JP6544971B2 - 光学系及び撮像装置 - Google Patents
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Description
Ndi ≧ −0.014×νdi+2.5 ・・・(2)
1−1.光学系の基本構成
本実施の形態の光学系は、回折面を含むレンズ群を少なくとも一群備え、当該回折面を含むレンズ群のうち少なくともいずれかを回折面を含む所定のレンズ群とし、当該回折面を含む所定のレンズ群において、当該レンズ群全体が示す屈折力と同符号の屈折力を有するレンズのうち、最も屈折力の大きいレンズを第1のレンズとし、当該回折面を含む所定のレンズ群において、当該レンズ群全体が示す屈折力と同符号の屈折力を有するレンズのうち、前記第1のレンズ以外の少なくともいずれか一のレンズを第iのレンズとしたとき、第1のレンズが後述する条件式(1)を満足し、第iのレンズが後述する条件式(2)を満足することを特徴とする。以下、当該光学系の構成について説明する。
まず、回折面を含むレンズ群について説明する。回折面を含むレンズ群とは、当該レンズ群を構成する光学要素のうち、少なくともいずれか一の光学要素の光学面が回折面であることを意味する。
次に、回折面を含む所定のレンズ群のレンズ構成について説明する。当該所定のレンズ群は、上記第1のレンズと上記第iのレンズの少なくとも2枚のレンズを含み、当該レンズ群内に回折面が含まれるものであれば、その他の具体的なレンズ構成は特に限定されるものではない。第1のレンズ及び/又は第iのレンズの光学面が上記回折面であってもよいし、当該レンズ群を構成する第1のレンズ及び第iのレンズ以外のレンズの光学面が上記回折面であってもよい。当該回折面を含む所定のレンズ群の具体的なレンズ構成は特に限定されるものではないが、より良好な色収差補正を行うと共に、当該光学系の大型化・重量化を防止するという観点から、当該レンズ群を構成するレンズ枚数は3枚以上6枚以下であることが好ましい。
次に、第1のレンズについて説明する。第1のレンズは、上記回折面を含む所定のレンズ群を構成する光学要素の一つで、当該所定のレンズ群と同符号の屈折力を有するレンズのうち、最も屈折力の大きいレンズである。すなわち、回折面を含む所定のレンズ群全体が示す屈折力が正である場合、第1のレンズの屈折力は正であり、当該回折面を含む所定のレンズ群全体が示す屈折力が負である場合、第1のレンズの屈折力は負である。第1のレンズは、当該所定のレンズ群全体と同符号であり、且つ、最大の屈折力を有するレンズであるため、雰囲気温度が変化したときに、第1のレンズの光学特性が変化すると、当該回折面を含むレンズ群の光学特性も変化する恐れが高い。その結果、当該光学系の光学特性も変化し、特に、焦点距離、ピント位置、バックフォーカス量などが変化すると、像面に正しく被写体像を結像することができなくなり、結像性能が著しく低下する恐れがある。そこで、本実施の形態の光学系では、第1のレンズを条件式(1)を満足するレンズとすることにより、後述するとおり、雰囲気温度の変化に伴う当該第1のレンズの光学特性の変化を抑制することができ、当該光学系の焦点距離、ピント位置、バックフォーカス量等の変化を抑制して、高い結像性能を維持することができる。なお、条件式(1)については、後で詳細に説明する。
第iのレンズは、第1のレンズと同様に、上記回折面を含む所定のレンズ群を構成する光学要素の一つで、当該所定のレンズ群全体が示す屈折力と同符号の屈折力を有する。第iのレンズの屈折力は第1のレンズよりも小さい。このため、雰囲気温度が変化したときに当該第iのレンズの光学特性が変化しても、上記回折面を含む所定のレンズ群の光学特性の変化を抑制することができる。また、第iのレンズを条件式(2)を満足するレンズとすることにより、後述するとおり、色収差等の補正をより良好に行うことができ、結像性能の高い光学系を得ることができる。なお、条件式(2)についても、後で詳細に説明する。
当該光学系は、上記回折面を含むレンズ群以外に、回折面を含まないレンズ群を備えていてもよい。回折面を含まないレンズ群の屈折力の符号やレンズ構成などは特に限定されるものではなく、適宜、当該光学系に要求される光学特性に応じて適切な態様を採用することができる。
