JP6557016B2 - 警報システム - Google Patents

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Description

本発明は、受信機による火災感知器の火災発報を受信した場合に、点滅する光により火災の発生を防火対象物の在館者に報知する光警報装置を設けた警報システムに関する。
従来、オフィスビル、店舗ビル、病院、ホテル等の建物には、火災を監視し、火災が発生した場合に、建物内の人々に異常の発生を報知するための警報システムとして、自動火災報知システムが設置されている。このような自動火災報知システムにおいては、火災発生の報知はブザー、ベル、メッセージ等の音響により行なわれるのが一般的である。また、この音響による報知と共に、LEDや赤色ランプ等を用いた表示報知も適宜行われる。
ところで、近年、火災発生を音響とともに視認性の高い高光度の白色光(フラッシュ光)を点滅することにより火災の発生を報知する警報システムも提案されている(例えば、特許文献1乃至3参照)。このような警報システムによれば、音響だけでなく強い光の点滅により火災発生を報知するため、例えば聴覚不自由者にも、災害の発生を早期に、且つ確実に認識させることができる。
以下、火災信号を受信して、点滅する光により火災の発生を報知する警報を光警報といい、そのため装置を光警報装置という。
実用新案登録第3113946号公報 特開2005−165740号公報 特開2011−198194号公報
ところで、近い将来、従来の音響警報に加え、光警報を行なう光警報装置の義務化が想定されており、光警報を導入する場合には、従来の自動火災報知システムに対し、光警報装置のための配線や施工の手間が増える。また、既設物件に光警報装置を追加設置する場合には、配線工事の手間が特に大きくなる。
この問題を解決するためには、受信機から引き出している感知器回線に既に接続している火災感知器に加え、光警報装置を接続することが考えられる。
しかしながら、感知器回線に光警報装置を接続した場合には、火災信号を受信して、光警報装置を点滅させるとき、発光部の発光駆動や発光駆動に用いるコンデンサの充電等により大きな電流が流れ、火災を検出した火災感知器を接続していない感知器回線、即ち非発報回線では光警報による電流増加が発報誤動作の原因となる。
また、火災を検出した火災感知器を接続している感知器回線、即ち発報回線では、火災発報による回線電圧の低下に加え、光警報装置の動作により更に回線電圧が低下し、回線電圧が不足して光警報装置を駆動できなくなる問題がある。
本発明は、非発報回線での発報誤動作や発報回線で光警報装置の駆動不可等の問題を起こすことなく、受信機から引き出された感知器回線に光警報装置を接続して、配線や施工の手間等を低減可能とする警報システムを提供することを目的とする。
(光警報制御機能を受信機内蔵)
本発明は、受信機から引き出された所定の回線電源電圧を供給する電源供給線を兼ねた感知器回線に火災感知器を接続し、感知器回線に所定の発報電流を流し、受信機により発報電流から感知器回線単位に火災発報を検出して火災警報を出力する警報システムに於いて、
受信機に設けられ、受信制御部から光警報を制御する制御信号を受信した場合に、感知器回線に供給する所定の回線電源電圧に、所定のパルス幅を持つ所定の電圧パルスを所定の発光周期毎に重畳する回線電圧制御部と、
感知器回線に火災感知器と共に接続され、回線電圧制御部により重畳された所定の電圧パルスを入力して発光部を発光制御する光警報装置と、
を設けたことを特徴とする。
(光警報制御装置の外付け)
また、本発明の別の形態にあっては、受信機から引き出された所定の回線電源電圧を供給する電源供給線を兼ねた感知器回線に火災感知器を接続し、火災感知器で火災を検出した場合に感知器回線に所定の発報電流を流し、受信機により発報電流に基づき感知器回線単位に火災発報を検出して火災警報を出力する警報システムに於いて、
受信機と感知器回線との間に接続され、受信機から光警報を制御する制御信号を受信した場合に、感知器回線に供給する所定の回線電源電圧に、所定のパルス幅を持つ所定のパルス電圧を所定の発光周期毎に重畳する回線電圧制御部を備えた光警報制御装置と、
感知器回線に火災感知器と共に接続され、光警報制御装置により重畳された所定のパルス電圧を入力して発光部を発光制御する光警報装置と、
を設けたことを特徴とする。
(回線電流の監視抑止)
受信機は、回線電圧制御部による所定の電圧パルスのパルス幅を含む所定時間の間、感知器回線による発報電流及び断線監視電流の判断を禁止する。
(高電圧パルス)
回線電圧制御部は、感知器回線に供給する所定の回線電源電圧に、当該所定の回線電源電圧より高い電圧の高電圧パルスを重畳し、
光警報装置は、高電圧パルスにより発光部を直接発光駆動するか、又は、高電圧パルスによりコンデンサを充電し、高電圧パルスが断たれた場合にコンデンサの放電により発光部を発光駆動する回路部を備える。
(感知器の電流制限)
火災感知器に、発報電流を所定値に制限する電流制限部を設ける。この場合、電流制限部を感知器ベースに設ける。
(低電圧パルス)
回線電圧制御部は、感知器回線に供給する所定の回線電源電圧に、当該所定の回線電源電圧より低い電圧の低電圧パルスを重畳し、
光警報装置は、回線電源電圧によりコンデンサを充電し、低電圧パルスが得られた場合にコンデンサの放電により発光部を発光駆動する回路部を備える。
(転極電圧パルス)
回線電圧制御部は、所定の回線電源電圧を転極した転極電圧パルスを感知器回線に重畳し、
光警報装置は、転極電圧パルスにより発光部を直接発光駆動するか、又は、所定の回線電源電圧によりコンデンサを充電し、転極電圧パルスが得られた場合にコンデンサの放電により発光部を発光駆動する回路部を備える。
(光警報制御機能を受信機内蔵とした場合の効果)
本発明は、受信機から引き出された所定の回線電源電圧を供給する電源供給線を兼ねた感知器回線に火災感知器を接続し、感知器回線に所定の発報電流を流し、受信機により発報電流から感知器回線単位に火災発報を検出して火災警報を出力する警報システムに於いて、受信機に設けられ、受信制御部から光警報を制御する制御信号を受信した場合に、感知器回線に供給する所定の回線電源電圧に、所定のパルス幅を持つ所定の電圧パルスを所定の発光周期毎に重畳する回線電圧制御部と、感知器回線に火災感知器と共に接続され、回線電圧制御部により重畳された所定の電圧パルスを入力して発光部を発光制御する光警報装置とを設けるようにしたため、受信機から引き出されている既存の感知器回線に光警報装置を接続できるため、光警報のための配線の追加が不要となり、光警報装置を設置する手間を大幅に低減可能とする。
(光警報制御装置の外付けとした場合の効果)
