JP6566586B2 - 金属−セラミックス回路基板およびその製造方法 - Google Patents

金属−セラミックス回路基板およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6566586B2
JP6566586B2 JP2018075821A JP2018075821A JP6566586B2 JP 6566586 B2 JP6566586 B2 JP 6566586B2 JP 2018075821 A JP2018075821 A JP 2018075821A JP 2018075821 A JP2018075821 A JP 2018075821A JP 6566586 B2 JP6566586 B2 JP 6566586B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
circuit board
circuit
ceramic
circuit pattern
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018075821A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018125557A (ja
Inventor
悟 井手口
悟 井手口
小山内 英世
英世 小山内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dowa Metaltech Co Ltd
Original Assignee
Dowa Metaltech Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dowa Metaltech Co Ltd filed Critical Dowa Metaltech Co Ltd
Priority to JP2018075821A priority Critical patent/JP6566586B2/ja
Publication of JP2018125557A publication Critical patent/JP2018125557A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6566586B2 publication Critical patent/JP6566586B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ceramic Products (AREA)
  • Structure Of Printed Boards (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Circuit Boards (AREA)

Description

本発明は、セラミックス基板に金属回路板が接合した金属−セラミックス回路基板およびその製造方法に関し、特に、パワーモジュールなどに使用される金属−セラミックス回路基板およびその製造方法に関する。
従来、パワーモジュールなどに使用される金属−セラミックス回路基板の製造方法として、金属溶湯をセラミックス基板上に流し込んだ後に冷却して固化させることによりセラミックス基板に金属板を接合し、その後、スクリーン印刷などにより所望の回路パターン形状のエッチングレジストを印刷し、エッチング処理を行って回路パターンを形成した後、エッチングレジストを剥離することにより、所望の回路パターンの金属回路板を有する金属−セラミックス回路基板を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、パワーモジュールなどに使用する金属−セラミックス回路基板では、金属回路板の厚さが数100μm以上もあり、通常の紙やガラスエポキシなどを絶縁材として使用するプリント回路基板の金属回路板の厚さの数十倍の厚さであるため、特許文献1に開示された方法では、エッチング処理により形成されるスカートの長さやサイドエッチング量が大きくなるという問題がある。特に、金属回路板の厚さが0.4mm以上で隣接する回路パターンの互いに対向する側面間の距離よりも大きくなると、金属板の厚さ方向と金属板の側面のエッチングレートの相違などにより、回路パターンのトップ(半導体などのチップが搭載される上面)とボトム(セラミックス基板と接触する底面)の寸法差が大きくなり、所望の寸法の回路パターンを得ることができなくなる。また、金属回路板が厚くなるほどエッチング処理時間が長くなり、工数が増えてコストが増大するとともに、エッチングレジストの耐性にも注意しなければならなくなる。
このような従来の問題を解消するため、金属溶湯をセラミックス基板に接触させた後に冷却して固化させることによってセラミックス基板に接合する回路用金属板の形状を予め回路パターンに類似した形状にすることにより、回路用金属板をエッチング処理して所望の回路パターンの金属回路板を形成する際のエッチング処理時間を短縮することができるとともに、回路用金属板が厚い場合でもファインパターンを形成することができる、金属−セラミックス回路基板の製造方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)
