JP6556669B2 - 板状部材の加工装置、板状部材の加工システム、および、板状部材の加工方法、並びに、板状部材の接合方法 - Google Patents

板状部材の加工装置、板状部材の加工システム、および、板状部材の加工方法、並びに、板状部材の接合方法 Download PDF

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本発明は、所定の姿勢で搬送された板状部材に後工程で用いられる加工面を形成する板状部材の加工装置およびその加工方法、並びに、板状部材の加工装置によって加工面が形成された板状部材を他の板状部材に接合する板状部材の加工システムおよびその接合方法に関する。
特開昭63−60701号公報(特許文献1)には、板状部材としてのベニヤ単板の繊維方向端縁部同士を接合する接合方法が記載されている。当該ベニヤ単板の接合方法では、先行のベニヤ単板の繊維方向端縁部のうち搬送方向後側の後端縁部と、後続のベニヤ単板の繊維方向端縁部のうち搬送方向前側の前端縁部と、を光電的に直接検知することによって先行のベニヤ単板の後端縁部および後続のベニヤ単板の前端縁部の位置ずれ偏差を計測し、当該偏差分だけ後続のベニヤ単板を移動させて両ベニヤ単板を適正な接合位置に位置決めする構成としている。
特開昭63−60701号公報
ところで、ベニヤ単板のような木材は節を有しており、当該節が繊維方向端縁部に存在した場合には接合面が適切な形状に形成されない場合がある。また、ベニヤ単板のように厚さが薄い板状部材の繊維方向端縁部に接合面を形成する際には欠けが生じやすく、この場合においても接合面が適切な形状に形成されない。さらに、ベニヤ単板のように厚さが薄い板状部材では、繊維方向端縁部に反りが生じやすい。このように、接合面が適切な形状に形成されなかったり、接合面が反り返っていると、上述した公報に記載の板状部材の接合方法では、ベニヤ単板の繊維方向端縁部の位置ずれ偏差を正確に計測することができず、両ベニヤ単板の正確な位置決めが困難となる場合が生じる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、板状部材の端縁部の位置を簡易かつ正確に把握でき、適正な状態で板状部材を後工程に搬送することができる技術を提供することを目的とする。
本発明の板状部材の加工装置、板状部材の加工システム、板状部材の加工方法、および、板状部材の接合方法は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明に係る板状部材の加工装置の好ましい形態によれば、所定の姿勢で搬入された板状部材に後工程で用いられる加工面を形成する板状部材の加工装置が構成される。当該板状部材の加工装置では、搬送部と、加工部と、印付与部と、を備えている。搬送部は、所定の姿勢を維持した状態で板状部材を固定可能に構成されていると共に、所定の姿勢を維持した状態で板状部材を後工程に向けて搬送可能に構成されている。加工部は、搬送部によって固定された板状部材の繊維方向に直交する方向に延在する一方の端縁部である第1端縁部であって、搬送部の所定箇所を基準として当該所定箇所から第1距離の位置に加工面を形成するように構成されている。印付与部は、搬送部によって固定された板状部材に、搬送部の所定箇所から第1端縁部側または板状部材の繊維方向に直交する方向に延在する他方の端縁部である第2端縁部側に向かって第2距離の位置に印を付すように構成されている。
ここで、本発明における「板状部材」には、「単板」や「合板」などの木材系板材の他、「断熱材」や「石膏」、「石綿ボード」などが好適に包含される。また、本発明における「後工程」には、本発明に係る板状部材の加工装置によって加工された加工面を用いて板状部材同士の接合を行う接合工程の他、当該加工面を基準として板状部材に他の加工(例えば、穴あけ加工や切削加工など)を行う工程などが好適に包含される。
本発明によれば、板状部材の第1端縁部であって、搬送部の所定箇所を基準にして当該所定箇所から第1距離の位置に後工程で用いられる加工面を形成すると共に所定箇所から第1端縁部側または第2端縁部側に向かって第2距離の位置に印を付す構成であるため、当該印の位置に基づいて加工面の位置を間接的に求めることができる。これにより、例えば、加工面に節が存在したり、加工面に欠けが生じたり、あるいは、加工面に反りが生じた場合であっても、加工面、即ち、板状部材の端縁部の位置を正確に把握することができる。なお、印の位置に基づいて加工面の位置を求めるのみであるため簡易である。この結果、適正な状態で板状部材を後工程に搬送することができる。
本発明に係る板状部材の加工装置の更なる形態によれば、搬送部は、所定の姿勢を維持した状態で板状部材を把持可能な把持部を有している。また、加工部は、把持部によって板状部材が把持された状態で当該板状部材に加工面を形成するように構成されている。そして、印付与部は、把持部によって板状部材が把持された状態で当該板状部材に印を付与するように構成されている。
本形態によれば、把持部によって把持された板状部材に加工面を形成すると共に印を付与する構成であるため、加工面および印の相対的な位置関係に誤差が生じ難い。これにより、印の位置に基づく加工面の位置の把握をより正確に行うことができる。
本発明に係る板状部材の加工装置の更なる形態によれば、印付与部は、加工面に近接した位置に印を付与するように構成されている。ここで、本発明における「加工面に近接した位置」とは、板状部材の主面と加工面との境界線(加工面がスカーフ面の場合には、斜面頭頂部がこれに該当)に近接した位置として規定され、当該境界線を含む概念である。
本形態によれば、板状部材に伸縮変形が生じた場合であっても印と加工面との相対的な位置関係に誤差が生じ難いため、印の位置に基づく加工面の位置の把握をより正確に行うことができる。
本発明に係る板状部材の加工装置の更なる形態によれば、印付与部は、搬送部の所定箇所から第1端縁部側であって、第2距離が第1距離の1/2以上となる位置に印を付与するように構成されている。
本形態によれば、板状部材に伸縮変形が生じた場合であっても印と加工面との相対的な位置関係に誤差が生じ難いため、印の位置に基づく加工面の位置の把握をより正確に行うことができる。
本発明に係る板状部材の加工装置の更なる形態によれば、搬送部は、加工部に板状部材を搬送する途中において当該板状部材を所定の姿勢を維持した状態で位置決め固定可能な固定部をさらに有している。当該固定部は、把持部よりも第1端縁部側において板状部材を把持するように構成されている。そして、加工部は、固定部によって位置決め固定された状態で板状部材に加工面を形成するように構成されている。
本形態によれば、より安定した状態で加工面の加工を行うことができるため、加工面をより適正な形状に形成することができる。
本発明に係る板状部材の加工装置の更なる形態によれば、把持部は、所定の姿勢で搬入された板状部材を当該所定の姿勢を維持した状態で把持しながら加工部まで搬送する第1把持部と、所定の姿勢を維持した状態で第1把持部から板状部材を受け取って当該所定の姿勢を維持した状態で把持しながら板状部材を加工部から後工程に向けて搬送する第2把持部と、を有している。そして、加工部は、第2把持部の所定箇所から第1距離の位置に加工面を形成するように構成されており、印付与部は、第2把持部の所定箇所から第1端縁部側または第2端縁部側に向かって第2距離の位置に印を付すように構成されている。
本形態によれば、第2把持部によって所定の姿勢を維持した状態で板状部材を把持しながら加工面を加工している間に、第1把持部によって所定の姿勢で搬入された板状部材を加工部に向けて搬送する準備を行うことができるため、単板搬送効率の向上が見込める。
本発明に係る板状部材の加工装置の更なる形態によれば、印付与部は、搬送部が板状部材を後工程に向けて搬送している最中に印を付すように構成されている。ここで、本発明における「搬送している最中」とは、搬送部による板状部材の搬送を停止して印を付すのではなく、板状部材を搬送しながら印を付す態様がこれに該当する。
本形態によれば、板状部材の搬送を停止することなく印を付すことができるため、加工時間の短縮を図ることができる。
本発明に係る板状部材の加工装置の更なる形態によれば、印付与部は、板状部材の色とは異なる色をもって板状部材に印を付すように構成されている。
本形態によれば、印を正確に検知することができるため、当該印に基づく板状部材の端縁部の位置把握をより正確に行うことができる。
本発明に係る第1の板状部材の加工システムの好ましい形態によれば、上述したいずれかの態様の本発明に係る板状部材の加工装置と、当該加工装置によって加工された板状部材としての第1板状部材および第2加工面が形成された第2板状部材を一体にするように構成された接合装置と、当該接合装置よりも搬送方向上流側に配置された第1搬送装置と、当該接合装置よりも搬送方向下流側に配置された第2搬送装置と、印を検知可能に構成された第1検知部と、接合装置、第1搬送装置および第2搬送装置を制御する制御装置と、を備えている。加工装置は、第1板状部材に加工面としての第1加工面を形成すると共に印を付すように構成されている。また、接合装置は、第1板状部材の第1加工面と第2板状部材の第2加工面とを接合するように構成されていす。さらに、第1搬送装置は、第1加工面側が搬送方向下流側を向いた状態で第1板状部材が搬入されるように構成されていると共に、第1板状部材を接合装置に向けて搬送するように構成されている。また、第2搬送装置は、第2加工面が接合準備位置に位置決めされた状態で第2板状部材を設置可能に構成されている。そして、制御装置は、第1検知部によって第1板状部材の印が検知された際、当該第1板状部材の印に基づいて第1板状部材の第1加工面と接合準備位置との第1偏差を算出し、当該第1偏差分だけ第1板状部材を搬送後に停止するように第1搬送装置を制御すると共に、第1板状部材の第1加工面と第2板状部材の第2加工面とを接合するように接合装置を制御する。ここで、本発明における「第2加工面が形成された第2板状部材」には、本発明に係る板状部材の加工装置によって第2加工面が形成された第2板状部材のみならず、他の加工装置によって第2加工面が形成された第2板状部材を好適に包含する。
本発明によれば、上述したいずれかの態様の本発明に係る板状部材の加工装置を備える構成であるため、本発明の板状部材の加工装置が奏する効果と同様の効果、例えば、板状部材の端縁部の位置を簡易かつ正確に把握することができ、適正な状態で板状部材を後工程に搬送することができる効果などを奏することができる。これにより、適正な位置関係で第1板状部材の第1加工面および第2板状部材の第2加工面を当接させた状態で第1および第2板状部材の接合を行うことができる。即ち、適正な状態で板状部材同士を延在方向に接合することができる。この結果、板状部材の接合体の接合強度低下を抑制できるため、品質の向上を図ることができる。
第1板状部材の第1加工面および第2板状部材の第2加工面を当接させて第1および第2板状部材を接合する態様の本発明に係る第1の板状部材の加工システムの更なる形態によれば、第1検知部は、接合準備位置から搬送方向上流側に第3距離の位置に配置されている。そして、制御装置は、第1偏差を第1板状部材の第1および第2距離と、第3距離と、に基づいて算出するように構成されている。
本形態によれば、第1板状部材の印を検知した際に第1板状部材の第1および第2距離と、第3距離と、に基づいて第1板状部材の第1加工面と接合準備位置との第1偏差を算出し、当該第1偏差分だけ第1板状部材を移動させるのみであるため、第1板状部材の位置決めを簡易に行うことができる。
第1板状部材の第1加工面および第2板状部材の第2加工面を当接させて第1および第2板状部材を接合する態様の本発明に係る第1の板状部材の加工システムの更なる形態によれば、接合準備位置よりも搬送方向下流側に配置された第2検知部をさらに備えている。加工装置は、第1板状部材の第2端縁部であって、搬送部の所定箇所を基準として当該所定箇所から第4距離の位置に加工面としての第3加工面を形成するように構成されている。そして、制御装置は、第1板状部材と第2板状部材とが接合された後、第1および第2板状部材の接合体を搬送方向下流側に搬送するように第1および第2搬送装置を制御すると共に、第2検知部によって第1板状部材の印が検知された際、当該第1板状部材の印に基づいて第1板状部材の第3加工面と接合準備位置との第2偏差を算出し、当該第2偏差分だけ接合体を搬送した後に停止するように第1および第2搬送装置を制御する。
本形態によれば、第1板状部材と第2板状部材との接合体にさらに第3板状部材を接合する構成、即ち、板状部材を搬送方向に連続して接合する構成とした場合であっても、適正な位置で板状部材の接合を行うことができる。
第1および第2板状部材の接合体を接合準備位置に位置決めする態様の本発明に係る第1の板状部材の加工システムの更なる形態によれば、第2検知部は、接合準備位置から搬送方向下流側に第5距離の位置に配置されている。そして、制御装置は、第2偏差を第1板状部材の第2および第4距離と、第5距離と、に基づいて算出するように構成されている。
本形態によれば、第2検知部によって第1板状部材の印が検知された際に、第1板状部材の第2および第4距離と、第5距離と、に基づいて第3加工面と接合準備位置との第2偏差を算出し、当該第2偏差分だけ第1および第2板状部材の接合体を移動させるのみであるため、次なる接合に向けての当該接合体の位置決めを簡易に行うことができる。
本発明に係る第1の板状部材の加工システムの更なる形態によれば、加工部は、第1板状部材の第1加工面および第2板状部材の第2加工面をスカーフ形状に形成するように構成されている。また、第1板状部材の第1加工面および第2板状部材の第2加工面は、互いに平行となるように構成されている。そして、接合装置は、第1板状部材の第1加工面および第2板状部材の第2加工面をスカーフ接合するように構成されている。
本形態によれば、特に板状部材同士をスカーフ接合する構成における本発明の効果をより顕著なものとすることができる。
本発明に係る第2の板状部材の加工システムの好ましい形態によれば、上述したいずれかの態様の本発明に係る板状部材の加工装置と、当該加工装置によって加工された板状部材を後工程に設定された設置基準位置に向けて搬送する搬送装置と、印を検知可能に構成された検知部と、搬送装置を制御する制御装置と、を備えている。加工装置は、当該加工装置の搬送部によって搬送装置に向けて搬送される板状部材に、付された印から第1または第2端縁部側に向かって第4距離の位置に第2印を付すように構成されている。また、検知部は、設置基準位置から第3距離の位置に配置されると共に、第2印を検知可能に構成されている。そして、制御装置は、検知部によって印および第2印が検知された際、第1、第2、第3および第4距離に基づいて加工面の設置基準位置に対する状態を推定し、推定した加工面の状態に基づいて板状部材を搬送するように搬送装置を制御する。
本発明によれば、上述したいずれかの態様の本発明に係る板状部材の加工装置を備える構成であるため、本発明の板状部材の加工装置が奏する効果と同様の効果、例えば、加工面、即ち、板状部材の端縁部の位置を簡易かつ正確に把握することができる効果などを奏することができる。また、仮に、板状部材が搬送中に姿勢が崩れたり、あるいは、湿気や乾燥などによって板状部材に伸縮変形が発生した場合であっても、印および第2印に基づいてこれらの発生を推定して、当該推定した板状部材の状態に基づいて当該板状部材の後工程への搬送を中止したり、あるいは、板状部材の状態を補正したうえで当該板状部材を設置基準位置に位置決めしたりすることができる。これにより、姿勢が崩れた状態、あるいは、不適切な位置関係で板状部材が後工程に搬送されることを良好に防止できる。
本発明に係る第3の板状部材の加工システムの好ましい形態によれば、板状部材としての第1および第2板状部材それぞれに加工面としての第1加工面を形成すると共に印を付すように構成された上述したいずれかの態様の本発明に係る板状部材の加工装置と、当該加工装置によって加工された第1板状部材および第2板状部材を接合するように構成された第1接合装置と、第1および第2板状部材を第1接合装置に向けて搬送するように構成された第1搬送装置と、第1および第2板状部材を加工装置から第1搬送装置に受け渡すように構成された第1受渡装置と、第1接合装置,第1搬送装置および第1受渡装置を制御する制御装置と、を備えている。第1受渡装置は、第1接合装置の所定個所から第3距離の位置に設定された受渡位置に、第1および第2板状部材の第1加工面を整合させた状態で、第1および第2板状部材を加工装置から第1搬送装置に受け渡すように構成されている。また、第1受渡装置は、第1板状部材上に第2板状部材が積層される態様で加工装置から第1搬送装置に第1および第2板状部材を受け渡すように構成されている。そして、制御装置は、まず、第1板状部材を第1搬送装置に受け渡すように第1受渡装置を制御し、次に、受け渡された第1板状部材を第1接合装置の所定個所から第4距離の位置であって受渡位置よりも搬送方向下流側に設定された積層準備位置に向けて搬送するように第1搬送装置を制御し、第1検知部によって第1板状部材の印が検知された際に、当該第1板状部材の印に基づいて第1板状部材の第1加工面と積層準備位置との第1偏差を算出して、当該第1偏差分だけ第1板状部材を搬送後に停止するように第1搬送装置を制御すると共に、積層準備位置に位置決めされた第1板状部材上に第2板状部材を積層するべく第2板状部材を第1搬送装置に受け渡すように第1受渡装置を制御し、最後に、積層された第1および第2板状部材を第1接合装置に搬送すると共に当該第1接合装置によって第1および第2板状部材を積層接合するように第1搬送装置および第1接合装置を制御する。
ここで、本発明における「第1板状部材上に第2板状部材が積層される態様」としては、第1板状部材の鉛直上方から第2板状部材が積層される態様の他、第1板状部材の鉛直下方から第2板状部材が積層される態様を好適に包含する。
本発明によれば、上述したいずれかの態様の本発明に係る板状部材の加工装置を備える構成であるため、本発明の板状部材の加工装置が奏する効果と同様の効果、例えば、加工面、即ち、板状部材の端縁部の位置を簡易かつ正確に把握することができ、適正な状態で板状部材を後工程に搬送することができる効果などを奏することができる。これにより、適正な位置関係で第1および第2板状部材を積層させた状態で第1および第2板状部材の接合を行うことができる。即ち、適正な状態で板状部材同士を厚み方向に積層して接合することができる。
