JP6560997B2 - 車両制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば車両の乗り心地を向上できるようにした車両制御装置に関する。
一般に、4輪自動車等の車両には、車体と各車軸(車輪)との間に減衰力調整式の緩衝器を設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の従来技術は、車両の座席シートに着座した乗員に作用する上,下方向または前,後方向の加速度を検出し、該検出信号の振幅及び位相に基づいて乗員への振動刺激を判定し、その判定結果により前記車両の懸架系特性(即ち、緩衝器による減衰力)を制御手段で変更する構成としている。
特開平6−143958号公報
ところで、上述した従来技術では、座席シートのばね特性(ばね定数)およびダンパ特性(減衰係数)が考慮されていない。このため、座席シートに座った乗員の乗り心地を必ずしも十分には向上することが難しいという問題がある。
本発明は、上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、座席シートに座った乗員の乗り心地を向上することができるようにした車両制御装置を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明は、車両の各車輪と車体との間に設けられ減衰力を調整可能な緩衝器と、前記車体に設けられた座席シートに座る乗員の重量を検出する乗員重量検出手段と、前記座席シートのばね定数と減衰係数とを記憶する記憶手段と、前記座席シートの上側位置でのばね上速度を前記乗員の重量、前記座席シートのばね定数および減衰係数に基づいて演算する座席側ばね上速度演算手段と、前記座席側ばね上速度演算手段による前記ばね上速度に基づいて前記緩衝器の必要減衰力を可変に制御する減衰力制御手段と、を備えている。
本発明によれば、座席シートのばね定数(ばね特性)と減衰係数(ダンパ特性)とを考慮して乗員の乗り心地を向上することができる。
本発明の実施の形態による車両制御装置の構成を示す模式図である。 4輪自動車の各緩衝器と各座席シートとの配置関係を示す模式図である。 4輪自動車の重心位置に作用するロールレイト、ピッチレイトおよびヨーレイトと、各緩衝器の位置でのばね上速度と、各座席下でのばね上速度とを示す模式図である。 座席下での上,下方向変位、座席上での乗員の上,下方向変位、座席シートのばね及びダンパの関係を示す模式図である。 コントローラの構成を示す制御ブロック図である。 図1中のコントローラによる制御内容を示す流れ図である。 図6中の制御演算処理を具体化して示す流れ図である。 図7中の制御対象乗員決定処理を具体化して示す流れ図である。
以下、本発明の実施の形態による車両制御装置を、例えば4輪自動車に代表される車両に適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
ここで、図1ないし図8は本発明の実施の形態を示している。車体1は、4輪自動車(車両)のボディを構成している。車体1の下側には、例えば左,右の前輪と左,右の後輪(以下、総称して車輪2という)が設けられている。図2、図3に示すように、車輪2は、左前輪(FL)、右前輪(FR)、左後輪(RL)および右後輪(RR)を含んで構成される。
サスペンション装置3は、車体1と車輪2との間に介装して設けられる。このサスペンション装置3は、懸架ばね4(以下、ばね4という)と、ばね4と並列になって車体1と車輪2との間に設けられた減衰力調整式の油圧緩衝器(以下、緩衝器5という)とにより構成される。なお、図1中では1組のサスペンション装置3を、車体1と車輪2との間に設けた場合を例示している。しかし、サスペンション装置3は、例えば4輪の車輪2と車体1との間に個別に独立して合計4組設けられるもので、このうちの1組のみを図1では図示している。
緩衝器5には、発生減衰力の特性(減衰力特性)をハードな特性(硬特性)からソフトな特性(軟特性)に連続的に調整するために、減衰力調整バルブ等からなるアクチュエータ6が付設されている。このアクチュエータ6は、後述のコントローラ8から供給される指令電流に応じて前記減衰力調整バルブの弁開度を調整し、伸び側と縮み側の減衰力を調整する。なお、アクチュエータ6は、減衰力特性を必ずしも連続的に調整する必要はなく、例えば2段階または3段階以上の複数段階に調整可能な構成であってもよい。
