圧を印加)を供給して発光させ、そのときの受光部16の出力値を出力設定値V0と比較する。このとき出力基準値が出力設定値と異なる(低い若しくは高い)ときには異常として装置を停止するか、その警告信号を発する。
なお、この場合の出力設定値V0(標準的出力値)は、正常な検出状態で受光素子16から出力される出力レベルであり、予め設定されRAM47に記憶されている。
制御手段40は、後処理装置Bの上流側に画像形成装置Aが連設されている場合には、画像形成装置の動作を実行する。この動作はシートのサイズ設定などの画像形成条件を設定するモード設定と同時に、後処理モード設定する(St03)。後処理モードは、例えば、部揃え綴じ処理モード、プリントアウトモードなど適宜構成する。そして制御手段40は、画像を形成し(St04)、排紙口5から搬出するのと前後して排紙指示信号を後処理装置Bに発信する(St05)。
排紙指示信号を受信すると制御手段40は搬送経路中の搬送手段14(搬送ローラなど)を作動(排紙方向回転)させる(St06)。また、発光部15に電源を供給して発光素子15aを発光させる(St07)。次いで、制御手段40は前述のケース1、ケース2、ケース3に応じて以下の動作を実行する。
「ケース1」(検出ポジションをシートが通過した後に、第1第2出力値を取得する)
制御手段40は、搬送手段14を作動させて経路内にシートを搬送する。そしてセンサ(Se1、Se2)でシート搬送を監視する。この監視動作を、入口センサSe1について説明する。
制御手段40は、受光素子16の出力値を監視し、所定のレベルから出力値Voutが(出力ゼロ又はその近くに)立ち下がるのを検知し、シート先端が検出点に到達したことを検知する(St08)。引き続き制御手段は出力値を監視し、出力値Voutが所定レベルに立ち上がるのを検知しシート後端が検出点を通過したことを検知する(St09)。そして、この先端検知または後端検知の信号を基準にタイマーを作動(St10)し、第1タイマアップ(St11)で制御手段40はその時の受光素子16aの出力値を第1出力値Vout1として取得する(St12)。
上記第1出力値Vout1は、増幅器43で増幅され、出力基準値Viと第1コンパレータ44で比較する(St13)。この出力基準値Viはシートの有無を検出可能な限度出力値として予め設定され、RAM47などの記憶手段に記憶されている。比較後の第1出力値Vout1は、A/D変換され、記憶手段に記憶される(St14)。
次に制御手段40は第2タイマアップで第2出力値Vout2を取得する(St15,St16)。第2出力値Vout2は、増幅器43で増幅され、第2コンパレータ48で比較する(St17)。このとき、第1出力値Vout1は、記憶手段47から読み出されD/Aコンバータ49で変換され、第2コンパレータ48に送られる。
次いで制御手段40は、第1、第2出力値を比較して、第1出力値より第2出力値が標準の出力値に近い[(Vout1<Vout2)出力値は回復されている]ときには回復可能と判断する。そして制御手段40は後述する処置動作を実行する(St18)。
「ケース2」(検出点をシートが通過する前に第1出力値、通過後に第2出力値を取得する)
制御手段40は、搬送経路9を移動するシートを受光素子で監視する。制御手段40は例えば排紙指示信号を基準にタイマーを作動し(St19)、第1タイマアップでその時の受光素子16aの出力値を第1出力値Vout1として取得する(St20,St21)。この第1タイマアップ時間は、シート先端が搬送経路9の検出点Spに到達する前に設定されている。
上記第1出力値Vout1は、増幅器43で増幅され、出力基準値Viと第1コンパレータ44で比較する(St22)。この出力基準値Viはシートの有無を検出可能な限度出力値として予め設定され、RAM47などの記憶手段に記憶されている。比較後の第1出力値Vout1は、 A/D変換され、記憶手段に記憶される(St23)。
ついで制御手段40は、受光素子16aの出力値を監視し、所定のレベルから出力値Voutが(出力ゼロ又はその近くに)立ち下がるのを検知し、シート先端が検出点に到達したことを検知する(St24)。引き続き制御手段40は出力値を監視し、出力値Voutが所定レベルに立ち上がるのを検知しシート後端が検出点Spを通過したことを検知する(St25)。
次に制御手段40は第2タイマアップで第2出力値Vout2を取得する(St26、St27)。第2出力値Vout2は、増幅器43で増幅され、第2コンパレータ48で比較する(St28)。このとき、第1出力値は、記憶手段47から読み出されD/Aコンバータ49で変換され、第2コンパレータ48に送られる。
次いで制御手段40は、第1、第2出力値を比較して、第1出力値より第2出力値が低いとき[(Vout1>Vout2)]のときには回復可能と判断する。これはシートを搬送する前の第1出力値と比較して搬送後の第2出力値を示すこととなり搬送によって検出面に「曇りが生じた」か、或いは「シート搬送で生じた静電気によって塵埃が付着した」とみなすことができる。このような要因のときには、「時間の経過」或いは「検出面のクリーニング」で解消する。そこで制御手段は後述する処置動作を実行する(St29)。
「ケース3」(検出点にシートが到達する前に、第1第2出力値を取得する)
