JP6547487B2 - 蓄電装置モジュール - Google Patents
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Description
本発明は、複数の蓄電装置を備えた蓄電装置モジュールに関する。
従来から、電装品で使用される電力を蓄えるための蓄電装置として、リチウムイオン二次電池などの二次電池が、EV(Electric Vehicle)やPHV(Plug in Hybrid Vehicle)などの車両に搭載されている。二次電池は、ケースと、ケースに収容されている電極組立体と、ケースの外部に突出しており、それぞれ極性が異なる2つの電極端子と、を有する。また、二次電池は、ケースの内部圧力の上昇に対応して電流を遮断する電流遮断部を備えたものがある。電流遮断部は、一方の電極端子と電極組立体とを電気的に接続している通電経路に設けられている。また、特許文献1に開示されている密閉電池では、電流遮断部の電池外側に対応する側の空間に連なる貫通孔が、電極端子に形成されている。この貫通孔は、密閉電池の組立時、電流遮断部の気密検査を行うために必要な孔であり、気密検査後は端子栓によって封止されている。このため、端子栓によって貫通孔に異物が侵入することを抑制し、電流遮断部が異物から保護されている。
ところで、取り扱いを容易にすることを目的として、複数の二次電池を有する二次電池モジュールを構成する場合がある。二次電池モジュールにおいて、複数の二次電池は、バスバーにより電気的に接続されている。バスバーは、例えば、ボルトなどの連結部材を、電極端子に形成されたねじ孔に螺合して連結されている。よって、このような二次電池モジュールにおいては、ねじ孔を端子栓で封止することができないため、特許文献1に開示されたものとは異なる機構により、異物がねじ孔に侵入することを抑制し、これにより電流遮断部を保護することが期待されている。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、電流遮断部を保護することができる蓄電装置モジュールを提供することにある。
上記問題点を解決するための蓄電装置モジュールは、複数の蓄電装置を備えた蓄電装置モジュールであって、前記蓄電装置は、ケース内の電極組立体と電気的に接続され、かつ互いに極性の異なる一対の電極端子と、一面に前記ケースの内部圧力が作用し、他面に前記ケースの外部圧力が作用する変形板を備えるとともに、前記ケースの内部圧力が設定圧力に達すると、前記電極組立体と一方の電極端子とを電気的に接続している通電経路の電流を遮断する電流遮断部と、を有し、前記電極端子は、前記ケースの内部に配置された端子頭部と、前記端子頭部から前記ケースの外部に向けて突出した形状の端子軸部と、前記端子軸部の先端面から凹設され、前記端子頭部と前記端子軸部とを繋ぐ方向に沿って延びる連結用凹部と、を有し、前記蓄電装置モジュールは、電極端子同士を電気的に接続しているバスバーと、前記電極端子と前記バスバーとを連結するため、前記連結用凹部に挿入されている連結部材と、を備え、前記電極端子は、前記連結用凹部よりも前記電流遮断部寄りで、かつ該電流遮断部に連通するシール孔を備えるとともに、前記連結部材は、前記シール孔を封止するシール部を備えることを要旨とする。
これによれば、電極端子とバスバーとを連結するため、連結用凹部に連結部材が挿入されると、連結部材のシール部が、連結用凹部より電流遮断部寄りの位置でシール孔の内周面に押し当てられ、シール孔がシール部によって封止される。よって、蓄電装置モジュールにおいて、電極端子の連結用凹部内に液体や微細な異物が侵入しても、液体や異物がシール孔より奥の電流遮断部側に侵入することが抑制される。
また、蓄電装置モジュールについて、前記シール孔は、前記端子軸部と前記端子頭部とを繋ぐ方向に沿って前記電流遮断部に向かうに従い縮径し、前記シール部は、前記連結部材の軸線方向に沿って先端に向かうに従い縮径しているのが好ましい。
これによれば、連結部材を連結用凹部に挿入した際、縮径した形状のシール部は、同じく縮径した形状のシール孔の奥、すなわち電流遮断部に向けて押し込みやすい。このため、シール部をシール孔の内周面に押し当てやすく、シール孔が好適に封止される。
本発明によれば、電流遮断部を保護することができる。
以下、蓄電装置モジュールを二次電池モジュールに具体化した一実施形態を図1〜図4にしたがって説明する。