車体1には、ばね上加速度センサ7が設けられている。ばね上加速度センサ7は、例えば緩衝器5の近傍となる位置で車体1に取付けられる。そして、ばね上加速度センサ7は、所謂ばね上側となる車体1側で上,下方向の振動加速度を検出し、その検出信号(ばね上加速度センサ信号)を後述のコントローラ8に出力する。
コントローラ8は、例えばマイクロコンピュータ等からなり、ばね上加速度センサ7等からの検出信号に基づいて緩衝器5のアクチュエータ6を制御する制御手段を構成している。このコントローラ8は、その入力側がばね上加速度センサ7等に接続されると共に、車速等の情報を有する他のコントローラ9にも接続されている。コントローラ8は、ばね上加速度センサ7と他のコントローラ9から得た車両情報に基づいて、目標減衰力を算出する。そして、コントローラ8は、前記目標減衰力に応じた指令電流(指令電力)を可変に制御すると共に、この指令電流を各緩衝器5のアクチュエータ6に出力(供給)する。
また、コントローラ8は、ROM、RAM、不揮発性メモリ等からなる記憶手段としての記憶部8Aを有しており、この記憶部8Aには、図6〜図8に示す後述の処理プログラム等が格納されている。なお、記憶手段としての記憶部は、他のコントローラ9にも設ける構成としてもよい。この場合、コントローラ8の記憶部8Aは、他のコントローラ9側の前記記憶部との間で、それぞれの記憶内容を相互に保存することができる。
図2、図3に示すように、車体1には複数(例えば4個)の座席シート10,11,12,13が設けられている。これらの座席シート10〜13には、図1に示すシート荷重センサ14(例えば、合計4個)が設けられている。各シート荷重センサ14は、それぞれの座席シート10〜13に座る乗員の重量を個別に検出する乗員重量検出手段を構成し、その検出信号(シート荷重センサ信号)を他のコントローラ9に出力する。
この場合、各シート荷重センサ14からの検出信号は、各座席シート10〜13の乗員の重量Mを、座席シート10〜13毎の乗員の重量として個別に検出したシート荷重センサ信号である。このため、座席シート10〜13に乗員が座っているか否かは、シート荷重センサ信号の信号値が予め決められた閾値を超えるか否かにより判別(検知)することができる。
図2に示すように、左前輪(FL)側の緩衝器5と右前輪(FR)側の緩衝器5とは、左,右方向で寸法Wfの間隔をもって配設されている。左後輪(RL)側の緩衝器5と右後輪(RR)側の緩衝器5とは、左,右方向で寸法Wrの間隔をもって配設されている。右前輪(FR)側の緩衝器5と右後輪(RR)側の緩衝器5とは、前,後方向で寸法Lの間隔をもって配設され、左前輪(FL)側の緩衝器5と左後輪(RL)側の緩衝器5とは、同様に寸法Lの間隔をもって配設されている。
例えば、車両の運転者(乗員)が座る前部右側(S0)の座席シート10は、右前輪(FR)側の緩衝器5から左,右方向に寸法Wf1だけ離間した位置に配設され、前,後方向には寸法L1だけ離間した位置に配設されている。前部左側(S1)の座席シート11は、左前輪(FL)側の緩衝器5から左,右方向に寸法Wf3だけ離間した位置に配設され、前,後方向には寸法L1だけ離間した位置に配設されている。
一方、後部左側(S2)の座席シート12は、左後輪(RL)側の緩衝器5から左,右方向に寸法Wr1だけ離間した位置に配設され、前,後方向には寸法L3だけ離間した位置に配設されている。後部右側(S3)の座席シート13は、右後輪(RR)側の緩衝器5から左,右方向に寸法Wr0だけ離間した位置に配設され、前,後方向には寸法L3だけ離間した位置に配設されている。
車体1の重心Gは、例えば座席シート10〜13の中央(中間)位置にある。前部右側(S0)の座席シート10は、重心Gの位置から左,右方向に寸法Wf0だけ離間した位置に配設され、前,後方向には寸法L0だけ離間した位置に配設されている。前部左側(S1)の座席シート11は、重心Gの位置から左,右方向に寸法Wf2だけ離間した位置に配設され、前,後方向には寸法L0だけ離間した位置に配設されている。
後部左側(S2)の座席シート12は、重心Gの位置から左,右方向に寸法Wf2だけ離間した位置に配設され、前,後方向には寸法L2だけ離間した位置に配設されている。後部右側(S3)の座席シート13は、重心Gの位置から左,右方向に寸法Wf0だけ離間した位置に配設され、前,後方向には寸法L2だけ離間した位置に配設されている。
