JP6560582B2 - ルーバー、及び投光器 - Google Patents
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Description
また、従前のルーバーにおいては、上方向と下方向とで等しく遮光が行われるので、下方向、特に直下での照度が低下する。これにより、直下に被照射面が位置する場合に、十分な照度で照明できない、という問題がある。
加えて、少なくとも1つ以上の下側の遮光板の遮光角が上側の遮光板の遮光角よりも大きいので、下方に向かう光の遮光量が抑えられ、遮光による直下の照度低下が抑えられる。
図1は本実施形態に係る投光器1の斜視図である。図2は投光器1の全体構成を示す図であり、図2(A)は正面図、図2(B)は側面図、図2(C)は平面図、図2(D)は底面図である。
この投光器1は、サインボード(看板)の照明に用いられる投光器であり、図1、及び図2に示すように、大別して、投光器本体2と、ルーバー7とを備えている。ルーバー7は、投光器本体2の正面に着脱自在に設けられており、投光器本体2の照明光の一部を遮光する。
投光器本体2は、前面が開放する有底筒状の筐体10と、取付アーム部3と、背面ガード部材4と、を備えている。
前面カバー14は、円板状のフレネルレンズ板21と、このフレネルレンズ板21の外周縁を支持する前面枠22とを備えている。この前面枠22が筐体10にボルト固定されることによって前面カバー14が筐体10に固定される。
これら反射鏡40は、後段に詳述するが、光源モジュール12毎に一個ずつ設けられており、各光源モジュール12からの光を後述するフレネルレンズ61に向けて反射する光反射部材として機能する。
正面の側から筐体10を見た場合に、反射鏡40の位置は各光源モジュール12の光源位置と一致している。つまり、この投光器1では、筒状の筐体10の中心に一つの光源モジュール12が配置され、この光源モジュール12の周りに筐体10の中心を基準とした等角度間隔で複数(5個)の光源モジュール12が配置されている。
COB型LED51は、多数のLEDをLED基板51Aの上に密集配置して平面視略円形(四角形も有り得る)の面状光を放射する面状の発光面51Bを形成したチップオンボード(Chip On Board:COB)構造の発光デバイスである。このCOB型LED51の配光はランベルト配光(コサイン配光)である。
COB型LED51は、多数の発光素子たるLED素子が密集配置されていることから大光量化、及び高輝度化なLED光源となる。
各光源モジュール12のCOB型LED51は、反射鏡40の光軸Lと垂直な同一平面上に並べて配置されており、中央に配置されるCOB型LED51と周囲に配置される各COB型LED51との距離は同一距離に保たれている。また、周囲に配置される各COB型LED51は等角度間隔に配置されるので、これらCOB型LED51間の距離も同一距離に保たれる。したがって、複数のCOB型LED51が投光器本体2の筐体10内に略均等間隔で配置され、配置のばらつきに起因する光量の偏りを抑えることができる。
図6はフレネルレンズ板21を反射鏡40及びCOB型LED51と共に正面から模式的に示した図である。
フレネルレンズ板21は、光源モジュール12毎にフレネルレンズ61A、61B、61C、61D、61E、61Fが形成された1枚の光学部材である。フレネルレンズ板21は、中央のフレネルレンズ61Aと、中央のフレネルレンズ61Aの周囲に等角度間隔で設けられた複数(5個)のフレネルレンズ61B〜61Fとを備えている。なお、フレネルレンズ61A〜61Fを特に区別する必要がない場合はフレネルレンズ61と表記する。
フレネルレンズ61の配光特性は、光軸Lに対して例えば挟角、中角、広角等の所定の拡がり角を有した特性に設定されており、係る配光特性を得るレンズをフレネルレンズ61とすることで、フレネルレンズ板21の薄型化、及び軽量化が図られる。
各反射鏡40は、回転放物体や回転楕円体などの回転体形状であり、その内面に回転放物面形状の反射面41が形成されている。
各反射鏡40は、樹脂材を母材とし、その表面に反射材をコーティングすることで構成されており、金属材から形成する場合に比べて軽量化が図られている。
各反射鏡40の反射面41は、鏡面処理が施され、反射鏡40の奥側に配置されたCOB型LED51から入射する光を前方(光学部材側)に向けて効率良く反射することができる。
各反射鏡40の反射面41は、回転放物面の中心軸が光軸Lに設定され、COB型LED51から入射した光をフレネルレンズ61に向けて光軸Lと略平行方向に反射する。
