以下、本実施の形態を図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態の情報処理システムを示す図である。第1の実施の形態の情報処理システムは、外国人であるユーザが利用可能なサービスの内容やサービスの利用方法などを案内するシステムである。例えば、第1の実施の形態の情報処理システムを、役所での各種手続のための窓口案内に利用できる。あるいは、第1の実施の形態の情報処理システムを、百貨店での店舗案内、路上や施設内(駅/空港/遊園地など)での道案内/観光案内、料理店での料理メニューの案内などに利用することもできる。
第1の実施の形態の情報処理システムは、情報処理装置1とクライアント装置2とを含む。情報処理装置1は、ネットワーク3に接続されている。ネットワーク3には、アクセスポイント(AP:Access Point)4が接続されている。クライアント装置2は、AP4と無線通信し、AP4およびネットワーク3を介して情報処理装置1と通信する。
情報処理装置1は、例えばサービスを提供する施設(例えば、役所や店舗など)に設けられる。クライアント装置2は、例えば、外国人であるユーザU0が施設を訪れた際に、施設の職員によってユーザU0に貸与される。クライアント装置2は、例えば、タブレット装置でもよい。情報処理装置1およびクライアント装置2それぞれは、コンピュータと呼ばれるものでもよい。ユーザU0は、クライアント装置2に表示される案内を参照して、施設で提供されるサービスを利用できる。
情報処理装置1は、記憶部1aおよび演算部1bを有する。記憶部1aは、RAM(Random Access Memory)などの揮発性記憶装置でもよいし、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置でもよい。演算部1bは、例えば、プロセッサである。プロセッサには、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを含み得る。また、演算部1bは、マルチプロセッサであってもよい。
記憶部1aは、履歴情報5を記憶する。履歴情報5は、複数のユーザそれぞれの出身国と複数のユーザそれぞれにより、案内表示のために選択された言語との対応関係の情報である。案内表示のために選択された言語は、複数のユーザそれぞれに対する案内表示に使用された言語ということもできる。例えば、履歴情報5には、出身国N1の人物が言語L1を選択したことが登録されている。履歴情報5によれば、出身国N1の人物が言語L1を選択した回数が“3”である。また、出身国N1の人物が言語L2を選択した回数が“1”である。更に、出身国N2の人物が言語L3を選択した回数が“1”である。
演算部1bは、ユーザU0の出身国の情報を取得する。演算部1bは、出身国の候補リストをクライアント装置2に提供し、クライアント装置2に対するユーザU0の操作入力(例えば、出身国の候補リストの中からユーザU0自身が出身国を選択入力するなど)により、当該出身国の情報を取得してもよい。あるいは、演算部1bは、ユーザU0が所持する在留カードなどに記録されている出身国の情報をカードリーダで読み取ることで、ユーザU0の出身国の情報を取得してもよい。カードリーダは、クライアント装置2に接続されてもよい。演算部1bは、クライアント装置2により在留カードなどから読み取られたユーザU0の出身国の情報を、クライアント装置2から取得してもよい。例えば、ユーザU0の出身国は、出身国N1であるとする。
演算部1bは、記憶部1aに記憶された履歴情報5を参照して、ユーザU0と同じ出身国N1である他のユーザが過去に選択した回数の最も多い言語を、案内のための文字の表示に用いる言語と決定する。前述のように、履歴情報5によれば、出身国N1の人物は、過去に言語L1および言語L2を選択している。そのうち、選択された回数が最も多い言語は、言語L1(3回)である(言語L2は1回)。したがって、演算部1bは、言語L1を、クライアント装置2における文字の表示に用いる言語と決定する。
これにより、表示言語を適切に決定できる。例えば、ユーザU0が、特殊な公用語(例えば、南アフリカのズールー語など)をもつ国の出身であったり、多言語国家(例えば、ベルギーやスイスなど)の出身であったりすると、何れの言語で案内を表示すればよいかを自動的に特定することが難しい。出身国と、案内用の言語とを予め対応づけておくことができないからである。
そこで、情報処理装置1は、ユーザU0と同じ出身国の人物による選択回数が最も多い言語を表示言語と決定する。ユーザU0と同じ出身国の人物による選択回数が最も多い言語は、ユーザU0にとって理解できる可能性が高いと考えられるからである。
その後、演算部1bは、決定した言語(言語L1)により、ユーザU0を案内するための文字列を含む画像情報をクライアント装置2に送信する。クライアント装置2は、言語L1での文字列を含む案内画像を、クライアント装置2が備えるディスプレイに表示させる。ユーザU0は、クライアント装置2のディスプレイの表示内容を参照して、例えば、所望のサービスを提供する窓口や施設内の店舗へ移動できる。
なお、ユーザU0の家族構成員により過去に選択された言語が履歴情報5に記録されている場合、演算部1bは、当該家族構成員により選択された言語を、他の人物が選択した言語よりも優先して、表示言語を決定してもよい。例えば、ユーザU0の親が選択した言語が履歴情報5に記録されている場合に、ユーザU0の親が選択した言語を優先して、表示言語と決定してもよい。ユーザU0と家族関係にある人物は、他の人物よりもユーザU0と緊密な関係にあるといえ、共通の言語を理解できる可能性が高いからである。このように、ユーザU0と比較的緊密な人物が過去に選択した言語を優先することで、ユーザU0に対して、より適切な言語を選択可能となる。
[第2の実施の形態]
