JP6116999B2 - 廃棄リチウム電池の焙焼装置及び焙焼方法 - Google Patents

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Description

本発明は、廃棄リチウム電池の焙焼装置及び焙焼方法に関するものである。
なお、この明細書及び特許請求の範囲において、廃棄リチウム電池とは、リチウムイオン二次電池の製造工程で発生する不良品や、使用済みで廃棄される携帯電話、PC、家電用の小型リチウムイオン二次電池、車載用や産業用の大型のリチウムイオン二次電池、及びその他のリチウムを構成要素として含む電池を包含する概念である。
リチウムイオン二次電池は、アルミ箔にリチウム、コバルト、ニッケルなどを塗布した正極材、銅箔に黒鉛などを塗布した負極材、電解液、セパレーターなどから構成されている。このようにリチウムイオン二次電池には、リチウム、コバルト、ニッケル、銅などの有価物が含まれているため、使用後廃棄されたリチウムイオン二次電池からこれら有用物質を回収することは、資源の乏しいわが国にとって非常に重要である。
廃棄リチウム電池からの有価物の回収方法として、焙焼、破砕又は粉砕、篩い分け、選別などによる分離回収方式が知られている。回収過程の中で焙焼処理工程は、電解液に含まれるプロピレンカーボネート、エチレンカーボネートなどの有機溶媒、六フッ化リン酸リチウムの支持塩、ポリエチレンやポリプロピレンなどのセパレーターを熱分解し、除去することを目的としている。そして、この工程の後に、篩い分け、選別等の分離回収工程が続き、有用物質が回収される。
特許文献1〜3には、使用済みリチウムイオン二次電池を焙焼し、次に破砕した後、破砕物を篩分けして篩下を回収することからなる、使用済みリチウムイオン二次電池からの有価物の回収方法を提案している。
ここで、特許文献1は、実施例として、使用済みリチウムイオン二次電池(直径18mm、長さ65mm)3個を大気雰囲気のマッフル炉中に載置し、800℃、26分焙焼する例を示している。
特許文献2は、実施例として、使用済みリチウムイオン二次電池(直径18mm、長さ65mm)3個を大気雰囲気のマッフル炉中にて、700℃、29分焙焼する例を示している。
また、特許文献3には、「前記焙焼に用いる雰囲気としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、大気雰囲気、酸化雰囲気、不活性雰囲気、還元性雰囲気などが挙げられる。ここで、酸化雰囲気とは、窒素又はアルゴン等の不活性雰囲気中に酸素を1質量%〜21質量%含む雰囲気を意味し、還元性雰囲気とは、例えば、窒素又はアルゴン等の不活性雰囲気中にCO、H2、H2S、SO2などを含む雰囲気を意味する。これらの中でも、大気雰囲気(空気雰囲気)が、炉内雰囲気のコントロールが容易である点から好ましい。」と記載されている。
上記のように特許文献1と特許文献2の焙焼は、大気雰囲気で行われている。特許文献3は、大気雰囲気以外に、酸化雰囲気、不活性雰囲気、還元性雰囲気などでも良いとはしているが、炉内雰囲気のコントロールが容易な大気雰囲気(空気雰囲気)が好ましいとされている。
しかし、これらに記載されたように大気雰囲気で廃棄リチウム電池の焙焼処理を行うと、電解液やセパレーターの有機物が分解されて着火し、燃焼を起こし、炉内の温度が急激に上昇する。その結果、炉の損傷が起こることがある。また、大気中で焙焼すると、電解液中の六フッ化リン酸リチウムが分解し、腐食性が極めて強いフッ素ガスとフッ化水素ガスが発生する。すなわち、急激な温度上昇とフッ化水素ガスにより、焙焼炉が腐食・損傷するという問題が生じる。
特許文献4に、廃ニッケルカドミウム蓄電池からニッケルとカドミウムを回収する際に、窒素ガス、アルゴンガス、CO、CO2などのガスを通風させて、非酸化雰囲気、還元性雰囲気にすることにより、急激な燃焼による温度上昇を防ぐことができると記載されている。
