JP6557553B2 - 水圧回転機 - Google Patents

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Description

本発明は、水圧回転機に関するものである。
水圧回転機としては、例えば特許文献1のようなピストンポンプが知られている。特許文献1には、ピストンに摺接するシューを有する水圧アキシャルピストンポンプが開示されている。
特開平8−247021号公報
特許文献1に開示されるように、潤滑性が乏しい水を作動流体として用いるピストンポンプでは、ピストンとシューとの摺動面の潤滑性が悪化すると、摺動面の摩擦抵抗が大きくなり、ポンプの効率が低下するおそれがある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、ピストンとシューとの摺動面の潤滑性を向上させ、水圧回転機の効率を向上させることを目的とする。
第1の発明は、水圧回転機であって、ピストン及びシューの何れか一方の凹球面部に設けられ、他方の凸球面部と摺動する被覆層と、ピストンに設けられる第1連通孔と、シューに設けられる第2連通孔と、シリンダブロックを収容する収容室と、を備え、被覆層は、第1連通孔と第2連通孔とを連通する連通領域と、一端が収容室に開口し他端が連通領域に向かって延びる潤滑溝と、連通領域と潤滑溝との間に設けられ前記連通領域と前記潤滑溝との連通を遮断する隔離領域と、が形成され、潤滑溝の他端は、連通領域を中心とする被覆層の半凹球面において隔離領域に至ることを特徴とする。
第1の発明では、凹球面部に設けられる被覆層に、収容室に開口する潤滑溝が形成される。このため、潤滑溝を通じて収容室から水が流入し、被覆層と凸球面部との間には水の潤滑膜が形成される。また、被覆層には、第1連通孔と第2連通孔とが連通する連通領域と、潤滑溝と、を隔てる隔離領域が設けられる。このため、第1連通孔と第2連通孔との接続部から潤滑溝へ加圧水が漏れることが抑制される。また、第1の発明では、水圧回転機が作動する際に、押圧力が作用する被覆層の半凹球面に及んで潤滑溝が形成される。このため、押圧力が作用する部分の摺動面に、潤滑溝を通じて水を供給することが可能となり、この部分の摺動性を向上させることができる。この結果、水圧回転機の容積効率を向上させることができる。
第2の発明は、水圧回転機であって、ピストン及びシューの何れか一方の凹球面部に設けられ、他方の凸球面部と摺動する被覆層と、ピストンに設けられる第1連通孔と、シューに設けられる第2連通孔と、シリンダブロックを収容する収容室と、を備え、被覆層が、第1連通孔と第2連通孔とが連通可能な連通領域と、一端が収容室に開口し他端が連通領域に向かって延びる潤滑溝と、連通領域と潤滑溝とを隔てる隔離領域と、を有し、潤滑溝が、一端から他端に向かって深さが浅くなることを特徴とする。
第3の発明は、水圧回転機であって、ピストン及びシューの何れか一方の凹球面部に設けられ、他方の凸球面部と摺動する被覆層と、ピストンに設けられる第1連通孔と、シューに設けられる第2連通孔と、シリンダブロックを収容する収容室と、を備え、被覆層が、第1連通孔と第2連通孔とが連通可能な連通領域と、一端が収容室に開口し他端が連通領域に向かって延びる潤滑溝と、連通領域と潤滑溝とを隔てる隔離領域と、を有し、潤滑溝が、一端から他端に向かって幅が狭くなることを特徴とする。
第2及び第3の発明では、潤滑溝の断面積が、一端から他端に向かうに従って徐々に小さくなる。このため、毛管現象によって潤滑溝内に水が保持され、摺動面と凸球面部との間に水の潤滑膜が形成されやすくなる。この結果、ピストンとシューとの摺動性が向上し、水圧回転機の容積効率を向上させることができる。
の発明は、潤滑溝が複数設けられ、被覆層が、隣り合う潤滑溝を接続する接続溝をさらに有することを特徴とする。
の発明では、潤滑溝の一端から流入する水は、接続溝を通じて、隣り合う潤滑溝に分配される。このため、各潤滑溝には水が均等に流入し、摺動面と凸球面部との間には、水の潤滑膜が一カ所に偏ることなく形成される。この結果、ピストンとシューとの摺動性が向上し、水圧回転機の容積効率を向上させることができる。
