JP6565795B2 - 表示装置 - Google Patents

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本発明は、車両に搭載され、車外の情報を車室内に配置された複数の表示器に表示する表示装置に関する。
上述した表示装置の一例として、電子ミラー装置を挙げることができる。電子ミラー装置では、インストルメントパネルの左右両側にそれぞれ表示器が配置されており、右側つまり運転席側に配置された表示器に車両の後方右側の情報が表示され、左側つまり助手席側に配置された表示器に車両の後方左側の情報が表示される。つまり、この場合、2つの表示器のそれぞれに車外の情報が表示される。
特開2011−075765号公報
車両の左右における明るさは、特に夜間において大きく異なる場合がある。例えば、車両の左側に明かりのついた建物や街灯などがあるとともに、車両の右側の対向車線に対向車が存在しないときには、車両の左側が右側よりも明るくなる。また、車両の左側に建物や街灯などが存在しないとともに、ライトを点灯した対向車が存在するときには、車両の右側が左側より明るくなる。そして、人間の比視感度のピークは、明るさによって変化することが知られている。そのため、車両の左右における明るさが異なる場合、電子ミラーを見るユーザが、左右の表示器に表示される映像に違和感を覚えてしまうおそれがある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、表示された映像についてユーザに違和感を与えることを防止できる表示装置を提供することにある。
請求項1に記載の表示装置(1)は、車両(15)に搭載され、車外の情報を車室(10)内に配置された複数の表示器(2、3)に表示するもので、環境明るさ検出部(6、7)、表示明るさ検出部(16)および調整部(16)を備える。環境明るさ検出部は、表示器の周辺環境の明るさである環境明るさを検出する。表示明るさ検出部は、表示器の表示の明るさである表示明るさを検出する。調整部は、検出された環境明るさが変化すると、その変化に応じて、複数の表示器のホワイトバランスおよび輝度レベルの調整を、表示器毎に独立して行うとともに、検出された表示明るさが変化すると、その変化に応じて、複数の表示器のホワイトバランスおよび輝度レベルの調整を、表示器毎に独立して行う
このような構成によれば、複数の表示器のそれぞれについて、表示器が配置された箇所の明るさに合致した最適なホワイトバランスおよび輝度レベルに調整することができる。したがって、複数の表示器が配置された箇所の明るさが互いに異なる場合でも、ユーザは各表示器に表示された映像について違和感を覚えることはない。つまり、上記構成によれば、表示された映像についてユーザに違和感を与えることを防止することができる。
第1実施形態に係る電子ミラー装置の概略構成を模式的に示すブロック図 電子ミラー装置が設けられた車両の車室内を模式的に示す斜視図 暗所視および明所視における標準比視感度を示す図 補正処理の内容を模式的に示すフローチャート 第2実施形態に係る補正処理の内容を模式的に示すフローチャート
以下、本発明の複数の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について図1〜図4を参照して説明する。
図1に示すように、表示装置に相当する電子ミラー装置1は、表示器2、3、カメラ4、5、照度センサ6、7、位置検出器8および画像処理部9を備えている。表示器2、3は、例えば有機ELディスプレイなどから構成されており、車外の情報を表示する。
図2に示すように、表示器2、3は、車室10内においてインストルメントパネル11の左右両側に設けられている。すなわち、表示器2、3は、センターコンソール12を挟んだ運転席13側と助手席(図示略)側とに分けて、左右方向の端部に配置されている。表示器2には、助手席側のサイドミラー(図示略)から得られる情報と同様の情報、つまり車両の後方左側の情報が表示される。表示器3には、運転席側のサイドミラー14から得られる情報と同様の情報、つまり車両の後方右側の情報が表示される。
カメラ4、5は、それぞれ表示器2、3に表示させるための画像を撮像するためのものであり、車室10外において左右両側ドアの周辺に設けられている。すなわち、カメラ4、5は、運転席13側と助手席側とに分けて、車室10外に配置されている。カメラ4、5は、車両15の側方から後方を撮影して表示器2、3に表示するための画像、つまり電子ミラー画像を生成する。