特開2002−76551号公報(段落番号0030、0048) 特開2005−93965号公報(段落番号0006−0007)
近年、金属回路板の厚さを1mm以上とさらに厚くしたり、エッチング処理により形成されるスカートの長さをさらに短くして面積を小さくした金属−セラミックス回路基板が望まれている。
しかし、特許文献2の方法では、セラミックス基板に接合した回路用金属板の上面の回路パターンに略対応する所定の部分にエッチングレジストを印刷してエッチング液によりエッチング処理を行っており、金属回路板の厚さが1mm以上と厚くなると、エッチング処理の際にエッチング液に接触する金属回路板の側面の面積が大きくなり、回路パターンのトップとボトムの寸法差が大きくなって所望の寸法精度の回路パターンを得ることができなくなる。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、金属回路板が厚くても回路パターンのトップとボトムの寸法差が小さく、所望の寸法精度の回路パターンの金属回路板がセラミックス基板に接合した金属−セラミックス回路基板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、回路パターンに類似した形状になり且つ回路パターンに略対応する部分以外の厚さが回路パターンに略対応する部分の厚さより薄くなるように形成した金属板をセラミックス基板に接合し、金属板の略全面にレジストを塗布した後、金属板の回路パターンに略対応する部分以外の部分の表面に塗布されたレジストの少なくとも一部を除去し、エッチング処理により金属板の回路パターンに略対応する部分以外の部分を除去することにより、金属回路板が厚くても回路パターンのトップとボトムの寸法差が小さく、所望の寸法精度の回路パターンの金属回路板がセラミックス基板に接合した金属−セラミックス回路基板を製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明による金属−セラミックス回路基板の製造方法は、回路パターンに類似した形状になり且つ回路パターンに略対応する部分以外の厚さが回路パターンに略対応する部分の厚さより薄くなるように形成した金属板をセラミックス基板に接合し、金属板の略全面にレジストを塗布した後、金属板の回路パターンに略対応する部分以外の部分の表面に塗布されたレジストの少なくとも一部を除去し、エッチング処理により金属板の回路パターンに略対応する部分以外の部分を除去することを特徴とする。
この金属−セラミックス回路基板の製造方法において、金属板とセラミックス基板との接合を、金属溶湯をセラミックス基板の一方の面に接触させた後に冷却して固化させて金属板を形成することにより行うのが好ましい。また、金属板とセラミックス基板との接合を、セラミックス基板と略等しい形状および大きさのセラミックス基板収容部とこのセラミックス基板収容部に隣接する金属板形成部が内部に形成された鋳型を使用して、この鋳型のセラミックス基板収容部にセラミックス基板を収容し、このセラミックス基板の一方の面に接触するように金属溶湯を金属板形成部内に注湯した後に冷却して固化させて金属板を形成することにより行うのが好ましい。この場合、金属板形成部が、金属回路板の回路パターンに類似し且つ回路パターンに略対応する部分以外の深さを回路パターンに略対応する部分の深さよりも浅くした形状を有するのが好ましい。また、金属溶湯をセラミックス基板の一方の面に接触させる際に、金属溶湯をセラミックス基板の他方の面に接触させ、冷却して固化させることにより金属部材を形成してセラミックス基板の他方の面に接合してもよい。また、金属溶湯がアルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯であるのが好ましい
また、上記の金属−セラミックス回路基板の製造方法において、エッチング処理前のレジストの除去をレーザー加工により行うのが好ましい。また、エッチング処理により金属板の回路パターンに略対応する部分以外の部分を除去する際に、金属板の回路パターンに対応する部分のレジストで覆われていない部分に湾曲して抉れた凹部を形成するのが好ましい。また、金属板の回路パターンに略対応する部分の厚さが0.4mm以上であるのが好ましい。
また、本発明による金属−セラミックス回路基板は、セラミックス基板の一方の面に金属回路板が接合し、この金属回路板の隣接する回路パターンの互いに対向する側面の下側部分に、回路パターンの側面の長手方向に延び且つ回路パターンの側面の内側に湾曲するように抉れた凹部が形成されていることを特徴とする。
この金属−セラミックス回路基板において、回路パターンの厚さが0.4mm以上であるのが好ましく、凹部の上端から回路パターンの上面までの高さが0.1mm以上であるのが好ましい。また、凹部の高さが0.25mm以上であるのが好ましく、凹部の深さが0.05mm以上であるのが好ましい。また、隣接する回路パターンのトップ間の距離とそのボトム間の距離との差が0.5mm未満であるのが好ましく、隣接する回路パターンのボトム間の距離に対する回路パターンの厚さの比が0.3以上であるのが好ましい。
