JP6557609B2 - 廃リチウムイオン電池の処理装置及び処理方法 - Google Patents

廃リチウムイオン電池の処理装置及び処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、ハイブリッド自動車や電気自動車等の電源として使用された廃リチウムイオン電池の処理装置及び処理方法に関する。
ハイブリッド自動車や電気自動車等の電動車両用の電源として用いられるリチウムイオン電池は、リチウムイオン電池セルとして電池モジュールに複数配列され、電池モジュールを樹脂製や金属製の箱型筐体内に複数収納した電池パックとして車両に搭載される。この電池パックにおいて、複数の電池モジュールはワイヤーハーネス等で電気的に接続され、電池パックには、さらに電池制御システムや強電回路を遮断する回路やスイッチ等が搭載されている。
リチウムイオン電池は、アルミ箔にリチウム、コバルト、ニッケル等を塗布した正極材と、銅箔に黒鉛等を塗布した負極材と、電解液と、セパレーター等からなるため、リチウム、コバルト、ニッケル、銅、アルミニウム等の有価物を含む。そのため、廃棄されたリチウム電池からこれらの有価物を回収することは、資源に乏しいわが国にとって極めて有益である。
廃リチウムイオン電池から上記有価物を回収するため、焙焼、破砕又は粉砕、篩い分け、選別等による分離回収が行われている。焙焼処理は、電解液に含まれるプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等の有機溶媒、六フッ化リン酸リチウムの支持塩、ポリエチレンやポリプロピレン等のセパレーターを熱分解し、除去することを目的としている。リチウムイオン二次電池の焙焼処理については、特許文献1〜5等に記載されている。
特開平6−346160号公報 特開平7−245126号公報 特開2012−79630号公報 特開昭55−152138号公報 特開2012−112027号公報
特許文献1及び特許文献2に記載の技術では、焙焼は大気雰囲気で行われ、特許文献3では、大気雰囲気、酸化雰囲気、不活性雰囲気、還元性雰囲気等が例示され、この中から炉内雰囲気を制御し易い大気雰囲気(空気雰囲気)が好ましいとされている。大気雰囲気で焙焼処理を行うと、電解液やセパレーターの有機物が分解されて着火し、燃焼するため、炉内の温度が急激に上昇する。
そこで、上記急激な温度上昇を抑えるため、特許文献4に記載の発明では、窒素ガス、アルゴンガス、CO、CO2等のガスを炉に通風し、炉内を非酸化雰囲気、すなわち還元性雰囲気にすることで急激な燃焼による温度上昇を防いでいる。
また、特許文献5には、木材、木炭、石炭、コークス、活性炭等のカーボン源を使用して炉内を還元雰囲気とすることが記載されている。しかし、カーボン源も可燃性であるため、炉内を還元性雰囲気にしてリチウム電池の着火、燃焼を抑えるには大量のカーボン源が必要となる。
小型のリチウムイオン二次電池の少量の処理であれば、急激な燃焼による温度変化も生じ難く、処理炉を大きくしたり、通風速度を制御して急激な燃焼による温度の上昇を抑制することにより変動を小さくすることが可能である。しかし、大量処理や大型のリチウムイオン二次電池の大量処理の場合には、焙焼雰囲気を調整するのが容易ではなく、例えば、大型ユニットの場合には、有機化合物を大量に含むため、激しく燃焼して急激な温度上昇が起こる。特に未放電のリチウムイオン二次電池を燃焼させた場合、電極より酸素も同時に生じるため、より燃焼が激しくなる。そうすると品質の安定した処理物を得ることができずに、有価物の回収率が低下することになる。
そこで、本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであって、廃棄されたリチウムイオン二次電池を簡易な作業で安定して大量に処理する装置及び方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、廃リチウムイオン電池の処理装置であって、リチウムイオン電池を格納し、斜め上方に突出する排気管を有する耐熱容器と、円筒状の炉壁を有し、該炉壁の内面に沿って水平方向に燃料を噴出するバーナーと、上面視円形の天井部の中心部に排気管と、上面視円形の炉床の近傍に温度計を有する熱処理炉と、該熱処理炉に前記耐熱容器を投入及び排出可能な容器搬送装置とを備えることを特徴とする。ここで、耐熱容器に対し、廃リチウムイオン電池単体を複数投入してもよいし、ハイブリッド自動車等に使用された後の、複数個のリチウムイオン電池セルが配列された電池モジュールが箱型筐体内に複数収納されてなる電池パック又は前記電池モジュールを投入してもよい。