図3に示すように、車体1の重心Gには、左,右方向の振動によるロールレイトAVxと、前,後方向の振動によるピッチレイトAVyと、重心Gの周りの角速度によるヨーレイトAVzとが働く。ロールレイトAVxは、例えば車体1に設けられたジャイロ等からなるロールレイトセンサで検出される。ピッチレイトAVyは、車体1に設けられたジャイロ等からなるピッチレイトセンサで検出される。ヨーレイトAVzも同様なセンサにより検出される。なお、1つの3次元ジャイロで前述のロールレイトセンサ、ピッチレイトセンサ等を兼ねてもよく、複数の加速度センサまたは複数の車高検出器等からの信号によっても検出することができる。
また、図3に示すように、左前輪(FL)側の緩衝器5の位置で車体1には、走行時の振動に伴うばね上速度VFLが発生する。右前輪(FR)側の緩衝器5の位置では、車体1にばね上速度VFRが発生する。左後輪(RL)側の緩衝器5の位置では、車体1にばね上速度VRLが発生する。右後輪(RR)側の緩衝器5の位置では、車体1にばね上速度VRRが発生する。
ここで、ばね上加速度センサ7を、例えば右前輪(FR)側の緩衝器5に対応する位置で車体1に設けた場合、右前輪(FR)側でのばね上速度VFRは、ばね上加速度センサ7で検出した上,下方向の加速度を積分して求めることができる。これにより、左前輪(FL)側でのばね上速度VFLは、下記の数1式により求めることができる。右後輪(RR)側でのばね上速度VRRは、下記の数2式により求めることができ、左後輪(RL)側でのばね上速度VRLは、下記の数3式により求めることができる。
そして、重心Gの位置でのばね上速度VG は、下記の数4式により求めることができる。また、図2に示すように、左前輪(FL)側の緩衝器5と右前輪(FR)側の緩衝器5とは、左,右方向で寸法Wfの間隔をもって配設され、重心Gは寸法(Wf/2)の位置にある。この寸法(Wf/2)は、下記の数5式のように、左,右方向の寸法(Wf0+Wf1)に等しく、左,右方向の寸法(Wf2+Wf3)にも等しい関係にある。
Figure 0006560997
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ここで、車体1の重心Gの位置を基準位置とすると、この基準位置(即ち、重心Gの位置)でのばね上速度VG に対し、前部右側(S0)の座席シート10の下側位置でのばね上速度Vs0は、重心Gの位置と座席シート10の位置との関係から下記の数6式により求められる。即ち、座席下のばね上速度Vs0は、数6式により求めることができる。
同じく、前部左側(S1)の座席シート11の下側位置でのばね上速度Vs1、即ち座席下のばね上速度Vs1は、下記の数7式により求めることができる。また、後部左側(S2)の座席シート12の下側位置でのばね上速度Vs2、即ち座席下のばね上速度Vs2は、下記の数8式により求めることができる。さらに、後部右側(S3)の座席シート13の下側位置でのばね上速度Vs3、即ち座席下のばね上速度Vs3は、下記の数9式により求めることができる。
Figure 0006560997
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座席下のばね上速度Vs0,Vs1,Vs2,Vs3を、ばね上速度Vsi(i=0,1,2,3)として表すと、座席下のばね上速度Vsiは、座席下での車体1の上,下方向変位Zsiに対して、下記の数10式による関係(Vsi=dZsi/dt)にある。これにより、座席下での車体1の上,下方向変位Zsi(図4参照)は、座席下のばね上速度Vsiを積分することにより求めることができる。
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座席シート10〜13の上側でのばね上速度Vu0,Vu1,Vu2,Vu3を、座席上のばね上速度Vui(i=0,1,2,3)として表すと、座席上のばね上速度Vuiは、座席上での乗員の上,下方向変位Zuiに対して、下記の数11式による関係(Vui=dZui/dt)にある。これにより、座席上での乗員の上,下方向変位Zui(図4参照)は、座席上のばね上速度Vuiを積分することにより求めることができる。
