JP6560285B2 - 粉体用ピペット、粉体用ピペット装置および方法 - Google Patents

粉体用ピペット、粉体用ピペット装置および方法 Download PDF

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Description

本発明は、粉体用ピペットおよび粉体用ピペットを保持する粉体用ピペット装置に関する。
従来から、粉体を試料として少量ずつ分与するためのピペットに関する技術が知られている。例えば、特許文献1は、微量な粉体を定量的に分与する粉体分与用ディスポーザブルピペット装置を開示する。この粉体分与用ディスポーザブルピペット装置は、スポイド状のチップ先端孔に分与すべき粉体をほぼ完全に保持できる細孔を有するフィルタを有する粉体分与用チップと、チップを着脱自在に保持する先端を有するノズルと、ノズルに接続できる吸引手段と、ノズルに接続できる加圧手段と、2つの手段を切り替える手段とを備える。
また、特許文献2は、臼内に供給された粉末にブリッジや空洞を生じさせないようにし、定量供給を安定して行えるようにした粉末供給量定量化方法を開示する。この粉末供給量定量化方法は、臼内に多目に粉末を供給した後、盛上がっている粉末を上杵で圧下してブリッジや空洞をつぶすか、下杵を急に引き下げたり、上下に振動させて粉末にショックを与えてブリッジや空洞をつぶし、臼内に正確な量の粉末を残す。臼内の粉末が定量化されると、圧縮成形品の重量や密度の品質が一定化し、不良品が少なくなって歩留りが向上する。
特開平10−263421号公報 特開2000−301391号公報
ところで、粉体の一つ一つである粉粒において、その形、径および径の分布度(分散)、摩擦係数(表面の滑らかさ)、流動性、静電気の帯びやすさにおいて様々であり、このような粉粒がひとまとまりとなった粉体の物理的特性には多くのバリエーションが生ずる。粉体を粉体容器から所定量を計り取ろうとする際、真密度(粒子密度)で計量することは現実的ではないから、通常嵩密度で計量する。嵩密度は、粉体を一定容積の容器に一定の方法で充填し、粒子間の空隙も含めた体積で、粉体の重量を除した値である。しかし、嵩密度は、所定の容積にゆるく充填した場合の「ゆるめ嵩密度」と、振動を与えながら充填した「かため嵩密度」などの種類があるように、粉体における圧縮度により異なってくるものである。
しかし、従来のピペット等では、このような粉体を計量毎に一定の嵩密度で計量することはなく、また粉体の種類により物理的特性が異なるにもかかわらず、同じような計量の仕方により分与を行ってきた。これでは、粉体を分与する際正確に計量することはできない。
そこで、本発明は、所定量の粉体を正確に分与する粉体用ピペットおよびこの粉体用ピペットを装着した装置を提供する。さらに、本発明は、粉体の種類に応じた計量を行うことで、所定量の粉体を正確に分与する粉体用ピペットおよびこの粉体用ピペットを装着した粉体用ピペット装置を提供する。
上記課題を解決するために、フィルタを内部に有し、フィルタと先端の間に所定の容積を有するチップと、チップを着脱自在に保持するノズルと、ノズルに振動を与える振動器と、ノズルに負圧または正圧を与える吸引排出機構と、を備え、吸引排出機構がノズルに保持されたチップの先端に負圧を与えて先端から粉体を吸入する際、振動器はノズルを介してチップに振動を与える粉体用ピペットが提供される。
これによれば、チップの先端から粉体を吸引する際チップに振動を与え、所定の容積における粉体の嵩密度を一定にすることで、所定量の粉体を正確に分与する粉体用ピペットを提供することができる。
さらに、振動器は、振動の周波数および/または振幅を変更可能であることを特徴としてもよい。
これによれば、振動の周波数や振幅を変更できるようにすることで、粉体の物理的特性に応じた振動を与えることができ、粉体を正確に分与することができる。
さらに、吸引排出機構は、流量を変更可能であることを特徴としてもよい。
これによれば、エアポンプの流量を変更できるようにすることで、粉体の物理的特性に応じた流量を与えることができ、粉体を正確に分与することができる。
さらに、所定の容積は、変更可能であることを特徴としてもよい。
これによれば、フィルタと先端の間の所定の容積を変更できるようにすることで、適宜希望する所定量の粉体を正確に分与することができる。