本発明によれば、電池パック又は電池モジュールに対して電池セルを個々に取外すことなく加熱処理を施すことで電池パック又は電池モジュールを乾留して炭化混合物を分離するようにしたので、電池パックの樹脂製の筐体や、あるいは電池モジュールの各電池セルを挟み込む樹脂製のフレームや、リチウムイオン電池の負極材料に使用されるカーボン等が炭化混合物として有用金属が含まれる金属から分離される。
また、電池パック又は電池モジュールを排気管が設けられた耐熱容器に格納した後、熱処理炉に投入して耐熱容器の外側から加熱するため、耐熱容器内部を還元雰囲気とし、内部の電池パック又は電池モジュールを乾留して炭化混合物を分離することができる。このとき、電池内の低沸点の電解液は揮発し、耐熱容器の排気管から熱処理炉内に排出されると共に耐熱容器内の空気が排出され、電池パック又は電池モジュールは還元雰囲気の耐熱容器によって保護されるので、炉内で廃リチウムイオン電池が爆発する危険性を抑えることができる。
さらに、耐熱容器の排気管からは、電解液が揮発することによって発生したガスと、プラスチック等の可燃性物質が熱分解することによって発生したガスの2種類の有機ガスが熱処理炉内に排気され、これらは加熱処理用の燃料として使用されるので燃料コストを削減することができる。尚、これらの有機ガスを炉内で燃焼して温度を調節するにあたっては、酸素量をコントロールすることで温度の制御が容易になる。
そして、加熱処理を還元雰囲気で実施することによれば、プラスチック等の可燃性物質を燃焼させることはないのでダイオキシン類も生成され難く、しかも金属の酸化によるスラグ化も抑えるものであるので、廃リチウムイオン電池を無害化することができる。また、プラスチック等が燃焼することによる温度暴走を防止することができ、極めて簡易な作業でリサイクル処理を実施することができる。
また、耐熱容器が斜め上方に突出する排気管を有するため、リチウムイオン二次電池の乾留時に有機化合物が激しく燃焼して燃焼ガスが排気管から噴出しても、燃焼ガスが斜め上方に噴出するため、燃焼ガスによって熱処理炉の内部の安定した渦燃焼が阻害されることがなく、炉床近傍に設置した温度計によって炉全体の代表的な温度を測定することができるため、大量の廃リチウムイオン電池を安定して処理することができ、安定した品質の処理物が得られる。
上記処理装置は、前記熱処理炉の天井部の近傍の排気管の内部に、該熱処理炉の内部の圧力を調整するためのダンパーを備えることができる。これによって、リチウムイオン二次電池の有機化合物が激しく燃焼して熱処理炉の内部の圧力が急激に上昇したような場合でも、ダンパーによって迅速に圧力を逃がすことなどが可能となり熱処理炉内の負圧を安定して維持することができる。
上記処理装置は、前記熱処理炉の炉床を水平回転させる炉床回転装置を備え、前記容器搬送装置を介して、前記耐熱容器を連続的に投入して複数の耐熱容器を前記炉床上に環状に載置すると共に、一回りした前記耐熱容器を前記炉床上から連続的に排出することができる。熱処理炉を連続式回転炉とすることで熱ガスが旋回しながら炉内を循環し、これにより炉内温度の均一化が図れるので、温度ムラに起因して安全上処理温度を低めに設定する必要はなく、処理温度をより高く設定して効率的に加熱することができる。また、連続処理により、熱処理炉から排気される未燃焼ガスの種類や量が安定するため、その後、未燃焼ガスを処理するための制御を容易に行うことができる。
また、本発明は、廃リチウムイオン電池の処理方法であって、リチウムイオン電池を格納し、斜め上方に突出する排気管を有する耐熱容器と、円筒状の炉壁を有し、該炉壁の内面に沿って水平方向に燃料を噴出するバーナーと、上面視円形の天井部の中心部に排気管と、上面視円形の炉床の近傍に温度計を有する熱処理炉と、該熱処理炉に前記耐熱容器を投入及び排出可能な容器搬送装置とを備える処理装置を用い、前記熱処理炉に投入された前記耐熱容器をその外側からアルミニウムの融点よりも低い温度で前記バーナーで加熱して前記耐熱容器内部の前記リチウムイオン電池の負極材料を乾留して炭化混合物を分離すると共に、該電池内の電解液を揮発させて前記耐熱容器の排気管から前記熱処理炉内に排出させ、前記温度計を用いて該熱処理炉の内部の温度を調節することを特徴とする。
さらに、本発明は、廃リチウムイオン電池の処理方法であって、複数個のリチウムイオン電池セルが配列された電池モジュールが箱型筐体内に複数収納されてなる電池パック又は前記電池モジュールを格納し、斜め上方に突出する排気管を有する耐熱容器と、円筒状の炉壁を有し、該炉壁の内面に沿って水平方向に燃料を噴出するバーナーと、上面視円形の天井部の中心部に排気管と、上面視円形の炉床の近傍に温度計を有する熱処理炉と、該熱処理炉に前記耐熱容器を投入及び排出可能な容器搬送装置とを備える処理装置を用い、前記熱処理炉に投入された前記耐熱容器をその外側からアルミニウムの融点よりも低い温度で前記バーナーで加熱して前記耐熱容器内部の前記電池パック又は前記電池モジュールを乾留して炭化混合物を分離すると共に、該電池内の電解液を揮発させて前記耐熱容器の排気管から前記熱処理炉内に排出させ、前記温度計を用いて該熱処理炉の内部の温度を調節することを特徴とする。
