JP6546824B2 - Icタグ誤認識防止用仕切板 - Google Patents

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Description

本発明は、ICタグ誤認識防止用仕切板に関するものである。
倉庫などの物流施設などで使われるRFID(Radio Frequency IDentification)は、リーダライタ及びアンテナと無線ICタグ(本明細書では単に「ICタグ」という。)とにより、人や物品を管理する非接触式の情報認識技術である。なお、リーダライタには、内蔵アンテナを有するタイプや、外部アンテナをケーブルを介して接続するタイプ等があるが、本明細書でアンテナというときは内蔵アンテナも外部アンテナも含み、リーダライタというときはアンテナ以外のリーダライタ部をいうものとする。RFIDシステムでは、UHF帯域の周波数915〜950MHz(本明細書では単に「920MHz帯」という。)の電波が主流であり、通常、通信距離は数mで調整されている。
但し、各アンテナ間の電波干渉や壁からの反射電波による通信不良が発生して、ICタグを誤認識することがあり、ICタグの読取精度を高める対策が急務となっている。ICタグの読み取りは、アンテナとICタグが通信可能な距離であっても、読み取りができない位置(ヌル点という)が生じやすい。反対に、アンテナが発した電波と反射した電波が同位相となって強め合い、アンテナの電波だけでは通常読み取れない場所にあるICタグも誤って読み取ることも発生しやすい。
そこで、従来から、金属板の電波シールド材や電波吸収性の材料からなる仕切板が使われていたが、誤認識を防止することが困難であった。
特許文献1には、電磁波吸収布帛で電波を吸収させて誤認識防止を図る、非接触ICタグの区分け方法が記載されている。この先行技術では、基布の少なくとも片面にカーボンブラック、グラファイト又は炭素繊維ミルドファイバーを含む導電性樹脂層を30〜120g/mの範囲内で有し、1GHzにおける透過減衰量が−3〜−20dBの範囲内である非接触電波認識用電磁波吸収布帛で、電波を吸収させる。しかし、本発明者の検討によると、この程度の透過減衰量では、誤認識を防止できないことがあった。
また、アンテナを複数設置することやリーダライタの出力調整で、誤認識を防止する技術は知られているが、仕切板の位置や角度や厚さを認識システムとして調整する技術はなかった。ICタグの種類や配置具合が変更された場合は、リーダライタやアンテナの位置や距離や出力を調整する頻度が高い。
特許第5262341号公報
そこで、本発明の目的は、金属板並みの電波シールド性能を有するとともに、電波を大幅には吸収させずに層内で反射電波を緩やかに位相変化させることで、電波干渉を低減し回避しうるICタグ誤認識防止用仕切板を提供して、ICタグの誤認識を防止し、読取精度を高めることにある。
電波は波であり、その1秒当たりの振動数が周波数である。その波が1回振幅する間に伝播する距離を波長(λ)という。周波数1GHzの波長は、大凡30cmである。ここで、例えばポリエステル板であれば、比誘電率が約3.2であるため、層内の電波の波長は、大凡17cm(=30/√3.2)となる。仮に、炭素繊維を混合させることで、比誘電率が約10となった場合、層内の波長は、大凡9.5cmであり、λ/4型電波吸収体としての厚さが2.4cmとなるものと考えられる。
本発明者は、導電性繊維、非導電性繊維を異なる誘電率を有する材料としたり、繊維径や繊維長を異なる材料の混合とすることで、あるいは、結合材に導電性粉末、フェライトなどの磁性体の粉末、誘電率の高い化合物の粉末を混合することで、より電波の干渉が抑制され、誤認識を防止することが期待できると考え、さらに検討を重ねて本発明に到った。
(1)本発明のICタグ誤認識防止用仕切板は、
導電性繊維と非導電性繊維とこれらの繊維を結合する結合材との複合からなり、厚さが2〜30mmの範囲内であるICタグ誤認識防止用仕切板であって、
導電性繊維は、平均繊維長が25〜200mmの範囲内であり、仕切板の面方向及び厚さ方向に三次元的に分散しており、
920MHzにおける透過減衰量が−40〜−53dBの範囲内であり、かつ、反射減衰量が−0.6〜−1.8dBの範囲内であることを特徴とする。
(2)本発明のICタグ誤認識防止用仕切板の製造方法は、非導電性繊維と平均繊維長が25〜200mmの範囲内である導電性繊維とを混綿し、ニードルパンチ法により不織布とし、加熱後、冷間プレスすることで、厚さが2〜30mmの範囲内である仕切板に成形することを特徴とする。
