本発明の小屋裏界壁パネルの接続構造の一実施形態について、添付図面に基いて説明する。本発明の小屋裏界壁パネル3の接続構造は、図1に示すように、屋根構造体1と、小屋裏構造体2と、小屋裏界壁パネル3と、を備えるものである。
屋根構造体1は、小屋裏構造体2に載置されて屋根を構成するものである。本実施形態では、屋根構造体1は図1に示すように、小屋裏構造体2としての後述する母屋21に載置される垂木11と、垂木11の上に載置される野地板12と、野地板12の上に載置される折板屋根や瓦等からなる屋根材と、を備えている。なお、屋根構造体1としては、垂木11と野地板12と屋根材とを備える上述したものに特に限定されない。
小屋裏構造体2は、建物の荷重を受ける構造体の一部を構成して、屋根構造体1の荷重を受けるものである。本実施形態では、小屋裏構造体2は、図1に示すように、垂木11が載置される母屋21と、小屋梁22と、を備えている。なお、母屋21とは、いわゆる棟木や軒桁を含む、主に垂木11が載置される横架材をいうものとし、狭義の母屋21に限定されないものとする。
母屋21は、金属製の型材が用いられる。母屋21を構成する型材としては、特にH型材が好適に用いられるが、断面コ字状やC字状をした型材(いわゆるチャンネル材等)が用いられてもよく、断面形状は特に限定されない。本実施形態では図1に示すように、母屋21はH型鋼により形成されている。母屋21を形成するH型鋼は、上フランジ、下フランジおよびウェブを有する転倒H字状に配置されている。
小屋梁22は、小屋裏空間の構造体を構成する横架材のうち、平面視において垂木11の長手方向と平行に垂木11の下方に設けられる横架材をいうものとする。また、小屋裏空間の構造体を構成する横架材のうち、母屋21に平行な方向を長手方向とする横架材を桁というものとする。
小屋梁22および桁は、金属製の型材が用いられる。小屋梁22および桁を構成する型材としては、特にH型材が好適に用いられるが、断面コ字状やC字状をした型材(いわゆるチャンネル材等)が用いられてもよく、断面形状は特に限定されない。本実施形態では図1に示すように、小屋梁22および桁はH型鋼により形成されている。小屋梁22および桁を形成するH型鋼は、上フランジ、下フランジおよびウェブを有する転倒H字状に配置されている。
また、小屋梁22の上に束23が適宜載置され、この束23の上に母屋21が載置される構成となっていてもよい。
小屋裏界壁パネル3は、図2、図3に示すように、小屋裏空間の間仕切り壁を構成するもので、主に、集合住宅において各戸毎に小屋裏空間を間仕切るのに用いられるが、用途や目的は特に限定されない。
小屋裏界壁パネル3は、枠材4と、面板5と、を少なくとも有するものである。枠材4は、面板5を保持するとともに、小屋裏構造体2に固定されるものである。本実施形態では、枠材4は、上枠41と、下枠42と、上枠41および下枠42の間に設けられる縦枠43と、を備えるものである。枠材4は、金属製の部材(特に、溶融亜鉛めっき鋼板等の鋼材)により形成されることが好ましいが、特に限定されない。
また本実施形態では、上枠41が傾斜する小屋裏界壁パネル3Aと、上枠41が水平な小屋裏界壁パネル3Bの二種類がある。以下においては便宜上、上枠41が傾斜する小屋裏界壁パネル3を傾斜界壁パネル3Aとし、上枠41が水平な小屋裏界壁パネル3を水平界壁パネル3Bとする。
まず、傾斜界壁パネル3Aについて説明する。傾斜界壁パネル3Aは、垂木11の長手方向に沿って間仕切り壁を設置する場合に用いられる。
