以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における羽ばたき装置の要部の概略斜視図であり、図2は、躯体の図示を省略した当該要部の概略斜視図である。また、図3は、図2に示す回転運動伝達部の構成および動作を説明するための概略正面図であり、図4は、図2に示す運動変換部の構成および動作を説明するための概略上面図である。まず、これら図1ないし図4を参照して、本実施の形態における羽ばたき装置1Aの構成および概略的な動作について説明する。
図1に示すように、羽ばたき装置1Aは、躯体100と、躯体100に組付けられた動力源としての回転電動機2と、回転電動機2にて発生した動力を伝達する動力伝達機構3と、動力伝達機構3によって駆動される一対の羽体としての第1羽体4Aおよび第2羽体4Bと、上述した回転電動機2に電力を供給する図示しないバッテリとを主として備えている。図2に示すように、動力伝達機構3は、回転運動伝達部3Aと運動変換部3Bとを含んでいる。
ここで、図1および図2に示すように、羽ばたき装置1Aの前後、左右および上下にそれぞれX軸、Y軸およびZ軸をとり、羽ばたき装置1Aの前方側および後方側に向けての方向をそれぞれX1方向およびX2方向と定義し、羽ばたき装置1Aの右方側および左方側に向けての方向をそれぞれY1方向およびY2方向と定義し、羽ばたき装置1Aの上方側および下方側に向けての方向をそれぞれZ1方向およびZ2方向と定義し、以下においては、これら方向を用いて説明を行なう。
図1に示すように、躯体100は、羽ばたき装置1Aの本体部を構成する部材であり、上述した回転電動機2、動力伝達機構3およびバッテリが組付けられてなるものである。躯体100は、たとえばフレーム状の骨組みにて構成されており、これに加えて当該骨組みを覆うカバーを備えていてもよい。
図1ないし図3に示すように、回転電動機2は、羽ばたき装置1Aの下部に配置されており、上述したように躯体100に組付けられている。回転電動機2は、回転運動を出力する出力シャフト2aを含んでおり、出力シャフト2aは、金属製のシャフトにて構成されている。出力シャフト2aは、Z軸方向に沿って延在して配置されており、その先端にギヤ2bが固定されている。ギヤ2bは、出力シャフト2aの軸線周りの回転に伴って出力シャフト2aと共に回転する。
なお、通常、回転電動機2は、使用者もしくは自動化されたアルゴリズムにより制御指示が与えられる制御装置によって制御されるが、当該制御の詳細は、本発明の内容に直接関係しないため、説明の簡略化のためにここではその詳細を省略し、本実施の形態においては、上述した図示しないバッテリからの電力を受けて回転電動機2が直接的に駆動されるものとして、その説明を行なう。また、上述した制御装置の有無や制御装置を備える場合における具体的な制御方法は、本発明を適用する際に何ら影響を及ぼすものではない。
回転運動伝達部3Aは、第1伝達部材31と第2伝達部材32とを含んでいる。第1伝達部材31および第2伝達部材32は、いずれも躯体100によって回転可能に支持されている。
第1伝達部材31は、Z軸方向に沿って延在する第1接続ロッド31aと、第1接続ロッド31aの一端に固定されたギヤ31bと、第1接続ロッド31aの他端に固定されたギヤ31cとを有している。ギヤ31bおよびギヤ31cは、いずれも第1接続ロッド31aと共に第1接続ロッド31aの軸線周りに回転する。
第2伝達部材32は、Z軸方向に沿って延在する第2接続ロッド32aと、第2接続ロッド32aの一端に固定されたギヤ32bと、第2接続ロッド32aの他端に固定されたディスク32cとを有している。ギヤ32bおよびディスク32cは、いずれも第2接続ロッド32aと共に第2接続ロッド32aの軸線周りに回転する。
第1接続ロッド31aの一端に固定されたギヤ31bは、出力シャフト2aの先端に固定されたギヤ2bと歯合している。また、第2接続ロッド32aの一端に固定されたギヤ32bは、第1接続ロッド31aの他端に固定されたギヤ31cと歯合している。
以上により、回転電動機2の出力シャフト2aに生じた回転運動が、第1伝達部材31および第2伝達部材32へ回転運動のまま伝達されることになり、その結果、回転運動伝達部3Aの出力部としてのディスク32cが第2接続ロッド32aの軸線周りに回転運動することになる。なお、第1伝達部材31および第2伝達部材32は、ギヤ31b,31c,32bの歯数が調節されることにより、減速機として機能する。
ここで、第1伝達部材31の第1接続ロッド31aおよび第2伝達部材32の第2接続ロッド32aは、いずれも炭素繊維製のロッドにて構成されている。これにより、これら第1接続ロッド31aおよび第2接続ロッド32aの各々によって後述する負荷変動抑制部A1,A2(図3参照)が構成されることになるが、その詳細については後述することとする。