第1および第2板状部材を積層接合する態様の本発明に係る第3の板状部材の加工システムの更なる形態によれば、第1検知部は、第1接合装置の所定個所から搬送方向上流側に向かって第5距離の位置に配置されている。そして、制御装置は、第1偏差を第1板状部材の第1および第2距離と、第4距離と、第5距離と、に基づいて算出するように構成されている。
本形態によれば、第1検知部によって第1板状部材の印が検知された際に、第1板状部材の第1および第2距離と、第4距離と、第5距離と、に基づいて第1加工面と積層準備位置との第1偏差を算出し、当該第1偏差分だけ第1板状部材を移動させるのみであるため、第1板状部材の位置決めを簡易に行うことができる。
本発明に係る第3の板状部材の加工システムの更なる形態によれば、加工装置は、板状部材としての第3板状部材に第1加工面を形成すると共に印を付すように構成されている。また、第1受渡装置は、第3板状部材の第1加工面を受渡位置に整合させた状態、かつ、第1および第2板状部材の積層接合体における当該第2板状部材上に積層される態様で加工装置から第1搬送装置に第3板状部材を受け渡すように構成されている。そして、制御装置は、第1および第2板状部材を積層接合後、第1および第2板状部材の積層接合体を搬送方向上流側に向けて搬送するように第1搬送装置を制御し、第1検知部によって第2板状部材の印が検知された際、当該第2板状部材の当該印に基づいて第2板状部材の第1加工面と積層準備位置との第2偏差を算出して、第2偏差分だけ第1および第2板状部材の積層接合体を搬送後に停止するように第1搬送装置を制御すると共に、積層準備位置に位置決めされた第1および第2板状部材の積層接合体上に第3板状部材を積層するべく第3板状部材を第1搬送装置に受け渡すように第1受渡装置を制御して、積層された第1、第2および第3板状部材を第1接合装置に搬送すると共に第1および第2板状部材の積層接合体に第3板状部材を積層接合するように第1搬送装置および第1接合装置を制御する。
本形態によれば、第1板状部材と第2板状部材との積層接合体にさらに第3板状部材を積層接合する構成、即ち、板状部材を厚み方向に連続して積層接合する構成とした場合であっても、適正な位置で板状部材の接合を行うことができる。
本発明に係る第3の板状部材の加工システムの更なる形態によれば、加工装置は、板状部材としての第4板状部材の第2端縁部であって、搬送部の所定箇所を基準として当該所定箇所から第6距離の位置に加工面としての第4加工面を形成するように構成されている。そして、第1および第2板状部材の積層接合体のうち第1板状部材の第1加工面に第4板状部材の第4加工面を当接させて当該積層接合体に第4板状部材を接合するように構成された第2接合装置と、第1および第2板状部材の積層接合体を第2接合装置に向けて搬送する第2搬送装置と、第1および第2板状部材それぞれに付された印を検知可能に構成された第2検知部と、第4板状部材を第2搬送装置に受け渡すように構成された第2受渡装置と、をさらに備えている。なお、第2受渡装置は、第2接合装置の所定個所から第7距離の位置に設定された接合準備位置に、第4板状部材の第4加工面を整合させた状態で、第4板状部材を第2搬送装置に受け渡すように構成されている。そして、制御装置は、まず、第1および第2板状部材の積層接合体を接合準備位置に向けて搬送するように第2搬送装置を制御すると共に、第2検知部によって第1板状部材の印が検知された際、当該第1板状部材の印に基づいて第1板状部材の第1加工面と接合準備位置との第3偏差を算出し、次に、当該第3偏差分だけ第1および第2板状部材の積層接合体を搬送後に停止するように第2搬送装置を制御すると共に、第4板状部材を第2搬送装置に受け渡すように第2受渡装置を制御して、第1板状部材の第1加工面と第4板状部材の第4加工面とを当接させ、最後に、第1および第2板状部材の積層接合体に第4板状部材を接合するように第2接合装置を制御する。
ここで、本発明における「第2接合装置」、「第2搬送装置」および「第2受渡装置」のそれぞれは、本発明における「第1接合装置」、「第1搬送装置」および「第1受渡装置」のそれぞれと構成および配置のいずれにおいても相違する態様のみならず、本発明における「第1接合装置」、「第1搬送装置」および「第1受渡装置」のそれぞれと同じ構成であるが本発明における「第1接合装置」、「第1搬送装置」および「第1受渡装置」のそれぞれとは別に設けられる態様、あるいは、本発明における「第1接合装置」、「第1搬送装置」および「第1受渡装置」のそれぞれと構成および配置のいずれにおいても同じ、即ち、本発明における「第1接合装置」、「第1搬送装置」および「第1受渡装置」のそれぞれが本発明における「第2接合装置」、「第2搬送装置」および「第2受渡装置」のそれぞれの機能を兼用する態様を好適に包含する。
本形態によれば、第1板状部材と第2板状部材との積層接合体の搬送方向端部側にさらに第4板状部材を接合する構成とした場合であっても、適正な位置で板状部材の接合を行うことができる。
本発明に係る第3の板状部材の加工システムの更なる形態によれば、第2検知部は、第2接合装置の所定個所から第8距離の位置に配置されている。そして、制御装置は、第3偏差を第1板状部材の第1および第2距離と、第7距離と、第8距離と、に基づいて算出するように構成されている。
本形態によれば、第2検知部によって印が検知された際に、第1板状部材の第1および第2距離と、第7距離と、第8距離と、に基づいて第1板状部材の第1加工面と接合準備位置との第3偏差を算出し、当該第3偏差分だけ第1および第2板状部材の積層接合体を移動させるのみであるため、第1および第2板状部材の積層接合体の位置決めを簡易に行うことができる。
本発明に係る第3の板状部材の加工システムの更なる形態によれば、加工装置は、板状部材としての第5板状部材の第2端縁部であって搬送部の所定箇所を基準として当該所定箇所から第6距離の位置に第4加工面を形成するように構成されている。また、第2接合装置は、第1および第2板状部材の積層接合体のうち第2板状部材の第1加工面に第5板状部材の第4加工面を当接させて、第1、第2および第4板状部材の第2積層接合体に第5板状部材を接合するように構成されている。そして、制御装置は、第1および第2板状部材の積層接合体に第4板状部材を接合後、第1、第2および第4板状部材の第2積層接合体を搬送方向上流側に向けて搬送するように第2搬送装置を制御すると共に、第2検知部によって第2板状部材の印が検知された際、当該第2板状部材の当該印に基づいて第2板状部材の第1加工面と接合準備位置との第4偏差を算出し、当該第4偏差分だけ第2積層接合体を搬送後に停止するように第2搬送装置を制御して、第2板状部材の第1加工面と第5板状部材の第4加工面とを当接させ、第2積層接合体に第5板状部材を接合するように第2接合装置を制御する。
本形態によれば、第1、第2および第4板状部材の第2積層接合体の搬送方向端部側であって第4板状部材上にさらに第5板状部材を接合する構成とした場合であっても、適正な位置で板状部材の接合を行うことができる。
本発明に係る板状部材の加工方法の好ましい形態によれば、搬送部によって後工程に向けて搬送される板状部材に後工程で用いられる加工面を形成する板状部材の加工方法が構成される。当該板状部材の加工方法は、(a)板状部材を所定の姿勢で搬入する工程と、(b)所定の姿勢で搬入された板状部材を搬送部によって所定の姿勢を維持した状態で後工程に向けて搬送する工程と、(c)所定の姿勢を維持した状態で後工程に向けて搬送される板状部材の繊維方向に直交する方向に延在する一方の端縁部である第1端縁部であって、搬送部の所定箇所を基準として当該所定箇所から第1距離の位置に加工面を形成すると共に、搬送部の所定箇所から第1端縁部側または板状部材の繊維方向に直交する方向に延在する他方の端縁部である第2端縁部側に向かって第2距離の位置に印を付する工程と、を備えている。
本発明によれば、板状部材の第1端縁部であって、搬送部の所定箇所を基準にして当該所定箇所から第1距離の位置に後工程で用いられる加工面を形成すると共に所定箇所から第1端縁部側または第2端縁部側に向かって第2距離の位置に印を付す構成であるため、当該印の位置に基づいて加工面の位置を間接的に求めることができる。これにより、例えば、加工面に節が存在したり、加工面に欠けが生じたり、あるいは、加工面に反りが生じた場合であっても、加工面、即ち、板状部材の端縁部の位置を正確に把握することができる。なお、印の位置に基づいて加工面の位置を求めるのみであるため簡易である。この結果、適正な状態で板状部材を後工程に搬送することができる。
本発明に係る第1の板状部材の接合方法の好ましい形態によれば、搬送部によって後工程に向けて搬送される第1板状部材に後工程で用いられる第1加工面を形成すると共に、当該第1加工面に対応する第2加工面を有し当該第2加工面が接合準備位置に位置決めされた状態で設置された第2板状部材に第1板状部材を接合する板状部材の接合方法が構成される。当該板状部材の接合方法は、(a)第1板状部材を所定の姿勢で搬入する工程と、(b)所定の姿勢で搬入された第1板状部材を搬送部によって所定の姿勢を維持した状態で後工程に向けて搬送する工程と、(c)後工程に向けて搬送される第1板状部材の繊維方向に直交する方向に延在する一方の端縁部である第1端縁部であって、搬送部の所定箇所を基準として当該所定箇所から第1距離の位置に第1加工面を形成すると共に、搬送部の所定箇所から第1端縁部側または第1板状部材の繊維方向に直交する方向に延在する他方の端縁部である第2端縁部側に向かって第2距離の位置に印を付す工程と、(d)第1加工面側が接合準備位置側を向いた状態で第1板状部材を接合準備位置に向けて搬送する工程と、(e)第1検知部によって第1板状部材の印が検知された際、当該第1板状部材の印に基づいて第1板状部材の第1加工面と接合準備位置との第1偏差を算出する工程と、(f)当該第1偏差分だけ第1板状部材を搬送することによって第1板状部材の第1加工面を接合準備位置に位置決めする工程と、(g)接合準備位置において整合した第1板状部材の第1加工面と第2板状部材の第2加工面とを接合する工程と、を備えている。
本発明によれば、第1板状部材の第1端縁部であって、搬送部の所定箇所を基準にして当該所定箇所から第1距離の位置に後工程で用いられる加工面を形成すると共に所定箇所から第1板状部材の第1端縁部側または第2端縁部側に向かって第2距離の位置に印を付す構成であるため、当該印の位置に基づいて加工面の位置を間接的に求めることができ、例えば、加工面に節が存在したり、加工面に欠けが生じたり、あるいは、加工面に反りが生じた場合であっても、加工面、即ち、板状部材の端縁部の位置を簡易かつ正確に把握することができ、適正な状態で板状部材を後工程に搬送することができる。これにより、適正な位置関係で第1板状部材の第1および第2板状部材の第2加工面を当接させた状態で第1および第2板状部材の接合を行うことができる。即ち、適正な状態で板状部材同士を延在方向に接合することができる。この結果、板状部材の接合体の接合強度低下を抑制できるため、品質の向上を図ることができる。
第1板状部材の第1加工面と第2板状部材の第2加工面とを当接させて第1および第2板状部材を接合する態様の本発明に係る第1の板状部材の接合方法の更なる形態によれば、工程(c)は、後工程に向けて搬送される第1板状部材の第2端縁部であって、搬送部の所定箇所を基準として当該所定箇所から第4距離の位置に第3加工面を形成する工程を含んでいる。そして、(h)第1板状部材と第2板状部材とが接合された後、第1および第2板状部材の接合体を搬送方向下流側に搬送する工程と、(i)第2検知部によって第1板状部材の印が検知された際、当該第1板状部材の印に基づいて第1板状部材の第3加工面と接合準備位置との第2偏差を算出する工程と、(j)当該第2偏差分だけ接合体を搬送することによって、第1板状部材の第3加工面を接合準備位置に位置決めする工程と、をさらに備えている。
本形態によれば、第1板状部材と第2板状部材との接合体にさらに第3板状部材を接合する構成、即ち、板状部材を搬送方向に連続して接合する構成とした場合であっても、適正な位置で板状部材の接合を行うことができる。
本発明に係る第2の板状部材の接合方法の好ましい形態によれば、搬送部によって後工程に向けて搬送される板状部材に後工程で用いられる加工面を形成すると共に、後工程に設定された設置基準位置に当該加工面が位置決めされた状態で板状部材を設置する板状部材の加工方法が構成される。当該板状部材の加工方法は、(a)板状部材を所定の姿勢で搬入する工程と、(b)所定の姿勢で搬入された板状部材を搬送部によって所定の姿勢を維持した状態で後工程に向けて搬送する工程と、(c)後工程に向けて搬送される板状部材の繊維方向に直交する方向に延在する一方の端縁部である第1端縁部であって、搬送部の所定箇所を基準として当該所定箇所から第1距離の位置に加工面を形成すると共に、搬送部の所定箇所から第1端縁部側または板状部材の繊維方向に直交する方向に延在する他方の端縁部である第2端縁部側に向かって第2距離の位置に第1印を付し、かつ、当該第1印から第1端縁部側または第2端縁部側に向かって第4距離の位置に第2印を付す工程と、(d)第1検知部によって第1および第2印が検知された際、当該第1および第2印に基づいて加工面の設置基準位置に対する状態を推定する工程と、(e)推定した加工面の状態に基づいて板状部材を搬送する工程と、を備えている。
本発明によれば、板状部材の第1端縁部であって、搬送部の所定箇所を基準にして当該所定箇所から第1距離の位置に後工程で用いられる加工面を形成すると共に所定箇所から第1端縁部側または第2端縁部側に向かって第2距離の位置に印を付す構成であるため、当該印の位置に基づいて加工面の位置を間接的に求めることができ、例えば、加工面に節が存在したり、加工面に欠けが生じたり、あるいは、加工面に反りが生じた場合であっても、加工面、即ち、板状部材の端縁部の位置を簡易かつ正確に把握することができ、適正な状態で板状部材を後工程に搬送することができる。また、仮に、板状部材が搬送中に姿勢が崩れたり、あるいは、湿気や乾燥などによって板状部材に伸縮変形が発生した場合であっても、印および第2印に基づいてこれらの発生を推定して、当該推定した板状部材の状態に基づいて当該板状部材の後工程への搬送を中止したり、あるいは、板状部材の状態を補正したうえで当該板状部材を設置基準位置に位置決めしたりすることができる。これにより、姿勢が崩れた状態、あるいは、不適切な位置関係で板状部材が後工程に搬送されることを良好に防止できる。
本発明に係る第3の板状部材の接合方法の好ましい形態によれば、搬送部によって後工程に向けて順次搬送される板状部材それぞれに後工程で用いられる加工面を形成し、当該加工面が形成された板状部材を第1搬送装置によって第1接合装置に向けて搬送すると共に、当該第1接合装置によって板状部材同士を積層した状態で接合する板状部材の接合方法が構成される。当該板状部材の接合方法は、(a)板状部材を所定の姿勢で順次搬入する工程と、(b)所定の姿勢で順次搬入された板状部材を搬送部によって所定の姿勢を維持した状態で後工程に向けて順次搬送する工程と、(c)後工程に向けて順次搬送される板状部材それぞれの繊維方向に直交する方向に延在する一方の端縁部である第1端縁部であって、搬送部の所定箇所を基準として当該所定箇所から第1距離の位置に加工面としての第1加工面をそれぞれ形成すると共に、搬送部の所定箇所から第1端縁部側に向かって第2距離の位置に印をそれぞれ付す工程と、(d)接合装置の所定個所から第3距離の位置に設定された受渡位置に、板状部材としての第1板状部材の第1加工面を整合させた状態で、第1板状部材を第1搬送装置に受け渡す工程と、(e)受け渡された第1板状部材を第1接合装置の所定個所から第4距離の位置に設定された積層準備位置に向けて搬送する工程と、(f)第1検知部によって第1板状部材の印が検知された際に、当該第1板状部材の印に基づいて第1板状部材の第1加工面と積層準備位置との第1偏差を算出する工程と、(g)当該第1偏差分だけ第1板状部材を搬送することによって、第1板状部材の第1加工面を積層準備位置に位置決めする工程と、(h)板状部材としての第2板状部材の第1加工面を受渡位置に整合させた状態で、当該第2板状部材を積層準備位置に位置決めされた第1板状部材上に積層するべく第1搬送装置に受け渡す工程と、(i)積層された第1および第2板状部材を第1搬送装置によって第1接合装置に搬送して、第1接合装置によって第1および第2板状部材を積層接合する工程と、を備えている。
本発明によれば、板状部材の第1端縁部であって、搬送部の所定箇所を基準にして当該所定箇所から第1距離の位置に後工程で用いられる加工面を形成すると共に所定箇所から第1端縁部側または第2端縁部側に向かって第2距離の位置に印を付す構成であるため、当該印の位置に基づいて加工面の位置を間接的に求めることができ、例えば、加工面に節が存在したり、加工面に欠けが生じたり、あるいは、加工面に反りが生じた場合であっても、加工面、即ち、板状部材の端縁部の位置を簡易かつ正確に把握することができ、適正な状態で板状部材を後工程に搬送することができる。これにより、適正な位置関係で第1および第2板状部材を積層させた状態で第1および第2板状部材の接合を行うことができる。即ち、適正な状態で板状部材同士を厚み方向に積層して接合することができる。
第1および第2板状部材を積層接合する態様の本発明に係る第3の板状部材の接合方法の更なる形態によれば、第1および第2板状部材の積層接合体のうち第1板状部材の第1加工面に板状部材としての第4板状部材の第4加工面を接合するように構成された第2接合装置と、当該第2接合装置に向けて第1および第2板状部材の積層接合体を搬送するように構成された第2搬送装置と、を備えている。そして、工程(c)は、所定の姿勢で搬入された板状部材の繊維方向に直交する方向に延在する他方の端縁部である第2端縁部であって、搬送部の所定箇所を基準として当該所定箇所から第6距離の位置に加工面としての第4加工面を形成する工程を含んでいる。そして、当該板状部材の接合方法は、(j)第1および第2板状部材を積層接合後に、第2搬送装置によって第1および第2板状部材の積層接合体を第2接合装置の所定個所から第7距離の位置に設定された接合準備位置に向けて搬送する工程と、(k)第2検知部によって第1板状部材の印が検知された際、当該第1板状部材の印に基づいて第1板状部材の第1加工面と接合準備位置との第3偏差を算出し、(l)当該第3偏差分だけ第1および第2板状部材の積層接合体を搬送後に停止すると共に、第4板状部材の第4加工面を接合準備位置に整合させた状態で、第4板状部材を第2搬送装置に受け渡すことによって第1板状部材の第1加工面と第4板状部材の第4加工面とを当接させる工程と、(m)第2接合装置によって第1および第2板状部材の積層接合体に第4板状部材を接合する工程と、をさらに備えている。