また、本発明の別の形態にあっては、受信機から引き出された所定の回線電源電圧を供給する電源供給線を兼ねた感知器回線に火災感知器を接続し、火災感知器で火災を検出した場合に感知器回線に所定の発報電流を流し、受信機により発報電流に基づき感知器回線単位に火災発報を検出して火災警報を出力する警報システムに於いて、受信機と感知器回線との間に接続され、受信機から光警報を制御する制御信号を受信した場合に、感知器回線に供給する所定の回線電源電圧に、所定のパルス幅を持つ所定のパルス電圧を所定の発光周期毎に重畳する回線電圧制御部を備えた光警報制御装置と、感知器回線に火災感知器と共に接続され、光警報制御装置により重畳されたパルス電圧を入力して発光部を発光制御する光警報装置とを設けるようにしたため、この場合にも、受信機から引き出されている既存の感知器回線に光警報装置を接続できるため、光警報のための配線の追加が不要となり、光警報装置を設置する手間を大幅に低減可能とする。
また、光警報制御装置を受信機からの感知器回線の引き出し部分に外付けしているため、受信機を変更する必要がなく、既設の受信機をそのまま使用可能とする。
(回線電流の監視抑止による効果)
また、受信機は、回線電圧制御部による所定の電圧パルスのパルス幅を含む所定時間の間、感知器回線による発報電流及び断線監視電流の判断を禁止するようにしたため、感知器回線に接続した光警報装置の点滅による光警報で回線電流が変動しても、誤った火災発報や断線障害の判断を未然に防止し、感知器回線に光警報装置を接続して点滅しても、受信機の動作に悪影響を及ぼすことがない。
(高電圧パルスによる効果)
また、回線電圧制御部は、感知器回線に供給する所定の回線電源電圧に、当該所定の回線電源電圧より高い電圧の高電圧パルスを重畳し、光警報装置は、高電圧パルスにより発光部を直接発光駆動するか、又は、高電圧パルスによりコンデンサを充電し、高電圧パルスが断たれた場合にコンデンサの放電により発光部を発光駆動する回路部を備えるようにしたため、感知器回線に所定パルス幅と周期の高電圧パルスを重畳することで、光警報装置に対する光制御信号と駆動電源供給の両方の機能を含む高電圧パルスを供給でき、点滅する光により火災の発生を報知する光警報を可能とする。
(感知器の電流制限による効果)
火災感知器に、高電圧パルスを感知器回線に重畳した場合に発報電流を所定値に制限する電流制限部を設け、例えば、電流制限部を感知器ベースに設けるようにしたため、発報回線となる感知器回線に光警報のために高電圧パルスを重畳していても、発報している火災感知器に流れる発報電流は制限され、高電圧パルスの電圧降下を防ぎ、発報回線であっても、光警報装置を確実に発光駆動可能とする。
(低電圧パルスによる効果)
また、回線電圧制御部は、感知器回線に供給する所定の回線電源電圧に、当該所定の回線電源電圧より低い電圧の低電圧パルスを重畳し、光警報装置は、回線電源電圧によりコンデンサを充電し、低電圧パルスが得られた場合にコンデンサの放電により発光部を発光駆動する回路部を備えるようにしたため、光警報装置は、低電圧パルスが重畳される前の相対的に高い回線電圧によりコンデンサを充電しており、低電圧パルスが得られたらコンデンサの放電により発光部を発光することで、十分に大きな駆動電流を確保し、強い光の点滅を可能とする。
また、コンデンサの充放電を利用して発光駆動する場合、コンデンサの充電時間は、低電圧パルスの空き時間となり、これを発光時間となるコンデンサの放電時間に対し十分に長い時間にすると、光警報装置の動作に伴うピーク電流を低減し、受信機に要求される光警報装置の追加に伴う必要な電源負荷が低減し、電源容量の増加が少ないことからシステムのコストダウンを可能とする。
(転極電圧パルスによる効果)
また、回線電圧制御部は、所定の回線電源電圧を転極した転極電圧パルスを感知器回線に重畳し、光警報装置は、転極電圧パルスにより発光部を直接発光駆動するか、又は、所定の回線電源電圧によりコンデンサを充電し、転極電圧パルスが得られた場合にコンデンサの放電により発光部を発光駆動する回路部を備えるようにしたため、光警報装置は、転極電圧パルスが重畳される前の回線電圧によりコンデンサを充電しており、転極電圧パルスが得られたらコンデンサの放電により発光部を発光することで、十分に大きな駆動電流を確保し、強い光の点滅を可能とする。
また、コンデンサの充放電を利用して発光駆動する場合、コンデンサの充電時間は、転極電圧パルスの空き時間となり、これを発光時間となるコンデンサの放電時間に対し十分に長い時間にすると、光警報装置の動作に伴うピーク電流を低減し、受信機に要求される光警報装置の追加に伴う必要な電源負荷が低減し、電源容量の増加が少ないことからシステムのコストダウンを可能とする。
更に、転極電圧パルスによる発光部の発光駆動は、回線電圧の転極で発光部に駆動電流が流れる回路構成とすればよいため、転極電圧パルスにより直接発光駆動する場合、コンデンサの充放電で発光駆動する場合のいずれも、トランジスタ等の能動素子を必要とせず、抵抗やダイオード等を用いた簡単な回路部で光警報装置を実現可能とする。
受信機内に光警報制御機能を設けた警戒システムの実施形態を示したブロック図 光警報制御に高電圧パルスを重畳する場合の図1のシステム動作を示したタイムチャート 図1に設けた火災感知器の実施形態を示したブロック図 高電圧パルスにより直接発光部を発光駆動する光警報装置の実施形態を示した回路図 高電圧パルスによりコンデンサを充電した後に放電して発光部を点滅発光する光警報装置の他の実施形態を示した回路図 光警報制御に低電圧パルスを重畳する場合の図1のシステム動作を示したタイムチャート 回線電圧によりコンデンサを充電した後に低電圧パルスにより放電して発光部を発光駆動する光警報装置の実施形態を示した回路図 光警報制御に転極電圧パルスを重畳する場合の図1のシステム動作を示したタイムチャート 転極電圧パルスにより直接発光部を発光駆動する光警報装置の実施形態を示した回路図 回線電圧によりコンデンサを充電した後に転極電圧パルスにより放電して発光部を発光駆動する光警報装置の他の実施形態を示した回路図 受信機からの感知器回線の引き出し側に光警報制御装置を設けた警戒システムの他の実施形態を示したブロック図 11の光警報制御装置の詳細を示したブロック図
[警報システム]
(警報システムの構成)
図1は受信機内に光警報制御機能を設けた警戒システムの実施形態を示したブロック図である。
図1に示すように、本実施形態の警報システムは、P型の自動火災報知システムを例にとっており、火災受信機10からは警戒区域に向けて電源供給線を兼ねたL線とC線からなる感知器回線12−1,12−2,…12−nを引き出しており、感知器回線12−1に代表して示すように、複数の火災感知器14を接続し、回線終端には終端装置(終端抵抗)16を接続している。なお、感知器回線12−1〜12−nを区別する必要がない場合は、単に感知器回線12とする場合がある。