当該光学系が単焦点光学系である場合、2群構成、3群構成等の種々のレンズ群構成を採用することができ、レンズ群の数、パワー配置、各レンズ群の具体的なレンズ構成等は特に限定されるものではない。例えば、物体側から順に、負の屈折力を有するレンズ群と、正の屈折力を有するレンズ群の二群構成、物体側から順に、正の屈折力を有するレンズ群と、正の屈折力を有するレンズ群の二群構成、物体側から順に、正の屈折力を有するレンズ群、正の屈折力を有するレンズ群、負の屈折力を有するレンズ群の三群構成、物体側から順に、正の屈折力を有するレンズ群、負の屈折力を有するレンズ群、正の屈折力を有するレンズ群の三群構成、物体側から順に、負の屈折力を有するレンズ群、正の屈折力を有するレンズ群、正の屈折力を有するレンズ群の三群構成等が挙げられる。
当該光学系が変倍光学系である場合、複数のレンズ群を備え、広角端から望遠端への変倍時に各レンズ群間の間隔を変化させることにより、焦点距離を変化させるものであれば、レンズ群の数やパワー配置、各レンズ群の具体的なレンズ構成、変倍時の各レンズ群の動作等は特に限定されるものではない。
当該光学系を2群構成の変倍光学系とする場合、上記回折面を含む正の屈折力を有するレンズ群を少なくとも一群備え、広角端から望遠端への変倍時に第1レンズ群と第2レンズ群との間隔を変化させるように各レンズ群を相対的に移動させることが好ましい。例えば、物体側から順に、負の屈折力を有する第一レンズ群と、回折面を含む正の屈折力を有する第二レンズ群とを備えた負・正の2群構成とすることができる。この場合、広角端から望遠端への変倍時に、第1レンズ群と第2レンズ群との間隔が小さくなるように第1レンズ群及び/又は第2レンズ群を移動させることが好ましい。
当該光学系を3群構成の変倍光学系とする場合、上記回折面を含む正の屈折力を有するレンズ群を少なくとも一群備え、広角端から望遠端への変倍時に各レンズ群の間隔を変化させるように各レンズ群を相対的に移動させることが好ましい。
当該光学系を4群構成の変倍光学系とする場合、上記回折面を含む正の屈折力を有するレンズ群を少なくとも一群備え、広角端から望遠端への変倍時に各レンズ群の間隔を変化させるように各レンズ群を相対的に移動させることが好ましい。
当該光学系を5群構成の変倍光学系とする場合、上記回折面を含む正の屈折力を有するレンズ群を少なくとも一群備え、広角端から望遠端への変倍時に各レンズ群の間隔を変化させるように各レンズ群を相対的に移動させることが好ましい。
なお、本件発明に係る光学系が単焦点光学系及び変倍光学系のいずれの場合であっても、当該光学系に含まれるレンズ群のうち、いずれか一のレンズ群の全部又は一部を光軸に垂直方向に移動させて、撮像時の振動等に起因する像ブレ等を補正する防振群として用いてもよい。
次に、本件発明に係る光学系において、上述したとおり、第1のレンズは以下の条件式(1)を満足し、第iのレンズは以下の条件式(2)を満足する。また、当該光学系は、後述する条件式(3)から条件式(19)を満足することが好ましい。以下、各条件式について、順に説明する。
Ndi ≧ −0.014×νdi+2.5 ・・・(2)
条件式(1)は、第1のレンズが満足すべき条件である。条件式(1)を満足する場合、雰囲気温度が変化したときの単位温度あたりの当該第1のレンズの屈折率の変化量が小さい。上述したとおり、第1のレンズは、当該所定のレンズ群と同符号の屈折力を有するレンズのうち、最も屈折力の大きいレンズである。条件式(1)を満足するレンズは、雰囲気温度が変化したときの屈折率の変化が小さい。このため、第1のレンズを条件式(1)を満足するレンズとすることにより、雰囲気温度が変化したときに第1のレンズの光学特性の変化を抑制することができる。その結果、当該光学系の光学特性、特に、焦点距離、ピント位置、バックフォーカス量等の変化を抑制することができる。また、球面収差の変動を良好に抑制することができる。これらのことから、雰囲気温度が変化したときも、当該光学系の結像性能を維持することができる。
条件式(2)は、第iのレンズを構成する材料(硝材)の光学特性に関する式である。硝材のアッベ数を横軸とし、縦軸をd線に対するその硝材の屈折率とした硝材特性図において、「−0.014×νdi+2.5」で表される直線上、或いは、その直線よりも大きい屈折率を示す硝材からなる第iのレンズを含むことで、色収差等の補正をより良好に行うことができ、高い結像性能を有する光学系を得ることができる。ここで、条件式(2)を満足する硝材は、いわゆる異常低分散材に該当するものが多く、雰囲気温度が変化したときに光学特性が変化する恐れが高い。しかしながら、上述したとおり、第iのレンズの屈折力は、第1のレンズの屈折力よりも小さい。このため、雰囲気温度が変化したときに当該第iのレンズの光学特性が変化しても、当該光学系の光学特性の変化を抑制することができ、高い結像性能を維持することができる。
