JP6544517B2 - 熱生成ユニット - Google Patents
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熱生成ユニットは、給湯用熱交換器、カスケード熱交換器、熱媒体ポンプを備えている。
給湯用熱交換器および熱生成ユニットの外部から給湯用熱交換器に接続する水を主成分とする熱媒体を流す熱媒体配管からは、常に水分が発生する危険性がある。給湯用熱交換器および熱媒体配管の内部には、夏場でも10〜20℃の低温の熱媒体が流れる場合があり、給湯用熱交換器の表面や、熱媒体配管の表面には結露水が発生する。この結露水は、給湯用熱交換器や熱媒体配管の表面から直接底板部材に落ちたり、あるいは、熱媒体配管の表面を伝って、給湯用熱交換器や熱媒体ポンプの最下面から底板部材に落ちたりする。
また、給湯用熱交換器には熱伝導性の良い銅が使われ、熱媒体配管との接続口も銅であるのに対し、熱媒体ポンプの接続口には銅は使用されず、加工性のよい樹脂であることが多い。熱生成ユニット内部の熱媒体配管では、このように異なる部材同士を、シール材を使って、熱媒体の漏れが無いように接続している。
このように給湯用熱交換器や熱媒体配管から発生する水分は、底板部材上に設置されたカスケード熱交換器や、給湯用圧縮機を底板部材に固定する固定部材を浸し、それらの錆や腐食の原因となり、熱生成ユニットの耐久性に影響を及ぼすという問題を有している。
また、給湯用熱交換器から発生する水分が、カスケード熱交換器や給湯用圧縮機に浸水することを防ぐためには、特許文献1にも記載されているように、ドレンパンなどで水分を受ける必要があり、材料コストが高くなるという問題も有している。
これにより、給湯用熱交換器の接続部から漏れた熱媒体や熱媒体配管から結露した水分が発生した場合でも、カスケード熱交換器が漏れた熱媒体や結露などの水分に接触する機会を確実に減少させることができ、カスケード熱交換器の腐食による不具合を防止することができる。その結果、熱生成ユニットの耐久性を向上させることができる。
また、カスケード熱交換器の下端面を熱媒体ポンプの下端面よりも上方に配置することで、熱媒体ポンプと熱媒体配管の接続部など熱媒体が漏れる可能性がある位置より、カスケード熱交換器の下端面を上方に位置させることができ、カスケード熱交換器が漏れた熱媒体などの水分に接触する可能性を著しく低減させることができる。
これにより、給湯用熱交換器の接続部から漏れた熱媒体や熱媒体配管から結露した水分が発生した場合でも、カスケード熱交換器が漏れた熱媒体や結露などの水分に接触する機会を確実に減少させることができ、カスケード熱交換器の腐食による不具合を防止することができる。その結果、熱生成ユニットの耐久性を向上させることができる。
また、給湯用熱交換器の上方にカスケード熱交換器を配置することにより、従来技術のように両熱交換器の接続配管が互いに向き合うように設置する場合に比べて、熱生成ユニットの設置面積を小さくすることができる。
これにより、給湯用熱交換器および熱媒体ポンプの接続部から落下する熱媒体や結露などの水分を速やかに排水口から外部に排出することができ、カスケード熱交換器に加えて給湯用圧縮機を浸す可能性を著しく低減させることができる。
これにより、カスケード熱交換器と熱媒体配管に結露した水分との接触を極力低減させることができる。
これにより、腐食に強い給湯用熱交換器となり、漏れた熱媒体や結露水などによる弊害を防止することができる。
これにより、効率のよい熱交換を行うことができる。
図1は、本発明の実施形態に係る空調給湯システムのサイクル構成図である。
図1に示す空調給湯システムは、室外ユニット10と、室内機30と、熱生成ユニット40とを備えている。本実施形態においては、1台の室外ユニット10に対して、2台の室内機30、1台の熱生成ユニット40がそれぞれ接続された構成となっている。なお、冷凍サイクル構成に関しては、図1に示したものに限定されない。例えば、室外ユニット10は2台以上、室内機30も1台もしくは3台以上、熱生成ユニット40も2台以上、並列に接続可能である。