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図4は座席シート10〜13のいずれかに乗員が座った状態での制御モデルを示している。乗員の重量Mは、図1に示すシート荷重センサ14により検出される。座席シート10〜13は、ばね定数kのばね15と減衰係数Cのダンパ16とを含んだ構成に解析される。座席シート10〜13は、ばね15のばね特性とダンパ16のダンパ特性をもって、例えば重量Mの乗員を下側から制振状態で支持するものである。このため、重量Mの乗員が上,下方向に振動するときの運動方程式は、下記の数12式、数13式、数14式および数15式として求められる。
Figure 0006560997
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ここで、コントローラ8は、図5に示すように、座席側ばね上速度演算手段としての座席側ばね上速度演算部17と、減衰力制御手段としての減衰力制御部18とを含んで構成されている。座席側ばね上速度演算部17は、図7中のステップ11〜14による処理(即ち、制御対象の乗員決定処理、重心Gのばね上速度算出処理、座席下のばね上速度算出処理および座席上のばね上速度算出処理)を含んで構成されている。
これにより、座席側ばね上速度演算部17は、座席シート10〜13のうちいずれかのシート上側位置でのばね上速度(dZui/dt)、即ち座席上のばね上速度Vuiを、座席下でのばね上速度Vsi(Vsi=dZsi/dt)、上,下方向変位Zsi、乗員の重量M、座席シート10〜13のばね定数kおよび減衰係数Cに基づいて前記数14式、数15式等により演算する。減衰力制御部18は、座席側ばね上速度演算部17で演算により求めた前記ばね上速度Vuiに基づいて、緩衝器5の必要減衰力(即ち、図5に示す目標減衰力)を可変に制御する。即ち、減衰力制御部18は、図7中のステップ15によるサスペンション制御を実行する。
ここで、コントローラ8の記憶部8A(図1参照)には、図6〜図8の処理手順に対応した処理プログラムが格納されると共に、前記座席シート10〜13のばね定数kと減衰係数Cとが更新可能に記憶されている。ばね定数kと減衰係数Cは、それぞれの座席シート10〜13毎に異なる値に設定している場合もあるが、本実施の形態では、説明を簡略化するため同じ値に設定されている場合を例に挙げている。
本実施の形態による車両制御装置は、上述の如き構成を有するもので、次に、コントローラ8を用いて緩衝器5の減衰力特性を可変に制御する処理について、図6を参照して説明する。
まず、車両のエンジン始動に伴う電力供給を受けて、図6に示す制御処理が開始されると、ステップ1でコントローラ8の初期設定を行う。次に、ステップ2では、例えば5〜10ms程度の制御周期に達したか否かを判定し、「NO」と判定する間は制御周期に達するまで待機する。そして、ステップ2で「YES」と判定し、制御周期に達したときには、次なるステップ3に移って前回の制御周期で演算された制御指令値に応じた指令電流をアクチュエータ6に出力する。これにより、緩衝器5のアクチュエータ6を駆動する。その後、ステップ4では、ランプ等のその他のポート出力を行う。
次に、ステップ5では、ばね上加速度センサ7からばね上加速度センサ信号を読込むと共に、他のコントローラ9から通信によって入力される車両状態信号としての車速、車輪速等の情報、およびシート荷重センサ14からのシート荷重センサ信号等を読込む。そして、次のステップ6による制御演算処理ではステップ5で得られた情報から、例えば乗り心地制御のような制御演算等を行い、目標減衰力に対応した制御指令値(電流指令値)を求める。具体的には、コントローラ8は、例えばスカイフック理論に基づいて目標減衰力(必要減衰力)を演算すると共に、この目標減衰力に応じた制御指令値を出力する。
そして、ステップ6で出力された制御指令値は、前記ステップ2で「YES」と判定される制御周期に達する度毎に、次なるステップ3の処理で、緩衝器5のアクチュエータ6を駆動制御するために用いられる。これにより、緩衝器5の減衰力特性は、ハードな特性(硬特性)とソフトな特性(軟特性)との間で可変となって連続的に制御されるものである。
次に、図6のステップ6による制御演算処理を、図7に示す処理手順に従って具体的に説明する。
図7のステップ11では、制御対象の乗員決定処理を後述の図8に示す処理手順に従って実行する。次のステップ12では、例えば前記数4式により車体1の重心Gの位置でのばね上速度VG を算出する。ここで、車体1の重心Gの位置を基準位置とした場合、ステップ12の処理は、車体1の予め決められた基準位置でのばね上速度(即ち、重心Gの位置でのばね上速度VG )を算出する基準位置ばね上速度算出手段を具体化したものである。