本発明によれば、金属回路板が厚くても回路パターンのトップとボトムの寸法差が小さく、所望の寸法精度の回路パターンの金属回路板がセラミックス基板に接合した金属−セラミックス回路基板を製造することができる。
また、金属溶湯をセラミックス基板の一方の面に接触させた後に冷却して固化させることにより金属板を形成してセラミックス基板の一方の面に接合し、この金属板の表面にレジストを塗布してエッチング処理により所望の回路パターンの金属回路板を形成して金属−セラミックス回路基板を製造する場合には、金属回路板が厚い場合でもファインパターンを形成することができるとともに、エッチング処理時間を大幅に短縮することができる。
本発明による金属−セラミックス回路基板の製造方法の実施の形態に使用する鋳型の下側鋳型部材を示す平面図である。 図1AのIB−IB線断面図である。 図1Bの一部拡大図である。 本発明による金属−セラミックス回路基板の製造方法の実施の形態により得られた金属−セラミックス接合基板を示す断面図である。 本発明による金属−セラミックス回路基板の製造方法の実施の形態の製造工程を示す断面図であり、図2の金属−セラミックス接合基板の隣接する回路パターンの互いに対向する側面間の部分を拡大して、セラミックス基板の一方の面に回路用金属板を接合し、他方の面に金属ベース板を接合する工程を説明する図である。 本発明による金属−セラミックス回路基板の製造方法の実施の形態の製造工程を示す断面図であり、図2の金属−セラミックス接合基板の隣接する回路パターンの互いに対向する側面間の部分を拡大して、回路用金属板の略全面にエッチングレジストを形成する工程を説明する図である。 本発明による金属−セラミックス回路基板の製造方法の実施の形態の製造工程を示す断面図であり、図2の金属−セラミックス接合基板の隣接する回路パターンの互いに対向する側面間の部分を拡大して、エッチングレジストの一部を除去する工程を説明する図である。 本発明による金属−セラミックス回路基板の製造方法の実施の形態の製造工程を示す断面図であり、図2の金属−セラミックス接合基板の隣接する回路パターンの互いに対向する側面間の部分を拡大して、エッチング処理により回路用金属板の不要部分を除去して金属回路板形成する工程を説明する図である。 本発明による金属−セラミックス回路基板の製造方法の実施の形態の製造工程を示す断面図であり、図2の金属−セラミックス接合基板の隣接する回路パターンの互いに対向する側面間の部分を拡大して、エッチングレジストを剥離する工程を説明する図である。 本発明による金属−セラミックス回路基板の製造方法の実施の形態の製造工程の変形例を示す断面図であり、図2の金属−セラミックス接合基板の隣接する回路パターンの互いに対向する側面間の部分を拡大して、エッチングレジストの一部を除去する工程を説明する図である。 本発明による金属−セラミックス回路基板の製造方法の実施の形態の製造工程の変形例を示す断面図であり、図2の金属−セラミックス接合基板の隣接する回路パターンの互いに対向する側面間の部分を拡大して、エッチング処理により回路用金属板の不要部分を除去して金属回路板形成する工程を説明する図である。 本発明による金属−セラミックス回路基板の製造方法の実施の形態の製造工程の変形例を示す断面図であり、図2の金属−セラミックス接合基板の隣接する回路パターンの互いに対向する側面間の部分を拡大して、エッチングレジストを剥離する工程を説明する図である。 本発明による金属−セラミックス回路基板の製造方法の実施の形態の製造工程の他の変形例を示す断面図であり、図2の金属−セラミックス接合基板の隣接する回路パターンの互いに対向する側面間の部分を拡大して、エッチングレジストの一部を除去する工程を説明する図である。 本発明による金属−セラミックス回路基板の実施の形態を説明する図である。
以下、添付図面を参照して、本発明による金属−セラミックス回路基板の製造方法の実施の形態について説明する。
まず、鋳型内にセラミックス基板を設置し、金属溶湯を流し込んで冷却して固化させることにより、セラミックス基板の一方の面金属ベース板が接合するとともに、他方の面に回路用金属板が接合した金属−セラミックス接合基板を製造する。
この金属−セラミックス接合基板の製造に使用する鋳型の下側鋳型部材の例を図1A〜図1Cに示す。図1Aおよび図1Bに示すように、下側鋳型部材100は、平面形状が略矩形の底面部100aと、この底面部100aの周縁部から垂直方向上方に向かって延びる側壁部100bとからなる。この下側鋳型部材100の底面部100aの上面には、階段状の側壁を有する1つまたは複数(図1Aおよび図1Bでは2つを示す)凹部100cが形成されている。これらの凹部100cの各々は、金属回路板の回路パターンに類似した平面形状で且つ金属回路板の厚さと略等しい深さの1つまたは複数(図1Aおよび図1Bでは1つを示す)の回路用金属板形成部100dと、この回路用金属板形成部100dの上部に隣接して形成され、セラミックス基板と略等しい形状および大きさの1つまたは複数(図1Aおよび図1Bでは1つを示す)のセラミックス基板収容部100eとからなる。回路用金属板形成部100dは、図1Cに示すように、隣接する回路パターンの互いに対向する側面間の部分の深さが金属回路板の回路パターンに略対応する部分の深さよりdだけ浅くなっている。この下側鋳型部材100の上部に平面形状が略矩形の(図示しない)上側鋳型を被せることによって内部に画定される空間のうち、下側鋳型部材100の凹部100cを除いた部分は、金属ベース板形成部100fである。なお、上側鋳型には、金属溶湯を鋳型内に注湯するための(図示しない)注湯口が形成されている。また、下側鋳型部材100には、金属ベース板形成部100fと回路用金属板形成部100dとの間に延びる(図示しない)溶湯流路が形成され、セラミックス基板収容部100e内にセラミックス基板を収容したときにも金属ベース板形成部100fと回路用金属板形成部100dとの間が連通するようになっている。