本形態によれば、第1板状部材と第2板状部材との積層接合体の搬送方向端部側にさらに第4板状部材を接合する構成とした場合であっても、適正な位置で板状部材の接合を行うことができる。
第1板状部材と第2板状部材との積層接合体の搬送方向端部側にさらに第4板状部材を接合する態様の本発明に係る第3の板状部材の接合方法の更なる形態によれば、(n)第1および第2板状部材の積層接合体に第4板状部材を接合後に、第2搬送装置によって第1、第2および第4板状部材の第2積層接合体を搬送方向上流側に向けて搬送する工程と、(o)第2検知部によって第2板状部材の印が検知された際、当該第2板状部材の当該印に基づいて第2板状部材の第1加工面と積層準備位置との第4偏差を算出する工程と、(p)当該第4偏差分だけ第2積層接合体を搬送後に停止すると共に、板状部材としての第5板状部材の第4加工面を接合準備位置に整合させた状態で、第5板状部材を第2搬送装置に受け渡すことによって、第2板状部材の第1加工面と第5板状部材の第4加工面とを当接させる工程と、(q)第2接合装置によって、第2積層接合体に第5板状部材を接合する工程と、をさらに備えている。
本形態によれば、第1、第2および第4板状部材の第2積層接合体の搬送方向端部側であって第4板状部材上にさらに第5板状部材を接合する構成とした場合であっても、適正な位置で板状部材の接合を行うことができる。
本発明によれば、板状部材の端縁部の位置を簡易かつ正確に把握でき、適正な状態で板状部材を後工程に搬送することができる技術を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る単板20の加工システム1の構成の概略を示す斜視構成図である。 本発明の第1の実施の形態に係る単板20の加工システム1の構成の概略を示す斜視構成図である。 加工装置4による単板20の加工の様子を模式的に示す説明図である。 搬送用ロールコンベア108によって単板20が搬送される様子を示す説明図である。 単板20の印Mが第1画像センサカメラ12によって検知された状態を示す説明図である。 単板20の印Mが第2画像センサカメラ14によって検知された状態を示す説明図である。 後続の単板20の印Mが第1画像センサカメラ12によって検知された状態を示す説明図である。 先行の単板20と後続の単板20とがプレス装置6によって接合される様子を示す説明図である。 第2画像センサカメラ14によって接合体21のうち後続の単板20の主面に付された印Mが検知された状態を示す説明図である。 接合体21が次の接合に向けて接合準備位置P1に設置された状態を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係る単板20の加工システム100の構成の概略を示す斜視構成図である。 加工装置104による単板20の加工の様子を模式的に示す説明図である。 第1および第2移送装置150,152によって単板20が搬出入用ロールコンベア108への受け渡し準備状態で待機されている様子を示す説明図である。 第2移送装置152から単板20が搬出入用ロールコンベア108へ受け渡された状態を示す説明図である。 搬出入用ロールコンベア108に受け渡された単板20の印Mが第1画像センサカメラ112によって検知された状態を示す説明図である。 単板20が積層接合に向けた積層準備位置P2にセットされた状態を示す説明図である。 第1および第2移送装置150,152によって後続の単板20が先行の単板20の鉛直上方および鉛直下方にそれぞれ積層された状態を示す説明図である。 先行の単板20の鉛直上方および鉛直下方のそれぞれに後続の単板20が階段状に積層された状態の積層体121’がプレス装置106によって接合される様子を示す説明図である。 三層の積層接合体121をプレス装置106から搬出する様子を示す説明図である。 第1画像センサカメラ112によって三層の積層接合体121の2層目上単板20の印Mが検知された状態を示す説明図である。 三層の積層接合体121が積層準備位置P2にセットされた状態を示す説明図である。 積層接合体121の2層目上単板20の鉛直上方および2層目下単板20の鉛直下方のそれぞれに後続の単板20が階段状に積層された状態を示す説明図である。 2層目上単板20の鉛直上方および2層目下単板20の鉛直下方のそれぞれに後続の単板20が階段状に積層された積層接合体121がプレス装置106によって圧接される様子を示す説明図である。 五層の積層接合体121がプレス装置106から搬出される様子を示す説明図である。 第2画像センサカメラ114によって五層の積層接合体121の1層目単板20の印Mが検知された状態を示す説明図である。 五層の積層接合体121が接合準備位置P3にセットされた状態を示す説明図である。 第2移送装置152から搬出入用ロールコンベア108に単板20のスカーフ面24と五層の積層接合体121の1層目単板20のスカーフ面22とが当接した状態を示す説明図である。 積層接合体121の1層目単板20のスカーフ面22と後続の単板20のスカーフ面24とがプレス装置106によって圧接される様子を示す説明図である。 積層接合体123がプレス装置106から搬出される様子を示す説明図である。 第1画像センサカメラ114によって2層目上単板20の印Mが検知された状態を示す説明図である。 積層接合体123が接合準備位置P3にセットされた状態を示す説明図である。 後続の単板20が第1および第2移送装置150,152によって積層接合体123の1層目単板20の鉛直上方および鉛直下方にそれぞれ積層された状態を示す説明図である。 1層目単板20の鉛直下方および鉛直上方のそれぞれに後続の単板20が積層された積層接合体123がプレス装置106によって圧接される様子を示す説明図である。 積層接合体123がプレス装置106から搬出される様子を示す説明図である。 第2画像センサカメラ114によって五層の積層接合体121の3層目上単板20の印Mが検知された状態を示す説明図である。 積層接合体123が次の積層接合に向けて接合準備位置P3にセットされた状態を示す説明図である。 後続の単板20が第1および第2移送装置150,152によって積層接合体123の2層目上単板20の鉛直上方および2層目下単板20の鉛直下方にそれぞれ積層された状態を示す説明図である。 層目上単板20の鉛直上方および2層目下単板の鉛直下方のそれぞれに後続の単板20が積層された積層接合体123がプレス装置106によって圧接される様子を示す説明図である。 二連の五層の積層接合体121が一体に接合された積層接合体123がプレス装置106から搬出される様子を示す説明図である。 第2画像センサカメラ114によって積層接合体123の繊維方向端縁部側の3層目上単板20の印Mが検知された状態を示す説明図である。 積層接合体123が次の積層接合に向けて接合準備位置P3にセットされた状態を示す説明図である。 本発明の第3の実施の形態に係る単板20の加工システム200の構成の概略を示す斜視構成図である。 設置位置S1に単板20の一方のスカーフ面20を位置決めする際の様子を示す説明図である。 単板20が搬送中に姿勢崩れを生じた状態の一例を示す説明図である。 後工程搬送可否判定処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。 変形例の加工システム300の構成の概略を示す斜視構成図である。 変形例の加工システム300において一対の第1把持バー342a,342bから一対の把持バー343a,343bへ単板20を受け渡す様子を示す説明図である。 変形例の加工システム300において一対の第2把持バー343a,343bが搬送準備状態で待機している様子を示す説明図である。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
本発明の第1の実施の形態に係る単板20の加工システム1は、単板20を繊維方向に沿って連続して接合することによって単板20の接合体21を製造するためのシステムとして構成されており、図1に示すように、単板20が投入される投入用ロールコンベア2と、単板20に加工を施す加工装置4と、単板20同士を接合するプレス装置6と、加工装置4によって加工された単板20をプレス装置6に向けて搬送するための搬送用ロールコンベア8と、プレス装置6によって接合された単板20の接合体21(図9参照)を後工程に向けて搬出するための搬出用ロールコンベア10と、搬送用ロールコンベア8の上方に配置された第1画像センサカメラ12と、搬出用ロールコンベア10の上方に配置された第2画像センサカメラ14と、加工システム1全体をコントロールする制御装置16と、を備えており、全体として略U字状に構成されている。
即ち、本発明の第1の実施の形態に係る加工システム1においては、投入用ロールコンベア2に投入された単板20が当該投入用ロールコンベア2の下流部まで搬送されて当該下流部において投入用ロールコンベア2に対して直角方向に搬送方向が変更され、加工装置4によって加工された後、搬送用ロールコンベア8によって投入用ロールコンベア2による搬送方向と平行かつ逆方向に搬送方向が変更されて、当該搬送用ロールコンベア8からプレス装置6を経て搬出用ロールコンベア10へと搬送される。
単板20は、本発明における「板状部材」、「第1板状部材」、「第2板状部材」、「第3板状部材」、「第4板状部材」および「第5板状部材」に対応し、プレス装置6は、本発明における「接合装置」および「後工程」に対応する実施構成の一例である。また、搬送用ロールコンベア8は、本発明の請求項9における「第1搬送装置」に対応し、搬出用ロールコンベア10は、本発明の請求項9における「第2搬送装置」に対応する実施構成の一例である。さらに、第1および第2画像センサカメラ12,14は、それぞれ本発明の請求項9および11における「第1検知部」および「第2検知部」に対応する実施構成の一例である。以下、本実施の形態では、便宜上、投入用ロールコンベア2による単板20の搬送方向を「搬送方向D1」として規定し、後述する挟持バー42a,42bによる単板20の搬送方向を「搬送方向D2」と規定し、搬送用ロールコンベア8による単板20の搬送方向を「搬送方向D3」として規定する。したがって、搬送方向D1と搬送方向D3とは、互いに平行で向きが逆方向の関係にある。
投入用ロールコンベア2には、搬送方向D1に向かって単板20の左右方向の位置決めを行う図示しない一対のガイド部材と、単板20を所定の位置に停止させるための図示しないストッパ部材と、が設けられており、所定時間毎に投入される単板20を一対のガイド部材およびストッパ部材によって所定の姿勢に位置決めするように構成されている。なお、単板20は、本実施の形態では、繊維方向が搬送方向D1に沿うように投入される構成とした。
加工装置4は、図1に示すように、投入用ロールコンベア2によって順次搬送される単板20を搬送方向D2に沿って順次搬送する搬送部30と、搬送部30によって順次搬送される単板20の両端縁部(繊維方向に直交する方向に延在する両端縁部)にスカーフ面22,24(図3参照)を形成する一対の鋸装置32a,32bと、順次搬送される単板20に印Mを印字する印字装置36と、順次搬送される単板20のスカーフ面22,24のうち一方のスカーフ面24に接着剤を塗布する接着剤塗布装置38と、を備えている。スカーフ面22は、本発明の請求項1および9における「加工面」および「第1板状部材の第1加工面」に対応し、スカーフ面24は、本発明の請求項9における「第2板状部材の第2加工面」に対応する実施構成の一例である。また、一対の鋸装置32a,32bは、本発明の請求項1における「加工部」に対応し、印字装置36は、本発明の請求項1における「印付与部」に対応する実施構成の一例である。
搬送部30は、図1に示すように、上下一対の挟持バー42aと、当該挟持バー42aと同じ構成で当該挟持バー42aに対して平行に並列配置された上下一対の挟持バー42bと、一対の鋸装置32a,32bによる加工の際に単板20を固定する一対の固定部35,35と、を有している。挟持バー42a,42bは、図示しない駆動装置によって搬送方向D2(投入用ロールコンベア2の搬送方向D1に直交する方向)に沿って移動するように構成されており、投入用ロールコンベア2によって順次搬送されてくる単板20を鋸装置32a,32bを経て搬送用ロールコンベア8まで順次搬送する。ここで、上下一対の挟持バー42a,42bは、本発明の請求項2における「把持部」に対応する実施構成の一例である。
上下一対の挟持バー42a,42bは、投入用ロールコンベア2によって搬送されてきて図示しないガイド部材およびストッパ部材によって所定の姿勢に位置決めされた単板20を挟持して搬送する構成であり、これにより、所定の姿勢を維持した状態で単板20の搬送を行うことができる。
一対の鋸装置32a,32bのそれぞれは、図3に示すように、丸鋸33と、当該丸鋸33を回転駆動するモータなどの駆動装置34と、を有しており、単板20の搬送方向D2に沿って移動可能に構成されている。一対の鋸装置32a,32bは、図1および図2に示すように、対角状に配置されている。即ち、一方の鋸装置32aが搬送方向D1の上流側に配置されると共に、他方の鋸装置32bが搬送方向D2の下流側に配置されている。そして、鋸装置32aが搬送方向D2方向に移動されることによって単板20の繊維方向の一方の端縁部にスカーフ面22が切削加工され、鋸装置32bが搬送方向D2とは反対方向に移動されることによって単板20の繊維方向の他方の端縁部にスカーフ面24が切削加工される。なお、一対の鋸装置32a,32bは、丸鋸33が水平面に対して所定角度傾斜されており、これにより、単板20の両端縁部(繊維方向に直交する方向に延在する両端縁部)に当該単板20の主面に対して傾斜し、かつ、互いに平行となるスカーフ面22,24が形成される(図3参照)。
ここで、一対の鋸装置32a,32bは、搬送方向D2に沿う移動が許容されているのみであり、搬送部30との相対的な位置関係、具体的には、一対の鋸装置32a,32bと搬送部30の挟持バー42a,42bとの間の距離は変化しないように構成されているため、順次搬送されてくる単板20の両端縁部(繊維方向に直交する方向に延在する両端縁部)には常に同じ位置にスカーフ面22,24が形成される。本実施の形態では、図3に示すように、一方の挟持バー42aの所定個所、例えば、挟持バー42aのうち単板20の繊維方向を向く側面42a’から距離a1の位置に一方のスカーフ面22が形成され、一方の挟持バー42aの側面42a’からスカーフ面22が形成される端縁部とは反対側の距離a4の位置に他方のスカーフ面24が形成される構成とした。距離a1は、本発明の請求項1、21、22、24および25における「第1距離」に対応し、距離a4は、本発明の請求項11および23における「第4距離」に対応する実施構成の一例である。また、スカーフ面24は、本発明の請求項11における「第1板状部材の第3加工面」に対応する実施構成の一例である。
一対の固定部35は、上下一対の挟持バー35aを有しており、互いに平行に並列配置されている。一対の固定部35は、挟持バー42a,42bを挟むように配置されている。即ち、一対の固定部35は、挟持バー42a,42bよりも単板20の繊維方向の端縁部寄りの部分を挟持することができるように構成されている。当該構成により、単板20にスカーフ面22,24を形成する際に、単板20をより安定して固定することができる。この結果、良好なスカーフ面22,24を得ることができる。
印字装置36は、単板20に当該単板20の色合いとは異なる色の塗料(インク)を吹き付けることによって順次搬送されてくる単板20の鉛直上方から当該単板20の鉛直上方を向く主面に印Mを付すように構成されている。ここで、印字装置36は、搬送部30との相対的な位置関係が変化しないように固定的に設置されている。当該構成により、単板20に対して常に同じ位置に印Mを付すことができる。本実施の形態では、印字装置36は、図3に示すように、一方の挟持バー42aの側面42a’からスカーフ面24側に向かって距離a2の位置に丸形状の印Mを付す構成とした。距離a2は、本発明の請求項1、21、22、24および25における「第2距離」に対応する実施構成の一例である。
接着剤塗布装置38は、鋸装置32a,32bによるスカーフ面22,24の加工および印字装置36による印Mの印字が終了した単板20のスカーフ面24に接着剤を塗布するように構成さている。本実施の形態では、スカーフ面22,24のうちスカーフ面24のみに接着剤を塗布する構成としたが、単板20の接合態様によっては、スカーフ面22のみに接着剤を塗布する構成や、両方のスカーフ面22,24に接着剤を塗布する構成としても良いことは言うまでもない。なお、接着剤塗布装置38は、搬送部30との相対的な位置関係が変化しないように固定的に設置されている。これにより、スカーフ面24に確実かつ正確に接着剤を塗布することができる。
プレス装置6は、図8に示すように、接合させる二つの単板20のスカーフ面22,24を熱圧によって接合するように構成されている。第1画像センサカメラ12は、搬送用ロールコンベア8から順次搬送されてくる単板20に付された印Mを照らす照明12aを有しており、当該単板20に付された印Mの光学情報を読み取ることで印Mの位置を算出する。第1画像センサカメラ12は、搬送用ロールコンベア8から順次搬送されてくる単板20に付けられた印Mを読み取ることができる位置(搬送用ロールコンベア8上)においてプレス装置6との相対的な位置関係が変化しないように固定的に設置されている。本実施の形態では、第1画像センサカメラ12は、図4に示すように、プレス装置6によって単板20同士を接合する際に、搬送用ロールコンベア8から搬送されてくる単板20のスカーフ面22を停止させたい位置(以下、「接合準備位置P1」という)から、距離a3の位置に設置する構成とした。ここで、距離a3は、本発明の請求項10における「第3距離」に対応する実施構成の一例である。