次のステップ13では、前記ステップ11で決定した制御対象の乗員が座った座席シート10〜13のいずれかに対し、該当する座席下のばね上速度Vs0,Vs1,Vs2,Vs3、即ちばね上速度Vsi(i=0,1,2,3)を前記数6〜9式のいずれかにより算出する。ステップ13の処理は、前記基準位置でのばね上速度(重心Gの位置でのばね上速度VG )に基づいて座席シート10〜13のいずれかの下側位置でのばね上速度Vsiを算出する座席下のばね上速度算出手段を具体化したものである。座席下での車体1の上,下方向変位Zsiは、座席下のばね上速度Vsi(即ち、Vsi=dZsi/dt)を積分することにより求めることができる。
次のステップ14では、該当する座席上のばね上速度Vu0,Vu1,Vu2,Vu3(即ち、ばね上速度Vui=dZui/dt)を前記数14式、数15式等により、座席下のばね上速度Vsi(即ち、ばね上速度Vsi=dZsi/dt)、上,下方向変位Zsi、乗員の重量M、座席シート10〜13のばね定数kおよび減衰係数Cに基づいて算出する。ステップ14の処理は、前記座席下のばね上速度算出手段による前記ばね上速度(Vsi=dZsi/dt)から乗員の重量M、座席シートのばね定数kおよび減衰係数Cに基づいて座席シートの上側位置でのばね上速度(Vui=dZui/dt)を算出する座席上のばね上速度算出手段を具体化したものである。
次に、ステップ15では、コントローラ8の減衰力制御部18によりサスペンション制御を実行する。この場合、減衰力制御部18は、前記ステップ14の処理で算出された前記ばね上速度Vuiに基づいて、緩衝器5の必要減衰力(即ち、図5に示す目標減衰力)を可変に制御する。そして、次のステップ16でリターンし、ステップ11以降の処理を繰返す。
次に、図7のステップ11による制御対象の乗員決定処理を、図8に示す処理手順に従って具体的に説明する。
図8のステップ21では、乗員が後部右側(S3)の座席シート13に座って乗車したか否かを判定する。ステップ21で「YES」と判定したときには、次のステップ22で後部右側(S3)の座席シート13に座った乗員を制御対象に決定し、ステップ23でリターンする。この場合、後部右側(S3)の座席シート13に座った乗員を制御対象として、図7のステップ12〜16にわたる処理が行われる。
一方、ステップ21で「NO」と判定したときには、次のステップ24で、乗員が後部左側(S2)の座席シート12に座って乗車したか否かを判定する。ステップ24で「YES」と判定したときには、次のステップ25で後部左側(S2)の座席シート12に座った乗員を制御対象に決定し、ステップ23でリターンする。この場合、後部左側(S2)の座席シート12に座った乗員を制御対象として、図7のステップ12〜16にわたる処理が行われる。
また、ステップ24で「NO」と判定したときには、次のステップ26で、乗員が前部左側(S1)の座席シート11に座って乗車したか否かを判定する。ステップ26で「YES」と判定したときには、次のステップ27で前部左側(S1)の座席シート11に座った乗員を制御対象に決定し、ステップ23でリターンする。この場合、前部左側(S1)の座席シート11に座った乗員を制御対象として、図7のステップ12〜16にわたる処理が行われる。
一方、ステップ26で「NO」と判定したときには、座席シート11〜13に乗員が座っていない場合である。そこで、この場合は前部右側(S0)の座席シート10を制御対象に決定する。そして、座席シート10に乗員が座った状態では、前部右側(S0)の座席シート10に座った乗員を制御対象として、図7のステップ12〜16にわたる処理が行われる。
このように、図8に示す制御対象の乗員決定処理では、ステップ21〜28による処理手順に従って複数の座席シート10〜13の優先順位が決められる。この場合、例えば後部右側(S3)の座席シート13、後部左側(S2)の座席シート12、前部左側(S1)の座席シート11、前部右側(S0)の座席シート10の順番で座席シート10〜13の優先順位が決められる。
かくして、本実施の形態によれば、コントローラ8の座席側ばね上速度演算部17は、予め決められた優先順位に従って該当する座席シート10〜13の上側位置でのばね上速度(Vui=dZui/dt)を演算し、減衰力制御部18は、座席シート10〜13の優先順位に従って前記ばね上速度(Vui=dZui/dt)に基づいた減衰力指令を4輪(FL,FR,RL,RR)の緩衝器5に出力する構成としている。