本発明では、ピストンとシューとの摺動面の潤滑性を向上させ、水圧回転機の効率を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る水圧回転機の断面図である。 本発明の実施形態に係る水圧回転機のピストンとシューとの結合部の拡大図である。 本発明の実施形態に係る水圧回転機のシューの拡大図である。 図3の矢印A方向から見た図である。 本発明の実施形態の変形例に係る水圧回転機のピストンとシューとの結合部の拡大図である。 本発明の実施形態の変形例に係る水圧回転機のシューの拡大図である。 図6の矢印B方向から見た図である。
以下、図1〜図4を参照して、本発明の実施形態に係る水圧回転機100について説明する。
水圧回転機100は、水を作動流体とする液圧回転機である。水圧回転機100は、外部からの動力によりシャフト1が回転してピストン6が往復動することで、加圧された水を供給可能なピストンポンプとして機能し、また外部から供給される水の流体圧によりピストン6が往復動してシャフト1が回転することで、回転駆動力を出力可能なピストンモータとして機能する。なお、水圧回転機100は、ピストンポンプとしてのみ機能するものでもよいし、ピストンモータとしてのみ機能するものであってもよい。
以下の説明では、水圧回転機100をピストンポンプとして使用した場合について例示し、水圧回転機100を単に「ピストンポンプ100」と称する。
ピストンポンプ100は、図1に示すように、動力源によって回転するシャフト1と、シャフト1に連結されシャフト1と共に回転するシリンダブロック2と、シリンダブロック2を収容するケース3と、を備える。ケース3は、両端が開口するケース本体3aと、ケース本体3aの一方の開口端を封止しシャフト1が挿通するフロントカバー4と、ケース本体3aの他方の開口端を封止しシャフト1の端部を収容するエンドカバー5と、を備える。
フロントカバー4の挿通孔4aを通じて外部に突出するシャフト1の一方の端部1aには、動力源が連結される。シャフト1の端部1aは、第一ブッシュ16を介してフロントカバー4の挿通孔4aに回転自在に支持される。シャフト1の他方の端部1bは、エンドカバー5に設けられる収容凹部5aに収容され、第二ブッシュ17を介して回転自在に支持される。
シリンダブロック2は、シャフト1が貫通する貫通孔2aを有し、貫通孔2aを介してシャフト1とスプライン結合される。これにより、シリンダブロック2はシャフト1の回転に伴って回転する。シリンダブロック2は、すべり軸受15を介してケース3に回転自在に支持され、ケース3内に形成される収容室19に収容される。収容室19内は、水によって満たされている。
シリンダブロック2には、一方の端面に開口部を有する複数のシリンダ2bがシャフト1と平行に形成される。複数のシリンダ2bは、シリンダブロック2の周方向に所定の間隔を持って形成される。シリンダ2bには、円柱状のピストン6が往復動自在に挿入される。
ピストン6には、軸方向に延びる中空部6bと、中空部6bに一端が開口し軸方向に延びる第1連通孔6cと、が形成される。ピストン6の中空部6bとシリンダ2bの内壁とにより容積室7が区画される。ピストン6の一端側はシリンダ2bの開口部から突出し、その端部には凸球面部6aが形成される。容積室7と凸球面部6aとは、第1連通孔6cによって連通される。
容積室7には、エンドカバー5に形成される供給通路10を通じて水が導かれる。容積室7の水は、エンドカバー5に形成される排出通路11を通じて排出される。
ピストンポンプ100は、ピストン6の端部に設けられる凸球面部6aに回転自在に連結され凸球面部6aに摺接するシュー8と、シリンダブロック2の回転に伴ってシュー8が摺接する斜板9と、シリンダブロック2とエンドカバー5との間に介在されるバルブプレート18と、をさらに備える。
シュー8は、各ピストン6の端部に形成される凸球面部6aを受容する凹球面部8aと、斜板9に摺接する円形の平板部8bと、シュー8の軸中心に貫通して形成される第2連通孔8cと、を有する。
凹球面部8aの内面にはポリエーテルエーテルケトン等の樹脂材が被覆される被覆層20が形成される。凹球面部8aは、被覆層20の摺動面20aを介してピストン6の凸球面部6aの外面と摺接する。シュー8は凸球面部6aに対してあらゆる角度に変位可能である。ピストン6とシュー8との結合部の構成については、後で詳細に説明する。