これにより、光源が面状光源であっても、反射鏡40,及びフレネルレンズ61の光学設計においては、COB型LED51の発光面51Bの中心を発光点として見做して設計することができ、所望の配光特性の光学設計が容易となる。
また発光面51Bにあっては、光軸Lの周りにも発光素子が存在することから、照射野にボケを生じさせる作用が得られ、これによっても、グレアや色むらの低減が図られる。
また各反射鏡40は同一形状であり、図6に示すように、中央のフレネルレンズ61Aは中央の反射鏡40Aの外周縁が略内接する多角形(五角形)のレンズ形状に形成される。また周囲のフレネルレンズ61B〜61Fは、周囲の反射鏡40B〜40Fの外周縁が略内接する略扇形のレンズ形状に形成される。
図7(A)に示すように、COB型LED51からの光軸Lを中心とする見込み角θA(本構成では60度)の範囲の直接光L1が、このCOB型LED51に対応するフレネルレンズ61Aに入射し、フレネルレンズ61Aによって光軸Lに略平行に進む。さらに、COB型LED51から出射して反射鏡40Aで反射された間接光L2はフレネルレンズ61Aに入射し、フレネルレンズ61Aの前方に向けて出射される。
なお、図示は省略しているが、他のフレネルレンズ61B〜61Fについても、上記フレネルレンズ61Aと同様に、各フレネルレンズ61B〜61Fに対応するCOB型LED51の直接光L1が入射し、各フレネルレンズ61B〜61Fによって光軸Lに対し略平行に進むとともに、反射鏡40B〜40Fで反射された間接光L2が入射し、各フレネルレンズ61B〜61Fから前方に向けて出射される。
また各反射鏡40で反射された間接光L2は、図7(A)に示すように、各フレネルレンズ61の外周部に形成された反射部61Hに入射する。したがって、各反射部61Hで一回又は複数回の反射、及び又は屈折を経て、光軸L方向に対して拡がりを持つ光成分として出射される。これにより、各反射鏡40の照射光が照射野において分離し、各反射鏡40の照射箇所の間に暗部(低照度部分)が生じるのが防止され、照射野におけるグレアが低減される。
すなわち、図7(A)に示すように、各フレネルレンズ61と各反射鏡40との間には、COB型LED51からの直接光の一部、すなわち図7(A)中、ハッチングで示す領域の見込み角θAを超える直接光L3を漏らす隙間SAが設けられる。この隙間SAから漏れた直接光L3は、隣接するフレネルレンズ61に入射する。この直接光L3が、隣接するフレネルレンズ61によって屈折され、出射光の光軸Lに対して角度を持って出射される。
中央のフレネルレンズ61Aを例に説明すると、隣接するフレネルレンズ61B〜61F(図6参照)に対応するCOB型LED51からの直接光L3(図7(A)中、破線で示す)が中央のフレネルレンズ61Aに入射する。なお、図7では、フレネルレンズ61B、61Eに対応する2つのCOB型LED51からの直接光L3が中央のフレネルレンズ61Aに入射することを示している。
また上記隙間SA(図7(A)参照)は、隣接するCOB型LED51の直接光(図7(A)中、L4)が、フレネルレンズ61の中心部(屈折部61K)に入射しない隙間に形成されている。
これにより、隣接するCOB型LED51からの漏れた直接光L3がフレネルレンズ61の中心部を外れた箇所(反射部61H)に入射し、反射部61Hで一回又は複数回の反射、及び又は屈折を経て、出射光の主光束の周辺に拡がりを持つ光成分を効率良く出射でき、図7(B)中の拡散成分を効率的に高めることができる。
なお、周囲のフレネルレンズ61の一例として、フレネルレンズ61Bを例に説明すると、このフレネルレンズ61Bに隣接するフレネルレンズ61A、61C、61F(図6参照)に対応する3つのCOB型LED51からの直接光L3がフレネルレンズ61Bの反射部61Hに入射する。
さらに、フレネルレンズ61の中心部には、隣のCOB型LED51の直射光L3が入射しないように隙間SAが設けられているので、当該直射光L3によって各フレネルレンズ61による配光特性が悪くなることもない。
この投光器本体2の正面には、前掲図1、及び図2に示すように、ルーバー7が着脱自在に設けられており、このルーバー7によって投光器本体2の出射光の一部が遮光されている。