特許文献5には、リチウムイオン二次電池やリチウム化合物からリチウムとコバルトを分離して回収することを目的とした装置において、装置内での温度を220℃以上から3600℃以下として、装置内の雰囲気ガス(H2+CO)を12.8%以上かつ残存酸素を2.4%以下にしてリチウムとコバルト、その他メタルを分離して回収する方法、具体的には、木材、木炭、石炭、コークス、活性炭などのカーボン源を使用して、炉内雰囲気を還元雰囲気とすることが記載されている。
しかし、カーボン源も可燃性であり、還元性雰囲気にしてリチウムイオン二次電池の着火、燃焼を抑えるためには、大量のカーボン源が必要となる。
特許文献6に、廃棄物等を、セメント焼成装置で発生した熱を用いて焙焼し、自動車用のリチウムイオンバッテリの規格外品や、使用済みの携帯端末用電池等の不用な電池等に含まれる金属等の有価物を回収し、焙焼によって発生したガスをセメント焼成装置に戻すことを特徴とする有価物回収方法が開示されている。
しかしながら、上記特許文献4、特許文献5に記載されているような還元性雰囲気で焙焼して有機化合物の急激な燃焼を制御しても、あるいは特許文献6に記載の焙焼炉を用いても、フッ化水素ガスの問題は解決されない。小型のリチウムイオン二次電池の少量の処理であれば、処理炉を大きくしたり、通風速度を変えたりすることにより、急激な燃焼による温度の上昇を抑制するとともに、フッ素ガスとフッ化水素ガス濃度を低減することは可能である。しかし、大型のリチウムイオン二次電池の大量処理の場合等には、焙焼雰囲気の調整とフッ化ガスの低減は困難である。例えば、リチウムイオン二次電池の大型ユニットの場合は、有機化合物が大量にあるため、著しい燃焼により急激な温度上昇が起こり、また大量のフッ素ガスとフッ化水素ガスの発生が避けられず、焙焼炉の腐食・損傷は著しい。
特開平6−346160号公報 特開平7−24516号公報 特開2012−79630号公報 特開昭55−152138号公報 特開2012−112027号公報 特開2013−14802号公報
本発明は、上述した背景技術が有する課題に鑑み成されたものであって、廃棄リチウム電池を、有価物の回収を目的として焙焼処理する際、発火等による焙焼炉の腐食・損傷を防ぐ方策を提案することを課題とする。
上記した課題は、次の焙焼装置及び焙焼方法により解決された。
〔1〕廃棄リチウム電池を処理するための焙焼装置において、廃棄リチウム電池を載置するための炉床を備える焙焼炉と、焙焼により燃焼しない無機化合物から成り且つ炭酸塩を含む粉体で上記炉床に載置された廃棄リチウム電池を被覆する粉体供給手段と、粉体で被覆された廃棄リチウム電池を焙焼できる温度にまで焙焼炉内を加熱する手段とを備えることを特徴とする、廃棄リチウム電池の焙焼装置。
ここで、上記焙焼炉内を加熱する手段は、熱ガス供給手段、例えばセメント焼成装置であることが好ましい。また、上記粉体は、炭酸塩を含む粉体、例えば、石灰石を粉砕した炭酸カルシウム、または、石灰石と珪石と粘土等を混合粉砕したセメント原料であることが好ましい。
〔2〕廃棄リチウム電池を処理するための焙焼方法において、廃棄リチウム電池を載置するための炉床を備える焙焼炉を使い、焙焼により燃焼しない無機化合物から成り且つ炭酸塩を含む粉体で上記炉床に載置された廃棄リチウム電池を被覆することと、粉体で被覆された廃棄リチウム電池を焙焼できる温度にまで焙焼炉内を加熱することを特徴とする、廃棄リチウム電池の焙焼方法。
ここで、上記焙焼炉内を加熱することが、熱ガス、例えばセメント焼成装置の排ガスから分取された熱ガスを焙焼炉に供給することにより成されることが好ましい。また、上記粉体は、炭酸塩を含む粉体、例えば、石灰石を粉砕した炭酸カルシウム、または、石灰石と珪石と粘土等混合粉砕したセメント原料であることが好ましい。
