発光素子から出射される光を効率よく外部に取り出すために、発光素子の近傍において光反射面を有する反射層を形成する発光装置がある。このような発光装置では、反射層となる未硬化の樹脂材料が発光素子の側面を覆わないように、発光素子の周囲に堰き止め用の壁を設けた発光装置がある。
このような発光装置では、発光素子の周囲の壁と樹脂パッケージを構成する樹脂体とを同時に作製できれば、コストの観点で有利である。例えば、モールド成形法によって樹脂パッケージを作製する場合、金型内の樹脂体が形成される空間と、発光素子の周囲の壁が形成される空間とを繋げることで一体的に同時形成が可能となる。しかし、発光素子の周囲の壁の一部、例えば、樹脂注入口からの経路が遠い部分において、十分に樹脂材料が充填されず、その壁の一部に欠落する部分が発生する虞がある。このような点に鑑み、本開示の発光装置は、上記の課題を解決することを目的とする。
以下、図面を参照しながら、本開示の発光装置を詳細に説明する。本開示の発光装置は、例示であり、以下で説明する発光装置に限られない。以下の説明では、特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」およびそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。それらの用語は、参照した図面における相対的な方向や位置を、分かり易さのために用いているに過ぎない。また、図面が示す構成要素の大きさや位置関係等は、分かり易さのため、誇張されている場合があり、実際の発光装置における大きさあるいは、実際の発光装置における構成要素間の大小関係を反映していない場合がある。
(第1の実施形態)
[発光装置101]
本開示の第1の実施形態である発光装置101を説明する。図1Aおよび図1Bは、それぞれ発光装置101を上面側および下面側から見た模式的斜視図であり、図1Cは、発光装置101から封止部材75および光反射性部材50を取り除いた構造を上面側から見た模式的斜視図である。図2Aは、発光装置101の模式的上面図である。また、図2Bは、発光装置101から封止部材75および光反射性部材50を取り除いた状態の模式的上面図である。図2C、図2D、図2Eおよび図2Fは、図2Aの2C−2C線、2D-2D線、2E−2E線および2F−2F線における発光装置101の模式的断面図である。内部の構造を示すため、図1Aおよび図2Aにおいて、封止部材75は透明な部材として示している。
発光装置101は、樹脂パッケージ10と、少なくとも1つの発光素子と、光反射性部材50とを備える。本実施形態では、発光装置101は、発光素子41および発光素子42を備える。発光装置101は、封止部材75を備えていてもよい。以下、各構成要素を詳細に説明する。
[樹脂パッケージ10]
樹脂パッケージ10は、筐体であり、凹部11を有する。凹部11内に発光素子41、42と光反射性部材50とが配置される。樹脂パッケージ10は、樹脂体30と、第1リード21および第2リード22を含む複数のリードとを備える。樹脂体30は、第1リード21および第2リード22と一体的に形成されている。第1リード21は、上面21aおよび上面21aと反対側に位置する下面21bを有し、第2リード22は、上面22aおよび上面22aと反対側に位置する下面22bを有する。第1リード21および第2リード22は、下面21bおよび下面22bが略同一平面上に位置するように配置されている。第1リード21と第2リード22との間には、後述する樹脂体30の第3樹脂部33が位置している。
樹脂パッケージ10は、上面10aおよび上面10aと反対側に位置する下面10bとを有する。本実施形態では、樹脂パッケージ10は、上面視において略四角形の外形形状を有する。このため、樹脂パッケージ10は、外側面10c、外側面10cと反対側に位置する外側面10d、外側面10e、および外側面10eと反対側に位置する外側面10fの4つの外側面を有する。なお、上面視における樹脂パッケージ10の外形形状は、四角形に限られず、他の形状を有していてもよい。また、樹脂パッケージ10は、上面視において、開口11aの1つの角部を面取りすることによって形成されたアノードマークまたはカソードマークを有していてもよい。アノードマークまたはカソードマークは、2つのリードの極性を示すマークとして機能する。
樹脂パッケージ10には、上面10aに開口11aを有する凹部11が設けられている。凹部11の底面には、第1リード21の上面21aの一部および第2リード22の上面22aの一部が位置している。凹部11の形状については、樹脂体30を説明する際に詳細に説明する。
樹脂パッケージ10の下面10bには、第1リード21の下面21bおよび第2リード22の下面22bが露出している。
[第1リード21、第2リード22]
第1リード21および第2リード22は、導電性を有し、発光素子41、42に給電するための電極や高い熱伝導性を有する放熱性部材として機能する。本実施形態では、複数のリードとして、電極として機能する第1リード21および第2リード22を備える。また、発光装置101は第1リード21および第2リード22に加えて第3リードを備えていてもよい。複数のリードが第1リード21、第2リード22および第3リードを含む場合、第1リード21は、第2リード22と第3リードとの間に位置する。この場合、第1リード21は放熱部材として機能し、第2リード22および第3リードは電極として機能してよい。
図3Aおよび図3Bは、第1リード21および第2リード22の模式的上面図および模式的下面図である。第1リード21は、例えば、略矩形形状を有し、側部21c、21d、21e、21fを有する。側部21dは第2リード22と対向している。また、側部21cは、側部21dと反対側に位置している。側部21eおよび側部21fは互いに反対側に位置し、第2リード22と対向していない。
第1リード21は、側部21d、21e、21fに沿って、側部21d、21e、21fの下面21b側に側縁溝部21g(網掛けのハッチングで示す)を有する。側縁溝部21gは、下面21bから上面21a側に窪んでいる。側縁溝部21gは、エッチング加工やプレス加工等によって形成することができる。
上面視における側部21c、21e、21fのそれぞれの中央近傍には延伸部21hが位置している。延伸部21hは、第1リード21の一部である。側部21c、21e、21fにある延伸部21hの端面は、図1Aおよび図1Bに示すように、樹脂パッケージ10の外側面10c、10e、10fにおいて樹脂体30から露出している。図1Aおよび図1Bでは、樹脂パッケージ10の外側面10c、10e、10fにおいて、延伸部21hの端面は、樹脂体30と略同一平面となっている。延伸部21hは、第1リード21の本体部から樹脂パッケージ10の外側面10c、10e、10fに向かって延伸している。なお、図3Aおよび図3Bでは、本体部は、第1リード21のうち延伸部21hを除いた上面視において外形が略四角形の部位のことを指す。
側部21e、21fには、貫通部25m、25nがそれぞれ設けられている。貫通部25m、25nは、第1リード21の上面21aから下面21bに貫通した空洞(孔)であり、側部21eおよび側部21fのそれぞれの外縁に開口(切れ目)を有している。貫通部25m、25nは、側部21e、21fにそれぞれ設けられた切り欠きともいえる。ただし、側部21e、21fの一部を切り欠くことによって形成されている必要はなく、例えば、エッチング加工やプレス加工等によって、側部21e、21fと貫通部25m、25nとは一体的に加工されてもよい。
貫通部25m、25nは、側部21e、21fのいずれの位置に設けられていてもよく、延伸部21hよりも側部21d側に位置してもよいし、側部21c側に位置していてもよい。本実施形態では、貫通部25m、25nは、側部21e、21fにおいて延伸部21hよりも側部21c側に位置している。
第1リード21に側縁溝部21gが設けられる場合は、貫通部25m、25nは、全体が側縁溝部21g内に位置していることが好ましい。しかし、貫通部25m、25nは、一部が側縁溝部21gよりも第1リード21の中央側に位置していてもよい。また、貫通部25m、25nは、第1リード21の側縁溝部21g以外の領域に位置していてもよい。
