JP6552400B2 - 圧力センサチップ - Google Patents

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本発明は、一方の面および他方の面に受ける圧力差に応じた信号を出力するセンサダイアフラムを用いた圧力センサチップ、例えば圧力を受けて変位する薄板状のダイアフラム上に歪抵抗ゲージを形成し、ダイアフラムに形成された歪抵抗ゲージの抵抗値変化からダイアフラムに加わった圧力を検出する圧力センサチップに関する。
従来より、工業用の差圧センサとして、一方の面および他方の面に受ける圧力差に応じた信号を出力するセンサダイアフラムを用いた圧力センサチップを組み込んだ差圧センサが用いられている。
この差圧センサは、高圧側および低圧側の受圧ダイアフラムに加えられる各測定圧を、圧力伝達媒体としての封入液によってセンサダイアフラムの一方の面および他方の面に導き、そのセンサダイアフラムの歪みを例えば歪抵抗ゲージの抵抗値変化として検出し、この抵抗値変化を電気信号に変換して取り出すように構成されている。
このような差圧センサは、例えば石油精製プラントにおける高温反応塔等の被測定流体を貯蔵する密閉タンク内の上下2位置の差圧を検出することにより、液面高さを測定するときなどに用いられる。
図19に従来の差圧センサの概略構成を示す。この差圧センサ100は、センサダイアフラム(図示せず)を有する圧力センサチップ1をメータボディ2に組み込んで構成される。圧力センサチップ1におけるセンサダイアフラムは、シリコンやガラス等からなり、薄板状に形成されたダイアフラムの表面に歪抵抗ゲージが形成されている。メータボディ2は、金属製の本体部3とセンサ部4とからなり、本体部3の側面に一対の受圧部をなすバリアダイアフラム(受圧ダイアフラム)5a,5bが設けられ、センサ部4に圧力センサチップ1が組み込まれている。
メータボディ2において、センサ部4に組み込まれた圧力センサチップ1と本体部3に設けられたバリアダイアフラム5a,5bとの間は、大径のセンタダイアフラム6により隔離された圧力緩衝室7a,7bを介してそれぞれ連通され、圧力センサチップ1とバリアダイアフラム5a,5bとを結ぶ連通路8a,8bにシリコーンオイル等の圧力伝達媒体9a,9bが封入されている。
なお、シリコーンオイル等の圧力媒体が必要となるのは、センサダイアフラムに対する計測媒体中の異物付着を防ぐこと、センサダイアフラムを腐食させないため、耐食性を持つ受圧ダイアフラムと応力(圧力)感度を持つセンサダイアフラムとを分離する必要があるためである。
この差圧センサ100では、図20Aに定常状態時の動作態様を模式的に示すように、プロセスからの第1の流体圧力(第1の測定圧)P1がバリアダイアフラム5aに印加され、プロセスからの第2の流体圧力(第2の測定圧)P2がバリアダイアフラム5bに印加される。これにより、バリアダイアフラム5a,5bが変位し、その加えられた圧力P1,P2がセンタダイアフラム6により隔離された圧力緩衝室7a,7bを介し、圧力伝達媒体9a,9bを通して、圧力センサチップ1のセンサダイアフラムの一方の面および他方の面にそれぞれ導かれる。この結果、圧力センサチップ1のセンサダイアフラムは、その導かれた圧力P1,P2の差圧ΔPに相当する変位を呈することになる。
これに対して、例えば、バリアダイアフラム5aに過大圧Poverが加わると、図20Bに示すようにバリアダイアフラム5aが大きく変位し、これに伴ってセンタダイアフラム6が過大圧Poverを吸収するように変位する。そして、バリアダイアフラム5aがメータボディ2の凹部10aの底面(過大圧保護面)に着底し、その変位が規制されると、バリアダイアフラム5aを介するセンサダイアフラムへのそれ以上の差圧ΔPの伝達が阻止される。バリアダイアフラム5bに過大圧Poverが加わった場合も、バリアダイアフラム5aに過大圧Poverが加わった場合と同様にして、バリアダイアフラム5bがメータボディ2の凹部10bの底面(過大圧保護面)に着底し、その変位が規制されると、バリアダイアフラム5bを介するセンサダイアフラムへのそれ以上の差圧ΔPの伝達が阻止される。この結果、過大圧Poverの印加による圧力センサチップ1の破損、すなわち圧力センサチップ1におけるセンサダイアフラムの破損が未然に防止される。
この差圧センサ100では、メータボディ2に圧力センサチップ1を内包させているので、プロセス流体など外部腐食環境から圧力センサチップ1を保護することができる。しかしながら、センタダイアフラム6やバリアダイアフラム5a,5bの変位を規制するための凹部10a,10bを備え、これらによって圧力センサチップ1を過大圧Poverから保護する構造をとっているので、その形状が大型化することが避けられない。
そこで、圧力センサチップに第1のストッパ部材および第2のストッパ部材を設け、この第1のストッパ部材および第2のストッパ部材の凹部をセンサダイアフラムの一方の面および他方の面に対峙させることによって、過大圧が印加された時のセンサダイアフラムの過度な変位を阻止し、これによってセンサダイアフラムの破損・破壊を防止する構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図21に特許文献1に示された構造を採用した圧力センサチップの概略を示す。同図において、11−1はセンサダイアフラム、11−2および11−3はセンサダイアフラム11−1を挟んで接合された第1および第2のストッパ部材(保持部材)、11−4および11−5はストッパ部材11−2および11−3に接合された第1および第2の台座である。ストッパ部材11−2,11−3や台座11−4,11−5はシリコンやガラスなどにより構成されている。