上記した本発明に係る焙焼装置及び焙焼方法によれば、廃棄リチウム電池を焙焼により燃焼しない無機化合物から成る粉体で覆い焙焼処理することにより、電解液やセパレーターなどの有機化合物の分解による着火と燃焼を防ぎ、フッ素ガスとフッ化水素ガスの発生を低減できるため、焙焼炉の腐食・損傷を防ぐことができる。
本発明に係る廃棄リチウム電池の焙焼装置及び焙焼方法を実現する焙焼炉の実施形態を示した概念図である。 本発明に係る廃棄リチウム電池の焙焼装置及び焙焼方法をセメント焼成装置の付帯装置として実現した実施形態を示した全体構成図である。
以下、本発明に係る廃棄リチウム電池の焙焼装置及び焙焼方法を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係る廃棄リチウム電池の焙焼装置及び焙焼方法を実現する焙焼炉の実施形態の一例を示した概念図であり、該実施形態では、廃棄リチウム電池(LIB)が、ローラ13上を炉床としてのトレイ14に載置されて焙焼炉11内を搬入される。廃棄リチウム電池は、リチウムイオン二次電池の製造工程で発生する不良品や、使用済みで廃棄される携帯電話、PC、家電用の小型リチウムイオン二次電池、車載用や産業用の大型のリチウムイオン二次電池、及びその他のリチウムを構成要素として含む電池のいずれでもよい。
トレイ14上の廃棄リチウム電池(LIB)は、直接空気と触れないように、粉体供給手段を用いて粉体Pで覆われる。粉体Pは、廃棄リチウム電池の炉内への搬入と同期して、粉体供給手段の一つの構成要素である粉体ストッカー1から供給される。
廃棄リチウム電池を粉体Pで覆う方法としては、坩堝、焙焼炉、ロータリーキルンなどの炉芯管などに廃棄リチウム電池を置いてから粉体で覆う方法、粉体の上に廃棄リチウム電池を置いてから粉体で覆う方法などが挙げられ、焙焼炉11の種類などにより方法を適宜選択することができる。粉体Pで廃棄リチウム電池を覆うときは、廃棄リチウム電池が炉内ガスに直接触れない程度に覆えばよい。このように、粉体で廃棄リチウム電池と大気を遮断すると、電解液やセパレーターなどの有機化合物の分解による着火と燃焼がなくなり、またフッ素ガスとフッ化水素ガス発生を低減できる。
粉体Pは、廃棄リチウム電池と大気を遮断するためのものであるので、焙焼により燃焼しない無機化合物から選ばれる。無機化合物の中でも、分解により炭酸ガスを発生する炭酸塩を含む粉体が好ましい。例としては、焙焼処理の雰囲気を非酸化雰囲気とできる炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどのアルカリ土類金属塩、炭酸カルシウムを含むセメント原料が挙げられる。大型で大量の廃棄リチウム電池を処理するには、大量の粉体が必要となるため、この場合は、セメント原料が適している。
また、粉体Pは、カルシウム等のアルカリ土類金属を含むことが好ましい。これは、廃棄リチウム電池の焙焼処理において、電解液中の六フッ化リン酸リチウムが分解して、フッ素を含む排ガスが発生する。この排ガスは、極めて腐食性が強いため、炉の腐食や排ガス処理が問題になるが、廃棄リチウム電池の周囲にあるカルシウムなどアルカリ土類金属がフッ化水素ガスと反応し、フッ化カルシウム等となり、固定できる。その結果、排ガスにはフッ化水素ガスが含まれなくなり、炉の腐食や排ガス処理の問題が解決できるために好ましい。
廃棄リチウム電池(LIB)を粉体Pで覆った後、熱ガス供給手段を有する焙焼炉11で焙焼処理を行う。熱ガス供給手段を有する焙焼炉としては、ロータリーキルン、トンネル炉、バッチ式の炉などが挙げられる。