当該光学系において、第1のレンズが以下の条件式(3)を満足することが好ましい。
但し、「Nd1」は、前記第1のレンズのd線に対する屈折率であり、「νd1」は、前記第1のレンズのd線に対するアッベ数である。
当該光学系において、第1のレンズが以下の条件式(4)を満足することが好ましい。
但し、「αP1」は、前記第1のレンズの0℃以上40℃以下の温度範囲を含む所定の温度範囲における平均線膨張係数αの値である。ここで、所定の温度範囲は、例えば、−30℃以上70℃以下の温度範囲とすることができ、当該温度範囲における平均膨張係数であることが好ましい。−30℃以上70℃以下の温度範囲における平均線膨張係数α(−30/70)の値が不明である場合は、0℃以上40℃以下の温度範囲を含み、−50℃以上90℃以下の任意の温度範囲における平均膨張係数αを用いてもよい。
αP1×107 < 90 ・・・(4−b)
当該光学系において、上記回折面を含む所定のレンズ群が以下の条件式(5)を満足することが好ましい。
但し、「Fg」は、上記回折面を含む所定のレンズ群の焦点距離であり、「Pw1」は、第1のレンズの屈折力である。
−25 < dndtP1×Fg×Pw1×107 < 25 ・・・(5−b)
当該光学系において、上記回折面を含む所定のレンズ群は、第1のレンズ及び第iのレンズの他に、少なくとも1枚のレンズを備え、以下の条件式(6)を満足することが好ましい。
0 < Σdoe{νdx/fx}×ft ≦ 35 ・・・(6−c)
上記回折面を上述した位相差関数式φ(h)で表したときに、当該光学系は以下の条件式(7)を満足することが好ましい。
但し、「C01」は上述のとおり回折面係数であり、「h」は同径方向における光軸からの長さであり、「Fg」は上記回折面を含む所定のレンズ群の焦点距離である。
また、上記回折面を上述した位相差関数式φ(h)で表したときに、当該光学系は以下の条件式(8)を満足することが好ましい。
但し、「C01」は、上述のとおり回折面係数であり、「ωw」は、当該光学系が示し得る最小焦点距離における半画角であり、「fw」は当該光学系が示し得る最小焦点距離である。なお、当該光学系が示し得る最小焦点距離とは、当該光学系が単焦点光学系である場合は当該光学系の焦点距離であり、当該光学系が変倍光学系である場合には広角端における当該光学系の焦点距離である。
当該光学系は、以下の条件式(9)を満足することが好ましい。
但し、「f」は、当該光学系全系が示し得る任意の焦点距離であり、「Δ(d−s)」は、当該光学系全系が示し得る任意の焦点距離におけるd線に対するs線の近軸結像位置であり、「s線」は、852.11nmの波長の光線である。
−0.01≦ TΔ(d−s)/fT ≦ 0.01・・・(9−b)
−0.005≦ TΔ(d−s)/fT ≦ 0.005・・・(9−b)’
当該光学系において、回折面を有するレンズは、以下の条件式を満足することが好ましい。
当該光学系において、回折面を有するレンズは、以下の条件式を満足することが好ましい。但し、当該回折面を有するレンズは、条件式(11)の場合と同じである。
当該光学系では、回折面を含む所定のレンズ群において、以下の条件式(12)を満足することが好ましい。
当該光学系において、以下の条件式(13)を満足することが好ましい。
但し、「Pw1」及び「fw」は上述したとおりである。
当該光学系において、以下の条件式(14)を満足することが好ましい。
但し、「Pw1」及び「ft」は上述したとおりである。
当該光学系では、上記回折面を含む所定のレンズ群において、当該レンズ群全体が示す屈折力と同符号の屈折力を有するレンズのうち、二番目に屈折力の大きいレンズを第2のレンズとしたとき、第1のレンズ及び前記第2のレンズが以下の条件式(15)を満足することが好ましい。
当該光学系において、第1のレンズ及び上記第2のレンズが以下の条件式(16)を満足することが好ましい。
−200<(dndtP1×Pw1+dndtP2×Pw2)×√(fw×ft)×10 7 <100・・・(16)
当該光学系において、上記第2のレンズは以下の条件式(17)を満足することが好ましい。