また、回転電動機2のギヤ2bと第1伝達部材31のギヤ31bとの歯合部および第1伝達部材31のギヤ31cと第2伝達部材32のギヤ32bとの歯合部は、それぞれ所定の大きさのバックラッシュを有している。これにより、これら歯合部の各々によって後述する負荷変動抑制部B1,B2(図3参照)が構成されることになるが、その詳細については後述することとする。
図1、図2および図4に示すように、運動変換部3Bは、回転電動機2および回転運動伝達部3Aの上方に配置されており、クランクアーム33およびクランクピン34a,34bからなるクランクと、スライダ35と、弾性ベルト36と、第1回転体37と、第2回転体38とを主として備えている。
スライダ35は、矩形枠状の部材にて構成されており、回転運動伝達部3Aの第2伝達部材32の上方に位置している。スライダ35は、躯体100に設けられた一対のスライドガイド5a,5bによって移動可能に支持されている。より詳細には、一対のスライドガイド5a,5bは、X軸方向に沿って延在するようにY軸方向に並んで配設されており、スライダ35の所定位置には、当該スライドガイド5a,5bが挿通される複数の貫通孔が設けられている。これにより、当該複数の貫通孔にスライドガイド5a,5bが挿通されることにより、スライダ35は、第1方向であるX軸方向に沿って移動可能に構成されている。
スライダ35の下方であって第2伝達部材32の上方には、クランクアーム33が配置されている。クランクアーム33は、その延在方向がXY平面と平行となるように配置されており、その一端がクランクピン34aによって第2伝達部材32のディスク32cの偏心位置に回転可能に組付けられており、その他端がクランクピン34bによってスライダ35の所定位置に回転可能に組付けられている。
これにより、図4に示すように、回転運動伝達部3Aの出力部としてのディスク32cが回転軸200を回転中心として回転運動することにより、ディスク32cに組付けられたクランクアーム33の上記一端(すなわち、クランクピン34aが位置する側の端部)も回転軸200を回転中心として回転することになる。これに伴い、スライダ35は、クランクアーム33によって周期的に押し引きされることになり、スライドガイド5a,5bの延在方向であるX軸方向に沿って往復直線運動することになる。なお、図4においては、当該スライダ35の往復直線運動の際のスライダ35の重心位置の移動範囲を矢印AR1にて表わしている。
図1および図4に示すように、スライダ35の右方および左方には、それぞれ第1回転体37および第2回転体38が配置されている。より詳細には、第1回転体37および第2回転体38は、スライダ35を挟むように第3方向であるY軸方向において並んで配置されている。第1回転体37および第2回転体38は、それぞれ略円柱状の部材にて構成されており、その周面がスライダ35に対向するように配置されている。
より具体的には、第1回転体37は、躯体100に設けられたZ軸方向に延在するガイドシャフト6aに固定されており、当該ガイドシャフト6aは、躯体100によって回転可能に支持されている。これにより、図4に示すように、スライダ35の右側面35a側において、第1回転体37が、第2方向であるZ軸方向に延在する回転軸201を回転中心として回転可能に位置することになる。
また、第2回転体38は、躯体100に設けられたZ軸方向に延在するガイドシャフト6bに固定されており、当該ガイドシャフト6bは、躯体100によって回転可能に支持されている。これにより、図4に示すように、スライダ35の左側面35b側において、第2回転体38が、第2方向であるZ軸方向に延在する回転軸202を回転中心として回転可能に位置することになる。
なお、第1回転体37および第2回転体38のスライダ35と対面する部分の周面には、それぞれ当該周面上を周回するようにギヤ溝が設けられている。当該ギヤ溝には、それぞれ歯37a,38aが設けられており、これにより第1回転体37および第2回転体38が、ギヤとしても機能することになる。
スライダ35の外周面と、第1回転体37の周面および第2回転体38の周面には、弾性ベルト36が巻回されている。当該弾性ベルト36は、その一方の主面の所定位置に歯36aが設けられた歯付きベルトからなる。弾性ベルト36は、弾性を呈する限りにおいてはどのような材質のものであっても構わないが、樹脂製またはゴム製であることが好ましい。なお、弾性ベルト36は、後述する負荷の変動を抑制する観点に基づいてその設計を行なうことが必要である。
弾性ベルト36のうち、スライダ35の外周面に巻回された部分は、スライダ35の外周面のうちの上述した右側面35aおよび左側面35bを除く部分においてスライダ35に固定されている。また、弾性ベルト36のうち、スライダ35の外周面に巻回された部分においては、上述した歯36aが外側を向いている。
