JP6547627B2 - 圧電フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、圧電フィルムに関する。
近年、携帯電話(例、スマートフォン)、携帯情報端末(PDA)、タブレットPC、ATM、自動券売機、及びカーナビゲーションシステムのように、液晶ディスプレイ等の表示装置の前面に、タッチパネルを有する入力装置を配置した電子機器が普及している。スマートフォン及びタブレットPCでは、タップ、フリップ、ピンチ及びドラッグ等の操作を軽快に行える(すなわち、操作の快適性の高い)静電容量方式のタッチパネルが多く採用されている。一方、カーナビゲーションシステムでは、誤操作が起こりにくい(すなわち、操作の確実性の高い)抵抗膜方式のタッチパネルが多く採用されている。
ここで、もし、ユーザーがタッチした“位置”(本明細書中、タッチ位置と称する場合がある)及びその“強さ”(言い換えれば、押圧の有無、強さ、速度又はこれらの組み合わせ)(本明細書中、タッチ圧と称する場合がある)の両方を検出できるタッチパネルが実用化されれば、前述の操作の快適性と確実性との両立等、多くの利点が考えられる。しかし、これまでに実用化され普及しているタッチパネルは、タッチ位置を検出できるのみであり、タッチ圧を検出することはできなかった。
一方、タッチパネルは表示装置の前面に設置されるので、表示装置の表示の視認性を高めるため、タッチパネルの透明性が高いことが求められる。
タッチ圧の検出に関して、例えば、静電容量方式のタッチパネルでは、指でタッチしたときの指とタッチパネルとの接触面積から、擬似的にタッチ圧を検出する技術が提案されている。しかし、この原理の場合、ペンでタッチしたときは、タッチ圧を検出できないので、使用の場面が制限される。
また、電磁誘導変化を検出できるペンにより筆圧を検出する技術も提案されている。しかし、この原理の場合、専用の特殊なペンが必要なので、使用の場面が制限される。
また、感圧インクを用いてタッチ圧を検出する技術も提案されている。しかし、感圧インクを使用すると、タッチパネルの透明性が低下してしまう。
これらのような問題が無く、かつタッチ位置及びタッチ圧の両方を検出できるタッチパネルとして、特許文献1には、フッ化ビニリデン/四フッ化エチレン共重合体を含有する圧電体層と、前記圧電体層の一方の表面上に設けられた第1の電極と、当該圧電体層の他方の表面上に設けられた第2の電極と、を有するタッチパネルが開示されている。
なお、フッ化ビニリデン系重合体の熱処理について、熱処理時又は熱処理後に分極処理を行うことが知られており、例えば、特許文献2には、フッ化ビニリデン/四フッ化エチレン共重合体フィルムを熱処理後に分極処理を行うことが記載されている。
特開2010−26938号公報 特開2011−181748号公報
特許文献1に記載のタッチパネルは、使用方法を制限すること無く、高い透明性を有し、かつタッチ位置及びタッチ圧の両方を検出できる、優れたタッチパネルである。
しかし、特許文献1に記載のタッチパネルは、透明性については検討されているものの、色味については十分に検討されていない。タッチパネルの圧電体層に好適に用いられるフッ化ビニリデン/四フッ化エチレン共重合体は、重合の際に用いられる界面活性剤やメチルセルロース等の不純物が含まれる場合があり、このような不純物は、フィルターを用いたろ過によっても十分に除去できないことがある。当該不純物が圧電フィルム中に含まれると、圧電フィルムが着色されて黄味がかるという問題がある。
また、フッ化ビニリデン系重合体をフィルム状に成形する方法として、当該フッ化ビニリデン系重合体を溶媒に溶解又は分散させて調製した液状組成物を用いて、キャスティング法により成形する方法が行われている。上述のキャスティング法においては、液状組成物を基材等にフィルム状に塗布した後、乾燥させて溶媒を気化させることが行われるが、乾燥条件や、用いる溶媒によっては圧電フィルムが黄味がかるという問題がある。
タッチパネルは、表示装置の前面に設置されるので、表示装置の表示の視認性を高めるため、タッチパネルには色味がないことが要求され、上述のような黄味がかったフィルムは圧電フィルムとして用いることが困難であるという問題がある。
従って、本発明は、色味が抑制されており、タッチパネル等に使用したときに、表示装置の視認性が高い圧電フィルムの提供を目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、
分極化フッ化ビニリデン系重合体フィルムからなり;
JIS K7105に準拠して測定した黄色度YI値が4以下であり;
JIS K7105に準拠して測定したL表色系におけるLが85以上、aが0.5以上、及びbが1.5以下である
圧電フィルム
によって、前記課題が解決出来ることを見出し、更なる検討の結果、本発明を完成するに至った。
本発明は、次の態様を含む。
項1.
分極化フッ化ビニリデン系重合体フィルムからなり;
JIS K7105に準拠して測定した黄色度YI値が4以下であり;
JIS K7105に準拠して測定したL表色系におけるLが85以上、aが0.5以下、及びbが1.5以下である
圧電フィルム。
項2.
前記分極化フッ化ビニリデン系重合体フィルムが分極化フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体フィルムである
項1に記載の圧電フィルム。
項3.
リタデーション値が1〜20nmである
項1又は2に記載の圧電フィルム。
項4.
100℃で60分間加熱して生じるカールが、±10mm以内である
項1〜3のいずれかに記載の圧電フィルム。
項5.
非分極のフッ化ビニリデン系重合体フィルムを分極処理する工程A;及びその後の
分極化フッ化ビニリデン系重合体フィルムを熱処理する工程B
を含み、
前記非分極のフッ化ビニリデン系重合体フィルムは、溶媒中に、フッ化ビニリデン系重合体を溶解又は分散させて調製された液状組成物を用いて、キャスティング法により製造され、
前記液状組成物は、JIS K7105に準拠して測定した黄色度YI値が6以下である項1〜4のいずれかに記載の圧電フィルムの製造方法。
項6.
項1〜4のいずれかに記載の圧電フィルム、又は項5に記載の製造方法により製造される圧電フィルムを有する、圧電パネル、フィルムコンデンサ、又はエレクトロウエッティングデバイス。
項7.
項1〜4のいずれかに記載の圧電フィルム、又は項5に記載の製造方法により製造される圧電フィルムを有する入力装置。
項8.
項7に記載の入力装置を有する電子機器。
項9.