[作用]
本発明のICタグ誤認識防止仕切板のメカニズムは、アンテナから発信された周波数920GHz帯の電波を、仕切板に含まれる導電性繊維によって乱反射させることで、ICタグの測定空間のすみすみまで、電波を送ることができるとともに、仕切板に含まれる導電性繊維の三次元的な繊維配向や繊維分散によって、反射電波のタイムラグによる波長のずれと反射方向がランダムとなり、一種の衝撃を和らげるクッショ二ング効果が得られ、アンテナからの発信電波と仕切板からの反射波による同位相や逆位相による過度の電波変動を抑制することができることによって、ICタグの読取精度を高めることができる、というものであり、新たな知見である。これらの効果が得られるため、本発明は、電波シールド性と電波吸収性を適度に有する仕切板とすることを見出したものである。
すなわち、アンテナ受信は、電波シールド性が低すぎると、希望範囲以外のICタグを読み取ることがあり、電波吸収性が高すぎると、すみすみまで電波を送ることができなく、低い数値を検出してしまうことが発生しやすくなる。
層内に平均繊維長が25mm以上200mm以下の導電性繊維を、板の厚さ方向に三次元的に分散させることで、反射電波に位相変化が生じ、電波の干渉が抑制され、(リーダライタからの電波と反射による逆位相の電波が打ち消し合う「フェ―シング」であるヌル点を抑制することで)誤認識を防止できる。リーダライタとICタグとの通信可能な距離内に、本発明の防止用仕切板で覆うことで、内部のICタグの読取精度を高めることができる。つまり、電波シールド性能は金属板並みに有しており、かつ、電波吸収性能を低く制御したICタグ誤認識防止用仕切板を利用することで、従来の課題を解決した。
導電性繊維の平均繊維長が25mm未満であると、ニードルパンチ時に繊維の落下が多くなり、200mmを超えると、繊維が詰まりやすくなる。
導電性繊維の厚さが2mm未満であると、電波の位相変化が生じにくくなり、厚さが30mmを超えると、1/λ型の電波吸収体なみのスペースとなり、誤認識もしやすくなる。
非導電性繊維が含まれることにより、導電性繊維の接触点が減少し、適度な電波吸収性が得られる。
ニードルパンチすることで、導電性繊維が三次元的に絡まり、電波の反射の方向性が減少し、電波干渉が抑制できる。
透過減衰量が−21dB未満であると、電波をシールドできず、隣のICタグを誤認識してしまい、−53dBを超えると、金属板の全反射となりやすい。好ましくは−40〜−53dBであり、より好ましくは−50〜−53dBである。
反射減衰量が−0.3未満であると、ほとんど電波吸収を期待できず、−3.6dBを超えると、電波吸収が著しく高くなり、ICタグを感知する電波感度が低下する。好ましくは−0.4〜−2.4dBであり、より好ましくは−0.6〜−1.8dBである。
本発明によれば、金属板並みの電波シールド性能を有するとともに、電波を大幅には吸収させずに層内で反射電波を緩やかに位相変化させることで、電波干渉を低減し回避しうるICタグ誤認識防止用仕切板を提供して、ICタグの誤認識を防止し、読取精度を高めることができるという優れた効果を奏する。
本発明によるICタグ誤認識防止用仕切板(面材付き)の(a)は断面図、(b)は拡大断面図、(c)は特性を説明する図である。 同仕切板の使用例を示す概略図である。 同仕切板の位置又は角度を変更する構造例の概要図である。 同仕切板の厚さを変更する構造例の概要図である。
図1に示すように、ICタグ誤認識防止用仕切板1は、導電性繊維2(例えば、炭素繊維)と非導電性繊維3(例えば、芯鞘構造ポリエステル繊維の芯材)とこれらの繊維を結合する結合材4(例えば、芯鞘構造ポリエステル繊維の鞘材溶着部)との複合からなり、厚さが2〜30mmの範囲内である板状体である。導電性繊維2は、平均繊維長が25〜200mmの範囲内であり、仕切板の面方向及び厚さ方向に三次元的に分散している。ICタグ誤認識防止用仕切板1の片面又は両面に、面材5(例えば、低融点ポリエチレンフィルム)を貼り付けてもよい。ICタグ誤認識防止用仕切板1の920MHzにおける透過減衰量は−40〜−53dBの範囲内であり、かつ、反射減衰量は−0.6〜−1.8dBの範囲内である。
図2に使用例を示す。このICタグ誤認識防止用仕切板1は、例えば、図2(a)に示すように、通信可能な距離内に配されたアンテナと認識させたいICタグとを取り囲むように設置することができる。上述したとおり、ICタグ誤認識防止用仕切板1による乱反射で測定空間のすみすみまで電波を送る作用や、同位相や逆位相による過度の電波変動を抑制する作用が得られ、ICタグの読取精度を高めることができる。アンテナの角度、感度調整を行い、また、複数のアンテナ、リーダライタを用いて、読み取り率を向上させることも可能である。