後述するように、貫通部25m、25nおよび側縁溝部21gは樹脂体30の一部で埋め込まれる。これにより、樹脂体30と複数のリードとの密着性が向上する。第1リード21の側縁溝部21gは第1樹脂部31内に埋め込まれるため、貫通部25m、25nの全体が側縁溝部21g内に位置している場合には、樹脂パッケージ10の下面10bにおいて、樹脂体30から露出する第1リード21の下面21bに貫通部25m、25nは位置しないし、貫通部25m、25nに埋められた樹脂体30の部分も位置しない。よって、樹脂体30から露出する第1リード21の下面21bの面積が、貫通部25m、25nを埋める樹脂体30によって減少することが避けられる。これにより、発光素子41、42から発生する熱を、第1リード21の下面21bから効率的に放熱することができる。また、応用製品に発光装置を組み込む場合は、種々の要因により応用製品側の配線基板はそのままで、発光装置のみを変更することがある。そのような場合に、発光装置101において貫通部25m、25nの全体を側縁溝部21g内に位置させることで、変更前の発光装置のリードの下面と同じ形状とすることができる。例えば、変更前の発光装置のリードの下面の形状が、図1Bで示すような略四角形の形状である場合、発光装置101において貫通部25m、25nの全体を側縁溝部21g内に位置させることで、第1リード21の下面21bの形状を変更前の発光装置の形状と同等のものにすることができる。そのため、変更前の発光装置の代替品として用いることができる。
第1リード21の上面21aには、第1溝21jおよび第2溝21m、21nが設けられている。第1溝21jは、破線で示す上面21aの素子載置領域21rの周囲の少なくとも一部に配置される。素子載置領域21rは、発光素子41、42が搭載される領域である。また、第1溝21jが素子載置領域21rの周囲の少なくとも一部に配置されるとは、第1溝21jが、素子載置領域21rの周囲の全部(全周)に配置される場合と、素子載置領域21rの周囲の一部に配置される場合のいずれであってもよく、これらのいずれをも指す。第1溝21j内には、後述する樹脂体30の第2樹脂部32の一部が充填される。
第1溝21jおよび第2溝21m、21nは、上面視において、側部21dに設けられた側縁溝部21gと重ならないように設けられることが好ましい。上面21aに設けられる第1溝21jと下面21b側に設けられる側縁溝部21gとが重なると、その部分の厚さが上面21a側および下面21b側から薄くなり、リードの強度が十分に確保できない可能性が生じる。つまり、上面視において、第1溝21jを側部21dに設けられた側縁溝部21gと重ならないように設けることで、リードの強度を十分に確保することができる。
第2溝21mは、貫通部25mと第1溝21jとを接続している。同様に、第2溝21nは、貫通部25nと第1溝21jとを接続している。後述するように第2溝21m、21n内には、樹脂体30の第1樹脂接続部35m、35nが配置される。
同様に、第2リード22は、例えば、略矩形形状を有し、側部22c、22d、22e、22fを有する。第2リード22は、下面22bの側部22c、22e、22fに沿って、側縁溝部22g(網掛けのハッチングで示す)を有する。上面視における側部22dの中央近傍には延伸部22hが位置している。延伸部22hは、第2リード22の一部である。側部22dにある延伸部22hの端面は、樹脂パッケージ10の外側面10dにおいて露出している。延伸部22hは、第2リード22の本体部から樹脂パッケージ10の外側面10dに向かって延伸している。なお、図3Aおよび図3Bでは、本体部は、第2リード22のうち延伸部22hを除いた上面視において外形が略四角形の部位のことを指す。
樹脂パッケージ10において、第1リード21と第2リード22とは所定の間隙で位置しており、第1リード21の側部21dは第2リード22の側部22cと対向している。
本実施形態では、上面視において、第1リード21の面積は第2リード22の面積よりも大きい。これは、第1リード21に素子載置領域21rを設けているからである。しかし、上面視における第1リード21および第2リード22の大小関係はこれに限られない。例えば、素子載置領域21rを第2リードに設ける場合には、上面視において、第2リード22の面積が第1リード21の面積より大きくてもよい。また、素子載置領域21rを第1リード21および第2リードにまたがって設けてもよい。この場合、上面視において、第1リード21および第2リード22の面積が略等しくてもよい。なお、複数のリードが第1リード21、第2リード22および第3リードを含み、第1リード21が第2リード22と第3リードとの間に位置する場合、例えば、上面視において、第2リード22および第3リードそれぞれの面積は略等しく、第1リード21の面積は第2リード22および第3リードの面積よりも大きい。複数のリードが第3リードを備える場合は、素子載置領域21rは第1リード21に設けられる。
第1リード21に設けられた側縁溝部21gおよび貫通部25m、25nは樹脂体30と第1リード21との密着性の向上のために設けられている。また、第2リード22に設けられた側縁溝部22gは、樹脂体30と第2リード22との密着性の向上のために設けられている。
延伸部21h、22hは、後述するリードフレームにおいて、第1リード21および第2リード22となる部分の本体部をフレームに連結する連結部の一部である。リードフレームは、フレームと、複数の連結部と、複数の連結部により連結された複数対の第1リード21となる部分の本体部および第2リード22となる部分の本体部とを有する。そして、リードフレームに樹脂体30が一体的に形成され、その後連結部で切断することによって個片化される。このため、連結部の一部であった延伸部21h、22hは、樹脂パッケージ10の外側面10c、10d、10e、10fにおいて、樹脂体30と略同一平面で露出する。個片化された後は、第1リード21の本体部と延伸部21hとを含めて第1リード21となる。第2リード22についても同様である。
第1リード21および第2リード22は、それぞれ、基材と基材を被覆する金属層とを有する。基材は、板状の部材であることが好ましい。基材は、例えば、銅、アルミニウム、金、銀、鉄、ニッケル、又はこれらの合金、燐青銅、鉄入り銅などの金属を含む。これらは単層であってもよいし、積層構造(例えば、クラッド材)であってもよい。特に、基材には安価で放熱性が高い銅を用いることが好ましい。金属層は、例えば、銀、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、ロジウム、金、銅、又はこれらの合金などを含む。なお、第1リード21および第2リード22において、金属層が設けられていない領域があってもよい。また、第1リード21および第2リード22において、上面21a、22aに形成される金属層と、下面21b、22bに形成される金属層とが異なっていてもよい。例えば、上面21a、22aに形成される金属層は、ニッケルの金属層を含む複数層からなる金属層であり、下面21b、22bに形成される金属層は、ニッケルの金属層を含まない金属層である。
また、第1リード21および第2リード22の最表面に銀または銀合金のメッキ層が形成される場合は、銀または銀合金のメッキ層の表面に酸化ケイ素等の保護層が設けられることが好ましい。これにより、大気中の硫黄成分等により銀または銀合金のメッキ層が変色することを抑制できる。保護層の成膜方法は、例えばスパッタ等の真空プロセスによって成膜することができるが、その他の既知の方法を用いてもよい。図2Gに示すように、保護層70(太線で示している)は、発光素子41、42を実装しワイヤで接続した後で、且つ、光反射性部材50を形成する前に形成してもよいし、図2Hに示すように、光反射性部材50を形成した後に部分的に形成してもよい。
[樹脂体30]
再び図2Bに戻り、樹脂体30の説明をする。樹脂体30は、第1リード21および第2リード22と一体に形成され、第1リード21および第2リード22とともに樹脂パッケージ10を構成する。樹脂体30は、第1樹脂部31と、第2樹脂部32と、第3樹脂部33と、第1樹脂接続部35m、35nとを有する。
第1樹脂部31は、内側壁面31c、31d、31e、31fの4つの側面を有し、第1リード21および第2リード22とともに凹部11を形成する。内側壁面31cと内側壁面31dおよび内側壁面31eと内側壁面31fとは、それぞれ対向している。
第1樹脂部31は、さらに、樹脂パッケージ10の外側面10c、10d、10e、10fを構成している。外側面10c、10d、10e、10fは、それぞれ、内側壁面31c、31d、31e、31fの反対側に位置している。
図2Bで示すように、内側壁面31c、31d、31e、31fのうち、隣接する2つは曲面を構成するように接続されており、内側壁面間の明瞭な境界は形成されていない。凹部11の開口11aは、上面視において、略四角形の外形形状を有し、4つの角部が丸まっている。底面11bの外縁は、上面視において、4つの角部の位置で、開口11aの外縁の4つの角部と比較して、より半径の大きい円弧を描くように丸まっている。