この圧力センサチップ11において、ストッパ部材11−2,11−3には凹部11−2a,11−3aが形成されており、ストッパ部材11−2の凹部11−2aをセンサダイアフラム11−1の一方の面11−1aに対峙させ、ストッパ部材11−3の凹部11−3aをセンサダイアフラム11−1の他方の面11−1bに対峙させ、ストッパ部材11−2の周縁部11−2cをセンサダイアフラム11−1の一方の面11−1aに対面させて接合し、ストッパ部材11−3の周縁部11−3cをセンサダイアフラム11−1の他方の面11−1bに対面させて接合している。
ストッパ部材11−2,11−3の凹部11−2a,11−3aは、センサダイアフラム11−1の変位に沿った曲面(非球面)とされており、その頂部に圧力導入孔(導圧孔)11−2b,11−3bが形成されている。また、台座11−4,11−5にも、ストッパ部材11−2,11−3の導圧孔11−2b,11−3bに対応する位置に、圧力導入孔(導圧孔)11−4a,11−5aが形成されている。
このような圧力センサチップ11を用いると、センサダイアフラム11−1の一方の面11−1aに過大圧が印加されてセンサダイアフラム11−1が変位したとき、その変位面の全体がストッパ部材11−3の凹部11−3aの曲面によって受け止められる。また、センサダイアフラム11−1の他方の面11−1bに過大圧が印加されてセンサダイアフラム11−1が変位したとき、その変位面の全体がストッパ部材11−2の凹部11−2aの曲面によって受け止められる。
これにより、センサダイアフラム11−1に過大圧が印加された時の過度な変位が阻止され、センサダイアフラム11−1の周縁部に応力集中が生じないようにして、過大圧の印加によるセンサダイアフラム11−1の不本意な破壊を効果的に防ぎ、その過大圧保護動作圧力(耐圧)を高めることが可能となる。また、図19に示された構造において、センタダイアフラム6や圧力緩衝室7a,7bをなくし、バリアダイアフラム5a,5bからセンサダイアフラム11−1に対して直接的に測定圧P1,P2を導くようにして、メータボディ2の小型化を図ることが可能となる。
特開2005−69736号公報
このような圧力センサチップ11の構造において、小型化、高感度化の両立を目指した場合、センサダイアフラム11−1の厚さを薄く必要がある。しかしながら、ダイアフラム11−1が薄くなればなるほど、ストッパ部材11−2,11−3におけるストッパ効果の低い導圧孔11−2b,11−3bの開口部で、ダイアフラム11−1が破壊されてしまう虞が高くなる。
ダイアフラム11−1が破壊されてしまう虞をなくすために、すなわち耐圧を高めるために、例えばセンサダイアフラム11−1の他方の面11−1bを高圧の測定圧の受圧面とした場合、導圧孔11−2bの孔径を小さくすることが考えられる。
すなわち、図21における導圧孔11−2bの孔径をφ1(例えば、φ1=200μm)とした場合、図22および図23に示すように、導圧孔11−2bの孔径φ1よりも小径の孔径φ2(例えば、φ2=25μm)とすることが考えられる。
しかし、このようにすると、導圧孔11−2b’のアスペクト比(孔の深さ/孔の径)が高くなり、加工難易度の上昇、応答速度の劣化といった問題が生じる。なお、導圧孔11−2b’の孔の深さは、例えば2mmとされている。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、加工性、応答速度の劣化を緩和、抑制しつつ、飛躍的な耐圧向上を達成することが可能な圧力センサチップを提供することにある。
このような目的を達成するために本発明は、圧力差に応じた信号を出力するセンサダイアフラムと、このセンサダイアフラムの一方の面および他方の面にその周縁部を対面させて接合され、センサダイアフラムへ測定圧を導く導圧孔を有する第1および第2の保持部材とを備えた圧力センサチップにおいて、第1の保持部材は、センサダイアフラムに過大圧が印加された時の当該センサダイアフラムの過度な変位を阻止するそのセンサダイアフラムの変位に沿った曲面状の凹部を備え、第1の保持部材の導圧孔は、第1の保持部材を貫いて第1の保持部材の曲面状の凹部に開口し、第1の保持部材の導圧孔の第1の保持部材を貫く方向から見た孔形状は、第1の保持部材の導圧孔の中心に位置する中心部分とこの中心部分の外縁の一部から連続して中心から外方向に延びた1つ以上の延伸部分とから構成された形状とされ、第1の保持部材の導圧孔の孔形状の延伸部分の延伸方向に直交する方向の最大幅は、第1の保持部材の導圧孔の孔形状の中心部分の外縁の幅以下とされていることを特徴とする。
本発明において、センサダイアフラムの他方の面に高圧の測定圧がかかった場合、センサダイアフラムは第1の保持部材側に撓み、第1の保持部材の曲面状の凹部に着底する。この第1の保持部材の曲面状の凹部には第1の保持部材の導圧孔が開口している。この第1の保持部材の導圧孔の第1の保持部材を貫く方向から見た孔形状は、第1の保持部材の導圧孔の中心に位置する中心部分と、この中心部分の外縁の一部から連続して中心から外方向に延びた1つ以上の延伸部分とから構成された形状とされている。また、第1の保持部材の導圧孔の孔形状の延伸部分の延伸方向に直交する方向の最大幅は、第1の保持部材の導圧孔の孔形状の中心部分の外縁の幅以下とされている。