上枠41は、本実施形態では図4Aに示すように、上ランナー411と、上補強枠412と、目板固定ランナー413と、を有している。上ランナー411は、下方に開口する断面コ字状をしたチャンネル材のようなもので、縦枠43および後述する吸音材32の上端部を保持するとともに、面板5が固定される。上補強枠412は、横方向に開口する断面コ字状をしたチャンネル材のようなもので、その下片が上ランナー411の上片に固定されて、上枠41の剛性および強度を向上させる。目板固定ランナー413は、上方に開口する断面コ字状をしたチャンネル材のようなもので、その下片が上補強枠412の上片に固定される。目板固定ランナー413は、後述する目板を保持するとともに、面板5が固定される。上ランナー411と上補強枠412の固定、上補強枠412と目板固定ランナー413の固定には、スポット溶接をはじめとする溶接やろう付け、嵌合やかしめ、ビスどめ等の既存の様々な方法が適宜適用可能である。
なお、本実施形態では、上枠41は上述したような上ランナー411と上補強枠412と目板固定ランナー413とを有しているが、特にこのような構成に限定されず、縦枠43を保持するとともに面板5が固定されるものであればよい。
上枠41は、図1に示すように、屋根構造体1の傾斜(特に野地板12、垂木11の傾斜)に沿って傾斜するように、傾斜界壁パネル3Aに設けられる。
下枠42は、本実施形態では図3C、図7に示すように、下ランナー421と、下ランナー受部材422と、を有している。下ランナー421は、上方に開口する断面コ字状をしたチャンネル材のようなもので、縦枠43および吸音材32の下端部を保持するとともに、面板5が固定される。下ランナー受部材422は、逆ハット状をしたもので、その上片が下ランナー421の下片に固定されている。下ランナー421と下ランナー受部材422の固定には、スポット溶接をはじめとする溶接やろう付け、嵌合やかしめ、ビスどめ等の既存の様々な方法が適宜適用可能である。そして、この下ランナー受部材422が小屋梁22や桁等に固定されることにより、下枠42が小屋梁22や桁等に固定されるものである。なお、本実施形態では、下枠42は上述したような下ランナー421と下ランナー受部材422とを有しているが、特にこのような構成に限定されず、縦枠43を保持するとともに面板5が固定されて、小屋梁22や桁等に固定されるものであればよい。
縦枠43(スタッド)は、本実施形態では図3Bに示すように、平面視ロ字状をした中空部材により構成されている。縦枠43により上枠41および下枠42が接続されて、上枠41と下枠42と縦枠43とで枠材4が構成される。本実施形態では、縦枠43は、上枠41および下枠42の長手方向の両端部にそれぞれ設けられる側枠431と、両側の側枠431の間に設けられる中間枠432と、を有している。
縦枠43の上端部は、上ランナー411の開口内に挿入されて、上ランナー411に固定される。縦枠43の上端部の上ランナー411への固定は、スポット溶接をはじめとする溶接やろう付け、嵌合やかしめ、ビスどめ等の既存の様々な方法が適宜適用可能である。縦枠43の下端部も同様にして、下ランナー421の開口内に挿入されて、下ランナー421に固定される。
本実施形態では、図3Bに示すように、上ランナー411および下ランナー421内において、傾斜界壁パネル3Aの間仕切り方向に二本の縦枠43が離間して設けられている。両縦枠43の側面は上ランナー411および下ランナー421の内面に当接しており、両縦枠43の間には吸音材31が設けられている。吸音材31としては、例えばロックウールが好適に用いられるが、グラスウールやその他の材質であってもよく、材質は特に限定されない。このように両縦枠43の間に吸音材31が設けられることにより、傾斜界壁パネル3Aを介して間仕切り方向に振動や騒音が伝達されにくくなる。
傾斜界壁パネル3Aは、傾斜する上枠41の長手方向に沿って上下高さが異なるため、これに応じて縦枠43の上下高さも異なっている。本実施形態では、図3Aに示すように、一端側(図3Aの右側)の側枠431の上下高さが最も高く、この側枠431の他端側(図3Aの左側)に隣接する中間枠432、そのさらに他端側に隣接する中間枠432、他端側の側枠431、の順に上下高さが高い。