第2樹脂部32は、凹部11の底面11bに位置しており、素子載置領域21rの周囲に配置される。第2樹脂部32は、光反射性部材50の内縁の位置を画定し、光反射性部材50が発光素子41、42の側面を覆うことを抑制する。光反射性部材50が発光素子41、42の側面を直接覆わないことで、発光素子41、42の側方に出る光が光反射性部材50内に閉じこもることを抑制することができる。図2Cに示すように、第2樹脂部32は、上面21aに設けられた第1溝21j内に配置され、上面21aを含む平面よりも下方に位置する第2部分32dと、第2部分32dの上に位置し、上面21aを含む平面よりも上方に位置する第1部分32cとを含む。本実施形態では、第2樹脂部32の第1部分32cは、第1リード21の上面21aから高さh1および幅w1を有し、素子載置領域21rを切れ目なく囲む環形状を有する。
また、図2Bに示すように、第1部分32cの一部は、上面21a上に位置しており、他の一部は第1溝21j内の第2部分32d上に位置しており、残りの部分は後述する第3樹脂部33の上面33aに位置している。第1溝21jの幅w2は第1部分32cの幅w1よりも大きいことが好ましい。これにより、第2樹脂部32と第1リード21との接触面積が増大し、且つ、第1部分32cの幅w1を小さくすることで、後述する光反射性部材50を設ける際の流動経路を十分に確保することができる。つまり、上面21a上の第2樹脂部32が第1リード21から剥離するのを抑制することができ、且つ、光反射性部材50を効率的に設けることができる。また、第1部分32cの幅w1を小さくすることで、光反射性部材50の光反射面(傾斜面50s)を傾斜させやすくすることができる。その結果、発光素子41、42から出射した光を効率的に上方に取り出すことができる。
第1部分32cの上面21aからの高さh1は、発光素子41、42の上面21aからの高さh2よりも低いほうが好ましい。これにより、発光素子41、42から出射した光を、光反射性部材50の傾斜面50sに入射させやすくでき、効率的に開口11aから外部へ出射させることができる。
図2Eおよび図2Fに示すように、第1樹脂接続部35m、35nは、樹脂体30のうち、第2樹脂部32と、第1樹脂部31との間に位置する部分であり、第2樹脂部32と、第1樹脂部31とを接続している。本実施形態では、第1樹脂接続部35m、35nは、第1リード21の第2溝21m、21n内に位置しており、第2樹脂部32と、第1樹脂部31の内側壁面31cのうち底面11bとの境界と接続している。より具体的には、第1樹脂接続部35m、35nの一端は、第2樹脂部32の第2部分32dと接続している。第1樹脂接続部35m、35nの他端は、第1樹脂部31の内側壁面31e、31fとそれぞれ接し、かつ、第1樹脂部31の、内側壁面31e、31fの下端よりも第1リード21の下面21b側に位置する部分と接続している。
本実施形態では、第1樹脂接続部35m、35nは、第1リード21の上面21aよりも突出しておらず、第1樹脂接続部35m、35nの上面35aと第1リード21の上面21aとは略同じ高さに位置する。このため、光反射性部材50の未硬化の樹脂材料を凹部11の底面11b上に吐出した時に、未硬化の樹脂材料が、第1樹脂接続部35m、35nによって妨げられずに底面11b上を流動することが可能である。なお、第1樹脂接続部35m、35nは、第1リード21の上面21aよりも突出していてもよい。例えば、第1リード21が上面21aに第2溝21m、21nを有さない場合は、第1樹脂接続部35m、35nは、第1リード21の上面21aよりも突出する。第1樹脂接続部35m、35nが第1リード21の上面21aよりも突出する場合は、第1樹脂接続部35m、35nの高さは、第2樹脂部32の高さよりも低いことが好ましい。これにより、光反射性部材50の未硬化の樹脂材料の流動を止めることなく底面11b上に拡げることができる。
図2E、図2Fにおいて破線で示すように、第1リード21の貫通部25m、25nは、第1樹脂部31内に位置しており、貫通部25m、25nは第1樹脂部31の一部で充填されている。貫通部25m、25nは、第2溝21m、21nとそれぞれ接続されているので、第2樹脂部32は、第2溝21m、21n内に位置する第1樹脂接続部35m、35nによって、第1樹脂部31と接続される。
第3樹脂部33は、樹脂体30のうち、第1リード21と第2リード22との間に位置する部分である。第3樹脂部33は、上面33aおよび下面33bを有し、上面33aは、凹部11の底面11bに位置している。上面33aは、第1リード21の上面21aおよび第2リード22の上面22aと同じ高さの位置にあり、第1リード21の上面21aおよび第2リード22の上面22aよりも突出していない。下面33bは、樹脂パッケージ10の下面10bに位置している。第3樹脂部33は、第1樹脂部31の内側壁面31eを有する壁部と内側壁面31fを有する壁部とに接続されている。なお、例えば、第3リードを備える場合は、第3樹脂部33は、第1リード21と第2リード22との間に配置される。第3樹脂部33は第2リード22と第3リードとの間にも配置されてもよい。
第3樹脂部33の上面33aには、上述したように、第2樹脂部32の第1部分32cの一部が位置している。第2樹脂部32および第3樹脂部33がこの位置関係を有していることで、モールド成形法によって樹脂体30となる未硬化の樹脂材料を金型内に流入する際に、金型内において、第3樹脂部33を形成する空間から第2樹脂部32を形成する空間へ樹脂材料を導入することが可能となる。
第2樹脂部32は、凹部11の底面11bにおいて、第2樹脂部32の第2部分32dが第1樹脂接続部35m、35nによって第1樹脂部31と接続されている。また、第2樹脂部32の第1部分32cの一部は、第3樹脂部33の上面33aに位置しており、第3樹脂部33と接続されている。このため、第2樹脂部32が剥離して樹脂パッケージ10から脱離することが抑制される。また、第2樹脂部32の第2部分32dおよび第1樹脂接続部35m、35nは第1リード21の第1溝21jおよび第2溝21m、21n内に形成されているため、第1リード21の上面21aに設ける場合に比べて、第1リード21との接触面積が増大し密着性が向上する。よって、第2樹脂部32をより確実に底面11bに配置することが可能である。
樹脂体30は、母材となる樹脂材料として、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができる。具体的には、エポキシ樹脂組成物、シリコーン樹脂組成物、シリコーン変性エポキシ樹脂などの変性エポキシ樹脂組成物、エポキシ変性シリコーン樹脂などの変性シリコーン樹脂組成物、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂組成物、変性ポリイミド樹脂組成物等の硬化体、ポリフタルアミド(PPA)、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ABS樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、PBT樹脂等の樹脂を用いることができる。特に、エポキシ樹脂組成物や変性シリコーン樹脂組成物の熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。上述したように、第1樹脂部31、第2樹脂部32、第3樹脂部33および第1樹脂接続部35m、35nは一体に連結するため、同じ樹脂材料によって形成され得る。樹脂体30は、未硬化の状態で粘度が10pa・s〜40pa・sであることが好ましく、15pa・s〜25pa・sであることがより好ましい。これにより、金型を用いたモールド成形法によっても、第1樹脂部31、第2樹脂部32、第3樹脂部33および第1樹脂接続部35m、35nを流動性良く形成することができる。
また、樹脂体30は、発光装置のコントラストを向上させるために、発光装置の外光(多くの場合、太陽光)に対して光反射率が低いものを用いてもよい。この場合、通常は黒色ないしそれに近似した色であることが好ましい。この時の充填剤としてはアセチレンブラック、活性炭、黒鉛などのカーボンや、酸化鉄、二酸化マンガン、酸化コバルト、酸化モリブデンなどの遷移金属酸化物、もしくは有色有機顔料などを目的に応じて利用することができる。
[発光素子41、42]