この鋳型の下側鋳型部材100のセラミックス基板収容部100e内にセラミックス基板を収容した後、金属ベース板形成部100f内に(アルミニウムまたはアルミニウム合金などの)金属溶湯を注湯し、(図示しない)溶湯流路を介して回路用金属板形成部100dまで金属溶湯を充填し、その後、冷却して金属溶湯を固化させること(所謂溶湯接合法)により、図2および図3Aに示すようなセラミックス基板10の一方の面に金属ベース板14が直接接合するとともに、他方の面に回路パターンに類似した形状であり且つ回路パターンに略対応する部分以外の部分の厚さが回路パターンに略対応する部分の厚さよりも薄い回路用金属板12が直接接合した一体の金属−セラミックス接合基板が得られる。
次に、図3Bに示すように、スプレーコート、ディップ、電着レジストコーティングなどにより、回路用金属板12の全面(回路用金属板12の上面および側面の全面、すなわち、回路用金属板12の回路パターンに略対応する部分の上面および側面と隣接する回路パターンの互いに対向する側面間の部分(溝部)の底面の全面)を覆うようにエッチングレジスト16を塗布する。
次に、図3Cに示すように、隣接する回路パターンの互いに対向する側面間の部分(溝部)の底面を覆うエッチングレジスト16の部分のみをレーザー照射(レーザー加工)により除去した後に、図3Dに示すように、塩化第二鉄溶液などのエッチング液によってエッチング処理を行って回路用金属板12の不要部分を除去することにより、所望の回路パターンの金属回路板12を形成する。このエッチング処理の際に(好ましくはオーバーエッチングにすることにより)、隣接する回路パターンの互いに対向する側面の下側部分に、回路パターンの側面の長手方向に沿って延び且つ回路パターンの側面の内側に湾曲するように抉れた凹部(抉れ部)12aが形成される。
次に、エッチングレジスト16を剥離することにより、図3Eに示すように、所望の回路パターンの金属回路板12を有する金属−セラミックス回路基板が得られる。なお、必要に応じて、金属回路板12の表面にNiめっきなどを施してもよい。
また、図4Aに示すように、隣接する回路パターンの互いに対向する側面間の部分の底面の幅より少し狭い部分を覆うエッチングレジスト16の部分をレーザー照射により除去してもよい。この場合、図4Bおよび図4Cに示すように、エッチング処理により図3Dに示す抉れ部12aより小さい抉れ部12aを形成することができる。
また、図5に示すように、隣接する回路パターンの互いに対向する側面間の部分の底面の他、回路パターンの互いに対向する側面の下側部分を覆うエッチングレジスト16の部分をレーザー照射により除去してもよい。
本発明による金属−セラミックス回路基板の実施の形態では、図6に示すように、セラミックス基板10の一方の面に金属回路板12が接合し、この金属回路板12の隣接する回路パターンの互いに対向する側面の下側部分に、回路パターンの側面の長手方向に延び且つ回路パターンの側面の内側に湾曲するように抉れた凹部(抉れ部)12aが形成されている。
この金属−セラミックス回路基板の金属回路板12の厚さをT、抉れ部12aの高さをh、抉れ部12aの上端から金属回路板12の上面までの高さをh、回路パターンのボトム間の距離(絶縁距離)をD、隣接する回路パターンのトップ間の距離をD、抉れ部12aの深さをdとすると、回路パターンの厚さTは、好ましくは0.4mm以上、さらに好ましくは0.6mm以上、最も好ましくは1mm以上であり、抉れ部12aの高さhは、好ましくは0.25mm以上、抉れ部12aの上端から回路パターンの上面までの高さhは、好ましくは0.1mm以上、さらに好ましくは0.2mm以上、最も好ましくは0.3mm以上であり、抉れ部12aの深さdは、好ましくは0.05mm以上、隣接する回路パターンのトップ間の距離Dとそのボトム間の距離Dとの差|D−D|は、好ましくは0.5mm未満、さらに好ましくは0.3mm未満であり、隣接する回路パターンのボトム間の距離Dに対する回路パターンの厚さTの比T/Dは、好ましくは0.3以上、さらに好ましくは0.8以上、さらに好ましくは1以上、最も好ましくは2以上である。
