JP6563717B2 - 成膜装置 - Google Patents

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Description

この発明は、太陽電池、電子デバイス等に用いられ、基板上に薄膜を成膜する成膜装置に関するものである。
基板上に薄膜を成膜する方法として、化学気相成長(CVD)法がある。しかしながら、化学気相成長法では真空下での成膜が必要であり、真空ポンプなどに加えて、大型の真空容器を用いる必要がある。さらに、化学気相成長法では、コストの観点等から、成膜される基板として大面積のものを採用することが困難である、という問題があった。そこで、大気圧下における成膜処理が可能なミスト法が、注目されている。
ミスト法を利用した成膜装置等に関する従来技術として、たとえば特許文献1に開示された技術がある。
特許文献1に係る技術では、金属を含む原料溶液をミスト化させる工程と、基板を加熱する工程と、加熱中の基板の第一の主面上にミスト化された原料溶液である原料ミストとオゾンとを供給する工程とを備えており、オゾンを供給することにより、原料ミストの反応性を高め、基板に対する加熱処理における加熱温度の抑制を図っている。
国際公開第2013/038484号
しかしながら、特許文献1に開示されている技術は、基本的には熱エネルギーを利用して薄膜を成膜する方法であり、薄膜の成膜に際し加熱処理により溶媒の蒸発や溶質の分解、酸化等の化学反応を進行させる必要があるため、比較的低い温度環境下で薄膜の成膜を行うことは実質的に困難であるという問題点があった。
この発明は上記問題点を解決するためになされたもので、比較的低い温度環境下で薄膜を成膜することができる成膜装置を得ることを目的とする。
この発明に係る請求項1記載の成膜装置は、薄膜原料を溶媒により溶解させた原料溶液をミスト化して得られる原料ミストを大気中に噴射することにより、基板に対して薄膜を成膜する成膜装置であって、前記基板が載置される載置部と、前記載置部に載置されている前記基板の上面に向けて、噴射面から前記原料ミストを噴射するミスト噴射機構とを備え、前記ミスト噴射機構は超音波振動子を有し、前記原料溶液に対し前記超音波振動子により超音波を印加することにより、前記原料溶液をミスト化させて前記原料ミストを得ており、前記ミスト噴射機構の前記噴射面と前記基板の上面との間に形成される反応空間にマイクロ波を導入するマイクロ波発生器をさらに備え、前記噴射面は第1の方向を長手方向とした縦長形状の原料ミスト噴出口を有し、前記原料ミスト噴出口から前記原料ミストが噴射され、前記載置部は、前記基板を載置した状態で前記第1の方向に垂直な第2の方向に移動する移動機能を有し、前記マイクロ波発生器は、前記第1の方向に沿って前記マイクロ波を前記反応空間に導入し、前記ミスト噴射機構の前記噴射面と前記基板の上面との間に配置され、内部に中空部を形成する上面、下面及び4つの側面を有する直方体状の補助部材をさらに備え、前記補助部材の上面が前記噴射面に近接し、下面が前記基板の上面に近接し、第1の側面が前記マイクロ波発生器に近接し、前記中空部が前記反応空間となり、前記補助部材の上面及び下面はそれぞれ、前記原料ミスト噴出口から噴射される前記原料ミストが前記中空部を通過して前記基板の上面に到達可能な複数の貫通口を有し、前記補助部材の4つの側面の1つである前記第1の側面は、前記マイクロ波発生器から発生する前記マイクロ波を前記中空部内に導入可能なマイクロ波導入口を有する
請求項1記載の本願発明の成膜装置において、マイクロ波発生器によって反応空間にマイクロ波が導入されるため、溶媒を沸点以下の状態で蒸発させることにより、比較的低温な温度環境下で基板の上面に薄膜を成膜することができる。
この発明の実施の形態である成膜装置の主要構成を示す説明図である。 図1で示す成膜装置のミスト噴射ヘッド部等を側面方向から視た構成を示す説明図である。 図1及び図2で示したミスト噴射ヘッド部の噴射面を基板の配設側から視た平面図である。 図1及び図2で示した補助部材の上面の構成を模式的に示す平面図である。 成膜工程時におけるミスト噴射ヘッド部及び補助部材と基板との相対的位置関係を模式的に示す説明図である。