さらに、吸引排出機構が発生させる空気の流れを切り替える切替弁と、切替弁を切り替える切替スイッチをさらに備え、切替スイッチによりノズルに付与する圧力を負圧からゼロ以上の正圧に切り替えて、先端から粉体を排出する際、振動器がノズルに振動を与えるか否かを選択可能であることを特徴としてもよい。
これによれば、粉体を排出する際振動を与えるか否かを選択可能にすることで、排出する先の容器に適した排出を行うことができる。
上記課題を解決するために、上記の粉体用ピペットと、チップの先端を下方向に向けて粉体用ピペットを保持する保持部と、保持部を支持する支持部とを備え、第1容器内の試料を吸入し、吸入した試料を第2容器に排出する粉体用ピペット装置が提供される。
これによれば、チップの先端から粉体を吸引する際チップに振動を与え、所定の容積における粉体の嵩密度を一定にすることで、所定量の粉体を正確に分与する粉体用ピペット装置を提供することができる。
上記課題を解決するために、試料である粉体をピペットの所定の容積内に吸入する方法であって、粉体を吸入する際ピペットの先端に振動を与え、所定の容積における粉体の嵩密度を一定にする方法が提供される。
これによれば、チップの先端から粉体を吸引する際チップに振動を与え、所定の容積における粉体の嵩密度を一定にすることで、所定量の粉体を正確に分与する方法を提供することができる。
本発明によれば、所定量の粉体を正確に分与する粉体用ピペットおよびこの粉体用ピペットを装着した粉体用ピペット装置を提供することができる。さらに、本発明は、粉体の種類に応じた計量を行うことで、所定量の粉体を正確に分与する粉体用ピペットおよびこの粉体用ピペットを装着した粉体用ピペット装置を提供することができる。
本発明に係る第一実施例の粉体用ピペットの軸方向の断面図。 本発明に係る第一実施例の粉体用ピペットにおいて粉体を分与する場合を説明する説明図。(A)粉体を吸引しようとする場合の説明図、(B)粉体を吸引した場合の説明図、(C)振動を与えて先端に吸着した粉体を振り落とす場合の説明図、(D)吸引を止めて振動を与えて粉体をセルに移す場合の説明図。 本発明に係る第二実施例の粉体用ピペットの断面図を含む模式図。 本発明に係る第三実施例の粉体用ピペットの軸方向の断面図。 本発明に係る第三実施例の粉体用ピペットを含む粉体用ピペット装置を示す模式図。
以下に、図面を参照し、各実施例について説明する。
<第一実施例>
図1および図2を参照し、本実施例における粉体用ピペット100を説明する。粉体用ピペット100は、フィルタ11を内部に有し、フィルタ11と先端12の間に所定の容積Vを有するチップ10と、チップ10を着脱自在に保持するノズル20と、ノズル20に振動を与える振動器30と、ノズル20に負圧または正圧を与える吸引排出機構40と、を備える。チップ10は、一連の粉体分与の作業の際、同種の粉体試薬等には反復使用できるが、粉体の種類を変更する場合には、汚染する恐れがあるので、使い捨てとなる。そのため、チップ10は、ノズル20には着脱自在に取り付けられる。典型的には、チップ10の先端12の反対側の開口部が、ノズル20の一端21に嵌り込む形で取り付けられる。
チップ10は、流れる気体から粉体Pを濾過するためのフィルタ11を内部に有する。フィルタ11は、細孔を有し、気体を通過させるが、粉体Pはこしとるものであれば、特に限定されないが、粉体Pを濾過させる際静電気が発生し、その静電気により濾過性能が高まる疎水性のある材質から作製されることが好ましい。なお、本明細書では、粉体Pとは、細かな粒の集まりをいい、所謂パウダー状のものはもちろん、それより粒径の比較的大きい顆粒状のものを含み、所謂粉粒体と同義である。
チップ10は、フィルタ11と先端12の間に所定の容積Vを有する。チップ10は、先端12から空気と共に粉体Pを吸い込み、粉体Pはフィルタ11でこしとられるので、粉体Pは、チップ10の内部の先端12とフィルタ11の間に存する所定の容積Vを有する空間に溜められる。フィルタ11は、チップ10の内壁に保持され、固定されてもよいし、チップ10の先端12とノズル20側の開口部の間を移動できるようにしてもよい。フィルタ11を移動可能に備える場合には、フィルタ11は、チップ10の内壁に圧力を与えられるような弾力性を有する材質が好ましい。また、チップ10内におけるフィルタ11の位置を調節する機構を備えてもよい。このように、フィルタ11と先端12の間の所定の容積Vを変更可能にすることで、適宜希望する所定量の粉体を分与することができる。また、チップ10は、側面に容積を示すような目盛りを設けて、フィルタ11の位置をガイドするようにしてもよい。