また、弾性ベルト36のうち、スライダ35の外周面に巻回された部分と第1回転体37の周面に巻回された部分とは、8の字を描くようにスライダ35および第1回転体37に巻き付けられている。ここで、弾性ベルト36のうち、第1回転体37の周面に巻回された部分においては、上述した歯36aが内側を向いており、第1回転体37の周面に設けられたギヤ溝の歯37aに歯合している。
さらに、弾性ベルト36のうち、スライダ35の外周面に巻回された部分と第2回転体38の周面に巻回された部分とは、8の字を描くようにスライダ35および第2回転体38に巻き付けられている。ここで、弾性ベルト36のうち、第2回転体38の周面に巻回された部分においては、上述した歯36aが内側を向いており、第2回転体38の周面に設けられたギヤ溝の歯38aに歯合している。
これにより、スライダ35の右側面35a側においては、弾性ベルト36の非固定部分が第1回転体37に巻回されることになり、スライダ35の左側面35b側においては、弾性ベルト36の非固定部分が第2回転体38に巻回されることになる。
そのため、上述したスライダ35のX軸方向に沿った往復直線運動に伴い、第1回転体37および第2回転体38に巻回された部分の弾性ベルト36がそれぞれ第1回転体37および第2回転体38の回転方向に沿って送られることになり、これに伴って第1回転体37および第2回転体38が、それぞれ上述した回転軸201,202を回転中心として回転方向に往復運動することになる。ここで、第1回転体37の回転方向と第2回転体38の回転方向とは、常時逆向きとなる。
以上により、運動変換部3Bにおいては、回転運動伝達部3Aを介して伝達された回転運動が往復運動に変換され、運動変換部3Bの出力部としての第1回転体37および第2回転体38が、それぞれ回転方向に同期的に往復運動することになる。
ここで、上述したように、スライダ35と第1回転体37および第2回転体38との間の運動伝達は、弾性ベルト36によって実現されている。これにより、この弾性ベルト36によって後述する負荷変動抑制部C1,C2(図4参照)が構成されることになるが、その詳細については後述することとする。
図1および図4に示すように、第1羽体4Aおよび第2羽体4Bは、それぞれ第1回転体37および第2回転体38に組付けられている。より詳細には、第1回転体37のスライダ35が位置する側とは反対側の周面の所定位置には、第1羽体4Aのマスト4aの一端である基端が固定されており、第2回転体38のスライダ35が位置する側とは反対側の周面の所定位置には、第2羽体4Bのマスト4bの一端である基端が固定されている。
これにより、第1羽体4Aは、羽ばたき装置1Aの右舷側において、その先端が第1回転体37から見て第2回転体38が位置する側とは反対側に位置するようにY1方向に向けて延在することになり、第2羽体4Bは、羽ばたき装置1Aの左舷側において、その先端が第2回転体38から見て第1回転体37が位置する側とは反対側に位置するようにY2方向に向けて延在することになる。
以上により、図4に示すように、運動変換部3Bの出力部としての第1回転体37および第2回転体38がそれぞれ回転軸201,202を回転中心として回転方向に同期的に往復運動することにより、第1羽体4Aおよび第2羽体4Bは、それぞれ第1回転体37および第2回転体38に駆動されて同期的に揺動することになる。
その際、第1羽体4Aおよび第2羽体4Bも、それぞれ上述した回転軸201,202を回転中心として回転方向に同期的に往復運動することになるため、第1羽体4Aおよび第2羽体4Bは、その先端がそれぞれ第1方向であるX軸方向に概ね沿って移動するように同期的に揺動する。なお、図4においては、当該第1羽体4Aおよび第2羽体4Bの揺動範囲を矢印AR2にて表わしている。
以上において説明したように、本実施の形態における羽ばたき装置1Aにおいては、駆動源としての回転電動機2にて発生した回転運動が、動力伝達機構3によって伝達される際に往復運動に変換され、第1羽体4Aおよび第2羽体4Bが当該往復運動の伝達を受けて揺動するように構成されている。これにより、第1羽体4Aおよび第2羽体4Bが同期的に揺動することで羽ばたき装置1Aが連続的に羽ばたくことになり、これに伴って浮上力が得られることになる。
ここで、上述したように、本実施の形態における羽ばたき装置1Aにおいては、動作時において、第1回転体37および第2回転体38が回転方向に往復運動することで第1羽体4Aおよび第2羽体4Bが揺動するばかりでなく、スライダ35についてもこれが往復直線運動を行なう。その際、スライダ35の往復直線運動と第1羽体4Aおよび第2羽体4Bの揺動とは、常時逆向きになる。以下、この点について詳細に説明する。