図1に示すように、蓄電装置モジュールとしての二次電池モジュール100は、蓄電装置としての二次電池10を複数備え、それら複数の二次電池10は相互に電気的に接続されている。
図1に示すように、蓄電装置モジュールとしての二次電池モジュール100は、蓄電装置としての二次電池10を複数備え、それら複数の二次電池10は相互に電気的に接続されている。
まず、二次電池10について説明する。
図2及び図3に示すように、二次電池10は、角型のリチウムイオン二次電池である。二次電池10は、扁平な四角箱状のケース11を備えている。ケース11は、開口部12aを有する四角箱状のケース本体12と、ケース本体12の開口部12aを塞いでいる平板状の蓋13と、を有する。ケース本体12及び蓋13は、金属(例えばアルミニウム)製である。ケース本体12と蓋13とは、溶接されている。蓋13は、厚さ方向に貫通している2つの貫通孔13bを有する。
図2及び図3に示すように、二次電池10は、角型のリチウムイオン二次電池である。二次電池10は、扁平な四角箱状のケース11を備えている。ケース11は、開口部12aを有する四角箱状のケース本体12と、ケース本体12の開口部12aを塞いでいる平板状の蓋13と、を有する。ケース本体12及び蓋13は、金属(例えばアルミニウム)製である。ケース本体12と蓋13とは、溶接されている。蓋13は、厚さ方向に貫通している2つの貫通孔13bを有する。
二次電池10は、ケース11に収容されている図示しない電解液を備えている。二次電池10は、電極端子としての負極端子16と、負極端子16とは極性の異なる電極端子としての正極端子15と、を有する。正極端子15及び負極端子16は、ケース11の壁の1つである蓋13に固定されている。また、正極端子15及び負極端子16は、一部がケース11の内部に突出し、一部がケース11の外部に突出している。正極端子15及び負極端子16については、後に詳しく説明する。
二次電池10は、ケース11に収容されている直方体状の電極組立体14を備えている。電極組立体14は、正極電極21と負極電極22とが間にセパレータ23を介在させた状態で交互に積層されていることにより、これらが層状に重なっている構造を有する。正極電極21と負極電極22との間は、セパレータ23によって絶縁されている。以下の説明では、正極電極21及び負極電極22が積層されている方向を、単に積層方向D1と示す。
正極電極21は、長方形状の正極金属箔(例えばアルミニウム箔)と、正極金属箔の両面にある正極活物質層と、を有する。正極電極21は、正極電極21の端部から突出している正極タブ31を有する。負極電極22は、長方形状の負極金属箔(例えば銅箔)と、負極金属箔の両面にある負極活物質層と、を有する。負極電極22は、負極電極22の端部から突出している負極タブ32を有する。
電極組立体14は、正極タブ群31aと、負極タブ群32aと、を有する。正極タブ群31a及び負極タブ群32aは、電極組立体14において蓋13に対向している端面14aから突出している。正極タブ群31aでは、複数の正極タブ31が層状に重なっている。同様に、負極タブ群32aでは、複数の負極タブ32が層状に重なっている。
図3及び図4に示すように、二次電池10は、正極端子15と正極タブ群31aとを電気的に接続する正極導電部材40を有する。正極導電部材40は、一枚の金属板(本実施形態ではアルミニウム板)で構成されている。
正極導電部材40は、相対的に蓋13寄りに配置された第1接合部41と、第1接合部41よりも電極組立体14に近い位置に配置された第2接合部42と、第1接合部41と第2接合部42とを繋ぐ湾曲状の第3接合部43と、を有する。第1接合部41において、電極組立体14の端面14aと対向した面(下面)には、正極タブ群31aが溶接されている。これにより、第1接合部41と正極タブ群31aとは、電気的に接続されている。
正極端子15はアルミニウム製である。また、正極端子15は、角柱状の端子頭部としての正極頭部51と、正極頭部51の座面51aから突出している円柱状の端子軸部としての正極軸部52と、を有する。正極軸部52は、外周面にねじ溝を有する。正極軸部52は、蓋13の貫通孔13bを介してケース11の外部に突出し、正極頭部51はケース11の内部に突出している。正極端子15において、正極軸部52と正極頭部51とを繋ぐ方向を軸方向とすると、正極端子15は、正極軸部52の軸方向の先端面から凹む連結用凹部としてのねじ穴15bを有する。