溶媒中に、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体を溶解又は分散させて調製され;
前記液状組成物は、JIS K7105に準拠して測定した黄色度YI値が6以下である液状組成物。
本発明の圧電フィルムは、JIS K7105に準拠して測定した黄色度YI値が4以下であり、JIS K7105に準拠して測定したL表色系におけるLが85以上、aが0.5以上、及びbが1.5以下であるので、色味が抑制されており、タッチパネル等に使用したときに、表示装置が優れた視認性を示す。
用語の意味
本明細書中、「タッチ位置」の「検出」は、タッチ位置の決定を意味し、一方、「タッチ圧」の「検出」は、押圧の有無、速度、大きさ又はこれらの組み合わせの決定を意味する。
本明細書中、用語「タッチ」は、触れること、触れられること、押すこと、押されること、及び接触すること、を包含する。
本明細書中、用語「分極化」は、表面に電荷を付与されていることを意味する。すなわち、分極化フィルムは、エレクトレットであることができる。
本明細書中、「エーテル基」は、炭素−炭素結合中に1個以上の−O−が挿入されているアルキル基を意味する。当該「エーテル基」は、「ポリエーテル基」を包含する。当該「エーテル基」は、好ましくは、炭素数が2以上50以下のエーテル基である。
本明細書中、「ポリエーテル基」は、炭素−炭素結合中に2個以上の−O−が挿入されているアルキル基を意味する。当該「ポリエーテル基」は、好ましくは、炭素数が8以上30以下のエーテル基である。
圧電フィルム
本発明の圧電フィルムは、
分極化フッ化ビニリデン系重合体フィルムからなり;
JIS K7105に準拠して測定した黄色度YI値が4以下であり;
JIS K7105に準拠して測定したL表色系におけるLが85以上、aが0.5以上、及びbが1.5以下である。
このようなYI値、並びにL、a、及びbを示すことにより、色味が抑制され、タッチパネル等に使用したときに、表示装置の視認性が高い圧電フィルムとすることができる。
本発明の圧電フィルムは、JIS K7105に準拠して測定した黄色度YI値が4以下である。3以下であることが好ましい。また、YI値の下限は、特に限定されないが、通常0.1程度である。
本発明の圧電フィルムのYI値は、JIS K7105に準拠した測定方法により、日本電色工業社製SZシグマ90測定器により、C/2光源を用いて、室温・常湿の条件で測定することができる。
本発明の圧電フィルムは、JIS K7105に準拠して測定したL表色系におけるLが85以上である。90以上であることがより好ましい。また、Lの上限は特に限定されないが、通常99程度である。
本発明の圧電フィルムは、JIS K7105に準拠して測定したL表色系におけるaが0.5以下である。0.1以下であることがより好ましい。また、aの下限は特に限定されないが、通常0.01程度である。
本発明の圧電フィルムは、JIS K7105に準拠して測定したL表色系におけるbが1.5以下である。1.3以下であることがより好ましい。また、bの下限は特に限定されないが、通常0.8程度である。
本発明の圧電フィルムのL、a、及びbは、JIS K7105に準拠した測定方法により、日本電色社製SZシグマ90測定器により、常温・常湿の条件で、C/2光源を用いて測定することができる。
本発明の圧電フィルムは、リタデーション値が1〜20nmであることが好ましい。リタデーション値を上述の範囲とすることで、圧電フィルムの色味をより一層抑制することができる。
本発明の圧電フィルムのリタデーション値は、大塚電子株式会社製RETS4200RVを用い、550nmの光を照射する条件により測定することができる。
本発明の圧電フィルムは、下記条件(1)〜(3)から選択される少なくとも1つの条件を満たすポリマーを用いて製造されるものであることが好ましく、下記条件(1)〜(3)の全ての条件を満たすポリマーを用いて製造されるものであることがより好ましい。
(1)界面活性剤の含有量が100ppm以下である;
(2)メチルセルロースの含有量が6000ppm以下である;
(3)金属の含有量と、イオンの含有量との合計が200ppm以下である。
本発明の圧電フィルムを上述の構成とすることにより、本発明の圧電フィルムのYI値を4以下とすることができ、L表色系におけるLを85以上、aを0.5以上、及びbを1.5以下とすることが可能となる。
上記(1)において、界面活性剤は、本発明の圧電フィルムの製造の際に用いられるポリマーが乳化重合により重合したものである場合に、界面活性剤が残存するポリマーを用いてフィルムを製造することにより圧電フィルム中に含まれ得る。
上記界面活性剤の含有量は、100ppm以下であることが好ましい。当該界面活性剤の含有量は、50ppm以下であることが好ましい。また、界面活性剤の含有量の下限は、特に限定されないが、懸濁重合によりポリマーを重合する場合は通常0ppmである。本発明のフィルム中の界面活性剤の含有量は、ダイオネクス社製DX500測定器により、ポリマーを水に懸濁させたのち超音波で10分以上処理を行い界面活性剤を抽出した水を測定して検出することができる。
上記重合体に含まれる界面活性剤としては、当該重合体の乳化重合の際に用いる界面活性剤、及びディスパージョンの安定化のために重合後に添加する界面活性剤が挙げられる。
重合体の乳化重合の際に用いる界面活性剤としては、下記式
Rf−X
(式中、Rfは、1個以上フッ素原子で置換されている炭素数が2以上、上限は50以下、好ましくは30以下のアルキル基を示し、Xはスルホ基、カルボキシル基、又はそれらの塩を示す。)
で示される、フルオロアルキル基を有するスルホン酸、若しくはカルボン酸、又はそれらの塩;
下記式
Rf−X
(式中、Rfは、1個以上フッ素原子で置換されている炭素数が2以上、上限は50以下、好ましくは30以下のエーテル基を示し、Xはスルホ基、カルボキシル基、又はそれらの塩を示す。)
で示される、フルオロエーテル基を有するスルホン酸、カルボン酸、又はそれらの塩;
が挙げられる。
また、乳化重合の際に用いる界面活性剤としては、下記式
−X
(式中、Rは、炭素数が2以上(好ましくは8以上)、上限は50以下、好ましくは30以下のアルキル基を示し、Xはスルホ基、カルボキシル基、又はそれらの塩を示す。)
で示される、フッ素非含有スルホン酸、フッ素非含有カルボン酸、又はそれらの塩;
下記式
−X
(式中、Rは、炭素数が2以上、上限は50以下、好ましくは30以下のエーテル基を示し、Xはスルホ基、カルボキシル基、又はそれらの塩を示す。)
で示される、フッ素非含有スルホン酸、若しくはフッ素非含有カルボン酸、又はそれらの塩;
が挙げられる。なお、上記式中、Rは、炭素数が8以上のポリエーテル基であることが好ましく、Rは、例えば、オキシエチレン基、及び/又はオキシプロピレン基等を含有できる。
上記乳化重合の際に用いる界面活性剤としては、また、高分子界面活性剤を用いてもよい。このような高分子界面活性剤としては、ポリアクリル/メタクリル酸塩、ポリビニルスルホン酸塩等が挙げられる。
上記乳化重合の際に用いる界面活性剤としては、また、ポリシロキサン系界面活性剤が挙げられる。
上記乳化重合の際に用いる界面活性剤としては、また、フッ化ビニリデンと共重合できるモノマーであって、側鎖にスルホ基、カルボキシル基、又はそれらの塩を含むものを用いることができ、これらは自己乳化剤として用いられる。このような界面活性剤としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルスルホン酸、ビニルエーテル鎖を有するカルボン酸、スルホン酸、及びそれらの塩等が挙げられる。
ディスパージョンの安定化のために重合後に添加する界面活性剤としては、上述の乳化重合の際に用いる界面活性剤と同様のものを用いることができる。中でも、ディスパージョンの安定化のために重合後に添加する界面活性剤としては、下記式
−X
(式中、Rは、炭素数が2以上(好ましくは8以上)、上限は50以下、好ましくは30以下のアルキル基を示し、Xはスルホ基、カルボキシル基、又はそれらの塩を示す。)
で示される非フッ素系スルホン酸、非フッ素系カルボン酸、又はそれらの塩;
下記式
−X
(式中、Rは、炭素数が2以上、上限は50以下、好ましくは30以下のフッ素を含まないエーテル基を示し、Xはスルホ基、カルボキシル基、又はそれらの塩を示す。)
で示されるフッ素非含有スルホン酸、フッ素非含有カルボン酸、又はそれらの塩;
