JP6559445B2 - パネル工法建物のブレース後付け耐力壁化工法および構造 - Google Patents
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Description
住宅等のパネル工法建物において耐震補強を行う場合、一般的には既存の非耐力壁パネルを外し、新たな耐力壁パネルを入れ込むというパネル入替え工事を行っている。外側に後からブレースを付ける際には現場溶接が多用されている。また、外壁パネルは、金属製のパネルフレームの四周にポリススチレン等の面材下地を廻し、その上から外装面材を留め付けている。外側に後からブレースを付け、耐力壁化した場合、ブレースのパネルフレームへの取付けのために、ブレース端の部分が突出して段差を生じることがあるが、そのような場合、合板を用いて嵩上げするなどして外壁面を納めている。
・ パネル入れ替え工事に当たっては、既設の非耐力壁パネルを取り外すため、屋内側も壁・床などをめくる必要があり、居住者が住みながら工事を行なうのが難しい。
・ 既設の非耐力壁パネルの場合と同様のパネルフレーム(t=1.6mm)で新たな耐力壁パネルを構成すると、耐力を負担できない。
・ 火災の危険性などの安全面に不安があり、施工品質も施工者の技術に依存する。また、溶接技術の資格者でないと施工できない。
・ 後からブレースを付ける場合は、両端にガセットプレートを有するブレースがパネルフレームに取付けられるが、ガセットプレートの厚みと、このガセットプレートをパネルフレームに留めるドリルねじの頭分だけ、外装面材が屋外側に出ることになり、既設の非耐力壁パネルの外装面材との同一平面での納まりが不可能になる。
・ 外装面材の屋外側への突出高さを抑える対策として、面材下地におけるパネルフレームの隅部相当箇所に切欠き加工を施し、この切欠きの部分に前記ガセットプレートを収めることも可能であるが、この場合、パネルフレームの隅部に対応する箇所で面材下地は細い面材下地同士の接合となり、そこからの漏水の可能性が高まる。また、その面材下地に留め付ける外装面材の締結も不安定になる。
また、特許文献1の方法は、既設の非耐力壁パネルの中桟を完全に取り払ってしまうので、それだけ手間やコストがかかるという課題が残る。
前記非耐力壁パネルは、両側縁の縦フレーム材、およびこれら縦フレーム材の上端間および下端間をそれぞれ繋ぐ上下端の横フレーム材を有するパネルフレームと、このパネルフレームの屋外面および屋内面にそれぞれ張られた外装面材および内装面材と、これら外装面材および内装面材の間に配置された断熱材とを有し、
前記非耐力壁パネルの前記外装面材および前記断熱材を屋外側から撤去する過程と、
前記撤去により露出した前記縦フレーム材の上下端に補強プレートを、前記縦フレーム材に隣接する柱に渡って貫入した固着具により接合する過程と、
両端にガセットプレートを有する後付け用のブレースを前記ガセットプレートで前記縦フレーム材の上下端に取付ける過程と、
前記撤去した断熱材またはこれに代わる新たな断熱材を前記パネルフレームの内側に配置する過程と、
前記撤去した外装面材またはこれに代わる新たな外装面材を前記パネルフレームに取付ける過程とを含む。
パネル工法建物において、壁パネルの縦フレーム材とは別に軸力負担用の柱を設け、その両側に壁パネルを設置する工法と、壁パネルの縦フレーム材を軸力負担用の柱とする場合とがある。壁パネルの縦フレーム材とは別に軸力負担用の柱を設ける工法の場合、壁パネルの縦フレーム材に肉厚が薄く軽量な鋼材を用いることができる反面、耐力壁パネル仕様に改築しようとした場合、縦フレーム材にブレースを取付けても、ブレースに作用する荷重を十分に負担して梁等に伝えることが難しい。そのため、上記のように隣接する柱に渡って取付けられる補強プレートを設けてブレースの荷重を隣接する柱に負担させる構成による機能が、より一層効果的に発揮させる。