本実施形態では、上記のように枠材4が構成されているが、上枠41、下枠42、縦枠43(特に側枠431)が一部材が折曲されて構成されていてもよく、特に上記の枠材4に限定されない。
図2、図3に示すように、枠材4の両側にはそれぞれ、面板5が設けられるものである。ここで、枠材4の両側とは、間仕切り方向の両側を意味している。
面板5は、間仕切り壁としての機能を発揮するもので、本実施形態では石膏ボードが面板5として用いられている。面板5として石膏ボードが用いられることにより、防火性能が向上する。なお、面板5としては、他にもケイ酸カルシウム板、セメント板、鋼板をはじめとする金属板等、様々な材質のものが適宜利用可能であり、特に限定されない。面板5は、間仕切り方向に見た枠材4の形状と同じまたは近似した形状に形成される。
本実施形態では、面板5は、二枚重ねて固定される。
内側に固定される内張り面板51は、図3、図4に示すように、上枠41(上ランナー411)と、下枠42(下ランナー421)、縦枠43(側枠431、中間枠432)にビスにより固定される。本実施形態では、図3Aに示すように、上枠41、下枠42、縦枠43の幅方向において外側の半幅分をあけて、各枠材4に固定されている。
外側に固定される外張り面板52は、図3に示すように、内張り面板51を介して枠材4にビスにより固定される。本実施形態では、図3Aに示すように、下枠42、縦枠43の幅方向において内張り面板51と同様に外側の半幅分をあけて、各枠材4に固定されている。外張り面板52の上端部については、内張り面板51の上端部よりも下側に位置している。
本実施形態では、図3Bに示すように、両面板5の間に吸音材32が設けられる。一方の面板5(内張り面板51)の内側面に吸音材32が貼付され、この他方側には吸音材32が設けられていない。吸音材32としては、例えばロックウールが好適に用いられるが、グラスウールやその他の材質であってもよく、材質は特に限定されない。
傾斜界壁パネル3A(小屋裏界壁パネル3)の上部は、図4Bに示す接続部材6(便宜上、傾斜用接続部材6Aとする)により母屋21に接続されるものである。傾斜用接続部材6A、母屋21の長手方向に沿う突出部211(下フランジ、図8参照)を挟持する挟持部61と、傾斜界壁パネル3Aの上部に固定される固定部60と、を有する。挟持部61は、第一挟持片611、第二挟持片615を有する。
第一挟持片611は、図5に示すように、母屋21に当接する当接片612と、第二挟持片615と連結されるための連結片613と、を有する。当接片612は、連結片613と同一平面上に連続している。連結片613は、ボルト挿通孔614を有する。
第二挟持片615は、図6に示すように、母屋21に当接する当接片616と、第一挟持片611と連結されるための連結片617と、を有する。当接片616は、連結片617と連続している。連結片617は、ボルト挿通孔618を有する。
図5に示すように、固定部60は、連結片613から連設される連設片601と、連設片601から連設されて上部に固定されるための固定片602と、を有する。連設片601は、連結片613から直角に突出する。固定片602は、連設片601に対して、垂木11の傾斜角度に応じた角度をなすヘ字状をしている。固定片602が、図4Bに示すように、上補強枠412に固定されるもので、本実施形態では上補強枠412の下片にスポット溶接をはじめとする溶接やビスどめ等の既存の様々な方法により固定される。
図4Cに示すように、上枠41の下端部にも、傾斜用接続部材6Aが設けられる。ただし、上枠41の上端部に設けられる場合の向きと上下向きが反転されて、上補強枠412に固定される。傾斜用接続部材6Aの挟持部61が突出部211を受け入れる受け入れ方向(すなわち第一挟持片611および第二挟持片615の開口方向)は、図3Aに示すように上枠41の長手方向に概ね沿う方向である。
傾斜界壁パネル3Aの小屋裏構造体2への取り付けについて説明する。