焙焼温度は、粉体Pが好ましい炭酸塩を含むものである場合には、炭酸塩が分解して、炭酸ガスが発生する温度以上であればよい。炭酸カルシウムは850℃以上、ドロマイトは700℃以上、セメント原料であれば炭酸カルシウムが分解する850℃以上であればよい。炭酸カルシウム、セメント原料を粉体Pとして用いる場合は、温度を高くできるため、より短時間で廃棄リチウム電池(LIB)の焙焼処理が可能となる。
図2は、本発明に係る廃棄リチウム電池の焙焼装置及び焙焼方法をセメント焼成装置の付帯装置として実現した実施形態の一例の全体を示す。この装置は、セメント焼成装置2に付設された焙焼炉11を備える。尚、セメント焼成装置2を構成するセメントキルン3、クリンカクーラ4、プレヒータ5及び仮焼炉6については、セメント製造装置で一般的に用いられているものであり、これらについての説明は省略する。
焙焼炉11は、セメントキルン3と仮焼炉6との間に位置する窯尻の立上部7に接続され、焙焼炉11の内部は立上部7の内部に連通し、セメント焼成装置2で発生した熱ガス(第1の熱ガス)G1が第1の熱ガス配管10を介して送られる。
熱ガス供給手段の熱源として、石炭、ガス、電気などを使用することもできる。しかし、本実施形態のようにセメント焼成工程で発生する高温の熱を持つ排ガスを熱ガス供給手段として有効利用することが、コストを低くすることができる点などで好ましい。更に、この排ガスは炭酸ガス濃度が高いため、焙焼炉内の酸素濃度を低くすることができるので、熱源として望ましい。この場合、焙焼炉及び廃棄リチウム電池周辺は、炭酸ガス濃度が高いため、有機化合物の急激な燃焼がなく、温度上昇が抑えられる。
さらに、炭酸カルシウムやセメント原料で廃棄リチウム電池を覆うという実施形態の場合には、焙焼処理により発生するフッ素ガスとフッ化水素ガスは、カルシウムと反応してフッ化カルシウムとして固定される。このため、フッ素ガスとフッ化水素ガスの発生はなく、焙焼炉の腐食をより押さえることができる。
セメント焼成装置に付帯され、セメント焼成装置を熱源とする焙焼炉11を用い、粉体が炭酸カルシウムを含む実施形態における装置の動作について、図1、2を参照しながら説明する。
セメントキルン3の運転時に、プレヒータ5に供給されたセメント原料は、プレヒータ5で予熱され、仮焼炉6で仮焼された後、セメントキルン3にて焼成されてセメントクリンカが生成される。このセメントキルン3の運転時には、立上部7の内部は、900℃〜1100℃程度になるため、この温度領域に連通する焙焼炉11の内部で、セメントキルンの燃焼排ガスを利用して廃棄リチウム電池(LIB)を少なくとも750℃〜1000℃程度の温度で焙焼させることができる。
焙焼炉11の温度は、熱ガスを抽気する場所、熱ガスの混合などにより、調整する。後に試験で示すように、粉体の組成物にも依存するが、処理温度は750℃以上あるいは800℃以上であればよい。処理温度が高いほど処理時間を短くすることができる。処理時間は、焙焼炉の温度により調整できる。
尚、上記実施形態においては、セメントキルン3と仮焼炉6との間に位置する立上部7から熱ガスを分取したが、750℃〜1200℃の燃焼ガスを分取することができるのであれば、セメント焼成装置2の他の場所から分取してもよく、例えば、クリンカクーラ4の排ガスを分取することもできる。
焙焼炉11の内部で廃棄リチウム電池(LIB)の燃焼により発生したガス(第2の熱ガス)G2は、第2の熱ガス配管17を介してセメント焼成装置2のプレヒータ5に戻され、プレヒータ5の燃焼排ガスと共に下流側で処理される。
すなわち、廃棄リチウム電池(LIB)の燃焼により発生したCOや炭化水素ガスを仮焼炉6で燃焼させたり、廃棄リチウム電池由来の塩素や硫黄分によって生じた酸性ガスをセメント原料に含まれる多量のCaOによって処理したり、DXNsを高温で分解し、その後急冷してDXNsの再合成を抑制する。焙焼炉11の排ガス処理装置は、設けても良いが、設ける必要はなく、セメントキルン及びプレヒータの既存の排ガス処理装置で共通に処理することができる。