また、このICタグ誤認識防止用仕切板1は、図2(b)に示すように、ICタグ付き物品が通過するように設けたリーダライタとアンテナを有する第1ゲートと、同じく第2ゲートとの間に、これらを仕切るように仕切板を設置することもできる。上記作用に加え、互いに別のゲートを通過するICタグを認識しないように、ICタグ誤認識防止用仕切板1で読み取り範囲を狭める制御をする。
1.導電性繊維
導電性繊維としては、特に限定されないが、炭素繊維、金属繊維、金属にて被覆された繊維等を例示でき、これらから選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。なお、低温処理による耐炎繊維は、ほぼ非導電性であり、本発明における導電性繊維には含まれない。
炭素繊維の場合は、製法により、ピッチ系、PAN系等があるが、特に限定されない。炭素繊維の場合、含有量は25g/m以上であることが好ましく、130g/m以上であることがより好ましい。25g/m未満であると、分散ムラにてシールド不足が生じやすく、130g/m以上であると、特にシールド性が高くなる。
2.非導電性繊維
非導電性繊維としては、特に限定されないが、ガラス繊維、鉱物繊維、セラミック繊維、シリカ繊維等の無機繊維や、ポリエステル繊維(ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリブチレンテレフタレート(PBT)繊維等)、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン(PE)繊維、ポリプロピレン(PP)繊維等)、ビニロン繊維、レーヨン繊維、ナイロン繊維、ポリカ―ボネート繊維、ポリアセタ―ル繊維、アクリル繊維等の合成繊維や、綿、竹、麻等の天然繊維を例示でき、これらから選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。これらのうち、ガラス繊維、ポリエステル繊維、ポリオレフィン系樹脂繊維が好ましい。特にポリエステル繊維は、軽量であり、チクチク感がないこと、自己消火性があり、誘電率が比較的高く、価格が安価であることから好ましい。
また、非導電性繊維は、相対的に高融点である芯材と相対的に低融点である鞘材とからなる芯鞘構造繊維の、鞘材のみが熱溶融した後の芯材であってもよい。
3.結合材
結合材は、無機系でも有機系でもよい。無機系としては、特に限定されないが、シリカゾル、アルミナゾル、ジルコニアゾル、チタニアゾル、リン酸アルミニウム系、硫酸アルミニウム系、珪酸ソーダ、セラミック系接着剤、鉱物系粘土、セメント類を例示できる。有機系としては、特に限定されないが、酢酸ビニール系、ポリビニールアルコール系、ポリビニールアセタ―ル系、塩化ビニール系、アクリル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、セルロース系、ポリエステル系、ユリア系、レゾルシノ―ル系、メラミン系、フェノール系、エポキシ系、ポリウレタン系、ポリイミド系、ポリアロマティック系の樹脂、クロロプレン系、二トリルゴム系、SBR系、ポリサルファイド系、ブチルゴム系、シリコーンゴム系のエラストマー系、デンプン、カゼイン、にわか、アスファルト、タールの天然系を例示できる。結合材は、これらの単体でもよいし、2種以上の複合としたものでもよい。これらを液状で含浸塗布したり、粉末で散布したりすることで、乾燥加熱工程を得て、繊維を結合することができる。
また、結合材は、上述した芯鞘構造繊維の鞘材が溶融して繊維間を熱溶着したものでもよいし、非導電性繊維に混合されていた同非導電性繊維に対し相対的に低融点である合成繊維が溶融して繊維間を熱溶着したものでもよい。これらの結合材は、加熱工程で繊維間を結合できるので、製法上容易で好ましい。
4.面材
仕切板の片面又は両面にシート状の面材が積層されてもよい。面材の材料としては、特に限定されないが、ポリオレフィン系樹脂、建材用の透湿フィルム、壁紙等を例示できる。ポリオレフィン系樹脂は、燃焼時に塩素ガスや塩化水素ガス等の有毒ガスが発生せず、環境ホルモンとの関連性もなく、約800℃以下で焼却してもダイオキシンが発生しないことから好ましい。また、ポリオレフィン系樹脂に、例えば金属水酸化物などのハロゲン元素を含まない防炎難燃化合物を加えることにより、防炎性及び難燃性を向上させることができる。
5.仕切板の位置又は角度を変更する構造