火災受信機10は、受信制御部20を備え、受信制御部20に対し感知器回線12−1〜12−nに対応した回線受信部22、表示部24、操作部26、警報部28及び移報部30を設けている。
受信制御部20は、例えばプログラムの実行により実現される機能であり、ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。
回線受信部22は火災受信機10に内蔵した電源から所定の直流電圧、例えばDC24ボルトを火災感知器14に電源電圧として供給する。ここで、火災受信機10から感知器回線12に供給する電源電圧を回線電源電圧といい、定常的に供給する24ボルトの回線電源電を、定常回線電源電圧VNとする。
また、回線受信部22は、感知器回線12に流れる回線電流を検出して回線電流検出信号を受信制御部20に出力する。回線受信部22で検出する回線電流には、発報電流と断線監視電流がある。火災感知器14で火災を検出した場合には、回線受信部22からの回線電流検出信号は、火災発報動作により感知器回線12に流れる発報電流となり、受信制御部20は、このときの回線電流検出信号から火災発報を検出する。
また、感知器回線12には通常状態(非発報状態)において終端装置16で決まる所定の回線監視電流が流れており、感知器回線12が断線すると回線監視電流が流れなくなり、受信制御部20は、このときの回線受信部22からの回線電流検出信号が所定値以下に低下したことを検知して断線障害を判定する。
表示部24には、火災代表灯、地区表示灯、その他火災監視に必要な各種の表示灯や液晶ディスプレイ等を設けている。操作部26には、主音響停止スイッチ、地区音響停止スイッチ、移報停止スイッチ等の火災監視に必要な各種のスイッチを設けている。警報部28はブザーやスピーカを備え、音響警報やメッセージ警報を出力する。移報部30は他の機器に火災移報信号を出力する。
(光警報制御機能)
このような自動火災報知システムの構成及び機能は、従来システムと同じであるが、これに加えて本実施形態にあっては、火災受信機10から引き出した感知器回線12−1〜12−nに光警報装置18を接続している。
光警報装置18は、火災受信機10で火災発報を検出した場合に、高輝度LEDやフラッシュライト等を用いた発光部を点滅し、点滅する光により火災の発生を報知する光警報を行う。光警報装置18による光警報は、設置場所に対応した所定の光度をもつ白色光又は赤色光を点滅し、点滅周波数は0.5Hz以上、2Hz以下(周期は0.5以上、2.0秒以下)であり、発光パルス幅は0.2秒(200ms)を超えないようにしており、複数の光警報装置18は同じ周期で同時に点滅する同期発光を行う。
感知器回線12に対する光警報装置18の接続に対応して火災受信機10の回線受信部22に回線電圧制御部32を新たに設けている。回線電圧制御部32は光警報制御装置として機能し、火災発報を判断した場合に受信制御部20から出力される光警報制御指示を受け、回線受信部22を介して感知器回線12に供給していた定常回線電源電圧VNに、光警報装置18の点滅に必要な所定のパルス幅Twをもつ所定の電圧パルスを所定の発光周期Tf毎に重畳する。
本実施形態の回線電圧制御部32は、火災発報を判断した受信制御部20から光警報を制御する制御信号を受信した場合、回線受信部22を介して感知器回線12に供給していた定常回線電源電圧VN=24ボルトに、それより高い高電圧VH、例えばVH=30ボルトの高電圧パルスP1を重畳する。
また、火災受信機10の操作部26で光警報装置18の点検操作を行った場合、受信制御部20は回線電圧制御部32に光警報を制御する制御信号を送信することから、これを受信した回線電圧制御部32は、火災発報の場合と同様、光警報装置18の点滅に必要な高電圧パルスP1を定常回線電源電圧VNに重畳する。
高電圧パルスP1の周期及びパルス幅は、光警報装置18の光警報の周期とパルス幅に対応しており、周期Tfは例えばTf=2秒、パルス幅Twは例えばTw=100ミリ秒とする。
回線電圧制御部32による感知器回線12に対する高電圧パルスP1の重畳は、受信制御部20から周期Tfで光警報を制御する制御信号を受信する毎に、定常回線電源電圧VNの感知器回線12に対する供給を、高電圧VHの供給にTw時間のあいだ切り替える動作を行う。
受信制御部20は、火災発報の検出による警報動作に加え、感知器回線12に対応して設けた回線電圧制御部32に光警報を制御する制御信号を送信して高電圧パルスを感知器回線12に重畳させる制御を行い、これにより光警報装置18を点滅駆動して光警報を報知させる。
この場合、地区音響装置による音響警報に対応し、火災発生階及び直上階に対応した感知器回線12に高電圧パルスを重畳して光警報装置18による光警報を行い、その後の火災の拡大に伴う全館一斉鳴動に対応して、全ての感知器回線12に高電圧パルスを重畳して光警報装置18についても全館一斉光警報を行う。
また、受信制御部20は、高電圧パルスを重畳して光警報装置18を点滅発光している感知器回線12については、高電圧パルスのパルス幅Twを含む所定時間Tiの間は、回線受信部22からの回線電流検出信号に基づく火災発報及び断線障害の判断を禁止する制御を行う。この火災発報及び断線障害の判断を禁止する時間Tiは、高電圧パルスP1のパルス幅Twに、高電圧パルスの重畳が終了して回線電流の変動が収まるまでの時間を加えた時間とする。
[高電圧パルスの重畳による光警報制御]
(光警報制御の動作)
図2は光警報制御に高電圧パルスを重畳する場合の図1のシステム動作を示したタイムチャートであり、図2(A)は回線電流を示し、図2(B)は火災受信機における発報・断線判断禁止を示し、図2(C)は発報回線の回線電圧を示し、図2(D)は発報回線に接続している光警報装置の点滅発光を示し、図2(E)に非発報回線の回線電圧を示し、図2(F)に非発報回線に接続している光警報装置の点滅発光を示す。
図2(A)に示すように、時刻t1で、ある感知器回線12に接続している火災感知器14で火災を検出して火災発報したとすると、それまで流れていた小さな断線監視電流に相当する回線電流は、発報電流が流れることで増加し、火災受信機10で火災発報を検出し、音響や表示による火災警報に加え、図2(C)に示すように、時刻t2で発報した感知器回線12にパルス幅Tw、周期Tf、高電圧VHをもつ高電圧パルスP1を重畳する。
このとき高電圧パルスP1を重畳する前の回線電圧は、火災感知器14の発報により発報電流に対応した回線電圧VL1まで低下しており、この低下した回線電圧VL1に高電圧VHまで増加する高電圧パルスP1を重畳する。