まず、図7に示すように、傾斜界壁パネル3Aの下端部を小屋梁22や桁等に固定する。本実施形態では、小屋梁22の上フランジ221に形成されているボルト挿通孔222に、下ランナー受部材422の下片に形成されているボルト挿通孔が連通され、このボルト挿通孔とボルト挿通孔222にボルト424が挿通されて、ナット425により締結される。本実施形態ではさらにワッシャ426(特にスプリングワッシャ)が設けられる。尚、ナット425はあらかじめ下ランナー受部材422に溶接等により先付けされていてもよく、また、ナット425に代わってボルト挿通孔をバーリング加工の上、ねじ切りを施してもよい。
次に、図8に示すように、傾斜界壁パネル3Aの上端部を母屋21に固定する。本実施形態では、母屋21の突出部211(本実施形態では下フランジ)を、上側から第一挟持片611が、下側から第二挟持片615が当接して、第一挟持片611と第二挟持片615とで突出部211を挟持するように、それぞれのボルト挿通孔614、618にボルト621が挿通されてナット622により締結され、図9に示すように、傾斜界壁パネル3Aの上端部が母屋21に固定される。尚、ナット622はあらかじめ第二挟持片615に溶接等により先付けされていてもよく、また、ナット622に代わってボルト挿通孔618をバーリング加工の上、ねじ切りを施してもよい。
このように、傾斜界壁パネル3A(小屋裏界壁パネル3)が設けられることにより、小屋裏空間が間仕切り壁により間仕切られるが、さらに本実施形態では、目板7が設けられる。
目板7(便宜上、傾斜上目板71とする)は、図10に示すように、傾斜界壁パネル3Aの上端部と、屋根構造体1との間に設けられる。傾斜上目板71は、傾斜界壁パネル3Aが有する面板5と同様の石膏ボード等からなる面板により構成される。傾斜上目板71は、内張り面板711と、外張り面板712と、を備える。内張り面板711は内張り面板51と面一となるように設けられ、外張り面板712は外張り面板52と面一となるように設けられる。これにより、内張り面板51と外張り面板52との突き合わせ部と、内張り面板711と外張り面板712との突き合わせ部の上下位置がずれて、防火性能が向上する。
さらに、図11に示すように、隣接する傾斜界壁パネル3Aの間には、目板7(便宜上、傾斜横目板72とする)が設けられる。傾斜横目板72は、内張り面板51と外張り面板52との厚みを合わせた分の厚みを有する。傾斜横目板72の横方向の長さは、両傾斜界壁パネル3Aの隣接する側枠431の中心間距離と同じに形成されている。これにより、傾斜横目板72が両傾斜界壁パネル3Aの面板5の間の隙間を閉塞する。
このように、傾斜界壁パネル3A(本実施形態ではさらに傾斜上目板71および傾斜横目板72)が設けられることにより、小屋裏空間が間仕切り壁により間仕切られる。
このとき、本発明におけるように、小屋裏界壁パネル3(傾斜界壁パネル3A)の上部が接続部材6(傾斜用接続部材6A)により母屋21に接続されて小屋裏構造体2への固定が行われる。このため、従来のように、垂木が設けられている箇所にしか小屋裏界壁パネル3が設けられないといったことがなく、母屋21が存在する箇所に適宜小屋裏界壁パネル3が設置可能となり、設計の自由度が高いものとなる。
また、本実施形態では、母屋21が例えばH型鋼等のような突出部211を有するとともに、接続部材6(傾斜用接続部材6A)が突出部211を挟持する挟持部61を有するものであるため、小屋裏界壁パネル3の母屋21への接続が容易となる。さらに、母屋21が長手方向の全長に突出部211を有しているため、小屋裏界壁パネル3の母屋21への接続が、母屋21の長手方向における任意の箇所で可能となる。
次に、水平界壁パネル3Bについて説明する。水平界壁パネル3Bは、母屋21の長手方向に沿って間仕切り壁を設置する場合に用いられる。