<実施の形態>
(構成)
図1はこの発明の実施の形態である成膜装置の主要構成を示す説明図である。図2は図1で示す成膜装置のミスト噴射ヘッド部4等を側面方向から視た構成を示す説明図である。なお、図1及び図2において、XYZ直交座標系を示している。また、以降に示す図3〜図5においても、XYZ直交座標系を示している。
本実施の形態の成膜装置は、金属元素等の原料がミスト化された原料溶液である原料ミストM1を大気中に噴射することにより、基板10に対して金属酸化膜等の薄膜を成膜する装置である。つまり、本実施の形態の成膜装置は、大気中での成膜処理であるミスト法により、基板10上に所望の薄膜を成膜する装置である。
なお、原料溶液の薄膜を形成するための原料(薄膜原料)となる金属元素としては、例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、Mg(マグネシウム)、Si(シリコン)、Ga(ガリウム)、Mn(マンガン)、Pb(鉛)およびスズ(Sn)等が考えられる。
また、基板10としては、太陽電池、発光デバイス、タッチパネル、液晶パネルなどのフラットパネルディスプレイの分野で使用される、ガラス基板、樹脂フィルムなどのフレキシブル基板やプラスチック基板などを採用できる。
本実施の形態の成膜装置は、ミスト噴射機構、補助部材7、マイクロ波発生器8及び載置部90を主要構成と有している。ミスト噴射機構は霧化器1、ミスト搬送管3及びミスト噴射ヘッド部4から構成される。
霧化器1は原料溶液14を収容する溶液容器15及び溶液容器15内の原料溶液14をミスト化して原料ミストM1を得る超音波振動子2から構成されている。原料溶液14は薄膜原料を溶媒により溶解させた溶液である。溶媒として、例えば、水、エタノールやメタノールなどのアルコールや、これらの液体の混合液などが考えられる。
このような構成の霧化器1は、溶液容器15内の原料溶液14に対して超音波振動子2により超音波を印加することにより、溶液容器15内の原料溶液14をミスト化させて原料ミストM1を得る。原料ミストM1は外部より供給された窒素等のキャリアガス(図示せず)によって搬送され、ミスト搬送管3を通って、ミスト噴射ヘッド部4、最終的に基板10の上面に向けて供給される。
加熱機能を有する載置部90上には、基板10が配置されている。つまり、載置部90は、基板10の加熱処理が可能である。そして、基板10上面の上方に、ミスト噴射ヘッド部4が配置される。なお、ミスト噴射ヘッド部4及び基板10は、大気圧下に配置されている。
ここで、ミスト噴射ヘッド部4の下面である噴射面4Sと基板10の上面との間に形成される空間を「反応空間」と称し、噴射面4Sと基板10の上面との間の距離を「反応距離」と称する。上記反応距離は、0.1〜50(mm)の範囲に設定される。
載置部90の加熱機能により所定の温度で基板10は加熱される。一方、ミスト噴射ヘッド部4は、ミスト化された原料溶液である原料ミストM1を噴射面4Sに設けた原料ミスト噴出口5から下方に向けて噴射する。上述した処理により、後に詳述する補助部材7を通過させ後の原料ミストM1を基板10の上面に供給することにより、基板10上に所望の薄膜を成膜することができる。なお、成膜処理時において、載置部90は、X方向(第2の方向)に一致する基板移動方向D10に沿って移動する移動機能を有している。
以下、ミスト噴射ヘッド部4の構成について具体的に説明する。図1に示すように、ミスト搬送管3はミスト噴射ヘッド部4の上面から内部のミスト空洞部4mに連通している。ミスト空洞部4m内において互いに対向する両側面からXY平面に沿って、平面視して矩形状の複数の整流板21がそれぞれの形成高さを交互に変えながら配設される。複数の整流板21はそれぞれ対向する側面に達することなく、対向する側面との間に隙間が形成されるように構成される。
そして、噴射面4Sにおいてミスト空洞部4mに連通する箇所に原料ミスト噴出口5が設けられる。