室外ユニット10と室内機30とは、高温高圧のガス化した空調用冷媒が流れるガス管25と、低圧の空調用冷媒が流れる吸入管26と、高圧の液化した空調用冷媒が流れる液管27とで接続されている。室内機30が、図1に示すように2台存在するときは、室内機30は3本の配管に対して並列に接続される。一方、室外ユニット10と熱生成ユニット40とは、室内機30と同じく配管に対し並列に接続されるが、ガス管25と液管27とで接続されている。
室外ユニット10は、室外熱交換器16に供給する空調用冷媒の流量を調整する室外冷媒流量調整弁18と、ガス管25における空調用冷媒の流量を制御する室外ガス管開閉弁19と、吸入管26における空調用冷媒の流量を制御する室外吸入管開閉弁20とをそれぞれ備えている。
これら空調用圧縮機11と、アキュムレータ12と、油分離器13と、室外熱交換器16と、室外冷媒流量調整弁18と、室外ガス管開閉弁19と、室外吸入管開閉弁20と、室内熱交換器31と、室内冷媒流量調整弁33と、室内ガス管開閉弁34と、室内吸入管開閉弁35とにより、第2冷凍サイクルを構成している。
また、熱生成ユニット40は、ガス管25から供給される空調用冷媒と給湯用冷媒とが熱交換するカスケード熱交換器44と、カスケード熱交換器44に供給する空調用冷媒の流量を調整する熱生成ユニット冷媒流量調整弁45と、給湯用熱交換器42に熱媒体を供給する熱媒体ポンプ46とを備えている。
これら給湯用圧縮機41と、給湯用熱交換器42と、給湯用冷媒流量調整弁43と、カスケード熱交換器44と、熱生成ユニット冷媒流量調整弁45と、熱媒体ポンプ46とにより、第1冷凍サイクルを構成している。
給湯用熱交換器42で70〜90℃にまで沸き上げられた熱媒体は、貯湯タンク(図示せず)に蓄えられる。熱媒体が飲料水の場合は直接給湯に使われる。一方、熱媒体が不凍液など飲料水でない場合は、室内に設置されたラジエータなどに供給されて暖房用途に、あるいは貯湯タンクで熱を飲料水に受け渡して給湯用途に利用される。
図2は、本実施形態における熱生成ユニット40の内部構造を示す平面図、図3は、熱生成ユニット40の内部構造を示す正面図である。
熱生成ユニット40には、給湯用圧縮機41と給湯用熱交換器42と給湯用冷媒流量調整弁43とカスケード熱交換器44とで形成される冷凍サイクルと、熱生成ユニット冷媒流量調整弁45と、熱媒体ポンプ46とがケーシング50に格納されている。
ここで、二重管式熱交換器の熱交換能力は、二重管の長さに比例する。したがって、二重管式熱交換器は、限られた設置容積の中で最大限の熱交換能力を確保するために、二重管を巻いて成型されている。二重管式熱交換器を設置するときは、二重管内の熱媒体が通る部分に空気が滞留し、熱交換性能が著しく低下することを防ぐために、二重管ができるだけ水平になるようにすることが好ましい。
カスケード熱交換器44は、伝熱プレート(図示せず)を重ね合わせて、ロウ付けなどにより密着させることにより、各伝熱プレートの間に冷媒流路空間を形成し、各冷媒流路空間に交互に空調用冷媒および給湯用冷媒を流すことにより、伝熱プレートを介して両冷媒の熱交換を行うものである。
カスケード熱交換器44は、設置面積が小さくなるように縦長の状態で設置されており、カスケード熱交換器44は、ケーシング50の側面部材52に接するように配置されている。
また、給湯用熱交換器42は、ケーシング50の底板部材51に固定されており、カスケード熱交換器44は、給湯用熱交換器42の上面に固定されている。すなわち、カスケード熱交換器44の下端面は、ケーシング50の底板部材51に接触しないように設置されている。