制御手段40は、搬送手段14を作動させて経路内にシートを搬送する。そしてセンサ(Se1、Se2)を監視する。
制御手段40は例えば排紙指示信号を基準にタイマーを作動し(St30)、第1タイマアップで、その時の受光素子16aの出力値を第1出力値Vout1として取得する(St31,St32)。上記第1出力値Vout1は、増幅器43で増幅され、出力基準値Viと第1コンパレータ44で比較する(St33)。この出力基準値Viはシートの有無を検出可能な限度出力値として予め設定され、RAM47などの記憶手段に記憶されている。比較後の第1出力値Vout1は、 A/D変換され、記憶手段に記憶する(St34)。
次いで、制御手段40は第2タイマアップで第2出力値を取得する(St35、St36)。第2出力値Vout2は、増幅器43で増幅され、第1出力値Vout1と第2コンパレータ48で比較する(St37)。このとき、第1出力値は、記憶手段47から読み出されD/Aコンバータ49で変換され、第2コンパレータ48に送られる(St38)。この第2タイマアップ時間は、シート先端が搬送経路9の検出点Spに到達する前に設定されている。
そして制御手段40は、受光素子の出力値を監視し、所定のレベルから出力値Voutが(出力ゼロ又はその近くに)立ち下がるのを検知し、シート先端が検出点に到達したことを検知する(St39)。引き続き制御手段40は出力値を監視し、出力値Voutが所定レベルに立ち上がるのを検知しシート後端が検出点を通過したことを検知する(St40)。
次に制御手段は40は、第1、第2出力値を比較して、第1出力値より第2出力値が標準の出力値に近い[(Vout1<Vout2)出力値は回復されている]ときには回復可能と判断する。そして制御手段は後述する処置動作を実行する(St41)。
[出力値の改善処置]
制御手段40は、上記ケース1、ケース2 、ケース3においてセンサ出力値が回復可能と判断したときには、前述した「搬送経路の光減衰要因を解消する処置」を施す。
7 搬入口
9 搬送経路
13a 上部ペーパーガイド
13b 下部ペーパーガイド
14 搬送手段
15 発光部
15a 発光素子
16 受光部
16a 受光素子
18 発光部(異なる実施例)
18a 発光素子
19 受光部(異なる実施例)
19a 受光素子
20 リフレクター
21 発光部(異なる実施例)
21a 発光素子
22 受光部(異なる実施例)
22a 受光素子
24 光偏向部材
30 冷却手段
34 冷却手段
35 エアブロー機構
38 ワイパー機構

Claims (8)

  1. ートを案内する搬送経路と、
    光を照射する発光部と、
    前記搬送経路を挟んで前記発光部と対向して設けられ、前記発光部から照射された光を受ける受光部と、
    前記受光部により受けた光を光電変換し、電気量または電圧として出力値を示す変換部と、
    前記変換部の基準出力値を予め記憶する記憶手段と、
    前記変換部により示される前記出力値の変化により前記搬送路に案内される前記シートの後端を検出する検出部と、
    前記シートの後端検出後の所定のタイミングで前記発光部が照射し前記受光部が受けた光を前記変換部が光電変換した第1出力値が前記記憶手段に記憶された前記基準出力値よりも小さく且つ前記所定のタイミングから所定時間後に前記発光部が照射し前記受光部が受けた光を前記変換部が光電変換した第2出力値が前記第1出力値よりも大きい場合、前記第2出力値が示された後に前記変換部により示される出力値を前記基準出力値に近づけるための回復処理を実施する回復処理手段と、を備えたシート搬送機構。
  2. 前記発光部または前記受光部を冷却する冷却手段を更に備え、
    前記回復処理手段は、前記発光部または前記受光部を冷却して前記回復処理を実施すべく、前記冷却手段を制御する制御部を有する請求項1記載のシート搬送装置。
  3. 前記発光部または前記受光部から付着物を払拭する払拭手段を更に備え、
    前記回復処理手段は、前記発光部または前記受光部から付着物を払拭して前記回復処理を実施すべく、前記払拭手段を制御する制御部を有する請求項1記載のシート搬送装置。
  4. 記回復処理手段は、前記回復処理を実施すべく、後続シートの搬送を待機させる請求項1記載のシート搬送装置。
  5. 前記記憶手段は、前記第1出力値を記憶しており
    前記回復処理手段は、前記変換部が光電変換した前記第2出力値と前記記憶手段から読み出した前記第1出力値とを比較するコンパレータと、
    を有する請求項1に記載のシート搬送機構。
  6. 前記回復処理手段は、前記第1出力値から前記第2出力値に第1の出力値差分増えた場合より、前記第1出力値から前記第2出力値に前記第1の出力値差を超えた第二の出力値差分増えた場合の方が、後続シートの搬送を待機させる時間を短くする、請求項4に記載のシート搬送機構。
  7. 前記冷却手段は、冷却ファン、冷却フィン、ペルチェ素子、エアブロー機構の一つで構成される請求項2に記載のシート搬送機構。
  8. 前記払拭手段は、前記シートが通過する前記発光部若しくは前記受光部の表面のワイパー機構で構成される請求項3に記載のシート搬送機構。
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