二次電池10は、正極軸部52が挿通され、かつ正極頭部51の座面51aに支持された絶縁性のOリング53を有する。また、二次電池10は、正極軸部52が挿通された絶縁性のフランジ付きリング54を有する。フランジ付きリング54は、貫通孔13bに嵌合している筒状の部材である。
二次電池10は、フランジ付きリング54の上から正極軸部52に螺合されたナット55を有する。正極端子15と蓋13とは、正極軸部52にナット55が螺合されていることにより、ユニット化されている。なお、フランジ付きリング54は、正極軸部52と蓋13の貫通孔13bの周縁部との間、及びナット55と蓋13との間に介在している。
正極頭部51は、ケース11の内部に配置されている。正極頭部51における電極組立体14側の面には正極導電部材40の第2接合部42が溶接されている。これにより、正極端子15は、電極組立体14と電気的に接続されている。そして、正極端子15と正極導電部材40とが電気的に接続されるとともに、正極導電部材40が正極タブ群31aに電気的に接続されることにより、電極組立体14と、正極端子15との接続部分との間の通電経路が構成されている。
二次電池10は、正極頭部51の座面51aを覆う絶縁性の第1正極絶縁部材57と、正極導電部材40と電極組立体14との間に介在する絶縁性の第2正極絶縁部材58とを有する。第1正極絶縁部材57は、蓋13と正極頭部51との接触を規制するものである。第1正極絶縁部材57は、正極頭部51に対して蓋13側から取り付けられている。第1正極絶縁部材57は、正極頭部51の座面51a及び外周面の一部を覆っている。第2正極絶縁部材58は、正極導電部材40と電極組立体14との接触を規制するものである。
二次電池10は、負極端子16と負極タブ群32aとを電気的に接続する負極導電部材60を有する。負極導電部材60は、一枚の金属板(本実施形態では銅板)で構成されている。負極導電部材60は、ケース11の蓋13と電極組立体14との間に位置している。
負極導電部材60は、相対的に蓋13寄りに配置された第1接合部61と、第1接合部61よりも電極組立体14に近い位置に配置された第2接合部62と、第1接合部61と第2接合部62とを繋ぐ湾曲状の第3接合部63と、を有する。第1接合部61において、電極組立体14の端面14aと対向した面(下面)には負極タブ群32aが溶接されていることにより、第1接合部61と負極タブ群32aとが電気的に接続されている。
負極端子16は銅製である。また、負極端子16は、円柱状の端子頭部としての負極頭部71と、負極頭部71の座面71aから突出した端子軸部としての負極軸部72と、を有する。負極軸部72は、外周面にねじ溝を有する。負極軸部72は、蓋13の貫通孔13bを介してケース11の外部に突出している。負極端子16において、負極軸部72と負極頭部71とを繋ぐ方向を軸方向とすると、負極端子16は、負極軸部72の軸方向の先端面から凹む連結用凹部としてのねじ孔16cを有する。
二次電池10は、負極軸部72に挿通され、かつ負極頭部71の座面71aに支持された絶縁性のOリング73を有する。また、二次電池10は、負極軸部72が挿通された絶縁性のフランジ付きリング74を有する。フランジ付きリング74は、貫通孔13bに嵌合している筒状の部材である。
二次電池10は、フランジ付きリング74の上から負極軸部72に螺合されたナット75を有する。負極端子16と蓋13とは、負極軸部72にナット75が螺合されていることにより、ユニット化されている。なお、フランジ付きリング74は、負極軸部72と蓋13の貫通孔13bの周縁部との間、及びナット75と蓋13との間に介在している。
図4に示すように、負極頭部71は、ケース11の内部に配置されている。負極頭部71は、電極組立体14側の面71bに端子凹部71cを備え、この端子凹部71cは、電極組立体14から蓋13に向けてすり鉢状に凹んでいる。負極端子16は、負極頭部71の端子凹部71cに連通するシール孔16bを有する。このシール孔16bは、ねじ孔16cに連通しており、負極端子16の軸方向に沿ってねじ孔16cとシール孔16bは繋がっている。また、シール孔16bは、ねじ孔16cを介して、ケース11の外部と連通している。さらに、シール孔16bは、負極端子16の軸方向に沿ってねじ孔16cから端子凹部71cに向かうに従い縮径するテーパ状である。シール孔16bは、ねじ孔16cよりも、さらに負極頭部71寄りの奥にある。