図2は、第2の実施の形態の情報処理システムを示す図である。第2の実施の形態の情報処理システムは、役所に設けられ、来庁した外国人に対して手続案内を提供する(例えば、各種手続を行うための窓口を案内する)システムである。図2において、ユーザU1,U2,U3は、役所を訪れた外国人である。第2の実施の形態の情報処理システムは、管理サーバ100およびタブレット装置200,200a,200bを有する。管理サーバ100は、ネットワーク10に接続されている。ネットワーク10は、LAN(Local Area Network)でもよいし、インターネットなどの広域ネットワークでもよい。
ネットワーク10にはAP11,12,13が接続されている。AP11,12,13は、それぞれタブレット装置200,200a,200bと無線通信可能な無線ルータである。タブレット装置200は、AP11およびネットワーク10を介して管理サーバ100と通信する。タブレット装置200aは、AP12およびネットワーク10を介して管理サーバ100と通信する。タブレット装置200bは、AP13およびネットワーク10を介して管理サーバ100と通信する。
管理サーバ100は、タブレット装置200,200a,200bのWebブラウザに所定のGUI(Graphical User Interface)を提供するサーバコンピュータである。当該GUIは、役所で行う手続などに関する案内の内容を示す画像を含む。
タブレット装置200は、ユーザU1が利用するタブレット型の端末装置である。タブレット装置200aは、ユーザU2が利用するタブレット型の端末装置である。タブレット装置200bは、ユーザU3が利用するタブレット型の端末装置である。例えば、タブレット装置200,200a,200bは、役所を訪れたユーザU1,U2,U3に対して、役所の職員により貸与される。
ここで、以下の説明では、主に、タブレット装置200に対する管理サーバ100の処理を例示するが、タブレット装置200a,200bに対する管理サーバ100の処理も同様である。
第2の実施の形態では、ユーザU1,U2,U3が特殊な母国語をもつ国の出身であったり、多言語国家の出身であったりする場合にも、ユーザU1,U2,U3にとって理解可能な適切な言語を自動的に選択して、行政サービスの案内を行う機能を提供する。
ここで、特殊な公用語をもつ国としては、例えば、南アフリカ共和国がある。南アフリカ共和国は、南アフリカと呼ばれることもあり、ズールー語、スワジ語、ツワナ語など、多くの公用語をもつ。多言語国家の例としては、ベルギーやスイスなどがある。ベルギーは、フランス語、ドイツ語、オランダ語およびフランデレン語を公用語としてもつ。スイスは、ドイツ語、フランス語、イタリア語およびロマンシュ語を公用語としてもつ。なお、南アフリカ共和国も多言語国家の1つであると考えてよい。
図3は、管理サーバのハードウェア例を示す図である。管理サーバ100は、プロセッサ101、RAM102、HDD103、画像信号処理部104、入力信号処理部105、媒体リーダ106および通信インタフェース107を有する。各ユニットは管理サーバ100のバスに接続されている。
プロセッサ101は、管理サーバ100全体を制御する。プロセッサ101は、複数のプロセッシング要素を含むマルチプロセッサであってもよい。プロセッサ101は、例えばCPU、DSP、ASICまたはFPGAなどである。また、プロセッサ101は、CPU、DSP、ASIC、FPGAなどのうちの2以上の要素の組み合わせであってもよい。
RAM102は、管理サーバ100の主記憶装置である。RAM102は、プロセッサ101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部を一時的に記憶する。また、RAM102は、プロセッサ101による処理に用いる各種データを記憶する。
HDD103は、管理サーバ100の補助記憶装置である。HDD103は、内蔵した磁気ディスクに対して、磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。HDD103には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。管理サーバ100は、フラッシュメモリやSSD(Solid State Drive)などの他の種類の補助記憶装置を備えてもよく、複数の補助記憶装置を備えてもよい。
画像信号処理部104は、プロセッサ101からの命令に従って、管理サーバ100に接続されたディスプレイ21に画像を出力する。ディスプレイ21としては、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなど各種のディスプレイを用いることができる。管理サーバ100は、ディスプレイ21を一体に備えてもよい。
入力信号処理部105は、管理サーバ100に接続された入力デバイス22から入力信号を取得し、プロセッサ101に出力する。入力デバイス22としては、マウスやタッチパネルなどのポインティングデバイスやキーボードなどの各種の入力デバイスを用いることができる。管理サーバ100には、複数の種類の入力デバイスが接続されてもよい。管理サーバ100は、入力デバイス22を一体に備えてもよい。
媒体リーダ106は、可搬型の記録媒体23に記録されたプログラムやデータを読み取る装置である。記録媒体23として、例えば、フレキシブルディスク(FD:Flexible Disk)やHDDなどの磁気ディスク、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などの光ディスク、光磁気ディスク(MO:Magneto-Optical disk)を使用できる。また、記録媒体23として、例えば、フラッシュメモリカードなどの不揮発性の半導体メモリを使用することもできる。媒体リーダ106は、例えば、プロセッサ101からの命令に従って、記録媒体23から読み取ったプログラムやデータをRAM102またはHDD103に格納する。
