JP6564687B2 - 頭皮用ブラシ - Google Patents
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例えば、本出願人も、エラストマーからなる突起として、先端部分に複数の小突起を有する皮脂掻き出し用の突起や、先端部分の小突起を有しないマッサージ用の突起を設けた頭皮用ブラシを提案している(特許文献1参照)。
また、頭皮用ブラシに設ける突起を、硬さの異なる複数の材料から形成することも提案されており、特許文献3には、洗髪用ブラシに、硬質の芯部と該芯部を外周面から先端面に亘って覆うエラストマー製の被覆体からなる可撓性のマッサージ用突起を設けることが記載されている。
これに対して、突起の全体を、プラスチックで形成した場合には、頭皮に対する刺激が強くなり過ぎ易い。
本発明の第1実施形態の頭皮用ブラシ10は、頭皮の洗浄及びマッサージ用に適した頭皮用ブラシであり、図1及び図2に示すように、把持部11を有する基台12のブラシ面13に、複数の第1突起14及び複数の第2突起19が突設されてなる。ブラシ面13は、基台12における、頭皮用ブラシ10の使用時に頭部の肌側に向けられる面である。
本実施形態における第1突起14の基部15は、図4に示すように、略円柱状をなしている。また、図5(b)に示すように、基部15の硬質部17は、基部15の横断面において中央部に位置する中央軸部17aと、該中央軸部17aから基部15の外周面に向かって延びる4つの延出部17bとを有しており、全体として十字状の横断面形状を有している。また、その硬質部17における、基部15の周方向において互いに隣り合う総ての延出部17b間に、エラストマーからなる軟質部16を有している。本実施形態においては、隣り合う延出部17b間に位置する軟質部16は、図5(b)に示すように、扇形の横断面形状を有している。硬質部17の中央軸部17a、4つの延出部17b、及び延出部17b間の軟質部16は、それぞれ、第1突起14の高さ方向Zに沿って延びている。
第1突起14においては、図1及び図4に示すように、基部15の軟質部16を構成するエラストマーと、上方軟質部18を構成するエラストマーとが、突起14の表面において連続している。より詳細には、第1突起14における基部15の軟質部16と上方軟質部18とは同一のエラストマー材料を用いて一体成形されており、十字状の横断面形状を有する硬質部17における互いに隣り合う延出部17b間に位置する軟質部16は、その上方が上方軟質部18と連続している。
より具体的に説明すると、第1突起14は、上方軟質部18が、横断面形状が偏平な形状である中間偏平部18aと、中間偏平部18aの上端部18bから更に上方に突出する複数本の先端突起18cとを備えている。複数本の先端突起18cは、中間偏平部18aの偏平な横断面形状の長軸方向X’に並んだ状態に設けられている。第1突起14は、毛穴の洗浄効果を高めることを主目的に設けられている。
中間偏平部18aの横断面形状は、例えば長円状あるいは楕円状である。中間偏平部18aの偏平の程度は、中間偏平部18aの高さ方向中央部において、例えば、長軸の長さLaが、短軸Lbの長さの1.5倍以上10倍以下であり、好ましくは2倍以上7倍以下である〔図5(a)参照〕。
本実施形態における先端突起18cは、先端部が半球状の凸曲面状とされた錐体状、より具体的には先端部が半球状の凸曲面状とされた円錐状に形成されている。また、本実施形態では、個々の第1突起14に、それぞれ2本の先端突起18cが設けられているが、第1突起14に設ける先端突起18cの本数は2本に代えて3本又は3本以上とすることもできる。
第2突起19における、上方軟質部20は、基部15の軟質部16と同様のエラストマーからなり、先端部20aが半球状の凸曲面状とされた円錐状の形状を有している。第2突起19は、凸曲面状の先端部20aの直径Raが、例えば、突起19の根元部における直径の1%以上50%以下であり、好ましくは1%以上30%以下である。第2突起19は、頭皮のマッサージ効果を高めることを主目的に設けられている。
しかも、多材料突起14,19が、エラストマーからなる上方軟質部18,20を有するため、突起が頭皮に当る感触が適度に柔らかく、頭皮に与える感触も良好である。
更に、多材料突起14,19の表面において、基部15,15Aの軟質部16を構成するエラストマーと上方軟質部18,20を構成するエラストマーとが連続しており、軟質部16からなる第1表面16sとその上方に位置する上方軟質部18とが連続しているため、硬質部17からなる第2表面17sとその上方に位置する上方軟質部18とが剥離し難い。第2表面17sと上方軟質部18との間の剥離防止を防止することは、ブラシ10の使用耐久性が向上するとともに、ブラシ10の使用時に硬質部17で頭皮を傷つけることなく安心して使用できる利点がある。
第2表面17sの長さは、基部15の外周面の周方向に存在する複数の第2表面17sの長さの平均値とし、第1表面16sの長さも、基部15の外周面の周方向に存在する複数の第1表面16sの長さの平均値とする。