図5ないし図8は、上述した本実施の形態における羽ばたき装置の運動変換部の動作の詳細を説明するための概略上面図である。ここで、図5ないし図8は、羽ばたき装置1Aが図4に示す状態から、スライダ35ならびに第1羽体4Aおよび第2羽体4Bが、第1羽体4Aおよび第2羽体4Bの同期的な羽ばたき動作の1周期の間にどのように移動するかを時系列で示した図である。
図4に示す状態においては、スライダ35が、スライダ35の往復直線運動の可動範囲内のほぼ中央位置にある。この場合、第1羽体4Aおよび第2羽体4Bは、それぞれ3時の位置および9時の位置にあり、上方からZ2方向に向けて見下ろした場合に、これら第1羽体4Aおよび第2羽体4Bが同一直線上に位置している。なお、その際、回転運動伝達部3Aと運動変換部3Bとの接続部であるディスク32cに組付けられたクランクアーム33の上記一端(すなわち、ピン34aが位置する側の端部)は、9時の位置にある。
まず、図5に示すように、回転電動機2の動力の伝達を受けてディスク32cが図4に示す状態から反時計回りに90°回転することにより、上記接続部が9時の位置から6時の位置にまで達するに際しては、スライダ35が図中に示すDR11方向に向けて移動することになり、これに伴ってスライダ35の重心位置もX2方向に向けて移動する。
また、その際、第1羽体4Aおよび第2羽体4Bは、第1回転体37および第2回転体38がそれぞれ反時計回りおよび時計回りに回転することによって図中に示すDR21方向に向けて(すなわち、それぞれ12時の位置側に向けて)移動することになるが、この移動は概ねX1方向に向けての移動となる。
そのため、この間においては、スライダ35の移動方向と第1羽体4Aおよび第2羽体4Bの移動方向とが、概ねX軸方向に沿って逆向きとなる。したがって、スライダ35の重心位置がX2方向に向けて後退することによってスライダ35がカウンターウェイトとして作用することになり、第1羽体4Aおよび第2羽体4BのX1方向に向けての移動に伴って生じる加速度と、当該スライダ35のX2方向に向けての移動に伴って生じる加速度とが逆向きとなり、結果として慣性力が打ち消されることになる。
次に、図6に示すように、回転電動機2の動力の伝達を受けてディスク32cが図5に示す状態からさらに反時計回りに90°回転することにより、上記接続部が6時の位置から3時の位置にまで達するに際しては、スライダ35が図中に示すDR12方向に向けて移動することになり、これに伴ってスライダ35の重心位置もX1方向に向けて移動する。
また、その際、第1羽体4Aおよび第2羽体4Bは、第1回転体37および第2回転体38がそれぞれ時計回りおよび反時計回りに回転することによって図中に示すDR22方向に向けて(すなわち、それぞれ3時の位置側および9時の位置側に向けて)移動することになるが、この移動は概ねX2方向に向けての移動となる。
そのため、この間においても、スライダ35の移動方向と第1羽体4Aおよび第2羽体4Bの移動方向とが、概ねX軸方向に沿って逆向きとなる。したがって、スライダ35の重心位置がX1方向に向けて前進することによってスライダ35がカウンターウェイトとして作用することになり、第1羽体4Aおよび第2羽体4BのX2方向に向けての移動に伴って生じる加速度と、当該スライダ35のX1方向に向けての移動に伴って生じる加速度とが逆向きとなり、結果として慣性力が打ち消されることになる。
次に、図7に示すように、回転電動機2の動力の伝達を受けてディスク32cが図6に示す状態からさらに反時計回りに90°回転することにより、上記接続部が3時の位置から12時の位置にまで達するに際しては、スライダ35が図中に示すDR13方向に向けて移動することになり、これに伴ってスライダ35の重心位置もX1方向に向けて移動する。
また、その際、第1羽体4Aおよび第2羽体4Bは、第1回転体37および第2回転体38がそれぞれ時計回りおよび反時計回りに回転することによって図中に示すDR23方向に向けて(すなわち、それぞれ6時の位置側に向けて)移動することになるが、この移動は概ねX2方向に向けての移動となる。
そのため、この間においても、スライダ35の移動方向と第1羽体4Aおよび第2羽体4Bの移動方向とが、概ねX軸方向に沿って逆向きとなる。したがって、スライダ35の重心位置がX1方向に向けて前進することによってスライダ35がカウンターウェイトとして作用することになり、第1羽体4Aおよび第2羽体4BのX2方向に向けての移動に伴って生じる加速度と、当該スライダ35のX1方向に向けての移動に伴って生じる加速度とが逆向きとなり、結果として慣性力が打ち消されることになる。
次に、図8に示すように、回転電動機2の動力の伝達を受けてディスク32cが図7に示す状態からさらに反時計回りに90°回転することにより、上記接続部が12時の位置から3時の位置にまで達するに際しては、スライダ35が図中に示すDR14方向に向けて移動することになり、これに伴ってスライダ35の重心位置もX2方向に向けて移動する。