が好適に用いられる。なお、上記式中、Rは、炭素数が8以上、上限は50以下、好ましくは30以下のポリエーテル基であることが好ましく、Rは、例えばオキシエチレン基、及び/又はオキシプロピレン基等を含有できる。
上記ディスパージョンの安定化のために重合後に添加する界面活性剤としては、また、高分子界面活性剤が挙げられ、中でも、ポリアクリル/メタクリル酸塩、ポリビニルスルホン酸塩等が好ましい。
上記ディスパージョンの安定化のために重合後に添加する界面活性剤としては、また、ポリシロキサン系界面活性剤が挙げられる。
本発明が属する技術分野において用いられる界面活性剤は、通常、ここで説明した界面活性剤である。従って、本明細書中、「界面活性剤の含有量」は、通常、ここで説明した各界面活性剤の総含有量であることが推定できる。「界面活性剤の含有量」は、例えば、各界面活性剤の量を、その構造及び/又は性質に応じて、公知の方法で決定し、それらの総量を計算して決定できる。
上記(2)において、メチルセルロースは、本発明の圧電フィルムの製造の際に用いられるポリマーが懸濁重合により重合したものである場合に、重合の際に用いられるメチルセルロースが残存するポリマーを用いて圧電フィルムを製造することにより圧電フィルム中に含まれ得る。
上記メチルセルロースの含有量は、6000ppm以下であることが好ましい。当該メチルセルロースの含有量は、5000ppm以下であることがより好ましい。また、メチルセルロースの含有量の下限は、特に限定されないが、乳化重合によりポリマーを重合する場合は通常0ppmであり、懸濁重合によりポリマーを重合する場合は通常3000ppm以下程度である。
本発明の圧電フィルム中のメチルセルロースの含有量は、ダイオネクス社製DX500測定器により、ポリマーを水に懸濁させたのち超音波で10分以上処理を行いメチルセルロースを抽出した水を測定して検出することができる。
上記(3)において、金属及びイオンは、乳化重合及び懸濁重合のいずれにより重合されたポリマーにも含まれ得るものであり、当該ポリマーを用いて本発明の圧電フィルムを製造することにより圧電フィルム中に含まれ得る。
上記金属の含有量と、イオンの含有量との合計は、200ppm以下であることが好ましい。当該含有量の合計は、100ppm以下であることがより好ましい。また、上記金属の含有量と、イオンの含有量との合計の下限は、特に限定されないが、乳化重合によりポリマーを重合する場合は通常30ppm程度であり、懸濁重合によりポリマーを重合する場合は通常10ppm程度である。
上記金属としては、特に限定されないが、例えば、Fe、Cr等が挙げられる。
また、イオンとしては、特に限定されないが、例えば、SO 2−、Cl等が挙げられる。
本発明の圧電フィルム中の金属の含有量は、セイコーインストルメンツ社製SPS3000測定器により、圧電フィルムを燃焼させたのち、0.1wt%の希塩酸で金属を抽出し、それを当該装置で測定することで検出することができる。
また、本発明の圧電フィルム中のイオンの含有量は、圧電フィルムを細かく切って粉末に近い状態にし、水中に浸漬させて1hr以上超音波処理を施し、イオンを抽出した水をダイオネクス社製DX500測定器により分析することにより測定することができる。
本発明の圧電フィルムは、好ましくは、有機圧電フィルムである。当該「有機圧電フィルム」は、有機物である重合体から形成されるフィルム(重合体フィルム)である。当該「有機圧電フィルム」は、当該フッ化ビニリデン系重合体からなるフィルム、及び当該重合体中に無機物が分散されているフィルムを包含する。
本発明の圧電フィルムにおける当該重合体の含有量は、好ましくは、70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは85質量%以上、特に好ましくは90質量%以上である。当該含有量の上限は特に制限されず、例えば、100質量%であってもよいし、99質量%であってもよい。
本明細書中、「フッ化ビニリデン系重合体フィルム」の例としては、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体フィルム、フッ化ビニリデン/トリフロオロエチレン共重合体フィルム、及びポリフッ化ビニリデンフィルムが挙げられる。
前記フッ化ビニリデン系重合体フィルムは、好ましくはフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体フィルムである。
当該「フッ化ビニリデン系重合体フィルム」は、樹脂フィルムに通常用いられる添加剤を含有してもよい。
当該「フッ化ビニリデン系重合体フィルム」は、フッ化ビニリデン系重合体から構成されるフィルムであり、フッ化ビニリデン系重合体を含有する。
当該「フッ化ビニリデン系重合体」の例としては、
(1)フッ化ビニリデンと、これと共重合可能な1種以上のモノマーと、の共重合体;及び
(2)ポリフッ化ビニリデン
が挙げられる。
当該「(1)フッ化ビニリデンと、これと共重合可能な1種以上のモノマーと、の共重合体」における「これと共重合可能なモノマー」の例としては、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、及びフッ化ビニルが挙げられる。
当該「これと共重合可能な1種以上のモノマー」又はそのうちの1種は、好ましくはテトラフルオロエチレンである。
当該「フッ化ビニリデン系重合体」の好ましい例としては、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体が挙げられる。
当該「フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体」は、本発明に関する性質が著しく損なわれない限りにおいて、フッ化ビニリデン及びテトラフルオロエチレン以外のモノマーに由来する繰り返し単位を含有してもよい。
前記「(1)フッ化ビニリデンと、これと共重合可能な1種以上のモノマーと、の共重合体」は、フッ化ビニリデンに由来する繰り返し単位を50モル%以上(好ましくは60モル%以上)含有する。
前記「フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体」における(テトラフルオロエチレンに由来する繰り返し単位)/(フッ化ビニリデンに由来する繰り返し単位)のモル比は、好ましくは5/95〜36/64の範囲内、より好ましくは15/85〜25/75の範囲内、更に好ましくは18/82〜22/78の範囲内である。
前記「フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体」は、本発明に関する性質が著しく損なわれない限りにおいて、フッ化ビニリデン及びテトラフルオロエチレン以外のモノマーに由来する繰り返し単位を含有してもよい。通常、このような繰り返し単位の含有率は、10モル%以下である。このようなモノマーは、フッ化ビニリデンモノマー、テトラフルオロエチレンモノマーと共重合可能なものである限り限定されないが、その例としては、
(1)フルオロモノマー(例、ビニルフルオリド(VF)、トリフルオロエチレン(TrFE)、ヘキサフルオロプロペン(HFP)、1−クロロ−1−フルオロ−エチレン(1,1−CFE)、1−クロロ−2−フルオロ−エチレン(1,2−CFE)、1−クロロ−2,2−ジフルオロエチレン(CDFE)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、トリフルオロビニルモノマー、1,1,2−トリフルオロブテン−4−ブロモ−1−ブテン、1,1,2−トリフルオロブテン−4−シラン−1−ブテン、ペルフルオロアルキルビニルエーテル、ペルフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)、ペルフルオロプロピルビニルエーテル(PPVE)、ペルフルオロアクリラート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリラート、2−(ペルフルオロヘキシル)エチルアクリラート);並びに(2)炭化水素系モノマー(例、エチレン、プロピレン、無水マレイン酸、ビニルエーテル、ビニルエステル、アリルグリシジルエーテル、アクリル酸系モノマー、メタクリル酸系モノマー、酢酸ビニルが挙げられる。