第2画像センサカメラ14は、プレス装置6を通過して順次搬送されてくる単板20に付けられた印Mを照らすための照明14aを有しており、当該単板20に付された印Mの光学情報を読み取ることで印Mの位置を算出する。第2画像センサカメラ14は、プレス装置6を通過して順次搬送されてくる単板20に付けられた印Mを読み取ることができる位置(搬出用ロールコンベア10上)においてプレス装置6との相対的な位置関係が変化しないように固定的に設置されている。本実施の形態では、第2画像センサカメラ14は、図4に示すように、プレス装置6によって単板20同士を接合する際に、プレス装置6を通過して搬送されてくる単板20のスカーフ面24を停止させたい位置、即ち、接合準備位置P1から、距離a5の位置に設置する構成とした。ここで、距離a5は、本発明の請求項12における「第5距離」に対応する実施構成の一例である。
制御装置16は、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に処理プログラムを記憶するROMと、データを一時的に記憶するRAMと、入出力ポートおよび通信ポートと、を備えている。制御装置16には、挟持バー42a,42bの位置を検出するセンサ82,84,86(図1参照)からの信号や、第1画像センサカメラ12からの印検知信号、第2画像センサカメラ14からの印検知信号などが入力ポートを介して入力されている。また、制御装置16からは、鋸装置32a,32bや、投入用ロールコンベア2、搬送用ロールコンベア8、搬出用ロールコンベア10およびプレス装置6への駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。なお、本実施の形態では、前述した各距離a1,a2,a3,a4,a5が、予め制御装置16に入力されてROMに記憶されている構成とした。
次に、こうして構成された加工システム1の動作、特に、単板20同士を繊維方向に接合して積層接合体121を製造する際の単板20の位置決めの様子について説明する。以下、説明の便宜上、順次搬送される単板20であって搬送方向(投入用ロールコンベア2による搬送時においては搬送方向D1、挟持バー42a,42bによる搬送時においては搬送方向D2、搬送用ロールコンベアおよび搬出用ロールコンベア10による搬送時においては搬送方向D3)において隣接する単板20のうち、前側(下流側)の単板20を「先行の単板20」と称し、後側(上流側)の単板20を「後続の単板20」と称する。
挟持バー42a,42bが図1に示すように搬送準備位置に設置されたことが検知されて、センサ82からの位置信号が制御装置16に入力されると、投入用ロールコンベア2に順次投入される単板20を搬送方向D1に搬送するように制御装置16が投入用ロールコンベア2を制御する。投入用ロールコンベア2によって搬送方向D1に順次搬送される単板20は、一対のガイド部材およびストッパ部材によって所定の姿勢に位置決めされる。即ち、単板20の左右方向の位置および単板20の搬送方向D1の位置が所望の位置に位置決めされる。
単板20が所望の姿勢で位置決めされると、挟持バー42a,42bによって単板20を当該所定の姿勢を維持した状態で把持すると共に、当該把持した単板20を搬送方向D2に順次搬送するように制御装置16が挟持バー42a,42bを制御する。そして、センサ84からの位置信号が制御装置16に入力される、即ち、単板20が挟持バー42a,42bによって鋸装置32a,32bによる加工位置まで搬送されたことが検知されると、図2に示すように、挟持バー42a,42bによる単板20の搬送を一旦停止して、固定部35による単板20の固定を行うべく制御装置16が挟持バー42a,42bおよび固定部35を制御する。
このように、鋸装置32a,32bによる加工の際に、挟持バー42a,4bによって単板20を把持すると共に、固定部35によっても単板20を固定する構成であるため、鋸装置32a,32bによる加工の際に、単板20に姿勢崩れが発生することをより一層良好に防止できる。しかも、固定部35は、一対の挟持バー42a,42bよりも単板20の繊維方向の端縁部寄りで単板20を把持する構成であるため、鋸装置32a,32bによる加工の際に、より安定して単板20を固定することができる。
こうして固定部35による単板20の固定が完了すると、図2および図3に示すように、鋸装置32a,32bによって単板20の繊維方向の両端縁部にスカーフ面22,24を切削加工するべく制御装置16が鋸装置32a,32bを制御すると共に、単板20の主面にインクを吹き付けて印Mを印字するように制御装置16が印字装置36を制御する。鋸装置32a,32bによるスカーフ面22,24の切削加工が完了すると共に印字装置36による単板20の主面への印Mの印字が完了すると、再び、単板20の搬送を開始するように制御装置16が挟持バー42a,42bを制御する。
そして、センサ86からの位置信号が制御装置16に入力される、即ち、単板20が挟持バー42a,42bによって接着剤塗布装置38による接着剤塗布位置まで搬送されたことが検知されると、単板20のスカーフ面24に接着剤を塗布するように制御装置16が接着剤塗布装置38を制御し、単板20のスカーフ面24への接着剤塗布が完了した後、単板20は所定の姿勢を維持したまま挟持バー42a,42bによって搬送用ロールコンベア8に順次移送される。
続いて、図4に示すように、搬送用ロールコンベア8に順次移送される単板20を搬送方向D3に搬送するように制御装置16が搬送用ロールコンベア8を制御する。単板20が搬送方向D3に搬送されると、図5に示すように、搬送用ロールコンベア8の上方に配置された第1画像センサカメラ12によって単板20の主面に付された印Mが検知され、印検知信号が制御装置16に向けて出力される。当該印検知信号が制御装置16に入力されると、制御装置16は、単板20のスカーフ面22を接合準備位置P1に位置決め設置するように搬送用ロールコンベア8を制御する。
ここで、印検知信号の制御装置16への入力が初めての場合、即ち、搬送用ロールコンベア8による単板20の搬送が初めての場合には、スカーフ面22の接合準備位置P1での位置決めは行わず、単板20の主面に付された印Mが第2画像センサカメラ14によって検知されるまで単板20を搬送方向D3に搬送するように制御装置16が搬送用ロールコンベア8および搬出用ロールコンベア10を制御する。これは、搬送用ロールコンベア8による単板20の搬送が初めての場合には、当該単板20が接合される相手側となる単板20が存在しないためであり、初めて搬送用ロールコンベア8によって搬送されてきた当該単板20を次に搬送されてくる後続の単板20との接合に向けた準備位置に位置決め設置するためである。
そして、図6に示すように、第2画像センサカメラ14が単板20の主面に付された印Mを検知し、印検知信号が制御装置16に向けて出力されると、制御装置16は、単板20のスカーフ面24を接合準備位置P1に設置するべく搬出用ロールコンベア10を制御する。具体的には、制御装置16は、スカーフ面24と接合準備位置P1との偏差ΔBを、予めROMに記憶された距離a2,a4,a5を用いて算出し(ΔB=a5−(a4−a2))、単板20を当該偏差ΔB分だけ搬送方向D3とは逆方向の搬送方向D3’に搬送するように搬出用ロールコンベア10を制御する。こうして、先行の単板20が接合に向けた準備位置にセットされる。
一方、図7に示すように、後続の単板20が搬送用ロールコンベア8によって搬送方向D3に搬送されており、第1画像センサカメラ12によって当該単板20の主面に付された印Mが第1画像センサカメラ12によって検知されて印検知信号が制御装置16に向けて出力される。印検知信号が入力された制御装置16は、当該後続の単板20のスカーフ面22を接合準備位置P1に設置するべく搬送用ロールコンベア8を制御する。具体的には、制御装置16は、スカーフ面22と接合準備位置P1との偏差ΔAを、距離a1,a2,a3を用いて算出し(ΔA=a3−(a1+a2))、当該後続の単板20を当該偏差ΔA分だけ搬送方向D3に搬送するように搬送用ロールコンベア8を制御する。ここで、偏差ΔAは、本発明の請求項9および22における「第1偏差」に対応する実施構成の一例である。
こうして後続の単板20のスカーフ面22が接合準備位置P1に位置決め設置されると、図8に示すように、先行の単板20のスカーフ面24と当接した状態となる。この状態において、後続の単板20のスカーフ面22と先行の単板20のスカーフ面24とを接合するべく制御装置16がプレス装置6を制御する。これにより、先行の単板20と後続の単板20とがスカーフ面22,24を介して一体に接合される。
そして、先行の単板20と後続の単板20との接合が完了すると、先行の単板20と後続の単板20との接合体21を搬送方向D3に搬送するように制御装置16が搬出用ロールコンベア10が制御装置16を制御する。接合体21が搬送方向D3に搬送されると、図9に示すように、搬出用ロールコンベア10の上方に配置された第2画像センサカメラ14によって接合体21のうち後続の単板20の主面に付された印Mが検知され、印検知信号が制御装置16に向けて出力される。当該印検知信号が制御装置16に入力されると、制御装置16は、接合体21のうち後続の単板20のスカーフ面24を接合準備位置P1に位置決め設置するように搬出用ロールコンベア10を制御する。
具体的には、前述した先行の単板20のスカーフ面24の接合準備位置P1への位置決めと同様、制御装置16は、接合体21のうち後続の単板20のスカーフ面24と接合準備位置P1との偏差ΔBを、予めROMに記憶された距離a2,a4,a5を用いて算出し(ΔB=a5−(a4−a2))、接合体21を当該偏差ΔB分だけ搬送方向D3とは逆方向の搬送方向D3’に搬送するように搬出用ロールコンベア10を制御する。こうして、図10に示すように、接合体21の次の接合に向けた準備が完了する。ここで、偏差ΔBは、本発明の請求項11および23における「第2偏差」に対応する実施構成の一例である。
続いて、さらに搬送用ロールコンベア8によって搬送方向D3に搬送されてきている後続の単板20のスカーフ面22を接合準備位置P1に設置し、接合体21のスカーフ面24と当該後続の単板20のスカーフ面22とを接合して、接合体21と当該後続の単板20との接合の完了後に当該接合体21を次なる接合に向けた準備位置に位置決め設置する。こうした一連の動作を繰り返すことによって、繊維方向に連続する単板20の接合体21の製造を行うことができる。
以上説明した本発明の第1の実施の形態に係る加工システム1によれば、搬送部30の一方の挟持バー42aの側面42a’から距離a1の位置に一方のスカーフ面22を形成すると共に、当該側面42a’からスカーフ面22が形成される端縁部とは反対側の距離a4の位置に他方のスカーフ面24を形成し、さらに、当該側面42a’からスカーフ面24側に向かって距離a2の位置に印Mを付して、当該印Mの検知に基づいてスカーフ面22,24の位置を間接的に求め、当該スカーフ面22,24を接合準備位置P1に位置決め設置する構成であるため、例えば、スカーフ面22,24に節が存在したり、欠けが生じたり、あるいは、反りが生じた場合であっても、スカーフ面22,24の位置を簡易かつ正確に把握することができる。これにより、適正な位置関係で単板20同士の接合を行うことができる。この結果、単板20の接合体21の接合強度低下を抑制できるため、品質の向上を図ることができる。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る単板20の加工システム100について説明する。第2の実施の形態に係る単板20の加工システム100は、単板20を厚み方向に階段状に積層して接合することによって積層接合体121を製造すると共に、当該積層接合体121の繊維方向の端縁部に形成される段差部に単板20を積層して接合することによって任意積層数かつ任意長さの積層接合体123を製造するためのシステムとして構成されており、図11に示すように、単板20が投入される投入用ロールコンベア102と、単板20に加工を施す加工装置104と、単板20同士を積層接合するプレス装置106と、単板20の積層接合体121,123のプレス装置106への搬送およびプレス装置6からの搬出を行うための搬出入用ロールコンベア108と、加工装置104によって加工された単板20を搬出入用ロールコンベア108に向けて搬送するための第1および第2搬送用ロールコンベア109,110と、加工装置104によって加工され第1搬送用ロールコンベア109によって搬送される単板20の一部を第2搬送用ロールコンベア110に移送するための移送コンベア111と、単板20を第1搬送用ロールコンベア109から搬出入用ロールコンベア108に移送する第1移送装置150と、単板20を第2搬送用ロールコンベア110から搬出入用ロールコンベア108に移送する第2移送装置152と、搬出入用ロールコンベア108の上方に配置された第1および第2画像センサカメラ112,114と、加工システム100全体をコントロールする制御装置116と、を備えている。以下、本実施の形態では、便宜上、投入用ロールコンベア2、第1および第2搬送用ロールコンベア109,110による単板20の搬送方向を「搬送方向D1」として規定し、加工装置104の搬送部30による単板20の搬送方向を「搬送方向D2」と規定する。
投入用ロールコンベア102は、第1の実施の形態に係る加工システム1の投入用ロールコンベア2と同じハード構成をしており、所定時間毎に投入される単板20を搬送方向D1に搬送するとともに、搬送方向下流部において図示しない一対のガイド部材およびストッパ部材によって単板20を所定の姿勢に位置決めするように構成されている。なお、単板20は、本実施の形態では、繊維方向が搬送方向D1に沿うように投入される。
加工装置104は、第1の実施の形態に係る加工システム1の加工装置4と同じハード構成をしており、当該加工装置4に対して印字装置36の配置を変更したものである。具体的には、印字装置36は、搬送部30によって順次搬送されてくる単板20の鉛直下方から当該単板20の鉛直下方を向く主面に印Mを付すことができるような位置、かつ、図12に示すように、一方の挟持バー42aの側面42a’からスカーフ面22側に向かって距離a2の位置に印Mを付すことができるような位置に配置されている。なお、距離a2は、距離a1の1/2以上となるような値に設定されている。即ち、印Mがスカーフ面22に近接した位置に付されるような構成である。ここで、距離a2は、スカーフ面22の斜面頭頂部(単板20の主面とスカーフ面22との境界線部)に対応する位置となるような値に設定されることが望ましい。即ち、印Mがスカーフ面22の斜面頭頂部(単板20の主面とスカーフ面22との境界線部)に付すように構成することが好ましい。この場合、一対の鋸装置32a,32bによるスカーフ面22,24の加工後に印字装置36によって印Mを付す構成となる。重複する説明を回避するため、第2の実施の形態に係る加工システム100の加工装置104の構成のうち第1の実施の形態に係る加工システム1の加工装置4と同一の構成については、第1の実施の形態に係る加工システム1の加工装置4と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。ここで、スカーフ面22は、本発明の請求項15および25における「第1板状部材の第1加工面」および「第2板状部材の第1加工面」に対応する実施構成の一例である。
プレス装置106は、図18および図23に示すように、階段状に積層された単板20を熱圧によって接合するように構成されている。また、プレス装置106は、少なくとも重ねた単板20の全面に圧力が加わる状態で熱圧することができるように構成されている。プレス装置106は、本発明の請求項15および18における「第1接合装置」および「第2接合装置」に対応する実施構成の一例である。
搬出入用ロールコンベア108は、図11に示すように、プレス装置106に直列的に配置されている。おり、積層接合体121,123のプレス装置106への搬入およびプレス装置106からの搬出を直接的に行うことができるように構成されている。搬出入用ロールコンベア108は、本発明の請求項15および18における「第1搬送装置」および「第2搬送装置」に対応する実施構成の一例である。
第1搬送用ロールコンベア109は、図11に示すように、加工装置104の側方から搬出入用ロールコンベア108の側方まで直線的に延在している。これにより、投入用ロールコンベア102によって投入された単板20の一部はクランク状に搬出入用ロールコンベア108の側方まで搬送される。また、第1搬送用ロールコンベア109には、第2搬送用ロールコンベア110への分岐部よりも下流側の位置に接着剤塗布装置138が設置されている。
接着剤塗布装置138は、図示しない塗布ロールと、調整ロール(図示せず)と、シリンダ(図示せず)と、から構成されており、シリンダで塗布ロールと調整ロールを下降させた状態で塗布ロールと固定ロールとで単板20を挟持して搬送することにより単板20の上面に接着剤を塗布するように構成されている。熱硬化性の接着剤は、塗布ロールと調整ロールとの間に適宜に自動で補充され、塗布ロールと調整ロールとの隙間調整により単板20に塗布する接着剤の塗布量が調整されるように構成されている。
第2搬送用ロールコンベア110は、プレス装置106および搬出入用ロールコンベア108を挟むように第1搬送用ロールコンベア109と平行に配置されており、搬出入用ロールコンベア108の側方まで直線的に延在している。また、第2搬送用ロールコンベア110は、移送コンベア111を介して第1搬送用ロールコンベア109と接続されており、当該第1搬送用ロールコンベア109によって搬送される単板20の一部が移送コンベア111によって第2搬送用ロールコンベアに移送され、当該第2搬送用ロールコンベア110によって搬出入用ロールコンベア108の側方まで搬送される。なお、第2の実施の形態では、加工装置104によってスカーフ面22,24が切削加工された単板20は、交互に第1搬送用ロールコンベア109と第2搬送用ロールコンベア110とに振り分けられる構成とした。さらに、第2搬送用ロールコンベア110の移送コンベア111が接続された箇所よりも(分岐部)よりも下流側の位置に接着剤塗布装置138が設置されている。
移送コンベア111は、図示しないプーリを介してベルトやチェーンなどの無端帯(図示せず)がサーボモータ(図示せず)により回転駆動されることにより単板20を第1搬送用ロールコンベア109から第2搬送用ロールコンベア110に移送可能に構成されている。