また、その際、第1羽体4Aおよび第2羽体4Bは、第1回転体37および第2回転体38がそれぞれ反時計回りおよび時計回りに回転することによって図中に示すDR24方向に向けて(すなわち、それぞれ3時の位置側および9時の位置側に向けて)移動することになるが、この移動は概ねX1方向に向けての移動となる。
そのため、この間においても、スライダ35の移動方向と第1羽体4Aおよび第2羽体4Bの移動方向とが、概ねX軸方向に沿って逆向きとなる。したがって、スライダ35の重心位置がX2方向に向けて後退することによってスライダ35がカウンターウェイトとして作用することになり、第1羽体4Aおよび第2羽体4BのX1方向に向けての移動に伴って生じる加速度と、当該スライダ35のX2方向に向けての移動に伴って生じる加速度とが逆向きとなり、結果として慣性力が打ち消されることになる。
以上において説明したように、本実施の形態における羽ばたき装置1Aにおいては、動作時において、スライダ35の往復直線運動と第1羽体4Aおよび第2羽体4Bの揺動とが、常時逆向きとなる。
そのため、スライダ35がカウンターウェイトとして作用することにより、第1羽体4Aおよび第2羽体4Bが揺動することによって生じる慣性力が常時打ち消されることになり、躯体100に周期的な振動が発生することが抑制されて羽ばたき装置1Aの姿勢が安定することになる。
また、これと同時に、第1羽体4Aおよび第2羽体4Bの揺動がスムーズに行われることになるため、動力源としての回転電動機2の出力シャフト2aに加わる負荷の変動が大幅に抑制できることになる。
したがって、上記構成を採用することにより、従来に比して運動効率が大幅に向上することになり、飛行能力に優れた羽ばたき装置とすることができる。
なお、本実施の形態においては、第1羽体4Aおよび第2羽体4Bがそれぞれ3時および9時の位置に配置された状態において、クランクアーム33のディスク32cに接続された一端(すなわち、クランクピン34aが位置する側の端部)が、ディスク32cの回転軸200に対して3時または9時の位置に配置されるように構成した場合を例示したが、この場合には、第1羽体4Aおよび第2羽体4Bの前方側に向けての揺動範囲と後方側に向けての揺動範囲とに差が生じることになる。そのため、第1羽体4Aおよび第2羽体4Bの前方側に向けての揺動範囲と後方側に向けての揺動範囲とを同じ大きさにするためには、第1羽体4Aおよび第2羽体4Bがそれぞれ3時および9時の位置に配置された状態においてクランクアーム33の上記一端が、ディスク32cの回転軸200に対して前方側(すなわち、3時の位置から見て2時側および9時の位置から見て10時側に)に配置されることとなるように、クランクアーム33の長さを適切に調節すればよい。
また、上述したように、本実施の形態における羽ばたき装置1Aにおいては、動力伝達機構3に複数の負荷変動抑制部A1,A2,B1,B2,C1,C2が設けられている。この負荷変動抑制部A1,A2,B1,B2,C1,C2は、いずれも、第1羽体4Aおよび第2羽体4Bの揺動に際して、これら第1羽体4Aおよび第2羽体4Bが空気抵抗を受けることによって発生し、動力伝達機構3を介して回転電動機2の出力シャフト2aに伝達されることとなる負荷の変動を抑制するものである。以下、この負荷変動抑制部A1,A2,B1,B2,C1,C2の詳細について説明する。
図3に示すように、負荷変動抑制部A1,A2は、それぞれ第1伝達部材31の第1接続ロッド31aおよび第2伝達部材32の第2接続ロッド32aによって構成されている。ここで、上述したように、第1接続ロッド31aおよび第2接続ロッド32aは、いずれも炭素繊維製であり、回転電動機2の金属製の出力シャフト2aよりも捩れ易い。より詳細には、第1接続ロッド31aおよび第2接続ロッド32aを、たとえばロッドの軸方向に繊維配向を有する炭素繊維強化プラスチック(CFRP)にて構成することにより、捩れに対しては適度な弾性を有するとともに撓みに対しては適度な剛性を有する部材とすることができる。そのため、第1接続ロッド31aおよび第2接続ロッド32aは、上述した負荷の伝達の際に捻じれることによって、相当程度にこの負荷の変動を吸収することができる。
ここで、第1接続ロッド31aおよび第2接続ロッド32aが捩れ易い場合には、これら第1接続ロッド31aおよび第2接続ロッド32aが負荷の変動を受けて回転運動の伝達に僅かな位相のずれを生じさせることになる。しかしながら、この位相のずれが十分に小さければ、これが運動伝達に大きなロスを与えることはなく、逆に上述した負荷の変動の吸収の効果が顕著に得られることになる。
そのため、第1羽体4Aおよび第2羽体4Bの揺動に伴って当該第1羽体4Aおよび第2羽体4Bから動力伝達機構3を介して回転電動機2の出力シャフト2aに伝達される負荷の変動が、当該負荷変動抑制部A1,A2によって吸収されることで平準化される。したがって、回転電動機2の出力シャフト2aに加わる負荷の変動が大幅に抑制できることになる。