例えば、本発明において、第1の保持部材の導圧孔の孔形状を十字形とした場合、その十字形の中心に位置する孔の形状が中心部分、この中心部分の外縁から連続して四方に延びた孔の形状が延伸部分となる。この場合、延伸部分の延伸方向を導圧孔の孔形状の径方向、延伸部分の延伸方向に直交する方向を導圧孔の孔形状の幅方向とした場合、幅方向の長さは耐圧に寄与し、幅方向の長さを小さくすることにより耐圧が高められる。これに対し、径方向の長さは応答性と加工性に寄与し、径方向の長さを大きくすることにより応答性と加工性が高められる。
本発明において、センサダイアフラム上で高圧側の測定圧を受ける面が必ず決まっている場合には、センサダイアフラムの他方の面を高圧側の測定圧の受圧面とし、一方の面を低圧側の測定圧の受圧面とする。すなわち、センサダイアフラム上で高圧側の測定圧を受ける面が必ず決まっている場合には、センサダイアフラムの他方の面を高圧側の測定圧の受圧面とし、第2の保持部材の導圧孔を通して高圧側の測定圧が導かれるようにする。
本発明において、第2の保持部材にもセンサダイアフラムに過大圧が印加された時のセンサダイアフラムの過度な変位を阻止するそのセンサダイアフラムの変位に沿った曲面状の凹部を備えるものとし、第1の保持部材の導圧孔と同様の孔形状の導圧孔を第2の保持部材の曲面状の凹部に開口させるようにしてもよい。このようにすると、センサダイアフラムのどちらの面が高圧側の測定圧の受圧面となっても、中心部分と延伸部分とから構成される孔形状の導圧孔が開口されている凹部にセンサダイアフラムを着底させるようにすることができる。
本発明によれば、第1の保持部材の曲面状の凹部に開口する第1の保持部材の導圧孔の孔形状を、第1の保持部材の導圧孔の中心に位置する中心部分とこの中心部分の外縁の一部から連続して中心から外方向に延びた1つ以上の延伸部分とから構成された形状とし、第1の保持部材の導圧孔の孔形状の延伸部分の延伸方向に直交する方向の最大幅を第1の保持部材の導圧孔の孔形状の中心部分の外縁の幅以下とするようにしたので、延伸部分の延伸方向を導圧孔の孔形状の径方向、延伸部分の延伸方向に直交する方向を導圧孔の孔形状の幅方向とした場合、幅方向の長さを小さくすることにより耐圧が高められ、径方向の長さを大きくすることにより応答性と加工性が高められるものとなり、加工性、応答速度の劣化を緩和、抑制しつつ、飛躍的な耐圧向上を達成することが可能となる。
図1は、本発明に係る圧力センサチップの第1の実施の形態(実施の形態1)の概略を示す図である。 図2は、この圧力センサチップのストッパ部材に形成する導圧孔の孔形状(十字形の孔形状)を示す平面図である。 図3は、導圧孔の孔形状を十字形とした場合と小径の孔径φ2とした場合との比較を示す図である。 図4は、延伸部分の角部に接する直径Rの円を十字形の孔形状の導圧孔の中心部分と考えた例を示す図である。 図5は、一辺の長さがWの正方形を十字形の孔形状の導圧孔の中心部分と考えた例を示す図である。 図6は、導圧孔の孔形状をY字形とした例を示す図である。 図7は、一辺の長さがWの正三角形をY字形の孔形状の導圧孔の中心部分と考えた例を示す図である。 図8は、十字形の孔形状の導圧孔の延伸部分を延伸方向の始端から終端に向かって細くするようにした例を示す図である。 図9は、本発明に係る圧力センサチップの第2の実施の形態(実施の形態2)の概略を示す図である。 図10は、本発明に係る圧力センサチップの第3の実施の形態(実施の形態3)の概略を示す図である。 図11は、下側のストッパ部材の曲面状の凹部の底面上に離散的に形成された複数の凸部の形状(円柱状)を導圧孔の孔形状と合わせて示す平面図である。 図12は、下側のストッパ部材の曲面状の凹部の底面上に離散的に形成された複数の凸部の形状(六角柱状)を導圧孔の孔形状と合わせて示す平面図である。 図13は、凸部を円柱状とした曲面状の凹部に十字形の孔形状とした複数の導圧孔を形成した例を示す図である。 図14は、凸部を円柱状とした曲面状の凹部にY字形の孔形状とした複数の導圧孔を形成した例を示す図である。 図15は、本発明に係る圧力センサチップの第4の実施の形態(実施の形態4)の概略を示す図である。 図16は、上側のストッパ部材の曲面状の凹部の底面上に離散的に形成された複数の凸部の形状(円柱状)を導圧孔の孔形状と合わせて示す平面図である。 図17は、上側のストッパ部材の曲面状の凹部の底面上に離散的に形成された複数の凸部の形状(六角柱状)を導圧孔の孔形状と合わせて示す平面図である。 図18は、本発明に係る圧力センサチップの第5の実施の形態(実施の形態5)の概略を示す図である。 図19は、従来の差圧センサの概略構成を示す図である。 図20Aは、この差圧センサの正常時の動作態様を模式的に示す図である。 図20Bは、この差圧センサの過大圧印加時の動作態様を模式的に示す図である。 図21は、特許文献1に示された構造を採用したセンサチップの概略を示す図である。 図22は、ダイアフラムが着底する側のストッパ部材の導圧孔の径を小さくした例を示す図である。 図23は、ストッパ部材の導圧孔の孔径を小さくする前と小さくした後の孔径を比較して示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