斜板9と摺接するシュー8の平板部8bには、ポリエーテルエーテルケトン等の樹脂材が被覆される被覆層21が設けられる。
被覆層20,21の樹脂材としては、ポリエーテルエーテルケトンに限定されず、ポリアセタール、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリテトラフルオロチレン、フェノール樹脂等、潤滑性が乏しい水を作動流体として用いた場合であっても耐摩耗性を有する樹脂であればどのような樹脂であってもよい。このように、作動流体が水であっても潤滑性が確保できる樹脂材が被覆された被覆層20,21が摺動部に設けられるため、水を作動流体として用いた場合であっても焼き付き等が生じることを抑制することができる。
斜板9は、フロントカバー4の内壁に固定され、シャフト1の軸に垂直な方向から傾斜した摺接面9aを有する。摺接面9aには、シュー8の平板部8bが被覆層21を介して面接触する。
バルブプレート18は、シリンダブロック2の基端面が摺接する円板部材であり、エンドカバー5に固定される。バルブプレート18には、供給通路10と容積室7とを接続する供給ポート18aと、排出通路11と容積室7とを接続する排出ポート18bと、が形成される。
次に、図2から図4を参照して、ピストン6とシュー8との結合部の構成について説明する。図2は、ピストン6とシュー8との結合部を拡大して示した断面図である。図3は、ピストン6に結合される前のシュー8の断面図である。図4は、図3の矢印A方向から見た図である。
図2に示されるように、ピストン6とシュー8とが結合されることで、第1連通孔6cと第2連通孔8cとが接続される。被覆層21には、第1連通孔6c及び第2連通孔8cを通じて容積室7で加圧された水が供給される。このため、被覆層21は、常に水を含んだ状態となり、水が潤滑剤として作用し、シュー8と斜板9との摺動面における摩擦抵抗が低減される。
また、図2から図4に示されるように、凸球面部6aに摺接する被覆層20の摺動面20aには、潤滑溝20bが設けられる。
潤滑溝20bは、一端20cが収容室19に開口し、他端20dが第1連通孔6cと第2連通孔8cとの接続部に向かって延びて形成される。潤滑溝20bは、収容室19に開口しているため、被覆層20の摺動面20aと凸球面部6aとの間には、潤滑溝20bを通じて収容室19から水が流入し、水の潤滑膜が形成される。このように、摺動面20aと凸球面部6aとの間に水の潤滑膜が形成されることによって、ピストン6とシュー8との摺動面における摩擦抵抗が低減される。
ピストン6とシュー8との摺動性を向上させるには、摺動面20aの全域に潤滑溝20bを設けることが望ましい。しかしながら、潤滑溝20bを第2連通孔8cに連通させると、容積室7で加圧された水が、第1連通孔6c、第2連通孔8c及び潤滑溝20bを通じて、収容室19に流出してしまう。また、第2連通孔8cに開口しないように潤滑溝20bが形成されていても、斜板9の傾転に伴いシュー8がピストン6に対して傾いたときに、第1連通孔6cと連通する位置に潤滑溝20bが設けられていると、容積室7で加圧された水が、第1連通孔6c及び潤滑溝20bを通じて、収容室19に流出してしまう。
このように、容積室7で加圧された水が、潤滑溝20bを通じて収容室19に流出してしまうと、ピストンポンプ100の容積効率が低下してしまう。このため、潤滑溝20bは、斜板9の傾転に伴いシュー8がピストン6に対して傾いたときであっても、第1連通孔6c及び第2連通孔8cに連通しない位置に形成される。
具体的には、図2から図4に示されるように、被覆層20は、第1連通孔6cと第2連通孔8cとが連通可能な連通領域A1と、潤滑溝20bが設けられる潤滑領域A2と、連通領域A1と潤滑領域A2とを隔てる隔離領域A3と、を有する。
連通領域A1は、斜板9の傾転に伴いシュー8がピストン6に対して傾いたときに、第1連通孔6cと第2連通孔8cとが連通可能な範囲であり、第2連通孔8cを中心とする第1直径D1の第1円C1で囲まれる領域である。第1直径D1は、第1連通孔6cの開口端と第2連通孔8cの開口端とが重なり合う範囲、つまり、第1連通孔6cの直径と第2連通孔8cの直径とに基づいて設定される。