二次電池10は、一方の電極端子である負極端子16に一体の電流遮断部80を備える。電流遮断部80は、ケース11の内部に配置されており、ケース11の内部圧力が所定の圧力に達すると、電極組立体14と、負極端子16とを電気的に接続している通電経路の電流を遮断する。電流遮断部80は、負極端子16の負極頭部71と、負極導電部材60の第2接合部62との接続部に位置している。よって、負極端子16のシール孔16bは、ねじ孔16cよりも電流遮断部80寄りに位置している。
この実施形態では、負極頭部71が電流遮断部80を介して負極導電部材60に電気的に接続されるとともに、負極導電部材60が負極タブ群32aに電気的に接続されることにより、電極組立体14と、負極端子16との間の通電経路が構成されている。
電流遮断部80は、ケース11の内部に発生したガスによって作動すると、負極端子16と負極導電部材60との電気的な接続を遮断する。つまり、電流遮断部80は、作動していないときには上記通電経路の一部を構成し、ケース11の内部に発生したガスの圧力を受けて作動したときに上記通電経路を遮断する。そして、電流遮断部80は、負極導電部材60の第2接合部62に一体に設けられている。この実施形態において電流遮断部80は、一方の電極端子である負極端子16と一体化されている。
電流遮断部80は、第2接合部62と負極頭部71とに接合された接点板81を有する。接点板81は、導電性の材料製であり、円板形状であって端子凹部71cを電極組立体14側から覆っている。接点板81における端子凹部71cからはみ出している外周部と、負極頭部71における端子凹部71cの周縁部とは、スポット溶接により固定されている。
接点板81における端子凹部71cと対向する部分は、通常状態において電極組立体14側(下方)に凸となっており、この凸部分の突端と第2接合部62とが溶接されている。接点板81と第2接合部62との溶接部分である負極溶接部分P(図4中にドットハッチングで示す部分)を負極端子16と負極導電部材60とを導通する導通部とする。よって、負極導電部材60と負極端子16とは、接点板81を介して電気的に接続されている。
電流遮断部80は、絶縁リング82を有する。絶縁リング82は、接点板81の外周部と第2接合部62との間に配置されている。絶縁リング82により、負極頭部71と第2接合部62とが所定の間隔を空けて配置されている。また、絶縁リング82の外側であって負極頭部71と第2接合部62の間にはシール部材83が配置されている。
第2接合部62は、電極組立体14側の面に遮断凹部60cを有する。遮断凹部60cは、電極組立体14から蓋13に向けてすり鉢状に凹んでいる。遮断凹部60cの底面に負極溶接部分Pが位置している。第2接合部62は、遮断凹部60cの底面となる部位に破断溝84を有する。破断溝84は負極溶接部分Pを取り囲む円環状である。また、第2接合部62は、破断溝84と対応して薄肉部84aを備える。薄肉部84aは、第2接合部62に破断溝84を形成することによって、厚みが第2接合部62における薄肉部84a以外での部位よりも薄くなった部位のことである。よって、薄肉部84aは、破断溝84と同じで、負極溶接部分Pの周囲に設けられた円環状である。
電流遮断部80は、ケース11の内部圧力を受圧して変形する変形板85を有する。変形板85は、弾性材料、例えば金属板で構成されたダイヤフラムであり、第2接合部62より電極組立体14に近い位置に配置されている。変形板85は、円板形状であって遮断凹部60cを電極組立体14側から覆っている。変形板85の外周部と第2接合部62とが変形板85の外周部の全周にわたって溶接固定されている。そして、変形板85を含む電流遮断部80は、ケース11内部をケース11外部に対して気密に隔てている。
変形板85は、通常状態において蓋13側から電極組立体14側(下方)に向けて凸となっており、この凸部分における負極溶接部分Pと対向する箇所には、蓋13に向けて突出した突起85aを有する。突起85aは、絶縁性の材料により構成されており、破断溝84で囲まれた負極溶接部分Pと対向している。
電流遮断部80は、変形板85より電極組立体14に近い位置に設置された保護部材86を備える。保護部材86は、変形板85と電極組立体14との間に配置されている。保護部材86は、変形板85に衝撃などが加わって、変形板85が変形してしまうことを防止する。保護部材86は円板形状であり、保護部材86の上面には、電極組立体14に向けて凸となった変形板85に沿うように凹んだ支持凹部86aが存在する。支持凹部86aの底面には上下方向に貫通したガス孔86bが存在する。