照度センサ6は、表示器2の近傍に配置されており、表示器2の周辺環境の照度を検出する。照度センサ7は、表示器3の近傍に配置されており、表示器3の周辺環境の照度を検出する。なお、上記した周辺環境の照度は、周辺環境の明るさである環境明るさに相当する。位置検出器8は、例えばGPSなどにより構成されており、車両15の位置を検出する。位置検出器8は、車両15が例えばトンネルなどの構造物に進入したこと、および構造物から退出したことを検出する進退検出部に相当する。
画像処理部9は、電子制御装置16(以下、ECU16と呼ぶ)およびメモリ17を備えている。ECU16は、カメラ4、5から与えられる映像信号に基づいて輝度データ解析を行う。ECU16は、その輝度データ解析により、表示器2、3に表示する映像の輝度レベルを取得する。なお、上記した輝度レベルは、表示の明るさである表示明るさに相当する。また、ECU16は、表示明るさを検出する表示明るさ検出部に相当する。
また、ECU16は、照度センサ6、7から与えられる照度の検出信号に基づいて照度解析を行う。ECU16は、その照度解析により、表示器2、3の周辺環境の照度を取得する。さらに、ECU16は、位置検出器8から与えられる位置検出信号に基づいて位置情報解析を行う。ECU16は、その位置情報解析により、車両15が構造物に進入したか、あるいは車両15が構造物から退出したか、といった車両15の現在位置に関する情報を取得する。
ECU16は、カメラ4、5により撮像された映像を、所定の補正処理を施したうえで、それぞれ表示器2、3に表示させる。ECU16は、上記補正処理において、表示する映像のホワイトバランスの調整や輝度レベルの調整を行う。詳細は後述するが、ECU16は、上述した各解析により得られた情報、メモリ17に記憶された補正データに基づいて、表示器2、3毎に独立して上記各調整を行うもので、調整部に相当する。
さて、前述したとおり、人間の比視感度のピークは、暗所視および明所視で異なることが知られている。具体的には、図3に示すように、暗所視標準比視感度(CIE(1951))のピークは507nmであり、明所視標準比視感度(CIE(1924))のピークは555nmである。
そこで、メモリ17には、暗所視および明所視のそれぞれにおいて最適となるようなホワイトバランスおよび輝度レベルの各調整値が補正データとして予め記憶されている。なお、以下では、暗所視において最適となるような調整値のことを暗側調整値と呼び、明所視において最適となるような調整値のことを明側調整値と呼ぶ。
次に、上記構成の作用について、図4を参照して説明する。
ECU16は、図4のフローチャートに示すような補正処理を、表示器2、3毎に独立して実行する。図4に示すように、ステップS1では、位置情報解析(GPSによる構造物の演算)が行われる。続くステップS2では、位置情報解析の結果、車両15が構造物に進入したか否かが判断される。ここで、車両15が構造物に進入したと判断されると、つまりステップS2で「YES」になると、ステップS3に進む。ステップS3では、暗側調整値に基づいてホワイトバランスおよび輝度レベルの調整が行われる。ステップS3の実行後、本処理が終了となる。
一方、車両15が構造物に進入していないと判断されると、つまりステップS2で「NO」になると、ステップS4に進む。ステップS4では、照度解析(表示器周辺の照度測定)が行われる。続くステップS5では、照度解析の結果、取得された照度が閾値Ith以下であるか否かが判断される。本実施形態において、閾値Ithは、例えば50ルクスに設定されている。
ここで、取得された照度が閾値Ithを超えていると判断されると、つまりステップS5で「NO」になると、ステップS6に進む。ステップS6では、明側調整値に基づいてホワイトバランスおよび輝度レベルの調整が行われる。ステップS6の実行後、本処理が終了となる。
一方、取得された照度が閾値Ith以下であると判断されると、つまりステップS5で「YES」になると、ステップS7に進む。ステップS7では、輝度データ解析(輝度データを演算)が行われる。続くステップS8では、輝度データ解析の結果、取得された輝度レベルの最大値が閾値Bth1以下であるか否かが判断される。本実施形態において、閾値Bth1は、例えば10cdに設定されている。
ここで、取得された輝度データの最大値が閾値Bth1以下であると判断されると、つまりステップS8で「YES」になると、ステップS3に進み、暗側調整値に基づく調整が行われる。一方、取得された輝度データの最大値がBth1を超えていると判断されると、つまりステップS8で「NO」になると、ステップS6に進み、明側調整値に基づく調整が行われる。
以上説明した本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