これにより、座席シート10〜13の優先順位に従って乗員に対する最適なサスペンション制御を行うことができ、該当する乗員の乗り心地を向上することができる。即ち、車体1の4輪(FL,FR,RL,RR)側の緩衝器5による減衰力制御を、座席シート10〜13に座った乗員の乗り心地を優先させて制御でき、車体1の上側(ばね上)の振動を、乗員の振動を最適に抑えるように制御することができる。
特に、本実施の形態では、座席シート10〜13の上側位置でのばね上速度(Vui=dZui/dt)を、乗員の重量M、座席シート10〜13のばね定数kおよび減衰係数Cに基づいて演算する構成としているから、座席シート10〜13のばね特性(ばね定数k)とダンパ特性(減衰係数C)とを考慮して乗員の乗り心地を向上することができる。
なお、前記実施の形態では、図8に示す制御対象の乗員決定処理により座席シート10〜13の優先順位を決める場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば前部右側(S0)の座席シート10、即ち運転席に座った乗員(運転者)が手動操作を行うことにより、制御対象の座席シート10〜13の優先順位を選択的に決定することができる構成としてもよい。
また、前記実施の形態では、車体1の重心Gの位置を、車体1の基準位置とする場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば前輪側の緩衝器5と後輪側の緩衝器5との中間位置(図2中の寸法Lに対して寸法L/2となる位置)を車体1の基準位置として、基準位置ばね上速度を算出する構成としてもよい。
また、各緩衝器5と座席シート10〜13の配置関係(間隔寸法)は、車両の種類等に応じて適宜に変更することができる。例えば、図2中に示す左,右方向の寸法Wf0と寸法Wf2とは同一の寸法となることもあり、異なる寸法となることもある。左,右方向の寸法Wf1と寸法Wf3とについても、同一の寸法となることもあり、異なる寸法となることもある。特に、左,右方向の寸法Wf0と寸法Wf2とは、前側の座席シート10,11と後側の座席シート12,13とが同じ寸法である必要はなく、異なる寸法に設定しておいてもよい。
車体1に設ける座席シート10〜13の個数は、前記実施の形態で述べた4個に限られるものではなく、例えば、1〜3個または5個以上の座席シートが設けられた車両にも、本発明は適用できるものである。また、本発明は4輪自動車の限るものではなく、例えば2輪車、3輪車等の各種車両にも適用可能である。
一方、前記実施の形態では、例えば右前輪(FR)側の緩衝器5に対応する位置で、ばね上加速度センサ7を用いて車体1の上,下方向の加速度を検出する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば車体1の4輪(FL,FR,RL,RR)側の緩衝器5の位置に車高センサ等の変位検出器を設け、これにより、各車輪側のばね上速度を算出する構成としてもよい。また、車体側のロールレイト、ピッチレイトおよびヨーレイトについても、前記変位検出器からの信号により求めることができる。
また、前記実施の形態では、スカイフック理論に基づいて緩衝器5を制御する場合を例に挙げて説明したが、H∞制御や現代制御理論に基づいて緩衝器を制御してもよい。また、ロールフィードバック制御やピッチフィードバック制御を行う緩衝器に適用してもよい。
次に、前記各実施の形態に含まれる発明について記載する。本発明によれば、前記座席側ばね上速度演算手段は、前記車体の予め決められた基準位置でのばね上速度を算出する基準位置ばね上速度算出手段と、前記基準位置でのばね上速度に基づいて前記座席シートの下側位置でのばね上速度を算出する座席下のばね上速度算出手段と、前記座席下のばね上速度算出手段による前記ばね上速度から前記乗員の重量、前記座席シートのばね定数および減衰係数に基づいて前記座席シートの上側位置でのばね上速度を算出する座席上のばね上速度算出手段と、を含んで構成している。これにより、乗員が座った座席シートの上側位置でのばね上速度を基準位置ばね上速度との関係で算出することができ、座席上のばね上速度を安定して求めることができる。