発光素子41、42には、発光ダイオード素子などの半導体発光素子を用いることができる。本実施形態では、発光装置101は、2つの発光素子を備えているが、1つの発光素子を備えていてもよいし、3つ以上の発光素子を備えていてもよい。発光素子41、42は、特に、紫外〜可視域の発光が可能な窒化物半導体(InxAlyGa1−x−yN、0≦x、0≦y、x+y≦1)を含むことが好ましい。例えば、発光素子41、42は、それぞれ青色光および緑色光を出射してもよい。発光装置が、3つの発光素子を備える場合、3つの発光素子は、それぞれ、青色光、緑色光、赤色光を出射してもよい。
発光素子41、42は、第1リード21の素子載置領域21rに位置し、第1リード21と接合部材によって接合される。接合部材としては、例えば、樹脂体30で例示した樹脂材料を含む樹脂、錫−ビスマス系、錫−銅系、錫−銀系、金−錫系などの半田、銀、金、パラジウムなどの導電性ペースト、バンプ、異方性導電材、低融点金属などのろう材等を用いることができる。本実施形態では、発光素子41、42と、第1リード21および第2リード22とをワイヤ43a、43b、43c、43dによって電気的に接続する。本実施形態では、発光素子41および発光素子42は第1リード21と第2リード22との間において、並列に接続されている。しかし、発光素子41および発光素子42は直列に接続されていてもよい。
[光反射性部材50]
光反射性部材50は、発光素子41、42から出射した光を開口11aへ向けて反射させる。光反射性部材50は、凹部11の内側壁面31c、31d、31e、31fと第2樹脂部32とに囲まれる(挟まれる)領域に位置している。具体的には、凹部11内において、内側壁面31c、31d、31e、31fおよび第2樹脂部32の外側に位置する第1リード21の上面21a、第2リード22の上面22aおよび第3樹脂部33の上面33aの一部を覆って形成されている。第2樹脂部32の内側、つまり、素子載置領域21rには光反射性部材50は設けられていない。
光反射性部材50は、内側壁面31c、31d、31e、31fと第2樹脂部32との間において、傾斜面50sを有する。傾斜面50sは、凹部11の底面11b側に窪んでいる。光反射性部材50は、発光素子41、42から出射した光を開口11aへ向けて反射させることができ、発光装置101の外部取り出し効率を高めることができる。
光反射性部材50で形成される傾斜面50sの上端部と下端部とを結ぶ直線と凹部11の底面11bとにより形成される傾斜角は、樹脂パッケージ10の内側壁面の傾斜面の上端部と下端部とを結ぶ直線と凹部11の底面11bとにより形成される傾斜角よりも小さくすることができる。これは、光反射性部材50を発光素子の近傍にまで形成することができるためで、これにより、発光素子41、42から出射した光を効率的に開口11aへ向けて反射させることができる。
光反射性部材50は発光素子からの光や外光などに対して透過や吸収しにくい部材が好ましい。光反射性部材50は白色を有することが好ましい。例えば、光反射性部材50の母体となる樹脂として熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができ、より具体的には、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、BTレジンや、PPAやシリコーン樹脂などを用いることができる。これら母体となる樹脂に、発光素子からの光を吸収しにくくかつ母体となる樹脂に対して屈折率差の大きい反射部材(例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム)などの光散乱粒子を分散することで、効率よく光を反射させることができる。光反射性部材50の未硬化の状態の粘度は、樹脂体30の未硬化の状態の粘度よりも低いことが好ましい。例えば、光反射性部材50の未硬化の状態の粘度は、1pa・s〜20pa・sであることが好ましく、5pa・s〜15pa・sであることがより好ましい。これにより、凹部11内において、光反射性部材50の濡れ広がりが良好となり、光反射性部材50が充填不足となる可能性を抑制することができる。光反射性部材50は、未硬化の状態でチクソ性が高いことが好ましい。
光反射性部材50は、樹脂体30よりも光反射率が高いことが好ましい。例えば、光反射性部材50に含有される光反射性物質(例えば酸化チタン)の含有量は、樹脂体30に含有される光反射性物質の含有量よりも多い。具体的には、光反射性部材50に含有される光反射性物質の含有量は、樹脂体30に含有される光反射性物質の含有量の1.5倍以上であることが好ましく、2倍以上であることがより好ましく、2.5倍以上であることがさらに好ましい。例えば、光反射性部材50には、未硬化の樹脂材料の全重量のうち酸化チタンが40重量%含有されており、樹脂体30には、未硬化の樹脂材料の全重量のうち酸化チタンが15〜20重量%含有されている。
[保護素子60]
発光装置101は、静電耐圧を向上させるために保護素子60を備えていてもよい。保護素子60には、一般的な発光装置に搭載される種々の保護素子を用いることができる。例えば、保護素子60としてツェナーダイオードを用いることができる。発光装置101において、保護素子60および発光素子41、42は、並列に接続されている。
保護素子60は、例えば、図2Bにおいて破線で示すように、第2リード22の上面22aに設けることができる。保護素子60は、光反射性部材50内に埋め込まれている。これにより、発光素子41、42からの光が保護素子60に吸収されることを抑制することができる。
保護素子60の2つの端子のうちの一方は、接合部材によって、第1リード21の上面21aと電気的に接続されている。接合部材としては、例えば錫−ビスマス系、錫−銅系、錫−銀系、金−錫系などの半田、銀、金、パラジウムなどの導電性ペースト、バンプ、異方性導電材、低融点金属などのろう材等を用いることができる。また、保護素子60の他方の端子は、例えば、ワイヤ61によって第1リード21の上面21aに接続されている。
[封止部材75]
発光装置101は封止部材75を備えていてもよい。封止部材75は、凹部11内の光反射性部材50の傾斜面50sが形成する凹部51内に位置し、凹部51の底に位置する発光素子41、42を被覆している。封止部材75は発光素子41、42を外力や埃、水分などから保護することができる。
封止部材75は、発光素子41、42から出射される光の60%以上を透過するもの、さらに90%以上を透過するものが好ましい。封止部材75の材料としては、樹脂体30で用いられる樹脂材料を用いることができ、母体となる樹脂として熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができ、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂またはこれらを1つ以上含む樹脂を用いることができる。封止部材75は単一層から形成することもできるが、複数層から構成することもできる。また、封止部材75には、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムなどの光散乱粒子を分散させてもよい。
封止部材75は、発光素子41、42からの光の波長を変換する材料(蛍光体等)を含んでいてもよい。蛍光体としては、具体的には、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット、セリウムで賦活されたルテチウム・アルミニウム・ガーネット、ユウロピウムおよび/若しくはクロムで賦活された窒素含有アルミノ珪酸カルシウム(カルシウムの一部をストロンチウムで置換可)、ユウロピウムで賦活されたサイアロン、ユウロピウムで賦活されたシリケート、ユウロピウムで賦活されたアルミン酸ストロンチウム、マンガンで賦活されたフッ化珪酸カリウムなどを用いることができる。
光散乱粒子および/又は蛍光体の含有量は、例えば、封止部材75の全重量に対して10〜100重量%程度であることが好ましい。
封止部材75は、複数の封止部を有していてよい。例えば、図2Iに示すように、封止部材75は、第1封止部75aと第2封止部75bとを有する。第1封止部75aは、第2樹脂部32の上面および第2樹脂部32で規定される内側の領域(素子載置領域を含む領域)に形成され、発光素子41、42を内側に内包する。第2封止部75bは、第1封止部75aの上に配置される。このような封止部材75において、例えば、第1封止部75aに長波の光を発する蛍光体を含有させ、第2封止部75bに短波の光を発する蛍光体を含有させることで、蛍光体同士の光の吸収を抑えることができる。例えば、第1封止部75aに赤色蛍光体を含有させ、第2封止部75bに黄色蛍光体や青色蛍光体を含有させる。