一方、ミスト噴射ヘッド部4の下面(噴射面4Sと同一面)に設けられる排気口6は内部の排気用空洞部4eに連通している。ミスト空洞部4m,排気用空洞部4e間は分離用の側面が形成されているため、ミスト空洞部4m,排気用空洞部4e間は互いに分離されている。
排気用空洞部4e内において、ミスト空洞部4m内と同様、互いに対向する両側面からXY平面に沿って、平面視して矩形状の複数の整流板22がそれぞれの形成高さを交互に変えながら配設される。複数の整流板22はそれぞれ対向する側面に達することなく、対向する側面との間に隙間が形成されるように構成される。
そして、反応空間となる中空部SP7内の排気物E1は、排気口6を介して排気用空洞部4e内に取り込まれた後、ミスト噴射ヘッド部4の上面から排気される。なお、排気物E1とは、中空部SP7に発生する反応残渣等を意味する。
ミスト噴射ヘッド部4はミスト空洞部4m及び排気用空洞部4eに整流板21及び22を設けることにより、霧化器1から供給された原料ミストM1及び排気口6から吸収された排気物E1のミスト空洞部4m及び排気用空洞部4e内における流れを整えて偏りをなくすことができる。なお、複数の整流板21及び22それぞれの高さ方向の形成間隔は1〜3mmで5枚程度設ける等の構成が考えられる。
図3はミスト噴射ヘッド部4の噴射面4Sを基板10の配設側(−Z方向側)から視た平面図である。同図に示すように、噴射面4SはY方向(第1の方向)を長辺とし、X方向(第2の方向)を短辺とした平面視矩形状を呈している。
そして、噴射面4Sに原料ミスト噴出口5及び排気口6が形成される。原料ミスト噴出口5はミスト空洞部4mから原料ミストM1を噴射するために設けられた開口部であり、Y方向を長手方向としたスリット状の縦長形状を呈しており、−X方向側の噴射面4Sの長辺の近傍に形成される。そして、原料ミスト噴出口5の短手方向である横幅(X方向の形成幅)は0.1〜10(mm)の範囲に設定される。
排気口6は排気物E1を排気用空洞部4e内に吸収するために設けられた開口部であり、原料ミスト噴出口5と同様、Y方向を長手方向としたスリット状の縦長形状の呈しており、X方向側の噴射面4Sの長辺の近傍に形成される。したがって、原料ミスト噴出口5及び排気口6は噴射面4Sにおいて互いに対向する長辺近傍に設けられる。なお、排気口6の横幅も原料ミスト噴出口5と同様、0.1〜10(mm)の範囲に設定される。
このような構成の霧化器1、ミスト搬送管3及びミスト噴射ヘッド部4を主要構成として、ミスト噴射機構が構成される。
図1及び図2に戻って、実施の形態1の成膜装置は、ミスト噴射機構のミスト噴射ヘッド部4における下面の噴射面4Sと、基板10の上面との間に配置された補助部材7をさらに有している。補助部材7は内部に中空部SP7を形成する上面、下面及び4つの側面を有する直方体状を呈しており、補助部材7の上面が互いに対向する態様で噴射面4Sに近接し、下面が互いに対向する態様で基板10の上面に近接し、第1の側面(図2の−Y側の側面)に、波長が1mm〜1m程度のマイクロ波を発生するマイクロ波発生器8が近接して設けられ、中空部SP7が上述した反応空間となる。なお、補助部材7の構成素材としてはステンレス等が考えられる。
図4は補助部材7の上面の構成を模式的に示す平面図である。同図に示すように、補助部材7の上面は、噴射面4Sの原料ミスト噴出口5から噴射される原料ミストM1を中空部SP7内に導入可能な複数の貫通口71を有している。
図4では図示しないが、補助部材7の下面も、上面と同様に、中空部SP7内の原料ミストM1が通過して基板10の上面に到達可能な複数の貫通口71を有している。
このように、補助部材7の上面及び下面はそれぞれ、原料ミスト噴出口5から噴射される原料ミストM1が中空部SP7内を通過して基板10の上面に到達可能な複数の貫通口71を有している。また、4つの側面にも同様に複数の貫通口71を設けるようにしてもよい。
補助部材7の上面及び下面に形成される複数の貫通口71はそれぞれ円状であり、かつ長径がマイクロ波発生器8から出射されるマイクロ波の波長の1/2以下に設定される。一般にマイクロ波は直進性が強いため、補助部材7の上面及び下面に設けた貫通口71からマイクロ波が漏れ出る可能性はさほど高くないが、さらに、上記のように複数の貫通口71の形状を設定することにより、複数の貫通口71からマイクロ波が漏れ出る可能性を実質的に“0”にすることができる。