仕切板にその少なくとも一部の位置又は角度の一方又は両方を変更する構造を付加することが好ましい。仕切板の位置又は角度を変更して調整することで、ICタグの種類や配置具合が変更されても、リーダライタの出力やアンテナの位置又は距離を調整することなく、より高い読取環境を短時間で提供できる。
仕切板の位置又は角度を変更する構造としては、特に限定されないが、次の態様を例示できる。
(1)図3(a)に示すように、キャスタ15により変位可能なスタンド10に仕切板1を傾動可能に軸着し、所定の傾動角度とした仕切板1をつまみ11で止める構造。
(2)図3(b)に示すように、キャスタ25により変位可能な基部21と、これに傾動可能に軸着した柱部22と、所定の傾動角度とした柱部22を基部21に連結して止めるアーム23とからなるアジャスター20を用い、柱部22に仕切板1を取り付けた構造。
これらの他にも、立体フレームに仕切板を取り付けたり、ボールネジの駆動で仕切板の前後送りや角度調整を手動または自動送りで任意に設計できるようにした構造、固定治具等の交換取付等を例示できる。
本発明では導電性繊維の平均繊維長を25mm以上としていることで、仕切板の電波による入射角により、反射減衰量が変化する現象を有効に利用できる。これらの角度については、明確な法則性がないが、ICタグの種類が変わっても、入射角の差による複数データで処理判断することで、高い読取感度を得ることができる。
6.仕切板の厚さを変更する構造
仕切板にその少なくとも一部の厚さを変更する構造を付加することが好ましい。仕切板の厚さを変更して調整することで、ICタグの種類や配置具合が変更されても、リーダライタの出力やアンテナの位置又は距離を調整することなく、より高い読取環境を短時間で提供できる。
仕切板の厚さを変更する構造としては、特に限定されないが、次の態様を例示できる。
(1)図4に示すように、仕切板1を両側から非導電性の樹脂板30等で挟みこみ、ネジ32を締めて圧縮する構造。樹脂板30は、図4(a1)(a2)のように穴のない板でもよいし、図4(b1)(b2)のように複数の穴31(図示例は格子配列)のある板でもよい。複数の穴31のある板で仕切板1を圧縮すると、仕切板1が穴31に食い込むため、仕切板1の厚さに変化が生じる。
(2)仕切板を所々をステープルで圧縮して止める構造。
仕切板は、嵩密度を10〜100kg/mとすることで、柔軟性と圧縮復元性のあるものが得られ、厚さを調整することができる。厚さを圧縮すれば、透過減衰量は増加し、反射減衰量は低減する。厚さを拡大すれば、その反対の性能となる。仕切板を積層し、コア材にウレタン発泡等のクッション性に優れたものを入れた場合、柔軟性のない嵩密度の高い仕切板であっても、仕切板の隙間距離が変化できるため、同様の効果が得られる。
以下、本発明を具体化した実施例のICタグ誤認識防止用仕切板について説明する。表1に、実施例及び比較例の各材料の配合等を示す。但し、実施例6,7,9は参考例である。なお、実施例で記す材料、構成、数値は例示であって、適宜変更できる。
Figure 0006546824
実施例1〜8及び比較例1では、導電性繊維は炭素繊維であり、非導電性繊維は芯鞘構造PET繊維の鞘材のみが熱溶融した後の芯材であり、結合材はその鞘材が溶融して繊維間を熱溶着したものである。炭素繊維は、繊維長50mm、平均繊維径6μmのPAN系繊維である。芯鞘構造PET繊維は、繊維長38mm、繊度2デニールであり、芯材は融点253℃のPET、鞘材は融点130℃のPETである。
実施例9,10では、導電性繊維は金属繊維であり、非導電性繊維はPET繊維であり、結合材はPP繊維が溶融して繊維間を熱溶着したものである。金属繊維は、繊維長50mm、平均繊維径12μmのステンレス鋼(SUS316)繊維である。PET繊維は、繊維長50mm、繊度4デニール、融点255℃である。PP繊維は、融点158℃であり、カーボン粉が0.5質量%が入ったものである。
また、実施例1,2,3,8は、仕切板の両面に面材が貼り付けられている。面材は、厚さ35μm、融点120℃のポリエチレンフィルムである。
比較例2では、導電性繊維は実施例1等と同じ炭素繊維であり、非導電性繊維は無く、結合材は融点158℃のPP繊維が溶融して繊維間を熱溶着したものである。
比較例3は、厚さ2mmの単なる銅板である。
比較例4は、仕切板を用いない場合である。
比較例5は、建材用の電波吸収体(日東紡績株式会社の商品名「ソ―ラトンST12−ES−600」)である。