また、図2Jにおいて、封止部材75が複数の封止部を有する別の例を示す。図2Jに示す封止部材75は、第1封止部75aと第2封止部75bとを有する。第1封止部75aは、発光素子41、42の上面に配置される。具体的には、第1封止部75aは、発光素子41、42の上面のみを被覆し、発光素子41、42の側面は被覆しない。第2封止部75bは、第1封止部75aの上に配置され、第1封止部75aの上面および発光素子41、42の側面を被覆する。このような封止部材75において、例えば、第1封止部75aに長波の光を発する蛍光体を含有させ、第2封止部75bに短波の光を発する蛍光体を含有させる。光強度が大きい発光素子41、42の上面(発光面)側に長波の光を発する蛍光体を配置することで、発光素子41、42から出射される光の多くを長波の光を発する蛍光体に効率的に吸収させることができる。その結果、第1封止部75aに含有される蛍光体と、第2封止部75bに含有される蛍光体との蛍光体同士の光の吸収を抑えることができる。例えば、第1封止部75aに赤色蛍光体を含有させ、第2封止部75bに黄色蛍光体や青色蛍光体を含有させる。
[発光装置101の製造方法]
本開示の発光装置の製造方法の一実施形態を説明する。本開示の発光装置の製造方法は、集合基板を準備する工程(A)と、集合基板を個片化し、複数の発光装置を得る工程(B)とを有する。以下、各工程を詳細に説明する。
(A)集合基板を準備する工程
図4Aは、集合基板201の模式的上面図である。集合基板201では、複数の発光装置となる部分(以下、発光装置相当領域101’という)が2次元に配列されている。図4Bは、4つの発光装置相当領域101’を示す模式的上面図である。発光装置相当領域101’は、個片化されていない点を除いて、図1Aから図3Bを参照して説明した発光装置101と同じ構造を備える。
まず、第1リード21となる部分(以下、第1リード相当領域21’という)および第2リード22となる部分(以下、第2リード相当領域22’という)が複数対形成されたリードフレーム202に樹脂体30を形成する。図5は、第1リード相当領域21’および第2リード相当領域22’が複数対形成されたリードフレーム202のうち、4つの発光装置相当領域101’に対応する部分を示している。リードフレーム202において、y方向には、第1リード相当領域21’および第2リード相当領域22’が交互に配列されている。x方向には、第1リード相当領域21’または第2リード相当領域22’が複数配列されている。
y方向において、第1リード相当領域21’の側部21cと第2リード相当領域22’の側部22dとの間が連結部24によって接続されている。またx方向において、第1リード相当領域21’の側部21fと隣接する第1リード相当領域21’の側部21eとが連結部23によって接続されている。
リードフレーム202への樹脂体30の形成は、例えば、トランスファモールド法、射出成形法、圧縮成形法などによって行うことができる。
次に、図6Aに示すように、上金型210Uと下金型210Dを備える金型でリードフレーム202を挟み込む。図6Aは、図2Eに示す発光装置101の断面に対応するリードフレーム202の一部を示している。上金型210Uは、第1樹脂部31を形成する第1空間210cと、第2樹脂部32の第1部分32cを形成する第2空間210dを有する。上金型210Uにおいて、第2空間210dは、第1空間210cとは連通しておらず、独立した空間である。下金型210Dには本実施形態では空間は形成されていない。
リードフレーム202は、第3空間202eと、上面側の第4空間202dと、第5空間202fとを有する。第3空間202eは、第3樹脂部33の形状に対応し、第3空間202eによって、第3樹脂部33が形成される。また、リードフレーム202の第4空間202dは、第1リード21の第1溝21jおよび第2溝21mを含み、第4空間202dによって、第2樹脂部32の第2部分32dおよび第1樹脂接続部35m、35nがそれぞれ形成される。第5空間202fは、第1樹脂部31の一部を形成する。また、第5空間202fは、貫通部25m、25nを含む。
上述したように、上金型210Uにおいて、第1空間210cと第2空間210dとは分離している。しかし、上金型210Uと下金型210Dとでリードフレーム202を挟み込むことによって、第1空間210cが、リードフレーム202の第4空間202dのうちの第2溝21m、21nと接続される。また、上金型210Uの第2空間210dはリードフレーム202の第4空間202dのうちの第1溝21jと接続される。また、上金型210Uの第2空間210dはリードフレーム202の第3空間202eと接合される。
図6Bで示すように、上金型210Uと下金型210Dとで挟み込まれた金型内の上述した空間に、樹脂体30となる未硬化の樹脂材料を注入する。このとき、上述した上金型210Uの空間と、リードフレーム202の空間とは繋がっているため、これらの空間に未硬化の樹脂材料が充填される。特に、第1空間210cに充填された未硬化の樹脂材料は、矢印で示すように、貫通部25m、25nおよび第4空間202d(第2溝21m、21nおよび第1溝21j)を介して第2空間210dへ移送される。また、第3空間202eに充填された未硬化の樹脂材料は、矢印で示すように、第3空間202eから第2空間210dへ移送される。これにより、すべての空間に未硬化の樹脂材料が入り込む。
このように、本開示の発光装置および発光装置の製造方法によれば、樹脂体30の第1樹脂接続部35m、35nが形成される第1リード21の第2溝21m、21nは、樹脂体30の形成時に第2樹脂部32を形成するための金型の第2空間210dへのゲートとして機能する。このため、金型を用いた成形によって、樹脂パッケージ10を製造する際、同時に第2樹脂部32を形成することが可能となる。
また、樹脂材料を注入する際に、金型内において第2空間210dは、複数個所で他の空間と接続されている。具体的には、第2空間210dは、第4空間202d(第2溝21m、21nおよび第1溝21j)を介して第1樹脂部31を形成する第1空間210cと接続され、かつ、第3樹脂部33を形成するための第3空間202eとも接続されている。複数個所から第2空間210dへ未硬化の樹脂材料が供給されるので、金型内の第2空間210d内において樹脂材料の充填不足が生じる可能性を低減させることができる。また、短時間で均一に未硬化の樹脂材料を充填することが可能である。
未硬化の樹脂材料の充填後、金型内において、樹脂材料に所定の温度を加えて仮硬化を行う。その後、金型から抜脱して、仮硬化よりも高い温度を加えて樹脂材料の本硬化を行う。これにより、リードフレーム202に樹脂体30が形成された、集合基板(樹脂成形体付リードフレーム)が作成される。図6Cは、4つの個片化されていない発光装置相当領域101’の模式的上面図を示す。
なお、集合基板は、上記の製造工程により製造して準備する以外に、予め製造された集合基板を購入する等して準備してもよい。また、複数の樹脂パッケージ10は、一体に成形されていてもよいし、個別に成形されていてもよい。また、複数の樹脂パッケージ10を備える集合基板を用いる形態に限られず、例えば1つの樹脂パッケージ10を準備して用いることも可能である。
図7に示すように、発光装置相当領域101’の凹部11の底面11bに発光素子41、42を配置する。本実施形態では、発光素子41、42は、上述した樹脂などの接合部材を用いて、第1リード相当領域21’と接続する。また、発光素子41、42を第1リード相当領域21’および第2リード相当領域22’と電気的に接続するためのワイヤ43a、43b、43c、43dを設ける。発光装置101が保護素子60を備える場合には、この工程において、保護素子60も凹部11内に載置する。
発光装置相当領域101’の凹部11内に光反射性部材50を形成する。具体的には、光反射性部材50の未硬化の樹脂材料を発光装置相当領域101’の凹部11の底面11bに配置する。光反射性部材50は、ポッティング法によって形成してもよい。ポッティング法は、樹脂材料を塗布(滴下)し、樹脂材料の流動により樹脂材料を適切な領域に配置する方法である。本開示の発光装置および発光装置の製造方法によれば、第2樹脂部32が素子載置領域21rの周囲に配置されているため、流動で未硬化の樹脂材料を移動させても、第2樹脂部32が配置されているため、未硬化の樹脂材料の内縁の位置を第2樹脂部32によって画定させることができる。この第2樹脂部32は第3樹脂部33および第1樹脂接続部35m、35nによって、樹脂パッケージ10の第1樹脂部31と接続されているため、第1リード21の上面21aに位置していても、上面21aから剥離し、脱離することが抑制されている。また、第3樹脂部33および第1樹脂接続部35m、35nは、第1リード21の上面21aと同じ高さを有するため、光反射性部材50の未硬化の樹脂材料が流動する際に妨げない。