当該光学系において、最も物体側に配置されると共に正の屈折力を有する第一レンズ群を備え、当該第一レンズ群は、二枚のレンズからなる接合レンズを少なくとも一つ含み、当該第一レンズ群において、最も物体側に配置される接合レンズは以下の条件式(18)を満足することが好ましい。
当該光学系において、上記第一レンズ群を備える場合、当該第一レンズ群は、上記接合レンズに加えて両面が空気層に接する単レンズとを含み、以下の条件式(19)を満足することが好ましい。
次に、本件発明に係る撮像装置について説明する。本件発明に係る撮像装置は、上記本件発明に係る光学系と、当該光学系の像面側に設けられた、当該光学系によって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備えたことを特徴とする。ここで、撮像素子等に特に限定はなく、CCDセンサやCMOSセンサなどの固体撮像素子等も用いることができる。本件発明に係る撮像装置は、デジタルカメラやビデオカメラ等のこれらの固体撮像素子を用いた撮像装置に好適である。また、当該撮像装置は、レンズが筐体に固定されたレンズ固定式の撮像装置であってもよいし、一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラ等のレンズ交換式の撮像装置であってもよいのは勿論である。
図1は、本件発明に係る実施例1の光学系の広角端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図であり、図2は望遠端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図である。当該光学系は、焦点距離が可変の変倍光学系であり、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群1Gと、正の屈折力を有する第2レンズ群2Gとから構成される。
次に、当該光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表1に当該光学系のレンズデータを示す。表1において、「面No.」は物体側から数えたレンズ面の順番(面番号)、「r」はレンズ面の曲率半径、「d」はレンズ面の光軸上の間隔、「Nd」はd線(波長λ=587.6nm)に対する屈折率、「νd」はd線に対するアッベ数をそれぞれ示している。また、レンズ面が非球面である場合には、面番号の後に「*(アスタリスク)」を付している。また、レンズ面が回折面である場合には、面番号の後に「♯(シャープ)」を付している。レンズ面が非球面及び/又は回折面である場合は、曲率半径「r」の欄には曲率半径を示している。
図5は、本件発明に係る実施例2の光学系の広角端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図であり、図6は望遠端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図である。当該光学系は、焦点距離が可変の変倍光学系であり、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群1Gと、負の屈折力を有する第2レンズ群2Gと、正の屈折力を有する第3レンズ群3Gとから構成されている。
次に、当該光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表4は、当該光学系のレンズデータであり、表5(5−1)は、表4に示した非球面の非球面係数であり、表5(5−2)は当該光学系の広角端、中間焦点距離、望遠端のそれぞれにおける焦点距離(F)、F値(Fno)、半画角(ω)、光軸上の各可変間隔を示す。表5(5−3)は、当該光学系が備える各レンズ群の焦点距離であり、f1は第1レンズ群1Gの焦点距離、f2は第2レンズ群2Gの焦点距離、f3は第3レンズ群3Gの焦点距離を示す。表6は、第3レンズ群3Gに含まれる回折面について、その面番号(面No)、回折次数(m)、規格化波長(λ)、回折面係数(C01、C02、C03、C04)を示す。また、条件式(1)〜条件式(19)の数値を表19に示す。
図9は、本件発明に係る実施例3の光学系の広角端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図であり、図10は望遠端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図である。当該光学系は、焦点距離が可変の変倍光学系であり、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群1Gと、負の屈折力を有する第2レンズ群2Gと、正の屈折力を有する第3レンズ群3Gとから構成されている。