本実施形態の電子ミラー装置1では、車両15の左右に設けられた表示器2、3のそれぞれについて、表示器2、3の周辺環境の明るさ(照度)および表示する映像の明るさ(輝度レベル)に合致した最適なホワイトバランスおよび輝度レベルに調整することができる。したがって、特に夜間において車両15の左右の明るさが大きく異なるような場合でも、ユーザは各表示器2、3に表示された映像について違和感を覚えることはない。つまり、本実施形態によれば、表示された映像についてユーザに違和感を与えることを防止することができる。
車両15がトンネルなどの構造物に進入すると明るさが急激に変化(低下)するが、上記構成によれば、車両15がトンネルに進入すると、明るさの検出結果に関係なく、直ちに暗側調整値に基づく調整が行われる。そのため、本実施形態によれば、車両15がトンネルに進入した直後などにおいても、表示された映像についてユーザに違和感を与えることを防止することができる。
表示器2、3は、有機ELディスプレイにより構成している。有機ELディスプレイは、階調により色再現性が変化しない。そのため、有機ELディスプレイからなる表示器2、3を用いることで、上述した補正処理(ホワイトバランスの補正)を適正に行うことを可能としている。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について図5を参照して説明する。
第2実施形態では、補正処理における処理内容が、第1実施形態と異なっている。なお、電子ミラー装置1の構成は第1実施形態と共通するので、図1等も参照しながら説明する。ただし、この場合、メモリ17には、暗所視および明所視の中間において最適となるようなホワイトバランスおよび輝度レベルの調整値(以下、中間調整値と呼ぶ)も記憶されている。
図5に示す本実施形態の補正処理では、取得された輝度データの最大値が閾値Bth1を超えていると判断されると、つまりステップS8で「NO」になると、ステップS21に進む。ステップS21では、取得された輝度データの最大値が、閾値Bth1よりも大きい閾値Bth2以下であるか否かが判断される。本実施形態において、閾値Bth2は、例えば50cdに設定されている。
ここで、取得された輝度データの最大値が閾値Bth2を超えると判断されると、つまりステップS21で「NO」になると、ステップS6に進み、明側調整値に基づく調整が行われる。一方、取得された輝度データの最大値が閾値Bth2以下であると判断されると、つまりステップS21で「YES」になると、ステップS22に進む。
ステップS22では、取得された輝度データの平均値が閾値BAth以下であるか否かが判断される。本実施形態において、閾値BAthは、例えば20cdに設定されている。ここで、取得された輝度データの平均値が閾値BAthを超えると判断されると、つまりステップS22で「NO」になると、ステップS6に進み、明側調整値に基づく調整が行われる。
一方、取得された輝度データの平均値が閾値BAth以下であると判断されると、つまりステップS22で「YES」になると、ステップS23に進む。ステップS23では、中間調整値に基づいてホワイトバランスおよび輝度レベルの調整が行われる。ステップS23の実行後、本処理が終了となる。
本実施形態のように補正処理の処理内容を変更したとしても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、本実施形態では、暗所視と明所視の中間であると思われるような状況においては、暗所視と明所視の中間の明るさ環境に合致した調整が行われるため、暗所視から明所視へと移行する、あるいは明所視から暗所視へと移行するような状況下においても、表示された映像についてユーザに違和感を与えることを防止することができる。
(第3実施形態)
以下、第3実施形態について参照して説明する。
第3実施形態では、補正処理の処理内容に関する2つの変形例を説明する。
<第1変形例>
この場合、ECU16は、取得した照度の変化率および輝度レベルの変化率をモニタするようになっている。そして、ECU16は、暗側調整値による調整(ステップS3)を実施した状態から明側調整値による調整(ステップS6)を実施する状態へと切り替わる際、または明側調整値による調整(ステップS6)を実施した状態から暗側調整値による調整(ステップS3)を実施する状態へと切り替わる際、上記変化率の少なくとも一方が所定の変化判定値以上である場合、調整の切り替えを直ちに実施する。一方、上記変化率の双方が変化判定値未満である場合、調整の切り替えを所定時間かけて徐々に実施する。