前記「無機物」の好適な例としては、無機酸化物粒子が挙げられる。当該「無機酸化物粒子」を含有することによって、本発明の圧電フィルムは、高い誘電率を有することができる。また、高い誘電率を維持したまま、体積抵抗率を大幅に向上させることができる。また、電気絶縁性を向上させることができる。
当該「無機酸化物粒子」は、好ましくは、以下の無機酸化物粒子(B1)〜(B3)からなる群より選択される少なくとも1種である。
[無機酸化物粒子(B1)]周期表の2族、3族、4族、12族又は13族の金属元素の無機酸化物の粒子、又はこれらの無機酸化物複合粒子
前記金属元素としては、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Y、Ti、Zr、Zn、及びAl等が挙げられる。なかでも、Al、Mg、Y、及びZnの酸化物が汎用で安価であり、また体積抵抗率が高い点から好ましい。
なかでも、具体的には、Al、MgO、ZrO、Y、BeO、及びMgO・Alからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属酸化物の粒子が、体積抵抗率が高い点から好ましい。
なかでも、更に、結晶構造がγ型のAlが、比表面積が大きく、フッ化ビニリデン系重合体等の前記「重合体」、特にフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体への分散性が良好な点から好ましい。
[無機酸化物粒子(B2)]式:M a1 b1c1(式中、Mは2族金属元素;Mは4族金属元素であり;a1は0.9〜1.1であり;b1は0.9〜1.1であり;c1は2.8〜3.2である;M及びMはそれぞれ1種又は2種以上の金属元素であることができる)で表される無機複合酸化物の粒子
当該「4族金属元素」としては、例えばTi、及びZrが好ましい。
当該「2族金属元素」としては、例えばMg、Ca、Sr、及びBaが好ましい。
当該「無機複合酸化物の粒子」のなかでも、具体的には、BaTiO、SrTiO、CaTiO、MgTiO、BaZrO、SrZrO、CaZrO、及びMgZrOからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機酸化物の粒子が、体積抵抗率が高い点から好ましい。
[無機酸化物粒子(B3)]周期表の2族、3族、4族、12族、又は13族の金属元素の酸化物、及び酸化ケイ素の無機酸化物複合粒子
当該「無機酸化物粒子(B3)」は、前記「無機酸化物粒子(B1)」の前記「無機酸化物」、及び酸化ケイ素の複合体粒子である。
当該「無機酸化物粒子(B3)」として具体的には、例えば、3A1・2SiO、2MgO・SiO、ZrO・SiO、及びMgO・SiOからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機酸化物の粒子が挙げられる。
前記「無機酸化物粒子」は、必ずしも高誘電性である必要はなく、本発明の圧電フィルムの用途により適宜選択できる。例えば、汎用で安価な1種類の金属酸化物の粒子(B1)(特に、Alの粒子、及びMgOの粒子)を使用すると、体積抵抗率の向上を図ることができる。これら1種類の金属酸化物の粒子(B1)の比誘電率(1kHz、25℃)は、通常100未満、好ましくは10以下である。
前記「無機酸化物粒子」としては、誘電率を向上させる目的で強誘電性(比誘電率(1kHz、25℃)が100以上)の無機酸化物粒子(例えば、無機酸化物粒子(B2)及び(B3))を用いてもよい。強誘電性の無機酸化物粒子(B2)及び(B3)を構成する無機材料としては、複合金属酸化物、その複合体、固溶体、及びゾルゲル体等が例示できるが、これらのみに限定されるものではない。
本発明の圧電フィルムは、前記「重合体」100質量部に対し、前記「無機酸化物粒子」を、好ましくは0.01〜300質量部、より好ましくは0.1〜100質量部含有できる。前記「無機酸化物粒子」の含有量が多すぎると、前記「無機酸化物粒子」を前記「重合体」中に均一に分散させることが難しくなる虞があり、また、電気絶縁性(耐電圧)が低下する虞もある。また、当該含有量が300質量部以上になると、フィルムが脆くなり、及び引張り強度が低下する虞がある。この観点では、当該含有量の上限は、好ましくは200質量部、より好ましくは150質量部である。当該含有量が少なすぎると電気絶縁性の向上効果が得られにくい。この観点では、当該含有量の下限は、好ましくは0.1質量部、より好ましくは0.5質量部、更に好ましくは1質量部である。
前記「無機酸化物粒子」の平均一次粒子径は小さい方が好ましく、特に平均一次粒子径1μm以下のいわゆるナノ粒子が好ましい。このような無機酸化物ナノ粒子が均一分散することにより、少量の配合でフィルムの電気絶縁性を大幅に向上させることができる。当該平均一次粒子径は、好ましくは800nm以下、より好ましくは500nm以下、更に好ましくは300nm以下である。当該平均一次粒子径の下限は特に限定されないが、製造の困難性や均一分散の困難性、価格の面から、当該平均一次粒子径は、好ましくは10nm以上、より好ましくは20nm以上、更に好ましくは50nm以上である。前記「無機酸化物粒子」の平均一次粒子径は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置 LA−920(商品名)(堀場製作所社)又はその同等品を用いて算出される。
前記「無機酸化物粒子」の比誘電率(25℃、1kHz)は、好ましくは10以上である。圧電フィルムの誘電率を高くする観点からは、当該比誘電率は、好ましくは100以上、より好ましくは300以上である。当該比誘電率の上限は特に制限されないが、通常3000程度である。当該「無機酸化物粒子」の比誘電率(ε)(25℃、1kHz)は、LCRメーターを用いて容量(C)を測定し、容量、電極面積(S)、焼結体の厚さ(d)から、式C=εε×S/d(ε真空の誘電率)で算出した値である。
本発明の圧電フィルムは、必要に応じて、親和性向上剤等の、その他の成分を含有してもよい。
前記「親和性向上剤」は、前記「無機酸化物粒子」と前記「重合体」との間の親和性を高め、前記「無機酸化物粒子」を前記「重合体」に均一に分散させ、前記「無機酸化物粒子」と前記「重合体」をフィルム中でしっかり結合させ、ボイドの発生を抑制し、及び比誘電率を高めることができる。
前記「親和性向上剤」としては、カップリング剤、界面活性剤、又はエポキシ基含有化合物が有効である。
前記「カップリング剤」の例としては、有機チタン化合物、有機シラン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機アルミニウム化合物、及び有機リン化合物が挙げられる。
前記「有機チタン化合物」の例としては、アルコキシチタニウム、チタニウムキレート、及びチタニウムアシレート等のカップリング剤が挙げられる。なかでも、前記「無機酸化物粒子」との親和性が良好な点から、好ましい例として、アルコキシチタニウム、及びチタニウムキレートが挙げられる。
その具体例としては、テトライソプロピルチタネート、チタニウムイソプロポキシオクチレングリコレート、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン、ジイソプロポキシチタンジイソステアレート、テトライソプロピルビス(ジオクチルフォスファイト)チタネート、及びイソプロピルトリ(n−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネートが挙げられる。
前記「有機シラン化合物」は、高分子型であっても、低分子型であってもよく、その例として、モノアルコキシシラン、ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン、及びテトラアルコキシシラン等のアルコキシシランが挙げられる。また、ビニルシラン、エポキシシラン、アミノシラン、メタクロキシシラン、及びメルカプトシラン等も好適に使用され得る。
アルコキシシランを用いる場合、加水分解により、表面処理の効果である体積抵抗率のより一層の向上(電気絶縁性の向上)を図ることができる。
前記「有機ジルコニウム化合物」の例としては、アルコキシジルコニウム、及びジルコニウムキレートが挙げられる。
有機アルミニウム化合物の例としては、アルコキシアルミニウム、及びアルミニウムキレートが挙げられる。
有機リン化合物の例としては、亜リン酸エステル、リン酸エステル、及びリン酸キレートが挙げられる。