次に、当該光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表7は、当該光学系のレンズデータであり、表8(8−1)は、表7に示した非球面の非球面係数であり、表8(8−2)は当該光学系の広角端、中間焦点距離、望遠端のそれぞれにおける焦点距離(F)、F値(Fno)、半画角(ω)、光軸上の各可変間隔を示す。表8(8−3)は、当該光学系が備える各レンズ群の焦点距離であり、f1は第1レンズ群1Gの焦点距離、f2は第2レンズ群2Gの焦点距離、f3は第3レンズ群3Gの焦点距離を示す。表9は、第1レンズ群1G及び第3レンズ群3Gに含まれる回折面について、その面番号(面No)、回折次数(m)、規格化波長(λ)、回折面係数(C01、C02、C03、C04)を示す。また、条件式(1)〜条件式(19)の数値を表19に示す。
図13は、本件発明に係る実施例4の光学系の広角端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図であり、図14は望遠端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図である。当該光学系は、焦点距離が可変の変倍光学系であり、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群1Gと、正の屈折力を有する第2レンズ群2Gと、負の屈折力を有する第3レンズ群3Gと、正の屈折力を有する第4レンズ群4Gとから構成されている。
次に、当該光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表10は、当該光学系のレンズデータであり、表11(11−1)は、表10に示した非球面の非球面係数であり、表11(11−2)は当該光学系の広角端、中間焦点距離、望遠端のそれぞれにおける焦点距離(F)、F値(Fno)、半画角(ω)、光軸上の各可変間隔を示す。表11(11−3)は、当該光学系が備える各レンズ群の焦点距離であり、f1は第1レンズ群1Gの焦点距離、f2は第2レンズ群2Gの焦点距離、f3は第3レンズ群3Gの焦点距離、f4は第4レンズ群4Gの焦点距離を示す。表12は、第2レンズ群2Gに含まれる回折面について、その面番号(面No)、回折次数(m)、規格化波長(λ)、回折面係数(C01、C02、C03、C04)を示す。また、条件式(1)〜条件式(19)の数値を表19に示す。
図17は、本件発明に係る実施例5の光学系の広角端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図であり、図18は望遠端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図である。当該光学系は、焦点距離が可変の変倍光学系であり、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群1Gと、負の屈折力を有する第2レンズ群2Gと、正の屈折力を有する第3レンズ群3Gと、正の屈折力を有する第4レンズ群4Gとから構成されている。
次に、当該光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表13は、当該光学系のレンズデータであり、表14(14−1)は、表13に示した非球面の非球面係数であり、表14(14−2)は当該光学系の広角端、中間焦点距離、望遠端のそれぞれにおける焦点距離(F)、F値(Fno)、半画角(ω)、光軸上の各可変間隔を示す。表14(14−3)は、当該光学系が備える各レンズ群の焦点距離であり、f1は第1レンズ群1Gの焦点距離、f2は第2レンズ群2Gの焦点距離、f3は第3レンズ群3Gの焦点距離、f4は第4レンズ群4Gの焦点距離を示す。表15は、第4レンズ群4Gに含まれる回折面について、その面番号(面No)、回折次数(m)、規格化波長(λ)、回折面係数(C01、C02、C03、C04)を示す。また、条件式(1)〜条件式(19)の数値を表19に示す。