〔実施の形態1〕
図1はこの発明に係る圧力センサチップの第1の実施の形態(実施の形態1)の概略を示す図である。同図において、図21と同一符号は図21を参照して説明した構成要素と同一或いは同等構成要素を示し、その説明は省略する。なお、この実施の形態では、圧力センサチップを符号11Aで示し、図21に示された圧力センサチップ11と区別する。
この圧力センサチップ11Aにおいて、ストッパ部材11−2(下側のストッパ部材)の曲面状の凹部11−2aの頂部には、ストッパ部材11−2を貫いて導圧孔11−2dが設けられている。この導圧孔11−2dの孔形状は、すなわちストッパ部材11−2を貫く方向から見た孔形状(平面形状)は、十字形とされている。
図2にストッパ部材11−2の導圧孔11−2dの孔形状を示す。導圧孔11−2dは、この孔形状でストッパ部材11−2を貫いて、曲面状の凹部11−2aの頂部に開口している。
この導圧孔11−2dの孔形状は、十字形の中心に位置する孔を中心部分H0と、この中心部分H0の外縁から連続して四方(中心から外方向)に延びた4つの孔を延伸部分H1〜H4とから構成されている。導圧孔11−2dの孔形状は、この他にも種々考えられるが、この十字形の孔形状の導圧孔11−2dを導圧孔11−2d1として他と区別する。
この導圧孔11−2d1の孔形状において、延伸部分H1〜H4の延伸方向を導圧孔11−2d1の孔形状の径方向、延伸部分H1〜H4の延伸方向に直交する方向を導圧孔11−2d1の孔形状の幅方向とした場合、導圧孔11−2d1の孔形状の幅方向の長さ(以下、単に孔形状の幅という。)Wは25μm、導圧孔11−2d1の孔形状の径方向の長さ(以下、単に孔形状の長さという。)Lは300μmとされている。なお、図2には、導圧孔11−2dの孔形状に対して、この孔形状に外接する円を仮想的に1点鎖線で示している。
この導圧孔11−2d1の孔形状において、導圧孔11−2d1の中心部分H0を導圧孔11−2d1の孔形状の幅Wと等しい直径Rの円(中心円)と考えた場合(R=W)、この中心部分H0の外縁から連続して四方に延びた延伸部分H1〜H4は、直径Rの円の外周の180゜の円弧を外縁の一部として延びた形とされていると言える。この場合、延伸部分H1〜H4の幅、すなわち導圧孔11−2d1の孔形状の幅Wは、中心部分H0の外縁の幅(中心円の直径R)と等しい(W=R)。
図3に、この導圧孔11−2d1の孔形状と、図21に示した小径の孔径φ2(φ2=25μm)とした導圧孔11−2b’の孔形状との比較を示す。この比較から分かるように、本実施の形態の圧力センサチップ11Aにおいて、ストッパ部材11−2に形成されている導圧孔11−2d1は、導圧孔11−2b’の孔径φ2と等しい中心部分H0に加え、この孔径φ2と同幅で伸びた延伸部分H1〜H4を有している。
この圧力センサチップ11Aにおいて、測定圧P1を高圧側の測定圧とし、測定圧P2を低圧側の測定圧とした場合、センサダイアフラム11−1の他方の面11−1bに高圧側の測定圧P1がかかると、センサダイアフラム11−1はストッパ部材11−2側に撓み、ストッパ部材11−2の曲面状の凹部11−2aに着底する。
このストッパ部材11−2の曲面状の凹部11−2aには導圧孔11−2d1が開口している。このストッパ部材11−2の導圧孔11−2d1の孔形状は、図2に示されるように、幅W=25μm、長さL=300μmの十字形とされ、導圧孔11−2d1の中心に位置する中心部分H0と、この中心部分H0の外縁から連続して四方に延びた延伸部分H1〜H4とから構成されている。
この導圧孔11−2d1の孔形状において、幅Wは耐圧に寄与し、幅Wを小さくすることによって耐圧が高められる。これに対し、長さLは応答性と加工性に寄与し、長さLを大きくすることによって応答性と加工性が高められる。
すなわち、この導圧孔11−2d1の孔形状において、その幅Wは図23に示した導圧孔11−2b’の孔径φ2と同じ25μmとされているので、孔径φ2の導圧孔11−2b’を設けた場合と同程度の耐圧が得られる。また、中心部分H0に延伸部分H1〜H4が加わることにより、低圧側の測定圧P2の受圧面積が増え、応答速度の劣化が緩和される。また、アスペクト比(孔の深さ/孔の径)が低くなり、導圧孔11−2d1を作り易くなる。
このようにして、本実施の形態の圧力センサチップ11Aでは、ストッパ部材11−2の曲面状の凹部11−2aに開口する導圧孔11−2d1の孔形状の幅Wを小さくすることにより耐圧が高められ、長さLを大きくすることにより応答性と加工性が高められるものとなり、加工性、応答速度の劣化を緩和、抑制しつつ、飛躍的な耐圧向上を達成することができるようになる。
なお、上述においては、導圧孔11−2d1の中心部分H0を導圧孔11−2d1の孔形状の幅Wと等しい直径Rの円と考えたが、延伸部分H1〜H4の角部に接する直径Rの円(中心円)を導圧孔11−2d1の中心部分H0と考えることもできる(図4参照)。この場合、中心部分H0の外縁から連続して四方に伸びる延伸部分H1〜H4は、直径Rの円の外周の90゜の円弧を外縁の一部として伸びた形とされていると言える。この場合、延伸部分H1〜H4の幅、すなわち導圧孔11−2d1の孔形状の幅Wは、中心部分H0の外縁の幅(中心円の直径R)よりも小さい(W<R)。