ノズル20は、一端21において気密性を有してチップ10を着脱自在に保持すると共に、本体90に振動可能に保持される。本体90は、粉体用ピペット100の所謂筐体であり、粉体用ピペット100の使用者が作業する際手に持たれる部分であり、振動器30や、吸引排出機構40の一部や、その他粉体用ピペット100を機能させるための電気的・機械的な構成要素(図示せず)を内蔵する。ノズル20は、チップ10を保持する一端21側を本体90の開口部から突出しており、残りは本体90内部に収められている。ノズル20は、本体90に対して独立して振動可能に備えられるので、ノズル20とノズル20を嵌合する本体90の開口部の間は、振動できる程度の隙間を有する。
振動器30は、本体90の内部に固定されて収納され、ノズル20の他端22(根元側)を振動させる。振動器30は、ノズル20の他端22を振動させることで、ノズル20の一端21に保持したチップ10を振動させる。振動方向は、ノズル20の軸方向に垂直な方向であってもよいし、該軸方向に平行な方向であってもよい。振動器30は、特に限定されないが、典型的には振動モータである。振動器30は、振動の周波数や振幅を変更可能であることが好ましい。これによれば、粉体の物理的特性に応じた振動を与えることができ、粉体を正確に分与することができる。
吸引排出機構40は、ノズル20の他端22に気密性を有して接続される本体90内部のエアチューブ41と、本体90の外部に露出するエアチューブ41と、かかるエアチューブ41が接続されて、ノズル20に負圧または正圧を与える源泉のエアポンプ(図示せず)などから構成される。エアチューブ41は、内部に空気が通る管路を有し、少なくとも本体90の外部に露出するエアチューブ41は、試薬の分与を行うので動かし易い柔軟性を有することが好ましい。また、エアポンプは、流量を変更可能であることが好ましい。これによれば、粉体の物理的特性に応じた流量を与えることができ、粉体を正確に分与することができる。また、エアポンプは、本実施例では、本体90とは別体に備えられるが、本体90の内部に収容されるエアポンプであってもよい。また、吸引排出機構40は、汚染を回避するため、粉体用ピペット100の電源を投入すると吸引を開始することが好ましい。
図2を参照して、粉体用ピペット100を使用して、粉体Pを分与する方法を説明する。本図(A)は、粉体Pを吸引しようとする場合を示す。まず粉体用ピペット100の電源を入れて、エアポンプを動作させ、チップ10の先端12から空気の吸引を開始する(空気の流れを、点線矢印で示す)。この状態で、粉体用ピペット100を分与すべき粉体Pに近づける。
本図(B)は、粉体Pを吸引した場合を示す。粉体用ピペット100を分与すべき粉体Pに近づけると、粉体Pは、空気の流れに従い、先端12から吸引される。粉体Pは、先端12からチップ10の内部へ吸引されると、フィルタ11にこしとられ、フィルタ11と先端12の間の所定の容積Vを有する空間内に集められる。ただし、エアポンプは吸引状態を継続しているので、粉体Pの一部は、先端12からの空気の吸引力により、先端12から盛り上がる状態でチップ10に吸着される。すなわち、この段階では、粉体Pは、所定の容積Vで計量すべき以上の量の粉体がチップ10に吸着され、チップ10の外部にも粉体Pが付着している状態である。
本図(C)は、チップ10に振動を与えて先端12に吸着した粉体Pを振り落とす場合を示す。チップ10の外部にも粉体Pが付着している状態で、振動器30を稼働させると、チップ10の内部にある粉体Pを振動させる。そうすると、振動を与えながら粉体Pを充填するかため嵩密度を達成する。その際、振動によりチップ10内部の粉体Pの嵩が減少するが、空気を吸引し続けているので、チップ10の外部に付着する粉体Pが、チップ10の内部に吸い込まれ、所定の容積Vの中に充当される。
また、チップ10の外部に付着する粉体Pは、チップ10の内部に吸引されたもの以外は、振動によりふるい落とされる。振動器30が与える振動の周波数や振幅および吸引排出機構40の吸引力が分与する粉体Pの物理的特性に応じて適切に与えられると、先端12から外部に溢れていた粉体Pは、チップ10から離れ、先端12の縁において粉体Pを摺切りした状態が形成され、所定のかため嵩密度で所定の容積Vの粉体Pが計量される。なお、振動器30を稼働させる振動器スイッチ(図示せず)を本体90に備えてもよい。