その後、光反射性部材50の未硬化の樹脂材料を熱または光等により硬化させる。さらに、光反射性部材50の傾斜面50sが形成する凹部51内において、発光素子41、42を被覆するように封止部材を充填し硬化させる。これにより、図4Aに示す、個片化されていない発光装置101を複数有する集合基板201が完成する。
(B)集合基板を個片化し、複数の発光装置を得る工程
集合基板201を個片化し、個々の発光装置101を得る。集合基板201の個片化の方法としては、リードカット金型、ダイシングソーによる切断、又はレーザー光による切断等の種々の方法を用いることができる。なお、集合基板を個片化する際に、例えば、複数の樹脂パッケージが一体成形されている場合は、リードと樹脂体とを同時に切断して個片化してよい。また、樹脂パッケージが個別に成形されている場合は、リードのみを切断して個片化してよい。
図8Aに示すように、凹部11内に光反射性部材50が設けられた複数の発光装置相当領域101’を含む集合基板201を、矢印で示す所定の位置で切断する。これにより、図8Bに示すように、複数の発光装置101が得られる。
[効果]
発光装置101によれば、第1樹脂接続部35m、35nが第1樹脂部31と接続していることによって、第2樹脂部32が凹部11の底面11bから剥がれるのを抑制することができる。よって、第2樹脂部32によって、光反射性部材50の内縁の位置を画定させ、光反射性部材50を上述したように内側壁面と第2樹脂部32との間に配置することによって、高い外部取り出し効率を有する発光装置を得ることができる。
また、第1樹脂接続部35m、35nおよび第2樹脂部32の第2部分が第1リード21の上面21aに設けられた第2溝21m、21nおよび第1溝21j内に位置していることによって、第1リード21と第1樹脂接続部35m、35nおよび第2樹脂部32との接触面積が拡大し、密着性が向上する。
また、第2樹脂部32は、第1樹脂接続部35m、35nおよび第3樹脂部33の少なくとも2箇所と接続される。これにより、モールド成形法によって未硬化の樹脂材料を注入する際に、第1樹脂接続部35m、35nおよび第3樹脂部33を形成するための空間は、第2樹脂部32を形成するための空間へのゲートとして機能する。このため、第2樹脂部32の充填不足が抑制される。
第1樹脂接続部35m、35nは、樹脂体30のうち、第2樹脂部32と、第1樹脂部31との間に位置する部分であり、第2樹脂部32と、第1樹脂部31とを接続している。本実施形態では、第1樹脂接続部35m、35nは、第1リード21の第2溝21m、21n内に位置しており、第2樹脂部32と、第1樹脂部31の内側壁面31e、31fのうち底面11bとの境界と接続している。より具体的には、第1樹脂接続部35m、35nの一端は、第2樹脂部32の第2部分32dとそれぞれ接続している。第1樹脂接続部35m、35nの他端は、第1樹脂部31の内側壁面31e、31fと接し、かつ、第1樹脂部31の、内側壁面31e、31fの下端よりも第1リード21の下面21b側に位置する部分と接続している。図2Dに示すように、本実施形態では、第1樹脂接続部35m、35nは、第1リード21の上面21aよりも突出しておらず、第1樹脂接続部35m、35nの上面35aと第1リード21の上面21aとは略同じ高さに位置する。このため、光反射性部材50の未硬化の樹脂材料を凹部11の底面11b上に吐出した時に、未硬化の樹脂材料が、第1樹脂接続部35m、35nによって妨げられずに底面11b上を流動することが可能である。なお、第1樹脂接続部35m、35nは、第1リード21の上面21aよりも突出していてもよい。例えば、第1リード21の上面21aが第2溝21m、21nを有さない場合は、第1樹脂接続部35m、35nは、第1リード21の上面21aよりも突出する。第1樹脂接続部35m、35nが第1リード21の上面21aよりも突出する場合は、第1樹脂接続部35m、35nの高さは、第2樹脂部32の高さよりも低いことが好ましい。これにより、光反射性部材50の未硬化の樹脂材料の流動を止めることなく底面11b上に拡げることができる。
(第2の実施形態)
本開示の第2の実施形態である発光装置102を説明する。図9Aは、発光装置102から封止部材75および光反射性部材50を取り除いた状態の模式的上面図である。図9Bおよび図9Cは、図9Aの9B−9B線および9C−9C線における発光装置102の模式的断面図である。また、図10Aおよび図10Bは、第1リード21および第2リード22の模式的上面図および模式的下面図である。
発光装置102は、第1リード21に貫通部25m、25nおよび第2溝21m、21nが設けられておらず、樹脂体30が第1樹脂接続部35m、35nを含んでいない点、これらの替わりに、第1リードに貫通部25p、25qおよび第3溝21kが設けられており、樹脂体30が第2樹脂接続部34を含んでいる点で、第1の実施形態の発光装置101と異なる。発光装置102のその他の構造は、発光装置101と同様であるため、主として、発光装置101と異なる点を説明する。
第1リード21は、第2リード22と対向している側部21dに位置する貫通部25p、25qを有している。貫通部25p、25qは、第1リード21の上面21aから下面21bに貫通した空洞(孔)であり、側部21dの外縁に開口(切れ目)を有している。貫通部25p、25pは、側部21dに設けられた切り欠きともいえる。ただし、側部21dの一部を切り欠くことによって形成されている必要はなく、例えば、エッチング加工やプレス加工等によって、側部21dと貫通部25p、25qとは一体的に加工されてもよい。
貫通部25p、25qは、側縁溝部21gに設けられており、全体が側縁溝部21g内に位置していてもよいし、一部が側縁溝部21gよりも第1リード21の中央側に位置していてもよい。なお、貫通部25p、25qは、第1リード21の側縁溝部21g以外の領域に位置していてもよい。貫通部25p、25qは樹脂体30の第3樹脂部33の一部または第2樹脂部32の一部で埋め込まれる。貫通部25p、25qは、側部21dのいずれの位置に設けられていてもよい。本実施形態では、貫通部25p、25qは第1リード21の上面21aに設けられた第1溝21jの両端に接続されている。
第1リード21は、上面21aにおいて、第3溝21kを有している。第3溝21kは、第1溝21jと接続されている。本実施形態では、第3溝21kは、第1溝21jの長手方向の中間近傍にある部分と接続されている。図10Aに示すように第1溝21jの一部に屈曲する部分がある場合は、第3溝21kは、その屈曲する部分において接続していることが好ましい。第1溝21jの屈曲する部分の近傍に第3溝21kが接続されることによって、樹脂材料の流動する方向が変化し樹脂材料の充填不足となりやすい部分において、樹脂材料の充填不足または欠落となる可能性を抑制することができる。これにより、第1溝21j内に配置される第2樹脂部32の第2部分32dを確実に形成することができる。第3溝21kの他の端部は、第1樹脂部31と接続されている。
樹脂体30は、第2樹脂接続部34を含む。第2樹脂接続部34は、樹脂体30のうち、第2樹脂部32と、第1樹脂部31との間に位置する部分であり、第2樹脂部32と、第1樹脂部31とを接続している。本実施形態では、第2樹脂接続部34は、第1リード21の第3溝21k内に位置しており、第2樹脂部32と、第1樹脂部31の内側壁面31cのうち底面11bとの境界と接続している。より具体的には、第2樹脂接続部34の一端は、第2樹脂部32の第2部分32dと接続している。第2樹脂接続部34の他端は、第1樹脂部31の内側壁面31cと接し、かつ、第1樹脂部31の、内側壁面31cの下端よりも第1リード21の下面21b側に位置する部分と接続している。図9Bに示すように、本実施形態では、第2樹脂接続部34は、第1リード21の上面21aよりも突出しておらず、第2樹脂接続部34の上面34aと第1リード21の上面21aとは略同じ高さに位置する。このため、光反射性部材50の未硬化の樹脂材料を凹部11の底面11b上に吐出した時に、未硬化の樹脂材料が、第2樹脂接続部34によって妨げられずに底面11b上を流動することが可能である。なお、第2樹脂接続部34は、第1リード21の上面21aよりも突出していてもよい。例えば、第1リード21の上面21aが第3溝21kを有さない場合は、第2樹脂接続部34は、第1リード21の上面21aよりも突出する。第2樹脂接続部34が第1リード21の上面21aよりも突出する場合は、第2樹脂接続部34の高さは、第2樹脂部32の高さよりも低いことが好ましい。これにより、光反射性部材50の未硬化の樹脂材料の流動を止めることなく底面11b上に拡げることができる。
