JP6811221B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents
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Description
例えば、水中にマイクロ波を放射し、発生した気泡中においてプラズマを誘起させる水中プラズマ処理装置が提案されている。しかしながら、水中プラズマ処理装置は、気泡の制御が難しいのでプラズマを安定的に生成するのが難しい。また、大面積を均一に処理するのが困難である。
大面積を処理するプラズマ処理装置として、チャンバの内部を延びる矩形導波管を備えたラインプラズマ処理装置が提案されている。ところが、ラインプラズマ処理装置は定在波の腹の位置の処理レートが高くなり、処理ムラが生じるという問題がある。この場合、定在波の位相を周期的にシフトさせると、プラズマを安定的に生成するのが困難となるおそれがある。
そこで、大面積を処理することができ、且つ、処理ムラを抑制することができるプラズマ処理装置の開発が望まれていた。
図1は、本実施の形態に係るプラズマ処理装置1を例示するための模式断面図である。 図1に示すように、プラズマ処理装置1には、チャンバ2、プラズマ発生部3、排気部4、蒸気供給部5、載置部6、駆動部7、およびコントローラ8が設けられている。
なお、処理物100は例示をしたものに限定されるわけではないが、ここでは一例としてプラズマ処理により有機物を除去する場合を説明する。
プラズマ発生部3には、導波管31、誘電体部32、およびマイクロ波発生部33が設けられている。
なお、処理物100の処理面100aと、定在波101aの腹の位置101a1との関係に関する詳細は後述する。
誘電体部32は、例えば、石英や酸化アルミニウムなどの誘電体材料から形成することができる。
なお、排気位置に関する詳細は後述する。
また、排気部4と排気口2aとの間に制御バルブ41を設けることができる。制御バルブ41は、例えば、APC(Auto Pressure Controller)バルブなどの圧力制御バルブとすることができる。
蒸気供給部5には、蒸発槽51、開閉バルブ52、ポンプ53、タンク54、および開閉バルブ55が設けられている。
蒸発槽51は、チャンバ2の内部に設けられている。蒸発槽51は、チャンバ2の底面に設けられ、チャンバ2の側面に沿って延びている。蒸発槽51は、環状を呈し、上部が開口した形態を有する。蒸発槽51の内部には液体103が収納可能な空間が設けられている。液体103は、処理に適したラジカルが生成可能なものを適宜選択することができる。例えば、レジストなどの有機物を除去する場合には、液体103はOHラジカルが生成可能なものとすることができる。この場合、液体103は水(純水)とすることができる。蒸気102は水蒸気とすることができる。
タンク54は、チャンバ2の外部に設けられている。タンク54は、液体103を収納する。
なお、開閉バルブ52を工場配管などに接続することもできる。この場合、ポンプ53とタンク54は、省略することができる。
開閉バルブ55は、チャンバ2の外部に設けられている。開閉バルブ55は、例えば、蒸発槽51と工場のドレイン配管などに接続することができる。開閉バルブ55は、蒸発槽51からの液体103の排出と排出の停止とを切り替える。
載置部6には、例えば、載置台61および軸62が設けられている。
その他、載置部6には、処理物100の受け渡しを行うためのピックアップピンなどを設けることもできる。
図2は、処理面100aにおける定在波101aの腹の位置101a1を例示するための模式図である。
図2に示すように、処理面100aのA、B、C、およびDの位置の上方に定在波101aの腹の位置101a1があるものとする。定在波101aの腹の位置101a1では電界強度が最も強くなる。そのため、A、B、C、およびDの位置の上方においてプラズマが発生しやすくなる。プラズマが発生すると、発生したプラズマにより蒸気102が励起、活性化されてラジカルやイオンが生成される。そして、生成されたラジカルやイオンが処理物100の処理面100aに供給されることで、例えば、処理面100aに付着している有機物が分解、除去される。
また、導波管31の内部には、導波管31の一定の位置に腹を有する定在波101aが形成可能である。そして、平面視において、載置部6の中心に最も近い腹の位置101a1は、載置部6の中心から離れた位置にある。
図3は、複数の導波管が設けられる場合を例示するための模式図である。
ここで、処理物100は回転するので、処理面100aの周縁領域における移動速度は、処理面100aの中央領域における移動速度よりも速くなる。そのため、処理面100aの周縁領域における処理レートが低くなるおそれがある。
図4に示すように、中央側の領域B1、C1にプラズマ処理を施すための導波管131cと、周縁側の領域A1にプラズマ処理を施すための導波管131dと、中間の領域D1にプラズマ処理を施すための導波管131eを設けることもできる。そして、導波管131c〜131eの内部にマイクロ波を放射するマイクロ波発生部に印加する電力を、領域における処理レートに応じて制御することもできる。この様にすれば、処理レートのバラツキをさらに抑制することができる。
なお、導波管の数は、処理物100の大きさや形状などに応じて適宜変更することができる。また、複数のマイクロ波発生部に印加する電力は、実験やシミュレーションなどを行うことで適宜決定することができる。
図1に例示をした排気位置2a1は、チャンバ2の天井の中心近傍に設けられている。この様にすれば、軸対称な排気を行うのが容易となる。そのため、蒸気供給部5から供給された蒸気102が、導波管31の下方に行き渡り易くなる。
図5(a)に示すように、複数の排気位置2a1を設ける場合には、複数の排気位置2a1は、チャンバ2の中心軸2bを中心として点対称な位置に設けることができる。