親和性向上剤としての前記「界面活性剤」は、高分子型であっても、低分子型であってもよく、その例としては、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、及びカチオン性界面活性剤が挙げられる。なかでも、熱安定性が良好な点から、高分子型の界面活性剤が好ましい。
前記「非イオン性界面活性剤」の例としては、ポリエーテル誘導体、ポリビニルピロリドン誘導体、及びアルコール誘導体が挙げられ、なかでも、前記「無機酸化物粒子」との親和性が良好な点から、ポリエーテル誘導体が好ましい。
前記「アニオン性界面活性剤」の例としては、スルホン酸、及びカルボン酸、及びそれらの塩を含有するポリマーが挙げられる。なかでも、前記「重合体」との親和性が良好な点から、好ましい例として、アクリル酸誘導体系ポリマー(poly(acrylic acid) derivative)、及びメタクリル酸誘導体系ポリマー(poly(methacrylic acid) derivative)が挙げられる。
前記「カチオン性界面活性剤」の例としては、アミン化合物、及びイミダゾリン等の含窒素系複合環を有する化合物、及びそのハロゲン化塩が挙げられる。
前記「親和性向上剤」としての「エポキシ基含有化合物」は、低分子量化合物であっても、高分子量化合物であってもよく、その例としては、エポキシ化合物、及びグリシジル化合物が挙げられる。なかでも、前記「重合体」との親和性が特に良好な点から、エポキシ基を1個有する低分子量の化合物が好ましい。
前記「エポキシ基含有化合物」の好ましい例としては、特に前記「重合体」との親和性に優れている点から、式:
Figure 0006547627
(式中、Rは、水素原子、メチル基、酸素原子若しくは窒素原子を介在してもよい炭素数2〜10の炭化水素基、又は置換されていてもよい芳香環基を表す。lは0又は1を表し、mは0又は1を表し、nは0〜10の整数を表す。)で表される化合物が挙げられる。
その具体例としては、
Figure 0006547627
等の、ケトン基、又はエステル基を有する化合物が挙げられる。
前記「親和性向上剤」は、本発明の効果が失われない範囲内の量で使用できるが、具体的には、均一な分散、及び得られるフィルムの比誘電率の高さの点から、その量は、「無機酸化物粒子」100質量部に対して、好ましくは0.01〜30質量部の範囲内、より好ましくは0.1〜25質量部の範囲内、更に好ましくは1〜20質量部の範囲内である。
更に、本発明の圧電フィルムは、本発明の効果が失われない範囲内で、これら以外の添加剤を含有してもよい。
本発明の圧電フィルムを光学用途、例えばタッチパネル用圧電フィルムやエレクトロウェッテイングフィルムに用いる場合は、全光線透過率が85%以上であることが好ましい。
本発明の圧電フィルムの全光線透過率は、より好ましくは90%以上、更に好ましくは92%以上であり、最も好ましくは95%以上である。当該全光線透過率の上限は限定されないが、本発明の圧電フィルムの全光線透過率は、通常99%以下である。
本明細書中、「全光線透過率」は、ASTM D1003に基づき、ヘイズガードII(製品名、東洋精機製作所)又はその同等品を使用した光透過性試験によって得られる。
本発明の圧電フィルムの全ヘイズ値は、4.0%以下が好ましい。本発明の圧電フィルムの全ヘイズ値は、より好ましくは、3.0%以下、更に好ましくは2.0%以下、特に好ましくは1.5%以下、最も好ましくは1.0%以下である。当該全ヘイズ値は低いほど好ましく、その下限は限定されないが、本発明のフィルムの全ヘイズ値は、通常0.2%以上である。
本明細書中、「全ヘイズ値」(total haze)は、ASTM D1003に準拠し、ヘイズガードII(製品名)(東洋精機製作所)又はその同等品を使用したヘイズ(HAZE、濁度)試験によって得られる。
本発明の圧電フィルムの内部ヘイズ値は、好ましくは2.0%以下、より好ましくは1.5%以下、より更に好ましくは1.2%以下、より更に好ましくは1.0%以下である。当該内部ヘイズ値は低いほど好ましく、その下限は限定されないが、本発明の圧電フィルムの内部ヘイズ値は、通常0.1%以上である。
本明細書中、「内部ヘイズ値」(inner haze)は、前記全ヘイズ値の測定方法において、ガラス製セルの中に水を入れて、その中にフィルムを挿入し、ヘイズ値を測定することにより、得られる。
本発明の圧電フィルムの外部ヘイズ値は、好ましくは2.0%以下、より好ましくは1.5%以下、更に好ましくは1.0%以下、特に好ましくは0.9%以下、最も好ましくは0.7%以下である。当該外部ヘイズ値は低いほど好ましく、その下限は限定されないが、本発明の圧電フィルムの外部ヘイズ値は、通常0.1%以上である。
本明細書中、「外部ヘイズ値」(outer haze)は、圧電フィルムの全ヘイズ値から内部へイズ値を差し引くことで算出される。
本発明の圧電フィルムの電気機械結合係数は、通常0.1〜0.01の範囲内、好ましくは0.09〜0.02の範囲内、より好ましくは0.08〜0.03の範囲内である。 本発明の圧電フィルムの電気機械結合係数の変化率は、好ましくは10%以下であり、より好ましくは8%以下であり、更に好ましくは6%以下である。
本明細書中、電気機械結合係数をktと略記する場合がある。
本発明において、圧電フィルムの「電気機械結合係数」(kt)は、圧電フィルムの両側にAl蒸着電極を形成し、圧電フィルムの所定箇所について、13mmの円板を切り出し、インピーダンスアナライザ(ヒューレットパッカード社、4194A)又はその同等品を用いて測定し、H. Ohigashiら、「The application of ferroelectric polymer, Ultrasonic transducers in the megahertz range」に記載の方法により、算出される。
本明細書中、「電気機械結合係数の変化率」は、特に記載の無い限り、85℃で10時間加熱したときの電気機械結合係数の変化率である。
当該「電気機械結合係数の変化率」は、
(1)圧電フィルムの電気機械結合係数(加熱前のkt)を測定すること、
(2)圧電フィルムを、空気中で、85℃で10時間加熱すること、
(3)圧電フィルムを室温で放置して室温まで冷却すること、及び
(4)前記加熱及び前記冷却後の圧電フィルムの電気機械結合係数(加熱後のkt)を測定すること
を実施し、測定された「加熱前のkt」及び「加熱後のkt」を次式に算入することによって決定される。
電気機械結合係数の変化量(%)=
((加熱後のkt−加熱前のkt)/加熱前のkt)×100
電気機械結合係数の変化率(%)=|電気機械結合係数の変化量(%)|
本明細書中、「室温」は、15〜35℃の範囲内の温度である。
本発明の圧電フィルムの厚さは、例えば、0.5〜100μmの範囲内、0.8〜50μmの範囲内、0.8〜40μmの範囲内、3〜100μmの範囲内、3〜50μmの範囲内、6〜50μmの範囲内、9〜40μmの範囲内、10〜40μmの範囲内、又は10〜30μmの範囲内である。好ましい厚さは、本発明の圧電フィルムの用途によって異なることができる。例えば、本発明の圧電フィルムがタッチパネル等の圧電パネルに用いられる場合は、本発明の圧電フィルムの厚さは好ましくは10〜40μmの範囲内であり、より好ましくは10〜30μmの範囲内であり、本発明の圧電フィルムがエレクトロウエッティングデバイスに用いられる場合は、本発明の圧電フィルムの厚さは好ましくは0.5〜5μm、より好ましくは0.8〜2μmの範囲内であり、及び本発明の圧電フィルムがフィムコンデンサに用いられる場合は、本発明の圧電フィルムの厚さは好ましくは1.5〜12μmの範囲内である。
本発明の圧電フィルムは、100℃の温度で60分加熱して生じるカールが±10mm以内であることが好ましい。カールの程度を上述の範囲とすることにより、本発明の圧電フィルムを、精度が要求される圧電フィルム用途に好適に用いることができる。
上記カールは、幅100mm長さ100mmにカットしたフィルムを金属板上に中心のラインに沿ってテープで貼り付け、100℃で60分加熱したのちの両端部の金属板からの浮き上がり長さをノギスで測定する手法により測定される。