運転のシーンでは、時間経過による明るさ変化のように緩やかに明るさが変わる場合と、夜間の照明のように急激に明るさが変わる場合とがある。第1変形例によれば、緩やかに明るさが変わる場合には、その緩やかな変化に合わせてホワイトバランスおよび輝度レベルの調整値も緩やかに切り替わり、急激に明るさが変わる場合には、その急激な変化に合わせてホワイトバランスおよび輝度レベルの調整値も急激に切り替わるため、ユーザに違和感を与えることを一層防止することができる。
<第2変形例>
この場合、暗側調整値に基づく調整が行われている状態から明側調整値に基づく調整に切り替わるときと、明側調整値に基づく調整が行われている状態から暗側調整値に基づく調整に切り替わるときとで、調整の切り替えのスピードを変える。具体的には、前者の調整の切り替えスピードよりも、後者の調整の切り替えスピードを遅くする。つまり、第2変形例では、周辺環境の明るさが低下する方向に変化した場合、周辺環境の明るさが上昇する方向に変化した場合に比べ、調整の切り替えが緩やかに実施される。
暗順応の順応時間は、明順応の順応時間に比べて長い。したがって、周辺環境の明るさが、明るい状況から暗い状況へと変化したとしても、それに伴って急に暗側調整値による調整に切り替えると、適正な画像認識が困難になるおそれがある。第2変形例によれば、周辺環境の明るさが明るい状況から暗い状況へと変化した場合、調整の切り替えが緩やかに実施されるため、上述したように適正な画像認識が困難になることを防止できる。
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記し且つ図面に記載した各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で任意に変形、組み合わせ、あるいは拡張することができる。
表示器2、3は、液晶ディスプレイにより構成してもよい。
上記各実施形態で用いた各閾値(Ith、Bth1、Bth2、BAth)は、あくまでも一例であり、適宜変更可能である。また、どのような調整を行うことで表示器2、3に表示された映像に違和感が無くなるかなどについては個人差がある。そこで、ユーザの操作などに応じて、各閾値を変更可能な構成にするとよい。このようにすれば、各個人に最適な閾値設定を行うことが可能となり、ユーザに違和感を与えてしまうことを一層確実に防止することができる。
図4および図5におけるステップS1、S2は省いてもよい。つまり、構造物への進入または退出に基づく調整は、必要に応じて実施すればよい。なお、ステップS1、S2を省いた場合、補正処理が開始されると、まずステップS4を実行するようにすればよい。
本発明は、例えば、ヘッドアップディスプレイ、ナイトビュー付きのメータなど、車外の情報を車室内に配置された複数の表示器に表示する表示装置全般に適用することができる。
1…電子ミラー装置、2、3…表示器、6、7…照度センサ、8…位置検出器、10…車室、15…車両、16…電子制御装置。

Claims (4)

  1. 車両(15)に搭載され、車外の情報を車室(10)内に配置された複数の表示器(2、3)に表示する表示装置(1)であって、
    前記表示器の周辺環境の明るさである環境明るさを検出する環境明るさ検出部(6、7)と、
    前記表示器の表示の明るさである表示明るさを検出する表示明るさ検出部(16)と、
    前記検出された環境明るさが変化すると、その変化に応じて、前記複数の表示器のホワイトバランスおよび輝度レベルの調整を前記表示器毎に独立して行うとともに、前記検出された表示明るさが変化すると、その変化に応じて、前記複数の表示器のホワイトバランスおよび輝度レベルの調整を前記表示器毎に独立して行う調整部(16)と、
    を備える表示装置。
  2. 前記調整部は、前記環境明るさの変化率および前記表示明るさの変化率の少なくともいずれか一方が所定の変化判定値以上である場合には前記調整を直ちに実施し、前記変化率の双方が前記変化判定値未満である場合には前記調整を所定時間かけて徐々に実施する請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記調整部は、前記環境明るさが低下する方向に変化した場合には、前記環境明るさが上昇する方向に変化した場合に比べ、前記調整を緩やかに実施する請求項1または2に記載の表示装置。
  4. さらに、前記車両の構造物への進入および退出を検出する進退検出部(8)を備え、
    前記調整部は、前記進退検出部により前記進入または前記退出が検出されると、前記環境明るさおよび前記表示明るさの検出結果に関係なく、前記調整を実施する請求項1から3のいずれか一項に記載の表示装置。
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