硬質部17と軟質部16との間の接合面積を増加させて、突起の表面から軟質部16が剥がれるのを防止する観点から、多材料突起14,19の基部15の横断面〔図5(b)参照〕において、該基部15の周長より硬質部17の周長が長いことが好ましい。基部15の周長は、第1表面16sと第2表面17sとを区別することなく測定した基部15の外周面の周長であり、硬質部17の周長は、図5(c)に示すように、硬質部17の表面に沿って測定した硬質部17の周囲の長さである。基部15の周長及び硬質部17の周長が、基部15の高さ方向で変化する場合、基部15の周長及び硬質部17の周長は、基部15の高さを2等分する基部15の高さ方向における中間位置において測定する。
硬質部17が複数本(2本以上)の対称軸に関して線対称の形状、より好ましくは3本以上の対称軸に関して線対称の形状を有することにより、多材料突起14,19の撓みが、どの方向でも同様となる。即ち、ブラシ使用に、ブラシをどの方向に動かしても撓みが同様となる。これにより、頭皮に与える感触は良好であるとともに、髪の梳き性に優れる。
図7(b)及び図7(c)に示す基部15は、硬質部17が、2本の対称軸A1,A2に関して線対称の形状を有し、図7(d)に示す基部15は、硬質部17が3本の対称軸A1〜A3に関して線対称の形状を有し、図7(e)に示す基部15は、硬質部17が、4本の対称軸A1〜A4に関して線対称の形状を有し、図7(f)に示す基部15は、硬質部17が、5本の対称軸A1〜A5に関して線対称の形状を有している。
なお、硬質部17が線対称となる対称軸の本数の上限は、特にないが、軟質部16が小さくなり、その上方に位置する上方軟質部18との接合強度の観点からは、6本以下が好ましく、より好ましくは5本以下であり、硬質部17が線対称となる対称軸の本数は、好ましくは2本以上6本以下であり、より好ましくは3本以上5本以下である。
この配置によって、頭皮用ブラシ10の髪の梳き性が向上する。また、突起14,19に髪が絡みつきにくくなり、また抜けた毛髪が突起に付着したりからみ付いたりしても、突起列に沿って指をスライドさせたり、シャワーの流水を流すことにより、容易に除去することも可能となる。
多材料突起(突起14,19)は、個々の突起に着目したとき、前記一方向及び前記直交方向の一方又は両方において、個々の突起を挟む両側それぞれに、第2表面17sからなる部分を有することが、梳き性の向上の観点から好ましい。また、髪の梳き性の向上の観点から、図2及び図4に示すように、突起列R1〜R5が延びる前記一方向は、第1突起14の長軸方向X’に一致し、該一方向に直交する直交方向が、第1突起14の短軸方向Y’に一致することが好ましい。
基板28は、図8に示すように、その厚み内における個々の多材料突起14,19の配置位置に対応する位置に、基部15の硬質部17の横断面形状と同形状の硬質部支持部17eを備えており、硬質部支持部17eは、その周囲17fにおいて基板28の他の部位と連続している。即ち、硬質部17は、硬質部17と同形状の硬質部支持部17eを介して基板28と一体をなしており、複数の多材料突起14,19の基部15の硬質部17どうしも基板28を介して互いに連続している。基台本体27は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等からなるプラスチック製の成形品である。また本実施形態における、基台本体17は、例えば長軸の長さが80〜100mm程度、短軸の長さが70〜90mm程度の大きさの平面視楕円形状に形成されている。
基台本体27には、その内側に、エラストマー成形体29の底盤部29aを装着するための装着部27bが設けられており、装着部27bに、エラストマー成形体29の底盤部29aが配された状態で、装着開口27aに、基板28が固定されている。エラストマー成形体29の底盤部29aは、基板28と、基台本体27の内側天面部から垂下する支持棒27dや装着部27bの周縁段差部27eとの間に挟み込まれている。
ジエン系ゴムとしては、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)等が挙げられ、非ジエン系ゴムとしては、ブチルゴム(イソブチエン・イソプレンゴム(IIR))、エチレン・プロピレンゴム(EPM)、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)、ウレタンゴム(U)、シリコーンゴム(Q)等が挙げられる。
熱可塑性エラストマーとしては、SBS、SIS、SEBS、SEPS等のスチレン系エラストマー(TPS)、オレフィン系エラストマー(TPO)、エステル系エラストマー(TPC)、ウレタン系エラストマー(TPU)、アミド系熱可塑性エラストマー(TPA)、熱可塑性ゴム架橋(TPV)等が挙げられる。
これらのエラストマーは一種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
〔ショアA硬度の測定方法〕