図2(B)に示すように、筒状部71は、一方の開口端である入射開口73に、投光器本体2の前面カバー14、すなわちフレネルレンズ板21を中に入り込ませて筐体10に固定されている。投光器本体2の前面カバー14が筒状部71に入り込むことで、投光器本体2とルーバー7の接続箇所からの漏れ光が抑えられる。入射開口73に入射した投光器本体2の出射光は、筒状部71の他方の開口端である出射開口74から出射される。
これにより、投光器本体2の出射光の光軸Lに非平行な成分のうち、遮光板72に入射する成分が遮光される。
同図に示すように、遮光板72は、筒状部71の内部に、上記上下方向D1に並べて配置されており、それぞれが左右方向D2に延びて互いに遮光面を平行に配置されている。
そして、このルーバー7では、これらの遮光板72が、上下方向D1にずれているCOB型LED51ごとに、当該COB型LED51からみて上側に配置された上側遮光板72Uと、下側に配置された下側遮光板72Dとを含んでいる。
したがって、上下方向D1にずれたCOB型LED51のそれぞれの出射光が、対応する上側遮光板72U、及び下側遮光板72Dの組によって遮光が制御される。これにより、遮光板72が延びる方向とは異なる上下方向D1にCOB型LED51が点在した場合であっても、各々の出射光の遮光が正確に制御される。
これに対し、本構成のルーバー7では、遮光板72を必要以上に増やす必要がなく、効率良く遮光ができる。
このルーバー7では、図9に示すように、COB型LED51の発光中心Ocから下側遮光板72Dまでの離間距離δDが、発光中心Ocから上側遮光板72Uまでの離間距離δUよりも大きくなっている。これにより、下側遮光角φDが上側遮光角φUよりも大きくなるので、直下側に向かう光の遮光が抑えられる。
ただし、上下方向D1に並ぶCOB型LED51の数に応じて遮光板72の枚数が多くなるので、COB型LED51の数によっては、筒状部71の下端部71Dに位置する下側遮光板72Dの長さFが短くなり過ぎる場合がある。この場合、下端部71Dの側で下側遮光角φDが必要以上に大きくなり過ぎて遮光が不十分となる。
そこで本構成では、図9に示すように、上側遮光板72Uと下側遮光板72Dの間隔Gが、下側遮光板72Dの長さFが短くなるに応じて狭くなっており、結果として、筒状部71の上端部71Uの側よりも下端部71Dの側で間隔Gが狭くなっている。これにより、筒状部71の下端部71Dの側においても下側遮光角φDが一定に維持される。
しかしながら、筒状部71が単純な円筒形状である場合、下端部71Dに近いほど、下側遮光角φDの範囲の光も筒状部71の周面によって遮られる。
そこでルーバー7の筒状部71は、図8に示すように、側面視において、入射開口73から出射開口74までの距離Qが、筒状部71の上端部71Uから下端部71Dにかけて短くなる形状となっている。換言すれば、筒状部71の出射開口74は、側面視で上側の上端部71Uが下側の下端部71Dよりも正面側に突き出るように傾斜する。これにより、筒状部71の下端部71Dの側においては、筒状部71の周面による遮光が抑えられ、投光器1の直下側での照度低下が抑えられる。
しかしながら、このルーバー7は、上述の通り、側面視で筒状部71の距離Qが、筒状部71の上端部71Uから下端部71Dにかけて短くなっている。こにより、ルーバー7の筒状部71の側方、及び下方における受圧面積が削減され、投光器1の風圧荷重の増加が抑えられている。加えて、ルーバー7が小型化、及び軽量化されるので、ルーバー7の取り付けに伴う投光器1の大型化、及び重量増加も抑えられている。
このように、上端部71Uから所定長さHの範囲を傾斜させずに略垂直を維持することで、この範囲では、遮光板72の長さFが所定の最大の長さに維持される。これにより、上端部71Uから所定長さHの位置よりも下方に位置するCOB型LED51から上方に向かう光のうち、上側遮光角φU以上の光を確実に遮光することができる。また、上端部71Uから所定長さHの範囲だけが略垂直であるので、投光器1の直下側における照度確保に及ぼす影響、及び風圧荷重の増加も限定的となる。
加えて、下側遮光板72Dの下側遮光角φDが上側遮光板72Uの上側遮光角φUよりも大きいので、下方に向かう光の遮光量が抑えられ、遮光による直下の照度低下が抑えられる。
これにより、筒状部71の下端部71Dに位置する下側遮光板72Dの長さFが短くても、下側遮光角φDが大きくなることはなく一定の値に維持される。
これにより、筒状部71による下方に向かう光の遮光が抑えられるので、直下側の照度低下が抑えられる。
加えて、ルーバー7の受圧面積が減るので、風圧荷重が低減され、さらにコンパクト化、及び軽量化が図られる。