上記両発明によれば、大量の廃リチウムイオン電池を安定して極めて簡易な作業でリサイクル処理することができると共に、加熱温度は、変動がないようにされているので、その後の処理として有用金属が含まれる処理物から有用金属を分離する処理を容易に行うことができ、回収率が高まる。
上記処理方法において、前記熱処理炉の天井部の近傍の排気管の内部に配置されたダンパーを用い、該熱処理炉の内部の圧力を調整することができ、リチウムイオン二次電池の有機化合物が激しく燃焼して熱処理炉の内部の圧力が急激に上昇したような場合でも、ダンパーによって迅速に圧力を逃がすことなどが可能となり熱処理炉内の負圧を安定して維持することができる。
上記処理方法において、前記熱処理炉の内部の温度を400℃以上650℃以下に調節することができる。これにより、プラスチックの分解温度(300℃)以上で樹脂製材料を分解し金属から分離しやすい状態と、650℃以下にすることによりアルミニウムが溶融しない状態となり、処理時間を短縮することができ、かつ品質の安定した有価物の回収が容易な処理物を得ることができる。
上記処理方法において、前記熱処理炉の排気管を介して排出されたガスをセメント調整装置のプレヒータの350℃以上の領域に導入することができる。これによって、二次燃焼室として新規な施設を設ける必要がなく、廃リチウムイオン電池の電解質に含まれるフッ素化合物が熱分解して生じた、燃焼ガス中のフッ化物をセメント調合原料に捕捉させたり、廃リチウムイオン電池のプラスチック等の可燃性物質が熱分解することによって発生したVOC(揮発性有機化合物)も燃焼させることができ、未燃焼ガスを無害化することもできる。
以上のように、本発明によれば、廃棄されたリチウムイオン二次電池を簡易な作業で安定して大量に処理することができる。
本発明に係る廃リチウムイオン電池の処理装置の一実施の形態を示す全体横断面図である。 本発明に係る廃リチウムイオン電池の処理装置の一実施の形態を示す全体縦断面図である。 図1及び図2の処理装置に用いられる耐熱容器の容器本体を示す図であって、(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は底面図である。 図1及び図2の処理装置に用いられる耐熱容器の蓋を示す図であって、(a)は正面図、(b)は上面図である。 図3の容器本体及び図4の蓋を組み合わせて耐熱容器を構成した状態を示す縦断面図である。 図1及び図2の処理装置における熱処理炉に投入される直前の耐熱容器を示す横断面図である。 図1及び図2の処理装置における熱処理炉に投入される直前の耐熱容器を示す縦断面図である。 比較例の実験結果を示すグラフであって、縦軸は炉内温度(℃)、横軸は運転時間を表している。 実施例の実験結果を示すグラフであって、縦軸は炉内温度(℃)、横軸は運転時間を表している。
次に、本発明の一実施の形態について図面を参照しながら詳細にする。
図1及び図2に示すように、本発明に係る廃リチウムイオン電池の処理装置1は、複数個のリチウムイオン電池セルが配列された電池モジュールが箱型筐体内に複数収納された電池パック50に加熱処理を施して有用金属を回収するものであって、主に電池パック50を格納する複数の耐熱容器2と、熱処理炉3と、熱処理炉3に耐熱容器2を投入及び排出する容器搬送装置4を備える。この処理装置1は、特に電池から生じる発熱量が高くなる容器一つ(1バッチ)当たり投入量が50kg以上の場合に有用であり、さらに、激しく燃焼が生じる2次電池に特に有用である。
耐熱容器2は、図3〜図5に示すように、容器本体2Aと蓋2Bとで構成される。容器本体2A及び蓋2Bの材質は、ステンレス鋼(SUS304)等であって、少なくとも650℃の耐熱温度を有する。
図3に示すように、容器本体2Aは、上方に開口して円筒状に形成された内筒2aと、内筒2aよりも大径で内筒2aを囲繞するように配置された外筒2bと、内筒2a及び外筒2bの底面に配置された複数の車輪2cと、外筒2bの周面2dに固定された2本の取っ手2eと、外筒2bの周面2dから突出するハンガー2fとで構成される。