前記耐力壁パネルは、両側縁の縦フレーム材、およびこれら縦フレーム材の上端間および下端間をそれぞれ繋ぐ上下端の横フレーム材を有する既設の前記非耐力壁パネルにおけるパネルフレームと、前記縦フレーム材の上下端に、前記縦フレーム材に隣接する柱に渡って貫入した固着具により接合された補強プレートと、前記縦フレーム材の上下端にガセットプレートで接合された後付け用のブレースと、前記パネルフレームの屋内面に張られた既設の内装面材と、前記パネルフレームの屋外面に張られた外装面材と、前記外装面材
と内装面材との間に配置された断熱材とを備える。
また、前記パネルフレームが鋼材であって、前記外装面材は前記各縦フレーム材および各横フレーム材の屋外面に取付けられた棒状の縦横の面材下地を介して取付けられ、
前記パネルフレームの四隅に位置して、前記縦横の面材下地に、前記ガセットプレートの全体を露出させる切欠が設けられ、これら各切欠内に、前記ガセットプレートの屋外側に位置して切欠埋めプレートが設けられている。
また、ブレース端のガセットプレートを前記面材下地の前記切欠内に納めるため、ガセットプレートやその取付用のボルト頭等の厚さで外装面材の出入り高さが高くなることが回避され、隣合う壁パネルの外装面材の出入り高さと合わすことができて、意匠性が損なわれない。
この構成の場合、2本のブレースの交差部を横桟とはらみ止めプレートとで挟み込むので、ブレースが壁パネルの面外方向に撓むことを、前記横桟によって効果的に防止でき、ブレースのはらみにより外装面材が押されてはらむことが防止される。このため、前記ブレースに平鋼等の撓み易い薄い軸材を用いることができ、後付け用のブレースの設置空間の確保のために外装面材を元の非耐力壁パネルよりも屋外側へ位置させる必要性が低くなる。これにより外装面材の出入り位置を他の外壁パネルと揃えることができ、意匠性を損なわずに施工できる。また、既設の非耐力壁パネルが中間に縦桟を有する場合に、前記のような薄いブレースを用いることで、後付け用のブレースの設置空間の確保のために前記中間の縦桟を、切欠等を有する縦桟と取り替える等の作業も不要となる。
このように、縦横の面材下地の四隅に防水カバーを被せることにより、これらの箇所の防水が図られる。この場合に、上側の2隅では、横側の防水カバーが面材下地に被せられて横勝ちの配置となるため、その防水カバーを伝わる雨水が壁パネル内に進入することが効果的に防止される。また、下側の2隅では、縦側の防水カバーが前記面材下地に被せられ、縦勝ちとなるため、その防水カバーを伝わる雨水が壁パネル内部に進入せず、下方へ流れ落ちる。
前記柱33は、例えば断面が正方形状のリップ溝形の形鋼からなり、屋内側に開口して建てられる。柱33と前記非耐力壁パネル1の縦フレーム材3とは、上下方向の複数箇所で互いにボルト(図示せず)等により接合される。前記非耐力壁パネル1は、前記土台32および梁34に対しては、例えば前記両側縁の縦フレーム材3の位置、および縦桟9のあるパネル幅方向の位置で、ボルト等により接合されている(図15参照)。
図3(A)は、非非耐力壁パネル1の既設の状態であり、図2(A)を簡略化して示す。この既設状態から、まず、図3(A)に示すように、外装材5と断熱材12等のパネル内部配置物を屋外側から撤去する。この場合に撤去するパネル内部配置物は、前記面材下地11、断熱材12などであり、縦桟9や横桟10は撤去しない。この撤去の状態を、図5(A)に正面図で示す。
ブレース15は、図6(A),(B)に示すように、上下端の方形のガセットプレート16に対して互いに反対方向に傾斜した2本がX字状に交差するように設けられる。この場合、図3(B)の過程で撤去しなかった既設の横桟10の屋外面に、2本のブレース15の交差部を配置する。ブレース15は、この例では平鋼等の棒材とし、かつ断面の幅狭方向をパネル厚方向とすることで、前記既設の横桟10と外装面材5との間の隙間に配置可能としている。