図21は、本件発明に係る実施例6の光学系の広角端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図であり、図22は望遠端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図である。当該光学系は、焦点距離が可変の変倍光学系であり、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群1Gと、負の屈折力を有する第2レンズ群2Gと、正の屈折力を有する第3レンズ群3Gと、正の屈折力を有する第4レンズ群4Gとから構成されている。
次に、当該光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表16は、当該光学系のレンズデータであり、表17(17−1)は、表16に示した非球面の非球面係数であり、表17(17−2)は当該光学系の広角端、中間焦点距離、望遠端のそれぞれにおける焦点距離(F)、F値(Fno)、半画角(ω)、光軸上の各可変間隔を示す。表17(17−3)は、当該光学系が備える各レンズ群の焦点距離であり、f1は第1レンズ群1Gの焦点距離、f2は第2レンズ群2Gの焦点距離、f3は第3レンズ群3Gの焦点距離、f4は第4レンズ群4Gの焦点距離を示す。表18は、第1レンズ群1G及び第3レンズ群3Gに含まれる回折面について、その面番号(面No)、回折次数(m)、規格化波長(λ)、回折面係数(C01、C02、C03、C04)を示す。また、条件式(1)〜条件式(19)の数値を表19に示す。
2G ・・・第2レンズ群
3G ・・・第3レンズ群
4G ・・・第4レンズ群
CG ・・・カバーガラス
IMG・・・像面
Claims (20)
- 最も物体側に正の屈折力を有する第一レンズ群を含む複数のレンズ群を備え、隣接する各レンズ群の間隔を変化させることにより変倍する変倍光学系であって、
前記複数のレンズ群は、回折面を含むレンズ群を少なくとも一群備え、
回折面を含むレンズ群のうち少なくともいずれかを、回折面を含む所定のレンズ群としたとき、
当該回折面を含む所定のレンズ群において、当該レンズ群全体が示す屈折力と同符号の屈折力を有するレンズのうち、最も屈折力の大きいレンズを第1のレンズとし、
当該回折面を含む所定のレンズ群において、当該レンズ群全体が示す屈折力と同符号の屈折力を有するレンズのうち、前記第1のレンズ以外の少なくともいずれか一のレンズを第iのレンズとし、
前記第1のレンズが以下の条件式(1)を満足し、
前記第iのレンズが以下の条件式(2)を満足し、
前記第一レンズ群は、二枚のレンズからなる接合レンズを少なくとも一つ含み、
当該第一レンズ群において、最も物体側に配置される接合レンズは以下の条件式(18)を満足すること、
を特徴とする光学系。
dndtP1×106 > −5 ・・・(1)
Ndi ≧ −0.014×νdi+2.5 ・・・(2)
30 < |νa1−νa2| < 50 ・・・(18)
但し、
「dndt」は、20℃以上40℃以下の温度範囲における632.8nmの波長の光線に対する真空中におけるレンズの絶対屈折率の温度係数(absolutedn/dT)であり、
「dndtP1」は、前記第1のレンズのdndtであり、
「Ndi」は、前記第iのレンズのd線に対する屈折率であり、
「νdi」は、前記第iのレンズのd線に対するアッベ数であり、
「d線」は、587.56nmの波長の光線であり、
「νa1」は、前記接合レンズを構成する物体側レンズのd線に対するアッベ数であり、
「νa2」は、前記接合レンズを構成する像面側レンズのd線に対するアッベ数である。 - 前記第1のレンズが以下の条件式(3)を満足する請求項1に記載の光学系。
Nd1 < −0.02×νd1+2.95 ・・・(3)
但し、
「Nd1」は、前記第1のレンズのd線に対する屈折率であり、
「νd1」は、前記第1のレンズのd線に対するアッベ数である。 - 前記第1のレンズが以下の条件式(4)を満足する請求項1又は請求項2に記載の光学系。
αP1×107> 120 ・・・(4)
但し、
「αP1」は、前記第1のレンズの0℃以上40℃以下の温度範囲を含む所定の温度範囲における平均線膨張係数α(−30/70)の値である。 - 前記回折面を含む所定のレンズ群が以下の条件式(5)を満足する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光学系。
−65 < dndtP1×Fg×Pw1×107 < 65 ・・・(5)
但し、
「Fg」は、前記回折面を含む所定のレンズ群の焦点距離であり、