一方、図4に示すように、蓋2Bは、下方に開口する円筒状に形成された本体2nと、本体2nの周面に開口して斜め上方に突出する排気管2gと、本体2nの天井面2hに設けられた取っ手2mとで構成される。尚、排気管2gと水平面とのなす角は、45°程度に設定されるが、これに限定されるものではない。また、排気管2gの向きは、排気管2gから噴出する燃焼ガスの速度ベクトルの水平成分が熱処理炉3の渦燃焼の方向と同方向になるように設定される。また、排気管2gの設置位置は、図2に示す通り、4本のガスバーナー8(8A〜8D)より低く、排気管28の先端28aより高い位置であればよい。
上記容器本体2Aと蓋2Bとで耐熱容器2を構成するには、図5に示すように、容器本体2Aの内筒2aと外筒2bの間の溝部2jに蓋2Bの本体2nの下端2kが嵌め込まれると共に、溝部2jに砂が充填されてサンドシールが構成され、蓋2Bは容器本体2Aに対して一定の距離L分だけ浮き上がり可能な状態で取り付けられる。サンドシール構造によって容器本体2Aに対して蓋2Bを浮き上がり可能としたことで、加熱処理時の反応によって耐熱容器2の内部の圧力が高まったとしても、蓋2Bが浮き上がることで高まった圧力を逃がし、耐熱容器2の損傷等を防止することができる。
尚、耐熱容器2の構造は、上記のものに限定されず、容器本体2Aに対して蓋2Bが浮き上がり高まった圧力を逃がす構造を有するものであれば、例えば、緩衝機構を設けたものなどを用いることができる。
また、複数個の電池パック50を格納することができ、耐熱性に優れ、上部に排気管2gが設けられたものであれば、特に分割されていなくともよい。
さらに、耐熱容器2の容器本体2Aに、加熱処理時にプラスチック等の溶解物を受けて溜め込む凹部(不図示)を形成し、プラスチック等の溶解物が耐熱容器2から外にこぼれ出すことを防止してもよい。
図1及び図2に示すように、熱処理炉3は、耐火材で覆われた鋼板で炉壁7が構成された円筒状の縦型炉であり、4本のガスバーナー8(8A〜8D)によって加熱される。ガスバーナー8の近傍にはノズル11(11A〜11D)が設けられ、ファン(不図示)を介して送られる、燃焼用及び冷却用の空気Aが炉内に供給される。炉内の温度及び圧力を測定するために温度計13及び圧力計14が設けられる。温度計13はガスバーナー8や排気管2gの影響を受けないように、後述する熱処理炉3の炉床17付近に設置される。尚、ガスバーナー8及びノズル11の設置本数は、4本に限定されることなく、3本以下であっても5本以上であってもよい。
熱処理炉3の炉床17は、炉壁7と同様に耐火材で覆われた鋼板からなり、電動モータ(不図示)を備えた炉床回転装置19によって鉛直軸回りに回転し、位置決めセンサ(不図示)によって所定の位置に位置決めされる。
熱処理炉3の炉壁7の一部には、上下に開閉式の炉体扉7bで外部と仕切られた開口部7aが形成される。開口部7aに対向する位置に、開口部7aから熱処理炉3内に耐熱容器2を投入すると共に、熱処理炉3内を一周した後の耐熱容器2を熱処理炉3から排出する容器搬送装置4が設けられる。
容器搬送装置4は、図1、図2、図6及び図7に示すように、熱処理炉3の開口部7aと熱処理炉3の中心を結ぶ線上の方向(図1では左右方向)に延びると共に、モーター18の正回転によって耐熱容器2に当接して耐熱容器2を熱処理炉3内に押し入れるプッシャー部4aと、耐熱容器2の容器本体2Aの外周に設けられたハンガー2fを係止する爪4cが先端に設けられ、モーター18の負回転によって耐熱容器2を熱処理炉3内から引っ張り出すプルアウト部4bを備えている。プッシャー部4aはプルアウト部4bの真上に配置される。
また、耐熱容器2は、熱処理炉3内に投入される直前には、すなわち、開閉式の炉体扉7bの外側に位置する際には、熱処理炉3の接線方向(図1では上下方向)に移動自在のスライドベース21上に載置され、スライドベース21の端部に接続されたベース移動装置22によってスライドベース21は、炉体扉7bの前位置に設けられた炉前室23(図1の位置)と、開閉式の炉前室扉24を隔てて外側に位置するスタンド25の間を移動可能にされている。炉前室23は、外部に対しては炉前室扉24で隔てられると共に、熱処理炉3に対しては炉体扉7bで隔てられ、炉体扉7bを開放したときの温度変化を抑えるようにしている。また、炉前室23を設けることで熱処理炉3内の雰囲気が保持されると共に、危険なガスの漏洩や熱風の吹き出しを防止することができる。
スライドベース21がスタンド25上に移動したときに、クレーン(不図示)で加熱される前の耐熱容器2がスライドベース21上に載せられ、その後、炉前室23までベース移動装置22によって運ばれ、加熱された後の耐熱容器2は炉前室23からスタンド25まで同じくベース移動装置22によって運ばれ、その後、冷却室(不図示)まで自動的に移動するように構成されている。ベース移動装置22は、モーター22aの駆動によってシャフト22bを伸縮させることでシャフト22bの先端に接続されたスライドベース21を移動させる。