一方、補助部材の4つの側面の1つである第1の側面(図2の−Y方向側の側面)は、マイクロ波発生器8から照射されるマイクロ波を中空部SP7に導入可能なマイクロ波導入口を有している。
マイクロ波発生器8は、補助部材7の第1の側面に設けたマイクロ波導入口から、マイクロ波を+Y方向(第1の方向)に平行な方向に照射する。したがって、補助部材7の中空部SP7内において、Y方向に沿ってマイクロ波が導入される。
さらに、本実施の形態の成膜装置は、補助部材7における第1の側面に対向する第2の側面(図2の+Y方向側の側面)側の全面に対応してマイクロ波発生器8から照射されるマイクロ波を反射して反射マイクロ波を得るための金属製の反射板9を有している。第2の側面においてもマイクロ波発生器8から照射されるマイクロ波が通過可能な少なくとも一つのマイクロ波通過口が設けられているため、第2の側面に向けて照射されたマイクロ波は反射板9によって反射され、−Y方向に反射する反射マイクロ波が得られる。
反射板9は、金属等により構成されることにより、反射板9による反射マイクロ波とマイクロ波発生器8から照射されるマイクロ波とにより定在波を発生することが可能な反射率を有している。なお、マイクロ波発生器8及び反射板9は補助部材7の第1及び第2の側面に密接して配置しても良い。
上述した本実施の形態の成膜装置は、基板10が載置される載置部90と、載置部90に載置されている基板10の上面に向けて、噴射面4Sから原料ミストM1を噴射するミスト噴射機構(霧化器1、ミスト搬送管3、及びミスト噴射ヘッド部4)と、上記ミスト噴射機構の噴射面4Sと基板10の上面との間に形成される反応空間となる補助部材7の中空部SP7にマイクロ波を導入するマイクロ波発生器8とを備えることを基本的特徴としている。
(成膜方法)
次に、本実施の形態の成膜装置による薄膜の成膜方法について説明する。
まず、上面への薄膜の成膜を所望する基板10を載置部90上に載置する。一方、霧化器1の溶液容器15内において、超音波振動子2により、原料溶液14をミスト化する。ミスト化された原料溶液14である原料ミストM1は、外部より供給されるキャリアガス(図示せず)によってミスト搬送管3を通ってミスト噴射ヘッド部4、補助部材7及び基板10の上面に向けて搬送することができる。
ミスト噴射ヘッド部4内に供給された原料ミストM1はミスト空洞部4m内で整流された後、噴射面4Sの原料ミスト噴出口5から出射される。原料ミスト噴出口5から出射された原料ミストM1が補助部材7の上面に設けられた複数の貫通口71から中空部SP7内に導入される。
この際、補助部材7の第1の側面からマイクロ波発生器8によるマイクロ波がY方向に沿って中空部SP7内に照射される。すると、マイクロ波の照射によって中空部SP7内における原料ミストM1の溶媒を沸点以下の状態で蒸発させつつ、蒸発により溶媒の大部分が除去された原料ミストM1(薄膜原料の反応中間体が存在する状態を含む)が補助部材7の下面の貫通口71から、基板10の上面に供給されることにより、望ましくは原料ミストM1の溶媒の沸点以下の比較的低温な環境下で基板10の上面に薄膜を成膜することができる。すなわち、載置部90の加熱機能による加熱温度を比較的低く抑えることができる。
一方、補助部材7の中空部SP7内で発生した排気物E1は、複数の整流板22により、均一に排気口6から排気用空洞部4e内に吸引され、外部に排出される。なお、排気用空洞部4e内への排気物E1の吸引処理、排気物E1の排気用空洞部4e外の排出処理は、例えば図示しない排気ポンプ等による吸引機能を利用して実行される。
図5は成膜工程時におけるミスト噴射ヘッド部4及び補助部材7と基板10との相対的位置関係を模式的に示す説明図である。
図5に示すように、例えば、Y方向の長さが1200mm、X方向の長さが600mmの矩形状の比較的大きな基板10の上面上に薄膜を成膜するために、ミスト噴射ヘッド部4及び補助部材7を、基板10の上方に位置させている。そして、ミスト噴射ヘッド部4の噴射面4S(原料ミスト噴出口5)から原料ミストM1を補助部材7の中空部SP7に供給し、中空部SP7内で原料ミストM1にマイクロ波を照射した後、中空部SP7を通過させて、最終的に溶媒の大部分を除去した状態の原料ミストM1を基板10の上面に供給する。