また、上述においては、導圧孔11−2d1の中心部分H0を直径Rの円と考えたが、導圧孔11−2d1の中心部分H0を一辺の長さがWの正方形と考えることもできる(図5参照)。この場合、中心部分H0の外縁から連続して四方に伸びる延伸部分H1〜H4は、一辺の長さがWの正方形の辺を外縁の一部として延びた形とされていると言える。この場合、延伸部分H1〜H4の幅、すなわち導圧孔11−2d1の孔形状の幅Wは、中心部分H0の外縁の幅(正方形の一辺の長さW)と等しい。
また、この圧力センサ11Aでは、導圧孔11−2dの孔形状を十字形としたが、図6に示すようなY字形の孔形状としてもよい。このY字形の孔形状とした導圧孔11−2d(11−2d2)において、導圧孔11−2d2の中心部分H0を延伸部分H1〜H3の角部に接する直径Rの円(中心円)と考えた場合、この中心部分H0の外縁から連続して三方に延びた延伸部分H1〜H3は、直径Rの円の外周の120゜の円弧を外縁の一部として延びた形とされていると言える。この場合、延伸部分H1〜H3の幅、すなわち導圧孔11−2d2の孔形状の幅Wは、中心部分H0の外縁の幅(中心円の直径R)よりも小さい(W<R)。
また、Y字形の孔形状の導圧孔11−2d2とした場合、その中心部分H0を一辺の長さがWの正三角形と考えることもできる(図7参照)。この場合、中心部分H0の外縁から連続して三方に伸びる延伸部分H1〜H3は、一辺の長さがWの正三角形の辺を外縁の一部として延びた形とされていると言える。この場合、延伸部分H1〜H3の幅、すなわち導圧孔11−2d2の孔形状の幅Wは、中心部分H0の外縁の幅(正三角形の一辺の長さW)と等しい。
また、上述においては、導圧孔11−2d1の孔形状における延伸部分H1〜H4の幅を延伸方向の始端から終端まで同じ幅としたが、図8に示す導圧孔11−2(11−2d3)のように、延伸方向の始端から終端に向かって細くするようにしてもよい。この導圧孔11−2d3において、その中心部分H0を直径Rの円(中心円)と考えた場合、この中心部分H0の外縁から連続して四方に延びた延伸部分H1〜H4は、その最大幅が中心部分H0の外縁の幅(中心円の直径R)以下とされている。
また、図2に示した導圧孔11−2d1では中心部分H0に対して4つの延伸部分H1〜H4を、図6に示した導圧孔11−2d2では中心部分H0に対して3つの延伸部分H1〜H3を設けたが、中心部分H0に対する延伸部分は1つ以上あればよい。また、中心部分H0の形状は、上述したように考え方で異なるが、また、延伸部分の形状も種々考えられるが、延伸部分が中心部分H0の外縁の一部から連続して延びること、延伸部分の幅の最大幅が中心部分H0の外縁の幅以下であることを条件とし、この条件を満足すれば、どのような形状であっても構わない。
〔実施の形態2〕
上述した実施の形態1では、測定圧P1を高圧側の測定圧とし、測定圧P2を低圧側の測定圧とした。センサダイアフラム11−1上で高圧側の測定圧を受ける面が必ず決まっている場合には、図1に示されるように、センサダイアフラム11−1の他方の面11−1bを高圧側の測定圧P1の受圧面とし、一方の面11−1aを低圧側の測定圧P2の受圧面とする。
これに対し、センサダイアフラム11−1上で高圧側の測定圧を受ける面が決まっていないような場合には、図9に実施の形態2の圧力センサチップ11Bとして示すように、ストッパ部材11−3の曲面状の凹部11−3aの頂部に形成する導圧孔11−3dについても、ストッパ部材11−2側の導圧孔11−2dと同様の孔形状とする。
この圧力センサチップ11Bにおいて、測定圧P1を低圧側の測定圧とし、測定圧P2を高圧側の測定圧とした場合、センサダイアフラム11−1の一方の面11−1aに高圧側の測定圧P2がかかると、センサダイアフラム11−1はストッパ部材11−3側に撓み、ストッパ部材11−3の曲面状の凹部11−3aに着底する。このストッパ部材11−3の曲面状の凹部11−3aには、ストッパ部材11−2側の導圧孔11−2dと同様の孔形状の導圧孔11−3dが開口している。
これにより、ストッパ部材11−2側の導圧孔11−2dと同様にして、ストッパ部材11−3側の導圧孔11−3dにおいても、ストッパ部材11−3の曲面状の凹部11−3aに開口する導圧孔11−3dの孔形状の幅Wを小さくすることによって耐圧が高められ、長さLを大きくすることによって応答性と加工性が高められるものとなる。
〔実施の形態3〕
図10に実施の形態3の圧力センサチップ11Cを示す。この圧力センサチップ11Cにおいて、ストッパ部材11−2の曲面状の凹部11−2aの底面上には、 複数の凸部(柱)12が離散的に形成されており(図11参照)、この複数の凸部12と凸部12との間の通路(溝)13が導圧孔11−2dの周部とストッパ部材11−2の曲面状の凹部11−2aの周端部14との間の連通路とされている。この例において、凸部12は円柱状とされているが、図12に示すように、六角柱状とするなどしてもよい。
凸部12を円柱状とする場合には、図11に示すように、曲面状の凹部11−2aの頂部(凸部12と凸部12との間の通路13上)に、十字形の孔形状の導圧孔11−2d1を開口させる。凸部12を六角柱状とする場合には、図12に示すように、曲面状の凹部11−2aの頂部(凸部12と凸部12との間の通路13上)に、Y字形の孔形状の導圧孔11−2d2を開口させる。