また、図3に示すように、負荷変動抑制部B1,B2は、それぞれ回転電動機2のギヤ2bと第1伝達部材31のギヤ31bとの歯合部および第1伝達部材31のギヤ31cと第2伝達部材32のギヤ32bとの歯合部によって構成されている。ここで、上述したように、これら歯合部は、いずれも所定の大きさの隙間、いわゆるバックラッシュを有している。すなわち、これら歯合部が十分なバックラッシュを有していることにより、上述した負荷の伝達の際に当該バックラッシュの存在によって相当程度にこの負荷の変動が吸収できることになる。
ここで、これら歯合部が必要以上に大きなバックラッシュを有している場合には、運動伝達にロスが生じたり、ギヤの寿命が短くなってしまったりするおそれがある。しかしながら、当該バックラッシュの大きさを最適化すれば、これが運動伝達やギヤの寿命に大きな影響を及ぼすことはなく、逆に上述した負荷の変動の吸収の効果が顕著に得られることになる。
そのため、第1羽体4Aおよび第2羽体4Bの揺動に伴って当該第1羽体4Aおよび第2羽体4Bから動力伝達機構3を介して回転電動機2の出力シャフト2aに伝達される負荷の変動が、当該負荷変動抑制部B1,B2によって吸収されることで平準化される。したがって、回転電動機2の出力シャフト2aに加わる負荷の変動が大幅に抑制できることになる。なお、上述したバックラッシュの量は、ギヤ間の回転運動の伝達が妨げられない範囲で可能な限り大きく設定されることが好ましい。
さらに、図4に示すように、負荷変動抑制部C1,C2は、それぞれ弾性ベルト36によって構成されている。ここで、上述したように、弾性ベルト36は、良好な弾性を呈するものであるため、第1回転体37および第2回転体38からスライダ35に上述した負荷が伝達されるに際して、当該弾性ベルト36が弾性変形(もっぱら伸長)することにより、相当程度にこの負荷の変動が吸収できることになる。
ここで、当該弾性ベルト36を用いることにより、運動伝達の際に僅かに伝達の遅れが発生することになる。しかしながら、当該伝達の遅れが十分に小さければ、これが運動伝達に大きなロスを与えることはなく、逆に上述した負荷の変動の吸収の効果が顕著に得られることになる。
そのため、第1羽体4Aおよび第2羽体4Bの揺動に伴って当該第1羽体4Aおよび第2羽体4Bから動力伝達機構3を介して回転電動機2の出力シャフト2aに伝達される負荷の変動が、当該負荷変動抑制部C1,C2によって吸収されることで平準化される。したがって、回転電動機2の出力シャフト2aに加わる負荷の変動が大幅に抑制できることになる。
以上において説明したように、本実施の形態における羽ばたき装置1Aにおいては、動力伝達機構3に設けられた負荷変動抑制部A1,A2,B1,B2,C1,C2によって、第1羽体4Aおよび第2羽体4Bから動力伝達機構3を介して回転電動機2の出力シャフト2aに伝達されることとなる負荷の変動が大幅に抑制できるため、従来に比して運動効率が大幅に向上することになり、飛行能力に優れた羽ばたき装置とすることができる。
なお、本実施の形態においては、負荷変動抑制部A1,A2として、回転電動機2の金属製の出力シャフト2aよりも捩れ易い部材からなる第1接続ロッド31aおよび第2接続ロッド32aを用いた場合を例示して説明を行なったが、これに代えて、負荷変動抑制部A1,A2として、回転電動機2の金属製の出力シャフト2aよりも撓み易い部材からなる第1接続ロッド31aおよび第2接続ロッド32aを用いることも可能である。
より詳細には、第1接続ロッド31aおよび第2接続ロッド32aを、たとえば変形し難い金属製の部材に形状加工(一例として、金属製のロッドの表面に切れ目を入れる形状加工)等を施すことによってこれを比較的撓み変形し易くしたものにて構成することにより、撓みに対しては適度な弾性を有するとともに捩れに対しては適度な剛性を有する部材とすることができる。そのため、第1接続ロッド31aおよび第2接続ロッド32aをこのような部材にて構成した場合には、上述した負荷の伝達の際にこれらが撓むことによって、相当程度にこの負荷の変動を吸収することができる。
ここで、第1接続ロッド31aおよび第2接続ロッド32aが撓み易い場合には、これら第1接続ロッド31aおよび第2接続ロッド32aが負荷の変動を受けて僅かに軸ずれを生じさせることになる。しかしながら、この軸ずれが十分に小さければ、これが運動伝達に大きなロスを与えることはなく、逆に上述した負荷の変動の吸収の効果が顕著に得られることになる。
そのため、第1羽体4Aおよび第2羽体4Bの揺動に伴って当該第1羽体4Aおよび第2羽体4Bから動力伝達機構3を介して回転電動機2の出力シャフト2aに伝達される負荷の変動が、当該負荷変動抑制部A1,A2によって吸収されることで平準化される。したがって、回転電動機2の出力シャフト2aに加わる負荷の変動が大幅に抑制できることになる。