2…パネルフレーム
3…縦フレーム材
4…横フレーム材
5…外装面材
10…横桟
13…補強プレート
14…固着具
15…ブレース
16…ガセットプレート
18…はらみ止めプレート
21,22…面材下地
21a,22a…切欠
23…切欠埋めプレート
25,26…防水カバー
31…耐力壁パネル
33…柱
Claims (5)
- 既設のパネル工法の建物における非耐力壁パネルにブレースを取付けて前記非耐力壁パネルを耐力壁パネルとするパネル工法建物のブレース後付け耐力壁化工法であって、
前記非耐力壁パネルは、両側縁の縦フレーム材、およびこれら縦フレーム材の上端間および下端間をそれぞれ繋ぐ上下端の横フレーム材を有するパネルフレームと、このパネルフレームの屋外面および屋内面にそれぞれ張られた外装面材および内装面材と、これら外装面材および内装面材の間に配置された断熱材とを有し、
前記非耐力壁パネルの前記外装面材および前記断熱材を屋外側から撤去する過程と、
前記撤去により露出した前記縦フレーム材の上下端に補強プレートを、前記縦フレーム材に隣接する柱に渡って貫入した固着具により接合する過程と、
両端にガセットプレートを有する後付け用のブレースを前記ガセットプレートで前記縦フレーム材の上下端に取付ける過程と、
前記撤去した断熱材またはこれに代わる新たな断熱材を前記パネルフレームの内側に配置する過程と、
前記撤去した外装面材またはこれに代わる新たな外装面材を前記パネルフレームに取付ける過程とを含むパネル工法建物のブレース後付け耐力壁化工法。 - 請求項1に記載のパネル工法建物のブレース後付け耐力壁化工法において、前記柱が、前記建物における軸力負担用の柱であるパネル工法建物のブレース後付け耐力壁化工法。
- 既設のパネル工法の建物における非耐力壁パネルにブレースを取付けて前記非耐力壁パネルを耐力壁パネルとしたパネル工法建物のブレース後付け耐力壁化構造であって、
前記耐力壁パネルは、両側縁の縦フレーム材、およびこれら縦フレーム材の上端間および下端間をそれぞれ繋ぐ上下端の横フレーム材を有する既設の前記非耐力壁パネルにおけるパネルフレームと、前記縦フレーム材の上下端に、前記縦フレーム材に隣接する柱に渡って貫入した固着具により接合された補強プレートと、前記縦フレーム材の上下端にガセットプレートで接合された後付け用のブレースと、前記パネルフレームの屋内面に張られた既設の内装面材と、前記パネルフレームの屋外面に張られた外装面材と、これら外装面材と内装面材との間に配置された断熱材とを備え、
前記パネルフレームが鋼材であって、前記外装面材は前記各縦フレーム材および各横フレーム材の屋外面に取付けられた平棒状の縦横の面材下地を介して取付けられ、
前記パネルフレームの四隅に位置して、前記縦横の面材下地に、前記ガセットプレートの全体を露出させる切欠が設けられ、これら各切欠内に、前記ガセットプレートの屋外側に位置して切欠埋めプレートが設けられたパネル工法建物のブレース後付け耐力壁化構造。 - 請求項3に記載のパネル工法建物のブレース後付け耐力壁化構造において、前記ブレースは2本がX字状に交差して設けられ、これらブレースの交差部の高さ位置で両側の前記縦フレーム材の間に横桟が設けられ、前記2本のブレースの交差部を前記横桟とで挟み込むはらみ止めプレートが前記横桟に取付けられたパネル工法建物のブレース後付け耐力壁化構造。
- 請求項4に記載のパネル工法建物のブレース後付け耐力壁化構造において、前記各面材下地に断面形状が溝形の縦横の防水カバーが、前記耐力壁パネルの外周側から内周側に向けて被せられ、前記縦横の面材下地で構成される四隅のうち、上側の2隅では、横側の防水カバーが前記面材下地に被せられ、下側の2隅では、縦側の防水カバーが前記面材下地に被せられるパネル工法建物のブレース後付け耐力壁化構造。
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