このように発報回線に対する高電圧パルスP1の重畳により、発報回線に接続している光警報装置18は、図2(D)に示すように、高電圧パルスP1のパルス幅Twの間に亘り発光部を発光駆動してパルス光を発光し、これを繰り返すことで光の点滅による光警報を報知する。
また高電圧パルスP1を重畳した場合、図2(B)に示すように、高電圧パルスP1のパルス幅Twを含む所定の時間Tiに亘り火災受信機10による火災発報及び断線監視の判断を禁止し、光制御による回線電流の変動による誤判断を防止する。
一方、非発報回線については、図2(E)に示すように、定常回線電源電圧VNに、高電圧VHをもつ高電圧パルスP1を重畳しており、これにより非発報回線に接続している光警報装置18は、図2(F)に示すように、高電圧パルスP1のパルス幅Twの間に亘り発光部を発光駆動してパルス光を発光し、これを繰り返すことで光の点滅による光警報を報知する。
この場合にも、図2(B)のように、高電圧パルスP1のパルス幅Twを含む所定の時間Tiに亘り非発報回線に対する火災受信機10による火災発報及び断線監視の判断を禁止し、光制御による回線電流の変動による誤判断を防止する。
(火災感知器の電流制限)
図3は図1に設けた火災感知器の実施形態を示したブロック図である。図3に示すように、火災感知器14は、ダイオードブリッジを用いた無極性化回路部58、スイッチング素子を備えた発報回路部60、定電圧回路部62、CPU等を用いた制御部64及び温度や煙濃度を検出するセンサ部66を備え、感知器ベース15を介して感知器回線のL線とC線に接続している。
火災感知器14の制御部64は、センサ部66の検出結果に基づき火災発報を判断すると、発報回路部60のスイッチング動作によりL−C線間を低インピーダンスに短絡して感知器回線に発報電流を流す。しかし、火災感知器14の発報中に、光警報を行うためにL−C線間に高電圧パルスP1を重畳すると、回線電圧の増加により発報電流も増加し、そのままでは発報回線に重畳した高電圧パルスの電圧も低下してしまう。
そこで本実施形態にあっては、感知器ベース15に電流制限回路部68を設け、発報中に高電圧パルスを発報回線に重畳しても、発報電流を所定値に制限してそれ以上流ないようにし、発報回線に重畳した高電圧パルスの高電圧VHの低下を抑え、高電圧パルスにより光警報装置18が確実に点滅発光できるようにしている。
(高電圧パルスにより動作する光警報装置)
図4は高電圧パルスにより直接発光部を発光駆動する光警報装置の実施形態を示した回路図である。図4に示すように、本実施形態の光警報装置18は、L−C線間となる感知器回線に抵抗42、高輝度のLEDを用いた発光部36及びトランジスタ34を直列接続し、この直列回路と並列に、ツェナーダイオード38と抵抗40の直列回路を接続している。ツェナーダイオード38は高電圧パルスを重畳した場合にオンするようにツェナー電圧Vzを選択している。
図4の光警報装置18の動作は、高電圧VHをもつ高電圧パルスがL−C線間となる感知器回線に重畳すると、ツェナーダイオード38がオンし、トランジスタ34にベース電流が流れてオンし、コレクタ側に接続した発光部36に駆動電流を流し、発光部36をパルス発光する。この繰り返しにより発光部36を点滅発光して光警報を報知する。
図5は高電圧パルスによりコンデンサを充電した後に放電して発光部を点滅発光する光警報装置の他の実施形態を示した回路図である。
図5に示すように、まずコンデンサ48の充電回路として、感知器回線となるL−C線間にツェナーダイオード50と抵抗52を直列接続し、また、L−C線間に抵抗54、NPN型のトランジスタ44、及びコンデンサ48の直列回路を接続し、ツェナーダイオード50と抵抗52の間をトランジスタ44のベースに接続している。ツェナーダイオード50は高電圧パルスを重畳した場合にオンするようにツェナー電圧Vzを選択している。
コンデンサ48の放電回路は、コンデンサ48と並列に、抵抗56、PNP型のトランジスタ46、及び発光部36の直列回路を接続し、ツェナーダイオード50と抵抗52の間をトランジスタ46のベースに接続している。
図5の光警報装置18の動作は次のようになる。L−C線間に高電圧パルスP1が重畳すると、ツェナーダイオード50がオンし、トランジスタ44にベース電流が流れてオンし、L線、抵抗54、コンデンサ48、C線となる経路でコンデンサ48に充電電流が流れ、コンデンサ48に電荷を充電する。このときトランジスタ46は抵抗52の発生電圧による逆バイアスを受けてオフしている。
続いて、高電圧パルスP1が無くなると、ツェナーダイオード50がオフし、これによりトランジスタ44もオフし、一方、トランジスタ46は充電したコンデンサ48の充電電圧によるベースバイアスを受けてオンし、コンデンサ48のプラス側、抵抗56、トランジスタ46及びコンデンサ48のマイナス側となる経路を介して発光部36に放電電流を流し、発光部36をパルス発光する。この繰り返しにより発光部36を点滅発光して光警報を報知する。
[低電圧パルスを重畳する光警報制御]
(光警報制御の動作)
図6は光警報制御に低電圧パルスを重畳する場合の図1のシステム動作を示したタイムチャートであり、図6(A)は回線電流を示し、図6(B)は火災受信機における発報・断線判断禁止を示し、図6(C)は発報回線の回線電圧を示し、図6(D)は発報回線に接続している光警報装置の点滅発光を示し、図6(E)に非発報回線の回線電圧を示し、図6(F)は非発報回線に接続している光警報装置の点滅発光を示す。
図6(A)に示すように、時刻t1で、ある感知器回線12に接続している火災感知器14で火災を検出して火災発報したとすると、それまで流れていた小さな断線監視電流に相当する回線電流は、発報電流が流れることで増加し、火災受信機10で火災発報を検出し、音響や表示による火災警報に加え、図6(C)に示すように、発報した感知器回線12にパルス幅Tw、周期Tf、発報電流に対応した回線電圧VL1より低い所定の低電圧VL2となる低電圧パルスP2を重畳する。
このとき低電圧パルスP2を重畳する前の発報回線の回線電圧は、火災感知器14の発報により回線電圧VL1まで低下しており、この低下した回線電圧VL1より更に低い低電圧VL2、例えばVL2=0ボルトまで低下する低電圧パルスP2を重畳する。
低電圧パルスP2を感知器回線に重畳するため、図1の火災受信機10に設けた回線電圧制御部32は、受信制御部20から周期TfでTw期間に亘る光警報を制御する制御信号を受信する毎に、定常回線電源電圧VNの感知器回線12に対する供給を停止して回線電圧を0ボルトに切り替える動作を行うように構成する。なお、低電圧パルスP2の低電圧VL2は、発報電流により低下する回線電圧VL1より低ければ良く、0ボルト以外の値も含む。