図1及び図2に示すように、熱処理炉3より離れた位置に二次燃焼室27が設けられ、二次燃焼室27と熱処理炉3との間は排気管28によって連結されている。また排気管28には、排気管28を介して熱処理炉3内の未燃焼ガスを二次燃焼室27に送るファン29が設けられている。
二次燃焼室27もガスバーナー34によって加熱され、二次燃焼室27内で未燃焼ガスの燃焼用空気がファン30を介して二次燃焼室27内に供給される。また、二次燃焼室27内の温度は温度計32によって測定される。二次燃焼室27には排気用の煙突31が設けられる。
排気管28の熱処理炉3側は、図2に示すように、熱処理炉3の天井部の中央から熱処理炉3内に導かれ、その先端28aの位置は、耐熱容器2内の電池パック50の上面位置より低くなるように設定されている。ここでは、排気管28の先端(下端)28aの位置を耐熱容器2内で4段重ねにされた電池パック50の上から3段目と4段目の間の高さと同じ位置にしている。このように、排気管28の熱処理炉側先端28aを、耐熱容器2内の電池パック50の上面位置より低く設定することで、熱処理炉3内で熱風は上方から下方へまた下方から上方へ大きく対流するので、内部の電池パック50は効率的に乾留される。従って、電池パック50を耐熱容器2内において複数積層(本実施形態では4段)しても十分リサイクル処理することができるので、仮に処理すべき電池パック50の数が大量であっても短時間で処理することができる。また、電池パック50内のリチウムイオン電池が放電しているか否かに関わらず処理することができる。
排気管28内の熱処理炉3の直上には、熱処理炉3の内部の圧力を調整するためのダンパー33が設けられ、例えば、熱処理炉3内の圧力が高まるとダンパー33を開き、熱処理炉3の内部の負圧が維持される。ダンパー33には、図示のバタフライバルブ等を用いることができる。
上記構成を有する廃リチウムイオン電池の処理装置1を用いた廃リチウムイオン電池の処理方法について説明する。尚、以下の説明では、処理装置1によってハイブリッド自動車や電気自動車等から取外されたままの電池パック50を処理する場合を例示する。
(1)熱処理炉3の内部の残留ガスを炉外に排出するプレパージを行った後、ガスバーナー8に点火して炉温を制御範囲の温度上限が650℃を超えないよう620℃程度まで昇温して温度を一定に保持する。
(2)炉前室扉24を開放してベース移動装置22を介してスライドベース21を炉前室23の外側に設けられたスタンド25の位置まで前進させる。そして、クレーン(不図示)を使用して、図6及び図7に示したように使用済みの8個の電池パック50が格納された(4段重ねのものが2組突き合わされた状態で格納)耐熱容器2をスタンド25の位置に移動したスライドベース21上に載置する。
(3)ベース移動装置22を介してスライドベース21をスタンド25の位置から炉前室23内まで後退させ、炉前室扉24を閉鎖する。
(4)炉体扉7bを開放した後、容器搬送装置4のプッシャー部4aを前進させて耐熱容器2を熱処理炉3内に投入する。これにより、耐熱容器2は熱処理炉3の炉床17上、図1では9時の位置に載置される。
(5)容器搬送装置4のプッシャー部4aを後退させた後、炉体扉7bを閉鎖し、炉床回転装置19を介して炉床17を45゜左回転させる。この45゜の回転は、特に限定されるものではないが、例えば、37.5分毎に炉床17を45゜ずつ回転させることで、5時間で炉床17が1回転するように設定している。
(6)上記(1)〜(5)の処理を7回繰り返すことで、熱処理炉3の炉床17上には、図1に示したように、隣接する耐熱容器2が一定の間隔を開けた状態で8個の耐熱容器2が環状に載置される。
上記動作の間、耐熱容器2は熱処理炉3内で1周する間に外側から加熱されることで、耐熱容器2内は還元雰囲気となり、耐熱容器2に格納された電池パック50の樹脂製の筐体等のプラスチック類は乾留により炭化混合物としてリチウム、コバルト、ニッケル、マンガン等の有用金属が含まれた材料から分離された状態となっている。尚、耐熱容器2はアルミニウムの融点(660℃)よりも低い温度(620℃)で加熱されるので電池パック50内で使用されたアルミニウム成分が溶け出すことはない。また、電池内の電解液は揮発し、プラスチック等の可燃性物質が熱分解することによって発生したガスと共に、耐熱容器2の排気管2gから熱処理炉3内に排出される。耐熱容器2の排気管2gから排出された2種類のガスは可燃性ガスであり熱処理炉3内で燃焼し、熱源として再利用される。