本図(D)は、吸引排出機構40の吸引を止め、振動を与えて、粉体PをセルCに移す場合を示す。粉体用ピペット100のフィルタ11と先端12の間の空間には、所定の嵩密度で所定の容積Vを占める粉体Pが計量されたので、吸引排出機構40の吸引を止めることでその粉体Pは、重力により先端12から下方へ排出される。その際、振動器30がチップ10に振動を与えることで、チップ10の内壁やフィルタ11の表面に付着した粉体Pを振るい落とすことができる。このようにして、粉体Pを別の試薬びんやセルCなどの容器に移すことで、所定量の粉体Pを正確に分与することができる。
上述したように、本発明に係る粉体用ピペット100においては、吸引排出機構40がノズル20に保持されたチップ10の先端12に負圧を与えて先端12から粉体Pを吸入する際、振動器30はノズル20を介してチップ10に振動を与え、所定の容積Vにおける粉体Pの嵩密度を一定にする。これによれば、所定量の粉体を正確に分与する粉体用ピペット100を提供することができる。
また、上記は、試料である粉体Pを粉体用ピペット100の所定の容積内に吸入する方法も示している。すなわち、本方法は、粉体Pを吸入する際粉体用ピペット100の先端12に振動を与え、所定の容積Vにおける粉体の嵩密度を一定にする方法である。これによれば、所定量の粉体を正確に分与する方法を提供することができる。
粉体を構成する一つ一つである粉粒において、その形、径および径の分布度(分散)、粉粒の表面の滑らかさを示す摩擦係数、流動性、静電気の帯びやすさは様々であり、このような粉粒がひとまとまりとなった粉体の物理的特性には多くのバリエーションが生ずる。たとえば、平均粒径が同じ粉体であっても、径の分散が大きい場合と小さい場合とでは、仮に同じ質量であってもその体積は異なる。逆に、同じ容積の容器であっても、粒子間の空隙が多い状態で容器にゆるく充填した場合と、粒子間の空隙が少ない状態で容器にかために充填した状態とでは、粉体の質量は異なる。
粒子間の空隙が少ない状態を形成するために容器にかために充填する場合、粉体の物理的特性によってその粉体に与える振動の適切な周波数(Hz)、振幅(M)、振動量(N)が異なる。また、本実施例の粉体用ピペット100のように、粉体を吸引しながら振動させる場合には、粉体を押さえつける力(空気の流量や吸引力)によっても、嵩密度に影響を与える。したがって、振動器30の周波数や振幅ならびに吸引排出機構40の流量や吸引力が変更可能であることは、粉体の物理的特性に応じた振動や吸引力等を与えることができるので、粉体を正確に分与することができる。
<第二実施例>
図3を参照し、本実施例における粉体用ピペット100Aを説明する。なお、重複記載を避けるため同じ構成要素には同じ符号を付し、上記実施例とは異なる点を中心に述べる。粉体用ピペット100Aは、チップ10と、ノズル20と、振動器30と、ノズル20に負圧または正圧を与える吸引排出機構40Aと、吸引排出機構40Aが発生させる空気の流れる方向を切り替える切替弁50と、切替弁50を切り替える切替スイッチ60と、を備える。
切替弁50は、吸引排出機構40Aのエアチューブ41Aに接続されたノズル側開口部P1と、吸引排出機構40Aのエアポンプ51の吸気口52への管路に接続された吸気口側開口部P2と、エアポンプ51の排気口53からの管路に接続された排気口側開口部P3と、大気に開放した大気開口部P4と、を有する。切替弁50は、内部に弁体(図示せず)を有する。弁体は、ノズル側開口部P1から切替弁50内部へ吸引する吸引位置と、切替弁50内部からノズル側開口部P1の外へ排気する排気位置とを有する。なお、エアポンプ51は、常に同じ方向に回転しており、常に吸気口52から空気を吸気し、排気口53から空気を排気する。
弁体が吸引位置にある場合、ノズル側開口部P1と吸気口側開口部P2が接続され、また排気口側開口部P3と大気開口部P4が接続される。このため、空気は、点線矢印のように、チップ10の先端12から吸い込まれ、ノズル20、エアチューブ41A、ノズル側開口部P1、切替弁50の内部の通路を経て吸気口側開口部P2、吸気口52、排気口53、排気口側開口部P3、切替弁50の内部の通路を経て大気開口部P4から大気に排気される。