その結果、載置部90の加熱処理によって薄膜の成膜に必要な温度に加熱することにより、基板10の上面上に薄膜を成膜することができる。この際、常温(室温)で基板10上に薄膜を成膜可能な場合は、載置部90による加熱処理を省略することができる。
ここで、ミスト噴射ヘッド部4、補助部材7及びマイクロ波発生器8(図5では図示省略)を固定しつつ、原料ミストM1の供給及びマイクロ波の導入を行いながら、載置部90の移動機能により、基板10を基板移動方向D10(X方向)に移動させながら上述した成膜処理を行う。すなわち、熱以外のエネルギーを利用したマイクロ波の導入処理を成膜処理に活用している。
このように、基板10の基板移動方向D10方向への移動を伴う原料ミストM1の供給及びマイクロ波の照射により、基板10の上面全面に、溶媒の大部分を除去した状態の原料ミストM1を供給することができ、結果として基板10上面全面に、均一な薄膜を成膜することができる。
(効果等)
上述したように、本実施の形態の成膜装置において、マイクロ波発生器8によって反応空間となる中空部SP7内にマイクロ波が導入されるため、中空部SP7内において原料ミストM1(原料溶液14)の溶媒の大部分(望ましくは全て)を沸点以下の状態で蒸発させることにより、望ましくは溶媒の沸点以下の比較的低温な温度環境下で基板10の上面上に薄膜を成膜することができる。
そして、噴射面4Sに設けられる原料ミスト噴出口5、補助部材7及びマイクロ波発生器8を固定しつつ、基板10を載置した状態で載置部90を基板移動方向D10(X方向;第2の方向)に移動させながら、基板10の上面全面に薄膜を成膜することができる。このため、本実施の形態の成膜装置は、噴射面4Sを基板10の上面より狭く構成できる分、ミスト噴射機構を構成するミスト噴射ヘッド部4の装置構成の小型化を図ることができる。
また、補助部材7内に設けられる中空部SP7(反応空間)も必要最小限の大きさに抑えることにより、マイクロ波発生器8によるマイクロ波の導入も必要最小限に抑えることができる。
さらに、原料ミスト噴出口5の横幅を0.1〜10(mm)の範囲の実用に沿った大きさに設定しつつ、基板10の上面に対して、均等に原料ミストM1を噴霧することができる。
また、ミスト噴射ヘッド部4の噴射面4Sと基板10の上面との間の反応距離を、0.1〜50(mm)の範囲に設定して、噴射面4Sと基板10の上面との間に補助部材7を配置するため(反応空間を形成するため)の余裕を確保しつつ、必要最小限の反応距離に設定することができる。
マイクロ波発生器8による照射されるマイクロ波は、反応空間となる補助部材7内の中空部SP7に導入されており基板10には直接照射されないため、マイクロ波の照射によって基板10が割れる等の不具合を確実に回避することができる。
また、複数の貫通口71の形状をマイクロ波が通過不能な形状(長径がマイクロ波の波長の1/2以下の円状)にして、中空部SP7内に導入されたマイクロ波を中空部SP7内に閉じ込めることができる。その結果、マイクロ波が基板10に照射されることによる悪影響を確実に回避することができる。さらに、マイクロ波がミスト噴射ヘッド部4に照射されることにより加熱され、(原料ミストM1内の)原料が事前分解されることを確実に回避することができる。
本実施の形態の成膜装置は、補助部材7の第2の側面側に反射板9を設けることにより、補助部材7の第2の側面側に設けた反射板9によりマイクロ波を反射させながら、中空部SP7にマイクロ波を閉じ込めることができる。
加えて、反射板9によるマイクロ波の反射によって、マイクロ波(反射マイクロ波)を減衰させることなく、中空部SP7内に閉じ込めることにより、効率的に溶媒を蒸発させ生産効率を低下させることなく薄膜を成膜することができる。
上述した実施の形態の成膜装置による成膜方法は、基本的に以下のステップ(a) 及び(b) の実行により実現される。