第1移送装置150は、図11に示すように、鉛直方向に上下移動可能に構成された平面視略コ字状の持ち上げバーを有しており、第1搬送用ロールコンベア109の下流部であって搬出入用ロールコンベア108の側方に対応する位置に設置されている。第1移送装置150は、当該下流部まで搬送されてきた単板20を持ち上げバーによって所定距離上昇させた後、搬出入用ロールコンベア108の鉛直方向下方、あるいは、搬出入用ロールコンベア108上に積層接合体121,123が存在する場合には当該積層接合体121,123の鉛直方向下方に当該単板20を受け渡すように構成されている。ここで、第1移送装置150は、図13に示すように、単板20のスカーフ面22がプレス装置106の所定箇所、例えば、搬出入用ロールコンベア108に対向する側面106aから距離a3 2 の位置に位置決め設置された状態で単板20を搬出入用ロールコンベア108に受け渡し可能なように構成されている。ここで、側面106aは、本発明の請求項15における「第1接合装置の所定個所」に対応する実施構成の一例である。また、距離a3 2 は、本発明の請求項15および25における「第3距離」に対応する実施構成の一例である。また、第1移送装置150は、本発明の請求項15における「第1受渡装置」に対応する実施構成の一例である。
第2移送装置152は、図11に示すように、第2搬送用ロールコンベア110の下流部であって搬出入用ロールコンベア108の側方に対応する位置に設置され、当該下流部まで搬送されてきた単板20の鉛直方向下方を向く主面を図示しない吸着部材(図示せず)によって吸着し、当該吸着した状態で単板20を所定距離上昇させた後、単板20の両主面(鉛直方向上方を向く主面および鉛直方向下方を向く主面)が鉛直方向で逆転するように(表裏逆転するように)単板20を180度回転させ、当該反転した状態で搬出入用ロールコンベア108の鉛直方向上方、あるいは、搬出入用ロールコンベア108上に積層接合体121,123が存在する場合には当該積層接合体121,123の鉛直方向上方に当該単板20を待機させ、制御装置116からの信号に応じて単板20の吸着を開放するように構成されている。ここで、第2移送装置152は、図13に示すように、単板20のスカーフ面22がプレス装置106の側面106aから距離a3 2 ’の位置に位置決め設置された状態で単板20を搬出入用ロールコンベア108に受け渡し可能なように構成されている。距離a3 2 ’は、本発明の請求項15および25における「第3距離」に対応する実施構成の一例である。また、第2移送装置152は、本発明の請求項15および18における「第1受渡装置」および「第2受渡装置」に対応する実施構成の一例である。
第1および第2画像センサカメラ112,114は、第1の実施の形態に係る加工システム1の第1および第2画像センサカメラ12,14と同じハード構成をしており、搬出入用ロールコンベア108によって搬出入される単板20や積層接合体121,123に付された印Mを読み取ることができる位置(搬出入用ロールコンベア108上)においてプレス装置106との相対的な位置関係が変化しないように固定的に設置されている。第1および第2画像センサカメラ112,114は、それぞれ本発明の請求項15および18の「第1検知部」および「第2検知部」に対応する実施構成の一例である。
本実施の形態では、第1画像センサカメラ112は、図13に示すように、プレス装置106の側面106aから距離a5 2 の位置に設置する構成とした。また、第2画像センサカメラ114は、図26に示すように、プレス装置106の側面106aから距離a8(距離a8>距離a5 2 )の位置に設置する構成とした。ここで、距離a5 2 は、本発明の請求項16における「第5距離」に対応し、距離a8は、本発明の請求項19における「第8距離」に対応する実施構成の一例である。
制御装置116は、第1の実施の形態に係る加工システム1の制御装置16に対して、入力ポートから入力される信号が第1および第2画像センサカメラ12,14からの印検知信号から第1および第2画像センサカメラ112,114からの印検知信号に変更され、出力ポートから出力される信号が搬送用ロールコンベア8、搬出用ロールコンベア10およびプレス装置6への駆動信号から第1および第2搬送用ロールコンベア109,110、搬出入用ロールコンベア108、移送コンベア111およびプレス装置106への駆動信号に変更されたものであり、基本的には第1の実施の形態に係る加工システム1の制御装置16と同じハード構成をしている。なお、本実施の形態では、前述した各距離a1,a2,a3 2 ,a3 2 ’,a4,a5 2 ,a8および後述する距離a7が、予め制御装置116に入力されてROMに記憶されている構成とした。ここで、距離a4は、本発明の請求項18および26における「第6距離」に対応する実施構成の一例である。
次に、こうして構成された加工システム100の動作、特に、単板20同士を階段状に積層接合して積層接合体121を製造する際の単板20および積層接合体121の位置決めの様子、および、当該積層接合体121の繊維方向に単板20を接合して積層接合体123を製造する際の積層接合体121,123の位置決めの様子について説明する。以下、説明の便宜上、順次搬送される単板20において搬送方向D1,D2において隣接する単板20のうち、前側(下流側)の単板20を「先行の単板20」と称し、後側(上流側)の単板20を「後続の単板20」と称する。
単板20が投入用ロールコンベア2に順次投入されて搬送部30によって第1搬送用ロールコンベア109に順次移送されるまでの動作は、印字装置36による印Mの印字位置が異なる点(第2の実施の形態では、印Mは単板20の鉛直方向下方を向く主面であって、挟持バー42aの側面42a’からスカーフ面22側に向かって距離a2の位置に印字される)を除いて第1の実施の形態に係る加工システム1における単板20の投入用ロールコンベア2から搬送用ロールコンベア8に単板20が順次移送されるまでの動作と同様である。したがって、重複する説明を回避するため、その詳細な説明は省略する。
単板20が第1搬送用ロールコンベア109に順次移送されると、図11に示すように、当該単板20を搬送方向D1に搬送し、第2搬送用ロールコンベア110への分岐点において交互の順番で第1および第2搬送用ロールコンベア109,110に振り分けて、振り分けた単板20を第1および第2搬送用ロールコンベア109,110の下流部(搬出入用ロールコンベア108の側方に対応する位置)まで移送するように制御装置116によって第1,第2搬送用ロールコンベア109,110および移送コンベア111が制御される。なお、第1および第2搬送用ロールコンベア109,110によって搬送方向D1に搬送される単板20は、第1および第2搬送用ロールコンベア109,110の下流部(搬出入用ロールコンベア108の側方に対応する位置)に到達するまでの間に接着剤塗布装置138によってその鉛直方向上方を向く主面に接着剤が塗布される。
そして、接着剤が塗布された単板20が第1および第2搬送用ロールコンベア109,110の下流部(搬出入用ロールコンベア108の側方に対応する位置)まで到達すると、図13に示すように、当該単板20を搬出入用ロールコンベア108への受け渡し準備状態で待機させるように制御装置116が第1および第2移送装置150,152を制御する。
ここで、単板20の搬出入用ロールコンベア108への受け渡しが初めての場合、即ち、第1および第2搬送用ロールコンベア109,110による単板20の搬送が初めての場合には、図14に示すように、第2移送装置152からの単板20のみが搬出入用ロールコンベア108へ受け渡されるように制御装置116が第1および第2移送装置150,152を制御する。なお、第2搬送用ロールコンベア110による単板20の搬送が初めての場合には、第2搬送用ロールコンベア110により搬送される単板20には接着剤が塗布されないように制御装置116によって接着剤塗布装置138が制御されている。
そして、図15に示すように、第2移送装置152から搬出入用ロールコンベア108に受け渡された単板20をプレス装置106に向けて(搬送方向D1とは反対方向の搬送方向D1’)に搬送するように制御装置116が搬出入用ロールコンベア108を制御する。単板20がプレス装置106に向けて搬送されると、第1画像センサカメラ112によって単板20の主面に付された印Mが検知される。第1画像センサカメラ112によって単板20の主面に付された印Mが検知され、印検知信号が制御装置116に向けて出力されると、制御装置116は、単板20のスカーフ面22を積層準備位置P2に設置するべく搬出入用ロールコンベア108を制御する。具体的には、制御装置116は、スカーフ面22と積層準備位置P2との偏差ΔA1を、予めROMに記憶された距離a2,a5 2 を用いて算出し(ΔA1=a5 2 −(a1−a2))、単板20を当該偏差ΔA1分だけプレス装置6側に向けて搬送するように搬出入用ロールコンベア108を制御する。ここで、偏差ΔA1は、本発明の請求項15および25における「第1偏差」に対応する実施構成の一例である。こうして、図16に示すように、単板20が積層接合に向けた積層準備位置P2にセットされる。ここで、本実施の形態では、積層準備位置P2をプレス装置106の側面106aの位置に設定する構成とした。言い換えると、本発明の請求項15および25における「第4距離」が値0に設定された構成と言うこともできる。
一方、後続の単板20が第1および第2搬送用ロールコンベア109,110の下流部(搬出入用ロールコンベア108の側方に対応する位置)まで到達して、図16に示すように、第1および第2移送装置150,152によって搬出入用ロールコンベア108への受け渡し準備状態で待機されており、先行の単板20が積層準備位置P2にセットされたことを示す信号が制御装置116に入力されたときに、図17に示すように、当該後続の単板20が第1および第2移送装置150,152によって先行の単板20の鉛直上方および鉛直下方にそれぞれ積層されるように制御装置116が第1および第2移送装置150,152を制御する。このとき、第1移送装置150から先行の単板20の鉛直下方に積層される後続の単板20は、そのスカーフ面22がプレス装置106の側面106aから距離a3 2 の位置に位置決めされた状態で受け渡され、第2移送装置152から先行の単板20の鉛直上方に積層される後続の単板20は、そのスカーフ面22がプレス装置106の側面106aから距離a3 2 ’の位置に位置決めされた状態で受け渡される。即ち、先行の単板20に対して後続の単板20が階段状に積層される。なお、後続の単板20の主面のうち先行の単板20に当接される側の主面には接着剤が塗布されている。
そして、先行の単板20の鉛直上方および鉛直下方のそれぞれに後続の単板20が階段状に積層された状態の積層体121’をプレス装置106に向けて搬送するように制御装置116が搬出入用ロールコンベア108を制御すると共に、図18に示すように、当該積層体121’を圧接するようにプレス装置106を制御する。ここで、積層体121’は、先行の単板20と後続の単板20との当接部分の全面に圧力が加わる状態で圧接される。こうして積層体121’が圧接されることによって階段状の三層の積層接合体121が製造される。以下、説明の便宜上、積層接合体121を構成する単板のうち中央の単板20を「1層目単板20」と称し、当該1層目単板20の鉛直上方に順次積層される単板20を1層目単板20に近い方から順に「2層目上単板20」、「3層目上単板20」と称する。また、1層目単板20の鉛直下方に順次積層される単板20を1層目単板20に近い方から順に「2層目下単板20」、「3層目下単板20」と称する。
続いて、図19に示すように、三層の積層接合体121をプレス装置106から搬出するべく当該三層の積層接合体121を搬送方向D1に搬送するように制御装置116が搬出入用ロールコンベア108を制御する。ここで、搬出入用ロールコンベア108は、第1画像センサカメラ112によって三層の積層接合体121の2層目上単板20の主面に付された印Mが検知されるまで駆動される。
そして、図20に示すように、第1画像センサカメラ112によって2層目上単板20の主面に付された印Mが検知され、印検知信号が制御装置116に出力されると、制御装置116は、2層目上単板20のスカーフ面22を積層準備位置P2に設置するべく搬出入用ロールコンベア108を制御する。具体的には、制御装置116は、2層目上単板20のスカーフ面22と積層準備位置P2との偏差ΔA2を、予めROMに記憶された距離a1,a2,a5 2 を用いて算出し(ΔA2=a5 2 −(a1−a2))、図21に示すように、2層目上単板20を当該偏差ΔA2分だけプレス装置106に向けて(搬送方向D1とは反対方向の搬送方向D1’に)搬送するように搬出入用ロールコンベア108を制御する。ここで、三層の積層接合体121がプレス装置106によって圧締されることによって各単板20に伸縮や板厚縮小などの変形が生じる。これにより、スカーフ面22の位置が変形前の各単板20のスカーフ面22の位置からずれることになる。しかしながら、本実施形態ではスカーフ面22との相対的な位置関係が所定の位置関係に設定された印Mに基づいてスカーフ面22の位置を把握することができるため、スカーフ面22の位置を正確に把握することができる。なお、偏差ΔA2は、本発明の請求項17における「第2偏差」に対応する実施構成の一例である。こうして、図21に示すように、三層の積層接合体121が次の積層接合に向けて積層準備位置P2にセットされる。
こうして三層の積層接合体121が積層準備位置P2にセットされたときには、次の後続の単板20が第1および第2搬送用ロールコンベア109,110の下流部(搬出入用ロールコンベア108の側方に対応する位置)まで到達しており、図21に示すように、第1および第2移送装置150,152によって搬出入用ロールコンベア108への受け渡し準備状態で待機されている。そして、三層の積層接合体121が積層準備位置P2にセットされたことを示す信号が制御装置116に入力されたときに、図22に示すように、当該後続の単板20が第1および第2移送装置150,152によって三層の積層接合体121の2層目上単板20の鉛直上方および2層目下単板20鉛直下方にそれぞれ積層されるように制御装置116が第1および第2移送装置150,152を制御する。このとき、第1移送装置150から2層目下単板20の鉛直下方に積層される後続の単板20は、そのスカーフ面22がプレス装置106の側面106aから距離a3 2 の位置に位置決めされた状態で受け渡され、第2移送装置152から2層目上単板20の鉛直上方に積層される後続の単板20は、そのスカーフ面22がプレス装置106の側面106aから距離a3 2 ’の位置に位置決めされた状態で受け渡される。即ち、三層の積層接合体121に対して後続の単板20が更に階段状に積層される。なお、後続の単板20の主面のうち三層の積層接合体121の2層目上単板20および2層目下単板20に当接される側の主面には接着剤が塗布されている。
そして、図22に示すように、2層目上単板20の鉛直上方および2層目下単板20の鉛直下方のそれぞれに後続の単板20が階段状に積層された状態の積層接合体121をプレス装置106に向けて搬送するように制御装置116が搬出入用ロールコンベア108を制御すると共に、図23に示すように、当該積層接合体121を圧接するようにプレス装置106を制御する。ここで、積層接合体121は、2層目上単板20および2層目下単板20と後続の単板20との当接部分の全面に圧力が加わる状態で圧接される。こうして積層接合体121が圧接されることによって階段状の五層の積層接合体121が製造される。
続いて、図24に示すように、五層の積層接合体121をプレス装置106から搬出するべく当該五層の積層接合体121を搬送方向D1に搬送するように制御装置116が搬出入用ロールコンベア108を制御する。ここで、搬出入用ロールコンベア108は、第2画像センサカメラ114によって五層の積層接合体121の1層目単板20の主面に付された印Mが検知されるまで駆動される。
そして、図25に示すように、第2画像センサカメラ114によって五層の積層接合体121の1層目単板20の主面に付された印Mが検知され、印検知信号が制御装置116に出力されると、制御装置116は、五層の積層接合体121の繊維方向に単板20を積層接合するための接合準備位置P3に1層目単板20のスカーフ面22を設置するべく搬出入用ロールコンベア108を制御する。具体的には、制御装置116は、1層目単板20のスカーフ面22と接合準備位置P3との偏差ΔA3を、予めROMに記憶された距離a1,a2,a7,a8を用いて算出し(ΔA3=a8−a7−(a1−a2))、図25に示すように、1層目単板20を当該偏差ΔA3分だけプレス装置106に向けて(搬送方向D1とは反対方向の搬送方向D1’に)搬送するように搬出入用ロールコンベア108を制御する。ここで、偏差ΔA3は、本発明の請求項18および26における「第3偏差」に対応する実施構成の一例である。こうして、図26に示すように、五層の積層接合体121が接合準備位置P3にセットされる。ここで、五層の積層接合体121がプレス装置106によって圧締されることによって各単板20に伸縮や板厚縮小などの変形が生じ、スカーフ面22の位置が変形前の各単板20のスカーフ面22の位置からずれることになる。しかしながら、本実施形態では、上述したようにスカーフ面22との相対的な位置関係が所定の位置関係に設定された印Mに基づいてスカーフ面22の位置を把握することができるため、スカーフ面22の位置を正確に把握することができる。なお、接合準備位置P3は、本実施の形態では、第2移送装置152から搬出入用ロールコンベア108に移送される単板20のスカーフ面24の設置位置として設定されており、プレス装置106の側面106aから距離a7の位置に設定されている(a7=a3 2 ’+a1+a4)。ここで、第2移送装置152から搬出入用ロールコンベア108に移送される単板20のスカーフ面24は、本発明における「第4加工面」に対応する実施構成の一例である。距離a7は、本発明の請求項18および26における「第7距離」に対応する実施構成の一例である。