平らな面に置いた試料の平面に、両手で保持したゴム硬度計の加圧面を真上から一定速度で垂直に押し付け、密着後、1秒以内の値を「硬さ」とする。試料の測定位置は試料の端から12mm以上内側、測定箇所の間隔は6mm以上とする。測定に使用する試料は、長さ及び幅をそれぞれ25mm以上、厚みを6mm以上とし、試験環境は温度23±2度、湿度50±5%とする。5ヶ所の中央値あるいは平均値を測定値に採用し、ゴム硬度計(株式会社テクロック製,GS709N 形式A)で50を示した場合、ショアA硬度は50(「A50」)である。
〔ショアD硬度の測定方法〕
ショアD硬度は、株式会社テクロック製のゴム硬度計(GS702N 形式D)を用いて測定する。ショアA硬度の測定方法と同じ方法で測定し、ゴム硬度計(GS709N 形式D)で50を示した場合、ショアD硬度は50(「D50」)である。
第2実施形態の頭皮用ブラシは、ブラシ面13に、前述した第2突起19に代えて、図9に示す第3突起21が突設されている。第3突起21は、図9に示すように、第1突起14の基部15と同様の構成を有する基部15Bと、該基部15Bより先端側を構成する、エラストマーからなる上方軟質部22とを備えている。第1実施形態における第1突起14の基部15に基台12の構成に関して上述した説明は、第3実施形態の第3突起21の基部15Bや基台の構成にも同様に適用される。
第3突起21における、上方軟質部22は、基部15の軟質部16と同様のエラストマーからなり、先端部22aが半球状の凸曲面状とされた円錐状の形状を有している。第3突起21は、凸曲面状の先端部22aの直径Rbが、例えば、突起21の根元部における直径の50%超100%以下であり、好ましくは60%以上100%以下である。
例えば、第1実施形態の頭皮用ブラシは、ブラシ面に、第1突起14及び第2突起19を有するものであったが、これに代えて、ブラシ面に、第1突起14のみ又は第2突起19のみが形成されていても良く、第3突起22のみが形成されていても良い。また、第1突起14や第2突起19の配置は多様に変形可能であり、例えば、ブラシ面13に、その長軸方向Yに直列した複数の第1突起14からなる列が1本のみ形成されていても良いし、ブラシ面13に、短軸方向Xに直列した複数の第1突起14からなる列が、1本のみ形成されていても良い。また、ブラシ面13の全域に亘って、第1突起14と第2突起19とが千鳥状に配置されていても良い。また、第2実施形態の頭皮用ブラシにおいて、第2突起19の総てを第3突起21とするのに代えて、1又は2本以上の第2突起19の列R19を構成する第2突起19のうちの一部のみ、例えば該列R19の中央に位置する1〜3個の第2突起19のみを第3突起21とすることもできる。
本発明の頭皮用ブラシは、ヒトの頭部に使用するものであるが、ペットや家畜等の頭部のケアに用いることもできる。
11 把持部
12 基台
13 ブラシ面
14 第1突起
19 第2突起
21 第3突起
15,15A,15B 基部
16 軟質部
16s 第1表面
17 硬質部
17s 第2表面
18,20,22 上方軟質部
18a 中間偏平部
18c 先端突起
A1〜A5 対称軸
R1〜R5 突起列
R14 第1突起列
R19 第2突起列
Claims (6)
- 基台のブラシ面から突出する複数の突起を備えた頭皮用ブラシであって、
前記複数の突起のうちの全部又は一部の突起が、エラストマーからなる軟質部及び該軟質部を構成するエラストマーより硬い合成樹脂からなる硬質部を備えた基部と、該基部より先端側を構成する、エラストマーからなる上方軟質部とを備えた突起であり、
前記基部は、外周面の周方向に、前記軟質部が露出した第1表面と前記硬質部が露出した第2表面とを交互に有しており、
前記基部の前記軟質部を構成するエラストマーと前記上方軟質部を構成するエラストマーとが、突起の表面において連続している、頭皮用ブラシ。 - 前記基部の横断面において、該基部の周長より前記硬質部の周長が長い、請求項1に記載の頭皮用ブラシ。
- 前記基部は、その横断面内に単一の硬質部を有し、該基部の外周面に存在する前記第2表面の総てが、該硬質部の一部からなる、請求項1又は2に記載の頭皮用ブラシ。
- 前記基部の横断面において、前記硬質部が3本以上の対称軸に関して線対称の形状を有している、請求項1〜3の何れか1項に記載の頭皮用ブラシ。
- 前記複数の突起は、前記ブラシ面に、該突起が一方向に沿って所定間隔で直列した突起列を該一方向と直交する直交方向に複数列形成しており、
前記複数の突起のそれぞれは、前記基部の外周面における前記一方向に沿う部位に、前記第2表面を有している、請求項1〜4の何れか1項に記載の頭皮用ブラシ。 - 複数の前記突起が所定間隔で直列した突起列を、前記一方向及び前記直交方向の両方向に有しており、
前記複数の突起のそれぞれは、前記基部の外周面における前記一方向に沿う部位及び前記直交方向に沿う部位のそれぞれに、前記第2表面を有している、請求項5に記載の頭皮用ブラシ。
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