このように発報回線に対する低電圧パルスP2の重畳により、発報回線に接続している光警報装置18は、低電圧パルスP2のパルス幅Twの間に亘り発光部を発光駆動してパルス光を発光し、これを繰り返すことで光の点滅による光警報を報知する。
また図6(B)に示すように、低電圧パルスP2を重畳した場合、そのパルス幅Twを含む所定の時間Tiに亘り火災受信機10による火災発報及び断線監視の判断を禁止し、光制御に伴う回線電流の変動による誤判断を防止する。
一方、非発報回線については、図6(E)に示すように、定常回線電源電圧VNに、低電圧VL2、例えばVL2=0ボルトとなる低電圧パルスP2を重畳しており、これにより非発報回線に接続している光警報装置18は、図6(F)に示すように、低電圧パルスP2のパルス幅Twの間に亘り発光部を発光駆動してパルス光を発光し、これを繰り返すことで光の点滅による光警報を報知する。
この場合にも、図6(B)のように、低電圧パルスP2のパルス幅Twを含む所定の時間Tiに亘り非発報回線に対する火災受信機10による火災発報及び断線監視の判断を禁止し、光制御による回線電流の変動による誤判断を防止する。
(低電圧パルスにより動作する光警報装置)
図7は低電圧パルスにより発光部を発光駆動する光警報装置の実施形態を示した回路図である。
図7に示すように、まずコンデンサ70の充電回路として、感知器回線となるL−C線間に抵抗72とコンデンサ70の直列回路を接続し、低電圧パルスP2を重畳する前の回線電圧(発報回線はVL1、非発報回線はVN)の供給を受け、抵抗72を介してコンデンサ70を充電するようにしている。
コンデンサ70の放電を利用した発光駆動回路は、コンデンサ70と並列に、PNP型のトランジスタ74、発光部36及び抵抗75の直列回路を接続し、トランジスタ74のベース側抵抗78,80及びコンデンサ82を含むバイアス回路を設けている。
図7の光警報装置18の動作は次のようになる。L−C線間に低電圧パルスP2が重畳する前の状態で加わる回線電圧又は低電圧パルスP2の空き時間に加わる回線電圧により、抵抗72を介してコンデンサ70を充電している。このとき抵抗72を流れる充電電流による電圧降下で、トランジスタ74のエミッタはベースより低い電位にあり、トランジスタ74はオフしている。
続いて、低電圧パルスP2が重畳されると回線電圧は例えばVL2=0ボルトに低下し、コンデンサ74の充電電圧が回路の電源電圧として機能し、トランジスタ74のエミッタ・ベース間に抵抗72を通る放電電流による電圧降下分がバイアス電圧として加わり、ベース電流が抵抗78を通して流れ、トランジスタ74がオンする。トランジスタ74がオンすると、コンデンサ70のプラス側、トランジスタ74、発光部36、抵抗75及びコンデンサ70のマイナス側となる経路で放電電流が流れ、発光部36をパルス発光する。この繰り返しにより発光部36を点滅発光して光警報を報知する。
なお、低電圧パルスP2の重畳でパルス発光する図7の回路は一例であり、同様の機能を持つ適宜の回路が適用可能である。
[転極電圧パルスを重畳する光警報制御]
(光警報制御の動作)
図8は光警報制御に転極電圧パルスを重畳する場合の図1のシステム動作を示したタイムチャートであり、図8(A)は回線電流を示し、図8(B)は火災受信機における発報・断線判断禁止を示し、図8(C)は発報回線の回線電圧を示し、図8(D)は発報回線に接続している光警報装置の点滅発光を示し、図8(E)に非発報回線の回線電圧を示し、図8(F)は非発報回線に接続している光警報装置の点滅発光を示す。
図8(A)に示すように、時刻t1で、ある感知器回線12に接続している火災感知器14で火災を検出して火災発報したとすると、それまで流れていた小さな断線監視電流に相当する回線電流は、発報電流が流れることで増加し、火災受信機10で火災発報を検出し、音響や表示による火災警報に加え、図8(C)に示すように、発報した感知器回線12にパルス幅Tw、周期Tfとなる転極電圧パルスP3を重畳する。
ここで、感知器回線に転極電圧パルスを重畳するということは、感知器回線の回線電圧を所定の転極電圧に反転することを意味する。
このように転極電圧パルスP3を感知器回線に重畳するため、図1の火災受信機10に設けた回線電圧制御部32は、受信制御部20から周期TfでTw期間に亘る光警報を制御する制御信号を受信する毎に、感知器回線12に対する定常回線電源電圧VNの供給を反転してマイナス極性の電圧−VNに転極する動作を行うように構成する。
図8(C)に示す発報回線にあっては、火災受信機10の回線電圧制御部32による転極動作で−VNとなるマイナス極性の回線電圧が加わるが、火災感知器14は図3に示したように、無極性化回路部5を設けているため、転極によりマイナス極性の回線電圧−VNが加わっても正常に動作して発報電流を流している。このため発報回線に−VNの転極電圧パルスP3に転極すると、発報電流が継続して流れることで転極電圧−VNは低下し、転極前の回線電圧VL1を極性反転した−VL1の値をもつ転極電圧パルスP3に重畳されたこととなる。
このように発報回線に対するマイナス極性の回線電圧−VL1となる転極電圧パルスP3の重畳により、発報回線に接続している光警報装置18は、転極電圧パルスP3のパルス幅Twの間に亘り発光部を発光駆動してパルス光を発光し、これを繰り返すことで光の点滅による光警報を報知する。
また図8(B)に示すように、転極電圧パルスP3を重畳した場合、そのパルス幅Twを含む所定の時間Tiに亘り火災受信機10による火災発報及び断線監視の判断を禁止し、光制御による回線電流の変動による誤判断を防止する。
一方、非発報回線については、図8(E)に示すように、定常回線電源電圧VNをマイナス極性の電圧−VNとなる転極電圧パルスP3を重畳しており、これにより非発報回線に接続している光警報装置18は、図8(F)に示すように、低電圧パルスP3のパルス幅Twの間に亘り発光部を発光駆動してパルス光を発光し、これを繰り返すことで光の点滅による光警報を報知する。
この場合にも、図8(B)のように、転極電圧パルスP3のパルス幅Twを含む所定の時間Tiに亘り非発報回線に対する火災受信機10による火災発報及び断線監視の判断を禁止し、光制御による回線電流の変動による誤判断を防止する。
(転極電圧パルスにより動作する光警報装置)
図9は転極電圧パルスにより直接発光部を発光駆動する光警報装置の実施形態を示した回路図である。図9に示すように、本実施形態の光警報装置18は、L−C線間となる感知器回線に抵抗86と発光部36の直列回路を接続しており、発光部36はC線側をプラス、L線側をマイナスとする逆極性の回線電圧が加わると駆動電流が流れるように接続している。