変形板85の一面(電極組立体14側の面)には、ガス孔86bを介して、ケース11の内部圧力が作用している。また、変形板85の他面(蓋13側の面)には、ねじ孔16c及びシール孔16bを介してケース11の外部圧力(略大気圧)が作用している。そして、変形板85は、その電極組立体14側の面に、設定圧力よりも大きい内部圧力が付与された場合に、圧力によって変形して蓋13に向けて凸となるように構成されている。
また、二次電池10は、負極頭部71の座面71a及び外周面を覆う絶縁性の負極絶縁部材87を備える。負極絶縁部材87は、筒状である。負極絶縁部材87は、蓋13と負極頭部71との接触を規制する。二次電池10は、負極絶縁部材87、上述の負極頭部71、接点板81、絶縁リング82、シール部材83、負極導電部材60(第2接合部62)、変形板85、及び保護部材86をユニット化するカシメ部材88を有する。
上記構成の二次電池10では、過充電・過放電時、電極組立体14でガスが発生するとケース11の内圧が上昇する。内圧が設定圧力に達すると、図4の2点鎖線に示すように、その圧力を受けた変形板85が負極溶接部分Pに向けて凸となるように変形する。すると、突起85aが破断溝84で囲まれた負極溶接部分Pに衝突して、負極導電部材60における負極溶接部分Pが破断されるとともに、接点板81が蓋13に向けて変形する。これにより、接点板81と負極導電部材60とが離間した状態になるため、同負極導電部材60と負極端子16との電気的接続が物理的に遮断され、電極組立体14と負極端子16の間を流れる電流が遮断される。
図1に示すように、二次電池モジュール100では、複数の二次電池10が並設されている。複数の二次電池10の並設方向D2と、複数の二次電池10のそれぞれにおける積層方向D1とが一致されている。二次電池モジュール100において、複数の二次電池10のそれぞれは、自身の正極端子15が、隣接している他の二次電池10の負極端子16と隣り合うように配置されている。そして、複数の二次電池10同士は、バスバー110とボルト120を用いて電気的に接続されている。
複数のボルト120は、金属製である。ボルト120は、多角形(例えば六角形)の板状であるボルト頭部121と、ボルト頭部121から延びているボルト軸部122と、を有する。ボルト軸部122は、その外周面にねじ溝を有し、ボルト軸部122は、負極端子16のねじ孔16c又は正極端子15のねじ穴15bに螺合可能である。
ボルト120は、その軸線方向に沿ったボルト軸部122の先端部にシール部122aを備える。シール部122aは、軸線方向に沿って先端に向かうに従い徐々に縮径したテーパ状である。軸線方向に沿ったシール部122aの寸法は、負極端子16の軸方向に沿ったシール孔16bの寸法と同じである。また、シール部122aにおいて、ボルト軸部122の中心軸線に対する傾斜角度は、負極端子16の軸方向に沿ったシール孔16bの内周面における傾斜角度と同じである。
複数のバスバー110は、並設方向D2に沿って延在している四角形の金属板(例えばアルミニウム板)である。バスバー110は、ボルト軸部122が挿通されている一対の孔110aを有する。
二次電池モジュール100において、正極端子15のねじ穴15bには、ボルト120のボルト軸部122が、該ボルト軸部122をバスバー110の一方の孔110aに挿通させた状態で螺合されている。この状態において、バスバー110は、ボルト頭部121と、正極軸部52の先端面との間に挟持されている。これにより、バスバー110と、正極端子15とは、相互に連結され、電気的に接続されている。
また、負極端子16におけるねじ孔16cには、ボルト120のボルト軸部122が、該ボルト軸部122をバスバー110の孔110aに挿通させた状態で螺合されている。また、バスバー110は、ボルト120のボルト頭部121と、負極軸部72の先端面との間に挟持されている。これにより、バスバー110と、負極端子16とは、相互に連結され、電気的に接続されている。
そして、図4に示すように、ボルト軸部122のねじ孔16cへの螺進により、シール部122aの周面がシール孔16bの内周面に押し当てられている。そして、シール部122aのテーパ状の周面全体が、シール孔16bの内周面に密接して、ボルト軸部122とシール孔16bとの間に金属シールが形成され、シール孔16bが封止されている。
次に、二次電池モジュール100の作用を説明する。