水平界壁パネル3Bの上枠41は、本実施形態では図12、図13に示すように、上ランナー414と、上補強枠415と、を有している。上ランナー414は、傾斜界壁パネル3Aの上ランナー411と同様の部材で、縦枠43および吸音材32の上端部を保持するとともに、面板5が固定される。上補強枠415は、断面L字状をしたアングル材のようなもので、その下片が上ランナー414の上片に固定されて、上枠41の剛性および強度を向上させる。上ランナー414と上補強枠415の固定には、スポット溶接をはじめとする溶接やろう付け、嵌合やかしめ、ビスどめ等の既存の様々な方法が適宜適用可能である。
なお、本実施形態では、水平界壁パネル3Bの上枠41は上述したような上ランナー414と上補強枠415とを有しているが、特にこのような構成に限定されず、縦枠43を保持するとともに面板5が固定されるものであればよい。
下枠42は、本実施形態では図13A、図13Cに示すように、下ランナー421と、下ランナー受部材422と、を有している。下ランナー421は、傾斜界壁パネル3Aの下ランナー421と同様の部材で、縦枠43および吸音材32の下端部を保持するとともに、面板5が固定される。下ランナー受部材422は、傾斜界壁パネル3Aの下ランナー受部材422と同様の部材で、その上片が下ランナー421の下片に固定されている。下ランナー421と下ランナー受部材422の固定は、傾斜界壁パネル3Aの下ランナー421と下ランナー受部材422の固定と同様に固定される。そして、この下ランナー受部材422が、傾斜界壁パネル3Aの場合と同様に小屋梁22や桁等に固定されることにより、下枠42が小屋梁22や桁等に固定されるものである。
縦枠43(スタッド)は、図13に示すように、傾斜界壁パネル3Aの縦枠43と同様の部材である。縦枠43により上枠41および下枠42が接続されて、上枠41と下枠42と縦枠43とで枠材4が構成される。本実施形態では、縦枠43は、上枠41および下枠42の長手方向の両端部にそれぞれ設けられる側枠431、両側の側枠431の間に設けられる中間枠432と、を有している。
縦枠43の上ランナー414および下ランナー421への固定も、傾斜界壁パネル3Aの場合と同様に行われる。さらに、間仕切り方向に二本の縦枠43が離間して設けられる点、枠材4の両側にそれぞれ面板5(内張り面板51、外張り面板52)が設けられる点、両縦枠43の間に吸音材32が設けられる点も、傾斜界壁パネル3Aの場合と同様である。
水平界壁パネル3Bの上部は、図13Dに示す接続部材6(便宜上、水平用接続部材6Bとする)により母屋21に接続されるものである。接続部材6、母屋21の長手方向に沿う突出部211(下フランジ)を挟持する挟持部63と、水平界壁パネル3Bの上部に固定される固定部64と、を有する。挟持部63は、第一挟持片631、第二挟持片615を有する。第一挟持片631は、図13D、図14に示すように、母屋21に当接する当接片632と、第二挟持片615と連結されるための連結片633と、を有する。当接片632は、連結片633と同一平面上に連続している。連結片633は、ボルト挿通孔634を有する。第二挟持片615は、図6に示す傾斜界壁パネル3Aの第二挟持片615と同様のものであり、ボルト621およびナット622により第一挟持片631に固定される。
図14に示すように、固定部64は、連結片633から連設されて上部に固定されるための固定片641を有する。固定片641は、連結片633から直角に突出し、ボルト挿通孔642を有する。
図13Dに示すように、固定片641のボルト挿通孔642と、上補強枠415の縦片に形成されたボルト挿通孔にボルト65が挿通されてナット66により締結され、水平用接続部材6Bが水平界壁パネル3Bの上部に固定される。図13Aに示すように、水平用接続部材6Bが上枠41の長手方向に沿って複数設けられている。水平用接続部材6Bの挟持部63が突出部211を受け入れる受け入れ方向(すなわち第一挟持片631および第二挟持片615の開口方向)は、図13に示すように上枠41の長手方向に直交する水平方向である。