また、図5(b)に示すように、排気口2aの開口寸法を大きくし、排気口2aの開口に、複数の孔2a2aが設けられたプレート2a2を設けることができる。この様にすれば、孔2a2aの配置や数などを変更することで排気位置の調整を行うことができる。
以上に説明したように、排気位置2a1は少なくとも1つ設けられていればよい。排気位置2a1の数、配置などは、チャンバ2、導波管31、および載置部6などの大きさに応じて実験やシミュレーションを行うことで適宜決定することができる。
なお、図6(b)は、図6(a)におけるE−E線方向の模式断面図である。
図6(a)に示すように、平面視において、蒸気102を供給するノズル56を、定在波101aの腹の位置101a1の近傍、例えば、スロット31a1の中心の近傍に設けることができる。また、必要に応じて、導波管31の、ノズル56側とは反対側に排気ノズル57を設けることができる。
この様にすれば、図6(b)に示すように、導波管31の下方のプラズマが発生する領域に蒸気102を導入するのが容易となる。
処理物100の平面形状が円形であれば、プラズマ処理を施す際に処理物100を回転させることが好ましい。
処理物100bの平面形状が四角形である場合には、処理物100bを水平方向に移動させることができる。
この場合、導波管31の数が1つであれば、図7(a)に示すように、矢印Xの方向の移動と、矢印Yの方向の移動を組み合わせることができる。例えば、処理物100bが導波管31の下方を通過するように、処理物100bを矢印Xの方向に移動させる。次に、処理物100bを矢印Yの方向に移動させる。この際、処理物100bを、スロット31a1のピッチ寸法の半分の距離だけ移動させる。次に、処理物100bを矢印Xとは逆方向に移動させる。この様にすれば、処理物100bの処理面100cの全域にプラズマ処理を施すことができる。なお、矢印Yの方向の移動距離を小さくして、矢印Xの方向における往復移動の回数を増やすこともできる。
この場合、載置部6および駆動部7は、例えば、XYテーブルなどとすることができる。
この様な場合には、複数のスロット31a1が並ぶ方向(矢印Yの方向)に直交する矢印Xの方向に、処理物100dを移動させれば良い。この様にすれば、処理物100dの処理面100eの全域にプラズマ処理を施すことができる。なお、導波管31の数を3つ以上とすることもできる。
この場合、載置部6および駆動部7は、例えば、単軸ロボット、コンベアなどとすることができる。また、帯状の処理物100dを巻き取るものであってもよい。
Claims (7)
- 大気圧よりも減圧された雰囲気を維持可能なチャンバと、
前記チャンバの内部を排気可能な排気部と、
前記チャンバの内部に設けられ、処理物を載置可能な載置部と、
前記チャンバの内部に設けられ、前記載置部側の面に少なくとも1つのスロットを有する導波管と、
前記導波管の内部にマイクロ波を放射可能なマイクロ波発生部と、
前記導波管と前記載置部との相対的な位置を変更可能な駆動部と、
前記チャンバの底面に設けられ、内部に液体を収納可能な空間を有し、上部に開口が設けられた蒸発槽と、
を備え、
平面視において、前記載置部の中心に最も近い前記スロットの中心は、前記載置部の中心から離れた位置にあるプラズマ処理装置。 - 大気圧よりも減圧された雰囲気を維持可能なチャンバと、
前記チャンバの内部を排気可能な排気部と、
前記チャンバの内部に設けられ、処理物を載置可能な載置部と、
前記チャンバの内部に設けられ、前記載置部側の面に少なくとも1つのスロットを有する導波管と、
前記導波管の内部にマイクロ波を放射可能なマイクロ波発生部と、
前記導波管と前記載置部との相対的な位置を変更可能な駆動部と、
を備え、
平面視において、前記載置部の中心に最も近い前記スロットの中心は、前記載置部の中心から離れた位置にあり、
前記排気部による排気位置は、前記チャンバの天井の中心近傍に設けられているプラズマ処理装置。 - 大気圧よりも減圧された雰囲気を維持可能なチャンバと、
前記チャンバの内部を排気可能な排気部と、
前記チャンバの内部に設けられ、処理物を載置可能な載置部と、
前記チャンバの内部に設けられた導波管と、
前記導波管の内部にマイクロ波を放射可能なマイクロ波発生部と、
前記導波管と前記載置部との相対的な位置を変更可能な駆動部と、
前記チャンバの底面に設けられ、内部に液体を収納可能な空間を有し、上部に開口が設けられた蒸発槽と、
を備え、
前記導波管の内部には、前記導波管の一定の位置に腹を有する定在波が形成可能であり、
平面視において、前記載置部の中心に最も近い前記腹の位置は、前記載置部の中心から離れた位置にあるプラズマ処理装置。 - 大気圧よりも減圧された雰囲気を維持可能なチャンバと、
前記チャンバの内部を排気可能な排気部と、
前記チャンバの内部に設けられ、処理物を載置可能な載置部と、
前記チャンバの内部に設けられた導波管と、
前記導波管の内部にマイクロ波を放射可能なマイクロ波発生部と、
前記導波管と前記載置部との相対的な位置を変更可能な駆動部と、
を備え、
前記導波管の内部には、前記導波管の一定の位置に腹を有する定在波が形成可能であり、
平面視において、前記載置部の中心に最も近い前記腹の位置は、前記載置部の中心から離れた位置にあり、
前記排気部による排気位置は、前記チャンバの天井の中心近傍に設けられているプラズマ処理装置。 - 前記導波管の内部に設けられ、誘電体材料を含む誘電体部をさらに備えた請求項1〜4のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置。
- 前記駆動部は、前記載置部を回転可能となっている請求項1〜5のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置。
- 前記液体は、水を含む請求項1または3に記載のプラズマ処理装置。
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