負極端子16におけるねじ孔16cはボルト120のシール部122aによって封止されている。
負極端子16におけるねじ孔16cはボルト120のシール部122aによって封止されている。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)負極端子16において、ねじ孔16cよりも電流遮断部80寄りにシール孔16bを設けた。また、バスバー110を負極端子16に連結するためのボルト120の先端部にシール部122aを設けた。そして、ボルト120の負極端子16への螺合に伴い、シール部122aをシール孔16bに押し当てた。よって、シール孔16bの内周面全体にシール孔16bの周面が密接し、金属シールが形成される結果、シール孔16bが封止される。このため、液体や微細な異物がねじ孔16cに侵入しても、液体や異物のシール孔16bより奥への侵入が抑制でき、電流遮断部80を異物から保護することができる。
(1)負極端子16において、ねじ孔16cよりも電流遮断部80寄りにシール孔16bを設けた。また、バスバー110を負極端子16に連結するためのボルト120の先端部にシール部122aを設けた。そして、ボルト120の負極端子16への螺合に伴い、シール部122aをシール孔16bに押し当てた。よって、シール孔16bの内周面全体にシール孔16bの周面が密接し、金属シールが形成される結果、シール孔16bが封止される。このため、液体や微細な異物がねじ孔16cに侵入しても、液体や異物のシール孔16bより奥への侵入が抑制でき、電流遮断部80を異物から保護することができる。
(2)負極端子16のシール孔16bは、ねじ孔16cから電流遮断部80に向かうに従い縮径するテーパ状であり、ボルト120のシール部122aも先端に向かうに従い縮径するテーパ状である。このため、ボルト120のシール部122aをシール孔16bに押し込みやすく、シール孔16bを封止しやすい。
(3)電流遮断部80は、ケース11の内外を隔てている。二次電池10の製造時には、電流遮断部80がケース11の内外を気密に隔てているか否かを確認するための気密検査が行われ、この気密検査のために、電流遮断部80に連通したねじ孔16c及びシール孔16bを必要とする。また、ボルト120は、バスバー110を負極端子16に連結するための部品である。そして、二次電池モジュール100の製造に必要なシール孔16b及びボルト120を用いてシール孔16bを封止し、電流遮断部80を異物から保護することができる。よって、二次電池10に部品を追加せずに、電流遮断部80を異物から保護することができる。
(4)負極端子16とバスバー110との連結は、負極端子16のねじ孔16cにボルト120のボルト軸部122を螺合して行われる。ねじ孔16cにボルト軸部122を螺合するのに伴い発生する軸力により、シール部122aをシール孔16bに押し込むことができる。よって、シール孔16bの内周面にシール部122aの周面を強く押し当てることができる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
○ バスバー110と負極端子16とは、嵌合やリベットにより連結されていてもよい。例えば、連結部材として、頭部と、頭部から延在した嵌合軸部とを備えるものを採用する。また、負極端子16は、連結用凹部として、ねじ孔16cの代わりに嵌合孔を備える。そして、嵌合孔に、連結部材の嵌合軸部を嵌合してバスバー110を負極端子16に連結してもよい。この場合、嵌合軸部より先端側にシール部が設けられ、嵌合孔よりも電流遮断部80寄りにシール孔が設けられる。
○ バスバー110と負極端子16とは、嵌合やリベットにより連結されていてもよい。例えば、連結部材として、頭部と、頭部から延在した嵌合軸部とを備えるものを採用する。また、負極端子16は、連結用凹部として、ねじ孔16cの代わりに嵌合孔を備える。そして、嵌合孔に、連結部材の嵌合軸部を嵌合してバスバー110を負極端子16に連結してもよい。この場合、嵌合軸部より先端側にシール部が設けられ、嵌合孔よりも電流遮断部80寄りにシール孔が設けられる。
○ 実施形態では、バスバー110は異なる極性の電極端子同士を電気的に接続している、すなわち直列接続しているが、これに限らない。例えば、バスバー110は少なくとも一部において同じ極性の電極端子同士を電気的に接続、すなわち並列接続してもよい。