この圧力センサチップ11Cにおいて、測定圧P1を高圧側の測定圧とし、測定圧P2を低圧側の測定圧とした場合、センサダイアフラム11−1の他方の面11−1bに高圧側の測定圧P1がかかると、センサダイアフラム11−1はストッパ部材11−2側に撓み、ストッパ部材11−2の曲面状の凹部11−2aに着底する。
このセンサダイアフラム11−1が着底するストッパ部材11−2の曲面状の凹部11−2aには、複数の凸部12が離散的に形成されており、この複数の凸部12と凸部12との間の通路13が導圧孔11−2dの周部とストッパ部材11−2の曲面状の凹部11−2aの周端部14との間の連通路とされている。
このストッパ部材11−2の曲面状の凹部11−2に形成された複数の凸部12は、センサダイアフラム11−1が変位して当該センサダイアフラム11−1がその凸部12の上面に接触した状態でも、導圧孔11−2dの周部とストッパ部材11−2の曲面状の凹部11−2aの周端部14との間の連通状態を保つ。
この圧力センサチップ11Cでは、連通状態が保たれる複数の凸部12と凸部12との間の通路13が圧力伝達媒体として封入されているオイルの逃げ道となるため、センサダイアフラム11−1とストッパ部材11−2の曲面状の凹部11−2aとの間にオイルが取り残されることによるセンサダイアフラム11−1の異常変形を回避することが可能となる。
また、センサダイアフラム11−1へ測定圧P2を導く導圧孔11−2dだけではなく、曲面状の凹部11−2aの底面全体に形成される複数の凸部12と凸部12との間の通路13にオイルが残るため、センサダイアフラム11−1の剥離性が向上する。また、曲面状の凹部11−2aの底面全体に形成される複数の凸部12と凸部12との間の通路13を通してセンサダイアフラム11−1のエッジ付近(微少ギャップ付近)までオイルを侵入させることが可能となるため、オイルの封入性が向上する。
なお、この圧力センサチップ11Cでは、曲面状の凹部11−2aの頂部にのみ導圧孔11−2dを形成するようにしたが、曲面状の凹部11−2aの頂部以外の位置にも同様の導圧孔11−2dを形成するようにしてもよい。この場合、他の導圧孔11−2dも曲面状の凹部11−2aの頂部に形成する導圧孔11−2dと同様、凸部12と凸部12との間の通路13上に開口させるようにする。図13に凸部12を円柱状とした曲面状の凹部11−2aに十字形の孔形状とした複数の導圧孔11−2d1を形成した例を示す。図14に凸部12を六角柱状とした曲面状の凹部11−2aにY字形の孔形状とした複数の導圧孔11−2d2を形成した例を示す。
〔実施の形態4〕
上述した実施の形態3では、測定圧P1を高圧側の測定圧とし、測定圧P2を低圧側の測定圧とした。センサダイアフラム11−1上で高圧側の測定圧を受ける面が必ず決まっている場合には、図10に示されるように、センサダイアフラム11−1の他方の面11−1bを高圧側の測定圧P1の受圧面とし、一方の面11−1aを低圧側の測定圧P2の受圧面とする。
これに対し、センサダイアフラム11−1上で高圧側の測定圧を受ける面が決まっていないような場合には、図15に実施の形態4の圧力センサチップ11Dとして示すように、ストッパ部材11−3の曲面状の凹部11−3aの底面上にも、 ストッパ部材11−2の曲面状の凹部11−3aと同様にして、複数の凸部(柱)12を離散的に形成し、この複数の凸部12と凸部12との間の通路(溝)13を導圧孔11−3dの周部とストッパ部材11−3の曲面状の凹部11−3aの周端部14との間の連通路とする。
また、凸部12を円柱状とする場合には、図16に示すように、曲面状の凹部11−3aの頂部(凸部12と凸部12との間の通路13上)に、十字形の孔形状の導圧孔11−3d1を開口させる。凸部12六角柱状とする場合には、図17に示すように、曲面状の凹部11−3aの頂部(凸部12と凸部12との間の通路13上)に、Y字形の孔形状の導圧孔11−3d2を開口させる。
この圧力センサチップ11Dにおいて、測定圧P1を低圧側の測定圧とし、測定圧P2を高圧側の測定圧とした場合、センサダイアフラム11−1の一方の面11−1aに高圧側の測定圧P2がかかると、センサダイアフラム11−1はストッパ部材11−3側に撓み、ストッパ部材11−3の曲面状の凹部11−3aに着底する。
このセンサダイアフラム11−1が着底するストッパ部材11−3の曲面状の凹部11−3aには、複数の凸部12が離散的に形成されており、この複数の凸部12と凸部12との間の通路13が導圧孔11−3dの周部とストッパ部材11−3の曲面状の凹部11−3aの周端部14との間の連通路とされている。このストッパ部材11−3の曲面状の凹部11−3に形成された複数の凸部12は、センサダイアフラム11−1が変位して当該センサダイアフラム11−1がその凸部12の上面に接触した状態でも、導圧孔11−3dの周部とストッパ部材11−3の曲面状の凹部11−3aの周端部14との間の連通状態を保つ。
この圧力センサチップ11Dでも、圧力センサチップ11Cと同様、連通状態が保たれる複数の凸部12と凸部12との間の通路13が圧力伝達媒体として封入されているオイルの逃げ道となるため、センサダイアフラム11−1とストッパ部材11−3の曲面状の凹部11−3aとの間にオイルが取り残されることによるセンサダイアフラム11−1の異常変形を回避することが可能となる。