金属−セラミックス回路基板を使用してパワーモジュールを作製する場合、金属−セラミックス回路基板のセラミックス基板の一方の面に接合した金属回路板に半導体チップや電子部品を搭載した後、絶縁樹脂によりモールド封止している。このようなパワーモジュールを振動が大きい(車載などの)環境や高熱環境で使用した際に、金属−セラミックス回路基板からモールド樹脂が剥がれて故障することを防止するため、従来では、セラミックス基板の他方の面に接合した金属ベース板の表面や側面に凹部や凸部を形成して、金属−セラミックス回路基板とモールド樹脂の密着性を向上させている。しかし、このような金属ベース板の表面や側面の凹部や凸部は、金属ベース板のないベースレスのモジュール構造には適用することができず、また、別工程で形成する必要があり、コスト高となる。一方、本発明による金属−セラミックス回路基板の実施の形態は、金属回路板12の側面に形成された抉れ部12aにより、モールド樹脂との密着性を向上させることができるので、金属ベース板のないベースレスのモジュール構造にも適用することができ、また、抉れ部12aを別工程で形成する必要がなく、低コストで作製することができる。
以下、本発明による金属−セラミックス回路基板およびその製造方法の実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
下側鋳型部材の底面に、回路パターンに略対応する部分の厚さが0.8mmであり、隣接する回路パターンの互いに対向する側面間の部分の厚さが0.3mmであり且つそれらの間隔(隣接する回路パターンの互いに対向する側面間の部分(溝部)の底面の幅)が2mmである回路用金属板と略等しい形状および大きさの凹部である回路用金属板形成部が形成され、この回路用金属板形成部の上部に隣接して、71mm×70mm×0.6mmの大きさのセラミックス基板と略等しい形状および大きさの凹部であるセラミックス基板収容部が形成され、このセラミックス基板収容部の上部に隣接して、金属ベース板形成部が形成され、金属ベース板形成部と回路用金属板形成部との間に延びる溶湯流路が形成された(図1A〜図1Cに示す鋳型100と同様の形状の)カーボン製の鋳型を用意した。
この鋳型の下側鋳型部材のセラミックス基板収容部内に71mm×70mm×0.6mmの大きさの窒化アルミニウム基板を収容し、上側鋳型を被せて密閉した後、溶湯口から金属ベース板形成部内にアルミニウム溶湯を注湯し、溶湯流路を介して回路用金属板形成部まで金属溶湯を充填し、その後、冷却して金属溶湯を固化させることにより、図2および図3Aに示すように、セラミックス基板10の一方の面に金属ベース板14が直接接合するとともに、他方の面に回路パターンに類似した形状の回路用金属板12が直接接合した一体の金属−セラミックス接合基板を得た。
次に、図3Bに示すように、回路用金属板12の全面(回路用金属板12の回路パターンに略対応する部分の上面および側面と隣接する回路パターンの互いに対向する側面間の部分(溝部)の底面の全面)を覆うようにスプレーコートによりエッチングレジスト16を塗布した。
次に、図4Aに示すように、隣接する回路パターンの互いに対向する側面間の部分(溝部)の底面の幅(2mm)より少し狭い部分(底面の中央の幅1.6mmの部分)を覆うエッチングレジスト16の部分のみをレーザー加工により除去した後に、図4Bに示すように、塩化第二鉄溶液によってオーバーエッチングになるようにエッチング処理を行って回路用金属板12の不要部分を除去することにより、所望の回路パターンの金属回路板12を形成するとともに、隣接する回路パターンの互いに対向する側面の下側部分に、回路パターンの側面の長手方向に沿って延び且つ回路パターンの側面の内側に湾曲するように抉れた凹部(抉れ部)12aを形成した。
次に、エッチングレジスト16を剥離して、図4Cに示すように、所望の回路パターンの金属回路板12を有する金属−セラミックス回路基板を得た。
このようにして得られた金属−セラミックス回路基板の金属回路板12は、金属回路板12の厚さTが0.8mm、抉れ部12aの高さhが0.4mm、抉れ部12aの上端から金属回路板12の上面までの高さhが0.4mm、隣接する回路パターンのボトム間の距離(絶縁距離)Dが2.2mm、そのトップ間の距離Dが2.2mm、抉れ部12aの深さdが0.08mmであり、|D−D|=0、T/D=0.36であった。
[実施例2]
オーバーエッチングにならないように適度にエッチング処理を行った以外は、実施例1と同様の方法により、金属−セラミックス回路基板を得た。
本実施例で得られた金属−セラミックス回路基板の金属回路板12は、金属回路板12の厚さTが0.8mm、抉れ部12aの高さhが0.3mm、抉れ部12aの上端から金属回路板12の上面までの高さhが0.5mm、隣接する回路パターンのボトム間の距離(絶縁距離)Dが2mm、そのトップ間の距離Dが2.2mm、抉れ部12aの深さdが0.06mmであり、|D−D|=0.2、T/D=0.40であった。
[実施例3]
回路パターンに略対応する部分の厚さが0.4mmであり、隣接する回路パターンの互いに対向する側面間の部分の厚さが0.2mmであり且つそれらの間隔(隣接する回路パターンの互いに対向する側面間の部分(溝部)の底面の幅)が0.3mmである回路用金属板と略等しい形状および大きさの凹部である回路用金属板形成部が底面に形成された下側鋳型部材を使用し、隣接する回路パターンの互いに対向する側面間の部分(溝部)の底面の幅(0.3mm)より狭い部分(底面の中央の幅0.1mmの部分)を覆うエッチングレジスト16の部分のみをレーザー加工により除去した以外は、実施例1と同様の方法により、金属−セラミックス回路基板を得た。