本発明の圧電フィルムのカールを±10mm以内とする方法としては、例えば、後述する本発明のフィルムの製造方法において、基材とフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体フィルムとの剥離強度を0.1N/cm以下、溶媒を気化するための乾燥温度を200℃以下、並びに、溶媒中にフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体、及び所望による成分を溶解又は分散させて調製した液状組成物中の、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体の固形分濃度を5質量%以上とする方法が挙げられる。
製造方法
本発明の圧電フィルムは、例えば、
非分極のフッ化ビニリデン系重合体フィルムを分極処理する工程A;及びその後の
分極化フッ化ビニリデン系重合体フィルムを熱処理する工程B
を含む製造方法
によって製造できる。
工程A(分極処理工程)
工程Aでは、非分極のフッ化ビニリデン系重合体フィルムを分極処理する。
工程Aで用いられる「非分極のフッ化ビニリデン系重合体フィルム」は、例えば、キャスティング法、熱プレス法、又は溶融押出法等の公知の方法で製造できる。工程Aで用いられる「非分極のフッ化ビニリデン系重合体フィルム」は、好ましくはキャスティング法で製造されたフィルムである。
キャスティング法による「非分極のフッ化ビニリデン系重合体フィルム」の製造方法は、例えば、
(1)溶媒中に、フッ化ビニリデン系重合体、並びに所望による成分(例、無機酸化物粒子、及び親和性向上剤)を溶解又は分散させて液状組成物を調製する工程;
(2)前記液状組成物を基材上に流延(塗布)する工程;及び
(3)前記溶媒を気化させて、フィルムを形成させる工程
を含む製造方法である。
液状組成物の調製における溶解温度は特に限定されないが、溶解温度を高くすると溶解を促進できるので好ましい。しかし、溶解温度が高すぎると、得られるフィルムが着色してしまう虞があるので、溶解温度は、室温以上80℃以下であることが好ましい。
また、かかる着色を防止する意味から、前記溶媒の好ましい例としては、ケトン系溶媒(例、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、アセトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン)、エステル系溶媒(例、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、乳酸エチル)、エーテル系溶媒(例、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン)、及びアミド系溶媒(例、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド)が挙げられる。上述の溶媒を用いることにより、本発明の圧電フィルムのYI値を4以下とすることができ、L表色系におけるLを85以上、aを0.5以上、及びbを1.5以下とすることが可能となる。とりわけ、アミド系溶媒以外の溶媒が好ましい。
これらの溶媒は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられ得る。前記溶媒として、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)の溶解に汎用される溶媒であるアミド系溶媒を用いてもよいが、溶媒中のアミド系溶媒の含有率は50%以下であることが望ましい。
前記製造方法は、上述の(1)の工程により前記液状組成物を調製した後、(2)の工程により前記液状組成物を基材上に流延(塗布)する工程の前に、当該液状組成物を、デプスプリーツタイプのフィルターを用いて濾過する工程を有することが好ましい。前記製造方法が、前記液状組成物をデプスプリーツタイプのフィルターを用いて濾過する工程を有すると、液状組成物中の不純物が十分に除去されるので、得られる本発明の圧電フィルムのYI値を2以下とすることができ、L表色系におけるLを85以上、aを0.5以上、及びbを1.5以下とすることが可能となる。
前記液状組成物の基材上への流延(塗布)は、ナイフコーティング方式、キャストコーティング方式、ロールコーティング方式、グラビアコーティング方式、ブレードコーティング方式、ロッドコーティング方式、エアドクタコーティング方式、またはスロットダイ方式等の慣用の方法に基づき行えばよい。なかでも、操作性が容易な点、得られるフィルム厚さのバラツキが少ない点、生産性に優れる点から、グラビアコーティング方式、又はスロットダイ方式が好ましい。当該基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いることができる。
前記溶媒の気化は、加熱等の慣用の乾燥方法によって実施できる。
前記溶媒の気化における乾燥温度は溶媒の種類等に応じて適宜決定され得るが、通常、20℃〜200℃の範囲内であり、好ましくは40℃〜170℃の範囲内である。
当該乾燥温度は一定温度であってもよいが、変化させてもよい。乾燥温度を低温(例、40〜100℃)から高温(例、120〜200℃)へと変化させることにより、得られるフィルムのヘイズ値を下げることができる。これは、例えば、乾燥ゾーンを数ゾーンに分割し、フィルム(又はフィルム形成前の流延された溶液)が低温のゾーンへ入って高温のゾーンに移動することによって実現できる。
具体的には、例えば、乾燥ゾーンを50℃、80℃、120℃、及び150℃の4ゾーンに分割し、フィルムを50℃のゾーンから150℃のゾーンへ連続的に移動させればよい。
上述のような乾燥条件とすることにより、本発明の圧電フィルムのYI値を4以下とすることができ、L表色系におけるLを85以上、aを0.5以下、及びbを1.5以下とし易くすることができる。
前記溶媒の気化における乾燥時間は、通常10〜600秒間の範囲内、好ましくは30〜300秒間の範囲内である。
工程Aに用いられる「非分極のフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体フィルム」(以下、単に「非分極フィルム」と称する場合がある)は、好ましくは、延伸されていないものである。また、好ましくは、本発明の製造方法においても、当該非分極フィルムを、延伸しない。すなわち、本発明の圧電フィルムは、好ましくは、無延伸のフィルムである。
このようにして得られる本発明の圧電フィルムは、その厚さの均一性が高い。具体的に好ましくは、本発明の圧電性フィルムは、フィルム全体に渡って1cm四方毎に10箇所において測定した厚さの変動係数が、平均膜厚の±20%以下である。
工程Aで用いられる非分極フィルムは、製膜後、熱処理されたものであってもよい。
工程Aで用いられる非分極フィルムの厚さの決定は、得ようとする圧電フィルムに応じて行えばよい。
工程Aの分極処理は、コロナ放電処理等の慣用の方法によって行うことができる。
工程Aの分極処理は、好ましくはコロナ放電によって行われる。
コロナ放電には、負コロナ及び正コロナのいずれを用いてもよいが、非分極樹脂フィルムの分極しやすさの観点から負コロナを用いることが望ましい。
コロナ放電処理は、特に限定されないが、例えば、非分極フィルムの両面から平板電極で挟み込んで印加を実施すること;特開2011−181748号公報(前記特許文献2)に記載のように非分極フィルムに対して線状電極を用いて印加を実施すること;又は非分極フィルムに対して針状電極を用いて印加を実施すること;により行うことができる。
コロナ放電処理の条件は、本発明が属する技術分野の常識に基づいて、適宜設定すればよい。コロナ放電処理の条件が弱すぎると、得られる圧電フィルムの圧電性が不充分になる虞があり、一方、コロナ放電処理の条件が強すぎると、得られる圧電フィルムが点状欠陥を有する虞がある。
具体的には、例えば、非分極フィルムの両面から平板電極で挟み込んで印加を実施する場合、0〜400MV/m(好ましくは50〜400MV/m)の直流電界、及び0.1秒〜60分間の印加時間の条件を採用できる。
工程B(熱処理工程)
工程Bは、前記工程Aの後に実施される。工程Bでは、工程Aの分極処理で得られた分極化フッ化ビニリデン系重合体フィルム(以下、単に分極化フィルムと称する場合がある。)を熱処理する。
工程Bの熱処理は、前記分極化フィルム又は工程Aにおいて分極を完了した部分に対して行うことができる。すなわち、工程Aの分極処理を実施しながら、当該分極処理を終えた部分に対して工程Bの熱処理を実施してもよい。