弁体が排気位置にある場合、大気開口部P4と吸気口側開口部P2が接続され、排気口側開口部P3とノズル側開口部P1が接続される。このため、空気は、一点鎖線矢印のように、大気開口部P4から吸い込まれ、切替弁50の内部の通路を経て吸気口側開口部P2、吸気口52、排気口53、排気口側開口部P3、切替弁50の内部の通路を経てノズル側開口部P1、エアチューブ41A、ノズル20、そしてチップ10の先端12から排気される。なお、切替弁50は、本実施例では、本体90の外部に設けられているが、本体90の内部に収納されてもよい。
切替スイッチ60は、弁体と電気的に接続されており、吸引位置と排気位置を切り替える。このように、切替弁50があると、エアポンプ51は常に同じ方向に回転しているが、チップ10の先端12において、負圧および正圧を与えることができ、吸引と排出の両方を行うことができる。このため、粉体用ピペット100Aでは、粉体PをセルCに排出する場合、吸引排出機構40Aの吸引を止める代わりに、切替スイッチ60を操作し、吸引位置から排気位置に切り替えて、粉体Pを先端12から排出してもよい。このように、チップ10に負圧およびゼロ圧力(大気圧)だけでなく正圧を与える構成を有することで、粉体Pの排出時にチップ10内部に残存する粉体Pをほぼゼロにすることができ、所定量の粉体Pを正確に分与することができる。
また、切替スイッチ60によりノズル20およびチップ10に付与する圧力を負圧からゼロ以上の正圧に切り替えて、先端12から粉体Pを排出する際、振動器30がノズル20に振動を与えるか否かを選択可能にしてもよい。すなわち、たとえば本体90に振動器30をオンオフする振動器スイッチ(図示せず)を有し、切替スイッチ60を排気位置にする場合に、振動器スイッチによりチップ10に振動を与えるか与えないかを選択できるようにしてもよい。これによれば、排出する容器に適した排出を行うことができる。また、このように、フィルタ11において空気を逆流できるようにすることで、フィルタ11の内部の細孔内に入り込んだ粉粒を放出することができる。
<第三実施例>
図4および図5を参照し、本実施例における粉体用ピペット100Bおよび粉体用ピペット100Bを備えた粉体用ピペット装置200を説明する。なお、重複記載を避けるため同じ構成要素には同じ符号を付し、上記実施例とは異なる点を中心に述べる。粉体用ピペット100Bは、チップ10と、ノズル20Bと、振動器30と、ノズル20Bに負圧または正圧を与える吸引排出機構40Bと、を備える。
吸引排出機構40Bは、負圧系と正圧系の2系統を有する。ノズル20Bおよびエアチューブ41Bは、外側と内側の2つの管路を有しており、外側の管路が負圧系(吸引系)、内側の管路が正圧系(排出系)である。外側の管路は、常に吸引するエアポンプ220aに接続され、内側の管路は、常に排出するエアポンプ220bに接続されている。なお、吸引排出機構40Bは、それぞれの系で切替弁(図示せず)を備えて、空気を流通させたり止めたりする。このように、負圧/正圧の専用のエアポンプを備えることで、切り替え時の空気の流量等が安定する。
粉体用ピペット装置200は、粉体用ピペット100Bと、チップ10の先端12を鉛直下方向などの概ね下方向に向けて粉体用ピペット100Bを保持する保持部240と、保持部240を支持する支持部230と、粉体用ピペット100Bの下方においてセルCを載置するためのセル台250と、粉体用ピペット100Bと接続されている電源操作ユニット210と、電源操作ユニット210と接続されているエアポンプユニット220と、を備える。
保持部240は、粉体用ピペット100Bの本体90を挟持するなどし、下方に存するセルCにある粉体を吸引しまた別のセルCにその粉体を排出するため、先端12を概ね下方向に向けて保持する。保持部240は、粉体用ピペット100Bを着脱可能に保持してもよい。支持部230は、保持部240を支持すると共に、点線矢印のように上下方向に保持部240を動かせるように構成される。
セル台250は、吸引して分与すべき粉体が入ったセルCまたは吸引した粉体を配布すべきセルCを置くための台である。セル台250は、セルCを人の手により置き替える場合には固定的なものであってもよいし、セルCを人の手を介さずに自動的に置き換える場合にはセル台250自体が移動してセルCを粉体用ピペット100Bの下方に移動させたり、それ以外の場所へ移動させたりしてもよい。また、セル台250が固定的なものであっても、支持部230や保持部240が移動することで、セルCに入った粉体を吸引し、移動後別のセルCに吸引した粉体を配布してもよい。