また、第1接続ロッド31aおよび第2接続ロッド32aを回転電動機2の金属製の出力シャフト2aよりも捩れ易くかつ撓み易い部材にて構成することも可能である。その場合には、第1接続ロッド31aおよび第2接続ロッド32aを樹脂製のものやゴム製のもの、比較的変形し易い金属製のもの、あるいは変形し難い金属製の部材に形状加工等を施すことによってこれを比較的変形し易くしたもの(たとえばスプリング状のもの)等にて構成すればよい。このように構成した場合にも、回転電動機2の出力シャフト2aに加わる負荷の変動が大幅に抑制できることになる。
なお、本実施の形態における羽ばたき装置1Aにおいては、複数の負荷変動抑制部A1,A2,B1,B2,C1,C2が設けられていたが、少なくともこのうちの1つが動力伝達機構3に設けられていれば、運動効率の向上が相当程度に図られることになる。たとえば、上述した本実施の形態において、第1接続ロッド31aおよび第2接続ロッド32aのいずれか一方のみを炭素繊維強化プラスチックにて構成してもよい。
図9は、上述した本発明の実施の形態に基づいた変形例に係る羽ばたき装置の運動変換部の構成および動作を説明するための概略上面図である。なお、本変形例に係る羽ばたき装置の動作については、上述した実施の形態と同様であるため、ここではその説明を繰り返さない。
図9に示すように、本変形例に係る羽ばたき装置1A1においては、スライダ35と第1回転体37および第2回転体38との間の距離が調節されることにより、スライダ35に巻回された部分の弾性ベルト36と、スライダ35の右側面35aおよび左側面35bとの間に、隙間Gが形成されている。
このように構成した場合には、隙間Gが存在する分だけ弾性ベルト36に伸縮等の変形が生じ易くなるとともに、その伸縮等の変形がスライダ35や第1回転体37および第2回転体38によって阻害されることがなくなるため、上述した負荷の変動がより顕著に吸収できることになる。したがって、運動効率がさらに大幅に向上することになり、飛行能力に特に優れた羽ばたき装置とすることができる。
なお、当該隙間Gは、スライダ35と弾性ベルト36の第1回転体37に歯合する部分および第2回転体38に歯合する部分との間の大きさが、それぞれ弾性ベルト36の厚みよりも大きくなるように構成されていることが好ましい。
(実施の形態2)
図10は、本発明の実施の形態2における羽ばたき装置の要部の概略斜視図である。以下、この図10を参照して、本実施の形態における羽ばたき装置1Bについて説明する。
図10に示すように、本実施の形態における羽ばたき装置1Bは、上述した実施の形態1における羽ばたき装置1Aと比較した場合に、駆動源として回転電動機2のレイアウトおよび動力伝達機構3のうちの回転運動伝達部3Aの構成においてのみ相違している。
具体的には、回転電動機2は、羽ばたき装置1Aの下部においてその出力シャフト2aがX軸方向に沿って延在するように配置されている。これに伴い、第1伝達部材31は、その第1接続ロッド31aがX軸方向に沿って延在するように配置されている。また、第2接続ロッド32aの一端に固定されたギヤ32bは、傘歯車にて構成されており、これにより、第1伝達部材31のX軸周りの回転運動が、第2伝達部材32のZ軸周りの回転運動に変換されて伝達されることになる。
このように構成した場合にも、上述した実施の形態1において説明した効果と同様の効果が得られることになり、運動効率の向上が図られた飛行能力に優れた羽ばたき装置とすることができる。
なお、回転運動伝達部3Aの構成は、上述した実施の形態1の如くの構成や本実施の形態の如くの構成に限定されるものではなく、種々その変更が可能である。
(実施の形態3)
図11は、本発明の実施の形態3における羽ばたき装置の要部の概略斜視図である。また、図12は、図11に示す運動変換部の構成および動作を説明するための概略上面図である。以下、これら図11および図12を参照して、本実施の形態における羽ばたき装置1Cについて説明する。
図11および図12に示すように、本実施の形態における羽ばたき装置1Cは、上述した実施の形態1における羽ばたき装置1Aと比較した場合に、動力伝達機構3のうちの運動変換部3Bの構成においてのみ相違している。
具体的には、運動変換部3Bは、クランクアーム33およびクランクピン34a,34bからなるクランクと、スライダ35と、第1回転体37と、第2回転体38とを主として備えており、上述した実施の形態1において示した如くの弾性ベルト36は備えていない。ここで、スライダ35は、歯付きスライダにて構成されており、より詳細には、スライダ35の右側面35aおよび左側面35bにそれぞれ歯35cが設けられている。