なお、カスケード熱交換器44は、必ずしも給湯用熱交換器42を囲う構成部材と接する必要はない。この場合、カスケード熱交換器44およびその周りの断熱材は、それらの重量を支えるだけの十分な強度を持つ構成部材で囲った上で、ケーシング50の側面部材52に固定するようにすればよい。
熱媒体配管63、64、65内の熱媒体の流れは、熱媒体ポンプ46の駆動により生じる。熱生成ユニット40内に流入した熱媒体は、熱媒体配管63を経由して熱媒体ポンプ46に流入し、熱媒体配管64に送出される。さらに熱媒体は給湯用熱交換器42に入って、給湯用冷媒により加熱されて70〜90℃の高温となった後、熱媒体配管65を経由して、熱生成ユニット40の外部に送出される。
また、熱媒体配管63、64、65の大部分は、加工性の良い銅管が用いられることが多いが、樹脂材料も用いられる。一方、熱媒体ポンプ46の熱媒体吸入部、吐出部には樹脂材料を用いられることが多い。
しかしながら、給湯用熱交換器42の冷媒配管は、給湯用圧縮機41と直接接続されているため、給湯用圧縮機41の運転時の振動は、冷媒配管を通じて、給湯用熱交換器42および熱媒体配管に伝わり、シール材による熱媒体ポンプ46の接続部や給湯用熱交換器42の接続口などの接続部のゆるみを誘発し、この接続部から水を主成分とする熱媒体の漏れが発生する場合がある。このような熱媒体の漏れは、定常運転時よりも、大きな振動が発生する起動、停止時のほうが、発生する可能性が高い。
このような漏れた熱媒体や結露水などの水分は、給湯用熱交換器42や熱媒体配管63、64、65の表面から直接底板部材51に落下したり、あるいは、熱媒体配管63、64、65の表面を伝わって、給湯用熱交換器42や熱媒体ポンプ46の最下面から底板部材51に落下する。
この底板部材51に落下した熱媒体や結露などの水分は、通常であれば、排水口62を介して外部に排出される。
この場合に、給湯用熱交換器42は、前述のように比較的腐食に強いため、多少、水分に浸ったとしても問題はないが、カスケード熱交換器44は、腐食に弱い。そのため、本実施形態においては、カスケード熱交換器44を、給湯用熱交換器42の上面に固定し、カスケード熱交換器44の下端面をケーシング50の底板部材51に接触しないように設置することで、カスケード熱交換器44が漏れた熱媒体や結露などの水分に接触する機会を確実に減少させることができ、カスケード熱交換器44の腐食による不具合を防止することができるものである。
また、本実施形態においては、熱媒体ポンプ46の下端面は、カスケード熱交換器44の下端面より低い位置となるように設置されている。このように熱媒体ポンプ46を設置することにより、熱媒体ポンプ46と熱媒体配管63、64、65との接続部など熱媒体が漏れる可能性がある位置より、カスケード熱交換器44の下端面を上方に位置させることができ、カスケード熱交換器44が漏れた熱媒体などの水分に接触する機会を確実に減少させることができる。
熱生成ユニット40に到達した空調用冷媒は、カスケード熱交換器44にて給湯用冷媒を加熱し、自身は冷却されて液化した後、熱生成ユニット冷媒流量調整弁45を経由して、液管27に流入し、室外ユニット10に戻る。
室外ユニット10に戻った液冷媒は、室外冷媒流量調整弁18で減圧した後、室外熱交換器16にて蒸発する。気化した空調用冷媒は室外吸入管開閉弁20を経由して、アキュムレータ12、空調用圧縮機11に戻る。
熱生成ユニット40に到達した空調用冷媒は、カスケード熱交換器44にて給湯用冷媒を加熱し、自身は冷却されて液化した後、熱生成ユニット冷媒流量調整弁45を経由して、液管27に流入する。
室外ユニット10に戻った液冷媒は、室外冷媒流量調整弁18で減圧した後、室外熱交換器16にて蒸発する。気化した空調用冷媒は室外吸入管開閉弁20を経由して、アキュムレータ12、空調用圧縮機11に戻る。
熱生成ユニット40に到達した空調用冷媒は、カスケード熱交換器44にて給湯用冷媒を加熱し、自身は冷却されて液化した後、熱生成ユニット冷媒流量調整弁45を経由して、液管27に流入する。