潤滑領域A2は、凹球面部8aの開口端部8dから連通領域A1の近傍に至る領域であり、連通領域A1を中心とした摺動面20aの半凹球面の大部分を含んでいる。摺動面20aの半凹球面は、ピストンポンプ100が作動する際に、ピストン6にシュー8が押し付けられることにより比較的大きい押圧力が作用する部分であり、連通領域A1を中心として、凸球面部6aの直径に相当する第2直径D2の第2円C2で囲まれる凹球面である。
潤滑領域A2には、図4に示されるように、第2連通孔8cを中心として、複数の潤滑溝20bが放射状に設けられる。これらの潤滑溝20bは、摺動面20aの半凹球面に及んで形成される。このため、比較的大きい押圧力が作用する部分の摺動面20aに潤滑溝20bを通じて水を供給することが可能となり、この部分の摩擦抵抗を低減し、摺動性を向上させることができる。
また、潤滑領域A2に設けられる潤滑溝20bは、図2及び図3に示されるように、一端20cから他端20dに向かって深さが徐々に浅くなるように形成される。また、図4に示されるように、潤滑溝20bは、一端20cから他端20dに向かって幅が徐々に狭くなるように形成される。つまり、潤滑溝20bは、一端20cから他端20dに向かうに従って断面積が徐々に小さくなるように形成される。
このように、潤滑溝20bは、収容室19に開口する一端20cから離れるほど、断面積が小さく形成されるため、毛管現象によって潤滑溝20b内に水が保持されやすくなる。この結果、特に潤滑領域A2において、摺動面20aと凸球面部6aとの間に水の潤滑膜が形成されることが促進される。
隔離領域A3は、第3直径D3の第3円C3と第1直径D1の第1円C1とで囲まれる領域であり、連通領域A1に開口する第1連通孔6c及び第2連通孔8cと、潤滑領域A2に設けられる潤滑溝20bと、の連通を遮断するために設けられる。
第3直径D3を大きめに設定すると、隔離領域A3が拡大し、連通領域A1と潤滑領域A2との遮断性が向上され、第1連通孔6cと第2連通孔8cとの接続部からの加圧水の漏れが抑制される。その一方で、潤滑領域A2が狭くなるため、ピストン6とシュー8との摺動性が低下してしまう。このため、第3直径D3の大きさは、遮断性と摺動性とのバランスを考慮して設定される。
このように、摺動面20aには、潤滑溝20bが設けられる潤滑領域A2と、連通領域A1と潤滑領域A2とを隔てる隔離領域A3と、が設けられる。このため、ピストン6とシュー8との摺動性を向上させることができるとともに、第1連通孔6cと第2連通孔8cとの接続部からの加圧水の漏れを抑制することができる。この結果、ピストンポンプ100の容積効率を向上させることができる。
また、摺動面20aには、隣り合う潤滑溝20bを接続する接続溝20eが設けられる。潤滑溝20bの一端20cから流入する水は、接続溝20eを通じて、隣り合う潤滑溝20bに分配される。このため、各潤滑溝20bには水が均等に流入し、摺動面20aと凸球面部6aとの間には、水の潤滑膜が一カ所に偏ることなく形成される。接続溝20eを複数箇所に設けることによって、摺動面20aに潤滑溝20bと接続溝20eとを網目状に形成してもよい。
続いて、ピストン6にシュー8を結合する方法について説明する。
シュー8は、ピストン6に対して、ピストン6の凸球面部6aを覆うように結合される。具体的には、図3に示されるような開口端部8dが開いた状態のシュー8の凹球面部8aに、ピストン6の凸球面部6aが挿入される。そして、凹球面部8aに凸球面部6aが挿入された状態で開口端部8dが径方向外側から絞り加工(カシメ加工)される。凹球面部8aは、図2に示されるように、凸球面部6aに沿った形状に変形し、凹球面部8aによって、凸球面部6aを摺動支持することが可能となる。
ここで、開口端部8dが径方向外側から絞り加工される際、凹球面部8aに設けられる被覆層20も収縮変形する。被覆層20が収縮すると、内部応力が高まり、被覆層20の一部が破損するおそれがある。しかし、被覆層20には複数の潤滑溝20bが設けられており、絞り加工の際、これらの潤滑溝20bの幅が狭まることで内部応力の上昇が緩和される。このように、潤滑溝20bを設けることによって、開口端部8dが絞り加工される際に被覆層20が破損することを防止することもできる。