本実施例で得られた金属−セラミックス回路基板の金属回路板12は、金属回路板12の厚さTが0.4mm、抉れ部12aの高さhが0.3mm、抉れ部12aの上端から金属回路板12の上面までの高さhが0.1mm、隣接する回路パターンのボトム間の距離(絶縁距離)Dが0.5mm、そのトップ間の距離Dが0.5mm、抉れ部12aの深さdが0.07mmであり、|D−D|=0、T/D=0.80であった。
[実施例4]
回路パターンに略対応する部分の厚さが0.4mmであり、隣接する回路パターンの互いに対向する側面間の部分の厚さが0.3mmであり且つそれらの間隔(隣接する回路パターンの互いに対向する側面間の部分(溝部)の底面の幅)が0.3mmである回路用金属板と略等しい形状および大きさの凹部である回路用金属板形成部が底面に形成された下側鋳型部材を使用し、隣接する回路パターンの互いに対向する側面間の部分(溝部)の底面の幅(0.3mm)より狭い部分(底面の中央の幅0.1mmの部分)を覆うエッチングレジスト16の部分のみをレーザー加工により除去した以外は、実施例2と同様の方法により、金属−セラミックス回路基板を得た。
本実施例で得られた金属−セラミックス回路基板の金属回路板12は、金属回路板12の厚さTが0.4mm、抉れ部12aの高さhが0.3mm、抉れ部12aの上端から金属回路板12の上面までの高さhが0.1mm、隣接する回路パターンのボトム間の距離(絶縁距離)Dが0.3mm、そのトップ間の距離Dが0.3mm、抉れ部12aの深さdが0.06mmであり、|D−D|=0、T/D=1.33であった。
[実施例5]
回路パターンに略対応する部分の厚さが1.1mmであり、隣接する回路パターンの互いに対向する側面間の部分の厚さが0.8mmであり且つそれらの間隔(隣接する回路パターンの互いに対向する側面間の部分(溝部)の底面の幅)が0.4mmである回路用金属板と略等しい形状および大きさの凹部である回路用金属板形成部が底面に形成された下側鋳型部材を使用し、隣接する回路パターンの互いに対向する側面間の部分(溝部)の底面の幅(0.4mm)より狭い部分(底面の中央の幅0.1mmの部分)を覆うエッチングレジスト16の部分のみをレーザー加工により除去した以外は、実施例1と同様の方法により、金属−セラミックス回路基板を得た。
本実施例で得られた金属−セラミックス回路基板の金属回路板12は、金属回路板12の厚さTが1.1mm、抉れ部12aの高さhが1mm、抉れ部12aの上端から金属回路板12の上面までの高さhが0.1mm、隣接する回路パターンのボトム間の距離(絶縁距離)Dが0.6mm、そのトップ間の距離Dが0.6mm、抉れ部12aの深さdが0.34mmであり、|D−D|=0、T/D=1.83であった。
[実施例6]
回路パターンに略対応する部分の厚さが2.1mmであり、隣接する回路パターンの互いに対向する側面間の部分の厚さが0.4mmであり且つそれらの間隔(隣接する回路パターンの互いに対向する側面間の部分(溝部)の底面の幅)が2mmである回路用金属板と略等しい形状および大きさの凹部である回路用金属板形成部が底面に形成された下側鋳型部材を使用し、隣接する回路パターンの互いに対向する側面間の部分(溝部)の底面の幅(2mm)より狭い部分(底面の中央の幅1.5mmの部分)を覆うエッチングレジスト16の部分のみをレーザー加工により除去した以外は、実施例1と同様の方法により、金属−セラミックス回路基板を得た。
本実施例で得られた金属−セラミックス回路基板の金属回路板12は、金属回路板12の厚さTが2.1mm、抉れ部12aの高さhが0.95mm、抉れ部12aの上端から金属回路板12の上面までの高さhが1.15mm、隣接する回路パターンのボトム間の距離(絶縁距離)Dが2.1mm、そのトップ間の距離Dが3mm、抉れ部12aの深さdが0.3mmであり、|D−D|=0.9、T/D=1.00であった。
[実施例7]
回路パターンに略対応する部分の厚さが2.1mmであり、隣接する回路パターンの互いに対向する側面間の部分の厚さが0.4mmであり且つそれらの間隔(隣接する回路パターンの互いに対向する側面間の部分(溝部)の底面の幅)が2mmである回路用金属板と略等しい形状および大きさの凹部である回路用金属板形成部が底面に形成された下側鋳型部材を使用し、隣接する回路パターンの互いに対向する側面間の部分(溝部)の底面の幅(2mm)より狭い部分(底面の中央の幅1.5mmの部分)を覆うエッチングレジスト16の部分のみをレーザー加工により除去した以外は、実施例2と同様の方法により、金属−セラミックス回路基板を得た。
本実施例で得られた金属−セラミックス回路基板の金属回路板12は、金属回路板12の厚さTが2.1mm、抉れ部12aの高さhが0.65mm、抉れ部12aの上端から金属回路板12の上面までの高さhが1.45mm、隣接する回路パターンのボトム間の距離(絶縁距離)Dが2.1mm、そのトップ間の距離Dが2.8mm、抉れ部12aの深さdが0.16mmであり、|D−D|=0.7、T/D=1.00であった。
10 セラミックス基板
12 回路用金属板(金属回路板)
12a 抉れ部
14 金属ベース板
16 エッチングレジスト
100 下側鋳型部材
100a 底面部
100b 側壁部
100c 凹部
100d 回路用金属板形成部
100e セラミックス基板収容部
100f 金属ベース板形成部