上記熱処理の際に、熱処理炉3内の温度は、ノズル11を介して供給される空気の酸素量を調整することにより、耐熱容器2の排気管2gから熱処理炉3内に放出される可燃性ガスの燃焼量を制御し、温度計13による測定値が所望の値又は範囲となるように制御する。この際、耐熱容器2の蓋2Bは、本体2nの周面に開口して斜め上方に突出する排気管2gを備えるため、電池パック50の乾留時に有機化合物が激しく燃焼して燃焼ガスが排気管2gから噴出しても燃焼ガスが斜め上方に噴出するため、燃焼ガスによって熱処理炉3の内部の安定した渦燃焼が阻害されることがなく、炉床17の近傍に設置した温度計13によって炉全体の代表的な温度を測定することができ、熱処理炉3の安定運転を維持することができる。
一方、熱処理炉3の内部が正圧になると、熱処理炉3の開口部7aから炉外に熱ガスが噴出し、熱処理炉3への耐熱容器2の投入及び排出が困難になるため、熱処理炉3の内部を負圧に維持する必要がある。そこで、圧力計14の測定値に応じてダンパー33を開閉して熱処理炉3の内部を所望の値又は範囲に維持する。例えば、電池パック50の乾留時にリチウムイオン二次電池の有機化合物が激しく燃焼して熱処理炉の内部の圧力が急激に上昇したような場合でも、ダンパー33を開いて迅速に圧力を逃がし、熱処理炉3の内部の負圧を維持する。ダンパー33が熱処理炉3の天井部の近傍の排気管28の内部に配置されているため、熱処理炉3の内部の圧力変化に迅速に対応することができる。
尚、熱処理炉3内の未燃焼ガスは二次燃焼室27に導かれ、熱処理炉3の温度よりも高い温度(800℃)で燃焼する。
(7)耐熱容器2が熱処理炉3内で1周すると、炉体扉7bを開放して容器搬送装置4のプルアウト部4bを耐熱容器2の位置まで前進させ、図7に示すように、プルアウト部4b先端に設けられた爪4cを、耐熱容器2に設けられたハンガー2fに係止させる。そして、プルアウト部4bを後退させて耐熱容器2を熱処理炉3から引き出してスライドベース21上に載置し、炉体扉7bを閉鎖する。
(8)次に、炉前室扉24を開放した後、ベース移動装置22を介して加熱処理済みの耐熱容器2が載置されたスライドベース21をスタンド25の位置まで前進させる。そして、この状態で炉前室扉24を半分閉鎖し、スライドベース21を元の位置に戻すと耐熱容器2は半分閉鎖状態の炉前室扉24に当接してスタンド25上に載せられる。そして、炉前室扉24は全閉される。
(9)その後、スタンド25の位置まで移動させられたスライドベース21上の加熱処理済みの耐熱容器2は、移送コンベア(不図示)に載せられて冷却室(不図示)に運ばれる。尚、(8)で耐熱容器2が半分閉鎖状態の炉前室扉24に当接することによって、移送コンベア上に載せられ自動的に搬送されるようにすることもできる。そして、その加熱処理済みの耐熱容器2の代わりにスライドベース21上には、(2)で示したものと同様に、クレーン(不図示)を使用し、使用済みの8個の電池パック50が格納された新たな耐熱容器2が設置され、(3)以下の処理が繰り返して行われる。
尚、熱処理炉3の炉床回転装置19は正転、逆転が自由にできるため、炉床17上にある8つの耐熱容器2は、投入した順序に限らず、外部に排出可能である。つまり熱処理炉3の壁面に複数のサイトホールを設置して炉内部の状態を確認しながら運転することにより、所定の処理時間が経過しても耐熱容器2の排気管2gより火炎が見えるような場合は、その次に投入した耐熱容器2を先に排出することにより滞りなく処理が行える。今後も新規に開発される様々な種類のリチウム電池は、熱処理時の挙動が異なることが予想されるが、出し入れが自由に行える熱処理炉3の機構により、挙動が不明なリチウム電池にも対応した、細かく処理時間を調整した運転方法も可能である。
冷却室に運ばれた加熱処理済みの耐熱容器2は、内部の電池パック50を破砕、分級して炭化混合物を取り除いた後、リチウム、コバルト、ニッケル、マンガン等の有用金属をさらに分離する処理が行われる。また、電池パック50の破砕物を磁選機にかけて、鉄筐体、ねじ等の磁着物と、銅とアルミニウムからなるミックメタルに分離し、ミックメタルを比重選別してアルミ塊及び銅塊と、銅箔及びアルミ箔の積層物とに分けた後、選別機でさらに銅箔とアルミ箔とに分けることができる。
以上のように構成された廃リチウムイオン電池の処理装置及び処理方法によれば、複数個のリチウムイオン電池セルが配列された電池モジュールが箱型筐体内に複数収納されてなる電池パック50を、排気管2gが設けられた耐熱容器2に格納した後、熱処理炉3に投入して耐熱容器2の外側から加熱することで耐熱容器2内部の電池パック50を乾留して炭化混合物を分離するので、電池パック50の樹脂製の筐体やリチウムイオン電池の負極材料に使用されるカーボン等が炭化混合物として有用金属が含まれる金属から分離される。また、そのときの加熱温度は、炉温の制御範囲の上限が650℃を超えないよう620℃程度で、アルミニウムの融点(660℃)よりも低い温度でアルミニウムは溶けないように設定されているので、アルミニウムが溶け出した場合と比較して、その後の処理として有用金属が含まれる金属から有用金属を分離する処理を容易に行うことができる。