第1回転体37および第2回転体38は、その周面がそれぞれスライダ35の右側面35aおよび左側面35bに接触するように配置されており、これによりスライダ35の右側面35aおよび左側面35bに設けられた歯35cは、それぞれ第1回転体37の周面に設けられたギヤ溝の歯37aおよび第2回転体38の周面に設けられたギヤ溝の歯38aにそれぞれ歯合している。
すなわち、本実施の形態における羽ばたき装置1Cは、スライダ35と第1回転体37および第2回転体38との間の運動伝達が、いわゆるラックアンドピニオンにて構成されたものであり、歯付きスライダからなるスライダ35と、ギヤからなる第1回転体37および第2回転体38とが歯合することにより、これらの間の運動伝達が実現されている。
この場合には、図12に示すように、スライダ35のX軸方向に沿った往復直線運動に伴って、第1回転体37および第2回転体38が、それぞれ回転軸201,202を回転中心として回転方向に往復運動することになる。なお、第1回転体37の回転方向と第2回転体38の回転方向とは、常時逆向きとなる。
これにより、運動変換部3Bの出力部としての第1回転体37および第2回転体38がそれぞれ回転軸201,202を回転中心として回転方向に同期的に往復運動することにより、第1羽体4Aおよび第2羽体4Bは、それぞれ第1回転体37および第2回転体38に駆動されて同期的に揺動することになる。
その際、ここではその詳細な説明は省略するが、上述した実施の形態1の場合と同様に、スライダ35の往復直線運動と第1羽体4Aおよび第2羽体4Bの揺動とが、常時逆向きになるため、スライダ35がカウンターウェイトとして作用することにより、第1羽体4Aおよび第2羽体4Bが揺動することによって生じる慣性力が常時打ち消されることになる。
したがって、このように構成した場合にも、上述した実施の形態1において説明した効果と同様の効果が得られることになり、運動効率の向上が図られた飛行能力に優れた羽ばたき装置とすることができる。
上述した本発明の実施の形態1ないし3およびその変形例においては、単一の動力源にて発生した動力が動力伝達機構によって分配されることにより、躯体の右舷に設けられた羽体と躯体の左舷に設けられた羽体とが同時に駆動されるように構成した場合を例示して説明を行なったが、躯体の右舷に設けられた羽体と躯体の左舷に設けられた羽体とが、それぞれ別途独立して設けられた駆動源によって駆動されるように構成してもよい。
また、上述した本発明の実施の形態1ないし3およびその変形例においては、躯体の右舷と躯体の左舷とにそれぞれ1つずつ羽体を設けてなる場合を例示して説明を行なったが、躯体の右舷と躯体の左舷とにそれぞれ複数の羽体が設けられるように構成してもよい。
また、上述した本発明の実施の形態1および2ならびにその変形例においては、単一の部材からなる環状の(すなわち、無端の)弾性ベルトがスライダ、第1回転体および第2回転体に巻回されてなる場合を例示して説明を行なったが、端部を有する非環状の弾性ベルトにてこれを代替することとしてもよいし、スライダおよび第1回転体のみに巻き付けられた弾性ベルトと、スライダおよび第2回転体のみに巻き付けられた弾性ベルトとによって、これを代替することとしてもよい。
また、上述した本発明の実施の形態1および2ならびにその変形例においては、第1回転体および第2回転体をギヤにて構成するとともに、弾性ベルトを歯付きベルトにて構成した場合を例示して説明を行なったが、第1回転体および第2回転体を、歯を有さない摩擦ローラにて構成するとともに、弾性ベルトを、歯を有さない摩擦ベルトにて構成することとしてもよい。
また、上述した本発明の実施の形態3においては、第1回転体および第2回転体をギヤにて構成するとともに、スライダを歯付きスライダにて構成した場合を例示して説明を行なったが、第1回転体および第2回転体を、歯を有さない摩擦ローラにて構成するとともに、スライダを、歯を有さない摩擦スライダにて構成することとしてもよい。
さらには、動力源の具体的な構成や動力伝達機構の具体的な構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜その変更が可能であり、また、上述した実施の形態において開示した特徴的な構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、相互にその組み合わせが可能である。
このように、今回開示した上記実施の形態およびその変形例はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は請求の範囲によって画定され、また請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
本出願は、2015年11月4日に出願された日本特許出願である特願2015−216607号に基づく優先権の利益を主張するものであり、当該日本特許出願を参照することにより、これに記載されたすべての内容を援用するものである。