また、センサダイアフラム11−1へ測定圧P1を導く導圧孔11−3dだけではなく、曲面状の凹部11−3aの底面全体に形成される複数の凸部12と凸部12との間の通路13にオイルが残るため、センサダイアフラム11−1の剥離性が向上する。また、曲面状の凹部11−3aの底面全体に形成される複数の凸部12と凸部12との間の通路13を通してセンサダイアフラム11−1のエッジ付近(微少ギャップ付近)までオイルを侵入させることが可能となるため、オイルの封入性が向上する。
このように、この圧力センサチップ11Dでは、センサダイアフラム11−1のどちらの面が高圧側の測定圧の受圧面となっても、その底面上に複数の凸部12が離散的に形成されているストッパ部材11−2,11−3の凹部11−2a,11−3aにセンサダイアフラム11−1を着底させるようにすることができ、複数の凸部12と凸部12との間の通路13をオイルの逃げ道として、センサダイアフラム11−1の異常変形を回避することが可能となる。また、センサダイアフラム11−1のとちらの面でも、センサダイアフラム11−1の剥離性や圧力伝達媒体の封入性を向上させることが可能となる。
なお、この圧力センサチップ11Dにおいても、曲面状の凹部11−3aの頂部以外の位置にも同様の導圧孔11−3dを形成するようにしてもよい。この場合、他の導圧孔11−3dも曲面状の凹部11−3aの頂部に形成する導圧孔11−3dと同様、凸部12と凸部12との間の通路13上に開口させるようにすることは言うまでもない。
〔実施の形態5〕
図18に実施の形態5の圧力センサチップ11Eを示す。この圧力センサチップ11Eにおいて、ストッパ部材11−2の周縁部11−2cは、センサダイアフラム11−1の一方の面11−1aと対面する領域S1のうち、外周側の領域S1aがセンサダイアフラム11−1の一方の面11−1aとの接合領域とされ、内周側の領域S1bがセンサダイアフラム11−1の一方の面11−1aとの非接合領域とされている。また、ストッパ部材11−3の周縁部11−3cは、センサダイアフラム11−1の他方の面11−1bと対面する領域S2のうち、外周側の領域S2aがセンサダイアフラム11−1の他方の面11−1bとの接合領域とされ、内周側の領域S2bがセンサダイアフラム11−1の他方の面11−1bとの非接合領域とされている。
ストッパ部材11−2の周縁部11−2cの外周側の領域S1aは、センサダイアフラム11−1の一方の面11−1aに直接接合されることによって接合領域とされ、ストッパ部材11−3の周縁部11−3cの外周側の領域S2aは、センサダイアフラム11−1の他方の面11−1bに直接接合されることによって接合領域とされている。以下、ストッパ部材11−2の周縁部11−2cの外周側の領域S1aを接合領域S1aと呼び、ストッパ部材11−3の周縁部11−3cの外周側の領域S2aを接合領域S2aと呼ぶ。
ストッパ部材11−2の周縁部11−2cの内周側の領域S1bは、プラズマや薬液などにより表面を荒らすなどして、センサダイアフラム11−1の一方の面11−1aに接してはいるが、接合はされてない非接合領域とされている。ストッパ部材11−3の周縁部11−3cの内周側の領域S2bも、プラズマや薬液などにより表面を荒らすなどして、センサダイアフラム11−1の他方の面11−1bに接してはいるが、接合はされてない非接合領域とされている。以下、ストッパ部材11−2の周縁部11−2cの内周側の領域S1bを非接合領域S1bと呼び、ストッパ部材11−3の周縁部11−3cの内周側の領域S2bを非接合領域S2bと呼ぶ。
そして、センサダイアフラム11−1の下面の非接合領域S1bより更に内側がセンサダイアフラム11−1の感圧領域D1であり、同様に、センサダイアフラム11−1の上面の非接合領域S2bより更に内側がセンサダイアフラム11−1の感圧領域D2である。感圧領域D1ではストッパ部材11−2に対向する面に一方の測定圧P2がかかるとともに、感圧領域D2ではストッパ部材11−3に対向する面にもう一方の測定圧P1がかかる。なお、感圧領域D1及びD2の直径がセンサダイアフラム11−1の有効径である。
この圧力センサチップ11Eにおいて、測定圧P1を高圧側の測定圧とし、測定圧P2を低圧側の測定圧とした場合、センサダイアフラム11−1の上面の感圧領域D2に高圧側の測定圧P1がかかると、センサダイアフラム11−1はストッパ部材11−2の周縁部11−2cとの非接合領域S1bでストッパ部材11−2から拘束による過渡な引っ張り応力が生じることなく撓むことができるので、この部分に生じる応力が低減されるものとなる。
また、この圧力センサチップ11Eにおいて、測定圧P2を高圧側の測定圧とし、測定圧P1を低圧側の測定圧とした場合、センサダイアフラム11−1の下面の感圧領域D1に高圧側の測定圧P2がかかると、センサダイアフラム11−1はストッパ部材11−3の周縁部11−3cとの非接合領域S2bでストッパ部材11−3から拘束による過渡な引っ張り応力が生じることなく撓むことができるので、この部分に生じる応力が低減されるものとなる。
このようにして、実施の形態5の圧力センサチップ11Eでは、実施の形態4の圧力センサチップ11Dの効果に加えて、センサダイアフラム11の拘束による応力発生を低減させ、期待される耐圧を確保することができるようになるという効果を奏する。更に、この圧力センサチップ11Eでは、ストッパ部材11−2,11−3の凹部11−2a,11−3aの開口サイズのズレによるセンサダイアフラム11−1の拘束箇所の位置ずれが解消されるため、これによる応力増加および着底異常による応力発生についても大幅に改善されるものとなる。