○ 実施形態では、正極軸部52にナット55が螺合されていることにより、正極端子15が蓋13に固定されているが、これに限らない。例えば、正極軸部52の一部をカシメることで正極端子15が蓋13に固定されていてもよい。負極も同様に、例えば、負極軸部72の一部をカシメることで負極端子16が蓋13に固定されていてもよい。
○ シール孔16b及びシール部122aは、テーパ状に縮径していなくてもよく、シール孔16b及びシール部122aは、それぞれ同一径であってもよい。
○ 正極端子15に電流遮断部80を設けてもよい。この場合、正極端子15のねじ穴15bより電流遮断部80寄りにシール孔が設けられる。
○ 正極端子15に電流遮断部80を設けてもよい。この場合、正極端子15のねじ穴15bより電流遮断部80寄りにシール孔が設けられる。
○ また、電流遮断部80の具体的な構成は変更してもよい。例えば、破断溝84は環状ではなく、負極溶接部分Pの外側に間隔を空けて設けられた凹部であってもよい。
○ 電極組立体14の具体的な構成は変更してもよい。例えば、正極電極21、負極電極22、セパレータ23の形状を変更してもよい。例えば、正面視正方形でもよい。さらに、電極組立体14は、帯状の正極電極と帯状の負極電極とが間にセパレータを介在させた状態で捲回された捲回型の電極組立体であってもよい。
○ 電極組立体14の具体的な構成は変更してもよい。例えば、正極電極21、負極電極22、セパレータ23の形状を変更してもよい。例えば、正面視正方形でもよい。さらに、電極組立体14は、帯状の正極電極と帯状の負極電極とが間にセパレータを介在させた状態で捲回された捲回型の電極組立体であってもよい。
○ 実施形態は、例えばキャパシタなど、二次電池以外の蓄電装置にも適用できる。
○ 二次電池10は、車載用に限らず、住宅などに用いる定置用でもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
○ 二次電池10は、車載用に限らず、住宅などに用いる定置用でもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記連結用凹部はねじ孔であり、前記連結部材は前記ねじ孔に螺合するボルト軸部を有するボルトである蓄電装置モジュール。
(ロ)前記一方の電極端子は負極端子である蓄電装置モジュール。
(ロ)前記一方の電極端子は負極端子である蓄電装置モジュール。
(ハ)前記蓄電装置は二次電池である蓄電装置モジュール。
10…蓄電装置としての二次電池、11…ケース、14…電極組立体、15…電極端子としての正極端子、15b…連結用凹部としてのねじ穴、16…電極端子としての負極端子、16b…シール孔、16c…連結用凹部としてのねじ孔、51…端子頭部としての正極頭部、52…端子軸部としての正極軸部、71…端子頭部としての負極頭部、72…端子軸部としての負極軸部、80…電流遮断部、85…変形板、100…蓄電装置モジュールとしての二次電池モジュール、110…バスバー、120…連結部材としてのボルト、122a…シール部。
Claims (2)
- 複数の蓄電装置を備えた蓄電装置モジュールであって、
前記蓄電装置は、
ケース内の電極組立体と電気的に接続され、かつ互いに極性の異なる一対の電極端子と、
一面に前記ケースの内部圧力が作用し、他面に前記ケースの外部圧力が作用する変形板を備えるとともに、前記ケースの内部圧力が設定圧力に達すると、前記電極組立体と一方の電極端子とを電気的に接続している通電経路の電流を遮断する電流遮断部と、を有し、
前記電極端子は、
前記ケースの内部に配置された端子頭部と、
前記端子頭部から前記ケースの外部に向けて突出した形状の端子軸部と、
前記端子軸部の先端面から凹設され、前記端子頭部と前記端子軸部とを繋ぐ方向に沿って延びる連結用凹部と、を有し、
前記蓄電装置モジュールは、
電極端子同士を電気的に接続しているバスバーと、
前記電極端子と前記バスバーとを連結するため、前記連結用凹部に挿入されている連結部材と、を備え、
前記電極端子は、前記連結用凹部よりも前記電流遮断部寄りで、かつ該電流遮断部に連通するシール孔を備えるとともに、前記連結部材は、前記シール孔を封止するシール部を備える蓄電装置モジュール。 - 前記シール孔は、前記端子軸部と前記端子頭部とを繋ぐ方向に沿って前記電流遮断部に向かうに従い縮径し、前記シール部は、前記連結部材の軸線方向に沿って先端に向かうに従い縮径している請求項1に記載の蓄電装置モジュール。
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