「Pw1」は、前記第1のレンズの屈折力である。 - 前記回折面を含む所定のレンズ群は、前記第1のレンズ及び前記第iのレンズの他に、少なくとも1枚のレンズを備え、
以下の条件式(6)を満足する請求項1から請求項4のいずれか一項に光学系。
0 < Σdoe{νdx/fx}×ft ≦ 150 ・・・(6)
但し、
「Σdoe{νdx/fx}」は、前記回折面を含む所定のレンズ群を構成する各レンズの{νd/fi}の値の和であり、
「νdx」は、前記回折面を含む所定のレンズ群を構成する各レンズのd線に対するアッベ数であり、
「fx」は、前記回折面を含む所定のレンズ群を構成する各レンズの焦点距離であり、
「ft」は、当該光学系が示し得る最大焦点距離である。 - 前記回折面を以下の位相差関数式φ(h)で表したとき、以下の条件式(7)を満足する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光学系。
φ(h)=m/λ(C01・h2+C02・h4+C03・h6+C04・h8)
−25 < C01×Fg×1000 < 5 ・・・(7)
但し、
「m」は、回折次数であり、
「λ」は、規格化波長であり、
「C01」、「C02」、「C03」、「C04」は、回折面係数であり、
「h」は、同径方向における光軸からの長さであり、
「Fg」は、前記回折面を含む所定のレンズ群の焦点距離である。 - 前記回折面を以下の位相差関数式φ(h)で表したとき、以下の条件式(8)を満足する請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の光学系。
φ(h)=m/λ(C01・h2+C02・h4+C03・h6+C04・h8)
−1.5 < C01×tan(ωw)×fw×1000 < 0・・・(8)
但し、
「m」は、回折次数であり、
「λ」は、規格化波長であり、
「C01」、「C02」、「C03」、「C04」は、回折面係数であり、
「h」は、同径方向における光軸からの長さであり、
「ωw」は、当該光学系が示し得る最小焦点距離における半画角であり、
「fw」は、当該光学系が示し得る最小焦点距離である。 - 以下の条件式(9)を満足する請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の光学系。 −0.05≦ Δ(d−s)/f ≦ 0.05・・・(9)
但し、
「f」は、当該光学系全系が示し得る任意の焦点距離であり、
「Δ(d−s)」は、当該光学系全系が示し得る任意の焦点距離におけるd線に対するs線の近軸結像位置であり、
「s線」は、852.11nmの波長の光線である。 - 前記回折面を有するレンズは、以下の条件式(10)を満足する請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の光学系。
−3.0≦Σ{θCs/(fd×νd)}/Σ{1/(fd×νd)}≦3.0・・・(10)
但し、
「θCs」=「(nC−ns)/(nF−nC)」であり、
「nC」は、C線(656.27nm)に対する前記回折面を有するレンズの屈折率であり、
「ns」は、s線(852.11nm)に対する前記回折面を有するレンズの屈折率であり、
「nF」は、F線(486.13nm)に対する前記回折面を有するレンズの屈折率であり、
「fd」は、d線に対する当該回折面を有するレンズの焦点距離であり、
「νd」は、d線に対する当該回折面を有するレンズのアッベ数である。 - 前記回折面を有するレンズは、以下の条件式(11)を満足する請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の光学系。
−15≦Σ{1/(fd×νd)}/Σ{θgF/(fd×νd)}≦15・・・(11)
但し、
「θgF」=「(ng−nF)/(nF−nC)」であり、
「ng」は、g線(435.84nm)に対する前記回折面を有するレンズの屈折率であり、
「nF」は、F線(486.13nm)に対する前記回折面を有するレンズの屈折率であり、
「nC」は、C線(656.27nm)に対する前記回折面を有するレンズの屈折率であり、
「ns」は、s線(852.11nm)に対する前記回折面を有するレンズの屈折率であり、
「fd」は、d線に対する前記回折面を有するレンズの焦点距離であり、