実施例1〜10及び比較例1,2の仕切板は、導電性繊維と非導電性繊維と結合材用繊維とを混綿し、ニードルパンチ法により乾式混繊して不織布とし、190℃の乾燥炉内で5分加熱して、上記低融点の鞘材又は結合材用繊維を溶融させた後、冷間プレス機で定圧寸法に加圧することで、板状に成形して作製した(図1を参照)。面材は、不織布に積層し、同時に加圧成形することで、一体化貼付した。
各実施例及び比較例の仕切板について、次の測定・試験を行った。その結果を表1に示す。
(1)透過減衰量
透過減衰量の測定は、関西電子工業振興センター法(KEC法)に従い、周波数920MHz、n=3で測定を行い、周波数920MHzの電界の透過減衰量(dB)の平均値を採用した。
(2)反射減衰量
反射減衰量の測定は、低周波用μストリップライン方式の電波反射減衰量測定装置を用い、周波数920MHzで測定を行った。試験体のサイズは、1000mm×300mmとした。
(3)ICタグの認識試験
上述した図2(b)のように、920MHz帯対応の据え置き型リーダライタと2個のアンテナを有する第1ゲートと、同じく第2ゲートとの間に、これらを仕切るように各実施例及び比較例の仕切板を設置し、ICタグ付き物品12個入りの段ボール箱を3箱積層した台車を各ゲートに同時にくぐらせたときに、それぞれのICタグの数を読み取りし、読取精度として、全て正確に読み取りできた場合を◎、1個不可の場合を○、2個以上不可の場合を×と評価した。
比較例1では、金属板のように電波反射性が高く、十分な位相変化が得られなかったため、誤認識を防止できなかったものと考える。
比較例2では、結合材が多すぎたため、厚さの均一な板状とならず、特に表面の炭素繊維が2次元的に面接触となり、炭素繊維の交点が増加したため、十分な位相変化が得られず、誤認識を防止できなかったものと考える。
比較例3では、金属板であるため、電波反射性が高く、ヌル点を抑制できず、誤認識を防止できなかったものと考える。
比較例4では、仕切板がないため、電波がすり抜け、隣のタグを読み取ってしまうという誤認識を防止できなかったものと考える。
比較例5では、電波吸収体の電波吸収性能が高いため、ICタグの感知性能が低下したものと考える。
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、例えば次のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することができる。
(1)仕切板の背面に、金属箔や金属薄板を貼りつけたり、空気層を設けて設置してもよい。
(2)仕切板は、平面以外にも、曲面や凹凸面にして用いたり、立体成形品、多面体、箱状に組み付けることもできる。
(3)仕切板は、平板に溝部を設けて、曲げたり、折ることもできる。
1 ICタグ誤認識防止用仕切板
2 導電性繊維
3 非導電性繊維
4 結合材
5 面材

Claims (8)

  1. 導電性繊維と非導電性繊維とこれらの繊維を結合する結合材との複合からなり、厚さが2〜30mmの範囲内であるICタグ誤認識防止用の仕切板であって、
    導電性繊維は、平均繊維長が25〜200mmの範囲内であり、仕切板の面方向及び厚さ方向に三次元的に分散しており、
    920MHzにおける透過減衰量が−40〜−53dBの範囲内であり、かつ、反射減衰量が−0.6〜−1.8dBの範囲内であることを特徴とするICタグ誤認識防止用仕切板。
  2. 導電性繊維は、炭素繊維であり、130g/m以上含まれる請求項1記載のICタグ誤認識防止用仕切板。
  3. 非導電性繊維は、相対的に高融点である芯材と相対的に低融点である鞘材とからなる芯鞘構造繊維の、鞘材のみが熱溶融した後の芯材である請求項1又は2記載のICタグ誤認識防止用仕切板。
  4. 結合材は、鞘材が溶融して繊維間を熱溶着したものである請求項3記載のICタグ誤認識防止用仕切板。
  5. 結合材は、非導電性繊維に混合されていた同非導電性繊維に対し相対的に低融点である合成繊維が溶融して繊維間を熱溶着したものである請求項1〜4のいずれか一項に記載のICタグ誤認識防止用仕切板。
  6. 仕切板の片面又は両面にシート状の面材が積層された請求項1〜5のいずれか一項に記載のICタグ誤認識防止用仕切板。
  7. 仕切板にその少なくとも一部の位置及び角度の一方又は両方を変更する構造が付加された請求項1〜6のいずれか一項に記載のICタグ誤認識防止用仕切板。
  8. 仕切板にその少なくとも一部の厚さを変更する構造が付加された請求項1〜7のいずれか一項に記載のICタグ誤認識防止用仕切板。
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