通信インタフェース107は、ネットワーク10を介して、タブレット装置200,200a,200bと通信を行う。通信インタフェース107は、有線通信インタフェースでもよいし、無線通信インタフェースでもよい。
図4は、タブレット装置のハードウェア例を示す図である。タブレット装置200は、プロセッサ201、RAM202、フラッシュメモリ203、ディスプレイ204、入力デバイス205、接続インタフェース206および無線部207を有する。各ユニットはタブレット装置200のバスに接続されている。タブレット装置200a,200bも、タブレット装置200と同様のハードウェアにより実現される。
プロセッサ201は、タブレット装置200の情報処理を制御する。プロセッサ201は、例えばCPU、MPU(Micro Processing Unit)、DSP、ASIC、FPGAまたはPLD(Programmable Logic Device)などである。プロセッサ201は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ201は、CPU、MPU、DSP、ASIC、FPGA、PLDのうちの2以上の要素の組合せであってもよい。
RAM202は、タブレット装置200の主記憶装置である。RAM202は、プロセッサ201に実行させるOSのプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部を一時的に記憶する。また、RAM202は、プロセッサ201による処理に用いる各種データを記憶する。
フラッシュメモリ203は、タブレット装置200の補助記憶装置である。フラッシュメモリ203には、OSのプログラム、アプリケーションプログラムおよび各種データが格納される。
ディスプレイ204は、プロセッサ201からの命令に従って、画像を出力する。例えば、ディスプレイ204は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどである。
入力デバイス205は、入力された信号をプロセッサ201に出力する。例えば、入力デバイス205は、ボタンや、ディスプレイ204に重畳して設けられたタッチパネルなどである。
接続インタフェース206は、カードリーダ31を介して在留カード32に記録されている在留情報を読み取る。なお、在留カード32には、IC(Integrated Circuit)チップが搭載されている。ICチップは、在留情報を記憶するメモリを備える。
無線部207は、AP11と無線通信を行うインタフェースである。無線部207は、AP11およびネットワーク10を介して管理サーバ100と通信する。
図5は、管理サーバの機能例を示す図である。管理サーバ100は、記憶部110、受信部120、判定部130および出力制御部140を有する。記憶部110は、例えば、RAM102またはHDD103に確保された記憶領域として実現される。受信部120、判定部130および出力制御部140は、RAM102に記憶されたプログラムをプロセッサ101が実行することで実現される。
記憶部110は、在留テーブル111、家族テーブル112、優先度テーブル113および使用言語頻度テーブル114を記憶する。在留テーブル111は、外国人の在留情報が登録されるテーブルである。家族テーブル112は、外国人の家族に関する情報が登録されるテーブルである。優先度テーブル113には、家族の続柄と優先度との対応関係が登録されるテーブルである。使用言語頻度テーブル114は、外国人が手続案内を受けるために選択した言語が、外国人の出身国に対応づけて登録されるテーブルである。
また、記憶部110は、タブレット装置200に提供される様々な手続案内用のコンテンツを記憶する。例えば、手続案内用のコンテンツは、HTML(HyperText Markup Language)形式のファイル(HTMLファイル)である。手続案内用のコンテンツは、各国語に翻訳されたものが予め用意されている。
受信部120は、在留カード32に記録されているユーザU1の在留情報をタブレット装置200から受信する。例えば、役所の職員は、タブレット装置200に接続されたカードリーダ31にユーザU1の在留カード32を挿入することで、タブレット装置200に在留カード32のICチップに記録された内容を読み取らせ、管理サーバ100に送信させることができる。ここで、在留情報は、在留カード番号およびユーザU1の出身国の情報を含む。在留カード番号は、在留カード32を一意に識別する識別情報である。受信部120は、受信した在留情報を判定部130に通知する。
判定部130は、ユーザU1に対して手続案内を提供する際に、受信部120から取得した在留情報と、記憶部110に記憶された情報とに基づいて、何れの言語を用いるかを判定する。具体的には、ユーザU1に対して過去に提供済の言語があれば、判定部130は、今回も当該言語を使用すると判定する。ユーザU1に対して過去に提供済の言語がなければ、判定部130は、ユーザU1と同じ出身国の他のユーザに対して過去に提供済の言語を使用すると判定する。また、判定部130は、ユーザU1の家族構成員に対して過去に提供済の言語があれば、当該言語を優先して使用するよう判定する。判定部130は、ユーザU1に対する手続案内を行うために使用した言語を、ユーザU1およびユーザU1の出身国に対応づけて記録する。
出力制御部140は、判定部130によって判定された言語による手続案内用のコンテンツを記憶部110から取得し、タブレット装置200に送信する。例えば、出力制御部140は、Webサーバとして機能してもよい。この場合、タブレット装置200のWebブラウザによって、手続案内用のコンテンツ(判定部130によって判定された言語で案内が記述されたコンテンツ)が表示される。