電源操作ユニット210は、接続線218を介して粉体用ピペット100Bに接続される。接続線218は、粉体用ピペット100Bと電源操作ユニット210を電気的に接続すると共に、粉体用ピペット100Bがチップ10から吸引または排出する空気の管路として気密性を有して両者を接続する。具体的には、接続線218は、粉体用ピペット100B側ではエアチューブ41Bに、電源操作ユニット210側では吸引排出接続アダプタ217に接続される。
吸引排出接続アダプタ217は、吸引配管アダプタ217a、排出配管アダプタ217b、電力線アダプタ217cから構成される。吸引配管アダプタ217aは、負圧系の外側の管路に接続され、排出配管アダプタ217bは、正圧系の内側の管路に接続される。また、電力線アダプタ217cは、振動器30を駆動するための電力を供給する。また、吸引配管アダプタ217aは、エアポンプユニット220内に設けられる吸引系エアポンプ220aに接続され、排出配管アダプタ217bは、同様にエアポンプユニット220内に設けられる排出系エアポンプ220bに接続される。
また、電源操作ユニット210は、吸引流量調節ダイヤル215、排出流量調節ダイヤル216、および加圧ゼロスイッチ219を備えて、粉体用ピペット100Bがチップ10から吸引または排出する空気の流量を変更可能に構成される。吸引流量調節ダイヤル215は、吸引系エアポンプ220aの流量に連続的に変化を生じさせる。排出流量調節ダイヤル216は、排出系エアポンプ220bの流量に連続的に変化を生じさせる。加圧ゼロスイッチ219は、粉体用ピペット100Bに負圧または正圧を与えている最中に急に加圧をゼロにする(大気圧にする)ためのスイッチである。本実施例の吸引排出機構40Bは、本体90内部のエアチューブ41Bと、接続線218内の空気が流れる管路と、吸引配管アダプタ217aと、排出配管アダプタ217bと、エアポンプ220aとエアポンプ220bを含むエアポンプユニット220と、吸引流量調節ダイヤル215と、排出流量調節ダイヤル216と、加圧ゼロスイッチ219とを含み構成される。
また、電源操作ユニット210は、振動スイッチ212と、振動調節ダイヤル213
と、排出振動ボタン214と、を備える。振動スイッチ212は、使用者の操作により、吸引時の粉体用ピペット100B内の振動器30をオンオフする。排出振動ボタン214は、使用者の操作により、排出時の振動器30をオンオフする。振動調節ダイヤル213は、使用者の操作により、振動器30の振動の周波数を変更するためのダイヤルである。
また、電源操作ユニット210は、電源スイッチ211を備える。使用者が電源スイッチ211をオンすると、エアポンプユニット220に通電し、エアポンプ220aとエアポンプ220bを稼働させる。ただし、電源操作ユニット210内に設けられる切替弁(図示せず)により、電源スイッチ211をオンした時には、粉体用ピペット100Bは吸引を開始する。
使用者は、分与すべき粉体の物理的特性に合わせて、吸引流量調節ダイヤル215と振動調節ダイヤル213を操作して、吸引する空気の流量と振動器30の振動の周波数を調整する。使用者は、その粉体が入った容器であるセルCを粉体用ピペット100Bの下方に載置し、保持部240を下方に移動させ、粉体をチップ10から吸引する。吸引状態を維持したまま、使用者は、少し保持部240を上に上げて、振動スイッチ212を操作し振動器30を駆動し、チップ10の先端12に盛り上がるように吸着した粉体を振るい落とす。
その粉体を振るい落とし、所定の容積V中に所定量の粉体を収納したら、使用者は、保持部240をさらに上に上げて、収納した粉体を配布すべき容器であるセルCを粉体用ピペット100Bの下方に載置する。下方に載置したら、使用者は、保持部240を下方に移動させ、吸引流量調節ダイヤル215または加圧ゼロスイッチ219を操作することにより、吸引流量をゼロにする。そうすると、チップ10内の粉体は自重によりセルC内に落ちる。粉体がセルC内に落ちることでチップ10から排出され、粉体を容器(第1容器)から別の容器(第2容器)に分与できた。このように、チップ10の先端12から粉体を吸引する際チップ10に振動を与え、所定の容積Vにおける粉体Pの嵩密度を一定にすることで、所定量の粉体を正確に分与する粉体用ピペット装置200を提供することができる。