次に、ピストンポンプ100の動作について説明する。
外部からの動力によりシャフト1が回転駆動され、シリンダブロック2が回転すると、各シュー8の平板部8bが斜板9に対して摺動し、各ピストン6が斜板9の傾転角度に応じたストローク量でシリンダ2b内を往復動する。各ピストン6の往復動により、各容積室7の容積が増減する。
シリンダブロック2の回転により拡大する容積室7にはエンドカバー5の供給通路10及びバルブプレート18の供給ポート18aを通じて水が導かれる。容積室7内に吸い込まれた水は、シリンダブロック2の回転による容積室7の縮小によって増圧され、バルブプレート18の排出ポート18b及びエンドカバー5の排出通路11を通じて吐出される。このように、ピストンポンプ100では、シリンダブロック2の回転に伴って、水の吸込と吐出とが連続的に行われる。
また、ピストンポンプ100では、ピストンポンプ100が動作している間、被覆層21には、第1連通孔6c及び第2連通孔8cを通じて容積室7で加圧された水が供給される。このため、被覆層21は、常に水を含んだ状態となり、シュー8と斜板9とが焼き付くことが抑制される。
また、ピストンポンプ100では、ピストンポンプ100が動作している間、被覆層20には、潤滑溝20bを通じて収容室19内の水が供給される。このため、摺動面20aと凸球面部6aとの間には水の潤滑膜が形成され、ピストン6とシュー8とが焼き付くことが抑制される。
以上の実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
ピストンポンプ100では、被覆層20の摺動面20aと凸球面部6aとの間には、潤滑溝20bを通じて収容室19から水が流入し、水の潤滑膜が形成される。このため、ピストン6とシュー8との摺動性を向上させることができる。さらに、潤滑溝20bは、斜板9の傾転に伴いシュー8がピストン6に対して傾いたときであっても、第1連通孔6cや第2連通孔8cと連通しないように摺動面20aに形成される。このため、第1連通孔6cと第2連通孔8cとの接続部からの加圧水の漏れを抑制することができる。この結果、ピストンポンプ100の容積効率を向上させることができる。
次に、図5から図7を参照して、本発明の実施形態に係るピストンポンプ100の変形例について説明する。
上記実施形態では、ピストン6の端部に凸球面部6aが設けられ、シュー8に凹球面部8aが設けられる。これに代えて、ピストン6の端部に凹球面部36aを設け、シュー8に凸球面部38aを設けた構成としてもよい。
変形例では、ピストン6の開口端部36dが径方向外側から絞り加工されることによって、凹球面部36aが凸球面部38aに沿った形状に変形し、凹球面部36aによって、凸球面部38aを摺動支持することが可能となる。凹球面部36aには、被覆層40が設けられ、被覆層40は、上記実施形態と同様に、連通領域A1、潤滑領域A2及び隔離領域A3を有する。潤滑領域A2には、上記実施形態と同様に、潤滑溝40bが設けられる。
その他の構成及び機能は上記実施形態と同様であるため、その説明を省略する。変形例においても、上記実施形態による効果と同様の効果を奏する。
以下、本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。
ピストンポンプ100は、シャフト1が連結されてシャフト1と共に回転するシリンダブロック2と、シリンダブロック2に形成されシリンダブロック2の周方向に所定の間隔をもって配置される複数のシリンダ2bと、シリンダ2b内に摺動自在に挿入されシリンダ2bの内部に容積室7を区画するピストン6と、ピストン6の端部に回転自在に連結されるシュー8と、シュー8が摺接する斜板9と、ピストン6及びシュー8の何れか一方の凹球面部8a,36aに設けられ、他方の凸球面部6a,38aと摺動する被覆層20,40と、ピストン6に設けられ、容積室7と端部とを連通する第1連通孔6cと、シュー8に設けられ、第1連通孔6cに接続される第2連通孔8cと、シリンダブロック2を収容する収容室19と、を備え、被覆層20,40は、第1連通孔6cと第2連通孔8cとが連通可能な連通領域A1と、一端20c,40cが収容室19に開口し他端20d,40dが連通領域A1に向かって延びる潤滑溝20b,40bと、連通領域A1と潤滑溝20b,40bとを隔てる隔離領域A3と、を有することを特徴とする。