図6は、在留テーブルの例を示す図である。在留テーブル111は、記憶部110に格納される。在留テーブル111は、在留カード番号、氏名、生年月日、性別、国籍、居住地、在留資格、在留期間、許可種類、就労制限有無および資格外活動許可の項目を含む。
在留カード番号の項目には、在留カードを識別する番号(在留カード番号)が登録される。氏名の項目には、氏名が登録される。生年月日の項目には、生年月日が登録される。性別の項目には、性別が登録される。国籍の項目には、国籍(出身国)が登録される。居住地の項目には、居住地が登録される。在留資格の項目には、在留資格の有無が登録される。在留期間の項目には、在留期間が登録される。許可種類の項目には、許可の種類が登録される。就労制限有無の項目には、就労制限の有無が登録される。資格外活動許可の項目には、資格外での活動可能な内容が登録される。
例えば、在留テーブル111には、在留カード番号が“A001”、氏名が“N1”、生年月日が“Y1”、性別が“男性”、国籍が“ベルギー”、居住地が“荒川区山町・・・”、在留資格が“有”、在留期間が“5年”、許可種類が“在留期間変更”、就労制限有無が“就労制限なし”、資格外活動許可が“技能”という情報が登録される。
これは、在留カード番号“A001”は、氏名“N1”の外国人に対応づけられていることを示す。また、氏名“N1”の外国人の生年月日が“Y1”、性別が“男性”、国籍が“ベルギー”、居住地が“荒川区山町・・・”であることを示す。更に、氏名“N1”の外国人の在留資格があること、在留期間が5年であり、在留期間が変更されていること、就労制限がないこと、資格外活動として技能習得に関する活動が許可されていることを示す。
図7は、家族テーブルの例を示す図である。家族テーブル112は、記憶部110に格納される。家族テーブル112は、家族コード、在留カード番号、氏名、国籍、続柄および言語の項目を含む。
家族コードの項目には、家族を識別する情報である家族コードが登録される。在留カード番号の項目には、在留カード番号が登録される。氏名の項目には、氏名が登録される。国籍の項目には、国籍(出身国)が登録される。続柄の項目には、続柄(家族内の属性)が登録される。言語の項目には、役所での手続案内に使用された言語または“−(ハイフン)”(設定なし)が登録される。言語の項目が“−”(設定なし)の場合、役所で手続案内を提供した実績がないことを示す。ここで、言語の項目の初期値は“−”(設定なし)である。
例えば、家族テーブル112には、家族コードが“K1”、在留カード番号が“A001”、氏名が“N1”、国籍が“ベルギー”、続柄が“夫”、言語が“ドイツ語”という情報が登録される。
これは、在留カード番号“A001”が氏名“N1”の外国人に対応づけられていることを示す。また、当該外国人について、国籍が“ベルギー”であり、家族コード“K1”の家族に属し、続柄が“夫”であることを示す。また、氏名“N1”の外国人は、前回来庁したときに“ドイツ語”で手続案内の提供を受けたことを示す。
また、例えば、家族テーブル112には、家族コードが“K1”、在留カード番号が“A003”、氏名が“N3”、国籍が“ベルギー”、続柄が“子”、言語が“−”という情報が登録される。
これは、在留カード番号“A003”が氏名“N3”の外国人に対応づけられていることを示す。また、当該外国人について、国籍が“ベルギー”であり、家族コード“K1”の家族に属し、続柄が“子”であることを示している。また、氏名“N3”の外国人に対しては、手続案内を提供した実績がない(言語の項目が“−”)ことを示す。
ここで、家族テーブル112は、記憶部110に予め登録される。例えば、ある機関が各外国人に在留カードを発行した後に、当該発行を行った機関が、家族テーブル112に登録される情報(言語の設定値以外)を、役所に提供してもよい。
図8は、優先度テーブルの例を示す図である。優先度テーブル113は、記憶部110に格納される。優先度テーブル113は、優先度および続柄の項目を含む。
優先度の項目には、優先度を示す情報が登録される。優先度は、値が小さいほど優先度が高いことを示し、値が大きいほど優先度が低いことを示す。続柄の項目には、続柄を示す情報が登録される。
例えば、優先度テーブル113には、優先度が“1”、続柄が“夫”という情報が登録される。これは、続柄“夫”の優先度が“1”であることを示す。優先度テーブル113によれば、優先度“1”が最小である。すなわち、続柄“夫”の優先度が最も高いことを意味する。
図9は、使用言語頻度テーブルの例を示す図である。使用言語頻度テーブル114は、記憶部110に格納される。使用言語頻度テーブル114は、国籍、使用言語、頻度および使用回数の項目を含む。
国籍の項目には、国籍が登録される。使用言語の項目には、手続案内の提供に使用した言語を示す情報が登録される。頻度の項目には、当該言語の使用頻度が登録される。頻度の項目の設定値は、値が小さいほど頻度が高いことを示し、値が大きいほど頻度が低いことを示す。使用回数の項目には、使用言語の項目に登録されている言語を、手続案内の提供に使用した回数が登録される。
例えば、使用言語頻度テーブル114には、国籍が“ベルギー”、使用言語が“ドイツ語”、頻度が“1”および選択回数が“10”という情報が登録される。これは、国籍が“ベルギー”である外国人に対して、“ドイツ語”での手続案内を“10”回提供したことを示している。また、国籍が“ベルギー”である外国人に提供した言語の中では、“ドイツ語”が最高頻度であることを示す。
次に、管理サーバ100がタブレット装置200に提供するGUIについて説明する。