(a) 基板10の上面に向けて、ミスト噴射ヘッド部4の噴射面4S(所定の噴射面)から原料ミストM1を噴射するステップ
(b) 噴射面4Sと基板10の上面との間に形成される反応空間(中空部SP7)に、マイクロ波発生器8によってマイクロ波を導入するステップ
したがって、本実施の形態の成膜方法は、上記ステップ(b) の実行時に、マイクロ波発生器8によって補助部材7の中空部SP7内にマイクロ波を導入することにより、中空部SP7内において原料ミストM1の溶媒を沸点以下の状態で蒸発させ、その結果、比較的低い温度環境下で基板10上に薄膜を成膜することができる効果を奏する。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 霧化器
2 超音波振動子
3 ミスト搬送管
4 ミスト噴射ヘッド部
4e 排気用空洞部
4m ミスト空洞部
4S 噴射面
5 原料ミスト噴出口
6 排気口
7 補助部材
8 マイクロ波発生器
9 反射板
71 貫通口
90 載置部
M1 原料ミスト
SP7 中空部

Claims (6)

  1. 薄膜原料を溶媒により溶解させた原料溶液をミスト化して得られる原料ミストを大気中に噴射することにより、基板に対して薄膜を成膜する成膜装置であって、
    前記基板が載置される載置部と、
    前記載置部に載置されている前記基板の上面に向けて、噴射面から前記原料ミストを噴射するミスト噴射機構とを備え、前記ミスト噴射機構は超音波振動子を有し、前記原料溶液に対し前記超音波振動子により超音波を印加することにより、前記原料溶液をミスト化させて前記原料ミストを得ており、
    前記ミスト噴射機構の前記噴射面と前記基板の上面との間に形成される反応空間にマイクロ波を導入するマイクロ波発生器をさらに備え
    前記噴射面は第1の方向を長手方向とした縦長形状の原料ミスト噴出口を有し、前記原料ミスト噴出口から前記原料ミストが噴射され、
    前記載置部は、前記基板を載置した状態で前記第1の方向に垂直な第2の方向に移動する移動機能を有し、
    前記マイクロ波発生器は、前記第1の方向に沿って前記マイクロ波を前記反応空間に導入し、
    前記ミスト噴射機構の前記噴射面と前記基板の上面との間に配置され、内部に中空部を形成する上面、下面及び4つの側面を有する直方体状の補助部材をさらに備え、前記補助部材の上面が前記噴射面に近接し、下面が前記基板の上面に近接し、第1の側面が前記マイクロ波発生器に近接し、前記中空部が前記反応空間となり、
    前記補助部材の上面及び下面はそれぞれ、前記原料ミスト噴出口から噴射される前記原料ミストが前記中空部を通過して前記基板の上面に到達可能な複数の貫通口を有し、
    前記補助部材の4つの側面の1つである前記第1の側面は、前記マイクロ波発生器から発生する前記マイクロ波を前記中空部内に導入可能なマイクロ波導入口を有する
    成膜装置。
  2. 請求項記載の成膜装置であって、
    前記原料ミスト噴出口の短手方向である横幅は0.1〜10(mm)の範囲に設定される、
    成膜装置。
  3. 請求項記載の成膜装置であって、
    前記複数の貫通口はそれぞれ円状であり、かつ長径が前記マイクロ波の波長の1/2以下に設定される、
    成膜装置。
  4. 請求項または請求項記載の成膜装置であって、
    前記補助部材における4つの側面の1つであり前記第1の側面に対向する第2の側面側に前記マイクロ波を反射して反射マイクロ波を得る反射板をさらに備えることを特徴とする、
    成膜装置。
  5. 請求項記載の成膜装置であって、
    前記反射板は、前記反射マイクロ波と前記マイクロ波発生器から照射される前記マイクロ波とにより定在波を発生するように設けられる、
    成膜装置。
  6. 請求項1から請求項のうち、いずれか1項に記載の成膜装置であって、
    前記噴射面と前記基板の上面との距離である反応距離は、0.1〜50(mm)の範囲に設定される、
    成膜装置。
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