この構成では、被覆層20,40の摺動面20a,40aと凸球面部6a,38aとの間には、潤滑溝20b,40bを通じて収容室19から水が流入し、水の潤滑膜が形成される。このため、ピストン6とシュー8との接触面における摩擦抵抗を低減し、ピストン6とシュー8との摺動性を向上させることができる。さらに、潤滑溝20b,40bは、斜板9の傾転に伴いシュー8がピストン6に対して傾いたときであっても、第1連通孔6cや第2連通孔8cと連通しないように摺動面20a,40aに形成される。このため、第1連通孔6cと第2連通孔8cとの接続部からの加圧水の漏れを抑制することができる。この結果、ピストンポンプ100の容積効率を向上させることができる。
また、潤滑溝20b,40bは、連通領域A1を中心とする被覆層20,40の半凹球面に及んで形成されることを特徴とする。
この構成では、ピストンポンプ100が作動する際に、ピストン6にシュー8が押し付けられることにより比較的大きい押圧力が作用する第2直径D2の第2円C2で囲まれた半凹球面内に及んで潤滑溝20b,40bが形成される。このため、比較的大きい押圧力が作用する部分の摺動面20a,40aに潤滑溝20b,40bを通じて水を供給することが可能となり、この部分の摺動性を向上させることができる。この結果、ピストンポンプ100の容積効率を向上させることができる。
また、潤滑溝20b,40bは、一端20c,40cから他端20d,40dに向かって深さが浅くなることを特徴とする。
また、潤滑溝20b,40bは、一端20c,40cから他端20d,40dに向かって幅が狭くなることを特徴とする。
これらの構成では、潤滑溝20b,40bの断面積が、一端20c,40cから他端20d,40dに向かうに従って徐々に小さくなる。このため、毛管現象によって潤滑溝20b,40b内に水が保持され、摺動面20a,40aと凸球面部6a,38aとの間に水の潤滑膜が形成されやすくなる。この結果、ピストン6とシュー8との摺動性が向上し、ピストンポンプ100の容積効率を向上させることができる。
また、潤滑溝20b,40bは複数設けられ、被覆層20,40は、隣り合う潤滑溝20b,40bを接続する接続溝20e,40eをさらに有することを特徴とする。
この構成では、潤滑溝20b,40bの一端20c,40cから流入する水は、接続溝20e,40eを通じて、隣り合う潤滑溝20b,40bに分配される。このため、各潤滑溝20b,40bには水が均等に流入し、摺動面20a,40aと凸球面部6a,38aとの間には、水の潤滑膜が一カ所に偏ることなく形成される。この結果、ピストン6とシュー8との摺動性が向上し、ピストンポンプ100の容積効率を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一つを示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
上記実施形態では、ピストンポンプ100が斜板9の傾転角度が固定された固定容量型である場合について説明した。これに代えて、ピストンポンプ100は、斜板9の傾転角度を変更可能な可変容量型であってもよい。
また、上記実施形態では、被覆層20,40の材料として樹脂材が用いられている。これに代えて、カーボン繊維やガラス繊維、セラミック繊維、DLC(Diamond Like Carbon)を材料として用いてもよい。
100・・・ピストンポンプ(水圧回転機)、1・・・シャフト、2・・・シリンダブロック、2b・・・シリンダ、3・・・ケース、6・・・ピストン、6a,38a・・・凸球面部、6c・・・第1連通孔、7・・・容積室、8・・・シュー、8a,36a・・・凹球面部、8c・・・第2連通孔、8d,36d・・・開口端部、9・・・斜板、19・・・収容室、20,40・・・被覆層、20a,40a・・・摺動面、20b,40b・・・潤滑溝、20c,40c・・・一端、20d,40d・・・他端、20e,40e・・・接続溝、A1・・・連通領域、A2・・・潤滑領域、A3・・・隔離領域、D1・・・第1直径、D2・・・第2直径、D3・・・第3直径、C1・・・第1円、C2・・・第2円、C3・・・第3円