図10は、初期画面の例を示す図である。初期画面300は、在留カード32の読み取りを促す案内を表示するGUIである。タブレット装置200は、Webブラウザとして機能し、管理サーバ100が提供するWebページにアクセスして、初期画面300をディスプレイ204に表示させる。
初期画面300には、例えば、“在留カードを通して下さい。”という日本語の内容が表示される。役所の職員は、ディスプレイ204に表示された内容を確認し、ユーザU1から在留カード32を借りる。役所の職員は、カードリーダ31を用いて、在留カード32に記録されている在留情報をタブレット装置200に読み込ませる。タブレット装置200は、読み込んだ在留情報を管理サーバ100へ送信する。あるいは、来庁したユーザU1が、初期画面300の指示に従って、在留カード32に記録された在留情報を、カードリーダ31を用いてタブレット装置200に読み込ませてもよい。
図11は、業務画面の例を示す図である。図11(A)は、業務画面301を例示している。業務画面301は、日本語による業務メニューの一覧であり、日本語を理解できるユーザに対して所望の手続の選択入力を促すGUIである。業務画面301は、管理サーバ100によってタブレット装置200に提供され、ディスプレイ204に表示される。
図11(B)は、業務画面301aを例示している。業務画面301aは、ドイツ語による業務メニューの一覧であり、ドイツ語を理解できるユーザに対して所望の手続の選択入力を促すGUIである。業務画面301aに表示されている手続の内容は、業務画面301で表示される手続の内容と同様である。業務画面301aは、管理サーバ100によってタブレット装置200に提供され、ディスプレイ204に表示される。
ここで、業務画面301aは、ユーザU1に対する手続案内用の言語として、判定部130によりドイツ語を使用すると判定された結果である。このため、業務画面301aでは、ドイツ語により手続メニューが表示されている。例えば、業務画面301aには、“1.Geburt”(“Geburt”はドイツ語で“出生”の意)の文字列が重畳されたボタンが表示されている。ユーザU1が出生に関する手続を行いたい場合、ユーザU1は、当該ボタンを押下操作する。すると、タブレット装置200は、役所内の出生の届出に関する窓口へのドイツ語での案内画面(例えば、役所内の地図と現在地から窓口までのルートを示すGUI)を管理サーバ100から取得し、ディスプレイ204に表示させる。ユーザU1は、当該窓口への案内画面を閲覧して、窓口まで辿りつける。その他の手続に関しても同様である。
なお、図11(B)では、日本語以外の言語の一例として、手続メニューをドイツ語で表示した場合を例示しているが、ディスプレイ204には、業務画面を他の言語でも表示可能である。前述のように、例えば各言語に対応する業務画面のHTMLファイルは、記憶部110に予め格納される。
なお、業務画面301,301aには、画面を閉じるための「閉じるボタン」や前の画面に戻るための「戻るボタン」など、業務選択以外のボタンも含まれる。例えば、ユーザU1は、閉じるボタンをタッチ操作することで、業務画面301,301aのページを閉じることができる(他の画面についても同様)。
図12は、言語選択画面の例を示す図である。言語選択画面302は、管理サーバ100によりタブレット装置200に提供され、ディスプレイ204に表示される。言語選択画面302は、言語の一覧を示す言語選択画面(言語選択情報)を表示するものである。例えば、管理サーバ100は、判定部130によりユーザU1に対して提供する言語を特定できない場合などに、言語選択画面302をタブレット装置200に提供して、ユーザU1による使用言語の選択入力を促すこともできる。
言語選択画面302には、例えば、“1.日本語/Japanese”、“2.英語/English”などの文字列がそれぞれ重畳された複数のボタンが表示される。
ユーザU1は、言語選択画面302の何れかのボタンをタッチ操作することで、当該ボタンに対応する言語での手続案内の提供を管理サーバ100に指示できる。
図13は、終了画面の例を示す図である。終了画面303は、管理サーバ100によりタブレット装置200に提供され、ディスプレイ204に表示される。終了画面303は、手続の終了をユーザU1に通知するためのGUIである。例えば、終了画面303には、ログアウトやタブレット装置200の返却などを促す文字列が表示される。
図14は、表示言語決定処理の例を示すフローチャートである。以下、図14に示す処理をステップ番号に沿って説明する。ここで、ステップS11の直前において、役所の職員は、例えば、初期画面300を参照してユーザU1から在留カード32を借りる。役所の職員は、カードリーダ31を用いて、在留カード32に記録されている在留情報をタブレット装置200に読み込ませる。タブレット装置200は、読み込んだ在留情報を管理サーバ100へ送信する。すると、下記のステップS11以降の手順が実行される。
(S11)受信部120は、タブレット装置200からユーザU1の在留情報を受信する。判定部130は、受信部120からユーザU1の在留情報を取得する。
(S12)判定部130は、過去にユーザU1が来庁しているか否かを判定する。過去にユーザU1が来庁している場合、処理をステップS17に進める。過去にユーザU1が来庁していない場合、処理をステップS13に進める。具体的には、判定部130は、家族テーブル112の在留カード番号と言語の項目を参照し、在留カード32の在留カード番号が存在し、言語の項目に何れかの言語の情報が登録されている場合、過去にユーザU1が来庁していると判定する。在留カード番号の項目または言語の項目の登録がない場合、過去にユーザU1が来庁していないと判定する。
(S13)判定部130は、在留情報を在留テーブル111に登録する。例えば、判定部130は、在留カード32の在留カード番号が“A003”の場合、在留カード番号“A003”に対応する在留情報を、在留テーブル111に登録する。