熱処理の方法は、特に限定されないが、例えば、分極化フィルムを2枚の金属板で挟み、当該金属板を加熱すること;分極化フィルムのロールを恒温槽中で加熱すること;又はロール・ツー・ロール方式での分極化フィルムの生産において、金属ローラーを加熱し、分極化フィルムを、当該加熱した金属ローラーに接触させること;又は分極化フィルムを加熱した炉の中にロール・ツー・ロールで通していくことにより行うことができる。この際、分極化フィルムは単体で熱処理してもよいし、或いは別種のフィルム又は金属箔上に重ねて積層フィルムを作成し、これを熱処理してもよい。とりわけ、高温で熱処理する場合には後者の方法のほうが、分極化フィルムにしわが入りにくいので好ましい。
前記熱処理の温度は、熱処理される分極化フィルムの種類によって異なる場合があり、好ましくは(熱処理される分極化フィルムの融点−100)℃〜(熱処理される分極化フィルムの融点+40)℃の範囲内である。
前記熱処理の温度は、具体的には、好ましくは80℃以上、より好ましくは85℃以上、更に好ましくは90℃以上である。
また、前記熱処理の温度は、好ましくは170℃以下、より好ましくは160℃以下、更に好ましくは140℃以下である。
前記熱処理の時間は、通常、10秒間以上、好ましくは0.5分間以上、より好ましくは1分間以上、更に好ましくは2分間以上である。
また、前記熱処理の時間の上限は限定されないが、通常、前記熱処理の時間は60分間以下である。
前記熱処理の条件は、好ましくは90℃以上で1分間以上である。
本明細書中、フィルムの融点とは、示差走査熱量測定(DSC)装置を用い、10℃/分の速度で昇温したときに得られる融解熱曲線における極大値である。
熱処理後、非分極重合体フィルムを所定温度まで冷却する。当該温度は、好ましくは、0℃〜60℃の範囲であり、室温であることができる。冷却速度は、徐冷であっても急冷であってもよく、急冷であることが生産性の面から好ましい。急冷は、例えば送風等の手段によって実施できる。
本発明は、また、溶媒中に、フッ化ビニリデン系重合体を溶解又は分散させて調製され;
前記液状組成物は、JIS K7105に準拠して測定した黄色度YI値が6以下である液状組成物でもある。
前記液状組成物のYI値は、JIS K7105に準拠した測定方法により、日本電色社製SZシグマ90測定器を用いて、石英セルに溶液を封入してセットし、常温・常湿の条件でC/2光源を用いて測定することができる。
前記液状組成物は、上述の工程A(分極処理工程)の説明における「非分極のフッ化ビニリデン系重合体フィルム」の製造方法の(1)溶媒にフッ化ビニリデン系重合体を溶解させて、フッ化ビニリデン系重合体溶液を調製する工程により調製することができる。
当該液状組成物を、上述の工程A(分極処理工程)の説明における「非分極のフッ化ビニリデン系重合体フィルム」の製造方法の(2)液状組成物を基材上に流延(塗布)する工程;及び(3)前記溶媒を気化させて、フィルムを形成させる工程に供することにより、「非分極のフッ化ビニリデン系重合体フィルム」を製造することができる。
更に、当該工程Aの分極処理で得られた分極化フッ化ビニリデン系重合体フィルムを工程Bで熱処理することにより、JIS K7105に準拠して測定した黄色度YI値が4以下であり;JIS K7105に準拠して測定したL表色系におけるLが85以上、aが0.5以下、及びbが1.5以下である圧電フィルムを得ることができる。すなわち、前記液状組成物のYI値が6程度であっても、当該液状組成物を用いて圧電フィルムを製造すると、YI値が4以下であり;JIS K7105に準拠して測定したL表色系におけるLが85以上、aが0.5以下、及びbが1.5以下である圧電フィルムとなる。
上記工程A及び/又はBでは、リタデーション値の上昇を抑制するために、フィルムに不均一にかかる張力を極力下げておくことが好ましい。各工程において、(巻出しの張力)/(巻取りの張力)の張力比は2/1〜1/2が好ましく、1.6/1〜1/1.6がより好ましい。
また、本発明の圧電フィルムの製造においては、基材からフィルムを剥離することがあるが、リタデーション値の上昇を抑制するために、当該剥離の際も極力低い剥離力で剥離することが好ましい。剥離の際の荷重は、フィルムの破断に必要な荷重に対して1/10以下の荷重であることが好ましく、1/15以下の荷重であることがより好ましい。
適用
圧電パネル
本発明の圧電フィルムは、圧電パネル(例、タッチ圧を検出できるタッチパネル)等に使用できる。
本発明の圧電フィルムを有するタッチパネルは、タッチ位置及びタッチ圧の両方を検出でき、かつ極端な高温に曝された場合でもタッチ圧の検出性能が低下しにくく、かつ透明性が高い。
本発明の圧電フィルムは、抵抗膜方式、及び静電容量方式等の、あらゆる方式のタッチパネルに使用できる。
本発明の圧電フィルムは、タッチパネルに使用されるとき、必ずしも、タッチ位置及びタッチ圧の両方の検出のために使用される必要は無く、本発明の圧電フィルムは、タッチ位置又はタッチ圧のいずれかの検出にも使用されてもよい。
本発明の圧電フィルムを有する圧電パネルは、好ましくは、
第1の電極(好ましくは、透明電極)と、
本発明の圧電フィルム(好ましくは、透明圧電フィルム)と、
第2の電極(好ましくは、透明電極)と、
をこの順で有する。
第1の電極は本発明の圧電フィルムの一方の主面上に直接又は間接的に配置され、及び
第2の電極は本発明の圧電フィルムの他方の主面上に直接又は間接的に配置される。
当該電極の例としては、ITO(酸化インジウム・スズ)電極、酸化スズ電極、金属ナノワイヤー、金属ナノ粒子、有機導電樹脂等が挙げられる。
本発明の圧電フィルムを有するタッチパネルは、入力装置に用いることができる。当該タッチパネルを有する入力装置は、タッチ位置、タッチ圧、又はその両方に基づく入力が可能である。当該タッチパネルを有する入力装置は、位置検出部及び圧力検出部を有することが出来る。
当該入力装置は、電子機器(例、携帯電話(例、スマートフォン)、携帯情報端末(PDA)、タブレットPC、ATM、自動券売機、及びカーナビゲーションシステム)に用いることができる。当該入力装置を有する電子機器は、タッチ位置、タッチ圧又はその両方に基づく操作及び動作が可能である。
エレクトロウエッティングデバイス
本発明の圧電フィルムは、エレクトロウエッティングの性質を有し、エレクトロウエッティングデバイスに使用できる。ここで、当該「エレクトロウエッティング」とは、電界を用いて、フィルムの表面の濡れ性(wettability)を疎水性(撥水性)から親水性の間で変化させることを意味する。当該「エレクトロウエッティングデバイス」とは、当該「エレクトロウエッティング」を利用したデバイスを意味する。
本発明の圧電フィルムは、光学素子、表示装置(ディスプレイ)、可変焦点レンズ、光変調装置、光ピックアップ装置、光記録再生装置、現像装置、液滴操作装置、分析機器(例、試料の分析のため微小の導電性液体を移動させる必要がある、化学、生化学、および生物学的分析機器)などにおけるエレクトロウエッティングデバイスに好適に用いることができる。
本発明の圧電フィルムは、高い比誘電率及び低い誘電正接を有し得る。これにより、低い電圧で導電性液体を駆動できる。
フィルムコンデンサ
本発明の圧電フィルムは、高い比誘電率及び低い誘電正接を有し得るので、フィルムコンデンサ用のフィルムとしても好適に使用可能である。また、電圧を長時間印加してもフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体の特徴である高誘電性が損なわれない点でもフィルムコンデンサ用のフィルムとして有利である。
透明カバーフィルム
本発明の圧電フィルムは耐候性に優れたビニリデン系樹脂からなること、及び透明性が非常に高いことから、透明カバーフィルムとしても用いることができる。この場合、例えば、ポリカーボネート又はPETフィルムを本発明の圧電フィルムに積層することで、これらのフィルムに耐候性を付与できる。
本発明のフィルムは、可撓性を有するので、種々の用途に好適に用いることができる。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体における、テトラフルオロエチレンに由来する繰り返し単位/フッ化ビニリデンに由来する繰り返し単位のモル比を“TFE/VDF”で表す場合がある。
実施例1〜8、比較例1〜3
(非分極フィルムの調製)
フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体(TFE/VDF=20/80)を、メチルエチルケトン(MEK)に溶解させ、固形分25wt%の塗料を調製した。用いたフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体の界面活性剤量、金属の含有量、イオンの含有量、及びメチルセルロース量、並びに、塗料のYI値を表1に示す。
なお、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体の金属の含有量の測定は、ICP(発光分析装置)により行った。具体的には、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体を燃焼させたのち灰分を0.1%塩酸に溶解させ、金属を抽出して、ICPにより測定を行った。ICPはセイコーインストルメンツ株式会社製SPS3000を用いた。
また、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体の界面活性剤量、イオンの含有量、及びメチルセルロース量の分析はイオンクロマトグラフィーにより行った。具体的には、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体を水に入れて超音波で2hr程度処理を行った後、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体を濾過し、水分をイオンクロマトグラフィーで測定した。イオンクロマトグラフィーはダイオネクス株式会社製DX500を用いた。
また、塗料のYI値は、JIS K7105に準拠した測定方法により、日本電色社製SZシグマ90測定器を用いて、石英セルに溶液を封入してセットし、常温・常湿の条件で、C/2光源により測定した。
Figure 0006547627
得られた塗料を孔径3μmのデプスブリーツタイプのフィルターでろ過し、ろ過した塗料をダイコーターを用いてPETフィルム上に流延(キャスティング)し、乾燥を行って、厚さ25μmの重合体フィルムを調製した。
この際、乾燥は、乾燥装置を1ゾーン2mとして4ゾーンに分割し、それぞれの乾燥温度を、入り口側から50℃、80℃、120℃、及び150℃に設定し、各ゾーンの通過速度を周速8/minに設定して、フィルム(又は流延された塗料)を通過させることによって、実施した。
(分極処理)
その後、前記重合体フィルムを前記PETフィルムから剥がし、金属電極で前記重合体フィルムを上下から挟み、厚さ25μmの前記重合体フィルムに対して300kV/cmの条件で、直流電圧を室温で5分間印加して分極し、分極化フィルムを得た。
(熱処理)
その後、当該分極化フィルムを、90℃で5分間、熱風乾燥機中で、加熱し、次いで室温で放置して室温まで冷却して、圧電フィルムを得た。
当該熱処理後の圧電フィルムについて、下記の方法で、分極時の圧電フィルムの欠陥数、YI値、L、a、b、及びリタデーションを測定した。
分極時の1m 当たりの欠陥数
上記各圧電フィルムに対して、1m当たりの欠陥数(短絡破壊箇所数)(個/m)を以下のように測定(算出)した。具体的には、以下の(1)〜(3)の手順に従って測定した。
(1)20cm×10cmの各フィルムを上記実施例の手法にて分極処理を行う。
(2)(1)ののち、目視で破壊数をカウントする。
(3)上記操作を5枚のフィルムで行い、欠陥数をmの個数に換算した。
YI値
JIS K7105に準拠した測定方法により、日本電色工業社製SZシグマ90測定器を用いて、室温・常湿の条件で、C/2光源により測定した。
、a 、b
JIS K7105に準拠した測定方法により、日本電色工業社製SZシグマ90測定器を用いて、常温・常湿の条件で、C/2光源により測定した。
リタデーション値
大塚電子株式会社製RETS4200RVを用い、550nmの光を照射した際のリタデーション値を測定した。
結果を表2に示す。
Figure 0006547627
表1及び2の結果から、界面活性剤量、イオンの含有量、金属の含有量、メチルセルロース量が多い比較例1〜3は、塗料のYI値が大きく、当該塗料を用いて調製した圧電フィルムのYI値、及びL値が増大して、分極時の欠陥数、及びリタデーションの増大がみられた。このことから、色味が抑制され、タッチパネル等に使用したときに、表示装置が優れた視認性を示す圧電フィルムを得るには、界面活性剤量、イオンの含有量、金属の含有量、及びメチルセルロース量を一定量以下に抑制することにより、YI値及びLを適切な数値に調整することが必要であることが分かる。
比較例4
重合体フィルムの厚みを75μmとした以外は実施例1と同様にして、重合体フィルムを調製した。当該重合体フィルムを3倍に延伸して、25μmの重合体フィルムとした。これを実施例1と同様にして分極処理、及び熱処理に供し、分極時の欠陥数、YI値、L値、及びリタデーション値を評価した。
その結果、特にリタデーション値が大きくなってしまった。この結果から、リタデーション値の増大の抑制のためには、延伸を行うよりも、キャストでのフィルム調製を行う方が有利であることが分かった。
本発明の圧電フィルムはタッチパネル等に用いることができる。

Claims (8)

  1. 分極化フッ化ビニリデン系重合体フィルムからなり;
    前記分極化フッ化ビニリデン系重合体中の界面活性剤の含有量が100ppm以下であり;
    前記分極化フッ化ビニリデン系重合体中のメチルセルロースの含有量が6000ppm以下であり;
    前記分極化フッ化ビニリデン系重合体中の金属の含有量とイオンの含有量との合計が200ppm以下である
    圧電フィルムであって、
    JIS K7105に準拠して測定した黄色度YI値が2.3以下であり;
    JIS K7105に準拠して測定したL表色系におけるLが85以上、aが0.5以下、及びbが1.5以下である
    圧電フィルム。
  2. 前記分極化フッ化ビニリデン系重合体フィルムが分極化フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体フィルムである
    請求項1に記載の圧電フィルム。
  3. リタデーション値が1〜20nmである
    請求項1又は2に記載の圧電フィルム。
  4. 非分極のフッ化ビニリデン系重合体フィルムを分極処理する工程A;及びその後の分極化フッ化ビニリデン系重合体フィルムを熱処理する工程B
    を含み、
    前記非分極のフッ化ビニリデン系重合体フィルムは、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、及びエーテル系溶媒から選択される少なくとも一種の溶媒中に、フッ化ビニリデン系重合体を溶解又は分散させて調製された液状組成物を用いて、キャスティング法により製造され、
    前記液状組成物は、JIS K7105に準拠して測定した黄色度YI値が6以下である請求項1〜3のいずれかに記載の圧電フィルムの製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の圧電フィルムを有する、圧電パネル、フィルムコンデンサ、又はエレクトロウエッティングデバイス。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の圧電フィルムを有する入力装置。
  7. 請求項6に記載の入力装置を有する電子機器。
  8. ケトン系溶媒、エステル系溶媒、及びエーテル系溶媒から選択される少なくとも一種の溶媒中に、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体を溶解又は分散させて調製され;
    前記フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体中の界面活性剤の含有量が100ppm以下であり;
    前記フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体中のメチルセルロースの含有量が6000ppm以下であり;
    前記フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体中の金属の含有量とイオンの含有量との合計が200ppm以下である
    液状組成物であって、
    JIS K7105に準拠して測定した黄色度YI値が6以下である
    液状組成物。
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