水平界壁パネル3Bの下端部を小屋梁22や桁等に固定する。本実施形態では、傾斜界壁パネル3Aの場合と同様に(図7参照)、桁等の上フランジに形成されているボルト挿通孔と、下ランナー受部材422のボルト挿通孔とにボルトが挿通されて、ナットにより締結される。
次に、図15に示すように、水平界壁パネル3Bの上端部を母屋21に固定する。本実施形態では、母屋21の突出部211を、下側から第一挟持片631が、上側から第二挟持片615が当接して、第一挟持片631と第二挟持片615とで突出部211を挟持する。
このように、水平界壁パネル3Bが設けられることにより、小屋裏空間が間仕切り壁により軒棟方向に間仕切られる。
本実施形態では、さらに目板7(便宜上、水平上目板73とする)が設けられる。水平上目板73は、図16に示すように、水平界壁パネル3Bの上端部と、屋根構造体1との間に設けられる。水平上目板73は、水平界壁パネル3Bが有する面板5と同様の石膏ボード等からなる面板により構成される。水平上目板73は、内張り面板731と、外張り面板732と、を備える。本実施形態においても、内張り面板51と外張り面板52との突き合わせ部と、内張り面板731と外張り面板732との突き合わせ部の上下位置がずれて、防火性能が向上する。
さらに、図示しないが隣接する水平界壁パネル3B間には、目板7(便宜上、水平横目板とする)が設けられてもよい。
次に、他の実施形態について図17ないし図19に基いて説明する。
図15、図16に示す上述した実施形態の水平界壁パネル3Bの母屋21への接続構造にあっては、水平界壁パネル3Bが母屋21の直下にある場合に限定される。そこで、別の実施形態の水平界壁パネル3Bの母屋21への接続構造にあっては、水平界壁パネル3Bを設けようとする箇所の真上に母屋21がない場合でも、水平界壁パネル3Bが母屋21に対して固定可能なように、母屋間架設部材8および固定部材210が設けられている。
母屋間架設部材8は、図19Aに示すように、隣接する母屋21間の距離より若干短い長手方向長さを有する。母屋間架設部材8は、図18に示すように、長手方向における端部にそれぞれ、傾斜用接続部材6Aが設けられる。傾斜用接続部材6Aの挟持部61が突出部211を受け入れる受け入れ方向は、母屋間架設部材8の長手方向に概ね沿う方向となっている。
図18Bに示すように、母屋間架設部材8には、長手方向に沿って複数の固定部としての孔81が形成されている。
母屋間架設部材8は、図17に示すように、水平界壁パネル3Bを設置しようとする箇所に応じて、隣接する母屋21間にそれぞれ架設される。母屋間架設部材8の母屋21への固定は、傾斜界壁パネル3Aの傾斜用接続部材6Aの母屋21への固定と同じ要領で行う。
そして、母屋21間に架設された二本の母屋間架設部材8に固定部材210が固定される。図19Bに示すように、固定部材210は、本実施形態ではL字状の断面を有する所定の長さのアングル材で主体が構成され、その端部に、ボルト挿通孔が形成された固定片を備えている。母屋間架設部材8に前記固定片を当てて、前記ボルト挿通孔および孔81にボルトを挿通し、ナットを締結して固定部材210を母屋間架設部材8に固定する。そして、固定部材210の下フランジが、水平界壁パネル3Bの水平用接続部材6Bの挟持部63が挟持する突出部となっている。
水平用接続部材6Bは、固定部材210の直下に配置される。そして、水平界壁パネル3Bの水平用接続部材6Bの固定部材210への固定は、図15に示す上述した実施形態における水平界壁パネル3Bの水平用接続部材6Bの母屋21への固定と同じ要領で行う。
これにより、水平界壁パネル3Bを設けようとする箇所の真上に母屋21がない場合でも、水平界壁パネル3Bが母屋21に対して固定可能となり、設計の自由度が高いものとなる。