(S14)判定部130は、過去にユーザU1の家族構成員が来庁しているか否かを判定する。過去にユーザU1の家族構成員が来庁している場合、処理をステップS15に進める。過去にユーザU1の家族構成員が来庁していない場合、処理をステップS16に進める。具体的には、判定部130は、家族テーブル112の在留カード番号の項目を参照する。そして、判定部130は、在留カード32の在留カード番号に対応する家族コードが存在し、かつ、当該家族コードのレコードに何れかの言語の設定がある場合、過去にユーザU1の家族構成員が来庁していると判定する。一方、判定部130は、在留カード32の在留カード番号に対応する家族コードが存在しないか、または、存在しても当該家族コードの何れのレコードにも言語の設定がない場合、過去にユーザU1の家族構成員が来庁していないと判定する。
(S15)判定部130および出力制御部140は、第1の言語判定処理を実行する。そして、処理を終了する。第1の言語判定処理の詳細は後述される。
(S16)判定部130および出力制御部140は、第2の言語判定処理を実行する。そして、処理を終了する。第2の言語判定処理の詳細は後述される。
(S17)判定部130は、ユーザU1が過去に選択した言語を、ディスプレイ204で情報を表示する際に使用する言語と決定し、出力制御部140に通知する。出力制御部140は、家族テーブル112に登録されている在留カード32の在留カード番号に対応する言語で記述された業務画面のHTMLファイルを、タブレット装置200に送信する。すると、タブレット装置200により、ユーザU1に対する各種手続の案内が開始される。以降の手続において、ディスプレイ204に表示される案内の内容は、ユーザU1による一連の手続が完了するまで、判定部130によって判定された言語で表示される。
図15は、第1の言語判定処理の例を示すフローチャートである。以下、図15に示す処理をステップ番号に沿って説明する。以下に示す処理は図14のステップS15に相当する。
(S21)判定部130は、過去に来庁した家族構成員の続柄を特定する。具体的には、判定部130は、家族テーブル112の家族コード、在留カード番号、続柄、言語の項目を参照し、言語の項目に設定があるレコードの続柄を特定する。例えば、在留カード32の在留カード番号が“A003”の場合、判定部130は、家族コード“K1”を特定する。判定部130は、家族コード“K1”のレコードの中で、言語の項目に設定がある続柄“夫”、“妻”および“子”を特定する。
(S22)判定部130は、優先度テーブル113を参照し、ステップS21で特定した続柄の中で、最高優先度の続柄を特定する。例えば、判定部130は、優先度テーブル113を参照し、“夫”、“妻”、“子”のうち、最高優先度の続柄として“夫”を特定する。
(S23)判定部130は、家族テーブル112の続柄、言語の項目を参照し、ステップS22で特定した続柄のユーザが使用した言語(表示言語)を選定する。例えば、判定部130は、家族コード“K1”の続柄“夫”に対応する言語“ドイツ語”を選定する。
(S24)出力制御部140は、ステップS23で選定された言語による業務画面の画面情報をタブレット装置200に送信する。あるいは、本ステップS24において、出力制御部140は、以降に示すステップS29で選択された言語による業務画面の画面情報をタブレット装置200に送信することもある。これにより、例えば、タブレット装置200のディスプレイ204に業務画面301aが表示される。
(S25)判定部130は、ステップS23で選定した表示言語が適切であるか否かを判定する。適切である場合、処理をステップS26に進める。適切でない場合、処理をステップS28に進める。例えば、判定部130は、タブレット装置200から受け付ける情報に基づいて、選定した表示言語が適切であるか否かを判定できる。具体的には、タブレット装置200において、ユーザU1により業務画面301aで何れかの手続ボタンが押下操作されると、タブレット装置200は、手続の選択内容を管理サーバ100に通知する。判定部130は、当該手続の選択内容の通知を受け付けた場合、表示言語が適切であると判定する。ユーザU1は表示言語で記述された案内を理解した上で、手続の選択を行ったと考えられるからである。一方、タブレット装置200において、ユーザU1により業務画面301aで閉じるボタンが押下操作されると、タブレット装置200は、閉じるボタンが押下されたことを管理サーバ100に通知する。判定部130は、当該閉じるボタンの押下の通知を受け付けた場合、表示言語が適切でないと判定する。ユーザU1は表示言語で記述された案内を理解できずに、閉じるボタンを押下した可能性が高いからである。
(S26)判定部130は、家族テーブル112の在留カード32の在留カード番号に対応する言語の項目に、ステップS25で適切と判断された言語を登録する。例えば、判定部130は、家族テーブル112の在留カード番号“A003”に対応する言語の項目に“ドイツ語”を登録する。更に、判定部130は、在留カード32の在留カード番号に対応する国籍を、使用言語頻度テーブル114の国籍の項目の中から特定し、今回新たに登録した言語(“ドイツ語”)の選択回数をインクリメントする。判定部130は、選択回数の内容に応じて、使用言語頻度テーブル114の頻度の項目の設定も更新する。
(S27)出力制御部140は、ユーザU1によるタブレット装置200の操作に応じて、手続を開始する。これ以降の手続では、ステップS24で送信したコンテンツで使用された言語により、手続案内が行われる。そして、処理を終了する。