また、使用者は、吸引流量をゼロにすると共に排出流量調節ダイヤル216を操作して排出流量をゼロより大きくして粉体を排出してもよい。さらに、その排出の際、使用者は、排出振動ボタン214を操作し、振動器30を駆動させて、チップ10を振動させてもよい。また、使用者は、加圧ゼロスイッチ219と振動スイッチ212を操作することにより、粉体をチップ10から排出してもよい。振動のみで排出すれば、粉体が吹き上がらない。なお、使用者が粉体用ピペット装置200を操作する場合を説明したが、使用者の代わりに、一連の操作を自動化することで、粉体用ピペット装置は、人の手を介さずに、試料等の粉体を一の容器から他の容器へ分与することができる。
なお、本発明は、例示した実施例に限定するものではなく、特許請求の範囲の各項に記載された内容から逸脱しない範囲の構成による実施が可能である。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
たとえば、上記実施例では、振動スイッチ212や加圧ゼロスイッチ219は、粉体用ピペット100Bではなく電源操作ユニット210に設けられたが、粉体用ピペット100Bを使用者の手に持って粉体を分与する場合には、それらのスイッチは粉体用ピペット100Bに設けられることが好ましい。
100 粉体用ピペット
10 チップ
11 フィルタ
12 先端
20 ノズル
21 ノズルの一端
22 ノズルの他端
30 振動器
40 吸引排出機構
41 エアチューブ
50 切替弁
51 エアポンプ
52 吸気口
53 排気口
60 切替スイッチ
90 本体
200 粉体用ピペット装置
210 電源操作ユニット
211 電源スイッチ
212 振動スイッチ
213 振動調節ダイヤル
214 排出振動ボタン
215 吸引流量調節ダイヤル
216 排出流量調節ダイヤル
217 吸引排出接続アダプタ
218 接続線(エアチューブ、電線)
219 加圧ゼロスイッチ
220 エアポンプユニット
230 支持部
240 保持部
250 セル台
P1 ノズル側開口部
P2 吸気口側開口部
P3 排気口側開口部
P4 大気開口部
V 容積
C 容器(セル)
P 粉体

Claims (7)

  1. フィルタを内部に有し、前記フィルタと先端の間に所定の容積を有するチップと、
    前記チップを着脱自在に保持するノズルと、
    前記ノズルに振動を与える振動器と、
    前記ノズルに負圧または正圧を与える吸引排出機構と、
    を備え、
    前記吸引排出機構が前記ノズルに保持された前記チップの先端に負圧を与えて前記先端から粉体を吸入する際、前記振動器は前記ノズルを介して前記チップに振動を与える、
    粉体用ピペット。
  2. 前記振動器は、振動の周波数および/または振幅を変更可能であることを特徴とする請求項1に記載の粉体用ピペット。
  3. 前記吸引排出機構は、流量を変更可能であることを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の粉体用ピペット。
  4. 前記所定の容積は、変更可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の粉体用ピペット。
  5. 前記吸引排出機構が発生させる空気の流れを切り替える切替弁と、前記切替弁を切り替える切替スイッチをさらに備え、
    前記切替スイッチにより前記ノズルに付与する圧力を負圧からゼロ以上の正圧に切り替えて、前記先端から粉体を排出する際、前記振動器が前記ノズルに振動を与えるか否かを選択可能であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の粉体用ピペット。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の粉体用ピペットと、
    前記チップの先端を下方向に向けて前記粉体用ピペットを保持する保持部と、
    前記保持部を支持する支持部と
    を備え、
    第1容器内の試料を吸入し、吸入した前記試料を第2容器に排出する、
    粉体用ピペット装置。
  7. 試料である粉体をピペットの所定の容積内に吸入する方法であって、
    粉体を吸入する際前記ピペットの先端に振動を与え、前記所定の容積における粉体の嵩密度を一定にする方法。
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