焙焼処理した廃棄リチウム電池は、篩18などにより焙焼処理後の廃棄リチウム電池(LIBa)と、使用済の粉体Paを分離回収する。焙焼処理した廃棄リチウム電池(LIBa)は、非酸化雰囲気で処理されているため、金属箔が酸化されていない。そのため、破砕、粉砕等の後工程を経て回収された有用金属は、より有用なものとなる。
炭酸カルシウムやセメント原料を粉体Pとして使用した場合、回収した使用済の粉体Paは酸化カルシウムになっているため、セメント原料としてそのまま利用することができ、コストがかからず、かつ容易に処理できる。
上記したように、本発明に係る廃棄リチウム電池の焙焼装置及び焙焼方法を、セメント焼成装置の付帯装置として実現した場合、セメント焼成工程の排ガスを使用して廃棄リチウム電池の焙焼が行え、焙焼の際に発生する排ガスをセメント焼成工程に戻すことができ、排ガス中の有機物やフッ化水素ガスの処理が容易であり、使用後の粉体をセメント原料として活用できる等の多くの利点がある。
以上、本発明に係る廃棄リチウム電池の焙焼装置及び焙焼方法を詳しく説明してきたが、本発明の適用対象は図面に例示されたものに限られず、同じ技術思想で他の形態の装置及び方法として実施することも可能であることは言うまでもない。
試験例
以下、本発明の効果を裏付ける試験例を記載するが、本発明は、かかる試験例によって何ら限定されるものではない。
試験に供したリチウム電池は、放電済みの充電式乾電池、パソコン用の電池に穴を開けたリチウムイオン二次電池である。
粉体には、石灰石を粉砕した0.5mm未満の炭酸カルシウム、石灰石と珪石と粘土と廃棄物を混合粉砕したセメント原料を使用した。
炉内温度は、熱電対をリチウムイオン二次電池の入っている坩堝の上部の温度を測定するように設置して測定した。排ガス中のフッ素、フッ化水素の濃度は、ガス検知管によりそれぞれを測定した。
(試験例1)
坩堝にリチウムイオン二次電池入れた後、炭酸カルシウムを入れてリチウムイオン二次電池を覆い、電気炉に設置した。昇温速度10℃/minで室温から900℃まで昇温させて、30分保持させた。昇温開始から焙焼処理中の炉内温度を測定した。30分後、坩堝を取り出し、冷却し、リチウムイオン二次電池を取り出した。
焙焼処理中、設定の昇温速度及び温度(900℃)となり、有機化合物の燃焼による急激な温度上昇はなかったため、電気炉の炉材の損傷はないと考えられる。
(試験例2)
坩堝にリチウムイオン二次電池のみを入れ、他は上記試験例1と同様に試験を行った。
昇温開始後、炉内温度が130℃になったとき、燃焼が起こり、炉内温度が約1000℃まで上昇した。このときに、フッ素、フッ化水素が発生しているため、電気炉の炉材が損傷し、腐食するといえる。
(試験例3,4)
坩堝にリチウムイオン二次電池を入れた後、セメント原料入れてリチウムイオン二次電池を覆い、900℃の外熱式の管状電気炉に設置した。試験例3は空気、試験例4は炭酸ガス25%と酸素ガス1%及び窒素ガス74%の混合ガスを1.0L/minで通風させながら焙焼処理を行った。炉内温度、排ガス中のフッ素、フッ化水素の濃度の測定を行った。
試験例3と4ともに、有機化合物の燃焼はなく、炉内温度は900℃で保持された。排ガス中のフッ素、フッ化水素ともにセメント原料に固定され、検出されなかった。これより、試験例3と4ともに、炉材の損傷はなく、腐食もないといえる。
(試験例5,6)
坩堝にリチウムイオン二次電池を入れて、900℃の外熱式の管状電気炉に設置した。試験例5は空気、試験例6は炭酸ガス25%と酸素ガス1%及び窒素ガス74%の混合ガスを1.0L/minで通風させながら焙焼処理を行った。炉内温度、排ガス中のフッ素、フッ化水素の濃度の測定を行った。