(S28)出力制御部140は、言語選択画面302の画面情報をタブレット装置200に送信する。これにより、タブレット装置200のディスプレイ204に言語選択画面302が表示される。ユーザU1は、言語選択画面302に表示された言語のリストから何れかの言語を選択するか、または、終了を選択することができる。例えば、ユーザU1は、言語選択画面302において何れか1つの言語をタッチ操作により選択する。すると、タブレット装置200は、言語の選択を受け付け、選択結果を管理サーバ100に送信する。また、ユーザU1は、閉じるボタンをタッチ操作により選択する。すると、タブレット装置200は、手続終了を管理サーバ100に通知する。
(S29)判定部130は、ユーザU1により言語選択されたか否かを判定する。言語選択された場合、処理をステップS24に進める。言語選択されなかった場合、処理を終了する。具体的には、ステップS28の後、タブレット装置200から何れかの言語の選択結果を受け付けた場合、判定部130は、言語選択されたと判定する。一方、ステップS28の後、タブレット装置200から手続終了の通知を受け付けた場合、判定部130は、言語選択されなかったと判定する。言語選択されなかった場合、出力制御部140は、終了画面303の画面情報をタブレット装置200に提供する(ユーザU1に対してタブレット装置200の返却を促すため)。
図15では、優先度テーブル113を用いて、ディスプレイ204で情報を表示する際に使用する言語を決定した。優先度テーブル113には、ユーザU1と密接な関係にあると考えられる続柄ほど優先度が高くなるように設定されている。続柄の優先度が高いほど、当該続柄の家族構成員が使用した言語をユーザU1が理解できる可能性が高い。このため、優先度の高い続柄の家族構成員が使用した言語をユーザU1への案内用に選定することで、ユーザU1による手続を、より適切に支援できる。
図16は、第2の言語判定処理の例を示すフローチャートである。以下、図16に示す処理をステップ番号に沿って説明する。図16に示す処理は図14のステップS16の処理に対応する。
(S31)判定部130は、使用言語頻度テーブル114を参照して、ユーザU1と同一の出身国のユーザが使用した言語のうち、使用頻度の高い言語を選択する。例えば、在留カード32から読み取られた出身国が“ベルギー”の場合を考える。この場合、判定部130は、使用言語頻度テーブル114の国籍“ベルギー”に対応する使用言語のうち、頻度の項目の設定値の最も小さい使用言語(すなわち、使用回数の最も多い使用言語)“ドイツ語”を選択する。
(S32)出力制御部140は、ステップS31で選定された言語による業務画面の画面情報をタブレット装置200に送信する。あるいは、本ステップS32において、出力制御部140は、以降に示すステップS37で選択された言語による業務画面の画面情報をタブレット装置200に送信することもある。これにより、例えば、タブレット装置200のディスプレイ204に業務画面301aが表示される。
(S33)判定部130は、ステップS31で選定した表示言語が適切であるか否かを判定する。適切である場合、処理をステップS34に進める。適切でない場合、処理をステップS36に進める。例えば、判定部130は、タブレット装置200から受け付ける情報に基づいて、選定した表示言語が適切であるか否かを判定できる。具体的には、タブレット装置200において、ユーザU1により業務画面301aで何れかの手続ボタンが押下操作されると、タブレット装置200は、手続の選択内容を管理サーバ100に通知する。判定部130は、当該手続の選択内容の通知を受け付けた場合、表示言語が適切であると判定する。ユーザU1は表示言語で記述された案内を理解した上で、手続の選択を行ったと考えられるからである。一方、タブレット装置200において、ユーザU1により業務画面301aで閉じるボタンが押下操作されると、タブレット装置200は、閉じるボタンが押下されたことを管理サーバ100に通知する。判定部130は、当該閉じるボタンの押下の通知を受け付けた場合、表示言語が適切でないと判定する。ユーザU1は表示言語で記述された案内を理解できずに、閉じるボタンを押下した可能性が高いからである。
(S34)判定部130は、家族テーブル112の在留カード32の在留カード番号に対応する言語の項目に、ステップS33で適切と判断された言語を登録する。例えば、判定部130は、家族テーブル112の在留カード番号“A003”に対応する言語の項目に“ドイツ語”を登録する。更に、判定部130は、在留カード32の在留カード番号に対応する国籍を、使用言語頻度テーブル114の国籍の項目の中から特定し、今回新たに登録した言語(“ドイツ語”)の選択回数をインクリメントする。例えば、判定部130は、在留カード32の在留カード番号“A003”に対応する国籍“ベルギー”を、使用言語頻度テーブル114の国籍の項目の中から特定する。判定部130は、国籍“ベルギー”に対応する言語の中で、ステップS32で送信したコンテンツで使用された言語“ドイツ語”の選択回数をインクリメントする。判定部130は、選択回数の内容に応じて、使用言語頻度テーブル114の頻度の項目の設定も更新する。
(S35)出力制御部140は、ユーザU1によるタブレット装置200の操作に応じて、手続を開始する。これ以降の手続では、ステップS32で送信したコンテンツで使用された言語により、手続案内が行われる。そして、処理を終了する。
(S36)出力制御部140は、言語選択画面302の画面情報をタブレット装置200に送信する。これにより、タブレット装置200のディスプレイ204に言語選択画面302が表示される。ユーザU1は、言語選択画面302に表示された言語のリストから何れかの言語を選択するか、または、終了を選択することができる。例えば、ユーザU1は、言語選択画面302において何れか1つの言語をタッチ操作により選択する。すると、タブレット装置200は、言語の選択を受け付け、選択結果を管理サーバ100に送信する。また、ユーザU1は、閉じるボタンをタッチ操作により選択する。すると、タブレット装置200は、手続終了を管理サーバ100に通知する。