図9の光警報装置18の動作は、マイナス極性となる転極電圧パルスがL−C線間となる感知器回線に重畳すると、C線、発光部36、抵抗86及びL線となる経路で駆動電流が流れ、発光部36をパルス発光する。この繰り返しにより発光部36を点滅発光して光警報を報知する。
図10は回線電圧によりコンデンサを充電した後に転極電圧パルスにより放電して発光部を点滅発光する光警報装置の他の実施形態を示した回路図である。
図10に示すように、まずコンデンサ88の充電回路として、感知器回線となるL−C線間にダイオード90、抵抗92及びコンデンサ88の直列回路を接続している。また、コンデンサ88の放電回路として、ダイオード90と抵抗92の直列回路と並列に、抵抗94と発光部36の直列回路を、相互に逆極性となるように接続している。
図10の光警報装置18の動作は次のようになる。L−C線間に転極電圧パルスP3が重畳する前の状態で加わる回線電圧又は転極電圧パルスP3の空き時間に加わる回線電圧により、抵抗92を介してコンデンサ88を充電している。
続いて、転極電圧パルスP3が重畳されると、C線側がプラス、L線側がマイナスとなることでダイオード90がオフしてコンデンサ88の充電は停止し、一方、転極電圧とコンデンサ充電電圧により発光部36が順バイアスを受けて導通し、コンデンサ88のプラス側、抵抗94、発光部36、L−C線及びコンデンサ88のマイナス側となる経路で発光部36に放電電流が流れ、発光部36をパルス発光する。この繰り返しにより発光部36を点滅発光して光警報を報知する。
なお、転極電圧パルスP3の重畳でパルス発光する図9及び図10の回路は一例であり、同様の機能を持つ適宜の回路が適用可能である。
[光警報制御装置を外付けした警報システム]
図11は受信機からの感知器回線の引き出し側に光警報制御装置を設けた警戒システムの他の実施形態を示したブロック図である。
図11に示すように、本実施形態の警報システムは、P型の自動火災警報システムを例にとっており、火災受信機10から引き出した感知器回線12−1,12−2,…12−nに複数の火災感知器14を接続し、回線終端には終端装置(終端抵抗)16を接続している。火災受信機10は、受信制御部20を備え、受信制御部20に対し感知器回線12−1〜12−nに対応した回線受信部22、表示部24、操作部26、警報部28及び移報部30を設けている。また、感知器回線12−1〜12−nには光警報装置18を接続している。
この点は図1の警報システムと同じであるが、光警報制御機能を火災受信機10に内蔵せず、火災受信機10からの感知器回線12−1〜12−nの引き出した部分の各々に、光警報制御装置100を設けている。
光警報制御装置100に対しては火災受信機10に設けた移報部30からの移報信号線を接続し、移報信号を入力可能としている。また、移報部30からは、感知器回線12−1〜12−nに対応して個別に移報信号線を接続し、回線発報単位の光警報制御を可能としている。
また、本実施形態の移報部30は、火災発報を検出した場合、又は、操作部26で光警報装置18の点検操作を行った場合に、受信制御部20の指示に基づき光警報を制御する制御信号を出力する。
また、光警報制御装置100から火災受信機10の受信制御部20に対し感知器回線12に重畳する所定の電圧パルスの検出信号を送る信号線を接続している。これにより受信制御部20は、所定の電圧パルスを重畳して光警報装置18を点滅発光している感知器回線12については、電圧パルスのパルス幅Twを含む所定時間Tiの間は、回線受信部22からの回線電流検出信号に基づく火災発報及び断線障害の判断を禁止する制御を行う。
更に、光警報制御装置100に対しては、火災受信機10側から所定の高電圧VHを供給するL2線を接続している。また、光警報制御装置100に対して、図示しないACまたはDCの電源の供給を行い、この電源から回線電源電圧VN及び高電圧VHを光警報制御装置100内で生成するようにしても良い。
図12は図11の光警報制御装置の詳細を示したブロック図である。図12に示すように、光警報制御装置100は、光警報制御部102と回線電圧制御部104を備える。
光警報制御部102は、火災発報の検出に基づき火災受信機10の移報部30から光警報を制御する制御信号を受信した場合、光警報に必要な所定のパルス幅Twをもつ光警報制御信号を所定の発光周期Tf毎に回線電圧制御部104に出力する制御を行う。光警報制御信号のパルス幅Twは例えばTw=100ミリ秒であり、周期Tfは例えばTf=2秒となる。
また、火災受信機10の操作部26で光警報装置18の点検操作を行った場合に移報部30から光警報を制御する制御信号を送信してくることから、これを受信した光警報制御部102は、火災発報の場合と同様、光警報の点検に必要な所定のパルス幅Twをもつ光警報制御信号を所定の発光周期Tf毎に回線電圧制御部104に出力する制御を行う。
回線電圧制御部104は、光警報制御部102からの光警報制御信号に基づき、感知器回線12に対し高電圧VHの高電圧パルスP1を重畳する制御を行い、感知器回線12に接続している光警報装置18に光警報を行わせる。
なお、回線電圧制御部104は、光警報制御部102からの光警報制御信号に基づき、感知器回線12に対し低電圧パルスP1を重畳する制御を行うようにしても良いし、転極電圧パルスP1を重畳する制御を行うようにしても良い。
図11の警報システムに設けた光警報制御装置100による光警報制御の動作は、感知器回線12に高電圧パルスP1を重畳する場合は図2に示したと同じになり、感知器回線12に低電圧パルスP2を重畳する場合は図6に示したと同じになり、感知器回線12に転極電圧パルスP3を重畳する場合は図8に示したと同じになり、それぞれの電圧パルスの重畳による点滅発光する光警報装置18の構成は、図4、図5、図7、図9及び図10に示したと同じになる。
[本発明の変形例]
また本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10:火災受信機
12−1〜12−n:感知器回線
14:火災感知器
16:終端装置
18:光警報装置
20:受信制御部
22:回線受信部
24:表示部
26:操作部
28:警報部
30:移報部
32,104:回線電圧制御部
36:発光部
58:無極性化回路部
68:電流制限回路部
100:光警報制御装置
102:光警報制御部

Claims (15)

  1. 受信機から引き出された所定の回線電源電圧を供給する電源供給線を兼ねた感知器回線に火災感知器を接続し、前記火災感知器で火災を検出した場合に前記感知器回線に所定の発報電流を流し、前記受信機により前記発報電流から前記感知器回線単位に火災発報を検出して火災警報を出力する警報システムに於いて、