樹脂体30の第3樹脂部33は、第1リード21の貫通部25p、25qにも位置している。貫通部25p、25qに位置する第3樹脂部33上には第2樹脂部32の第1部分32cが形成されている。本実施形態では、図9Aに示すように、第2樹脂部32の第1部分32cは、第1溝21j内に位置する第2部分32d上または第3樹脂部33上に位置している。
第2樹脂部32は、凹部11の底面11bにおいて、第2樹脂部32の第2部分32dが第2樹脂接続部34によって第1樹脂部31と接続されている。また、第2樹脂部32の第1部分32cの一部は、第3樹脂部33の上面33aに位置しており、第3樹脂部33と接続されている。特に本実施形態では、第2リード22と対向する第1リード21の側部に貫通部25p、25qが設けられ、貫通部25p、25q内にも第3樹脂部33の一部が設けられている。このため、第2樹脂部32の第1部分32cと第3樹脂部33との接触面積も第1の実施形態の発光装置101よりも大きくなっている。このため、第2樹脂部32が剥離して樹脂パッケージ10から脱離することがより抑制される。よって、第2樹脂部32を確実に底面11bに配置することが可能である。
また、モールド成形法によって樹脂パッケージ10を作製する場合、貫通部25p、25qおよび第3溝21kは、第2樹脂部32を形成するための金型の空間へのゲートとして機能する。このため、金型を用いた成形によって、樹脂パッケージ10を製造する際、同時に第2樹脂部32を形成することが可能となる。本実施形態では、第3溝21kは、第1溝21jの両端に対して略中間部分で接続されているため、第3溝21kが接続された位置で、第1溝21j内および第2樹脂部32に対応する金型の空間が2方向に分かれて未硬化の樹脂材料が移送される。これにより、短時間で均一に未硬化の樹脂材料を充填することが可能である。
(第3の実施形態)
本開示の第3の実施形態である発光装置103を説明する。図11Aは、発光装置103から封止部材75および光反射性部材50を取り除いた状態の模式的上面図である。図11Bは、図11Aの11B−11B線における発光装置103の模式的断面図である。また、図12Aおよび図12Bは、第1リード21および第2リード22の模式的上面図および模式的下面図である。なお、図11Bでは、封止部材75および光反射性部材50の位置を示すために実線で図示している。
発光装置103は、第1リードに貫通部25p、25qがさらに設けられている点で、第1の実施形態の発光装置101と異なる。発光装置103のその他の構造は、発光装置101と同様であるため、主として、発光装置101と異なる点を説明する。
第1リード21は、第2リード22と対向している側部21dに位置する貫通部25p、25qを有している。貫通部25p、25qは、例えば、第2の実施形態の発光装置102に設けられた貫通部25p、25qと同様の構造を備える。また、貫通部25p、25qに第3樹脂部33の一部が充填されている点も第2の実施形態において説明した通りである。
発光装置103によれば、第1の実施形態の発光装置101と同様、第2樹脂部32が凹部11の底面11bから剥離および脱離するのを抑制することができる。また、貫通部25p、25qが、第2樹脂部32を形成するための空間へのゲートとして機能し、未硬化の樹脂材料の金型内の空間への充填をより確実にし、未硬化の樹脂材料の充填不足をより抑制することが可能となる。
(第4の実施形態)
本開示の第4の実施形態である発光装置104を説明する。図13は、発光装置104から封止部材75および光反射性部材50を取り除いた状態の模式的上面図である。図14Aおよび図14Bは、第1リード21および第2リード22の模式的上面図および模式的下面図である。
発光装置104は、第1リード21に第3溝21kが設けられており、樹脂体30が第2樹脂接続部34を含んでいる点で、第1の実施形態の発光装置101と異なる。発光装置104のその他の構造は、発光装置101と同様である。
第2の実施形態において説明したように、第1リードの第3溝21kには、第2樹脂接続部34が位置しており、第2樹脂接続部34は、第2樹脂部32と第1樹脂部31とを接続している。発光装置104によれば、第1の実施形態の発光装置101と同様、第2樹脂部32が凹部11の底面11bから剥離および脱離するのを抑制することができる。また、第2樹脂接続部34が第2樹脂部32と第1樹脂部31とを接続するため、第2樹脂部32が凹部11の底面11bから剥離および脱離するのをより抑制することができる。さらに、第3溝21kが第2樹脂部32を形成するための空間へのゲートとして機能し、未硬化の樹脂材料の金型内の空間への充填をより確実にし、未硬化の樹脂材料の充填不足をより抑制することが可能となる。
(第5の実施形態)
本開示の第5の実施形態である発光装置105を説明する。図15Aは、発光装置105から封止部材75および光反射性部材50を取り除いた状態の模式的上面図である。図15Bは、図15Aの15B−15B線における発光装置105の模式的断面図である。また、図16Aおよび図16Bは、第1リード21および第2リード22の模式的上面図および模式的下面図である。なお、図15Bでは、封止部材75および光反射性部材50の位置を示すために実線で図示している。
発光装置105は、第1リード21に貫通部25r、25sがさらに設けられている点で、第1の実施形態の発光装置101と異なる。発光装置105のその他の構造は、発光装置101と同様であるため、主として、発光装置101と異なる点を説明する。
第1リード21は、第2リード22と対向している側部21dに位置する貫通部25r、25sを有している。貫通部25r、25sは、第1リード21の上面21aから下面21bに貫通した孔であり、側部21dの外縁から離間している。このため、上面視において、貫通部25r、25sを画定する輪郭に開口(切れ目)はなく、輪郭は閉じている。貫通部25r、25sは、レーザー加工などの穿孔加工方法を用いて形成されていてもよいし、例えば、エッチング加工やプレス加工等によって、側部21dと貫通部25r、25sとは一体的に加工されてもよい。
貫通部25r、25sは、側縁溝部21gに設けられている。貫通部25r、25sの全体が側縁溝部21g内に位置していてもよいし、一部が側縁溝部21gよりも第1リード21の中央側に位置していてもよい。なお、貫通部25r、25sは、側縁溝部21gの有無に関わらず、第1リード21の側縁溝部21g以外の領域に位置していてもよい。
貫通部25r、25sの少なくとも一部は、上面視において第2樹脂部32と重なっている。具体的には、第1リード21の貫通部25r、25sは第2樹脂部32の第1部分32cの下方に位置している。側縁溝部21gは第3樹脂部33の一部が充填されているため、貫通部25r、25sの少なくとも一部は、第1リード21の厚み方向において、第2樹脂部32と第3樹脂部33との間に位置している。貫通部25r、25s内には、第2樹脂部32の一部および第3樹脂部33の一部の少なくとも一方が配置されている。
第2樹脂部32の第1部分32cは、貫通部25r、25s内の第2樹脂部32または第3樹脂部33を介して第3樹脂部33と接続されている。このため、第2樹脂部32の第1部分32cが凹部11の底面11bから剥離および脱離するのを抑制することができる。
また、貫通部25r、25sは、第2樹脂部32を形成するためのゲートとして機能し、未硬化の樹脂材料の金型内の空間への充填をより確実にし、未硬化の樹脂材料の充填不足をより抑制することが可能となる。さらに、第3樹脂部33と第1リード21との密着性を高めることが可能となる。
なお、貫通部25m、25nは、貫通部25r、25sと同様に、側部21e、21fの外縁から離間する孔に置き換えてられてもよい。
(第6の実施形態)
本開示の第6の実施形態である発光装置106を説明する。図17Aは、発光装置106から封止部材75および光反射性部材50を取り除いた状態の模式的上面図であり、図17Bは、図17Aに示す17B-17B線における発光装置の模式的断面図である。また、図18Aは、第1リード21および第2リード22の模式的上面図である。なお、図17Bでは、封止部材75および光反射性部材50の位置を示すために実線で図示している。