Claims (4)

  1. シャフトが連結されて前記シャフトと共に回転するシリンダブロックと、
    前記シリンダブロックに形成され前記シリンダブロックの周方向に所定の間隔をもって配置される複数のシリンダと、
    前記シリンダ内に摺動自在に挿入され前記シリンダの内部に容積室を区画するピストンと、
    前記ピストンの端部に回転自在に連結されるシューと、
    前記シューが摺接する斜板と、
    前記ピストン及び前記シューの何れか一方の凹球面部に設けられ、他方の凸球面部と摺動する被覆層と、
    前記ピストンに設けられ、前記容積室と前記端部とを連通する第1連通孔と、
    前記シューに設けられ、前記第1連通孔に接続される第2連通孔と、
    前記シリンダブロックを収容する収容室と、を備え、
    前記被覆層は、
    前記第1連通孔と前記第2連通孔とを連通する連通領域と、
    一端が前記収容室に開口し他端が前記連通領域に向かって延びる潤滑溝と、
    前記連通領域と前記潤滑溝との間に設けられ前記連通領域と前記潤滑溝との連通を遮断する隔離領域と、が形成され、
    前記潤滑溝の前記他端は、前記連通領域を中心とする前記被覆層の半凹球面において前記隔離領域に至ることを特徴とする水圧回転機。
  2. シャフトが連結されて前記シャフトと共に回転するシリンダブロックと、
    前記シリンダブロックに形成され前記シリンダブロックの周方向に所定の間隔をもって配置される複数のシリンダと、
    前記シリンダ内に摺動自在に挿入され前記シリンダの内部に容積室を区画するピストンと、
    前記ピストンの端部に回転自在に連結されるシューと、
    前記シューが摺接する斜板と、
    前記ピストン及び前記シューの何れか一方の凹球面部に設けられ、他方の凸球面部と摺動する被覆層と、
    前記ピストンに設けられ、前記容積室と前記端部とを連通する第1連通孔と、
    前記シューに設けられ、前記第1連通孔に接続される第2連通孔と、
    前記シリンダブロックを収容する収容室と、を備え、
    前記被覆層は、
    前記第1連通孔と前記第2連通孔とが連通可能な連通領域と、
    一端が前記収容室に開口し他端が前記連通領域に向かって延びる潤滑溝と、
    前記連通領域と前記潤滑溝とを隔てる隔離領域と、を有し、
    前記潤滑溝は、前記一端から前記他端に向かって深さが浅くなることを特徴とする水圧回転機。
  3. シャフトが連結されて前記シャフトと共に回転するシリンダブロックと、
    前記シリンダブロックに形成され前記シリンダブロックの周方向に所定の間隔をもって配置される複数のシリンダと、
    前記シリンダ内に摺動自在に挿入され前記シリンダの内部に容積室を区画するピストンと、
    前記ピストンの端部に回転自在に連結されるシューと、
    前記シューが摺接する斜板と、
    前記ピストン及び前記シューの何れか一方の凹球面部に設けられ、他方の凸球面部と摺動する被覆層と、
    前記ピストンに設けられ、前記容積室と前記端部とを連通する第1連通孔と、
    前記シューに設けられ、前記第1連通孔に接続される第2連通孔と、
    前記シリンダブロックを収容する収容室と、を備え、
    前記被覆層は、
    前記第1連通孔と前記第2連通孔とが連通可能な連通領域と、
    一端が前記収容室に開口し他端が前記連通領域に向かって延びる潤滑溝と、
    前記連通領域と前記潤滑溝とを隔てる隔離領域と、を有し、
    前記潤滑溝は、前記一端から前記他端に向かって幅が狭くなることを特徴とする水圧回転機。
  4. 前記潤滑溝は、複数設けられ、
    前記被覆層は、隣り合う前記潤滑溝を接続する接続溝をさらに有することを特徴とする請求項1からの何れか1つに記載の水圧回転機。
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