ここで、五層の積層接合体121の1層目単板20のスカーフ面22に後続の単板20のスカーフ面24を接合する場合、即ち、五層の積層接合体121の繊維方向端縁部への単板20の接合が初めての場合には、図26に示すように、第2移送装置152からの単板20のみが搬出入用ロールコンベア108へ受け渡されるように制御装置116が第1および第2移送装置150,152を制御する。なお、五層の積層接合体121の1層目単板20のスカーフ面22に接合される単板20にはスカーフ面24のみに接着剤が塗布されるように制御装置116によって接着剤塗布装置138が制御される。
第2移送装置152から搬出入用ロールコンベア108に単板20が受け渡されると、図27に示すように、当該単板20のスカーフ面24と五層の積層接合体121の1層目単板20のスカーフ面22とが当接した状態となる。当該状態の五層の積層接合体121および後続の単板20をプレス装置106に向けて(搬送方向D1とは反対方向の搬送方向D1’に)搬送するように制御装置116が搬出入用ロールコンベア108を制御すると共に、図28に示すように、当該積層接合体121の1層目単板20のスカーフ面22および後続の単板20のスカーフ面24を圧接するようにプレス装置106を制御する。これにより、積層接合体121の1層目単板20と後続の単板20とがスカーフ面22,24を介して一体に接合される。即ち、五層の積層接合体121の1層目単板20の繊維方向端縁部に後続の単板20が接合された積層接合体123が製造される。ここで、積層接合体123は、本発明の請求項20および27における「第2積層接合体」に対応する実施構成の一例である
続いて、図29に示すように、積層接合体123をプレス装置106から搬出するべく積層接合体123を搬送方向D1に搬送するように制御装置116が搬出入用ロールコンベア108を制御する。ここで、搬出入用ロールコンベア108は、第2画像センサカメラ114によって積層接合体123の2層目上単板20の主面に付された印Mが検知されるまで駆動される。そして、図30に示すように、第2画像センサカメラ114によって2層目上単板20の主面に付された印Mが検知され、印検知信号が制御装置116に出力されると、制御装置116は、2層目上単板20のスカーフ面22を接合準備位置P3に設置するべく搬出入用ロールコンベア108を制御する。具体的には、制御装置116は、2層目上単板20のスカーフ面22と接合準備位置P3との偏差ΔAを、予めROMに記憶された距離a1,a2,a7,a8を用いて算出し(ΔA=a8−a7−(a1−a2))、図31に示すように、積層接合体123を当該偏差ΔA分だけプレス装置106に向けて(搬送方向D1とは反対方向の搬送方向D1’に)搬送するように搬出入用ロールコンベア108を制御する。こうして、図31に示すように、積層接合体123が次の接合に向けて接合準備位置P3にセットされる。ここで、偏差ΔA4は、本発明の請求項20および27における「第4偏差」に対応する実施構成の一例である
このとき、後続の単板20が第1および第2搬送用ロールコンベア109,110の下流部(搬出入用ロールコンベア108の側方に対応する位置)まで到達して、図31に示すように、第1および第2移送装置150,152によって搬出入用ロールコンベア108への受け渡し準備状態で待機されており、積層接合体123が接合準備位置P3にセットされたことを示す信号が制御装置116に入力されたときに、図32に示すように、当該後続の単板20が第1および第2移送装置150,152によって積層接合体123の1層目単板20の鉛直上方および鉛直下方にそれぞれ積層されるように制御装置116が第1および第2移送装置150,152を制御する。ここで、第1および第2移送装置150,152から積層接合体123の1層目単板20の鉛直下方および鉛直上方に積層される後続の単板20は、そのスカーフ面2が積層接合体123の2層目下単板20および2層目上単板20のスカーフ面2に当接した状態で受け渡される。なお、後続の単板20の主面のうち積層接合体123の1層目単板20に当接される側の主面およびスカーフ面24には接着剤が塗布されている。
そして、積層接合体123の1層目単板20の鉛直下方および鉛直上方のそれぞれに後続の単板20が積層された状態でプレス装置106に向けて(搬送方向D1とは反対方向の搬送方向D1’に)搬送するように制御装置116が搬出入用ロールコンベア108を制御すると共に、図33に示すように、当該積層接合体123を圧接するようにプレス装置106を制御する。ここで、積層接合体123は、当該積層接合体123の1層目単板20と後続の単板20との当接部分の全面に圧力が加わる状態で圧接される。こうして、図34に示すように、五層の積層接合体121の繊維方向端縁部に三層の積層接合体121が接合された積層接合体123が製造される。
続いて、図34に示すように、積層接合体123をプレス装置106から搬出するべく当該積層接合体123を搬送方向D1に搬送するように制御装置116が搬出入用ロールコンベア108を制御する。ここで、搬出入用ロールコンベア108は、第2画像センサカメラ114によって積層接合体123のうち五層の積層接合体121の3層目上単板20の主面に付された印Mが検知されるまで駆動される。
そして、図35に示すように、第2画像センサカメラ114によって五層の積層接合体121の3層目上単板20の主面に付された印Mが検知され、印検知信号が制御装置116に出力されると、制御装置116は、五層の積層接合体121の3層目上単板20のスカーフ面22を積層準備位置P2に設置するべく搬出入用ロールコンベア108を制御する。具体的には、制御装置116は、3層目上単板20のスカーフ面22と接合準備位置P3との偏差ΔAを、予めROMに記憶された距離a1,a2,a7,a8を用いて算出し(ΔA=a8−a7−(a1−a2))、図36に示すように、3層目上単板20を当該偏差ΔA3分だけプレス装置106に向けて(搬送方向D1とは反対方向の搬送方向D1’に)搬送するように搬出入用ロールコンベア108を制御する。こうして、図36に示すように、積層接合体123が次の積層接合に向けて接合準備位置P3にセットされる。
こうして積層接合体123が接合準備位置P3にセットされたときには、図36に示すように、次の後続の単板20が第1および第2搬送用ロールコンベア109,110の下流部(搬出入用ロールコンベア108の側方に対応する位置)まで到達しており、第1および第2移送装置150,152によって搬出入用ロールコンベア108への受け渡し準備状態で待機されている。そして、積層接合体123が接合準備位置P3にセットされたことを示す信号が制御装置116に入力されたときに、図37に示すように、当該後続の単板20が第1および第2移送装置150,152によって積層接合体123の2層目上単板20の鉛直上方および2層目下単板20の鉛直下方にそれぞれ積層されるように制御装置116が第1および第2移送装置150,152を制御する。ここで、第1および第2移送装置150,152から積層接合体123の2層目単板20の鉛直下方および鉛直上方に積層される後続の単板20は、そのスカーフ面22が積層接合体123の3層目下単板20および3層目上単板20のスカーフ面24に当接した状態で受け渡される。なお、後続の単板20の主面のうち積層接合体123の2層目上単板20および2層目下単板20に当接される側の主面とスカーフ面24とには接着剤が塗布されている。
そして、積層接合体123の2層目上単板20の鉛直上方および2層目下単板の鉛直下方のそれぞれに後続の単板20が積層された状態でプレス装置106に向けて(搬送方向D1とは反対方向の搬送方向D1’に)搬送するように制御装置116が搬出入用ロールコンベア108を制御すると共に、図38に示すように、当該積層接合体123を圧接するようにプレス装置106を制御する。ここで、積層接合体123は、当該積層接合体123の2層目上単板20および2層目下単板20と後続の単板20との当接部分の全面に圧力が加わる状態で圧接される。こうして、図39に示すように、五層の積層接合体121の繊維方向端縁部に五層の積層接合体121が接合された積層接合体123が製造される。
続いて、図39に示すように、二連の五層の積層接合体121が一体に接合された積層接合体123をプレス装置106から搬出するべく当該積層接合体123を搬送方向D1に搬送し、図40に示すように、第2画像センサカメラ114によって積層接合体123の繊維方向端縁部側の3層目上単板20の主面に付された印Mが検知されたときに、図41に示すように、積層接合体123の繊維方向端縁部側の3層目上単板20のスカーフ面22を接合準備位置P3に設置することによって、次なる接合に向けた準備位置に積層接合体123を位置決め設置する。こうした一連の動作を繰り返すことによって、繊維方向に連続する積層接合体123の製造を行うことができる。
以上説明した本発明の第2の実施の形態に係る加工システム100においても、スカーフ面22,24に節が存在したり、欠けが生じたり、あるいは、反りが生じた場合であっても、スカーフ面22,24の位置を簡易かつ正確に把握することができる。これにより、適正な位置関係で単板20同士を厚み方向に積層接合して積層接合体121を製造することができると共に、適正な位置関係で積層接合体121の繊維方向端縁部に更に単板20を積層接合して繊維方向に連続する積層接合体123を製造することができる。なお、スカーフ面22との相対的な位置関係が所定の位置関係に設定された印Mに基づいてスカーフ面22の位置を把握する構成であるため、積層接合体121がプレス装置106によって圧締されることによって各単板20に伸縮や板厚縮小などの変形が生じ、これにより、スカーフ面22の位置が変形前の各単板20のスカーフ面22の位置からずれても、スカーフ面22の位置を正確に把握することができる。
第2の実施形態では、積層準備位置P2をプレス装置106の側面106aの位置としたが、プレス装置106の側面106aから所定距離の位置に積層準備位置P2を設定する構成としても良い。この場合、当該所定距離が本発明の請求項15および25における「第4距離」に対応する実施構成の一例である。
第2の実施形態では、単板20の鉛直方向上側および下側の両方に他の単板20を積層する構成としたが、これに限らない。例えば、単板20の鉛直方向上側のみに他の単板20を積層する構成や、単板20の鉛直方向下側のみに他の単板20を積層する構成としても良い。
第2の実施の形態では、積層接合体121の製造と積層接合体123の製造とを同じ工程で行う構成(一つのプレス装置106、一つの第1搬送用ロールコンベア109、一つの第2搬送用ロールコンベア110、一つの第1移送装置150、および、一つの第2移送装置152によって製造する構成)としたが、積層接合体121の製造と積層接合体123の製造とでは異なる工程で行う構成(異なるプレス装置、第1搬送用ロールコンベア、第2搬送用ロールコンベア、第1移送装置、および、第2移送装置152によって製造する構成)としても良い。この場合、プレス装置106、第1搬送用ロールコンベア109、第2搬送用ロールコンベア110、第1移送装置150、第2移送装置152をそれぞれ二台用いる構成や、プレス装置106、第1搬送用ロールコンベア109、第2搬送用ロールコンベア110、第1移送装置150、第2移送装置152と、これらとは構成が異なるプレス装置、第1搬送用ロールコンベア、第2搬送用ロールコンベア、第1移送装置、第2移送装置と、を用いる構成が考えられる。
第2の実施の形態では、先行の単板20の鉛直下方に後続の単板20を積層する構成として第1搬送用ロールコンベア109、搬出入用ロールコンベア108および第1移送装置150を採用する構成としたが、これに限らない。行の単板20の鉛直下方に後続の単板20を積層する構成としては、例えば、特開2010−208026号公報や特開2005−170013号公報に開示された技術を採用する構成としても良い。
第2の実施の形態では、五層の積層接合体121,123を製造する構成としたが、積層数はこれに限らない。五層より少なくても良いし、五層よりも多くても良い。
次に、本発明の第3の実施の形態に係る単板20の加工システム200について説明する。第3の実施の形態に係る単板20の加工システム200は、図42に示すように、単板20が投入される投入用ロールコンベア2と、単板20に加工を施す加工装置204と、加工された単板20を後工程へ搬送するための搬送用コンベア208と、搬送用コンベア208の上方に配置された画像センサカメラ212と、加工システム200全体をコントロールする制御装置216と、を備えており、図43に示すように、後工程における処理の基準位置となる設置位置1に単板20の一方のスカーフ面22を位置決め可能なように構成されている。なお、重複する説明を回避するため、第3の実施の形態に係る加工システム200のハード構成のうち第1の実施の形態に係る加工システム1のハード構成と同一の構成については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。以下、本実施の形態では、便宜上、投入用ロールコンベア2による単板20の搬送方向を「搬送方向D1」として規定し、後述する搬送部30による単板20の搬送方向を「搬送方向D2」と規定し、搬送用ロールコンベア8による単板20の搬送方向のうち搬送方向D1に平行で向きが逆方向を「搬送方向D1’」と規定する。
加工装置204は、第1の実施の形態に係る加工システム1の加工装置4に対して印字装置36を印字装置236に置き換えたものである。具体的には、印字装置236は、搬送部30によって順次搬送されてくる単板20の鉛直上方から当該単板20の鉛直上方を向く主面の2箇所に第1印M1および第2印M2を付すことができるように構成されている。第1印M1は、図43に示すように、搬送部30の一方の挟持バー42aの側面42a’からスカーフ面24側に向かって距離a2の位置に付され、第2印M2は、第1印M1からスカーフ面22側に向かって距離a4 3 の位置に付される。ここで、第1印M1は、本発明の請求項1における「印」および本発明の請求項24における「第1印」に対応し、第2印M2は、本発明の請求項14および24における「第2印」に対応する実施構成の一例である。また、距離a4 3 は、本発明の請求項14および24における「第4距離」に対応する実施構成の一例である。
搬送用コンベア208は、図42に示すように、第1および第2印M1,M2が付された単板20を搬送方向D1’に搬送する第1ベルトコンベア209と、当該第1ベルトコンベア209によって搬送された単板20を搬送方向D2に搬送するロールコンベア210と、当該ロールコンベア210によって搬送された単板20を搬送方向D1’に搬送する第2ベルトコンベア211と、から構成されている。即ち、搬送用コンベア208は、単板20をクランク状に搬送する。ここで、搬送用コンベア208は、本発明の請求項1における「搬送装置」に対応する実施構成の一例である。
画像センサカメラ212は、図43に示すように、内部にX-Y平面座標を有しており、第2ベルトコンベア211によって搬送される単板20に付された第1および第2印M1,M2の座標データを読み取り、当該座標データを制御装置216に出力するように構成されている。画像センサカメラ212は、設置位置S1から距離a3 3 の位置にX軸が配置されるように第2ベルトコンベア211上に固定的に設置されている。画像センサカメラ212は、本発明の請求項14における「検知部」および本発明の請求項24における「第1検知部」に対応する実施構成の一例である。また、距離a3 3 は、本発明の請求項14における「第3距離」に対応する実施構成の一例である。
制御装置216は、第1の実施の形態に係る加工システム1の制御装置16に対して、入力ポートから入力される信号が第1および第2画像センサカメラ12,14からの印検知信号から画像センサカメラ212からの座標データに変更され、出力ポートから出力される信号が搬送用ロールコンベア8、搬出用ロールコンベア10およびプレス装置6への駆動信号から搬送用コンベア208への駆動信号に変更されたものであり、基本的には第1の実施の形態に係る加工システム1の制御装置16と同じハード構成をしている。なお、本実施の形態では、前述した各距離a1,a2,a3 3 ,a4 3 が、予め制御装置216に入力されてROMに記憶されている構成とした。
次に、こうして構成された加工システム200の動作、特に、単板20を後工程に搬送するか否かを判定する際の動作について説明する。図45は、画像センサカメラ212によって単板20の第1および第2印M1,M2が検知された際に制御装置216によって実行される後工程搬送可否判定処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
後工程搬送可否判定処理ルーチンが実行されると、制御装置216のCPUは、まず、第1および第2印M1,M2の座標(X1,Y1)および座標(X2,Y2)を読み込む処理を実行する(ステップS100)。そして、第1印M1のX座標(X1)と第2印M2のX座標(X2)との差の絶対値(|X2−X1|)を求め、当該差の絶対値(|X2−X1|)が値0であるか否かを判定する(ステップS102)。差の絶対値(|X2−X1|)が値0である場合には、第1印M1のY座標(Y1)と第2印M2のY座標(Y2)との差の絶対値(|Y2−Y1|)を求め、当該差の絶対値(|Y2−Y1|)が値0であるか否かを判定する(ステップS104)。差の絶対値(|Y2−Y1|)が値0である場合には、単板20のスカーフ面22と設置位置S1との偏差ΔA1を求め(ステップS106)、求めた偏差ΔA1分だけ単板20を搬送するよう第2ベルトコンベア211を制御して(ステップS108)、本ルーチンを終了する。なお、偏差ΔA1は、距離a1,a2,a3 3 および第1印M1のY座標(Y1)を用いて算出する(ΔA1=a3 3 ―(a1+2+Y1))。
一方、ステップS102において、第1印M1のX座標(X1)と第2印M2のX座標(X2)との差の絶対値(|X2−X1|)が値0でないと判定された場合には、単板20を搬送中に図44に示すような姿勢崩れが発生したものとして、第2ベルトコンベア211から排除して(ステップS110)、本ルーチンを終了する。即ち、当該単板20の後工程への搬送は行わない。