前述したように、熱媒体が流れる経路(熱媒体配管63→熱媒体ポンプ46→熱媒体配管64→給湯用熱交換器42→熱媒体配管65)には、樹脂材料と銅が混在し、異なる材料同士の接続部分が存在する。
また、給湯用熱交換器42の上方にカスケード熱交換器44を配置することにより、従来技術のように両熱交換器の接続配管が互いに向き合うように設置する場合に比べて、熱生成ユニット40の設置面積を小さくすることができる。
また、排水口62を、鉛直上方から見て給湯用熱交換器42および熱媒体ポンプ46により底板部材51に形成される投影領域の一部または全部と重なる位置に形成しているので、給湯用熱交換器42および熱媒体ポンプ46の接続部から落下する熱媒体や結露などの水分を速やかに排水口62から外部に排出することができ、給湯用圧縮機41や固定部材67などを濡らしてしまうことを確実に防止することができる。
また、給湯用熱交換器42を二重管式熱交換器とすることで、腐食に強い給湯用熱交換器42となり、漏れた熱媒体や結露水などによる弊害を防止することができる。さらに、カスケード熱交換器44をプレート式熱交換器とすることで、効率のよい熱交換を行うことができる。
また、本発明は、前記実施形態のものに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
11 空調用圧縮機
16 室外熱交換器
30 室内機
31 室内熱交換器
40 熱生成ユニット
41 給湯用圧縮機
42 給湯用熱交換器
43 給湯用冷媒流量調整弁
44 カスケード熱交換器
45 熱生成ユニット冷媒流量調整弁
46 熱媒体ポンプ
50 ケーシング
51 底板部材
52,53 側板部材
61 防振材
62 排水口
63,64,65 熱媒体配管
Claims (6)
- 給湯用冷媒を圧縮する給湯用圧縮機と、前記給湯用冷媒と熱媒体ポンプにより送られる給湯用熱媒体とが熱交換する給湯用熱交換器と、前記給湯用冷媒と空調用冷媒とが熱交換するカスケード熱交換器と、をケーシングに収容してなる熱生成ユニットにおいて、
前記給湯用熱交換器は、前記ケーシングの底板部材に設置され、
前記カスケード熱交換器の下端面は、前記ケーシングの底板部材に接触しないように設置され、
前記ケーシングは、前記熱媒体を送出する熱媒体ポンプを収容しており、
前記カスケード熱交換器の下端面は、前記熱媒体ポンプの下端面よりも上方に配置されていることを特徴とする熱生成ユニット。 - 前記カスケード熱交換器の下端面は、前記給湯用熱交換器の上端面より上方に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の熱生成ユニット。
- 前記ケーシングの前記底板部材に、排水口を形成し、
前記排水口は、鉛直上方から見て前記給湯用熱交換器および前記熱媒体ポンプにより前記底板部材に形成される投影領域の一部または全部と重なる位置に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱生成ユニット。 - 前記カスケード熱交換器は、熱媒体を流す熱媒体配管から一定の距離を隔てて配置されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の熱生成ユニット。
- 前記給湯用熱交換器は、二重管式熱交換器であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の熱生成ユニット。
- 前記カスケード熱交換器は、プレート式熱交換器であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の熱生成ユニット。
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