    前記受信機に設けられ、受信制御部から光警報を制御する制御信号を受信した場合に前記感知器回線に供給する前記所定の回線電源電圧に、所定のパルス幅を持つ所定の電圧パルスを所定の発光周期毎に重畳する回線電圧制御部と、
    前記感知器回線に前記火災感知器と共に接続され、前記回線電圧制御部により重畳された前記電圧パルスを入力して発光部を発光制御する光警報装置と、
    を備え、
    前記受信機は、前記回線電圧制御部による前記所定の電圧パルスのパルス幅を含む所定時間の間、前記感知器回線による発報電流及び断線監視電流の判断を禁止することを特徴とする警報システム。
  2. 受信機から引き出された所定の回線電源電圧を供給する電源供給線を兼ねた感知器回線に火災感知器を接続し、前記火災感知器で火災を検出した場合に前記感知器回線に所定の発報電流を流し、前記受信機により前記発報電流に基づき前記感知器回線単位に火災発報を検出して火災警報を出力する警報システムに於いて、
    前記受信機と前記感知器回線との間に接続され、前記受信機から光警報を制御する制御信号を受信した場合に、前記感知器回線に供給する前記所定の回線電源電圧に、所定のパルス幅を持つ所定のパルス電圧を所定の発光周期毎に重畳する回線電圧制御部を備えた光警報制御装置と、
    前記感知器回線に前記火災感知器と共に接続され、前記光警報制御装置により重畳された前記パルス電圧を入力して発光部を発光制御する光警報装置と、
    を備え、
    前記受信機は、前記回線電圧制御部による前記所定の電圧パルスのパルス幅を含む所定時間の間、前記感知器回線による発報電流及び断線監視電流の判断を禁止することを特徴とする警報システム。
  3. 請求項1又は2記載の警報システムに於いて、
    前記回線電圧制御部は、前記感知器回線に供給する前記所定の回線電源電圧に、当該所定の回線電源電圧より高い電圧の高電圧パルスを重畳し、
    前記光警報装置は、前記高電圧パルスにより発光部を直接発光駆動するか、又は、前記高電圧パルスによりコンデンサを充電し、前記高電圧パルスが断たれた場合に前記コンデンサの放電により前記発光部を発光駆動する回路部を備えたことを特徴とする警報システム。
  4. 請求項1又は2記載の警報システムに於いて、
    前記回線電圧制御部は、前記感知器回線に供給する前記所定の回線電源電圧に、当該所定の回線電源電圧より低い電圧の低電圧パルスを重畳し、
    前記光警報装置は、前記回線電源電圧によりコンデンサを充電し、前記低電圧パルスが得られた場合に前記コンデンサの放電により前記発光部を発光駆動する回路部を備えたことを特徴とする警報システム。
  5. 請求項1又は2記載の警報システムに於いて、
    前記回線電圧制御部は、前記所定の回線電源電圧を転極した転極電圧パルスを前記感知器回線に重畳し、
    前記光警報装置は、前記転極電圧パルスにより発光部を直接発光駆動するか、又は、前記所定の回線電源電圧によりコンデンサを充電し、前記転極電圧パルスが得られた場合に前記コンデンサの放電により前記発光部を発光駆動する回路部を備えたことを特徴とする警報システム。
  6. 受信機から引き出された所定の回線電源電圧を供給する電源供給線を兼ねた感知器回線に火災感知器を接続し、前記火災感知器で火災を検出した場合に前記感知器回線に所定の発報電流を流し、前記受信機により前記発報電流から前記感知器回線単位に火災発報を検出して火災警報を出力する警報システムに於いて、
    前記受信機に設けられ、受信制御部から光警報を制御する制御信号を受信した場合に前記感知器回線に供給する前記所定の回線電源電圧に、所定のパルス幅を持つ所定の電圧パルスを所定の発光周期毎に重畳する回線電圧制御部と、
    前記感知器回線に前記火災感知器と共に接続され、前記回線電圧制御部により重畳された前記電圧パルスを入力して発光部を発光制御する光警報装置と、
    を備え、
    前記回線電圧制御部は、前記感知器回線に供給する前記所定の回線電源電圧に、当該所定の回線電源電圧より高い電圧の高電圧パルスを重畳し、
    前記光警報装置は、前記高電圧パルスにより発光部を直接発光駆動する回路部を備えたことを特徴とする警報システム。
  7. 受信機から引き出された所定の回線電源電圧を供給する電源供給線を兼ねた感知器回線に火災感知器を接続し、前記火災感知器で火災を検出した場合に前記感知器回線に所定の発報電流を流し、前記受信機により前記発報電流に基づき前記感知器回線単位に火災発報を検出して火災警報を出力する警報システムに於いて、
    前記受信機と前記感知器回線との間に接続され、前記受信機から光警報を制御する制御信号を受信した場合に、前記感知器回線に供給する前記所定の回線電源電圧に、所定のパルス幅を持つ所定のパルス電圧を所定の発光周期毎に重畳する回線電圧制御部を備えた光警報制御装置と、
    前記感知器回線に前記火災感知器と共に接続され、前記光警報制御装置により重畳された前記パルス電圧を入力して発光部を発光制御する光警報装置と、
    を備え、
    前記回線電圧制御部は、前記感知器回線に供給する前記所定の回線電源電圧に、当該所定の回線電源電圧より高い電圧の高電圧パルスを重畳し、
    前記光警報装置は、前記高電圧パルスにより発光部を直接発光駆動する回路部を設けたことを特徴とする警報システム。
  8. 請求項6又は7記載の警報システムに於いて、前記火災感知器は、前記感知器回線に前記高電圧パルスが重畳された場合に前記発報電流を所定値に制限する電流制限部を設けたことを特徴とする警報システム。
  9. 受信機から引き出された所定の回線電源電圧を供給する電源供給線を兼ねた感知器回線に火災感知器を接続し、前記火災感知器で火災を検出した場合に前記感知器回線に所定の発報電流を流し、前記受信機により前記発報電流から前記感知器回線単位に火災発報を検出して火災警報を出力する警報システムに於いて、
    前記受信機に設けられ、受信制御部から光警報を制御する制御信号を受信した場合に前記感知器回線に供給する前記所定の回線電源電圧に、所定のパルス幅を持つ所定の電圧パルスを所定の発光周期毎に重畳する回線電圧制御部と、
    前記感知器回線に前記火災感知器と共に接続され、前記回線電圧制御部により重畳された前記電圧パルスを入力して発光部を発光制御する光警報装置と、
    を備え、
    前記回線電圧制御部は、前記感知器回線に供給する前記所定の回線電源電圧に、当該所定の回線電源電圧より高い電圧の高電圧パルスを重畳し、
    前記光警報装置は、前記高電圧パルスにより発光部を直接発光駆動するか、又は、前記高電圧パルスによりコンデンサを充電し、前記高電圧パルスが断たれた場合に前記コンデンサの放電により前記発光部を発光駆動する回路部を設け、