なお、上述した実施の形態では、センサダイアフラム11−1を圧力変化に応じて抵抗値が変化する歪抵抗ゲージを形成したタイプとしているが、静電容量式のセンサチップとしてもよい。静電容量式のセンサチップは、所定の空間(容量室)を備えた基板と、その基板の空間上に配置されたダイアフラムと、基板に形成された固定電極と、ダイアフラムに形成された可動電極とを備えている。ダイアフラムが圧力を受けて変形することで、可動電極と固定電極との間隔が変化してその間の静電容量が変化する。
〔実施の形態の拡張〕
以上、実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の技術思想の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、各実施の形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
本発明は、工業用の差圧センサに用いる圧力センサチップとして利用することができる。
11A〜11D…圧力センサチップ、11−1…センサダイアフラム、11−1a…一方の面、11−2b…他方の面、11−2,11−3…ストッパ部材、11−2a,11−3a…凹部、11−2c,11−3c…周縁面、11−2d(11−2d1,11−2d2),11−3d(11−3d1,11−3d2)…圧力導入孔(導圧孔)、11−4,11−5…台座、11−4a,11−5a…圧力導入孔(導圧孔)、12…凸部(柱)、13…通路(溝)、14…周端部、H0…中心部分、H1〜H4…延伸部分。

Claims (5)

  1. 圧力差に応じた信号を出力するセンサダイアフラムと、このセンサダイアフラムの一方の面および他方の面にその周縁部を対面させて接合され、前記センサダイアフラムへ測定圧を導く導圧孔を有する第1および第2の保持部材とを備えた圧力センサチップにおいて、
    前記第1の保持部材は、
    前記センサダイアフラムに過大圧が印加された時の当該センサダイアフラムの過度な変位を阻止するそのセンサダイアフラムの変位に沿った曲面状の凹部を備え、
    前記第1の保持部材の導圧孔は、
    前記第1の保持部材を貫いて前記第1の保持部材の曲面状の凹部に開口し、
    前記第1の保持部材の導圧孔の前記第1の保持部材を貫く方向から見た孔形状は、
    前記第1の保持部材の導圧孔の中心に位置する中心部分とこの中心部分の外縁の一部から連続して中心から外方向に延びた1つ以上の延伸部分とを備えた形状とされ、
    前記第1の保持部材の導圧孔の孔形状の延伸部分の延伸方向に直交する方向の最大幅は、
    前記第1の保持部材の導圧孔の孔形状の中心部分の外縁の幅以下とされている
    ことを特徴とする圧力センサチップ。
  2. 請求項1に記載された圧力センサチップにおいて、
    前記第2の保持部材は、
    前記センサダイアフラムに過大圧が印加された時の当該センサダイアフラムの過度な変位を阻止するそのセンサダイアフラムの変位に沿った曲面状の凹部を備え、
    前記第2の保持部材の導圧孔は、
    前記第2の保持部材を貫いて前記第2の保持部材の曲面状の凹部に開口し、
    前記第2の保持部材の導圧孔の前記第2の保持部材を貫く方向から見た孔形状は、
    前記第2の保持部材の導圧孔の中心に位置する中心部分とこの中心部分の外縁の一部から連続して中心から外方向に延びた1つ以上の延伸部分とから構成された形状とされ、
    前記第2の保持部材の導圧孔の孔形状の延伸部分の延伸方向に直交する方向の最大幅は、
    前記第2の保持部材の導圧孔の孔形状の中心部分の外縁の幅以下とされている
    ことを特徴とする圧力センサチップ。
  3. 請求項1に記載された圧力センサチップにおいて、
    前記第1の保持部材の曲面状の凹部の底面上には、
    複数の凸部が離散的に形成され、
    この複数の凸部と凸部との間の通路が前記第1の保持部材の導圧孔の周部と前記第1の保持部材の曲面状の凹部の周端部との間の連通路とされ、
    前記第1の保持部材の導圧孔は、
    前記複数の凸部と凸部との間の通路上に開口している
    ことを特徴とする圧力センサチップ。
  4. 請求項2に記載された圧力センサチップにおいて、
    前記第2の保持部材の曲面状の凹部の底面上には、
    複数の凸部が離散的に形成され、
    この複数の凸部と凸部との間の通路が前記第2の保持部材の導圧孔の周部と前記第2の保持部材の曲面状の凹部の周端部との間の連通路とされ、
    前記第2の保持部材の導圧孔は、
    前記複数の凸部と凸部との間の通路上に開口している
    ことを特徴とする圧力センサチップ。
  5. 請求項1に記載された圧力センサチップにおいて、
    前記中心部分は、直径Rの円とされ、
    前記延伸部分は、前記直径R以下の幅Wで前記中心部分の外縁の一部から連続して延ばされている
    ことを特徴とする圧力センサチップ。
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