発光装置106は、樹脂パッケージ10の内側壁面31eと第2樹脂部32との間に位置する第1リード21の上面が樹脂体30で被覆されている点、および、第1リード21および第2リード22の上面に第4溝21pをさらに備える点で、第1の実施形態の発光装置101と異なる。発光装置106のその他の構造は、発光装置101と同様であるため、主として、発光装置101と異なる点を説明する。
発光装置106では、樹脂パッケージ10の内側壁面と第2樹脂部32との間に位置する第1リード21の上面を樹脂体30の一部が被覆する。図17Aで示す発光装置106では、樹脂体30は、上面視において、樹脂パッケージ10の内側壁面31e、第2樹脂部32、第3樹脂部33および第1樹脂接続部35mで囲まれる領域に位置する第1リード21の上面を被覆している。樹脂体30の一部が内側壁面と第2樹脂部32とを連結することで、第2樹脂部32が第1リード21から剥がれる等の可能性を抑制することができる。また、樹脂体30となる樹脂材料が第2樹脂部32に入り込みやすくなり、第2樹脂部32の欠落をさらに抑制することができる。
また、金型を用いて樹脂体30を形成する際に、内側壁面となる部分から第2樹脂部32となる部分までの距離が短い場合、上金型の凸部をその領域に挿入するために上金型の凸部の先端形状を鋭利な形状にする必要がある。上金型の凸部の先端形状が鋭利な形状である場合は、上金型の表面を保護する離型シートが鋭利な部分で破れ上金型の表面が汚れる可能性がある。従って、内側壁面となる部分から第2樹脂部32となる部分までの距離が短い領域においては、上金型の凸部の高さはリードの上面に接しない程度の高さに留め、先端形状を出来るだけ鋭利な形状にしないことが離型シートの破れを防ぐ観点では有利である。上金型の凸部がリードの上面に接しない領域においては、その領域に位置するリードの上面に樹脂材料が流れこみ、樹脂体30の一部がその領域を被覆し、内側壁面と第2樹脂部32とを連結する。なお、内側壁面となる部分から第2樹脂部32となる部分までの距離が短い場合とは、例えば、その距離が離型シートの厚みの3〜5倍程度の距離である。30〜40μmの厚みの離型シートを用いる場合は、上記の距離は90〜200μm程度である。また、内側壁面となる部分から第2樹脂部32となる部分までの距離のうち、最も長い距離に対する最も短い距離の相対比は、例えば、0.5〜0.8である。
内側壁面31eと第2樹脂部32との間に位置する樹脂体30は、図17Bに示すように、第1リード21の上面21aの高さよりも高い位置にあり、且つ、第2樹脂部32の高さより低い位置にある。内側壁面と第2樹脂部32との間に位置する樹脂体30が、第2樹脂部32の高さより低い位置にあることで、光反射性部材50となる樹脂材料を注入した際に、その樹脂材料を第2樹脂部32で確実に堰き止めることができる。これにより、光反射性部材50が発光素子41、42の側面を被覆することを防ぐことができる。なお、図17Aおよび図17Bで示す発光装置106は、内側壁面31eと第2樹脂部32との間に樹脂体30の一部が位置しているが、これに限らず、その他の内側壁面31c、31d、31fと第2樹脂部32との間に樹脂体30の一部が位置していてよい。また、樹脂体30の一部は、内側壁面から第2樹脂部32までの距離が短い領域に位置していることが好ましいが、これに限らず、距離が長い領域においても位置していてよい。これにより、第2樹脂部32に樹脂材料が流れ込みやすくなり、第2樹脂部32の欠落を抑制することができる。
発光装置106は、図18Aで示すように、第1リード21および第2リード22の上面に設けられた第4溝21pを備える。第4溝21pは、内側壁面の少なくとも一部に沿って第1リード21および/または第2リード22の上面に形成される。図18Aで示す第4溝21pは、第1リード21の上面21aと第2リード22の上面22aそれぞれに設けられ、各第4溝21pは内側壁面31cの一部と内側壁面31dの一部に沿って形成されている。第4溝21p内には、樹脂体30の一部が配置される。これにより、第1リード21および第2リード22と樹脂体30との密着性が向上する。
第4溝21pは、内側上端縁Pと外側上端縁Qとを有する。内側上端縁Pは、第4溝21pの上端縁のうち素子載置領域21rに近い側の上端縁であり、外側上端縁Qは第4溝21pの上端縁のうち素子載置領域21rから遠い側の上端縁である。金型を用いて樹脂体30を形成する際は、上金型の凸部が、平面視において、内側上端縁Pと重なり、且つ、上金型の凸部の端部が内側上端縁Pと外側上端縁Qとの間に位置することが好ましい。平面視において、上金型の凸部を内側上端縁Pと重なるように配置することで、内側上端縁Pの近傍は上金型の凸部で挟まれることになり、内側上端縁Pの近傍には樹脂体30が形成されない。一方で、上金型の凸部の端部を内側上端縁Pと外側上端縁Qとの間に位置することで、第4溝21p内に樹脂体30の一部を配置させることができ、外側上端縁Qは樹脂体30内に埋設される。これにより、樹脂体30が形成された後、内側上端縁Pは凹部11の底面11bの縁部に位置し、且つ、樹脂体30から露出し、外側上端縁Qは樹脂体30内に埋設される。
金型を用いて樹脂体30を形成する際に、上金型の凸部を上記のように配置することで、内側上端縁Pの近傍には樹脂体30が形成されず、凹部11の底面11bの縁部に樹脂体30の一部が樹脂バリとして形成されることを抑制することができる。また、第4溝21p内に樹脂体30の一部が配置することで、第1リード21および第2リード22と樹脂体30の密着性を向上させることができる。
第4溝21pは、第1溝21jの一部および/または第2溝21m、21nの一部と連結していることが好ましい。図18Bでは、第4溝21pは、第2溝21mおよび第2溝21nの双方と連結されている。これにより、第4溝21p内に流れ込む樹脂材料の一部が、第1溝21jや第2溝21m、21n内に流れ込むので、第2樹脂部32の一部が欠落する可能性を抑制することができる。なお、発光装置106が図10Aで示すような第3溝21kをさらに備える場合は、第3溝21kと第4溝21pとは連結されてもよい。
また、一方で、第1溝21jや第2溝21m、21n内に流れ込む樹脂材料の一部は第4溝21p内に流れ込むが、第2樹脂部32の欠落を抑制する観点からは、第1溝21jや第2溝21m、21n内の樹脂材料が第4溝21p内に流れ込みにくくすることが好ましい。例えば、第1溝21jや第2溝21m、21nの深さは、第4溝21pの深さよりも深い。これにより、第1溝21jや第2溝21m、21nと第4溝21pとの連結部の近傍において、第4溝21pが高い位置になるような段差が生じる。この段差により、第1溝21jや第2溝21m、21nに流れ込む樹脂材料は、第4溝21p内に流れ込みにくくなる。その結果、第1溝21jや第2溝21m、21nに樹脂材料が充填されやすくなり、第2樹脂部32の欠落を抑制することができる。
図18Bは、発光装置106の第1リード21および第2リード22の別の形態を示す模式的上面図である。図18Bにおいて、第1リード21は角部に孔部26を有する。具体的には、第1リード21は、保護素子60のワイヤ61が接続される領域の近傍に孔部26を有する。このような位置に孔部26を設け、孔部26の端部26aを金型の上金型の凸部で挟み込むことで、孔部26の近傍には樹脂体30の一部が樹脂バリとして形成されることを抑制することができる。その結果、保護素子60のワイヤ61が樹脂バリによって接続不良となる可能性を抑制することができる。
(他の形態)
発光装置には種々の変形例が可能である。例えば、貫通部25m、25n、25p、25q、25r、25sの形状は矩形や円に限られず、他の形状を有していてもよい。例えば貫通部25m、25n、25p、25q、25r、25sは、三角形や五角形以上の多角形形状を有していてもいし、楕円形状等を有していてもよい。また、貫通部25m、25n、25p、25q、25r、25sは発光装置に1つ設けられていてもよいし、3つ以上設けられていてもよい。25m、25n、25p、25q、25r、25sのいずれかを第1リード21の側部21cに設けてもよいし、第2リード22に設けてもよい。
また、上述したように発光装置の樹脂パッケージは、3以上のリードを備えていてもよい。この場合、上述の貫通部をいずれのリードに設けてもよい。また、発光装置は1つの発光素子を備えていてもよく、3以上の発光素子を備えていてもよい。