    前記火災感知器は、前記感知器回線に前記高電圧パルスが重畳された場合に前記発報電流を所定値に制限する電流制限部を設けたことを特徴とする警報システム。
  10. 受信機から引き出された所定の回線電源電圧を供給する電源供給線を兼ねた感知器回線に火災感知器を接続し、前記火災感知器で火災を検出した場合に前記感知器回線に所定の発報電流を流し、前記受信機により前記発報電流に基づき前記感知器回線単位に火災発報を検出して火災警報を出力する警報システムに於いて、
    前記受信機と前記感知器回線との間に接続され、前記受信機から光警報を制御する制御信号を受信した場合に、前記感知器回線に供給する前記所定の回線電源電圧に、所定のパルス幅を持つ所定のパルス電圧を所定の発光周期毎に重畳する回線電圧制御部を備えた光警報制御装置と、
    前記感知器回線に前記火災感知器と共に接続され、前記光警報制御装置により重畳された前記パルス電圧を入力して発光部を発光制御する光警報装置と、
    を設け、
    前記回線電圧制御部は、前記感知器回線に供給する前記所定の回線電源電圧に、当該所定の回線電源電圧より高い電圧の高電圧パルスを重畳し、
    前記光警報装置は、前記高電圧パルスにより発光部を直接発光駆動するか、又は、前記高電圧パルスによりコンデンサを充電し、前記高電圧パルスが断たれた場合に前記コンデンサの放電により前記発光部を発光駆動する回路部を設け、
    前記火災感知器は、前記感知器回線に前記高電圧パルスが重畳された場合に前記発報電流を所定値に制限する電流制限部を設けたことを特徴とする警報システム。
  11. 請求項8乃至10の何れかに記載の警報システムに於いて、前記電流制限部を感知器ベースに設けたことを特徴とする警報システム。
  12. 受信機から引き出された所定の回線電源電圧を供給する電源供給線を兼ねた感知器回線に火災感知器を接続し、前記火災感知器で火災を検出した場合に前記感知器回線に所定の発報電流を流し、前記受信機により前記発報電流から前記感知器回線単位に火災発報を検出して火災警報を出力する警報システムに於いて、
    前記受信機に設けられ、受信制御部から光警報を制御する制御信号を受信した場合に前記感知器回線に供給する前記所定の回線電源電圧に、所定のパルス幅を持つ所定の電圧パルスを所定の発光周期毎に重畳する回線電圧制御部と、
    前記感知器回線に前記火災感知器と共に接続され、前記回線電圧制御部により重畳された前記電圧パルスを入力して発光部を発光制御する光警報装置と、
    を備え、
    前記回線電圧制御部は、前記所定の回線電源電圧を転極した転極電圧パルスを前記感知器回線に重畳し、
    前記光警報装置は、前記転極電圧パルスにより発光部を直接発光駆動するか、又は、前記所定の回線電源電圧によりコンデンサを充電し、前記転極電圧パルスが得られた場合に前記コンデンサの放電により前記発光部を発光駆動する回路部を備えたことを特徴とする警報システム。
  13. 受信機から引き出された所定の回線電源電圧を供給する電源供給線を兼ねた感知器回線に火災感知器を接続し、前記火災感知器で火災を検出した場合に前記感知器回線に所定の発報電流を流し、前記受信機により前記発報電流に基づき前記感知器回線単位に火災発報を検出して火災警報を出力する警報システムに於いて、
    前記受信機と前記感知器回線との間に接続され、前記受信機から光警報を制御する制御信号を受信した場合に、前記感知器回線に供給する前記所定の回線電源電圧に、所定のパルス幅を持つ所定のパルス電圧を所定の発光周期毎に重畳する回線電圧制御部を備えた光警報制御装置と、
    前記感知器回線に前記火災感知器と共に接続され、前記光警報制御装置により重畳された前記パルス電圧を入力して発光部を発光制御する光警報装置と、
    を備え、
    前記回線電圧制御部は、前記所定の回線電源電圧を転極した転極電圧パルスを前記感知器回線に重畳し、
    前記光警報装置は、前記転極電圧パルスにより発光部を直接発光駆動するか、又は、前記所定の回線電源電圧によりコンデンサを充電し、前記転極電圧パルスが得られた場合に前記コンデンサの放電により前記発光部を発光駆動する回路部を備えたことを特徴とする警報システム。
  14. 受信機から引き出された所定の回線電源電圧を供給する電源供給線を兼ねた感知器回線に火災感知器を接続し、前記火災感知器で火災を検出した場合に前記感知器回線に所定の発報電流を流し、前記受信機により前記発報電流から前記感知器回線単位に火災発報を検出して火災警報を出力する警報システムに於いて、
    前記受信機に設けられ、受信制御部から光警報を制御する制御信号を受信した場合に前記感知器回線に供給する前記所定の回線電源電圧に、所定のパルス幅を持つ所定の電圧パルスを所定の発光周期毎に重畳する回線電圧制御部と、
    前記感知器回線に前記火災感知器と共に接続され、前記回線電圧制御部により重畳された前記電圧パルスを入力して発光部を発光制御する光警報装置と、
    を備え、
    前記回線電圧制御部は、前記感知器回線に供給する前記所定の回線電源電圧に、当該所定の回線電源電圧より低い電圧の低電圧パルスを重畳し、
    前記光警報装置は、前記回線電源電圧によりコンデンサを充電し、前記低電圧パルスが得られた場合に前記コンデンサの放電により前記発光部を発光駆動する回路部を備えたことを特徴とする警報システム。
  15. 受信機から引き出された所定の回線電源電圧を供給する電源供給線を兼ねた感知器回線に火災感知器を接続し、前記火災感知器で火災を検出した場合に前記感知器回線に所定の発報電流を流し、前記受信機により前記発報電流に基づき前記感知器回線単位に火災発報を検出して火災警報を出力する警報システムに於いて、
    前記受信機と前記感知器回線との間に接続され、前記受信機から光警報を制御する制御信号を受信した場合に、前記感知器回線に供給する前記所定の回線電源電圧に、所定のパルス幅を持つ所定のパルス電圧を所定の発光周期毎に重畳する回線電圧制御部を備えた光警報制御装置と、
    前記感知器回線に前記火災感知器と共に接続され、前記光警報制御装置により重畳された前記パルス電圧を入力して発光部を発光制御する光警報装置と、
    を備え、
    前記回線電圧制御部は、前記感知器回線に供給する前記所定の回線電源電圧に、当該所定の回線電源電圧より低い電圧の低電圧パルスを重畳し、
    前記光警報装置は、前記回線電源電圧によりコンデンサを充電し、前記低電圧パルスが得られた場合に前記コンデンサの放電により前記発光部を発光駆動する回路部を備えたことを特徴とする警報システム。
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