このとき、電池内の電解液は揮発し、耐熱容器2の排気管2gから揮発ガスが熱処理炉3内に排出されることで、耐熱容器2の内部は自然に還元雰囲気となり、従来技術のように還元ガスやカーボン源を導入しなくてもよいと共に、電池パック50は還元雰囲気にした耐熱容器2によって保護されるので、熱処理炉3内で廃リチウムイオン電池が爆発する危険性を抑えることができる。また、プラスチック等の可燃性物質を燃焼させることはないので、温度暴走を防止することができ、しかも金属の酸化によるスラグ化も抑えるので、廃リチウムイオン電池を無害化することができる。
また、熱処理炉3から未燃焼ガスを二次燃焼室27に導いて、熱処理炉3の温度よりも高い温度(800℃)で燃焼させるようにしたので、臭気の発生を抑えることができる。
尚、本実施形態では、炉床17が回転する熱処理炉3を使用することで均一的な加熱処理を行ったが、耐熱容器2をその外側からアルミニウムの融点よりも低い温度で加熱することで内部の電池パック50を乾留して炭化混合物を分離することが可能な熱処理炉であれば、必ずしも炉床17が回転するものでなくてもよい。また、熱処理炉3内に複数の耐熱容器2を連続して投入・排出するようにしたがバッチ式のものでも適用可能である。
また、熱処理炉3内の炉温は、制御できる範囲を考慮してアルミニウムが溶融しない範囲で極力高温である650℃にして処理時間を短くするようにできるが、加熱処理の温度は、プラスチックの分解温度(300℃)以上であれば樹脂製材料は分解され金属から分離されるので特に限定されるものではない。但し、処理時間の関係から400℃以上、より好ましくは500℃以上が処理に適している。
さらに、電池パック50を格納した耐熱容器2を酸化雰囲気下の熱処理炉3に投入して加熱処理するようしたが、還元雰囲気下あるいは不活性雰囲気下としても適用可能である。
また、加熱処理用の熱源としてガスを使用した熱処理炉3を使用したが、熱源として電気や重油を使用した各種炉を使用することもできる。また、既存の製造設備、例えば、セメント焼成装置からの排ガスを熱源として用いることなどで熱エネルギーの有効利用を図ることができる。
さらに、熱処理炉3の排気管28を介して排出されたガスを二次燃焼室27に導入せずに、セメント調整装置のプレヒータの350℃以上の領域に導入することができる。これによって、二次燃焼室27が不要となると共に、燃焼ガス中のフッ化物をセメント調合原料に捕捉させたり、VOC(揮発性有機化合物)も燃焼させることができ、未燃焼ガスを無害化することもできる。電気炉での実験によれば、セメント調合原料によって燃焼ガス中のフッ化物濃度を約0.4%に、フッ化水素濃度を約0.45%に低減することができ、炭化カルシウムを乾式処理剤として用いた場合の20倍程度の低減効果がある。
また、電池セルを個々に取外すことなく電池パック50をそのままの状態で加熱処理したが、電池パック50から分解した電池モジュール(この場合も電池セルを個々に取外したものではない)単位のものを格納した耐熱容器2を熱処理炉3に投入して加熱処理してもよく、これにより電池モジュールを乾留して炭化混合物を分離すると共に、電池内の電解液を揮発させることができる。さらに、個々に取外した電池セルを加熱処理することもできる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
比較例として、上記斜め上方に突出する排気管2g(図4等参照)及び上記ダンパー33(図2参照)が設けられていない従来の処理装置において、熱処理炉3内の温度を500℃に設定し、耐熱容器2の一つ当たりに、放電したリチウムイオン二次電池を100kg投入すると共に、37分30秒毎に耐熱容器2を4つ処理装置1に投入する実験を行った。その結果、図8に示すように、投入後1時間程度で耐熱容器より激しく火炎が発生し、炉温は設定温度より50℃以上上昇した。
一方、実施例として、上記構成を有する処理装置1において、熱処理炉3内の温度を450℃に設定し、耐熱容器2の一つ当たりに未放電のリチウムイオン二次電池を100kg投入すると共に、37分30秒毎に耐熱容器2を連続的に投入する実験を行った。その結果、図9に示すように、投入後1時間程度で耐熱容器2より激しく火炎が発生したが、12時間経過後も設定温度に対して±25℃程度の範囲で炉温は安定して推移した。