「νd」は、d線に対する前記回折面を有するレンズのアッベ数である。 - 前記回折面を含む所定のレンズ群において、以下の条件式(12)を満足する請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の光学系。
0 < νd1/Pw1/fw < 1300 ・・・(12)
但し、
「νd1」は、前記第1のレンズのd線に対するアッベ数であり、
「Pw1」は、前記第1のレンズの屈折力であり、
「fw」は、当該光学系が示し得る最小焦点距離である。 - 以下の条件式(13)を満足する請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の光学系。
−100 < dndtP1×Pw1×fw×107 < 40 ・・・(13)
但し、
「Pw1」は、前記第1のレンズの屈折力であり、
「fw」は、当該光学系が示し得る最小焦点距離である。 - 以下の条件式(14)を満足する請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の光学系。
−130 < dndtP1×Pw1×ft×107 <260 ・・・(14)
但し、
「Pw1」は、前記第1のレンズの屈折力であり、
「ft」は、当該光学系が示し得る最大焦点距離である。 - 前記回折面を含む所定のレンズ群において、当該レンズ群全体が示す屈折力と同符号の屈折力を有するレンズのうち、二番目に屈折力の大きいレンズを第2のレンズとしたとき、
前記第1のレンズ及び前記第2のレンズが以下の条件式(15)を満足する請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の光学系。
−130<dndtP1×Pw1×fw+dndtP2×Pw2×fw×107<0 ・・・(15)
但し、
「dndtP2」は、前記第2のレンズの前記dndtであり、
「Pw1」は、前記第1のレンズの屈折力であり、
「Pw2」は、前記第2のレンズの屈折力であり、
「fw」は、当該光学系が示し得る最小焦点距離である。 - 前記回折面を含む所定のレンズ群において、当該レンズ群全体が示す屈折力と同符号の屈折力を有するレンズのうち、二番目に屈折力の大きいレンズを第2のレンズとしたとき、
前記第1のレンズ及び前記第2のレンズが以下の条件式(16)を満足する請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の光学系。
−200<(dndtP1×Pw1+dndtP2×Pw2)×√(fw×ft)×107<100・・・(16)
但し、
「dndtP2」は、前記第2のレンズの前記dndtであり、
「Pw1」は、前記第1のレンズの屈折力であり、
「Pw2」は、前記第2のレンズの屈折力であり、
「fw」は、当該光学系が示し得る最小焦点距離であり、
「ft」は、当該光学系が示し得る最小焦点距離である。 - 前記第1のレンズが以下の条件式(3−a)を満足する請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の光学系。
Nd1 < −0.014×νd1+2.5 ・・・(3−a)
但し、
「Nd1」は、前記第1のレンズのd線に対する屈折率であり、
「νd1」は、前記第1のレンズのd線に対するアッベ数である。 - 前記回折面を含む所定のレンズ群において、当該レンズ群全体が示す屈折力と同符号の屈折力を有するレンズのうち、二番目に屈折力の大きいレンズを第2のレンズとしたとき、
前記第2のレンズが以下の条件式(17)を満足する請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の光学系。
Nd2 ≧ −0.014×νd2+2.5 ・・・(17)
但し、
「Nd2」は、前記第2のレンズのd線に対する屈折率であり、
「νd2」は、前記第2のレンズのd線に対するアッベ数である。 - 前記回折面を含むレンズ群を構成するレンズの枚数が、3枚以上6枚以下である請求項1から請求項17のいずれか一項に記載の光学系。
- 前記回折面を含むレンズ群は正の屈折力を有する請求項1から請求項18のいずれか一項に記載の光学系。
- 請求項1から請求項19のいずれか一項に記載の光学系と、当該学系の像面側に、当該光学系によって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備えたことを特徴とする撮像装置。
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