(S37)判定部130は、ユーザU1により言語選択されたか否かを判定する。言語選択された場合、処理をステップS32に進める。言語選択されなかった場合、処理を終了する。具体的には、ステップS36の後、タブレット装置200から何れかの言語の選択結果を受け付けた場合、判定部130は、言語選択されたと判定する。一方、ステップS36の後、タブレット装置200から手続終了の通知を受け付けた場合、判定部130は、言語選択されなかったと判定する。言語選択されなかった場合、出力制御部140は、終了画面303の画面情報をタブレット装置200に提供する(ユーザU1に対してタブレット装置200の返却を促すため)。
ここで、外国人に対して手続案内を提供するために、外国人の出身国毎に、案内用の言語を予め定めておく方法も考えられる。ところが、外国人の中には、特殊な母国語(例えば、南アフリカのズールー語など)をもつ国の出身者や、多言語国家(例えば、ベルギー)の出身者も存在する。このような外国人に対しては、案内用の言語を予め特定できず、何れの言語で案内を表示すればよいかを自動的に特定することが難しい。
そこで、第2の実施の形態では、管理サーバ100が、外国人であるユーザと同一の出身国の他のユーザが過去に使用した言語の実績を基に、当該ユーザの案内に用いる言語を決定する。来庁したユーザと同一出身国の他のユーザにより比較的多く使用された言語であれば、来庁したユーザも理解できる可能性が高いからである。こうして、管理サーバ100は、案内対象のユーザに対して適切な言語により手続案内を行える。また、ユーザにとっても、適切な言語で案内を受けることで、所望の手続を円滑に行えるようになる。
また、管理サーバ100は、来庁したユーザの家族構成員が過去に来庁して案内を受けている場合、当該家族構成員が使用した言語を優先して、今回の案内にも使用する。家族間のように親密な関係にある者が使用した言語であれば、今回来庁したユーザも理解できる可能性が高いからである。こうして、ユーザに対してより適切な言語により手続案内を行える。
なお、来庁したユーザと親密な関係にある他のユーザを絞り込む方法として、他の方法も考えられる。1つの方法として、例えば、外国人の現住所によって、来庁したユーザと親密な関係にある他のユーザを判定してもよい。市区町村によっては、ある区画、または、ある建物に、同一の出身国の複数の外国人が居住していることもあり、当該複数の外国人同士では、共通の言語が使用されている可能性が高いからである。
図17は、住所別言語頻度テーブルの例を示す図である。住所別言語頻度テーブル115は、記憶部110に格納される。住所別言語頻度テーブル115は、国籍、住所、使用言語、頻度および選択回数の項目を含む。
国籍の項目には、国籍を示す情報が登録される。住所の項目には、住所を示す情報が登録される。使用言語の項目には、言語を示す情報が登録される。頻度の項目には、頻度を示す情報が登録される。頻度の項目の設定値は、値が小さいほど頻度が高いことを示し、値が大きいほど頻度が低いことを示す。選択回数の項目には、使用言語の項目に登録されている言語が選択された回数が登録される。
例えば、住所別言語頻度テーブル115には、国籍が“ベルギー”、住所が“荒川区山町111−1”、使用言語が“ドイツ語”、頻度が“1”および選択回数が“10”という情報が登録される。これは、“荒川区山町111−1”に居住しているベルギー出身の外国人が、使用言語として“ドイツ語”を“10”回選択したことを示している。また、“荒川区山町111−1”に居住しているベルギー出身の外国人が使用する言語の中では、“ドイツ語”を使用する頻度が最も高いことを示す。
また、例えば、住所別言語頻度テーブル115には、国籍が“ベルギー”、住所が“荒川区谷町222−1”、使用言語が“フランデレン語”、頻度が“1”および選択回数が“8”という情報が登録される。これは、“荒川区谷町222−1”に居住しているベルギー出身の外国人が、使用言語として“フランデレン語”を“8”回選択したことを示している。また、“荒川区谷町222−1”に居住しているベルギー出身の外国人が使用する言語の中では、“フランデレン語”を使用する頻度が最も高いことを示す。
管理サーバ100は、住所別言語頻度テーブル115に基づいて、表示言語の候補を更に絞り込むこともできる。具体的には、図16のステップS31において、管理サーバ100は、住所別言語頻度テーブル115に基づいて、来庁したユーザと同じ出身国、かつ、住所が同じである他のユーザが過去に使用した言語を優先して、表示言語を決定してもよい。また、同じ住所に限らず、管理サーバ100は、来庁したユーザの住所に対し、ある一定の範囲内に住所がある他のユーザが過去に使用した言語を優先してもよい。こうして、来庁したユーザと親密な関係にある他のユーザを絞り込むことで、来庁したユーザに対し、より適切な表示言語を自動的に選択し、案内を行える。
なお、第1の実施の形態の情報処理は、演算部1bとして用いられるプロセッサに、プログラムを実行させることで実現できる。第2の実施の形態の情報処理は、プロセッサ101にプログラムを実行させることで実現できる。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録できる。
例えば、プログラムを記録した記録媒体23を配布することで、プログラムを流通させることができる。また、プログラムを他のコンピュータに格納しておき、ネットワーク経由でプログラムを配布してもよい。コンピュータは、例えば、記録媒体23に記録されたプログラムまたは他のコンピュータから受信したプログラムを、RAM102やHDD103などの記憶装置に格納し(インストールし)、当該記憶装置からプログラムを読み込んで実行してもよい。