Claims (6)

  1. セラミックス基板の一方の面にアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる厚さ0.4mm以上の金属回路板が直接接合し、この金属回路板の隣接する回路パターンの互いに対向する側面が、金属回路板の上面に対して垂直な断面において直線状の側面であり、この側面の下側部分に、回路パターンの側面の長手方向に延び且つ回路パターンの側面の内側に湾曲するように抉れた凹部が形成され、隣接する回路パターンの互いに対向する側面の直線状の部分の上端間の距離がその直線状の部分の下端間の距離よりも大きいことを特徴とする、金属−セラミックス回路基板。
  2. 前記凹部の上端から前記回路パターンの上面までの前記側面の直線状の部分の高さが0.1mm以上であることを特徴とする、請求項に記載の金属−セラミックス回路基板。
  3. 前記凹部の高さが0.25mm以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の金属−セラミックス回路基板。
  4. 前記凹部の深さが0.05mm以上であることを特徴とする、請求項1乃至のいずれかに記載の金属−セラミックス回路基板。
  5. 前記隣接する回路パターンのトップ間の距離とそのボトム間の距離との差が0.5mm未満であることを特徴とする、請求項1乃至のいずれかに記載の金属−セラミックス回路基板。
  6. 前記隣接する回路パターンのボトム間の距離に対する前記回路パターンの厚さの比が0.3以上であることを特徴とする、請求項1乃至のいずれかに記載の金属−セラミックス回路基板。
JP2018075821A 2018-04-11 2018-04-11 金属−セラミックス回路基板およびその製造方法 Active JP6566586B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018075821A JP6566586B2 (ja) 2018-04-11 2018-04-11 金属−セラミックス回路基板およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018075821A JP6566586B2 (ja) 2018-04-11 2018-04-11 金属−セラミックス回路基板およびその製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014059648A Division JP6345957B2 (ja) 2014-03-24 2014-03-24 金属−セラミックス回路基板およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018125557A JP2018125557A (ja) 2018-08-09
JP6566586B2 true JP6566586B2 (ja) 2019-08-28