これにより、上端部71Uの側において、下方に位置するCOB型LED51から上方に向かう光のうち、上側遮光角φU以上の光を確実に遮光することができる。また、上端部71Uだけが略垂直であるので、投光器1の直下側における照度確保に及ぼす影響、及び風圧荷重の増加を限定的にできる。
しかしながら、離間距離δDを離間距離δUに比べて大きくする態様、及び、上側遮光板72Uよりも下側遮光板72Dの長さFを短くする態様のいずれかでもよい。
図10は本変形例に係る投光器100の構成を示す図であり、図10(A)は正面図、図10(B)は側面図である。なお、同図において、上述した実施形態と同一の部材については同一の符号を付して、その説明を省略する。
これにより、筒状部171の下端部171Dと前面開口10Aの下端部10ADの間の範囲M(図10(A)の斜線部分)から出射される光がルーバー107によって遮光されずに出射される。
この図に示すように、投光器100は、サインボード等の被照射面80に対面した位置に、光軸Lが被照射面80に斜入射する姿勢で設置されている。この設置態様において、投光器100の直下側に相当する直下エリア80Aは、投光器100の上記下端部171Dから被照射面80に向けて略垂直に延ばした線が交差するエリアである。
この投光器100では、上記範囲Mから出射された光Naがルーバー107によって遮光されずに直下エリア80Aに到達するので、直下エリア80Aの照度を十分に高めることができる。
また、上述した実施形態で説明したように、ルーバー107においても、下側遮光板72Dの下側遮光角φDが上側遮光板72Uの上側遮光角φUより大きくなっており、これによっても、直下エリア80Aの照度低下が抑えられる。
また、投光器1、100は、サインボードの照明の他にも、任意の投光照明に用いることができる。
2 投光器本体
7、107 ルーバー
10A 前面開口(出射開口)
10AD 前面開口(出射開口)の下端部
12 光源モジュール
14 前面カバー
21 フレネルレンズ板(フレネルレンズ)
51 COB型LED(光源)
71、171 筒状部
71D、171D 筒状部の下端部
71U 筒状部の上端部
72 遮光板
72D 下側遮光板(下側の遮光板)
72U 上側遮光板(上側の遮光板)
73 筒状部の入射開口
74 筒状部の出射開口
80 被照射面
80A 直下エリア
D1 上下方向
D2 左右方向
L 光軸
δD、δU 離間距離
φD 下側遮光角(下側の遮光角)
φU 上側遮光角(上側の遮光角)
Claims (9)
- 正面視で上下方向にずれて配置された複数の光源によって照明する投光器の正面に接続されるルーバーであって、
入射開口と出射開口を有する筒状部と、
前記筒状部の内部に前記上下方向に並べられ、互いに平行に設けられた複数の遮光板と、を有し、
前記遮光板は、前記光源ごとに当該光源からみて上側、及び下側の各々に配置され、
少なくとも1つ以上の前記下側の遮光板の遮光角は、対応する上側の遮光板の遮光角よりも大きい
ことを特徴とするルーバー。 - 正面視における前記光源と前記下側の遮光板との間の離間距離が、前記光源と前記上側の遮光板との間の離間距離に比べて大きい、ことを特徴とする請求項1記載のルーバー。
- 前記遮光板の前記正面の側に延びる長さは、前記上側の遮光板よりも前記下側の遮光板の方が短い
ことを特徴とする請求項1または2記載のルーバー。 - 前記上側の遮光板と前記下側の遮光板の間隔は、前記下側の遮光板の前記正面の側に延びる長さが短くなるに応じて狭くなっていることを特徴とする請求項3記載のルーバー。
- 前記筒状部の出射開口は、側面視で上側が下側よりも正面側に突き出るように傾斜していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のルーバー。
- 前記筒状部の出射開口の上端部は、側面視で、前記筒状部の軸に対して略垂直であることを特徴とする請求項5に記載のルーバー。
- 前記筒状部の下端部が前記投光器の出射開口の下端部よりも上方に位置し、或いは、前記投光器の出射開口の下端部の側には前記遮光板が設けられていない
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のルーバー。 - 請求項1〜7のいずれかに記載のルーバーを正面に有することを特徴とする投光器。
- 前記ルーバーが設けられる正面にフレネルレンズを有することを特徴とする請求項8記載の投光器。
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