試験例5は、電気炉に入れ、上記試験例2と同様に炉内温度が130℃になったとき、燃焼が起こり、炉内温度が1000℃まで上昇した。このとき、高温の炎と排ガスにより、排ガス測定部が溶融したため、排ガスのフッ素とフッ化水素の測定はできなかった。試験例6では、有機化合物の燃焼はなく、炉内温度は900℃で保持された。排ガス中のフッ素は41mg/m3、フッ化水素は19mg/m3であった。試験例5は、急激な温度上昇とフッ素とフッ化水素の発生、試験例6は、急激な温度上昇はなかったが、フッ素とフッ化水素の発生により、炉材は損傷し、腐食するといえる。
(試験例7)
セメントキルンの仮焼炉に接続し、排熱による加熱及び炭酸ガス濃度の高い雰囲気となるリチウムイオン二次電池用の焙焼炉を設置した。この焙焼炉の内部温度は、750〜900℃である。この焙焼炉にリチウムイオン二次電池を入れて、セメント原料で覆った後、焙焼処理を開始した。炉内温度と焙焼炉の内部温度の測定、点検口から内部状況を観察してリチウムイオン二次電池の着火と燃焼の有無の確認を行った。
炉内温度は、焙焼炉の内部温度とほぼ同じであり、750〜900℃であった。焙焼中にリチウムイオン二次電池の着火と燃焼は確認されなかった。
1 粉体ストッカー
2 セメント焼成装置
3 セメントキルン
4 クリンカクーラ
5 プレヒータ
6 仮焼炉
7 立上部
10 第1の熱ガス配管
11 焙焼炉
13 ローラ
14 トレイ
17 第2の熱ガス配管
18 篩
G1 熱ガス(第1の熱ガス)
G2 熱ガス(第2の熱ガス)
P 粉体
Pa 粉体(使用済み)
LIB 廃棄リチウム電池
LIBa 廃棄リチウム電池(焙焼処理後)

Claims (10)

  1. 廃棄リチウム電池を処理するための焙焼装置において、廃棄リチウム電池を載置するための炉床を備える焙焼炉と、焙焼により燃焼しない無機化合物から成り且つ炭酸塩を含む粉体で上記炉床に載置された廃棄リチウム電池を被覆する粉体供給手段と、粉体で被覆された廃棄リチウム電池を焙焼できる温度にまで焙焼炉内を加熱する手段とを備えることを特徴とする、廃棄リチウム電池の焙焼装置。
  2. 上記焙焼炉内を加熱する手段が、熱ガス供給手段であることを特徴とする、請求項1に記載の廃棄リチウム電池の焙焼装置。
  3. 上記粉体が、石灰石を粉砕した炭酸カルシウム、または、石灰石と珪石と粘土等を混合粉砕したセメント原料であることを特徴とする、請求項1に記載の廃棄リチウム電池の焙焼装置。
  4. 上記熱ガス供給手段が、セメント焼成装置であることを特徴とする、請求項に記載の廃棄リチウム電池の焙焼装置。
  5. 上記焙焼炉の排ガスを、上記セメント焼成装置に戻す配管を備えることを特徴とする、請求項に記載の廃棄リチウム電池の焙焼装置。
  6. 廃棄リチウム電池を処理するための焙焼方法において、廃棄リチウム電池を載置するための炉床を備える焙焼炉を使い、焙焼により燃焼しない無機化合物から成り且つ炭酸塩を含む粉体で上記炉床に載置された廃棄リチウム電池を被覆することと、粉体で被覆された廃棄リチウム電池を焙焼できる温度にまで焙焼炉内を加熱することを特徴とする、廃棄リチウム電池の焙焼方法
  7. 上記焙焼炉内を加熱することが、熱ガスを焙焼炉に供給することにより成されることを特徴とする、請求項6に記載の廃棄リチウム電池の焙焼方法。
  8. 上記粉体が、石灰石を粉砕した炭酸カルシウム、または、石灰石と珪石と粘土等を混合粉砕したセメント原料であることを特徴とする、請求項に記載の廃棄リチウム電池の焙焼方法。
  9. 上記熱ガスが、セメント焼成装置の排ガスから分取されたものであることを特徴とする、請求項に記載の廃棄リチウム電池の焙焼方法。
  10. 上記焙焼炉の排ガスを、上記セメント焼成装置に戻すことを特徴とする、請求項に記載の廃棄リチウム電池の焙焼方法。
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