Family

ID=63110394

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018075821A Active JP6566586B2 (ja) 2018-04-11 2018-04-11 金属−セラミックス回路基板およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6566586B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60107889A (ja) * 1983-11-17 1985-06-13 松下電器産業株式会社 配線パタ−ンの形成方法
JPH01295487A (ja) * 1988-05-24 1989-11-29 Mitsubishi Electric Corp 厚板導体付プリント配線板の製造方法
JP4441671B2 (ja) * 2003-09-22 2010-03-31 Dowaメタルテック株式会社 金属−セラミックス接合回路基板の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018125557A (ja) 2018-08-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100396787B1 (ko) 반도체 패키지용 인쇄회로기판의 와이어 본딩패드 형성방법
KR20120005383A (ko) 배선 기판 및 배선 기판 제조 방법
JP4441671B2 (ja) 金属−セラミックス接合回路基板の製造方法
US6815249B2 (en) Surface-mount device and method for manufacturing the surface-mount device
US6796027B2 (en) Method of manufacturing printed wiring board
JP6345957B2 (ja) 金属−セラミックス回路基板およびその製造方法
JP6517942B2 (ja) 多数個取り配線基板、配線基板および多数個取り配線基板の製造方法
JPH0936432A (ja) 横発光型ledおよびその製造方法
JP6566586B2 (ja) 金属−セラミックス回路基板およびその製造方法
JP2009064806A (ja) 回路基板及びその製造方法並びに半導体モジュール
US20160295692A1 (en) Printed wiring board and method for manufacturing the same
JP2008098662A (ja) 金属−セラミックス接合回路基板の製造方法
JP5247415B2 (ja) 多数個取り配線基板および配線基板ならびに電子装置
US20050051905A1 (en) Semiconductor component having a plastic housing and methods for its production
JP2004343072A (ja) 多数個取り配線基板
JP3858396B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP2001291729A (ja) 半導体素子の孔版印刷樹脂封止方法、及び該方法に用いる孔版及びスキージ
JP3918566B2 (ja) 半導体装置及びその製造方法
JP2022133504A (ja) プリント配線板
JP2011014615A (ja) センサ装置およびその製造方法
JP2006049537A (ja) 三次元回路基板の製造方法及び電子デバイス
JP2739123B2 (ja) 電子部品搭載用基板の製造方法
JPH0237756A (ja) 放熱板付半導体装置
JP2005285866A (ja) 多数個取り配線基板
JP2007173630A (ja) 多数個取り配線基板

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180411

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180411

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181119

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181122

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181226

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190107

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190402

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190520

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190725

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190729

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6566586

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250