また、ステップS104において、第1印M1のY座標(Y1)と第2印M2のY座標(Y2)との差の絶対値(|Y2−Y1|)が値0でない場合には、単板20のスカーフ面22と設置位置S1との偏差ΔA1を求めると共に(ステップS112)、単板20に湿気や乾燥などによる伸縮が発生しているものとして伸縮変形量ΔLを求める(ステップS114)。そして、求めた偏差ΔA1を伸縮変形量ΔLを用いて補正した補正偏差ΔA1’を求めた後(ステップS116)、当該補正偏差ΔA’分だけ単板20を搬送するよう第2ベルトコンベア211を制御して(ステップS118)、本ルーチンを終了する。なお、伸縮変形量ΔLは、第1および第2印M1,M2のY座標(Y1およびY2)および距離a4 3 を用いて算出する(ΔL= Y2−Y1− 3 )。また、補正偏差ΔA1’は、偏差ΔA1および伸縮変形量ΔLを用いて算出する(ΔA1’= ΔA1−ΔL/2)。ここで、本実施の形態では、偏差ΔA1から伸縮変形量ΔLの1/2を差し引くものとしたのは、単板20の伸縮は繊維方向に発生するものであり、繊維方向の一方側(スカーフ面22側)の伸縮量は全伸縮変形量ΔLの半分であるとの考えによるものである。
以上説明した本発明の第3の実施の形態に係る加工システム200によれば、仮に、単板20が搬送中に姿勢が崩れたり、あるいは、湿気や乾燥などによって単板20に伸縮変形が発生した場合であっても、第1および第2印M1,M2に基づいてこれらの発生を推定して、当該推定した単板20の状態に基づいて当該単板20を後工程へ搬送するか否かを判定し、後工程に搬送する場合には単板20の状態を補正したうえで当該単板20を設置位置S1に位置決めすることができる。これにより、姿勢が崩れた状態、あるいは、不適切な位置関係で単板20が後工程に搬送されることを良好に防止できる。
第3の実施形態では、第1および第2印M1,M2の二つの印を付す構成としたが、三つ以上の印を付す構成としても良い。当該構成によれば、単板20が搬送中に搬送方向に対して傾いた場合に搬送方向下流側に向かって時計回りに回転したのか、あるいは、反時計回りに回転したのかを確実に判定することができる。
第3の実施の形態では、単板20が搬送中に姿勢崩れを発生した場合には第2ベルトコンベア211から排除する構成としたが、単板20の姿勢崩れを補正する構成としても良い。例えば、単板20が姿勢崩れとして図44に示すような傾斜状態となった場合には、単板20の搬送方向下流側に向かう方向に対する傾斜角θを算出し、当該傾斜角θが値0となるように第2ベルトコンベア211を制御すれば良い。ここで、傾斜角θは、次式により計算することができる。なお、単板20が搬送方向下流側に向かって時計回りに傾斜しているのか、あるいは、反時計回りに傾斜しているのかについては、第1印M1のX座標(X1’)と第2印M2のX座標(X2’)との差の値(X2’−X1’)を比較することにより知ることができる。即ち、X2’−X1’>0であれば傾斜方向は反時計回りであり、X2’−X1’<0であれば傾斜方向は時計回りとなる。したがって、単板20の傾斜を補正する(傾斜角θが値0にする)際には、当該傾斜方向と逆方向に単板20を回転させれば良い。なお、単板20の回転は、第2ベルトコンベア211の一対のベルトのうち回転させたい方向、即ち、時計方向に回転させるのであれば、搬送方向下流側に向かって左側のベルトの回転速度を右側のベルト回転速度よりも早く回転させれば良く、また、逆に反時計向に回転させるのであれば、搬送方向下流側に向かって右側のベルトの回転速度を左側のベルト回転速度よりも早く回転させれば良い。
(数1)
θ=arccos((Y2’―Y1’)/a4 3 )×180°/π
また、単板20に姿勢崩れと伸縮変形との両方が発生している場合には、単板20の傾斜の補正と伸縮量の補正との両方を行えば良い。なお、単板20に傾斜が発生している場合の単板20の伸縮変形発生の判定は、第1印M1の座標(X1’,Y1’)と第2印M2の座標(X2’,Y2’)とから第1および第2印M1,M2間の距離を算出し、当該二点間の距離と距離a4とを比較することにより行うことができる。
第1、第2および第3の実施形態では、スカーフ面22,24の加工と、印M,第1印および第2印M1,M2の印字と、を同時に行う構成としたが、これに限らない。例えば、スカーフ面22,24の加工を行った後に印M,第1印および第2印M1,M2の印字を行う構成や、これとは逆に印M,第1印および第2印M1,M2の印字の印字を行った後にスカーフ面22,24の加工を行う構成でも良い。
第1、第2および第3の実施形態では、単板20の繊維方向に直交する方向に延在する両端縁部にスカーフ面22,24を形成する構成としたが、これに限らない。例えば、単板20の繊維方向に直交する方向に延在する両端縁部には、当該単板20の繊維方向に直交する直交面を形成する構成としても良い。また、第1の実施の形態においては、単板20の繊維方向に直交する方向に延在する両端縁部に段差面を形成する構成として、単板20同士を接合する際には、単板20の段差面同士を嵌め合わせて合い決りによる接合としても良い。
第1および第3の実施形態では、搬送部30の一方の挟持バー42aの側面42a’からスカーフ面24側に向かって距離a2の位置に印Mまたは第1印M1を付す構成としたが、印Mまたは第1印M1は、一方の挟持バー42aの側面42a’からスカーフ面22側に向かって距離a2の位置に付す構成としても良い。
第2の実施形態では、距離a2を距離a1の1/2以上となるような値に設定する構成としたが、搬送部30の一方の挟持バー42aの側面42a’から単板20の主面とスカーフ面22との境界線(スカーフ面22の斜面頭頂部)までの距離を距離a2に設定しても良い。当該構成によれば、単板20に伸縮変形や板厚縮小変形が生じた場合であってもスカーフ面22と印Mとの相対的な位置関係に変化が生じることがほとんどないため、印Mに基づくスカーフ面22の位置把握をより正確に行うことができる。
第1、第2および第3の実施形態では、搬送部30の一方の挟持バー42aの側面42a’を基準としてスカーフ面22,24の加工および印M、第1印M1の印字を行う構成としたが、他の箇所、例えば、搬送部30の他方の挟持バー42bの側面を基準とする構成や、固定部35の挟持バー35aの側面を基準とする構成としても良い。
第1、第2および第3の実施形態では、丸形状の印Mまたは第1および第2印M1,M2を付す構成としたが、これに限らない。印Mまたは第1および第2印M1,M2は、四角形状や三角形状、星形状、線形状など如何なる形状であっても良い。単板20に第1および第2印M1,M2を付す構成の場合には、第1印M1と第2印M2とで異なる形状を採用しても良い。当該構成によれば、単板20が搬送中に搬送方向において180度回転するような姿勢崩れが発生した場合でも当該姿勢崩れを確実に発見することができる。また、印Mまたは第1および第2印M1,M2を線形状とする場合には、挟持バー42a,42bで搬送しながら(搬送を停止することなく)印字装置36,136,236で印字することができる。当該構成によれば、加工時間をより短縮することができる。
第1、第2および第3の実施形態では、単板20を固定部35で固定した状態でスカーフ面22,24の加工を行う構成としたが、これに限らない。例えば、固定部35による固定は行わずに挟持バー42a,42bで搬送しながら(搬送を停止することなく)スカーフ面22,24の加工を行う構成としても良い。当該構成によれば、加工時間をより短縮することができる。
第1、第2および第3の実施形態では、一つの加工装置4,104,204によって加工された単板20同士を接合する構成としたが、二つ以上の加工装置4,104,204によって加工されたそれぞれの単板20同士を接合する構成としても良い。
第1、第2および第3の実施形態では、一対の挟持バー42a,42bによって投入用ロールコンベア2から鋸装置32a,32bによる加工を経て搬送用ロールコンベア8まで単板20を搬送する構成としたが、これに限らない。例えば、図46ないし図48に例示する変形例の加工システム300に示すように、一対の第1挟持バー343a,342bによって投入用ロールコンベア2から鋸装置32a,32bの位置まで単板20を搬送し、一対の第2挟持バー343a,343bによって鋸装置32a,32bの位置から搬送用ロールコンベア8まで単板20を搬送する構成としても良い。ここで、一対の第1挟持バー342a,342bは、本発明の請求項6における「第1把持部」に対応し、一対の第2挟持バー343a,343bは、本発明の請求項6における「第2把持部」に対応する実施構成の一例である。
この場合、図47に示すように、鋸装置32a,32bの位置において一対の第1挟持バー342a,342bおよび一対の第2挟持バー343a,343bによって単板20を一時的に重複把持する構成とすることによって、投入用ロールコンベア2によって所定の姿勢に位置決めされた単板20を当該所定の姿勢を維持した状態で一対の第1挟持バー342a,342bから一対の第2挟持バー343a,343bへ受け渡すことができる。
そして、当該所定の姿勢を維持した状態で一対の第1挟持バー342a,342bから一対の第2挟持バー343a,343bへ単板20を受け渡した後は、図48に示すように、一対の第1挟持バー342a,342bを投入用ロールコンベア2まで戻す構成としている。当該構成によれば、一対の第2挟持バー343a,343bおよび固定部35(図示せず)によって単板20を固定した状態で単板20にスカーフ面22,24を切削加工している間に、一対の第1挟持バー342a,342bを搬送準備状態で待機することができるため、単板搬送効率の向上を図ることができる。
本実施形態は、本発明を実施するための形態の一例を示すものである。したがって、本発明は、本実施形態の構成に限定されるものではない。なお、本実施形態の各構成要素と本発明の各構成要素の対応関係を以下に示す。
1,100,200,300 加工システム(加工システム)
2,102 投入用ロールコンベア
4,104,204 加工装置(加工装置)
6 プレス装置(接合装置、後工程)
8 搬送用ロールコンベア(第1搬送装置)
10 搬出用ロールコンベア(第2搬送装置)
12,112 第1画像センサカメラ(第1検知部)
12a 照明
14,114 第2画像センサカメラ(第2検知部)
14a 照明
16,116 制御装置(制御装置)
20 単板(板状部材、第1板状部材、第2板状部材、第3板状部材、第4板状部材、第5板状部材)
22 スカーフ面(加工面、第1加工面)
24 スカーフ面(加工面、第2加工面、第3加工面、第4加工面)
30 搬送部(搬送部)
32a,32b 鋸装置(加工部)
33 丸鋸
34 駆動装置
35 固定部(固定部)
35a 挟持バー
36 印字装置(印付与部)
38,138 接着剤塗布装置
42a,42b 挟持バー(把持部)
42a’ 側面(搬送部の所定箇所)
82,84,86 センサ
106 プレス装置(接合装置、第1接合装置、第2接合装置、後工程)
106a 側面(第1接合装置の所定箇所)
108 搬出入用ロールコンベア(第1搬送装置、第2搬送装置)
109 第1搬送用ロールコンベア
110 第2搬送用ロールコンベア
111 移送コンベア
121 積層接合体(積層接合体)
121’ 積層体
123 積層接合体(第2積層接合体)
150 第1移送装置(第1受渡装置、第2受渡装置)
152 第2移送装置(第1受渡装置、第2受渡装置)
208 搬送用コンベア(搬送装置)
212 画像センサカメラ(検知部)
342a,342b 第1挟持バー(第1把持部)
343a,343b 第2挟持バー(第2把持部)
M 印(印)
M1 第1印(印)
M2 第2印(第2印)
P1 接合準備位置(接合準備位置)
P2 積層準備位置(積層準備位置)
P3 接合準備位置(接合準備位置)

Claims (27)

  1. 所定の姿勢で搬入された板状部材に後工程で用いられる加工面を形成する板状部材の加工装置であって、
    前記所定の姿勢を維持した状態で前記板状部材を固定可能に構成されていると共に、前記所定の姿勢を維持した状態で前記板状部材を前記後工程に向けて搬送可能に構成された搬送部と、
    該搬送部によって固定された前記板状部材の繊維方向に直交する方向に延在する一方の端縁部である第1端縁部であって、前記搬送部の所定箇所を基準として該所定箇所から第1距離の位置に前記加工面を形成するよう構成された加工部と、
    前記搬送部によって固定された前記板状部材に、前記搬送部の所定箇所から前記第1端縁部側または前記板状部材の繊維方向に直交する方向に延在する他方の端縁部である第2端縁部側に向かって第2距離の位置に印を付すよう構成された印付与部と、
    を備えている板状部材の加工装置。
  2. 前記搬送部は、前記所定の姿勢を維持した状態で前記板状部材を把持可能な把持部を有しており、
    前記加工部は、前記把持部によって前記板状部材が把持された状態で前記板状部材に前記加工面を形成するよう構成されており、
    前記印付与部は、前記把持部によって前記板状部材が把持された状態で前記板状部材に前記印を付与するよう構成されている
    請求項1に記載の板状部材の加工装置。
  3. 前記印付与部は、前記加工面に近接した位置に前記印を付与するよう構成されている
    請求項1または2に記載の板状部材の加工装置。
  4. 前記印付与部は、前記搬送部の所定箇所から前記第1端縁部側であって、前記第2距離が前記第1距離の1/2以上となる位置に前記印を付与するよう構成されている
    請求項3に記載の板状部材の加工装置。
  5. 前記搬送部は、前記加工部に前記板状部材を搬送する途中において該板状部材を前記所定の姿勢を維持した状態で位置決め固定可能な固定部をさらに有しており、
    該固定部は、前記把持部よりも前記第1端縁部側において前記板状部材を把持するよう構成されており、
    前記加工部は、前記固定部によって位置決め固定された状態で前記板状部材に前記加工面を形成するよう構成されている
    請求項1ないし4のいずれか1項に記載の板状部材の加工装置。
  6. 前記把持部は、前記所定の姿勢で搬入された前記板状部材を該所定の姿勢を維持した状態で把持しながら前記加工部まで搬送する第1把持部と、前記所定の姿勢を維持した状態で前記第1把持部から前記板状部材を受け取って該所定の姿勢を維持した状態で把持しながら前記板状部材を前記加工部から前記後工程に向けて搬送する第2把持部と、を有しており、
    前記加工部は、前記第2把持部の所定箇所から前記第1距離の位置に前記加工面を形成するよう構成されており、
    前記印付与部は、前記第2把持部の前記所定箇所から前記第1端縁部側または前記第2端縁部側に向かって前記第2距離の位置に前記印を付すよう構成されている
    請求項2ないし5のいずれか1項に記載の板状部材の加工装置。
  7. 前記印付与部は、前記搬送部が前記板状部材を前記後工程に向けて搬送している最中に前記印を付すよう構成されている
    請求項1ないし6のいずれか1項に記載の板状部材の加工装置。
  8. 前記印付与部は、前記板状部材の色とは異なる色をもって前記板状部材に前記印を付すよう構成されている
    請求項1ないし7のいずれか1項に記載の板状部材の加工装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の加工装置と、
    前記加工装置によって加工された前記板状部材としての第1板状部材および第2加工面が形成された第2板状部材を一体にするよう構成された接合装置と、
    前記接合装置よりも搬送方向上流側に配置された第1搬送装置と、
    前記接合装置よりも搬送方向下流側に配置された第2搬送装置と、
    前記印を検知可能に構成された第1検知部と、
    前記接合装置、前記第1搬送装置および前記第2搬送装置を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記加工装置は、前記第1板状部材に前記加工面としての第1加工面を形成すると共に前記印を付すよう構成されており、
    前記接合装置は、前記第1板状部材の前記第1加工面と前記第2板状部材の前記第2加工面とを接合するよう構成されており、
    前記第1搬送装置は、前記第1加工面側が前記搬送方向下流側を向いた状態で前記第1板状部材が搬入されるよう構成されていると共に前記第1板状部材を前記接合装置に向けて搬送するよう構成されており、
    前記第2搬送装置は、前記第2加工面が接合準備位置に位置決めされた状態で前記第2板状部材を設置可能に構成されており、
    前記制御装置は、前記第1検知部によって前記第1板状部材の前記印が検知された際、該第1板状部材の該印に基づいて前記第1板状部材の前記第1加工面と前記接合準備位置との第1偏差を算出し、該第1偏差分だけ前記第1板状部材を搬送後に停止するよう前記第1搬送装置を制御すると共に、前記第1板状部材の前記第1加工面と前記第2板状部材の前記第2加工面とを接合するよう前記接合装置を制御する
    板状部材の加工システム。
  10. 前記第1検知部は、前記接合準備位置から前記搬送方向上流側に第3距離の位置に配置されており、
    前記制御装置は、前記第1偏差を前記第1板状部材の前記第1および第2距離と、前記第3距離と、に基づいて算出するよう構成されている
    請求項9に記載の板状部材の加工システム。
  11. 前記接合準備位置よりも前記搬送方向下流側に配置された第2検知部をさらに備え、
    前記加工装置は、前記第1板状部材の前記第2端縁部であって、前記搬送部の所定箇所を基準として該所定箇所から第4距離の位置に前記加工面としての第3加工面を形成するよう構成されており、
    前記制御装置は、前記第1板状部材と前記第2板状部材とが接合された後、前記第1および第2板状部材の接合体を前記搬送方向下流側に搬送するよう前記第1および第2搬送装置を制御すると共に、前記第2検知部によって前記第1板状部材の前記印が検知された際、該第1板状部材の該印に基づいて該第1板状部材の前記第3加工面と前記接合準備位置との第2偏差を算出し、該第2偏差分だけ前記接合体を搬送した後に停止するよう前記第1および第2搬送装置を制御する
    請求項9または10に記載の板状部材の加工システム。
  12. 前記第2検知部は、前記接合準備位置から前記搬送方向下流側に第5距離の位置に配置され、
    前記制御装置は、前記第2偏差を前記第1板状部材の前記第2および第4距離と、前記第5距離と、に基づいて算出するよう構成されている
    請求項11に記載の板状部材の加工システム。
  13. 前記加工部は、前記第1板状部材の前記第1加工面および前記第2板状部材の前記第2加工面をスカーフ形状に形成するよう構成されており、
    前記第1板状部材の前記第1加工面および前記第2板状部材の前記第2加工面は、互いに平行となるよう構成されており、