上記実験により、実施例の方が炉内温度が安定するため、連続運転(24時間運転)が可能となり、未放電のリチウムイオン二次電池の処理であっても、一日当たりの処理量を3tまで増加できた。一方、比較例では、未放電のリチウムイオン二次電池であった場合、耐熱容器への投入量を低減する必要があり、安定的な処理量は実施例の20%(600kg)〜50%(1.5t)程度であった。
1 廃リチウムイオン電池の処理装置
2 耐熱容器
2A 容器本体
2B 蓋
2a 内筒
2b 外筒
2c 車輪
2d 周面
2e 取っ手
2f ハンガー
2g 排気管
2h 天井面
2j 溝部
2k 下端
2m 取っ手
2n 本体
3 熱処理炉
4 容器搬送装置
4a プッシャー部
4b プルアウト部
4c 爪
7 炉壁
7a 開口部
7b 炉体扉
8(8A〜8D) ガスバーナー
11(11A〜11D) ノズル
13 温度計
14 圧力計
17 炉床
18 モーター
19 炉床回転装置
21 スライドベース
22 ベース移動装置
22a モーター
22b シャフト
23 炉前室
24 炉前室扉
25 スタンド
27 二次燃焼室
28 排気管
28a 先端
29 ファン
30 ファン
31 煙突
32 温度計
33 ダンパー
34 ガスバーナー
50 電池パック

Claims (8)

  1. リチウムイオン電池を格納し、斜め上方に突出する排気管を有する耐熱容器と、
    円筒状の炉壁を有し、該炉壁の内面に沿って水平方向に燃料を噴出するバーナーと、上面視円形の天井部の中心部に排気管と、上面視円形の炉床の近傍に温度計を有する熱処理炉と、
    該熱処理炉に前記耐熱容器を投入及び排出可能な容器搬送装置とを備えることを特徴とする廃リチウムイオン電池の処理装置。
  2. 前記熱処理炉の天井部の近傍の排気管の内部に、該熱処理炉の内部の圧力を調整するためのダンパーを備えることを特徴とする請求項1に記載の廃リチウムイオン電池の処理装置。
  3. 前記熱処理炉の炉床を水平回転させる炉床回転装置を備え、
    前記容器搬送装置を介して、前記耐熱容器を連続的に投入して複数の耐熱容器を前記炉床上に環状に載置すると共に、一回りした前記耐熱容器を前記炉床上から連続的に排出することを特徴とする請求項1又は2に記載の廃リチウムイオン電池の処理装置。
  4. リチウムイオン電池を格納し、斜め上方に突出する排気管を有する耐熱容器と、
    円筒状の炉壁を有し、該炉壁の内面に沿って水平方向に燃料を噴出するバーナーと、上面視円形の天井部の中心部に排気管と、上面視円形の炉床の近傍に温度計を有する熱処理炉と、
    該熱処理炉に前記耐熱容器を投入及び排出可能な容器搬送装置とを備える処理装置を用い、
    前記熱処理炉に投入された前記耐熱容器をその外側からアルミニウムの融点よりも低い温度で前記バーナーで加熱して前記耐熱容器内部の前記リチウムイオン電池の負極材料を乾留して炭化混合物を分離すると共に、該電池内の電解液を揮発させて前記耐熱容器の排気管から前記熱処理炉内に排出させ、前記温度計を用いて該熱処理炉の内部の温度を調節することを特徴とする廃リチウムイオン電池の処理方法。
  5. 複数個のリチウムイオン電池セルが配列された電池モジュールが箱型筐体内に複数収納されてなる電池パック又は前記電池モジュールを格納し、斜め上方に突出する排気管を有する耐熱容器と、
    円筒状の炉壁を有し、該炉壁の内面に沿って水平方向に燃料を噴出するバーナーと、上面視円形の天井部の中心部に排気管と、上面視円形の炉床の近傍に温度計を有する熱処理炉と、
    該熱処理炉に前記耐熱容器を投入及び排出可能な容器搬送装置とを備える処理装置を用い、
    前記熱処理炉に投入された前記耐熱容器をその外側からアルミニウムの融点よりも低い温度で前記バーナーで加熱して前記耐熱容器内部の前記電池パック又は前記電池モジュールを乾留して炭化混合物を分離すると共に、該電池内の電解液を揮発させて前記耐熱容器の排気管から前記熱処理炉内に排出させ、前記温度計を用いて該熱処理炉の内部の温度を調節することを特徴とする廃リチウムイオン電池の処理方法。
  6. 前記熱処理炉の天井部の近傍の排気管の内部に配置されたダンパーを用い、該熱処理炉の内部の圧力を調整することを特徴とする請求項4又は5に記載の廃リチウムイオン電池の処理方法。
  7. 前記熱処理炉の内部の温度を400℃以上650℃以下に調節することを特徴とする請求項4、5又は6に記載の廃リチウムイオン電池の処理方法。
  8. 前記熱処理炉の排気管を介して排出されたガスをセメント調整装置のプレヒータの350℃以上の領域に導入することを特徴とする請求項4乃至7のいずれかに記載の廃リチウムイオン電池の処理方法。
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