また、本発明によれば、前記車体には複数の座席シートが設けられ、前記座席側ばね上速度演算手段は、前記複数の座席シートのうち予め優先順位が決められた座席シートの順位に従って該当する座席シートの上側位置でのばね上速度を演算し、前記減衰力制御手段は、前記座席シートの優先順位に従って前記ばね上速度に基づいた減衰力指令を前記緩衝器に出力する構成としている。これにより、複数の座席シートの優先順位に従って乗員に対する最適なサスペンション制御を行うことができ、座席シートに座った乗員の乗り心地を優先順位に従って向上することができる。
以上説明した実施形態に基づく車両制御装置として、例えば、以下に述べる態様のものが考えられる。
車両制御装置の第1の態様としては、車両の各車輪と車体との間に設けられ減衰力を調整可能な緩衝器と、前記車体に設けられた座席シートに座る乗員の重量を検出する乗員重量検出手段と、前記座席シートのばね定数と減衰係数とを記憶する記憶手段と、前記座席シートの上側位置でのばね上速度を前記乗員の重量、前記座席シートのばね定数および減衰係数に基づいて演算する座席側ばね上速度演算手段と、前記座席側ばね上速度演算手段による前記ばね上速度に基づいて前記緩衝器の必要減衰力を可変に制御する減衰力制御手段と、を備える。
車両制御装置の第2の態様としては、第1の態様において、前記座席側ばね上速度演算手段は、前記車体の予め決められた基準位置でのばね上速度を算出する基準位置ばね上速度算出手段と、前記基準位置でのばね上速度に基づいて前記座席シートの下側位置でのばね上速度を算出する座席下のばね上速度算出手段と、前記座席下のばね上速度算出手段による前記ばね上速度から前記乗員の重量、前記座席シートのばね定数および減衰係数に基づいて前記座席シートの上側位置でのばね上速度を算出する座席上のばね上速度算出手段と、を含んで構成してなる。
車両制御装置の第3の態様としては、第1の態様または第2の態様において、前記車体には前記座席シートが複数設けられ、前記座席側ばね上速度演算手段は、前記複数の座席シートのうち予め優先順位が決められた座席シートの順位に従って該当する座席シートの上側位置でのばね上速度を演算し、前記減衰力制御手段は、前記座席シートの優先順位に従って前記ばね上速度に基づいた減衰力指令を前記緩衝器に出力する構成としてなる。
1 車体
2 車輪
3 サスペンション装置
4 ばね
5 緩衝器
6 アクチュエータ
7 ばね上加速度センサ
8,9 コントローラ(制御手段)
8A 記憶部(記憶手段)
10,11,12,13 座席シート
14 シート荷重センサ(乗員重量検出手段)
15 座席シートのばね
16 座席シートのダンパ
17 座席側ばね上速度演算部(座席側ばね上速度演算手段)
18 減衰力制御部(減衰力制御手段)
C 減衰係数
k ばね定数
M 重量

Claims (3)

  1. 車両の各車輪と車体との間に設けられ減衰力を調整可能な緩衝器と、
    前記車体に設けられた座席シートに座る乗員の重量を検出する乗員重量検出手段と、
    前記座席シートのばね定数と減衰係数とを記憶する記憶手段と、
    前記座席シートの上側位置でのばね上速度を前記乗員の重量、前記座席シートのばね定数および減衰係数に基づいて演算する座席側ばね上速度演算手段と、
    前記座席側ばね上速度演算手段による前記ばね上速度に基づいて前記緩衝器の必要減衰力を可変に制御する減衰力制御手段と、
    を備えた車両制御装置。
  2. 前記座席側ばね上速度演算手段は、
    前記車体の予め決められた基準位置でのばね上速度を算出する基準位置ばね上速度算出手段と、
    前記基準位置でのばね上速度に基づいて前記座席シートの下側位置でのばね上速度を算出する座席下のばね上速度算出手段と、
    前記座席下のばね上速度算出手段による前記ばね上速度から前記乗員の重量、前記座席シートのばね定数および減衰係数に基づいて前記座席シートの上側位置でのばね上速度を算出する座席上のばね上速度算出手段と、
    を含んで構成してなる請求項1に記載の車両制御装置。
  3. 前記車体には前記座席シートが複数設けられ、
    前記座席側ばね上速度演算手段は、前記複数の座席シートのうち予め優先順位が決められた座席シートの順位に従って該当する座席シートの上側位置でのばね上速度を演算し、
    前記減衰力制御手段は、前記座席シートの優先順位に従って前記ばね上速度に基づいた減衰力指令を前記緩衝器に出力する構成としてなる請求項1または2に記載の車両制御装置。
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