    前記接合装置は、前記第1板状部材の前記第1加工面および前記第2板状部材の前記第2加工面をスカーフ接合するよう構成されている
    請求項9ないし12のいずれか1項に記載の板状部材の加工システム。
  14. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の加工装置と、
    前記加工装置によって加工された前記板状部材を前記後工程に設定された設置基準位置に向けて搬送する搬送装置と、
    前記印を検知可能に構成された検知部と、
    前記搬送装置を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記加工装置は、前記搬送部によって前記搬送装置に向けて搬送される前記板状部材の前記第1端縁部であって、前記印から前記第1または第2端縁部側に向かって第4距離の位置に第2印を付すよう構成されており、
    前記検知部は、前記設置基準位置から第3距離の位置に配置されると共に、前記第2印を検知可能に構成されており、
    前記制御装置は、前記検知部によって前記印および前記第2印が検知された際、前記第1、第2、第3および第4距離に基づいて前記加工面の前記設置基準位置に対する状態を推定し、推定した前記加工面の状態に基づいて前記板状部材を搬送するよう前記搬送装置を制御する
    板状部材の加工システム。
  15. 前記板状部材としての第1および第2板状部材それぞれに前記加工面としての第1加工面を形成すると共に前記印を付すよう構成された請求項1ないし8のいずれか1項に記載の加工装置と、
    前記加工装置によって加工された前記第1板状部材および第2板状部材を接合するよう構成された第1接合装置と、
    前記第1および第2板状部材を前記第1接合装置に向けて搬送するよう構成された第1搬送装置と、
    前記印を検知可能に構成された第1検知部と、
    前記第1接合装置の所定個所から第3距離の位置に設定された受渡位置に、前記第1および第2板状部材の前記第1加工面を整合させた状態で、前記第1および第2板状部材を前記加工装置から前記第1搬送装置に受け渡すよう構成された第1受渡装置と、
    前記第1接合装置、前記第1搬送装置および前記第1受渡装置を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記第1受渡装置は、前記第1板状部材上に前記第2板状部材が積層される態様で前記加工装置から前記第1搬送装置に前記第1および第2板状部材を受け渡すよう構成されており、
    前記制御装置は、まず、前記第1板状部材を前記第1搬送装置に受け渡すよう前記第1受渡装置を制御し、次に、受け渡された前記第1板状部材を前記第1接合装置の所定個所から第4距離の位置であって前記受渡位置よりも搬送方向下流側に設定された積層準備位置に向けて搬送するよう前記第1搬送装置を制御し、前記第1検知部によって前記第1板状部材の前記印が検知された際に、該第1板状部材の該印に基づいて前記第1板状部材の前記第1加工面と前記積層準備位置との第1偏差を算出して、該第1偏差分だけ前記第1板状部材を搬送後に停止するよう前記第1搬送装置を制御すると共に、前記積層準備位置に位置決めされた前記第1板状部材上に前記第2板状部材を積層するべく前記第2板状部材を前記第1搬送装置に受け渡すよう前記第1受渡装置を制御し、最後に、積層された前記第1および第2板状部材を前記第1接合装置に搬送すると共に該第1接合装置によって前記第1および第2板状部材を積層接合するよう前記第1搬送装置および前記第1接合装置を制御する
    板状部材の加工システム。
  16. 前記第1検知部は、前記第1接合装置の前記所定個所から搬送方向上流側に向かって第5距離の位置に配置されており、
    前記制御装置は、前記第1偏差を前記第1板状部材の前記第1および第2距離と前記第4距離と、前記第5距離と、に基づいて算出するよう構成されている
    請求項15に記載の板状部材の加工システム。
  17. 前記加工装置は、前記板状部材としての第3板状部材に前記第1加工面を形成すると共に前記印を付すよう構成されており、
    前記第1受渡装置は、前記第3板状部材の前記第1加工面を前記受渡位置に整合させた状態、かつ、前記第1および第2板状部材の積層接合体における該第2板状部材上に積層される態様で前記加工装置から前記第1搬送装置に前記第3板状部材を受け渡すよう構成されており、
    前記制御装置は、前記第1および第2板状部材を積層接合後、前記第1および第2板状部材の積層接合体を搬送方向上流側に向けて搬送するよう前記第1搬送装置を制御し、前記第1検知部によって前記第2板状部材の前記印が検知された際、該第2板状部材の該印に基づいて前記第2板状部材の前記第1加工面と前記積層準備位置との第2偏差を算出して、前記第2偏差分だけ前記第1および第2板状部材の積層接合体を搬送後に停止するよう前記第1搬送装置を制御すると共に、前記積層準備位置に位置決めされた前記第1および第2板状部材の積層接合体上に前記第3板状部材を積層するべく前記第3板状部材を前記第1搬送装置に受け渡すよう前記第1受渡装置を制御して、積層された前記第1、第2および第3板状部材を前記第1接合装置に搬送すると共に前記第1および第2板状部材の積層接合体に前記第3板状部材を積層接合するよう前記第1搬送装置および前記第1接合装置を制御する
    請求項15または16に記載の板状部材の加工システム。
  18. 前記加工装置は、前記板状部材としての第4板状部材の前記第2端縁部であって、前記搬送部の所定箇所を基準として該所定箇所から第6距離の位置に前記加工面としての第4加工面を形成するよう構成されており、
    前記第1および第2板状部材の積層接合体のうち前記第1板状部材の前記第1加工面に前記第4板状部材の前記第4加工面を当接させて、前記積層接合体に前記第4板状部材を接合するよう構成された第2接合装置と、
    前記第1および第2板状部材の積層接合体を前記第2接合装置に向けて搬送する第2搬送装置と、
    前記第1および第2板状部材それぞれに付された前記印を検知可能に構成された第2検知部と、
    前記第2接合装置の所定個所から第7距離の位置に設定された接合準備位置に、前記第4板状部材の前記第4加工面を整合させた状態で、前記第4板状部材を前記第2搬送装置に受け渡すよう構成された第2受渡装置と、
    をさらに備え、
    前記制御装置は、まず、前記第1および第2板状部材の積層接合体を前記接合準備位置に向けて搬送するよう前記第2搬送装置を制御すると共に、前記第2検知部によって前記第1板状部材の前記印が検知された際、該第1板状部材の該印に基づいて前記第1板状部材の前記第1加工面と前記接合準備位置との第3偏差を算出し、次に、該第3偏差分だけ前記第1および第2板状部材の積層接合体を搬送後に停止するよう前記第2搬送装置を制御すると共に、前記第4板状部材を前記第2搬送装置に受け渡すよう前記第2受渡装置を制御して、前記第1板状部材の前記第1加工面と前記第4板状部材の前記第4加工面とを当接させ、最後に、前記第1および第2板状部材の前記積層接合体に前記第4板状部材を接合するよう前記第2接合装置を制御する
    請求項15ないし17のいずれか1項に記載の板状部材の加工システム。
  19. 前記第2検知部は、前記第2接合装置の前記所定個所から第8距離の位置に配置されており、
    前記制御装置は、前記第3偏差を前記第1板状部材の前記第1および第2距離と前記第7距離と、前記第8距離と、に基づいて算出するよう構成されている
    請求項18に記載の板状部材の加工システム。
  20. 前記加工装置は、前記板状部材としての第5板状部材であって、前記搬送部の所定箇所を基準として該所定箇所から前記第6距離の位置に前記第4加工面を形成するよう構成されており、
    前記第2接合装置は、前記第1および第2板状部材の積層接合体のうち前記第2板状部材の前記第1加工面に前記第5板状部材の前記第4加工面を当接させて、前記第1、第2および第4板状部材の第2積層接合体に前記第5板状部材を接合するよう構成されており、
    前記制御装置は、前記第1および第2板状部材の積層接合体に前記第4板状部材を接合後、前記第1、第2および第4板状部材の第2積層接合体を搬送方向上流側に向けて搬送するよう前記第2搬送装置を制御すると共に、前記第2検知部によって前記第2板状部材の前記印が検知された際、該第2板状部材の該印に基づいて前記第2板状部材の前記第1加工面と前記接合準備位置との第4偏差を算出し、該第4偏差分だけ前記第2積層接合体を搬送後に停止するよう前記第2搬送装置を制御して、前記第2板状部材の前記第1加工面と前記第5板状部材の前記第4加工面とを当接させ、前記第2積層接合体に前記第5板状部材を接合するよう前記第2接合装置を制御する
    請求項19に記載の板状部材の加工システム。
  21. 搬送部によって後工程に向けて搬送される板状部材に後工程で用いられる加工面を形成する板状部材の加工方法であって、
    (a)前記板状部材を所定の姿勢で搬入する工程と、
    (b)前記所定の姿勢で搬入された前記板状部材を前記搬送部によって前記所定の姿勢を維持した状態で前記後工程に向けて搬送する工程と、
    (c)前記所定の姿勢を維持した状態で前記後工程に向けて搬送される前記板状部材の繊維方向に直交する方向に延在する一方の端縁部である第1端縁部であって、前記搬送部の所定箇所を基準として該所定箇所から第1距離の位置に前記加工面を形成すると共に、前記搬送部の所定箇所から前記第1端縁部側または前記板状部材の繊維方向に直交する方向に延在する他方の端縁部である第2端縁部側に向かって第2距離の位置に印を付する工程と、
    を備える板状部材の加工方法。
  22. 搬送部によって後工程に向けて搬送される第1板状部材に後工程で用いられる第1加工面を形成すると共に、該第1加工面に対応する第2加工面を有し該第2加工面が接合準備位置に位置決めされた状態で設置された第2板状部材に前記第1板状部材を接合する板状部材の接合方法であって、
    (a)前記第1板状部材を所定の姿勢で搬入する工程と、
    (b)前記所定の姿勢で搬入された前記第1板状部材を前記搬送部によって前記所定の姿勢を維持した状態で前記後工程に向けて搬送する工程と、
    (c)前記後工程に向けて搬送される前記第1板状部材の繊維方向に直交する方向に延在する一方の端縁部である第1端縁部であって、前記搬送部の所定箇所を基準として該所定箇所から第1距離の位置に前記第1加工面を形成すると共に、前記搬送部の所定箇所から前記第1端縁部側または前記第1板状部材の繊維方向に直交する方向に延在する他方の端縁部である第2端縁部側に向かって第2距離の位置に印を付す工程と、
    (d)前記第1加工面側が前記接合準備位置側を向いた状態で前記第1板状部材を前記接合準備位置に向けて搬送する工程と、
    (e)第1検知部によって前記第1板状部材の前記印が検知された際、該第1板状部材の該印に基づいて前記第1板状部材の前記第1加工面と前記接合準備位置との第1偏差を算出する工程と、
    (f)該第1偏差分だけ前記第1板状部材を搬送することによって、前記第1板状部材の前記第1加工面を前記接合準備位置に位置決めする工程と、
    (g)前記接合準備位置において整合した前記第1板状部材の前記第1加工面と前記第2板状部材の前記第2加工面とを接合する工程と、
    を備える板状部材の接合方法。
  23. 前記工程(c)は、前記後工程に向けて搬送される前記第1板状部材に、前記搬送部の所定箇所を基準として該所定箇所から前記第1板状部材の前記第2端縁部側に向かって第4距離の位置に第3加工面を形成する工程を含み、
    (h)前記第1板状部材と前記第2板状部材とが接合された後、前記第1および第2板状部材の接合体を搬送方向下流側に搬送する工程と、
    (i)第2検知部によって前記第1板状部材の前記印が検知された際、該第1板状部材の該印に基づいて該第1板状部材の前記第3加工面と前記接合準備位置との第2偏差を算出する工程と、
    (j)該第2偏差分だけ前記接合体を搬送することによって、前記第1板状部材の前記第3加工面を前記接合準備位置に位置決めする工程と、
    をさらに備える請求項22に記載の板状部材の接合方法。
  24. 搬送部によって後工程に向けて搬送される板状部材に後工程で用いられる加工面を形成すると共に、該加工面が前記後工程に設定された設置基準位置に位置決めされた状態で前記板状部材を設置する板状部材の加工方法であって、
    (a)前記板状部材を所定の姿勢で搬入する工程と、
    (b)前記所定の姿勢で搬入された前記板状部材を前記搬送部によって前記所定の姿勢を維持した状態で前記後工程に向けて搬送する工程と、
    (c)前記後工程に向けて搬送される前記板状部材に、前記搬送部の所定箇所を基準として該所定箇所から前記板状部材の繊維方向に直交する方向に延在する一方の端縁部である第1端縁部側に向かって第1距離の位置に前記加工面を形成すると共に、前記搬送部の所定箇所から前記第1端縁部側または前記板状部材の繊維方向に直交する方向に延在する他方の端縁部である第2端縁部側に向かって第2距離の位置に第1印を付し、かつ、該第1印から前記第1端縁部側または前記第2端縁部側に向かって第4距離の位置に第2印を付す工程と、
    (d)第1検知部によって前記第1および第2印が検知された際、該第1および第2印に基づいて前記加工面の前記設置基準位置に対する状態を推定する工程と、
    (e)推定した前記加工面の状態に基づいて前記板状部材を搬送する工程と、
    を備える板状部材の加工方法。
  25. 搬送部によって後工程に向けて順次搬送される板状部材それぞれに後工程で用いられる加工面を形成し、該加工面が形成された前記板状部材を第1搬送装置によって第1接合装置に向けて搬送すると共に、該第1接合装置によって前記板状部材同士を積層した状態で接合する板状部材の接合方法であって、
    (a)前記板状部材を所定の姿勢で順次搬入する工程と、
    (b)前記所定の姿勢で順次搬入された前記板状部材を前記搬送部によって前記所定の姿勢を維持した状態で前記後工程に向けて順次搬送する工程と、
    (c)前記後工程に向けて順次搬送される前記板状部材それぞれの繊維方向に直交する方向に延在する一方の端縁部である第1端縁部であって、前記搬送部の所定箇所を基準として該所定箇所から第1距離の位置に前記加工面としての第1加工面をそれぞれ形成すると共に、前記搬送部の所定箇所から前記第1端縁部側に向かって第2距離の位置に印をそれぞれ付す工程と、
    (d)前記第1接合装置の所定個所から第3距離の位置に設定された受渡位置に、前記板状部材としての第1板状部材の前記第1加工面を整合させた状態で、前記第1板状部材を前記第1搬送装置に受け渡す工程と、
    (e)受け渡された前記第1板状部材を前記第1接合装置の所定個所から第4距離の位置に設定された積層準備位置に向けて搬送する工程と、
    (f)第1検知部によって前記第1板状部材の前記印が検知された際に、該第1板状部材の該印に基づいて前記第1板状部材の前記第1加工面と前記積層準備位置との第1偏差を算出する工程と、
    (g)該第1偏差分だけ前記第1板状部材を搬送することによって、前記第1板状部材の前記第1加工面を前記積層準備位置に位置決めする工程と、
    (h)前記板状部材としての第2板状部材の前記第1加工面を前記受渡位置に整合させた状態で、前記第2板状部材を前記積層準備位置に位置決めされた前記第1板状部材上に積層するべく前記第1搬送装置に受け渡す工程と、
    (i)積層された前記第1および第2板状部材を前記第1搬送装置によって前記第1接合装置に搬送して、前記第1接合装置によって前記第1および第2板状部材を積層接合する工程と、
    を備える板状部材の接合方法。
  26. 前記第1および第2板状部材の積層接合体のうち前記第1板状部材の前記第1加工面に前記板状部材としての第4板状部材の第4加工面を接合するよう構成された第2接合装置と、該第2接合装置に向けて前記第1および第2板状部材の積層接合体を搬送するよう構成された第2搬送装置と、を備え、
    前記工程(c)は、所定の姿勢で搬入された前記板状部材の繊維方向に直交する方向に延在する他方の端縁部である第2端縁部であって、前記搬送部の所定箇所を基準として該所定箇所から第6距離の位置に前記第4加工面を形成する工程を含み、
    (j)前記第1および第2板状部材を積層接合後に、前記第2搬送装置によって前記第1および第2板状部材の積層接合体を前記第2接合装置の所定個所から第7距離の位置に設定された接合準備位置に向けて搬送する工程と、
    (k)第2検知部によって前記第1板状部材の前記印が検知された際、該第1板状部材の該印に基づいて前記第1板状部材の前記第1加工面と前記接合準備位置との第3偏差を算出し、
    (l)該第3偏差分だけ前記第1および第2板状部材の積層接合体を搬送後に停止すると共に、前記第4板状部材の前記第4加工面を前記接合準備位置に整合させた状態で、前記第4板状部材を前記第2搬送装置に受け渡すことによって前記第1板状部材の前記第1加工面と前記第4板状部材の前記第4加工面とを当接させる工程と、
    (m)前記第2接合装置によって前記第1および第2板状部材の前記積層接合体に前記第4板状部材を接合する工程と、
    をさらに備える請求項25に記載の板状部材の接合方法。
  27. (n)前記第1および第2板状部材の積層接合体に前記第4板状部材を接合後に、前記第2搬送装置によって前記第1、第2および第4板状部材の第2積層接合体を搬送方向上流側に向けて搬送する工程と、
    (o)前記第2検知部によって前記第2板状部材の前記印が検知された際、該第2板状部材の該印に基づいて前記第2板状部材の前記第1加工面と前記積層準備位置との第4偏差を算出する工程と、
    (p)該第4偏差分だけ前記第2積層接合体を搬送後に停止すると共に、前記板状部材としての第5板状部材の前記第4加工面を前記接合準備位置に整合させた状態で、前記第5板状部材を前記第2搬送装置に受け渡すことによって、前記第2板状部材の前記第1加工面と前記第5板状部材の前記第4加工面とを当接させる工程と、
    (q)前記第2接合装置によって、前記第2積層接合体に前記第5板状部材を接合する工程と、
    をさらに備える請求項26に記載の板状部材の接合方法。
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